第27回 地方消費者行政専門調査会 議事録

日時

2020年1月29日(水)11:00~13:10

場所

消費者委員会会議室
東京都千代田区霞が関3-1-1 (中央合同庁舎第4号館8階)

出席者

【委員】
新川座長、池本委員、伊集委員、大森委員、尾嶋委員、西田委員、八木委員、山田委員
【消費者委員会委員】
清水委員
【説明者】
ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー
会津若松市川上企画政策部副参事
【事務局】
二之宮事務局長、金子参事官、友行企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 地方消費者行政に関するヒアリング
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○新川座長 ただいまから第27回「地方消費者行政専門調査会」を開催いたしたいと思います。

お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日は、首藤委員、山本座長代理は御欠席というふうに聞いております。

最初に、配付資料の確認をさせていただきます。資料はお手元のiPadに収納されております。1ページ目が出ているかと思いますが、議事次第、その中ほどに配付資料の一覧、資料1、2、3と記載されております。iPadを通じて御覧いただければと思っております。なお、操作につきまして、分からない点などがございましたら、近くの事務局職員までお尋ねいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

よろしければ本日の議事に入りたいと思いますが、各委員、よろしゅうございますしょうか。


≪2.地方消費者行政に関するヒアリング≫

○新川座長 本日は、ヒアリングをお願いしてございます。まず、ヤマトホールディングス株式会社様においでいただいてございます。よろしくお願いいたします。

本地方消費者行政専門調査会では、今から20年後の消費者行政の充実・強化ということを考えたい。そのときに地方消費者行政がどういう姿になっているのかということについては、やはり地域の暮らし方、あるいはそこでの地方行政、またそれに関わって消費者や事業者の方々がどのように行動しておられるのか、そういうことを通じて消費に係る諸問題をどんなふうに解決していく姿というのを描き出せるのか。このあたりが私どもの大きな関心事でもございます。

様々な利害関係者、ステークホルダーの皆様方に関わっていただいて、今後、問題解決をしていかなければならないと考えておるのですけれども、その重要な担い手として、当然事業者の方々もいらっしゃるということで、前回はイトーヨーカ堂様においでいただきました。それから、キッズデザイン協議会の皆様方にもお話を聞かせていただくことになりました。

本日は、全国で特に宅配便、配送を担っておられる、これも最近の議論ではやはりホワイト・ブラックのような議論もございますけれども、そうした配送を担っていただいておりますヤマトホールディングス様から、今、地方公共団体と連携をしつつ、本業を通じた地域貢献、地域課題解決、様々取り組んでおられるとお聞きしておりましたので、お話をお伺いしたいということで、快くお引き受けいただきました。どうもありがとうございます。

それでは早速でございますけれども、本日はヤマトホールディングス株式会社地域共創プロジェクトシニアマネージャー高野様においでいただいてございます。お忙しいところ誠に恐縮でございますけれども20分程度お話しいただき、その後各委員と質疑応答、意見交換などをさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

それでは、恐縮ですが、まずは御説明方よろしくお願いいたします。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー ただいま御紹介にあずかりましたヤマトホールディングスとヤマト運輸を兼職しております高野と申します。本日は貴重な機会をいただきありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。

では、資料の御説明をさせていただきます。

お手元のiPadの表紙について、本日発表させていただきたいのは、我々がやっております地域共創、地域で周囲のステークホルダーとともに価値を作っていくということを取り組んでいるプロジェクトで、ネコの手も借りたい人へのくらしのサポートサービス「ネコサポ」というネーミングで取り組んでいる取組を御紹介いたします。平素はクロネコヤマトの宅急便を御愛顧いただいていると思うのですけれども、本日は宅急便だけではなくて、それも含めた生活全般のサポートサービスをお届けしているという取組を御紹介させていただきたいと存じます。

1枚おめくりいただきますと、最初に会社の状況の御案内という形になるのですけれども、お陰様で2カ月前、11月に弊社は創業100周年を迎えさせていただきました。宅急便というサービスがスタートしてからは今43年ぐらい経っているわけでございましたけれども、ここ30から40年かわらず、我々は元日に主要各紙の新聞広告を一面入れさせていただきまして、毎年いろいろなメッセージを社会に感謝を込めてお届けしております。今年はこのスライドにありますような、人の写真ではなく猫マークを添えて、「マークは変わりません。でも、クロネコヤマトは変わります。」というメッセージを出させていただきました。どういうことかと申しますと、結局我々も一企業としてだいぶ宅配便偏重の会社でやらせていただいています。我々は社会的に、インフラというのはおこがましいですけれども、非常に多くのお荷物を扱わせていただいている会社として、より社会に幅広く貢献していく、事業を通じて社会に還元していくというコンセプトで何がやれるかと考えております。その中でも、より便利で快適な生活関連サービスをいかにお届けしていくかというコンセプトで、進めているところでございます。

1枚おめくりいただきまして、地域共創プロジェクトで実現を目指しているというところを御覧くださいませ。我々が何をやっているかという具体的な話につきまして、下半分の図で描いてございますところがコンセプトマップになっています。まずもって、我々は全国の各地域で宅配のお荷物を集めて届けるための社員であり、車であり、建物がございます。それが今、白抜きのところで「デリバリー(宅急便)」と書いてございますけれども、全国で言うと6万人ドライバーがいて、4,000店の店があって、1日500万個のお荷物をお届けしているということを日々日々やらせていただいています。地域地域でこれをやっているプロセスに加えて、さらにあと2つ、これからの社会に向けて我々ができそうなことということで、地域で展開していきたいと思っているサービスがございます。

それが右2つにありますけれども、1つは家の中。今までは玄関先までお荷物をお届けしていましたけれども、これからは少子高齢化の影響もありまして、家の中についてお困りの方が非常に多くいらっしゃると。この部分について我々が、あるいは地域のパートナーと協力しながら、家の中のことまでサポートできるというところをやっていきたいと思っているというのが一つでございます。

もう一つの右側、コミュニティー・生活相談の「場」というふうにございます。詳細はまた御説明いたしますけれども、やはり今の社会、御存知のとおり住民の方の3割は独居、お一人世帯で、もう3割は高齢の御夫婦だけの世帯というような状態でございます。本当に地域のコミュニティーもどんどん希薄化しているという一方で、我々はそこでリアルに人と建物で働いているという状況で、自分たちが中心になってコミュニティーを作ろうというよりは、地域地域の中でしっかりとコミュニティー、生活が活性化していくことを我々がサポートしていくという意味で、コミュニティー・イベントの場を提供していくというところをやっていきたいと思っています。

ただし、この2つ、イエナカとコミュニティーをデリバリーとは別にやりますと申しましても、当然、ぱっとお聞きになられて分かるとおり、それだけで採算性というのはなかなか厳しいわけでございます。でも、我々は株式会社でございますので、事業としてやる以上赤字ばかりというわけにはいかない。そういうことも含めて我々はどうしたらいいかという考え方が、その3つのサービスを基盤として地域地域で提供することで、その1個下にある、地域・自治体・パートナー事業者様との連携を深めて、家の中まで踏み込んだ我々のリアルなネットワークというものを使っていただく。どちらかというと住民の方、消費者の方への、世の中にある情報・商品・サービスのつなぎ役として価値を提供する立場になりたいと。そうすることで、住民の方だけから料金をいただくのではなく、つながっていないものがつながったという事業者の方々から幾らかのフィーをいただいて、それで我々の生業としていくということが、恐らく我々にしかできないやり方として可能性が高いのではなかろうかと。コンセプトはそういうことでございます。

あくまでそういったことで事業として何とか継続できる形を作っていって、その下にあります、結果的に社会課題解決ということで、団地再生だとか社会保障の医療費を低減する、そういったところにもきっとつながっていくはずであるという、こういったストーリーで我々の取組がございますということを紹介させていただきます。

1枚おめくりいただきますと、今言葉で申してきたことが図になってございます。真ん中に【ヤマト(ネコサポ)】と書いてございますけれども、ここでコミュニティー、集配、軒先から家の中までというところでいろいろなサービスを、まず我々が汗をかいて日々日々やりますと。このリアルな我々をお使いいただいて、左側、パートナーの事業者様、あるいは地域の団体様、行政の方々の商品・サービスを右側、我々が家族のように顔見知りになっている生活者の方におつなぎ、お届けする。この機能を我々が地域地域で担っていきたいということで、結果としてその下にあります地域住民の方の雇用にもなり、見守りにもなり、地域包括ケアのマネジメントのお役立ちにもなると、そういった文脈でやっているところでございます。

1枚おめくりいただきまして、「ネコサポ」って聞いたことないのだけれども、どれぐらいヤマトとしてやっているのよというところの御紹介をここからさせていただきたいと存じます。3番、ステーションの立地環境・イメージと書いてございます。実は多摩市の南半分ぐらいのエリアで、もう4年近く前になりますけれども、2店舗お店を出させていただきました。上の2つ、多摩の貝取ステーションと多摩の永山ステーションというお店になります。このお店は、団地の本当にど真ん中の交通の便も正直あまりよろしくないところ、いわゆるちょっと寂しい感じのUR団地の商店街の空いているところに、テナントとして入店させていただきました。

そこで何をやったかと申しますと、最初から本格的なビジネスとしてやったというよりも、住民の方、生活の方で我々が役立てることは何なのかというところを、本当の声を聞くということで、何でもやる便利屋さんに近い形で「ネコサポ」というサービスをやってきました。荷物のこともそうですけれども、家の中もやらせていただきますと、イベントも毎日やっていますというような形で3年ほど取組をさせていただいた期間がございました。

それを積み上げていって、約1年前に、そろそろ次の段階に進もうかというところで新しい出店をさせていただいたのが、左下の多摩グリナード永山ステーションという店になります。今までは本当に団地の中に2店舗出してきて3年間以上やってきたのですけれども、今回はあえてその団地からほど近いところですけれども、京王線、小田急線の駅に直結する地域のショッピングセンターにちょっと小洒落た感じのお店を出させていただきました。

これはどういうことかと申しますと、さっき左と右でパートナーと生活者様をつなぐと申しましたけれども、団地の中だけにいると、やはりパートナーも生活者も対象が限られてきます。つなぐべきパートナーがたくさんいらっしゃる駅前、そして、つなぐべき生活者の方も、団地の住民の方だけではなくて、駅を通っていく方であれば若い層も子育て層も含めて網羅できるということで、つなぐべきパートナーと生活者を求めて、近くの駅前にも出店したということでございます。

この団地のお店と駅直結の店をつなぎながら価値を生み出していくということをやらせていただいて、右下、昨年11月にようやく多摩市の次で松戸に出店をさせていただいて、松戸市全域で同じようなサービスを開始させていただいたところでございます。こちらのお店は、テラスモール松戸といいまして、結構大きな住商アーバン開発様の商業施設でございます。あえてそこに、若い世代を意識したお店を出させていただいて、そこで情報・商品・サービスを発信する基地として、近隣の住民の方への生活サポートを提供するということをスタートしたところでございます。

1枚おめくりいただきまして、ここからより具体的に、松戸は始まったばかりですので、主に多摩で何ができているのかというところを御説明させていただきます。デリバリー、イエナカ、コミュニティー、つなぐサービス、という順番でお伝えしたいと存じます。

4番のデリバリーを活かしたお買い物のサポートというところでございますけれども、やはり我々は一番の得意はデリバリー、荷物の運搬でございます。この機能をどうやって生かすかというところで、一番分かりやすいのは、お買い物が分かりやすいところでございます。書いてございますとおり、地域の商業施設さんと連携して、エリアをぎゅっと絞って地域限定で、梱包などしなくていいです、買った物をガラガラガラとカートのままお店に持って来てください。それで当日のうちにお届けしますという買い物便を提供させていただいておりまして、非常に御好評をいただいているところでございます。

お買い物が団地などでは住民の方にとって非常に課題だということは、我々は当初から意識しておりました。下の方に書いてあるのですけれども、実は最初はネットで買い物できるようになったら便利だよね、それを使えない人にどうすればいいかという形で、地域のスーパーさんと組んで、我々が事前にカタログを配っておいて電話注文を受け付けるということを始めていたのです。これはこれで、いわゆるライフライン的な形で続けさせていただいているのですけれども、当初考えていたほど、買い物をされなかった方が料金は安くても御利用されない。

どういうことかなと、よくよく聞いてみると、お買い物というのは皆さん行かないのですけれども、それは行きたくないから行かないのではないのだと。むしろ自分で出かけていって、自分の目で見て、自分で選んで買いたい。楽しみであるし、そこは「行きたい」のだと。ただし、もう帰りに荷物を持って帰って、団地の2階、3階によいしょ、よいしょと上るのがいよいよしんどくなってきたから、行くこともしていないのだと。そういう構造がかなり見えてきましたので、であれば、我々は、ライフラインは続けつつも、どちらかというと帰りをいかにリーズナブルに安くするかと、帰りだけお届けしますというところをいかに便利にするかというところにウエートを移しまして、非常に御愛顧いただいています。お陰様で、恐らくこのサービスがあるからこそ出かけていただく方も増えてきているのかなと感じているところでございます。

進ませていただいて、次に5番のイエナカ、家の中のサービスの状況でございます。コンセプトとしては、安心して信頼して何でも頼める暮らしの便利屋さんをイメージしていただくといいのかと思っています。得てして便利屋さんといいますと、頼んで大丈夫かなというような印象をお持ちになられるようなお店さんが多いのかなと思うのですけれども、我々はあくまでクロネコヤマトとして、品質についてもしっかり教育をしています。家の中のことまで宅急便のドライバーはなかなかする時間がありませんので、ドライバーとは別の作業スタッフ、キャストと呼んでおりますけれども、こちらを配置して、ドライバーと情報連携しながら地域密着で価値を提供するということをやらせていただいています。

何でも屋的なところなので、15分1,000円から頼まれたことを何でもやりますと。例えば洗濯物が落ちて木にひっかかったと、何とかしてくれよと、本当に誰に頼めばいいんですかこれというような御用命もありますけれども、そういったものをきっかけに顔見知りになってくると、例えばエアコンクリーニングだとか、世の中で普及しつつあるのだけれども、誰に頼んだら信頼して利用できるのか分からないというサービスも、お陰様で御用命をいただいているという流れになっているところでございます。

下の方に地域と連携した発展系サービスの事例ということで書いてございますけれども、作業部隊が何でもやりますというところを我々はリソースとして地域に開放していくという形でいろいろな取組をやらせていただいていまして、例えば特殊詐欺防止装置ということで、オレオレ詐欺を防止する電話の録音装置ですね。この辺を自治体の方々が高齢者の方に無償で配っているのですけれども、皆さん、付けるのが分からないのですね。やれば簡単なのですけれども、自分で付けてくださいと言われたら、分からないし、付けるのが面倒くさいから、ちょっと付けるのをやめておこうとなっているのが非常にもったいない。まさに地方消費者行政のやりたい取組が届いていないというところが見受けられましたので、では、我々が付けるところをお手伝いしますよということをやって、コラボレーションしていくというようなことをやっています。

あるいは一番下にごみ出しという形で、ごみを出すというのも非常にニーズが多くて、何でも屋として1,000円でも1,500円でも払うからごみを出してという方も少なからずいらっしゃったのですが、我々、それはちょっと違うだろうと。そういうのを一件一件で受けるのではなくて、例えば団地の一棟で時間を決めて前日の夕方に我々が順番に御用命のあったところに回るから、お一人様世帯当たりは数百円で使っていただこうじゃないかというようなサービスに、行政とも連携して発展させていこうではないかと。そういったことを取組としてやっているわけでございます。

1枚進んでいただくと、6番お客様の声というところで、今の家の中のことをデリバリーと併せてやっていることに、お陰様でいろいろな御用命をいただいて、お喜びの声もいただいているところでございます。時間の関係もありますので、後で御覧いただければと存じます。

次の7番のコミュニティー・生活相談の「場」というところの御紹介をさせていただきます。こちらはどういうことかと申しますと、イエナカやデリバリーを含めた暮らしの御相談を承るスタッフが、先ほど御紹介したお店に2名ほどが常駐しているということで、コンシェルジュと呼んでおります。元々我々は宅急便のお店を出すときには、必ず荷物の受け渡しあるいは事務的なことをする受付スタッフがおるわけでございます。その社員たちにある程度教育を施して、より生活に溶け込んだ御相談が受けられるようにしているということでございます。

左側コンシェルジュという欄に少し書いてございますけれども、例えば認知症サポーター講習を受けてもらう。あるいはAEDの使い方を学んでもらう。また、シナプソロジーという、スポーツクラブのルネサンスさんが提供されている脳活性化運動のインストラクターができるようになってもらう。そういった、ちゃんと講習をすれば、ある程度知識としてスキルとして身につくものを少しずつ提供させていただいて、より地域の暮らしを具体的に支えるスタッフになってもらうということをやらせていただいています。

そういったコンシェルジュが常駐している拠点を活用することで、右側のコミュニティーということで地域の方々に、例えばそのスペースで、地域の特技をお持ちの方に何かイベントを催していただくとか、地域の貴重なリソースを生かす場集まりの場として、いろいろなイベントを提供させていただいているところでございます。イベント参加の方が1カ月で200名ぐらい、お店に来ていただく方はそういったことを含めて8,000人ぐらいの方が御来店いただくというにぎわいを新たに生み出しているというところが我々の価値なのかなと思っております。

イベントとしては、例えばタリーズ様とかファンケル様、メルカリ様。先ほどパートナーの事業者と申しましたけれども、必ずしも事業者様が地域の方である必要はなくて、その地域でちゃんとサービスを提供いただける方であれば、むしろ全国区の質の高いサービスをやっていただける方もお呼びして、一緒にやらせていただいているというところが一つの特徴なのかなと思っております。

おめくりいただくと、8番事業者と連携したサービス・イベントの例ということで2つ、メルカリ様とコラボしたメルカリ講座というものと、右側エネチェンジ様というところと協力した電力見直し相談会というもののチラシの御紹介がございます。

もう一枚おめくりいただきまして、9番事例として御紹介させていただきます。我々はリアルな店舗を構えていますが、いわゆる世の中で技術革新、イノベーションとかで新しく生まれてくる商品・サービスで、IT色が強いものを我々がリアルで介在して、住民の方にお届けする。その便利さを享受してもらう、という構図が割と分かりやすく、付加価値をつくりやすいところなのかなと思っております。

今話のありましたメルカリ様の事例なのですけれども、メルカリ講座で何をやっているかと申しますと、あらかじめメルカリ様から我々はテキストを提供いただいてレクチャーをいただいて、メルカリ先生の資格みたいなものをいただいた店頭のコンシェルジュが2時間ぐらいのイベントで、メルカリって聞いたことあるし娘から使えと言われるのだけれどもどうやればいいか分からないという方々を募って、出品して売ってみたいものを1品お持ちくださいというイベントを催します。最初に、じゃあダウンロードから始めましょうみたいなところから始まり、途中こういう写真の撮り方をしたら売れやすいですよ、価格はこういうふうに調べたら分かりますみたいなコツを教えながら2時間後に出品して、じゃあみんなで出品してみましょうということでポチッと押すと、大体、7~8人いらっしゃったら1分ぐらいで誰か売れるのです。おお売れた、おめでとうみたいな感じで、知らない者同士が集まっている割には一気にみんなが仲よくなるイベントになるわけでございます。

基本的にはこういったものは、集まっていただく方には無償でやらせていただいて、これをなぜやるかというと、まずはコミュニティーを生むということと、その集まっていただいた方々には今まで知らなかった世の中の新しい便利、じゃあ家の中全部売っちゃおうかしらというような気づきが提供できるわけでございます。そうなると我々は、イベント自体は無料であっても、その後お荷物を出そうかしらという話だったり、あるいは何だったら家の中を片づけに来てねと、そういった御用命をいただけるチャンスがある。一方でメルカリ様にとっては、自分たちでは届かないお客様に一気に届いた。まさに三方よしという価値が生まれるようなところでございます。

その1個下の電力小売切り替え支援、エネチェンジ様というのも少し御紹介させていただきます。これも行政の施策として、電力の小売を自由化しました。では、今切り替えた人がどれぐらいいるかというと、10パーセントぐらいかなと言われていて、9割の人は切り替えてもいないという方がいらっしゃるわけです。この方たちに対して我々が、別にこれで停電はしないから大丈夫、生活費が楽になりたかったら切り替えたらどうかという情報をお届けして、我々はその情報は無償でお届けして、結果切り替えられたら、我々は電力系の方からバックフィーをいただくので、これも三方よしですね。そういうことをやりながら、届いていない行政施策等もしっかり届けていくということをやらせていただいている次第でございます。

次に参考で、イベントで地域住民の方との交流ということでいろいろやらせていただいているところでございます。右の真ん中にバスツアーなどというのもございますけれども、地域の旅行会社さんと連携して、独自性の高いバスツアーとして銀座のファンケルさんの施設等にお連れするということもやらせていただいたりしているところでございます。

次のスライド、10番地域包括ケア推進へのお役立ちということです。そういったことで我々は本業、デリバリーだとかイエナカを地道に毎日やりながら、地域の中で生活者寄りのコーディネーター役をやろうとしています。真ん中左側、我々ネコサポが生活者にとっての窓口となって、行く行くは金融だとか子育て、介護というところに対しても、我々が直接サービスするのではなくて、地域にはこういうリソースがあるのだよと、あるいは行政の施策はこういうものがあるのだよというのをしっかりお届けして、損をさせない、しっかりとそういったものが生産性高くつながる形を生み出していく。これは結局、地域包括ケアの概念ともかなり近しいのかなと思っている次第でございます。

次の11番が多摩での4年間の振り返りという形になっております。ネコサポ会員という無料会員制度を敷いているのですが、今5,400人ぐらいなのですけれども、地域の住民の1割ぐらいの方に御愛顧いただいている状況でございます。多摩では本当に4年近くやって、資料の一番下の方にいただいたお声ということで御紹介まででございますけれども、どうしても足とかが悪くなられて、施設に入られることになり、多摩から移られることになったお客様で、我々の御愛顧いただいたお客様で、転居先にネコサポがないことが非常に残念です、私はあなたたちがいたからこの町でこの3年間生きてくることができたのです、というありがたいお言葉をいただいたりしておりまして、本当に我々も気を引き締めて、こういったことを言ってもらえるお客様をどんどん増やしていきたいなと思っているところでございます。

次のスライドが、12番今後のサービス構想についてというところで書いてございますけれども、多摩で実施済みのサービスの展開予定が、他にもまだ御紹介できないところで諸々ございます。いずれも自治体の方、あるいは住民の方、そして商店会・事業者の方、こういった方々に我々が事業としてやりながら、三方よし、四方よしの関係を築けるということをコンセプトに設計しているところでございます。今後は防災だとか子育て向けのサービス、そういったところも、松戸以外の地域も含めて展開していこうと思っているところでございます。

お進みいただいて、13番はこれも最近の話なのですけれども、1月17日に、松戸市様でサービスインしたことにも伴いまして、松戸市様、松戸警察様、松戸東警察様と三者協定という形で、地域の防犯・防災もそうなのだけれども、加えてしっかりと地域の中でコミュニティーを生かしていく、まさに地域共創のまちづくりというのを一緒にやっていきましょうという協定を結ばせていただいたというところを御紹介させていただいております。

最後から2番目の14番今後の展開予定というところでございますけれども、多摩、松戸とやって、次に実は町田の方で住宅供給公社様の案件で展開が決まっているところが2022年にございまして、他にも今全国で同じように、我々の中では一つ一ついろいろなことを試しながらなのですけれども、形を変えてやっていくところを探しているところでございます。

最後に15番でございますけれども、私が今やっているネコサポという取組ばかりお話しさせていただきましたが、御紹介で、グループとしましてはやはり宅急便を毎日500万個お届けして、いろいろな地域とのかかわりという中でやれることを探している。行政連携でプロジェクトGという呼び方を社内ではしているのですけれどもいろいろな取組をしております。

左側、見守りという観点で言いますと、例えば地域の見守りが必要な方に、自治体の方から何かお届けするものを作っていただいて、お届けしたついでに健康情報を我々がフィードバックするというような活動をやったりですとか、真ん中、観光支援という形で、手ぶらで1日でも2日でも観光してくださいと。最後はホテルだとか空港に帰るときに、買った物が全部そこに届きますよ、という価値を提供したりですとか、そして右側、客貨混載という形で路線バスとか非常に経営が厳しくなられている地域のバス会社さんがいらっしゃいますので、そのバスの方々に、我々は同じ地域の方にもお届けするお荷物が少なからずありますので、我々のお荷物をバスのあいているスペースに載せていただくという形で、我々がフィーをお支払いすることで路線バスの維持につながるというような取組などもやらせていただいているというところがいろいろございます。

ネコサポ以外の取組が非常に簡単になってしまいまったのですけれども、御質問いただければお答えさせていただきたいと存じます。ありがとうございます。

○新川座長 どうもありがとうございました。

本当に多様な取組、そして、新しい分野への進出に熱心に取り組んでおられました。

各委員からそれぞれ御質問がいろいろあろうかと思います。どうぞ御自由に御発言を。

どうぞ、大森委員、お願いします。

○大森委員 どうもありがとうございました。

イエナカサービスなんかは、親子がそばにいると逆に必要なくて、離れた両親とかにこういうのをしたいなと思われる人が多分多いと思うのですけれども、これは今ちょっと松戸あたりまで東京中心の取組なのですが、採算的に大丈夫なのかどうか、全国展開可能なのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー ありがとうございます。

まさにお子様世代から高齢者向けということで、先ほど紹介しましたけれども、多摩市さんがふるさと納税で我々の取組を入れていただいたりなどということもやっている次第でございまして、そのニーズは多分にあると思っております。

全国展開できるかどうかと言われますと、今、多摩と松戸の状態でございますので、なかなかお約束というわけにはいかないところなのですけれども、全国に広げていくというところは目標として大きく掲げております。

ただ、宅急便というのはいわゆるユニバーサルサービスと呼ばれるもので、全国あまねくというところでございますけれども、このサービスはどちらかというとそういう性質でもないのかと。どちらかというと地域単位で、まさに行政様と連携ができるところ、あるいはパートナーがいらっしゃるところから小さな地域の点を広げていくというようなイメージでの展開になって、最初から地図を塗り潰すことが前提ではないのかなと思っておりますけれども、いずれにしましても、できる地域を広げていくということはやらせていただきたいと思って取り組んでいるところでございます。

○大森委員 そうしたら、具体的にはふるさと納税に加えてあげるよと手を挙げたところでは可能ということですか。すばらしいサービスなのですけれども、これは行政からの補助金とかも別にないわけですよね。こういうことを続けていこうと思うと、経済性というか、その辺がすごく気になって。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー ありがとうございます。

今、我々も全国で展開しても、我々にとってはぎりぎりの経済採算性が成り立つようになるために、多摩とか松戸でパートナーとの組み方であったり、あるいは我々としてのITの仕組みとかの整備であったり、そういったものを並行して進めている段階でございます。それが整えばいけるけれども、今現在この瞬間で言うと、まだ今すぐ全国でやりますというほど整ってはいない。まだまだお客様の声に対して、共感いただけるパートナー様を探しながら、いろいろ我々も汗をかいているところでございます。

○大森委員 ありがとうございます。

○新川座長 ありがとうございます。

その他いかがでしょうか。

山田委員、どうぞ。

○山田委員 2点ほど聞きたいのですけれども、1つは、ここは消費者関係のところなのですけれども、例えば認知症関係で次から次へと宅急便で品物が送り込まれるような老人家庭とか、着払いで何か送りつけられてくるようなところ、そうした問題に対して消費者相談的なところで、このネコサポとかが動くことができているのかどうか。また、そうした事象に対してヤマトさんではどういう形で対応されているのかというのが1点です。

もう一つは、こうしてネコサポを利用する方々との連絡ツールですね。クロネコヤマトさんもクラブをつくられて今やられているわけでありますけれども、具体的に連絡をアプリとかを使ってやられているのかどうか。それをどういう形でまた広げられているのかどうかということについて教えていただきたいと思います。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー 御質問ありがとうございます。

1点目の、例えば認知症の方々だとかに何ができるかというところでございますけれども、これも我々は非常に社会課題として重たいなと思ってはおるのですが、いわゆる認知症であったり、要介護、要支援といったところの分野といいますのは、我々が直接的にそこにサービスを提供するというのは、自分たちで壁は作りませんけれども、結果的にいろいろ難しいのだろうなと思っております。それは資格だとか規制、あるいはそういった世界にはもうプレーヤーが既にいらっしゃるということがありますので、どちらかというと、そちらのプロの方、あるいは地域にこういう方、団体がいらっしゃるということを我々が組んでおつなぎする。しっかりと価値をお届けするという役回りかなとは思っております。

ただ、そうはいっても何もできないかといいますと、1つ、ネコサポというよりヤマトの取組として御紹介させていただきますと、認知症の方々が働かれている作業所がおありだと思うのですが、そちらの作業所に向けて、我々は荷物を配達するのではなくて、ポスト投函のお荷物がダイレクトメールなどございますので、ポスト投函のお仕事をそういった作業所に積極的にお渡しさせていただいて、認知症の方の重度・軽度の問題も含めて作業所の方でコントロールいただきながら、そういった方々が働く機会を間接的に提供するという形で、地域でできることを増やしていく。そういった取組はやっております。

ネコサポとして直接やれることは、専門性が高いところになればなるほど非常に限られているけれども、だからやらないのではなくて、つなぎ役でできることを探していくというところが多いと感じております。

2点目の御質問、連絡ツールの件でございますけれども、実際は多摩、松戸の方では、いろいろ試しているのですが、やはり高齢者の方が多いと、ダイレクトメールといいますか、ポスト投函、手渡しのチラシが実は一番ヒットするのかなと感じます。温かみがある形ですね。ただ、それだけで終わることはなくて、今使っているのはLINEです。LINEのアカウントを1個ネコサポ用で設けて、そこに今月のイベントですというような形で情報を発信させていただくことも並行してやらせていただいております。

○山田委員 介護予防支援がいわゆる専門的なところから外れて、NPOや無資格の方でもできるようになりました。ですから、この分野は実は市町村において人的な資源とかが非常にないのですね。買い物代行、見守り活動、こうした点が多分、消費者問題も含めてだと思うのですけれども、市町村にとってもツールが不足をしていて、これからどうやっていくのかという点では、ネコサポみたいな活動が出てくると本当にいいのではないかなと思います。

それから、今は高齢者の方はそうですけれども、あと20年経てば、私なんかは完全に高齢者といいますか、もう後期高齢者になっているわけですけれども、一応LINEでも何でも使えますので、クロネコヤマトさんなんかでも最近、本当にいつくるかも全部連絡をしてくれる。ああいったツールをみんなが使うことになればいいのではないか。

ただ、そのときに多分一番大きな問題は、私も興味があるのはデータの扱いですね。データをどういう形で扱うのか。高齢者のイエナカサポートとか買い物代行とかいうデータは、行政にとっても物すごく重要なデータになってくるのですけれども、こうしたデータについては、まだそこまで分析とか収集はしていないということでしょうか。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー ありがとうございます。

1点目のいわゆる介護「予防」支援の分野でできることが増えていくところについては我々も理解をしており、先ほど地域包括ケアの話をさせていただきましたけれども、まさに介護「手前」の予防をしっかりして、フレイルケア等で自治体さんなどと一緒に、我々が地域の中でそこで役に立つという可能性は非常にあると思っています。自治体様の代わりと言うとおこがましいのですけれども、我々は民間との協力等に積極的な自治体様と一緒に、こういう役割をすれば、より介護の手前の方々に対しても健康な社会が提供できますよということをアプローチしている部分もございますし、しっかり視野に入れて取り組ませていただいている次第でございます。

ツールに伴うデータの関係なのですけれども、これもやはり世の中の情勢も含めて、我々も慎重に考えております。現在データを使い回すということは一切しておりませんでして、サービスを御利用いただいたという実績の関係をまだ分析等をしかけているところです。

ただ、これからの社会はそういった部分を行政様と、本来であれば連携した方が地域のためになるといったところをどれだけ社会が認めていただけるようなトレンドになっていくのかというところは見極めながら、ルールは踏み外さずにやっていきたいと思っているところでございます。

○新川座長 ありがとうございました。

その他。

尾嶋委員、どうぞ。

○尾嶋委員 今のお話の続きになりますけれども、お話をお聞きしていますと、自治体との連携に関してですが、ごみの問題、先ほどの自動録音機の問題、あるいは認知症サポーターの問題など、様々なことで自治体と関わり合いがあるものが増えているかと思うのですけれども、自治体の中には、連携しやすいところとしにくいところとあるかと思うのです。やはりこれからは、連携を進めていかなければいけないと思っているのですけれども、事業者様からみて、どういうところを改善してもらいたいと思っていますか。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー ありがとうございます。

少し角度が違うかもしれませんが、我々は自治体様、本当に御熱心に協力いただけるのは一番うれしいですし、お金の拠出に関しては、出していただくことが必須とは思っていないです。特にご協力いただきたいのは、地域の中でコミュニティーに我々が入っていくというのは想像以上にハードルが高いので、そちらへのフォローになります。我々が雇っている社員は元々地域の人間なのに、全国規模の会社の看板がついて回るので、そういった会社が地域の社会に入っていくというときには、やはり最初は信頼関係の構築から始まるわけでございます。そこというのは、まさに自治体の方々が、ヤマトは大丈夫だよと言っていただくのが我々としても非常に心強いところがございます。そうなっていない代表的な話としては、例えば高齢者の移動・外出を支援しましょう、まさにフレイルの方に支援しましょうという話になったときに、今の介護事業とかの文脈だとそういうものを委託するときは「NPOなど」を対象とするという法律の書かれ方がされておりまして、それを自治体の方が読まれるとどう考えるかというと、「これはNPOにしか頼んじゃだめなんだ」という捉え方をされている自治体様が非常に多いというのがあります。

なので、そこの部分を自治体の方々、行政の方々も気持ちのハードルを少し下げていただいて、地域共生社会と言われて久しい世の中でございますので、本気でそういう取組をしている会社に対しては、自治体のお仕事みたいなことも委託するよ、と言っていただける関係が、我々はどちらかというと委託料が欲しいというよりもその信頼関係が欲しいというのはあります。ただそれも、こういった取り組みを続けながら実績を作っていくことが一番の近道なのかなと、頑張らせていただいているところでございます。

○尾嶋委員 ありがとうございました。

○新川座長 ありがとうございました。

その他いかがでしょうか。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 最近、オレオレ詐欺も宅急便でお金を送るとか、そういう手法があって、何回も同じところに届くのを気づいた人が水際で、2回目はセーフになったというようなこともあって、やはりこういうふうに地域の活動に積極的に関わっていただけるネコサポの皆さん方には、ぜひ消費者被害とかそういう情報も一緒に学んでいただいて、地域をサポートしていただけるのが一番うれしいかなと思うのです。

今、地域で見守りネットワークというのができていたり、そういう名前はないけれども、地域で似たような社会福祉協議会の方、センターの方とか弁護士の方が入ったり、学校の先生が入ったりするようなものを作って、地域を見守っていこうという動きがありますので、そこにぜひ事業者代表として参画していただいて、こういうことならできるという御意見も出していただきたいし、また、こういうトラブルが多いのだなという情報交換をしていただけたらうれしいなと思います。

コンシェルジュの研修の中に、高齢者のトラブルとか消費者被害を学ぶというような学習会も入れていたけたら、よりクロネコさん自体も勉強になるし、地域の人の啓発にもなっていいかと思うので、また御検討いただけたらと思います。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー 貴重な情報をありがとうございます。ぜひコンシェルジュの学びの項目に加えていきたいと思います。

やはり元々デリバリーでやっていることを含めまして、地域での見守り活動、そういったものには我々もできることはやって、いろいろなところで協定を結ばせていただいているところでございますけれども、それにプラスして今回の取組というのは、先ほどのオレオレ詐欺の自治体の録音機ではないですけれども、我々自身だけが何かやるのではなくて、地域にはこんなことがあるというのを我々の方がむしろ積極的にそれを知って情報をお届けするという形になれば、もっともっと形が生まれるのかなと思っていまして、そこに力を入れていきたいと思っております。

○新川座長 ありがとうございます。

池本委員、どうぞ。

○池本委員 今の大森委員のお話の延長になるのかもしれませんが、福祉の分野でも、あるいは消費の分野でも、見守り、声かけということをしきりに言っています。福祉の分野で言うと、例えば電気・ガスの検針員の人に、例えば新聞がたまっていないか見てくださいとか、そのようなことをお願いしていると聞いているのですが、宅急便の場合には、ただ外から見て新聞がたまっているとか電気が点いていないという外観だけではなくて、ドアを開けてもらって直接会話をするということが日常の業務の中にあるという意味では、さらに一歩、まさに家の中というか、対面して会話ができるという意味では非常にチャンスの大きい場面かなと思います。

その意味で、消費の分野で言うといろいろな消費者被害防止のためのチラシを作ったりしているのだけれども、自分のところでどこへ届けるか、講習会を開いても来る人はいいのだけれども、来ない人こそターゲットにされやすいという悩みがあるわけです。その意味では、別にどこの誰さんに届けてくださいという個人情報まで共有する必要はないけれども、皆さんの業務の中で、そこは年配の方がいらっしゃるとかいうことが経験的にお分かりだから、宅配で行くときにそこにはチラシを1枚添えて一言声をかけてあげる。単純に郵便受けに入っていてもそのままどこかへ行くでしょうけれども、顔見知りのいつも来る方が一言声をかけるだけで全然受けとめる側の意味が違ってくるというふうに聞きます。

そういう意味で、回る皆さんにも一言声をかけるための知識というか、ちょっとした学習の機会というのがあるといいのかなと思います。そのあたりが何か今後の業務の中に位置付けられると非常に力を発揮していただけるのかなという、感想ですけれども申し上げます。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー ありがとうございます。

学習の機会ということでそういったものを取り込んでいきたいと思います。

今お話を聞いていて思い出しましたのが、消費のシーンという意味で、先ほどご紹介した電話注文での買い物も、正直、昨日買った物が今日全く同じ分量でまた電話が入ってきたことがあって、実際にそれはオペレーターが、すみません何々さん、これは昨日も同じものを頼まれていたけれども大丈夫ですかという話をしたら、後で御家族と確認されてやっぱり要らないわ、みたいな話になったりということも実際には起きております。そういったところは我々、どちらかというとビジネスではないのだろうなと思っていますけれども、こういうところがまさに我々のリアルな価値。正直、例えばAIとかでなかなか補完できないところなのだろうなと理解しております。

○新川座長 ありがとうございました。

西田委員、どうぞ。

○西田委員 地域に根付いてニーズを探りながらモデル化をして、それでいろいろな地域に展開できるようなことを今考えて試行しているということで、非常にすばらしい取組ではないかなとお聞きしていました。

先ほど、いろいろな教育のツールで資格を取って教えることで伝えていくということを、今メルカリなんかでできていますよということで、確かにそういうのが消費者問題に関しても、これはそういう資格制度があるのか分からないですけれども、そういうものを取ったりして伝えていくということは非常にいい方法なのかなと感じました。

これは先日、高齢者被害防止の講習会に出る機会がたまたまあって、そこで紹介されていた最近多い手口の一つに、代引きサービスで商品を送りつけられた際に、そこで払ってしまったら厄介なことになるという話ありました。代引きサービスに関係する詐欺は実際のビジネスにも直結するところで、もし何かそういうところで被害を食いとめられるとか、もしくはそういうデータを蓄積できるとかいうと、今イエナカとかネコサポというのでやっているものと、現業の方のデリバリーをするところが連携するような可能性もあるのかなと思ってお聞きしていました。その辺はそういう統計が社内的にあったりしますか。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー お恥ずかしながら、あまり統計的な分析というのはできていないと認識しています。と申しますのは、やはりお荷物をお届けするという行為、この本業自体は、我々はやはりどうしてもそのお荷物の中を見てはいけないですし、例えばそれが誰から頼まれたものであったら届けないというルールは我々にはできないことです。いわゆる反社会勢力等のお荷物は最初から受け取りませんけれども、そうではないものとして出されたものはお届けするのがお金をいただいた仕事でございますので、そこはやらざるを得ないというところがあります。

ただ、そこである程度ビジネス外なところで、こんなの明らかに不自然だよねというものがあったら、お届けが終わったときにお声がけをして、話をするというのは、これは完全にサービス外で今はやらせていただいているところなのだと思います。それを集計するということは今のところできていないです。ただ、おっしゃるとおり行く行くはそういったところの価値としても社会に提供していくことがいいのかなとも感じます。

○西田委員 すごくそういう被害が多いと盛んに教育されていたので、ぜひ何かできるといいなと感じました。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー 勉強いたします。

○新川座長 ありがとうございました。

その他いかがでしょうか。

八木委員、どうぞ。

○八木委員 こんなことを言って申しわけないのですけれども、消費者生活の相談みたいなことをクロネコヤマトのドライバーの方がするというのは採算性とかそういうことも含めて難しい部分があるのかもしれませんね。これは行政側の問題もあるけれども、今は副業というのがあるわけですね。例えば、ドライバーさんが消費者生活相談員の資格を持って、副業としてそれを同時にやっているというようなことを企業として取り組む可能性があるのか。あるいはそれを行政として、行政側も副業として受け入れられるのか。法律的にそれがクリアできるのかということはあるかもしれませんが。私もクロネコヤマトさんは随分活用させていただいているのですが、ほぼかかりつけドライバー的なのですね。かかりつけドライバーさんに対して、生活相談員としての役割を与えることによって収入も出てくるということもあるので、その辺の余地があるかどうか。あるいは今すぐでなくても、何か副業というものを考えながら生活相談のサービスというものをやっていく余地があるのか、その辺を御検討いただけるとありがたいなと思いながら伺っておりました。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー 貴重な御意見をありがとうございます。

まさに進化形といいますか、行きつく先の一つとしてはあってもいいのかなと。先ほど申し上げましたが、我々ドライバーは残念ながら1日100個、200個の荷物を配達に回っておりますので、顔見知りなのですけれども、家の中のサービスだとか御相談にその場で乗れるというのはちょっと難しいです。なので、別部隊で同じぐらい顔見知りの者を配置してやってみているのが現状です。

ただ、これが全国同じかといいますと、例えばもう少し過疎に近いところとかで同じことをやるのであれば、ドライバーがこの日は配達だけれどもこの日は配達をしなくていいから、予約しておいた相談のところに行ってあげて、ということが副業的にできる。副業というより同じ人が社員が対応するという感覚なのですけれども、可能性としてはそういったことができるチャンスはあるのかなと思っております。

○八木委員 もし、クロネコヤマトさんがそういうサービスをやられるとすれば、これはヤマトさんで運んでくださいというふうにつながると思うのです。ヤマトさんがやると、ひとり暮らしをしている要介護の母のところへ物を送ったときに問題があったら連絡をくれると。そのときにどうしましたかといって家にとどまる必要はないけれども、連絡をしてくださいと。それだったらほとんど時間的余裕の問題も出ない。それを消費者生活相談員と言うかどうかは別にして、何がしかそこからキャッシュを生むということもできるのではないかと思います。企業としてもニーズがそこにあるので、お考えいただければありがたいかなと思います。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー ありがとうございます。

○新川座長 ぜひ御参考に。

清水委員、どうぞ。

○消費者委員会清水委員 オブザーバーの清水でございます。

名古屋市の例で、実は佐川急便さん、実名を騙りSNSで詐欺に利用されたという経緯があって、1年前に佐川急便さんのワッペンに「188」をつけていただいて声かけをお願いしました。名古屋市の場合は見守りネットワークができていないのですけれども、実は私ども全国消費生活相談員協会が名古屋市の受託で、佐川急便さんのドライバーさんに見守り支援講座をやらせていただきました。

佐川急便さんのワッペンに「188名古屋市」と入れたのに、クロネコヤマトさんに入れていただくような広がりがないのか残念です。今、八木委員が言われたように、消費生活相談というと難しいかもしれませんが、サポーターという形で消費生活センターにつなげていただき、全国展開するというのはいいと思います。消費者が全国隅々までどこに住んでいても相談を受けることができるために、つないでいただくパートナーですね。よろしくお願いします。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー 我々も自分たちから買って出ておらず申しわけございません。ありがとうございます。

○新川座長 おおよそよろしゅうございますか。

尾嶋委員、どうぞ。

○尾嶋委員 今のお話のように、現在、消費生活センターには宅配便絡みの相談は非常に多いので、宅配業者様には協力していただいています。「宅配便の方が見えたらこうこうしてもらってくださいね」とセンターから相談者に助言しています。例えば商品は持って帰ってもらうなどお願いすることもあります。このようなことは全国的にやっていただいていると思い、大変ありがたく思っておりますが、もう一歩先というところもありますので。

それから、もう一つ、私もデリバリーのことばかり考えていたのですけれども、現在、通販のトラブルが非常に多くなっているのです。やはり商品は実物を見て買うのが基本で、通販は見ないで買うために様々な問題が出ています。先ほどお店で買ったものを自宅に届けるというサービスも両面からやられていて私は、今後、これはとても重要で、まちづくりなどにもつながるのかではないかと思ってお聞きしていました。ありがとうございました。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー こちらこそありがとうございます。

○新川座長 どうぞ。

○山田委員 1つ紹介だけしておきます。記憶にあったので調べてみたら、私、平成27年に山内社長と京都府とヤマト運輸株式会社との地域包括協定を結んでおりました。その中で、物産の販売、安心・安全なまちづくり、高齢者支援、障害者支援、子供・青少年の健全な育成支援、災害対策、そして環境保全を目的にしています。その後進んでいるかどうかは分からないのですけれども、こういう形で本当に行政との協定がどんどん進んでいけば、かなりおもしろい展開になるのではないかと思います。

○新川座長 ありがとうございました。

ぜひしっかりメンテをしていただければと思います。よろしくお願いします。

○山田委員 メンテは僕じゃないので。

○新川座長 その他よろしいでしょうか。

予定の時間が大体来てしまいました。本日は、ヤマトホールディングスさんから本当にすばらしい活動を御報告いただきました。宅配からイエナカへ、そして地域コミュニティー、その中での生活サポートへと大きな広がりを持っておられて、その中から本当にいろいろな可能性がこれから広がっていく。まだまだ点や目出しの段階かもしれませんが、いろいろな可能性があって、私ども消費者行政を考える立場からも大変参考になるお話をいただけたかと思っております。

とりわけ将来、恐らくこれからも人口減少や経済活動の停滞といったようなこともあるかもしれませんが、もう一方では、ICT環境もはじめとして、私たちの暮らし方そのものは、どんどんと様々な新しい環境に対応していかなければなりませんし、消費生活もそうなっていくのだろうと思います。

そうしたときにあって、従来のような行政で専ら相談処理をするというような消費者行政だけではなくて、むしろそれぞれの現場、お一人お一人の暮らしの場で見守りや相談、そして時には適切なアドバイスが進められるような社会を作っていかないと、本当に安全な安心して暮らせる、消費者が中心にいられるような消費者市民社会にもなっていかないだろうなと思いながら聞いておりました。そのときの事業者の方々の役割は大変重いなというふうに、改めて今日お話を聞きながら感じていたところです。今後ともいろいろな場面でまた御協力をいただいたり、私どもに対する御注文もいただいたりするところも出てくるのではないかと思っております。

今日は大変貴重なお話をいただきましたことに感謝を申し上げますとともに、今後ともよろしくお願いをしまして、まずはヤマトホールディングスさんのお話は以上にさせていただきます。どうもありがとうございました。

○ヤマトホールディングス株式会社高野地域共創プロジェクトシニアマネージャー ありがとうございました。(拍手)

(ヤマトホールディングス株式会社退席)

(会津若松市着席)

○新川座長 引き続きまして、地方公共団体からお話をお伺いしたいと思っております。

私どもは20年後の消費者行政、地方消費者行政のあり方、その充実・強化の方向、そうしたことを考えようということで議論をしてまいりましたが、とりわけ今後、AIやIoT、こうしたICT技術の技術革新とその活用ということは、これはもう必須と考えております。しかし、同時に、どういう方向を向いたらよいのか、そして、どんな将来の可能性があるのか、こういうところについてまだまだ私ども自身、勉強不足なところもございます。そうした点で、行政の各分野にわたってこうしたICT技術を活用しておられます会津若松市様においでいただいてお話を伺えて、大変ありがたく存じております。

本日は、会津若松市企画政策部副参事の川上様においでいただいてございます。お忙しいところをどうもありがとうございます。

それでは早速でございますが、会津若松市さんからそのお取組の経緯、内容や、あるいは事業者や大学等との連携につきまして、20分程度お話をいただき、その後委員と少し意見交換をさせていただければと思っております。

それでは、大変恐縮でございますけれども、まずは簡単に御説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○会津若松市川上企画政策部副参事 皆さん、こんにちは。会津若松市企画政策部副参事の川上と申します。本日はよろしくお願いいたします。

私、実は総務省から出向ということで来ておりまして、昨年の夏からスマートシティと地方創生の担当ということで現在の仕事に携わらせていただいております。

それでは、早速でございますが、「『スマートシティ会津若松』の取組とビジョン」ということで御説明させていただきますのでよろしくお願いいたします。着座にて説明させていただきます。

それでは早速資料の方を説明させていただきます。まず表紙ですけれども「『スマートシティ会津若松』の取組とビジョン」ということで、こちらは雪の積もった鶴ヶ城というお城なのですが、今年は雪が非常に少ないので全くこのような景色ではないのですが、雪が積もるとこのようなきれいな景色になるというものでございます。

1ページ目に進ませていただきまして、会津若松市の概要でございます。地理としましては、福島県の西に位置しておりまして、磐梯山ですとか猪苗代湖など豊かな自然に囲まれた町となっております。また、産業としましては国内有数の観光産業ということで、鶴ヶ城というお城ですとかあとは白虎隊などが有名かと思います。また、稲作を中心とした農業と酒、漆器等の地場産業も盛んでして、ICT関連の最先端産業・IT関連産業の創設ということもございます。また、会津大学というのが一つ有名な大きな要素でして、平成5年に開学したICT専門の大学でございます。こちらは先進のソフト・ハードウエアサイエンティスト養成を目的としておりまして、コンピューター関連と英語教育に特徴を有してございます。人口としては1月1日現在で11万8,000人強、世帯数としては5万2,000弱となっております。

2ページ目に進ませていただきまして、会津若松市の御紹介なのですが、グルメとしては写真の左にあるようにニシンの山椒漬けのほか、ソースカツ丼、カレー焼きそばといったちょっとカロリーが高目なものをB級グルメということで売り出しております。また、下に伝統工芸品ということで、会津漆器、赤べこ、起き上がり小法師などがございます。

また、お酒の紹介でして、3ページ目でございます。毎年5月に東広島市で全国新酒鑑評会というのを開催していまして、良いお酒に金賞が与えられるのですけれども、金賞受賞数は福島県が7年連続で日本一となっております。県全体の金賞数が22銘柄だったのですけれども、そのうちの過半数の13銘柄が会津のお酒ということで、日本酒ということでも売り出しておりますので、ぜひ一度お越しいただければと思います。

この次に、会津大学を冒頭で紹介させていただいたのですが、コンピューターサイエンス領域で研究者数が全国1位、学生数が全国1位。また、大学発のベンチャー数が33社、こちらも非常に多い数となっております。また、国際性ということで外国人教員比率が40パーセント、こちらは理系大学では全国1位。文部科学省さんのスーパーグローバル大学にも採択していただいております。あと、イギリスのタイムス・ハイヤーエデュケーションというランキングでは、日本の大学の中で26位、公立大学では2位となっております。

5ページ目でございますが、会津若松市の人口動態と課題認識でございます。人口ビジョンというのを2015年に策定しまして、本市の人口のピークは1995年に13万7,000人程度おったのですけれども、このままのペースでいくと2040年には人口10万人を切ってしまいまして、また、2065年にはピークの半分の6万5,000人を切るという現状推計が出ております。そうならないように、人口10万人程度の位置を目指していくということを掲げているのが人口ビジョンでございます。

右上のグラフですけれども、生産年齢人口ということで、15歳以上64歳以下の人口が平成20年と平成30年を比較しますと12パーセントも減っている。このあたりが大きな課題だと考えております。

あと、真ん中あたりに会津若松市の課題ということで書いておりまして、近年は毎年1,000人程度、人口がどんどん減っている。特に生産年齢人口の減少が大きいと。また、会津大学の入学者は6割が県外から来ていただいているのですが、卒業生の8割が県外へ就職してしまう。こういった状況を踏まえまして、製造業等の工業誘致に加えて、新たな切り口でも企業誘致を進めていくことが重要だと考えました。

そういった状況の中、平成25年2月に市長の施政方針として「スマートシティ会津若松」の推進を掲げました。

次のページで「スマートシティ会津若松」とは、ということで御説明させていただきます。

こちらの目的ですけれども、健康や福祉、教育、防災、エネルギー、交通、環境など、様々な分野でICTをツールとして活用した取組を推進するといった目的を掲げております。

3つ大きな目標がありまして、1つ目が産業振興を含めた「地域活力の向上」を図りますと。こちらはICTの集積などにより、新たな「しごと・雇用」を生み出しますというものです。2つ目が「安心して快適に生活できるまちづくり」を進めるというものでして、ICTを使って生活の利便性を高めますと。3つ目としては「まちの見える化」を図りますということで、地図上への情報表示ですとか、センサーで取得した情報を見える化していきますという3つの目的を掲げております。質問をいただくことがあるのが、会津若松市はICTだけやっていて、他の教育とか観光とか防災といった取組は疎かになっているのではないかということですが、そうではなくて、右下の図になるのですけれども、教育とか観光とか防災、様々な分野でICTをツールとして活用しているのです、いろいろな分野に裨益するものですという御説明をしております。

続きまして、7ページ目はまち・ひと・しごと創生総合戦略と人口ビジョンの概要でございまして、人口ビジョンは先ほど御説明したとおり、長期的に10万人程度の人口を維持していきますということを掲げております。

また、地方版の総合戦略というのも作っておりまして、5つ柱を作っております。左から順番に、アナリティクス産業・ICT関連企業の集積、2つ目が観光による地域連携と交流の促進、3つ目が既存産業・資源を活用した効率化・高付加価値化によるしごとづくり、4つ目が人・企業が定着したくなるまちづくり、5つ目が結婚・出産・子育て支援と教育環境の整備。こういったものを柱として掲げ、一番下に記載しております「データ×アナリティクス=スマートシティ会津若松」の推進を取り組んでおります。

8ページ目は官民連携に当たっての複数の協議会の存在でございまして、本市がどのような体制でスマートシティを進めているかという説明なのですけれども、会津若松市が真ん中にございまして、スライド上では上にまち・ひと・しごと創生包括連携協議会という協議会があります。こちらは首都圏に本拠地を構える大企業も多数参加していただいておりまして、こちらの協議会で新規事業の提案ですとか、あとはPDCAですね、事業効果の検証ということをしていただいております。

また、右下に会津地域スマートシティ推進協議会と書いているのですけれども、これは主に地元に拠点のある団体が中心となって入っていただいておりまして、実際にサテライトオフィスの運営ですとか、あとはこの後御説明いたします「会津若松市+(プラス)」の運用などをしていただいております。

9ページ目は取組事例の一例でございます。ちょっと細かい記載ですので、次ページ以降で詳細について説明させていただきたいと思います。

10ページ目ですが、知りたいことに応じて情報が届く「会津若松+(プラス)」というものをホームページ、レコメンド型の情報提供プラットフォームということで構築しております。市でホームページを作っているのですけれども、やはり欲しい情報を取りに行くのに深い階層まで探しに行かないといけないですとか、どこに欲しい情報があるのか分からないという声もあり、個人個人に応じて必要な情報をピックアップして、お勧め表示するという機能を有しております。まず、ID・パスワードを登録していただき、その中で個人の属性ですね、年齢、性別、家族構成、趣味嗜好等を登録していただき、その人に合った情報をレコメンド表示するといった機能になっております。

具体的には11ページ目に説明の資料がございまして、こちらが子供のいらっしゃる主婦の方の例でございます。こちらの方は女性でお子さんが何人かいらっしゃると、そういう登録をしていただきますと、レコメンド表示ということで、「親子でチャレンジ!丸太からのいすづくり」ですとか、あとは「次年度の児童手当のお知らせ」というものが上の方に表示されるようになっております。

また、右上にガジェットという囲いがあるのですけれども、ここの中でイベントカレンダーですとか、あとは除雪車ナビとか、役に立つアプリケーションをAPI連携させて表示させることができる機能も有しております。

12ページ目ですけれども、「会津若松+(プラス)」の利用者数の伸びということでございます。平成27年度に運用を開始しまして、28年度では2万3,000程度がユニークユーザー数としておったのですけれども、平成30年度末時点で約8万8,000人、また、令和元年度、今年度の4月から9月で7万人程度の方に閲覧をしていただいているといった状況でございます。こちらは延べ人数ではなくユニークユーザー数ということで、市内の方も多く含んでいると思いますし、他にも視察でいらっしゃる方も含んだ数字なのかなと考えております。

続きまして13ページ目でございます。こちらは「会津若松+(プラス)」というものが情報提供プラットフォームになっておりまして、いろいろなサービスを提供できるようになっております。上から言いますと、除雪車位置情報サービス、除雪車がどこにいるかということを表示できたり、上から3つ目ですとMy Postという日本郵便さんが提供しているサービスなのですけれども、こちらを「会津若松+(プラス)」上で利用できるようにもなっております。

また、下から3つ目に学校情報提供サービス「あいづっこ+(プラス)」というものがありまして、学校が出す情報、学校だよりですとか、あとは遠足に行きましたとか、そういった情報を学校の先生にアップロードしていただいて、それを保護者の方が見ることができるサービスになっております。

また、下から2つ目で母子健康情報というもので、母子手帳を電子化したものとなっております。あとは一番下にAI問い合わせ対応ということで、AIのチャットボットが簡単な問い合わせに回答するサービスになっております。次ページ以降で少し詳細に説明させていただきます。

14ページ目でございますが、「会津若松+(プラス)」と連携した除雪車の見える化ということで、今年は非常に雪が少なくてまだあまり役には立っていないのですけれども、市役所で約270台除雪車を持っておりまして、GPS端末を搭載しております。それで位置と稼働状況をお知らせするものでございます。

この除雪車運行データというのは分析もしておりまして、次の15ページ目でございます。こちらの稼働時間の集計データをとっていまして、グラフ化したのが右上のマル2のグラフとなっております。どこのエリアで除雪に時間を要しているかという地区の割り出しをマル3のところでしまして、道が狭くなっているところで苦情が多く出ていると。そういったところで分析をしますと、除雪した雪を排出するのに時間がかかっているということが分かりまして、そういった地域には除雪車、排出用の車を多めに出動するようにして、除雪にかかる時間を短くすることによって苦情を少なくするといったような取組にもつなげております。

16ページ目でございますが、こちらはMy Postの画面イメージでございます。日本郵便さんが提供しているMy Postというサービスでして、郵便物を電子的に送るというものなのですけれども、例えば市政だよりですとか給与明細などを本人確認した上で送れるようになっております。

17ページ目でございますが、学校情報配信サービス「あいづっこ+(プラス)」というものでして、それぞれの学校の先生がイベントですとか学校だよりをアップロードしていただいて、保護者の方が学校の状況ですとかイベント、部活動はどんな状況だとか、そのような情報を見ることができるようになっております。

続きまして、18ページ目は母子健康情報サービス、母子手帳の電子化ということでして、民間のアプリケーションでもこういった母子手帳を電子的に見られるサービスはありますが、本市としましては、本人確認をした上で、市で持っているデータを最初から入れるようにしまして、御両親の方が自分でデータを入れなくても、市で持っているデータをそのまま見ることができる、要するに、市で持っているデータを市民の方にお返しするといった趣旨で、このようなサービスを提供しております。

続きまして、19ページ目はLINEを活用したAIによる自動応答サービスでございます。スマートフォンアプリのLINEを活用しまして、市民の簡単な問い合わせにAIチャットボットが自動で応答してくれるといったサービスになっております。真ん中あたりにマッシュルームのような髪形をしたキャラがいまして、マッシュくんという役所の見習いキャラという設定をしているのですけれども、証明書をどうやったら取得できるのかですとか、除雪車がどこにいるのかですとか、あとはごみ出しの情報ですね、こういったごみを出したいのだけれどもということで粗大ごみをどのように出せばいいかですとか、あとはその地区で何曜日にどういったごみを出せばいいかということを教えてくれるサービスになっております。

次の20ページ目に導入の背景ということで記載をしておりまして、市役所に電話で問い合わせることについて、面倒くささですとかあとはちょっと不安を感じるなという考えの方もいらっしゃると思います。また、共働きなどで市役所の開庁時間に電話することが難しい方もいらっしゃると思いますし、土日ですとか祝日にも疑問が生じる方もいらっしゃると思います。そういった背景を踏まえまして、より簡単に気軽に使ってもらえるように、先ほどのマッシュくんですね、キャラクターと会話をすることでカジュアルにできるようにする。また、選択ボタン等を効果的に利用することで、文字入力などの面倒な操作を最小限にしております。また、LINEは利用頻度が非常に高いので「初めて」の煩わしさも解消できるということで、このようなサービスを作り出しました。

現状としまして、1月22日時点でお友達登録者数が約6,800人、また、月3,000から4,000件程度の問い合わせに利用されておりまして、どのような方が使っているかを調べたところ、30~40代ぐらいの主婦の方が多いというデータが採れております。男性の方ですと直接電話をするケースも結構多いということなのですが、女性の方だとやはり不安を感じたりという方もいらっしゃるのかなと考えておりまして、これまでそういった主婦の方ですとか、問い合わせが難しい、問い合わせにちょっと不安を感じるなという方の潜在的なニーズにお応えできているのかなと考えております。

続きまして、21ページ目の会津若松市のデジタル情報プラットフォームのイメージでございまして、「会津若松+(プラス)」がデジタル情報プラットフォームの基盤になっております。下にいろいろなデータ、市でオープンデータ「DATA for CITIZEN」というものを提供していたり、母子健康手帳のもとになるデータをセキュアデータベースに入れていたり、あとは民間のデータですとか個人データ、そういったものを引っ張ってこられるようにしていまして、上に様々なサービスを載せている。先ほど御説明しました除雪車ナビですとかMy Post、母子健康情報、学校情報、AI問い合わせサービス、こういったサービスを柔軟に拡充できるような構成としております。

この「会津若松+(プラス)」は良いものだということでして、奈良県の橿原市さんにも横展開ができております。去年の4月から運用を開始しておりまして、「かしはらプラス」という名称で橿原市さんでサービスを提供している状況でございます。

続きまして、22ページ目は国の国家戦略特区諮問会議で配付された資料でして、スーパーシティとデータ連携基盤という資料なのですけれども、先ほど御説明しましたデジタル情報プラットフォームと同じような構成になっております。真ん中に国家戦略特区データ連携基盤というものがございまして、下に様々なデジタルデータを読み込めるようになっている。また上にサービスアプリケーションということで、行政手続ですとか物流、交通など、様々なサービスを提供できるような構成になっておりまして、本市で進めている取組に近いものでして、こういったものが全国的に広がっていくのかなと思っています。

続きまして、23ページ目の幅広い世代で利用できるサービスの提供でございます。会津若松市には湊町という中山間地域がございまして、人口が1,800人程度で世帯数が500世帯程度の小さい町なのですけれども、こちらに中山間地域生活支援システム「みなとチャンネル」というものを開設いたしました。平成29年10月から運用を開始しまして、実証期間中は導入費無料、月額も無料ということで、約400世帯の方に使っていただき、昨年4月に月額1,000円程度で有料化したのですけれども、役に立つ、便利だということで、有料化後も約250世帯の方に利用を継続していただいております。

具体的に何ができるのかといいますと、真ん中のちょっと下に主な機能と書いているのですが、地域からのお知らせを見ることができたり、市役所からのお知らせを見たり地域防災情報ですとか、あと地域デマンドバスの予約もできるようになっております。

詳細に御説明させていただきますと、次の24ページ目でございます。こちらは、みなとチャンネルの取組、見守りサービスということで、立ち上げると左のような画面が出てきます。ここで、今日の体調はいかがですかという質問がありまして、「よい」「普通」「よくない」「相談したい」というものから選べるようになっております。こちらで「相談したい」を選択しますと、地域の民生委員の方に来ていただいたり、連絡をもらえるような緩やかな見守りサービスになっております。

続きまして、25ページ目のみなとのお知らせでございます。こちらのみなとのお知らせの情報発信というのは、行政ではなくて地域の「みんなと湊まちづくりネットワーク」という協議会がございまして、そこが中心となって運用しております。

また、次のページで説明させていただきますみなとバスの運行も協議会の方にやっていただいておりますし、使い方が分からないというような質問につきましても、協議会の方にカスタマーサポートとして頑張っていただいているといった状況になっております。

26ページ目にみなとバスの御紹介をさせていただいておりまして、みなとチャンネルの画面からみなとバスの予約が可能となっております。この中で、何月何日にどこからどこまで乗りたいということを予約できるようになっております。

御参考ですが、こちらの車は電気自動車を使っておりまして、電力としては、地域に背炙山という風力発電所があります。そこから無償で電力を提供していただいておりますので、まさに地産地消の取組となっております。

続きまして、27ページ目の正確な住民ポイントを管理ということでして、新しく転入してきた方がどこに住んでいるかという正確な位置をデータベースとして整備・維持しております。

28ページ目で、データ解析を利便性向上に生かしている例ということで、こちらの正確な居住地情報をどのようなことに活用しているかと申しますと、例えばバス運行経路の検討に使っております。どういった方がどのあたりに、どの年齢層というのですかね、高齢者の方ですとか、あとは中高生の学生さんですとか、そういった人がバスを使うケースが多いので、そういった方が多く住んでいる地域にバス路線を配置することでバスの利用率を上げているといった取組につなげております。

29ページ目が試作の展開例マル2ということで、防災訓練ですとか、あとは民生・児童委員担当地区の範囲確認。どのような地域に高齢者の方ですとか体の不自由な方がお住まいかというところもデータとして入れることができまして、それで災害があった場合ですとか、どのあたりを重点的に見回りすればいいかとか、そういったことにも活用しております。

続きまして、30ページ目、オープンデータに関する取組でございます。市としてオープンデータ活用基盤を持っておりまして、それで公開をしていろいろな方に見ていただけるようになっております。右側にデータ活用事例ということで、会津若松市の消火栓マップですが、これは会津大学生に作ってもらったアプリでして、雪で埋もれた消火栓もこのアプリで確認することができるといったサービスになってございます。

31ページ目がオープンデータを活用したデータ分析ということで、人口メッシュということでもデータを一般公開しております。真ん中の写真ですと、15歳未満の方がどれくらいいるかということで、多く住んでいるところは濃い色になっています。少ないところは薄い色になっている。年齢3区分別のメッシュを公開しております。

32ページ目が、まちの見える化、まち歩きアプリ「ペコミン」ということで、マップ上にツイートですとかお店の情報などを表示させることによって、市民や観光客の方のまち歩きに使っていただけるアプリケーションも作っております。

33ページ目、ヘルスケア分野での取組です。よくあるものなのですけれども、スマートウォッチで生体・活動データ、心拍数、歩数などデータを計測しまして、ウエブ上でそれを確認することができる。また、睡眠モニタリング機器ということで、睡眠中のデータ、呼吸、体動などをリアルタイムで自動で測定できるといったサービスもしておりました。下側は、薬箱センサー「mononomeお薬箱」というもので、センサーを取りつけており、開閉がちゃんと定期的になされていれば表情がにっこり笑うのですけれども、あまり開けていなかったりすると怒ったような表情になったりするといった実証もやっておりました。

続きまして、34ページ目、500人規模の入居が可能なオフィスビルを整備ということでして、昨年4月に「スマートシティAiCT」というオフィスビルを開所いたしました。これは箱物の話なのですけれども、首都圏などのICT企業に入っていただいて、周辺のにぎわいづくりですとか、地元の学生さんの就職先の選択肢を増やす、あとは会津に最先端企業が集まるブランドイメージというのを構築していきたいと考えておりまして、今月1日時点では18社、約200名程度が入居しているといった状況でございます。

続きまして35ページ目でございます。既存事業のさらなる進化、高度化、地域課題の解決ということで、今年度からスライドの左側に掲載している栽培支援ドローンの導入を実証として行っております。対象としては水稲、大豆ということでして、生育状況の見きわめ、モニタリングですとか、あとは農薬や肥料をドローンから散布するといったことをやっております。

また、右側に地域課題の解決ということで、オンライン診療の実施も行っております。今年度はパーキンソン病の患者さんを対象としてやっておりまして、地域の竹田綜合病院さんというところに御協力をいただいてオンライン診療を行っている状況でございます。

まとめに入らせていただきますが、「スマートシティ会津若松」の今後の姿ということで、36ページ目でございます。民間企業・団体等への期待としましては、会津若松市をフィールドとしまして既存事業のさらなる進化、高度化、地域課題の解決につながる事業の実施を期待しております。こういった事業によりまして、地域活性化、市民の利便性向上を図っていきたいと考えております。

また、他地域への横展開が可能な成功モデルの創出を目指しておりまして、本市の取組がいろいろな市町村で、また、他の国でも展開ができればと考えております。

最後のページになりますが、37ページ目、スマートシティの今後の姿ということで1枚にまとめております。現状の認識・課題ということで、少子高齢化が進んでおります。また、地域からの人材流出も進んでおりまして、魅力的な働き先が少ないという課題がございます。このような人口減少が進む中での持続可能なまちづくりの必要性というのを感じております。

これまで「スマートシティ会津若松」ということで、ICTを様々な分野でツールとして活用するということで進めておりまして、様々な実証・実装事業の実施、データ分析を活用した施策の展開、先ほど説明しましたオフィスビル「スマートシティAiCT」の整備と企業誘致ということを進めているのですけれども、まだ不十分なところもございますので、次のステップとしまして、先端技術の実証も行いつつ、これまでの取組を継続・発展・深化させ実装を拡大していきたいと。市長もよく言っているのですけれども、実証だけやっていても意味がないと。実装をいかに進めていって、市民の方にいかに利便性ですとかスマートシティを実感できるまちにしていくかが大事だとよく言っておりますので、そのようなことを進めていきたいと考えております。

また、目指すべき姿としましては、魅力的な仕事の創出・雇用の拡大、安全・安心なまち、さらなる生活の利便性向上、こういった取組に向けて進めていきまして、一番下にございます「持続可能なまち・魅力的なまち=住み続けることのできるまち」の実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。

以上でございます。ありがとうございました。

○新川座長 どうもありがとうございました。

会津若松市のスマートシティの取組、単に都市づくりというだけではなくて、いろいろな分野の御協力もいただきながら、連携協力をしながら、そして市民生活にしっかりと根差した形でのICTの活用、その基盤のさらなる発展、そうしたところに目を向けておられる、そういう活動を御紹介いただきました。

各委員からいろいろと御質問等がおありかと思います。どうぞ御自由に聞いてみていただければと思います。よろしくお願いいたします。

大森委員、お願いします。

○大森委員 すばらしい取組の御紹介をありがとうございました。

今、すごく実験ということで予算がついて、総務省の方も出向していただいて引っ張っていただいているので、すごく進んでいると思うのですけれども、最後の方で持続可能というようなことをおっしゃっていましたけれども、これは結構予算もかかりますし、専門的な知識とかリーダーシップをとれる人材とかいろいろ必要だと思うのです。突然予算がなくなって、続かないというようなことにならないのかとても心配なのですが、その辺は大丈夫なのでしょうか。

○会津若松市川上企画政策部副参事 御質問ありがとうございます。

予算的なところを申しますと、本市は地方創生枠という予算枠を設けており、また、国からの交付金もいただいておりまして、そちらが2分の1補助ということですので、地方創生枠の約2倍の額で毎年取り組んでおります。その中で実証実験ですとか、あとは先ほど農業、スマートアグリということで説明させていただいたのですけれども、スマートアグリというのはもう実装の段階、実際に導入しているところに進んでおりまして、今はまだ補助金が出ているところではあるのですが、それも地方創生の交付金といいますと3年か5年になっておりまして、それが終わると自走、市の財源でやっていく必要がございます。

現在、実証も含めてやっておりますので、実証でこれはあまり効果がないということが分かればそれ以降はやっていかない、そういったものはなくしていく、本当に必要なものを実装として残していくということで、不要な経費は削減していくという考えです。

また、全て本市が関わっているわけではなくて、理想的には地域にいろいろな事業者さんに来ていただいて、それで事業者さんと大学ですとか市民の方、地元企業、そういったところで協業ということで進めていただいて、市がお金を払わないでもいいような状況で将来的に進めていければとも考えております。

○大森委員 ありがとうございました。

○新川座長 ありがとうございました。

その他。

山田委員、お願いします。

○山田委員 ありがとうございました。

最初の導入の費用だけ地方創生交付金で見てもらったら、あとは運用の方は普通の行政経費でいけるだろうと思います。その中で、ここは消費者委員会なものですから、今、話を聞いていて消費者行政に活用できそうなところというと、1つは「会津若松+(プラス)」、それぞれの特性に応じた情報提供。例えば高齢者の皆さんに対して、最近こういう詐欺事件や消費者問題が起きていますよというようなことをポストを通じてでもいいから流すことができるのではないか。

もう一つは、LINEを使ったチャットボット。これも問い合わせに対していけるのではないかと思うのですけれども、実際問題として消費者行政については何かされているのかどうかというのが1点です。

ただ、正直言って、そうなってくるとやはり情報リテラシーの問題が起きてくると思うのです。LINEを使える層はいいのだろうけれども、例えば対話型のチャットボットを作っている市町村などもありますね。そうしたところで対話型、交流型、リテラシーを考えた場合の情報端末、そういったものを導入することはしていかないのかというのが2点目です。

私は多分、これだけIoT、ICTが進んでいくと、AIである程度スクリーニングを消費者行政もやっていく時代が来て、そうなると交流型、対話型のチャットボットが出てくるのだろうと思うのですけれども、スマートシティ化をやっていくときにはどうしても標準化、共同化をやっていかないと効率が悪くなってしまいますし、まさにそれぞれの変えていくこと、合わせていくことができなくなってしまうと思うのです。国の方もそういう基盤をつくると言っているのですけれども、会津若松の方では、例えば近隣の市町村とか福島県、そうした中での標準化、共同化、クラウド化みたいな形でこれを広めていくという動きはあるのでしょうか。この3点をお願いします。

○新川座長 お願いいたします。

○会津若松市川上企画政策部副参事 御質問いただきありがとうございます。

1点目の消費者行政のところですけれども、すみません。担当課が別におりまして、私は把握しておりません。

2つ目のリテラシーのところですけれども、市の取組としまして、ICT、セキュリティー人材の育成ということもやっております。会津大学と連携をしまして、そこでAiCT入居企業に大学まで行っていただいて、ICTに関する講義を行っていただいたり、他には先ほどご説明した「スマートシティAiCT」というオフィスビルを開所したのですけれども、そこの入居企業から、地域の住民、学生さんですとか、そういった人に対してICTに関する講座を提供したりしています。端末につきましては、市の補助でまだどうにかしているという状況ではないのですけれども、今後、文科省のGIGAスクール構想というものもございますし、そういった中で子供向けのタブレット端末などを使ってもらえる環境をつくっていければと考えております。

3点目の標準化のところですけれども、御指摘にありました内閣官房がスマートシティのアーキテクチャーづくりということで標準化を進めていることは把握をしております。それで、本市の「会津若松+(プラス)」のようなものを標準化していただければいいなと考えておりますが、周りの市町村との連携、共通化ということですと、資料に参考としてつけているのですが、45ページ目にデジタルDMO事業「VISIT AIZU」というものがあります。こちらは観光のサイトとなっておりまして、外国人向けに言葉を翻訳、多言語化しただけでなく、「会津若松+(プラス)」をベースとしておりますので、レコメンドエンジンも搭載をしておりまして、閲覧者の国籍に応じて嗜好性を反映して、どういった所が良いかという観光コンテンツをレコメンド表示できるサイトになっております。これは7市町村連携でやっておりまして、本市の他に会津美里町や北塩原村、下郷町など、7市町村で連携をしてこのサイトを作っておりますので、こういったところで広域連携という形で同じ基盤を使っているといった状況にございます。

ただ、それ以外のところは市独自のところでございますので、こういった取組をいろいろな分野へ広めていければと考えております。

○山田委員 消費者庁や消費者委員会のところでもデータベースがあるのですよね。これは要望ですけれども、ぜひともそこと「会津若松+(プラス)」を連絡して、最近こういう地域でこういう消費者事案が起こっているというのを、高齢者とか対象者に対してさっと提供できる仕組みができるとものすごく先進的な取組になりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

○会津若松市川上企画政策部副参事 どうもありがとうございます。

そういうものができると、「会津若松+(プラス)」の利用者の増加にもつながるかと思います

○新川座長 池本委員、お願いします。

○池本委員 池本と申します。

非常に魅力的なシステムが動いているということを、しかも、私も先ほどの山田委員と同じように消費者行政の分野でどう活用できるかなということを想定しながらお話を伺っていたのですが、恐らくこれを飛躍的に広げていくためには、いわゆるサポーター制度をうまく組み合わせることではないかと思っています。つまり、11万人の人口全員がここにいつもアクセスして見るという状況は現実には難しいし、情報弱者の方が消費者問題で言えば被害に遭いやすい。あるいは高齢者の認知症などでトラブルが起きやすい。そういう人たちはアクセスがなかなかできていない。

例えば福祉の分野では認知症サポーターという制度がありますね。一生懸命いろいろなところで講習会を開いてサポーターになっていただく。ただ、1回講習会をやるけれども、継続的に情報提供するツールがない、封書で送るといってもなかなか費用負担も大きいし、また、集まってくださいといってもなかなか時間もとれない。でも、こういうツールがあって、市民の中で情報弱者ではない、少しアクセスに慣れている人がアクセスすれば、そこを見てまた声かけなり何かあったときはどこへ伝えるというのが確認できるようにする。

それのさらに延長が、私は消費者問題ではないかと思うのです。消費者問題は、認知症サポーターのように認知症の特性やこういう異常があったら通報してくださいでは済まない、それこそ毎月のように新手が出てくるわけで、時々情報を仕入れないといけない。自ら学びながら、また声かけもしていくし、そういう意味では自分の勉強にもなる情報を絶えず提供していく。消費者問題の消費者被害防止サポーターということを私は地元の埼玉県でもやっているのですが、何百人か養成するのですが、継続的な研修会はどうしても何分の1かしか参加してもらえないという悩みがあるのですね。そういうところでこういう制度がつながれば、情報提供した最新の情報が提供された人が周りに一人でも二人でも声かけをしていくという構図ができるのではないか。

ただ、その情報を会津若松市のセンターだけで毎月更新して情報を出していくというのは大変な負担になるだろうと思うのですが、逆に、こういうシステムがある会津若松市だからこそ、例えば消費者庁や国民生活センターに対して、こういう規模のこういう情報をもっとこのくらいのスパンで出せるものを作ってくれよと。それをこうやって伝えるのだという一つの、国や国民生活センター、あるいは県のいろいろな情報をこのシステムの中にうまく盛り込んで、じゃあどうすればいいのといったら、地元の消費生活センターにつながるというような仕組みをぜひ検討していただけると、全国で参考になるのかなと思っています。よろしくお願いします。

○会津若松市川上企画政策部副参事 御意見ありがとうございます。

消費者問題というのも非常に大事な問題だと思いますので、今後、こちらの委員会でお持ちのデータですとか、そういったところでデータ連携ということで市民の方に情報提供できるような取組も検討していければと思います。

○新川座長 よろしくお願いいたします。

その他いかがでしょうか。

西田委員、どうぞ。

○西田委員 御発表ありがとうございました。

先ほど、実証ではなく実装が大事ですよという話をされていたと思うのですけれども、まさにそのとおりだなと思います。僕からすると、他のスマートシティをやられているまちよりも一周先を行っていて、かなり実装フェーズに入っているものが出てきている先進的な地域ではないかなと感じました。母子手帳の予防接種なんかはすごく便利だと思うのです。入力しなくていいのですね。そういうのはすばらしいことだなと思いました。

スマートシティと消費者行政をどのように掛け合わせていくかという、これは大きな課題だなと思って、いろいろヒアリングに同席させていただいたところもあったのですけれども、成功しているところはほとんどないですね。だから、スマートシティでは、インフラ的なものができているので、そのうえで動くサービスが展開ができるといいなと思っています。今、ある種のOSができている状態で、そこにいろいろなアプリを載せられるような状況になってきているかなと思うので、その一つのアプリとして消費者行政サポートのアプリを載せていただけるといいかなと思っています。

ちょっと思いついたものだけでも、いろいろあります。例えば今、もうすぐ節分が近いのですけれども、そうすると消費者庁等から豆まきで誤飲の原因になるというアナウンスが始まるのですね。ああいう注意喚起もこういうアプリにつなげていくと非常に早く伝わるでしょうし、そのほかにも、除雪車の注意喚起に関しても、プロの除雪ではなくて、自分が所有しているような小型の除雪機に巻き込まれる死亡事故がたくさん起きているのですね。これは消費者庁で問題になっていますけれども、こういう使い方は危ないですよというのも、スマートシティのアプリとしてタイムリーで載せていく、などが考えられます。また、学校安全も文科省の学校事故のデータがありますが、この注意喚起もそういうところに載せていけるということで、非常にいろいろな可能性があるかなと思っています。

この会津若松で開発されたOSを、今せっかくできたものを他の地域に横展開していく点に興味があります。これは今後の調査にもなるのかもしれないですけれども、「かしはらプラス」というサービスとして今、横展開が始まっているという話があったのですが、そこは大体どういう費用がかかるのか知りたいと思います。会津若松でベースができて、そのあとで持っていっているということだと思うのですけれども、それは非常にいい例かなと思うので、どんな費用が新たにかかっているのかというのは一つ参考になるかなと感じました。

それからテレビですね。無料として始めた400世帯のサービスを、高齢者にいいよと納得してもらった後で有料化したら250世帯ぐらい使ってくれたという話があったと思うのですが、こういうのは本当に行政の良い例だと思います。よく動画サービスなんかで最初に始めて、ある期間だけ無料で、そのあと有料化するという、だまくらかすという表現は悪いですけれども、そういうのとは違って行政という非常に信頼があるところで、まず使ってみてねという感じで広め、そのあと、いい方は継続してくださいというふうにやるというのは、納得した後で使ってもらうということで非常にいいのかなと。

僕が昔やった研究で、手すりをつけるということを高齢者宅でやろうと思うと、みんな元気なので要らないですよとほとんど言うのですね。しかし、要望もないのにつけると、そうするとほぼ100パーセント使うようになるという結果が出たのですね。ということで、やはり説明ではなくて納得してもらうというのも大事だと思います。そういうときに、よくないサービスもありますので、行政なんかの信頼を使って少し体験してもらうというのは非常にいいやり方なのかなと感じました。

もう一点なのですけれども、先ほどの「かしはらプラス」の料金というのは多分あちら側に聞かないと分からないと思うので、ここでお聞きしたいのは、総務省さんから会津若松市への出向ということなのですけれども、総務省さんでの位置付けというか、もしあれば、全国に展開していく上で何か考えているとかそういうところをお聞かせいただければと思っています。

○会津若松市川上企画政策部副参事 どうもありがとうございます。

御指摘、御意見のとおり「会津若松+(プラス)」はプラットフォームですので、いろいろなサービスを提供できるものだと考えております。それで御意見いただいたように、消費者行政のサポートのアプリケーションということも、今後載せていくことも一つ大きなところだと思います。また、節分の豆の誤飲ですとかあとは除雪車の巻き込まれとか、そういうのも除雪車ですと多分本市でもあるのか、事故はどれぐらいあるのか把握はしておりませんが、危険性としてはありますので、そういったところで注意喚起するというのも一つ大きな御示唆だと思いました。ありがとうございます。

もう一つ、市民の方に納得してもらうのがすごく重要という御意見、まさにそのとおりだなと思いまして、スマートアグリ、農業分野で最初に導入したときに、農家の方から、こんなの導入しても意味ないよというような意見が結構あったという話なのですね。それでも、若い農家の方とかは、いいんじゃないかということで何軒が使っていただいて、そうしたら労働時間が1割減って収益が3割増加するですとか、結構大きな成果が出ております。ですので、一回使っていいものだなと思ってもらえるとどんどん広がるのだなというのは本当に実感しておりますので、より多くの方に使ってもらえるように進めていきたいと考えています。

また、橿原市さんの費用につきまして、ここのプラットフォームのところはアクセンチュアさんという会社に作っていただいております。震災があった年に来ていただいて、アクセンチュアさんだけではないのですけれども、これまでいろいろ御支援いただいているところもありますので、そのアクセンチュアさんが橿原市さんにも横展開できているということを、具体的な費用のところは橿原市さんに聞かないと分からないのですけれども、何年か前にうちでも整備をして、交付金をいただき、整備をしたという状況でございます。

また、総務省としての位置付けですけれども、私はテレコム分野ということで旧郵政系の情報通信担当ということで、地デジですとか5Gの関係をこれまで担当してきたのですが、ICTに知見があるということで、会津若松市に総務省から出向で行っております。

総務省でも今、データ利活用型のスマートシティのあり方検討、検討会を1月から3月までやるという話がございまして、そこでも本市など、スマートシティを進めているところが有識者、委員としてお声がけいただいております。そういったところで本市の取組を紹介しまして、データ利活用型のスマートシティ、どういったものがいいのかというところを意見させていただいて、今後国の全体的な方向性に役立てていければなと考えております。

○新川座長 ありがとうございました。

その他いかがでしょうか。

伊集委員、どうぞ。

○伊集委員 どうも発表をありがとうございました。

今日は議論のテーマとして、地方消費者行政に今後、AIやIT技術をどのように活用していけるかという中で、ICT技術がスマートシティという形で非常に取組が進んでいる会津若松市の事例を御紹介いただく形になっているかと思うのですけれども、それとまた少し違って、ICTあるいはスマートシティの取組がまちづくり全体の部分とどう関わっているかという観点で質問させていただきたいのですが、今日御報告いただいた中で、最後の方にはたしか人口減少の中でも持続可能なまちづくりをしていくという文言があって、前半の方は、今人口が減少していく中で現在が11万12万弱ぐらいだと思うのですが、10万程度で安定させていきたいという人口ビジョンが出されていると思います。その方向性としては、人口減少は食いとめるというのが大きな構想としてあるのか、あるいは人口はもう下がっていくのだけれども、それにどううまく適応していくのかというような発想が立っているのかというのは、どちらなのかなというのをまず伺いたかったというのがあるので、もしそういう議論があれば教えていただきたいと思います。

人口ビジョンの方の、今日の御報告資料の7ページあたりにもそのための体系が示されていて、これで見ると、例えば出生率を2.2まで上げていくとかいうようなところでいくと、その前のページにもある人口動態の推計で見ると、10万人を維持していくというのはかなり難しい課題になってくるかと思います。ある意味減っていくものにどう適応していくかというのも現実的には考えないといけない状況も出てくるのかなと思うのです。

そのときに、例えば人口減少への対応と言うと、割といろいろこれまでも議論になっていたのが、広がってしまったまちをどう集約していくかみたいな、例えばコンパクトシティというものを主要都市、拠点を作って、そういうところで高齢者を割と中心地に呼び寄せる、ゾーニングをするような考え方とか、人口減少に対応したまちづくりをやっていこうというアイデアも出てきたのだけれども、そういう観点で言うとスマートシティ化というのは、そのような人々の居住を集約化したりそこに影響を与えるようなことをあえてしなくても、情報が自由に動くということで、ある種そういうところをカバーする可能性もあるのかなというような、ちょっと伺っていてそういういろいろなサービスが、それもまさに消費者行政も関わってくるかと思うのです。スマートシティがそういう観点でどのように位置付けられているのか。

最初の質問にまた戻しますと、人口が減少していく中で、あるいはそこで人々の居住というのがまた今までも変わっていく中で、それに対応するような観点がかなり意識されているかどうか。そういうあたりをお聞かせいただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

○会津若松市川上企画政策部副参事 御質問いただきありがとうございます。

1点目の人口減少につきましては、人口ビジョンで10万人程度を維持していくとしておりまして、このままの現状推計、何もしない推計ですと2040年には10万人を切ってしまう。このままいくと、行政も立ち行かなくなるという課題を考えておりまして、それで人口減少をある程度まで抑える。今は12万弱いるのですけれども、それをある程度減るのは仕方ないということで10万人規模ですね。日本全体でも将来的に1億人規模の人口を目指していくと言っておりまして、会津若松市は面積がちょうど日本の1,000分の1ぐらいということもありまして、それで人口規模としても1,000分の1の10万人程度を目指していきたいと考えております。それでもやはり市役所の職員なども減っていくことは考えられますので、それで人口がある程度10万人ぐらいまで減った中でも、どのようにサービスレベルを維持していくかというところが大事だと考えております。そのためにICTをツールとして活用していって、利便性を下げないようにしていきたいと考えております。

2点目の高齢者の方をコンパクトシティということで、よりまちの中心市街地に来ていただくとかそういったところなのですけれども、市の一番上位の総合計画という計画があるのですが、そこでコンパクトなまちづくりを目指してはおりますが、実際どこまでできるのかというのは難しいところもありますし、やはり高齢の方は、先ほど御説明したみなとチャンネルの湊町、高齢者の方が非常に多い人口分布になっております。そういった方にお話を聞きますと、地元に愛着があったりする方も多いので、そういった方に無理やり中心市街地に来ていただくというところも難しいのかなと考えております。

そういった方でも便利に生活できるように、オンライン診療ですとかあとはMaaS、モビリティ・アズ・ア・サービスという、いろいろ交通手段を便利に使えるようにするという取組を実証で今やっておりまして、そういったものが進んでいけば、中山間地域に住んでいても便利な生活ができるのかなと考えております。ICTを活用することで、今住んでいるところにいたまま利便性を享受できるといったことを目指していきたいと考えております。

○新川座長 ありがとうございました。

八木委員、どうぞ。

○八木委員 私は企業にいて、データを使うことによって、退職しそうな人がある程度予測できるようになってきているわけですけれども、これだけ市として市民の皆さんの情報を集めてくると、消費者被害に遭いそうな人の予測に使える可能性があると思うのです。例えば、あるサービスを使っていない人の方が危ないとか、いろいろな予測情報として使えます。行政がやられるということで一定の制約を持ちながらきちんとした対応ということを考えていくと、消費者被害に遭う可能性の高い人たちを予測することによって、そこに相談員なり何なりを充てていくことが可能になって、全体として消費者被害を減らすことができるということも考えられるのではないかと思います。そのようなことも御検討いただければありがたいかなと思いました。

○会津若松市川上企画政策部副参事 御意見ありがとうございます。

消費者行政ではないのですけれども、今AIを活用した虐待防止というものの実証をやっておりまして、厚労省さんにも相談をしているのですけれども、どういった年齢ですとか家族構成、所得がどれぐらいの方のところで虐待が多いかというデータを厚労省から匿名化したものをいただきまして、それで市内のどういったところで虐待が起こる可能性が高いのではないかということをAIを活用して人間が行う作業をサポートするということを行っております。まさに御意見いただいた消費者被害にどのような方が遭うかというところでも使えると思いますので、今後、検討していければと思います。

○八木委員 そうですね。アメリカの例だと、例えばシカゴ市は一時期犯罪が起こりそうなところを完全に予測して、そこに警察官を多く配備することによって犯罪を抑えたという実績があります。ニューヨークでも同じようなことをやっています。日本はアメリカに比べると犯罪率はそんなに高くないし、犯罪というよりはむしろ消費者行政とか、あるいは今おっしゃったようなこと、虐待とかそういう日本固有の問題に対してデータを活用したアプローチ、ぜひお考えいただきたいなと思います。

○会津若松市川上企画政策部副参事 分かりました。

○新川座長 ありがとうございました。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 24ページのみなとチャンネルの取組なのですけれども、これはまさに見守りサービスだと思うのです。健康を聞くのが主なようですけれども、最後に「相談したいことがある」というのがあって、民生委員の人が来てくれるようになっていますので、その民生委員の人に消費者被害みたいなことを学んでいただいて、行ったときに簡単な聞き取りみたいなものをして、センターにつないでいただけると、被害の防止に役立つかなと思うのです。

「相談したいことがある」だけでは、こんなことを聞いていいのかなと分かりにくいので、できたら動画なんかを配信してもらって、こんなトラブルないですかみたいなことがあって、それを1回見るたびにポイントをもらえるとか、励みになって学習できるようなシステムがあったり、オンライン診療もできるわけですから、交流型にして、オンラインで高齢者と民生委員が一緒に相談できるみたいな形になっていくと、消費者行政として画期的に進むのではないかと期待していますので、よろしくお願いします。

○会津若松市川上企画政策部副参事 ありがとうございます。検討させていただきます。

○新川座長 ぜひ活用を。

尾嶋委員も手が挙がっておりました。

○尾嶋委員 19ページのスマートフォンアプリのLINEを活用してということですけれども、若者向けの相談が少ない中で、メールでの相談は既にされていますが、今、LINEなどの相談の試行が始まっています。この19ページは、24時間いつでも気軽にということなので、いろいろなメニューの中の質問に対して自動応答するのですね。自由に質問というのはできないのですか。

○会津若松市川上企画政策部副参事 そうですね。ごみ出しのところで、どういった種類の粗大ごみを出したいかというところで入力することはあるのですが、基本的には選択式になっております。

○尾嶋委員 自由にLINEのトークを出して回答というところまでは行っていないということですね。分かりました。ありがとうございました。

○新川座長 ありがとうございました。

少し時間も過ぎてしまいましたが、まだ何かございましたら。よろしいでしょうか。

それでは、本当に会津若松市さん、スマートシティに向けてICT基盤を整備し、それを大いに活用するような実証から実装へということで、とりわけ市民生活に即した様々なサービスが開発をされ、これが恐らく持続可能な地域を作っていくということに直結をしていくのだろうと思っていますが、その中でも消費生活というのも大変重要な側面なので、ぜひ御検討いただきたいということで各委員から御意見をいただいたところでございました。

私どももこうしたICT、そして、この基盤の上の様々なアプリにどんな可能性が開かれるのか、これからの地方消費者行政を考えていく上でも大変重要な条件ということになってくるのだろうと思っております。ぜひまたいろいろとお知恵をいただきながら、私どもも将来の地方消費者行政を考えてまいりたいと思っております。

本日は、会津若松市様におかれましては、本当に貴重なお話をいただき感謝を申し上げるところでございます。どうもありがとうございました。

○会津若松市川上企画政策部副参事 ありがとうございました。(拍手)


≪3.閉会≫

○新川座長 それでは、もう予定の時間を過ぎておりますので、本日は以上をもちまして閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりをいただき、大変ありがとうございました。また次回よろしくお願いいたします。

(以上)