第7回 特定商取引法専門調査会 議事録

日時

2015年6月24日(水)15:00~18:10

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

消費者委員会 河上委員長
【委員】
後藤座長、村座長代理、阿部委員、有山委員、池本委員、沖野委員、河野委員、佐々木委員、鈴木委員、高芝委員、杤原委員、野坂委員、花井委員、増田委員、山本明委員
【オブザーバー】
消費者委員会委員 石戸谷委員長代理、橋本委員、山本委員
経済産業省 伊藤消費経済企画室長
国民生活センター 丹野理事
【参考人】
一般社団法人ECネットワーク 沢田理事
株式会社スクロール360 高山取締役(オムニチャネル戦略室室長)
楽天株式会社
関執行役員(渉外室室長)
片岡渉外室渉外課消費者政策グループマネージャー
一般社団法人日本広告業協会
永江法務委員会委員長
長谷川個人情報ワーキンググループメンバー
一般社団法人日本インタラクティブ広告協会 勝野専務理事
公益社団法人日本アドバタイザーズ協会 藤川専務理事
【消費者庁】
服部審議官、山田取引対策課長、加納消費者制度課長
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、金児企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 通信販売(インターネット通販等)に関する問題についての検討
  3. アポイントメントセールス等に関する問題についての検討
  4. 販売事業者等によるクレジット・金銭借入・預金引き出しの勧誘に関する問題についての検討
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○金児企画官 本日は、皆様お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会 第7回特定商取引法専門調査会」を開催いたします。

配付資料の確認をさせていただきます。

資料1~3は消費者庁からの提出資料であり、資料1がインターネット通販等の通信販売に関する状況についての資料。

資料2がアポイントメントセールスに関する状況についての資料。

資料3が販売事業者等によるクレジット・金銭借り入れ・預金引き出しの勧誘に関する状況についての資料となっています。

本日は、大きくこれらの3つの論点について御議論いただく予定です。

資料4は、本日予定のヒアリングに関する資料で、各参考人から御提出いただいた資料をまとめております。

資料5は、池本委員及び有山委員からの御提出資料です。

資料6は、本専門調査会の今後のスケジュール(案)です。

参考資料1と参考資料2は、インターネット通販等の通信販売に関連する消費者庁からの提出資料で、それぞれ第8回消費者契約法専門調査会の資料の抜粋と電子商取引及び情報財取引に関する準則の抜粋資料です。

不足がございましたら、事務局へお願いいたします。

それでは、ここからは後藤座長に議事進行をお願いいたします。

○後藤座長 本日は、議事に先立ちまして、河上委員長から発言があると伺っております。

河上委員長、よろしくお願いいたします。

○消費者委員会河上委員長 消費者委員会委員長、河上でございます。

特定商取引法専門調査会の委員の皆様方におかれましては、毎回長時間にわたって熱心に御議論をいただきまして、まことにありがとうございます。

既に新聞等報道によって御存じの委員もいらっしゃるかと思いますけれども、実は前回の専門調査会の後、参考人としてお越しいただいた事業者の方から、消費者委員会委員長、つまり、私宛てに前回の専門調査会の議事運営に関する抗議書が届けられました。この点につきましては、この審議会の議事の問題ですので、私が責任を持って対応させていただくということにいたします。

委員会では、本日もそうですけれども、調査審議の必要に応じて事業者の方からヒアリングを行ってきております。お忙しい中お越しくださる事業者の皆様は、多くの委員の皆様や傍聴人に囲まれて、ある意味で厳しい御質問も予想される中、大変緊張して臨んでいらっしゃるのだろうと思います。真剣にヒアリングに応じてくださっている中で、議論の内容ではなくてヒアリングに臨む委員の方の姿勢自体が参考人の方に不愉快な思いを与えることがあり得るということを今回痛感させられまして、特に悪意を持った態度ではないという委員の言動であったとしても、それによって参考人の方が不愉快な思いをされた、あるいはされるということは大変残念なことでございますし、申しわけないことでもございます。

事業者からのヒアリングは消費者委員会の調査審議にとって大変重要なものであります。委員の皆様の御知見に基づいて、参考人に積極的に御質問いただいて、大いに議論いただくということは当然しっかりやっていただくべきことではありますけれども、政府の審議会として、外部からお越しいただき、協力いただいている方々をお迎えする姿勢の面で失礼がないように、消費者委員会を今後とも運営してまいりたいと思っております。

委員の皆様には、こういう形で申し上げるのは大変失礼ですけれども、このような私の思いをお酌み取りいただいて、調査審議に対してこれまで以上に緊張感を持って臨んでいただきますようお願いするということでございます。

今後、この専門調査会、我々の3次の任期が8月末でひとまず取りまとめということになっておりますけれども、今後も本専門調査会での審議が続く可能性はございますが、まずは8月の中間取りまとめに向けて、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

1つは皆様に対する心からの感謝の気持ちを述べたいということと、前回のこういう抗議書が届けられたということについての委員長としての今後の方針についての情報をお伝えするということで発言をさせていただきました。どうもありがとうございました。


≪2.通信販売(インターネット通販等)に関する問題についての検討≫

(1)消費者庁からの説明

○後藤座長 よろしいでしょうか。河上委員長、ありがとうございます。

それでは、本日の議事に入らせていただきます。

(参考人着席)

○後藤座長 本日は、論点の1つ目として、通信販売に関する問題について御議論いただきたいと思います。このテーマにつきましては、まず資料1について消費者庁から御説明をいただきたいと思います。また、本日はテーマに関連して、御質問、御説明をお伺いするため、一般社団法人ECネットワーク理事の沢田登志子様、株式会社スクロール360取締役の高山隆司様、楽天株式会社執行役員の関聡司様、同社消費者政策グループマネージャーの片岡康子様に御出席いただいております。皆様、お忙しいところを御出席いただきまして、ありがとうございます。

消費者庁からの御説明の後、皆様からのヒアリングを行いたいと思います。御説明及びヒアリングの後には、これらの内容を踏まえて質疑及び意見交換を行っていただく時間をおとりいたしますので、よろしくお願いいたします。

では、まずは消費者庁から資料の御説明をお願いいたします。

○消費者庁山田取引対策課長 資料1をごらんください。

4ページ、このページの情報は、机に配付されているもののみ情報が入っておりまして、有料コンテンツということでございますので、今日の審議のときにも具体的な数字とかは皆様方も触れないようにお願いいたします。通信販売の市場は急速に拡大していて、特にインターネット通販、エレクトロニックコマースの伸びが顕著であるということを示したグラフでございます。

5ページ、市場が伸びると苦情相談もふえるということになります。通販全体は2009年から1.3倍の苦情相談件数。インターネット通販に関しては1.9倍の苦情相談件数となってございます。中身につきましては、この緑色のところで書いてございますように、デジタルコンテンツと言われるものが多うございまして、具体的にはアダルト情報サイト、出会い系サイト、オンラインゲームなどが大半でございますが、商品やサービスについても苦情相談件数はふえているということでございます。

7ページからが具体的な問題となっている事象について分析してございます。

まず、左の真ん中のところにあるグラフでございますけれども、通信販売の中でインターインターネット通販における外国関係の苦情相談件数、これは外国というタグがついてございますので、数が拾えるということでございます。2009年度から6.7倍ということで非常に苦情相談件数がふえているということでございます。その左下にCCJが受け付けた相談件数がございます。これは消費者庁に越境消費者センターを置いて、越境消費者取引について相談の受け付けをやっていまして、ことしの4月から国センのほうに事業移管されたわけですけれども、このCCJで受け付けている相談の件数というものも、この2年間で1.7倍ということで非常にふえているということです。中身につきましては、模倣品が届くとか、あるいは契約したけれども、商品が届かなくて詐欺のようだとか、そういうトラブルが非常に目立っております。しかしながら、右側のほうにございますように、海外通販で今後買ってもよいと答えている消費者自体は非常に多うございまして、現在、インターネットでの購入経験があって海外通販での経験がないという人の中から、6割弱の人が今後海外通販で買ってもよいというように回答しておりますので、恐らく今後海外との取引もふえるでしょうし、それに伴って苦情もふえることになるだろうと見ております。

8ページ、越境消費者トラブルを受け付けた経験のある消費生活相談員の方々にアンケートした結果です。91.6%の相談員の方が、国内取引に比べて解決することが難しいと感じたことがあるということでお答えになられています。その要因は何かというのを聞きましたところ、2番目のところで言葉の問題というのが出ておりますが、一番多い要因としては、相手方事業者の連絡先がわからないケースが多いというのが一番多くて89.7%ということです。こうした問題について、消費者庁も手をこまねいているわけではございません。

9ページ、なりすましとか模造品とか、危険ドラッグとか、問題のあるサイトというのは必ずと言っていいほど表示義務違反がございます。要は、住所とか名前とか、そういうものをわからなくしているということでございまして、こういったものについては、従来は余り執行しておらなかったのですけれども、ことしの3月、初めて民法上の公示送達ということで海外の危険ドラッグを売っている国内向けのサイトについて指示処分を行っております。執行管轄自体は海外には及ばないわけですけれども、国内法で違法処分を確定させますと、インターネット検索事業者、ウェブフィルタリング事業者、クレジットカード会社などに、これは国内で違法が確定したものであるということで対応をお願いして、結果としてサイトも見られなくなって、クレジットカードの取引もできなくなったという事実上の効果に至っております。

そのような越境取引に関してどのような支払い方法をとっているのかが10ページでございまして、6割程度がクレジットカードを使っているということでございます。

11ページ、このクレジットカードの問題については、現在、産業構造審議会のほうでも割販法の改正の議論が進んでおります。悪質加盟店を排除するということで、従来は、この下の表にあります青い部分ですけれども、イシュアーと言われるカード発行会社に義務を課していたところ、今、現実にはイシュアーみずからが加盟店を獲得するということ以上に、イシュアーとは別にアクワイアラーという加盟店を獲得する会社、実際の決済においては決済代行業者、こういったところが加盟店とおつき合いをしているというような現実が出てきておりまして、このアクワイアラー、決済代行業者に関して、今回、今、検討中の割販法の改正の検討の中では、アクワイアラーに関しては登録制、決済代行業者については任意登録制を設けて、加盟店調査などを行わせるということが検討されているわけでございます。

しかしながら、この割販法の検討の中で穴があいているところが1点ございます。通販事業者である加盟店、アクワイアラー・PSP、いずれも海外にあるときには割販法の適用は及ばないということでございます。

12ページ、この割販法が及ばない部分についてということで、具体的には、この下の図のところにございますように、アクワイアラー・PSP、加盟店、全てが海外にあった場合には、唯一加盟店と消費者の取引、ここの部分が特商法の規制が及ぶということでございまして、産構審の議論の中で、左側に書いてあるのは第10回の資料でございますけれども、加盟店への表示規制と消費者教育の充実により被害を予防と書いてございますし、この右側のほうは5月に開かれた12回の資料でございますけれども、これが報告書の骨子のようなものでございますが、この中でも加盟店適正化に向けた官民における対応の端緒とする等の観点から、特商法においても通信販売における販売事業者の表示を充実させるなどの対応が望まれるということで、私どもにボールが投げられているという状況にございます。

14ページ、次は虚偽・誇大広告でございます。特商法の12条には、虚偽・誇大広告の規定がございまして、行政処分の対象となるほか、直罰も科されるということでございます。

15ページ、虚偽・誇大広告のうち、誇大広告に関してはPIOでタグがついていまして、件数が拾えるということになっています。通信販売全体でも2009年から横ばいないし微増ですし、その中でインターネット通販に関する誇大広告についても横ばいないし微増という感じでございます。中身について言うと、先ほどはデジタルコンテンツが多いということだったのですけれども、この誇大広告に関しては、商品が多くを占めています。この誇大広告に関する苦情相談のうち、解約に関する苦情相談が下の欄にございまして、4割程度を占めているということであります。

16ページ、具体的な相談事例でございます。広告と実際の商品・サービスの内容が違うため、返金してほしいという相談がここに5つ載っております。

すぐにやせるというダイエット食品を買ったけれども、効果がなかったから返金を求めたい。

情報商材の購入を申し込んだけれども、広告と違って高度な知識と複雑な操作が必要で、とても簡単に収入は得られないので解約返金してほしい。

3番目は、ビデオカメラでございまして、「8倍デジタルズーム」とあったけれども、実際には「デジタルズーム4倍」と記載されていたので返品したい。

4番目はサービスに関するものでございます。1万人のサンタクロースが街を埋め尽くすという野外フェスティバルに申し込んだところ、実際に参加者は500人ぐらいしかいなかったということで返金を求めている。

最後は浄水器でございまして、特許の期限が切れているのに特許技術と書いていて、放射能は除去できないと言っているのに広告には「放射能除去」と書かれている。そういう苦情でございます。 17ページにまいります。前回の特商法の改正のときの産業構造審議会でも議論されておりまして、そのときには、電子商取引に関する準則の検討や消契法の見直しの中で趨勢を注視していくとされております。

現在、この消費者委員会におきまして、消費者契約法の専門調査会で議論されております。専門調査会の議論でも、広告全部を対象にするということではございませんで、広告などのうち、マル1消費者の意思形成に直接働きかけるものであり、かつマル2当該広告等における記載や説明に基づいて消費者が契約締結の意思表示をしたことが客観的に判断できるもの、広告と意思表示の間に因果性があるものについて不当勧誘に関する規律を適用するということについて議論が行われているということでございます。

次のページをごらんください。最後、4番目、インターネットモールに関する御説明でございます。19ページも有料コンテンツですので中身については取扱注意でお願いいたしますけれども、今、インターネット、電子商取引自体の販売金額も伸びておりますし、その中でも仮想ショッピングモール大手5社はかなりの部分を占めてございます。仮想ショッピングモール大手5社の中で上位3社のモールにおける流通金額がそのほとんどを占めていることがわかっております。

20ページは、具体的にどういうトラブルがあるのですかということでして、トラブルで一番多いのは、購入した商品が届かなかったというもの、2番目は商品が不良品だったというトラブルです。

その右側のグラフは、そのトラブルのあった通販において、商品・サービスを購入するきっかけとなった情報はどこから得ましたかということで、一番多いのは販売事業者のホームページ上の商品やサービスの説明。その次に多いのはインターネットモール上での販売事業者が提供する商品やサービスの説明でして、最初のほうは直販サイトによるもの、その次のものはインターネットモール上での表記でして、この2つがほとんど同じ割合で並んでいます。

21ページ、インターネット通販でトラブルがあったときに、実際、解決しているのかどうかということでして、左側が問い合わせの結果、トラブルが解決しなかった経験があるものの割合ということで、インターネット通販全体で見ますと、62%の方がトラブルが解決しなかった経験があるとお答えになっていますが、右側のほうをごらんいただきますと、そのうちインターネットモール運営事業者のみに問い合わせた結果、トラブルが解決しなかった経験がなかったもの、二重否定で申しわけございませんけれども、その二重否定のものは逆に62.8%でございまして、インターネット通販全体だとトラブルが解決しなかった経験のある人のほうが多いのですが、モールに限って、モールに関してのみ問い合わせたという消費者だけを抽出してみると、逆にトラブルが解決しなかった経験がなかったという人の多いということでございます。

その下の黄色のところですけれども、大手のインターネットモールの方々、皆さん、補償サービスのようなものを導入されていまして、実際にトラブルを解決されている例が多いようです。

続きまして、論点にまいります。23ページでございます。

1点目、執行の観点からということで、公示送達について、書いています。民法上の公示送達は、裁判官によって判断が異なるという場合もございますし、裁判官の判断を求めるまでの時間とか必要な資料とか、非常に大変でございまして、迅速に執行できるかどうかということになると少し疑問なしとはしないわけでございます。行政法規の中では、行政庁の判断で公示送達によって処分を行うことができるように明文の規定が置かれている法規がございますので、特商法においてもそのような規定を置いていきたいということでございます。

2番目の矢印ですけれども、こうした手法の効果を高めるために、要請先の事業者の取り組みが重要だということでございます。プロバイダーなどの事業者に協力を求めることも効果的であると思っております。

24ページ、続きまして、表示の話でございます。通販事業者の表示義務にアクワイアラー・PSPの登録情報等を追加することは必要かということで、論点が幾つか上がっています。最初のポツは、消費者トラブルの防止の観点から有効かということです。冒頭の2行は、消費者が通販を行うときにどのようなアクワイアラー・PSPが決済にかかわっているのかという情報は、クレジットを利用して当該通販を行うか否かを判断する材料になるのではないかということです。

その次の2行は、このような表示義務を設けて、当該通販事業者が取引しているアクワイアラーを可視化すれば、苦情発生時にイシュアーがアクワイアラーに迅速に連絡することができるのではないかということでございます。アクワイアラーの名前がわからなければ、国際ブランド経由を通じたやりとりしか行えないということでございまして、被害の救済の観点からアクワイアラーがわかっていたほうがいいということでございます。

2番目のポツは、海外通販事業者が海外アクワイアラー・PSPと取引している場合を消費者に認識させることについて、現在、インターネット通販の利用者の多くは、海外通販サイトであるということ自体は、参考1にありますように9割以上の消費者はそれを認識しているということに鑑みて、それをどのように考えるかということでございます。アクワイアラー・PSPの登録番号を表示することで、当該通販事業者が割販法に基づく加盟店調査を受けているかどうかを可視化する必要がないかと問題提起してございます。

3番目のポツは、仮に表示義務を追加する場合、どのような表示方法が望ましいか。記載の場所であるとか、記載事項、事業者の名前、登録番号などをどうするかということです。

最後は、通販事業者にもコストが発生するということを書いています。

25ページです。虚偽・誇大広告に関する特商法の規定のあり方の検討でございまして、これについては、取消権を規定するべきではないかという問題提起がございます。論点メモに書いておりますのは、最初のポツは消費者の救済が促進されるということ、2番目のポツは、通販事業者に影響があるということを書いています。

3番目のポツは、当該通販事業者の広告以外の広告によって購入意思を形成されることもあり、常に通販広告のみによって購入の意思形成がされるとは言えないのではないかということを書いています。

4番目のポツは、店舗での取引に関しても、消費者は虚偽・誇大広告によって誤認する場合もあり得るということを書いています。

その次のポツは、民法の詐欺や錯誤の規定というのもあって、それで救済もできるわけでございますので、特商法によってさらなる規定を置くのは、どういう場合にそういうことが必要なのだろうかということでございます。

最後のポツは、改正景表法の被害回復措置ということで、課徴金などの規定も今度できたわけでございまして、それとの関係をどのように考えたらいいだろうかということでございます。

26ページ、インターネットモールに関する特商法の規定のあり方の検討ということでございます。先ほど21ページで出てきましたように、インターネットモールの場合はモールに属しない場合と比べると、トラブルの解決情報は良好だという結果はございました。本日、インターネットモール事業者の自主的な取り組みの状況についてもヒアリングをするわけですけれども、モール事業者が自主的な取り組みを行っている中、法規制としてどのようなことを行うべきかということでございます。論点メモに書いてございますのは、取引の場の提供者に義務を定める法律上の規定はデパートやスーパーマーケットといった物理的なモールの店舗についてもインターネット上のモール事業者についても、現在は存在しない中で、インターネットモール事業者のみ何らかの規制を課すのであれば、両者を区別する根拠が必要ではないかという論点を書いてございます。

27ページ以降は参考資料なので説明は割愛します。

済みません、早口になりましたけれども、以上でございます。

(2)事業者等からのヒアリング

○後藤座長 ありがとうございました。

続いて、一般社団法人ECネットワーク、沢田登志子理事から御説明をいただきたいと思います。恐縮ですが、時間は2分でお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○ECネットワーク沢田理事 一般社団法人ECネットワークの沢田でございます。よろしくお願いいたします。2分ということなので急いでまいります。

お配りいただきました資料4の中の1ページめくっていただきまして資料4-1という資料をごらんいただければと思います。本日、貴重な機会をいただきまして、大変ありがたいと思っております。私どもは、前身の時代から数えますとかれこれ15年近くインターネット取引に特化したトラブル相談を受けている組織でございまして、今日はその観点で消費者庁さんの御説明とはちょっと違った角度から現状を御報告させていただきたいと思います。

次のページ、相談案件に占める海外取引の割合というグラフがあると思います。この棒グラフは、私どもで各年度に受けてきた相談案件の件数です。国内案件がブルー、赤いところが海外案件です。2004年、2005年ごろはワンクリック詐欺が全盛期でしたので、件数が多かったですけれども、その後は2012年をピークに、国内案件に関しては相談が年々減ってきています。それに対して、海外案件は、折れ線グラフが海外案件の比率ですけれども、2010年あたりから急増しています。それまで2割程度だったのが5割を超えたということで、2011年に越境消費者センター(CCJ)ができて、2012年以降は、越境トラブルは原則CCJで対応することになったので私どもへの相談は減っていますが、CCJには年間4,000件ほどの海外案件の相談が寄せられているというのが先ほどの御説明にもあったとおりです。

問題は、その5~6割が模倣品販売ですとか詐欺の疑いの強い悪質な海外サイトだということでして、PIO-NETのデータの中には、「通販」という分類の中に「通販のふりをした詐欺」もかなり含まれているのではないかと思いますが、問題の性質が全く違いますので、区別して考える必要があるのではないかと思っております。

現状、最も重要な課題、対処しなければならない課題は、海外の悪質サイトに対する対応ということかと思います。先ほど山田課長の御説明にもあったように、詐欺というのは、特に海外であればなかなか立件するのは難しいと思いますけれども、こういったサイトには漏れなく特商法の表示義務違反がついてきていますので、警告を出すことはできるはずです。連絡先がないというお話もありましたが、メールアドレスはあるのです。かつてのインターネット・サーフ・デイのような形で警告メールを出すことは、今法律をいじらなくてもできることかなと思っております。

消費者啓発も非常に重要で、表示を追加する、アクワイアラーに関する情報を追加するというお話もありましたが、表示義務を追加する前に、今ある表示が足りているかどうかちゃんと見ようよと、それでまずは判断しようということの啓発が必要ではないかと思っております。

次のページに国内案件の相談の動向という円グラフを示しております。ネットショップから購入する普通の通販、このトラブルは年々減っていまして、もはや特別な取引ではないという印象を持っております。ここにも通販に見せかけた詐欺、通販のふりをした詐欺が出てまいりますが、これは物を送ってこないものですから、海外だという確証も持てないので国内案件の中に入っております。見かけは国内です。ウェブ上の記載は国内住所が書いてあります。ただ、恐らく海外に所在しているだろうと思います。国内の銀行口座に代金を振り込ませるというケースもかなり多くて、そういった場合にはチャージバックなどのクレジットカードによる救済というのは全く望めないです。のみならず、アクワイアラーの情報を表示させたくても、そもそも加盟店契約を持っていないか、切られてしまったかで、アクワイアラーの情報はありません。あったとしても表示義務は当然守らないだろうと思います。

さらに、先ほども申しましたが、消費者は住所が書いていなくても買う気満々で、銀行振り込みで先払いだったとしても、もう振り込む気満々でお金を払ってしまうものですから、そういった消費者に対してアクワイアラーの情報があるということが何かの意味を持つかというと、ほとんど意味を持たないのではないかと。通販事通販業者が負うコスト負担との見合いで考えれば、ほとんど意味がないのではないかと私は思っております。

産構審の割賦販売小委員会の御紹介が先ほどありましたが、こちらで委員として参加させていただいており、そこでも発言をさせていただいたところですけれども、執行はぜひしてほしい。特商法にその点は期待するのですが、表示義務についての期待は小委員会の中ではそんなには高くないのではないかと考えております。

せめて、これ以上の被害を出さないようにということで、削除は求めたいのですけれども、ドメインからサーバーの情報を調べてみますと、ホスティングをしているのは海外のホスティング事業者です。それに対する削除要請を特商法に規定することに意味があるのかどうか、有効なのかどうかということには若干の疑問を持っております。おり国内のホスティング事業者さんに関しては、既に児童ポルノなどの分野で違法有害情報の削除の枠組みができていますので、その中にこういった詐欺的なサイトも載せていくことが有効なのではないかと思っております。国内の事業者の話でいうと、ただ削除すればいいというものではなく、証拠保全の必要もありますので、摘発するとか、被害救済のためにもなくなってしまっては困る場合もあるかと思います。その辺のノウハウは違法有害情報削除の枠組みの中で既にノウハウができていますので、これも法律をいじらなくてもできることかと思います。

相談事例をちょっとだけ御紹介させていただきます。事業者に問題があるケースはもちろんあるのですが、ここに載せました例のように、現行法上も違法なことをしているし、民事的にも義務がある。だけれども、守らない、義務を履行しないというのがほとんどかなと思っております。なので、法律上、義務を強化することには余り意味がなくて、強制力のある方法によらなければ結局は解決しないのではないかというのと、虚偽、誇大広告の事例というのは、私どもが承知している限り、非常に少ないと思います。全く意味がないとは申しませんが、ここに何らかの手当てをしたとして、全体の課題の中の何%が解決するのか、改善するのかは若干の疑問を持っており、リソースをかける優先順位が違うのかなと。先ほど申し上げた海外の悪質サイトのほうにリソースをかけるべきではないかと思っております。

そのように思うもう一つの理由は、最後のページの相談事例ですけれども、ネットショップは1人、2人で運営していることが多くて、ウェブ上の説明が完璧な記載になっていなくて舌足らずになっているケースもままありますが、一方で消費者の主張が真っ当かというと首をひねるケースも結構多いです。

2番目の事例で載せましたように、代引きで注文したにもかかわらず受け取り拒否して腐らせてしまうといったように、明らかに消費者に問題がある悪質なケースもありますが、こういったケースは事業者が飲み込んで対応しています。泣き寝入りをしているわけです。事業者が被害に遭うケースは消費者センターには行かないので、PIO-NETのデータには決してあらわれてこない、PIO-NETから見えてこない別の真実とお考えいただければと思います。

それはもちろん特商法とは関係ない話ですけれども、もしも虚偽・誇大広告に対して取消権を導入するといったことが実現してしまいますと、3つ目のケースのように、消費者が虚偽・誇大広告だと、取り消しだと申し立てる、実際には虚偽・誇大広告とは言えないような話であっても、たくさんのだめもとのようなクレームが寄せられることになり、余りにも広く設定されてしまった場合には、そういったクレームがふえて現場が非常に混乱するのではないかということを危惧しております。虚偽・誇大広告だと消費者が言えば通るわけではなく、誰が判断するのかということが制度設計上非常に重要なポイントではないかと思っております。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

続いて、株式会社スクロール360、高山隆司取締役から御説明をいただきたいと思います。

時間は5分でお願いいたします。

○スクロール360高山取締役 それでは、資料4-2をごらんください。

株式会社スクロール通販事業における取り組みについて、御紹介をさせていただきます。

1ページ、内容的にはスクロール、スクロール360という会社の御紹介。そして、2番目に、広告と品質の管理のための取り組み。3つ目は、インターネット通販・オムニチャネルの進展に伴う消費行動の変化について、3つに分けて御紹介をいたします。

初めに、3ページ目です。スクロールとスクロール360の御紹介になります。

スクロールは1943年から始まっている会社でございます。沿革は次のページで御紹介いたします。

スクロール360は、親会社スクロールの長年培った通販のノウハウだとかコールセンター、物流センターといったインフラを活用しまして、他社の通販の立ち上げであるとか運用のお手伝いをしている会社でございます。

4ページ目のスクロールの沿革について御紹介いたします。

1943年に縫製工場としてスタートいたしました。

1954年に初代社長の奥様が地元の婦人会のほうに婦人会服の御提案をいたしました。当時は非常に洋服にぼろが当たっているような方も多く、婦人会の会合の出席率が悪かったものが、この会服を導入したことによって非常に出席率も上がり意見も活発に出たということで、一気に次の1956年には全国の婦人会に直接販売を開始したということでございます。

その後、1970年には株式会社ムトウに社名変更し、翌年に日本生活協同組合と取引を開始しております。

長年、ずっと通販システムを自前でつくっていた関係で、1986年からは、自前のシステムを他社の通販会社に提供するというようなサービスを開始し、株式会社ミックという名前でスタートしておりまして、それが現在のスクロール360になっております。

インターネットの進展に伴いまして、2009年からは株式会社スクロールに社名変更しております。

次のページにスクロール360がやっている他社通販のお手伝いの実績を書かせていただいております。物流とか受注代行のフルフィルメント・サポートで100社、システム・サポートで累計で300社、プロモーション・サポートというところでは、コンサルティング等をやっておりまして200社のお手伝いをしております。最近では、リアル店舗を全国的に展開している企業からコンサルの御協力依頼というのが非常にふえてきております。

それでは、虚偽とか誇大広告をどのように防いでいるかという弊社の広告と品質の管理のための取り組みについて御紹介をさせていただきます。

7ページ目です。最近、非常に機能性素材商品がふえておりまして、例えばこだわりのウール混であるとか、吸熱素材ダイナマックスを使用というような広告表現をいたしております。これをどのようにこのとおりの商品を消費者に届けるかという取り組みが次ページ以降で御紹介しております。

品質管理室が物流センターにくっついてあります。チーム長以下17名で広告表現どおりの商品がお客様に届くかというところを管理しております。

次のページに非常に大まかな品質管理体制について御紹介しております。商品企画から始まりまして、中間確認、最終確認、先上げ商品確認検査、製品検査証明書確認、初回商品入荷というところで、生地については生地検査証明書で先ほどの機能性が担保されているかどうかの確認をしていきます。詳細については、次の10ページに書いてあるように、Aから始まりましてZに至るまでの検査を通って初めてお客さんのほうに商品が届くというようなことでございます。

11ページ目に書いてあるように、かなりの商品が中国で生産されております。EDIによる発注、生産、検品・バーコード貼付・検針、箱詰めされてケースにSCMラベルを貼付して倉庫に入っていきます。このSCMラベルで入荷検収をやっていきます。

そして、商品が入ってきますと、初めて入荷した商品については、ベルトコンベアが分岐されまして、品質管理検査室というところに行きます。次のページにあるように、その商品のバーコードを読みますと、商品仕様確認書が出てきます。これでは、この商品について寸法がちゃんとカタログ表記どおりになっているか、UVカットとか、そういう先ほどの機能性については、ちゃんとエビデンスが出されているかというところを全て確認して、合格して初めて商品が出荷されるというような流れでございます。中国の工場につきましては、誓約書を提示させ、工場点検を年に1回実施するということで、品質、虚偽・誇大にならないかというところを担保しているという状況でございます。

360がお手伝いしている中のECをこれから始めるという会社さんに対して御紹介している資料が17ページにございます。以前はバナー広告を見て、そのままランディングページに飛び、カートで買うという行動がありましたけれども、現在ではバナー広告を見たときに、サーチエンジンでリスティング広告とか検査結果を見ながら、情報口コミサイトでこの商品が本当に書いてあるとおりの口コミになっているかという確認をし、そこでようやくショッピングサイトに行ってカートに入るというような消費行動が今は非常に進んでいるということでございます。

次のページに書いてあるのは、今度はリアル店舗が今オムニチャネル化を非常に推進しております。どういうことかといいますと、お客さんがサーチした後に、リアル店舗で商品を確認したり、オンラインで選択をしたり口コミでチェックをする。購入する場所は、そこからリアル店舗に行く場合もありますし、ネットに行く場合もありますし、スマホ等のモバイルで注文する場合もある。さらに商品はお店でピックアップする場合もあるし、自宅に届ける場合もあるというように、非常に複雑な行動体系になっているということでございます。

ということで20ページに通販事業者としての意見を述べさせていただいております。弊社のようにウール100%と表示した商品が間違いなく生産されたかを必死で追及されている企業に対しまして、もともとウール50%なのに100%と偽って確信犯で販売している企業、このどちらを特別なルールで規制するべきなのかというところが、私はBの企業をしっかりと規制しないといけないと思います。こういうBの企業は、例え取消権があろうがなかろうが確信犯的にやってくるのではないかなと思っております。この悪意のあるごくわずかな企業のために大多数な真面目な企業にも特別なルールをかけるのは本質的ではないと考えております。

それと、次のページに書いてあるように、やはりインターネット通販、オムニチャネルの進展に伴って、広告による商品認知から購買に至る購買行動は複雑多岐化しているため、通販企業だけに規制をかけるのはナンセンスと考えます。

以上でございます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

続いて、楽天株式会社、関聡司執行役員から御説明をいただきたいと思います。時間は5分でよろしくお願いいたします。

○楽天関執行役員 ありがとうございます。楽天の関と申します。本日は説明の機会をいただきまして、ありがとうございます。

資料4-3-1に基づきまして、当社が自主的に行っている健全性維持の取り組みについて御説明させていただくとともに、本調査会において論点になっているものについて意見を述べさせていただきたいと思います。説明は私からさせていただきますが、質疑の際におきましては、同席している消費者政策担当の片岡のほうからも回答させていただきますので、御了承いただければと思います。

右下の数字で2ページ目でございまして、当社は楽天市場というショッピングモールを提供させていただいております。当社のウェブのページ、システムにはたくさんの販売事業者が出店をしておりまして、当社にはそれら事業者をエンパワーメントするという理念もあり、特にたくさんの中小の事業者が出店しているのが大きな特徴でございます。

5スライド目でございます。楽天市場における取引の状況について簡単に御説明いたします。

1番に、これはECのショッピングモールになりますが、販売事業者が出店をします。その際には出店契約を当社と結ぶ形になっておりまして、この出店者はそれぞれの店舗ごとのホームページを構成しまして、例えば商品の選定、仕入れを行い、あるいは販売された際には入金確認とか商品発送、そういったことを行っているということで、この出店者は特商法上の販売事業者ということで業務を行っております。

一方、6ページ目になりますが、これは消費者と店舗の間でトラブルが発生したときの流れになりますが、例えば商品が届かないといった場合には、消費者のほうから基本的には出店者のほうに問い合わせが行われまして、出店者と消費者との間でトラブルを解決するということで、基本的にはここでトラブルを解決されることがほとんどでございます。ただ、この際に出店者との間でトラブルが解決しない場合には、モール運営者である楽天のほうにも問い合わせが入ってくるということでございます。その際には、楽天は、出店者にその状況を伝え、また、状況の確認を行います。ここまでで多くの場合はトラブルが解決するということになっておりまして、それでも解決しない場合は、後ほど詳しく説明しますけれども、楽天が提供している「あんしんショッピングサービス」という補償サービスを適用して、消費者の補償をする仕組みになっております。ただ、左下にありますように、注文件数に対してトラブルの問い合わせ率というのは非常に低く、約0.026%ということでございます。非常に低い数字になっております。

7スライド目、健全な取引の場を維持するための取り組みということで、幾つか自主的に取り組みしていることを御説明いたします。これは対出店者ということでやっている取り組みでございます。楽天市場で規約あるいはルール、ガイドラインといったものを明確に整備しまして、出店の際には審査を実施しますし、各種法令遵守等の呼びかけも行っているという状況でございます。また、実質的なパトロールとか、調査とか、こういったことも行っておりますが、最終的には、中小企業を中心にエンパワーするという理念でやっておりますので、そのサービスレベルを非常に高くし、一方的にそれを押しつけるという形にはなかなかならないということは御理解いただければと思います。過去、いろいろ取り組んできたことを試行錯誤しながら、継続的に改善に努めているという状況です。

8スライド目、これは消費者に対して行っている自主的な取り組みでございます。ヘルプページを整備しておりまして、それの拡充に努めている。あるいは問い合わせ窓口を設置しておりまして、メールであるとか、電話であるとか、いろいろな手段によって問い合わせができるようになっております。さらには第三者評価ということで、いわゆる口コミが見られるようになっておりまして、これによって消費者が自主的に判断をできる情報を得られるというような仕組みを設けております。

その他、なりすましサイト等の注意喚起等も行っているということでございます。

次のスライドですけれども、その他の取り組みといたしましては、例えば東京都の薬務課との間でいろいろな施策に協力する形で注意喚起や啓蒙活動を実施したりとか、あるいは消費者庁様を初めとして、いろいろな役所からの情報提供に基づいて、出店者に対しての注意喚起をする、そういった取り組みをずっとやってきておるということです。

10スライド目ですけれども、先ほど申し上げました「楽天あんしんショッピングサービス」という補償サービスを提供しております。昨年11月にリニューアルしたものを簡単に説明いたしますと、この左上の5つほどトラブルを類型化いたしまして、これらに該当する場合には、消費者が購入した代金分を補償するというサービスを行っております。基本的には出店者に問い合わせをいただきまして、それによって解決しない場合に補償を当社に申請いただくという流れになっております。

11スライド目、これは当社のサイトの外の話ですけれども、偽装サイト等については、検知をした場合には、これは通報による検知の場合と、こちらの検索による検知の場合とあるのですが、セキュリティベンダーに情報提供をしたりとか、消費者に注意喚起をするといったことをやっております。

1つ飛びまして、13スライド目と14スライド目で各論点についての意見を申し上げたいと思います。

まず、総論ですけれども、基本的に問題の所在がどこにあるのかといったことをきちっと分析した上で、それが解決できるような、解決につながるような方向性での議論をしていただきたいと考えております。特に、日本経済についての負の影響というのも当然あるわけですけれども、そういったことについての影響もぜひ検討いただきたいと思います。また、当社、インターネット上のサービスをやっておりますが、一般的な取引にももちろん影響が及びますので、幅広くどのような影響が出るかを議論していただきたいと思います。

各論についてですけれども、まず、(1)の執行の観点ですが、プロバイダーへの削除要請規定につきましては、これは行政機関の情報提供に基づく実質的な協力とすべきであると考えておりまして、事実上削除を強制するかのような要請規定は不要であり、または不適切であると考えております。また、先ほど、他の参考人からもありましたけれども、海外サイトに対してこれは実効性があるということは考えづらいのではないかと思っております。

(2)の表示の観点につきましては、PSPの定義であるとか、あるいはアクワイアラー・PSPが負う義務の具体的な内容というのが明らかになっておりません。また、これによって解決したい問題であるとか、誰がどのように使ってそれを解決していくのかという議論が十分なされていない状況でこれを義務化するという方向での議論は大変おかしいと思っております。そういったことを十分議論していただいた上で検討していただきたいと思いますので、現時点でこれを義務化することは反対でございます。

次のスライドに行きまして、虚偽・誇大広告に関してですけれども、取り消し規定を特商法に設けることについては強く反対をするということを明言したいと思います。これは通販だけに起こる問題ではありません。問題の本質を捉えた政策議論になっていないと思っております。特に、通販のみ媒体上の広告が直接意思形成に影響を与えて、通販以外はそうではないというのは、甚だしい事実誤認だと考えております。

また、広告の一部、または全部に事実と異なる内容が含まれていた場合に、どのような条件であれば債務不履行と主張できるのか等々、通販に限らず広く一般の問題として議論すべきだというように思っておりますし、消費者契約法専門調査会でもその点は十分議論されていないのではないかと認識しております。また、虚偽・誇大ということを誰がどのように判断するのかといったことも十分議論すべきだと思います。

最後に4番目ですけれども、インターネットモールに関する特商法の規定につきましては、これについても反対でございまして、出店事業者が特商法上の義務を負っているところに上乗せでさらなる法的責任をインターネットモール事業者に負わせるという立法事実はないと認識しておりますので、それは再考を願いたいと思います。

以上でございます。

(3)意見交換

○後藤座長 ありがとうございました。

それでは、ここから先は、これまでの御説明内容をもとに、通信販売における問題について特定商取引法の規制のあり方をどのように考えるか、議論を行いたいと思います。めどとしまして、4時半ころまでにこの問題についての議論を終えたいと思います。

それでは、御意見、御質問のある方。たくさん手が挙がっていますので、少しこちらで整理させてください。資料1の海外事業者に対する特商法の規定のあり方の検討という項目がありますけれども、資料1の23ページでありますが、執行の観点からと、 24ページの表示の観点から、これらの問題について御意見がある方、まずよろしくお願いします。

池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 池本でございます。

意見の前に質問を1点させてください。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○池本委員 消費者庁もしくは国民生活センターのほうがよろしいのかもしれないのですが、先ほど資料1で御説明をいただいている中で、資料1の15ページ、誇大広告に関する相談件数を御説明いただいたときに、PIO-NETの相談件数の中で誇大広告というタグがあるものをピックアップしたというようにおっしゃったのですが、虚偽広告というようなキーワードでのピックアップというのはないのでしょうか。と申しますのが、その資料の7ページ、海外へのネット通販に関しては、模倣品とか詐欺疑いの相談が非常に多いという指摘があります。ということは、むしろ誇大広告よりもそもそも虚偽の表示ではないかと思うのですが、それが誇大広告の件数だけでいうと1,000件前後というのはイメージと違うなというところがあるのでお伺いしたいと思います。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○消費者庁山田取引対策課長 15ページのところですけれども、虚偽広告というタグはございませんので数字が拾えてございません。

7ページのほうはCCJで、これは消費者庁が受け付けたものですので、中身は分析しておりまして、模倣品や詐欺の疑いが多いというのは確認しています。

○後藤座長 よろしいですか。

それでは、先ほどの資料1の23ページ、24ページにかかわる論点について、何か御質問あるいは御意見がある方がいらっしゃったらお願いします。

よろしくお願いします。

○佐々木委員 まず、執行の観点ということですけれども、この消費者庁さんの資料の17ページにある海外との取引に関する相談、今14万件あるということですが、ここはなぜか一番最初のインターネットの通販の相談のところは27万件に対してコンテンツと商品とデジタルコンテンツと分けてあるのですけれども、ここのページは分けていないので、当然これもデジタルコンテンツを含むと書かれていますけれども、そういう意味では商品の相談がかなり少ないのではないかなと、詐欺的サイトも含めて相談だと思うのです。詐欺的サイトだとすると、先ほど御意見、ヒアリングの中にも出てきましたけれども、執行する上で相手方はもともとそれを守るつもりはないわけですね。そういう意味では、新たなそういう制度を設けることによって、それが守られるかというと、執行することは非常に難しいのではないかなと思います。

特に、商品、インターネット通販というと普通の商品の通販を思い浮かべますけれども、説明のあったように、デジタルコンテンツはアダルトサイトとか、海外サイトも含めて、ゲームのサイトとか、そういうもののトラブルがメーンであって非常に多いということなので、もう一つ、誇大広告について言えば、27万件のうちの1,000件、18万件はアダルト系のデジタルコンテンツのサービスということですから、9万件に対して1,000件というのは本当に多いのかというと、かなり少ないと思うのです。

○後藤座長 いかがですか。山田課長、よろしくお願いします。

○消費者庁山田取引対策課長 まず御指摘の1つ目で、詐欺的サイトは、そういう人は守るつもりはないのだから執行しても意味がないという御発言に関して、参考人の方もおっしゃっておりました。

ここは指定権利制度撤廃のときにも同じような話があったわけでございますけれども、実際、詐欺か、詐欺でないかというのは、後になってみないとわからないという部分もございます。私どもとしては、とにかく特商法違反があれば執行するということでは、これは今、佐々木委員がおっしゃられた詐欺的なサイトであっても執行することはできています。執行の効果といたしましては、私の御説明の中にもありましたけれども、繰り返しになって申しわけございませんが、執行管轄自体は海外には及ばないわけでございますけれども、国内で違法性が確認したということでインターネットの検索の会社でありますとか、ウェブフィルタリングの会社、クレジットカード会社、それから、プロバイダーに関しても、プロバイダーは通信の秘密というものがございますので、義務規定というのは法律上置けませんけれども、要請規定というのは児童ポルノ法、薬事法など、最近続々と規定は置かれておりまして、とにかく役所のほうとしては、違法性が確定したサイトについては削除するようにお願いする。実際、それに従うかどうかはもちろん事業者の御判断ということになろうかと思いますけれども、危険ドラッグにおいてもこのような取り組みが奏功しているということは申し上げさせていただきます。

27万件のうちの1,000件が多いか、少ないかということは印象論の問題だと思いますけれども、私どもは1,000件の苦情相談の裏には、大体その50倍の実数があると思っておるわけでございます。これは実際PIOで消費相談の現場にかけつける人の割合はその程度だということからそのように考えております。この1,000件も虚偽・誇大のPIO情報を網羅したデータではございませんで、技術的になかなか網羅することは難しいということも申し上げておきたいと思います。

以上です。

○後藤座長 ほかにございますか。

増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 公示送達を用いて処分を行うことについて賛成します。相手方が連絡不能であっても処分を周知することによって消費者に対して被害の未然防止につながり、また、例えば万が一クレジットの契約をしていた場合には、抗弁やチャージバック要請にもつながる可能性があります。プロバイダー等の事業者へ削除要請ができる仕組みをつくってもらうことによって、より効果的になると考えます。

海外アクワイアラーとかPSPについて登録情報の表示義務ということはお願いしたいと思います。実質的に処分ができないなどのことはあるかと思いますけれども、前にも申し上げたことはあるかと思いますが、観光庁の海外OTAガイドラインが公表されております。そこで旅行業の登録情報の表示を求めています。日本の登録情報がない場合は、海外の同じような制度の登録があった場合はそれを表示するというようにしています。お願いベースのものではありますけれども、そういうガイドラインをつくって既に公表していて、それと同時に、消費者に対して注意喚起を観光庁として行っているというようなことが先例としてありますので、同じことができるのではないかと考えております。

○後藤座長 ありがとうございました。

河野委員、よろしくお願いします。

○河野委員 ありがとうございます。

先ほど御報告等をいただきまして、今、現状、どんなような問題があるかということは確認したところです。先日、閣議決定をしましたけれども、今年度の消費者白書の中で特集として組んでらっしゃるのが、グローバル化の進展と消費者問題ということでございます。今、非常にこの分野において消費者被害がふえているということで、私どももそのことに関しては何らかの対処が必要だと思っております。今回、議題として上がっております、今、論点として2点挙げていただいておりますけれども、海外事業者に関する特商法の規定のあり方、執行の観点からと表示の観点からという2点ですけれども、現在、このように海外取引の場において消費者被害がふえていて、この部分において何ら対応ができていない。その対策として今回この2点で何とかできないかという御提案をいただいたのだと思っております。

先ほど事業者の方からは、効果がないかもしれないというような御意見もございました。ただ、現状、手当てができないことについて一歩ずつ対処するところから物事というのは取り組まなくてはいけないと思います。逆に、もし今回御提示された対応策が効果がないのであるとすれば、それこそ皆さんのところの御知見でどういったところに対処すればこういった消費者被害が少なくなっていくかという、そういうような前向きなぜひ御示唆をいただければと期待しているところです。

それで、今回の2点ですけれども、公示送達手続の導入については、私も賛成したいと思います。通販の行政処分というのは、広告の記載事項と誇大広告の禁止等が対象となっています。必須記載事項である事業者名や住所等の記載がないこと、消費者を誤認させる広告や表示がなされているということは消費者の利益を害する行為です。それらの違反行為について、行政が今よりも迅速に是正指示を与えるようになるという今回の公示送達手続の導入には賛成したいと思います。

2点目、通信販売事業者の表示義務にアクワイアラーとPSPの登録情報を表示させることについて、先ほどから余り効果がないのではないかというようなお話、特に連絡先や割販方法の適用の有無を表示させても、消費者は多分活用できないから意味がないという御意見だと思いました。確かに現状ではそうかもしれません。ただ、通信販売事業者の表示義務事項にアクワイアラー等の表示が加わったことを周知し、その活用方法を消費者が学ぶことで、消費者みずからが安全な取引を選択できる環境づくりが進むことになるのではと考えております。ぜひ今回、この連絡先等の追加をお願いしたいと思います。

○後藤座長 ほかにございますか。

阿部委員、よろしくお願いします。

○阿部委員 海外のアクワイアラーとかPSP、割販法でできるならば同じことをやればいいとは思うのですが、11ページの資料を拝見しますと、割販法でも通販事業者がもし海外である場合には適用できないとあります。ここはどうなるのか。要は野放しで終わるのか、それ以外のところと何か差別化されるのか。ここはどのように割販法は考えているのでしょうか。

○後藤座長 山田課長、よろしくお願いします。

○消費者庁山田取引対策課長 済みません、私が答える立場にはないのですが、私は割販法のほうもオブザーバーとして参加しておりまして、内容は承知しておりますので、責任ある立場ではございませんが御説明をさせていただきます。

割販法は、ここの部分は法律適用が及ばないということでございまして、その部分はどうしても穴があいてしまう。だからこそ、海外にアクワイアラー・PSP加盟店、全部が海外にある場合については特商法のみでしか消費者に注意喚起を与えることができないので、ぜひ特商法において表示義務の遵守で手当てをしてほしいということを経済産業省から承っているところでございます。

○阿部委員 割販法でできないことが特商法でできるというお考えの根拠がよくわからないのです。

○後藤座長 お願いします。

○消費者庁山田取引対策課長 そこは12ページの図をごらんいただきたいのですけれども、法律そのものは海外、割販法については、アクワイアラー・PSP加盟店、全部が海外にある場合には、それは割販法の責は及ばないということで、ブルーの線の外側にあるところには及ばないということです。

加盟店が特商法の取引、通信販売をやるというのは、海外の加盟店と国内の消費者でございます。ここの取引については、立法管轄ということではございますけれども、海外の加盟店が日本の国内向けに通信販売をするという場合においては、これは日本の特商法の適用があるということですので、この海外の加盟店と日本国内の消費者、ここの取引に特商法が適用されるので、そこのところで表示義務を遵守させてはどうかということです。

○後藤座長 よろしくお願いいたします。

○佐々木委員 割販法については、今日の参考人の沢田さんがたしか委員をおやりになられていると聞いておりますけれども、もしあれでしたら、今のことについて沢田さんからお聞きしたいと思います。

○後藤座長 何かコメントをしていただけますか。

○ECネットワーク沢田理事 ありがとうございます。では、せっかくですので発言させていただきます。

管轄権の話に関しましては、山田課長の御説明のとおりかと思います。穴があいた部分に関して特商法に何を期待するかというところは、割販法の小委員会のほうでは、先ほども申し上げましたけれども、それほど表示義務に対する期待は高くないと理解しております。それは割販法の中心のテーマではないものですから十分な議論ができているとも言えませんし、そもそも義務を負うのは誰かというと、割賦販売法の規制対象となっている割賦販売事業者ではなく、そこには参加していない通販事業者が実際の義務を負うことになるので、それに対するそこ影響を割賦販売小委員会では全く議論ができないわけですから、この場ではこれ以上は検討できないねということになっていたと私は理解しております。

その通信販売業者に対する影響を議論するのがまさにこの場かと思います。それに関しましては、先ほど効果があるなしの話も申し上げましたけれども、効果が多少あったとしても、通信販売事業者が海外の悪質サイトへの対応のために負わなければならない重たい義務、表示義務が追加されるのは通販事業者にとっては非常に大きなことで、1人、2人でやっているようなネットショップにとっては、表示義務が追加されるということをそもそも知らない場合もあり、何のためにそれが追加されるのかということの十分な説明がなければ決して納得はしないと思います。うっかり書かなかったら罰則を受けるというのはあり得ないだろうと思っております。そういったことも割賦販売小委員会の席では御紹介させていただいたつもりです。

○後藤座長 伊藤室長、よろしくお願いします。

○経済産業省伊藤消費経済企画室長 今の件ですけれども、経済産業省です。

山田課長からの経緯についての御説明は、そのとおりだと思いますが、一言申し上げておきたいのは、あくまで12ページの右下にありますように、5月時点での産構審の中間報告の骨子の案の段階で書かれていることが現時点では全てであって、一番最後の行ですけれども、販売事業者の表示を充実させる等の対応が望ましいというレベルであって、この場での検討結果に割賦販売法の検討では確かに委ねてはいるのです。この場でどういった規制になるか、それは表示か、表示を問わず、この場での議論の結果を尊重して、割販法では再度改めて案を取りまとめていくという意味で、基本的には今、沢田参考人がおっしゃったとおりです。

○後藤座長 ありがとうございます。

山田課長、よろしくお願いします。

○消費者庁山田取引対策課長 オブザーバーの沢田さんのコメントの中で1つ誤解があると思うので御指摘させていただきたいのですけれども、表示義務違反というのは11条違反になりまして、11条違反は直罰がございません。ですので、恐らく、これは指示処分の対象にはなるわけですけれども、指示処分を下す前に普通、弁明の機会の付与というのもやります。それで普通の事業者であればそこのところで直すということでして、いきなり直罰がかかるようなものではございませんで、特商法の中では非常に軽い類型だということではございますので、その点は認識を改めていただきたいと思います。

○後藤座長 ありがとうございました。

野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 本日は、沢田さん、高山さん、関さん、片岡さん、大変ありがとうございました。

本日、冒頭、河上委員長から謝罪というか、委員長の謝罪なのかよくわかりませんが、私たちへの訓示があって、ヒアリングは大変重要なのだという発言がございました。また失礼なことがあってはいけないという発言があったわけですが、座長から2分で説明しろとか、5分で説明しろということで、皆さんにかえって言われたばかりなのに失礼ではないかなと思います。

というのは、今回議論しているテーマは事業者にとってはいろいろなビジネスに影響を与えるものでありまして、じっくり説明したいというのは事業者側の当然の気持ちだと思うのですが、それを2分で、5分でというのは大変失礼だと思います。座長には前々から議事運営については丁寧にやりましょうとお願いをしているわけですから、河上委員長から指摘を受けて、すぐまた2分で、5分でというのは大変酷であると、その辺は配慮していただきたいと思います。

3つ論点があるけれども、そのうちの2点について話すようにということでありますので、話したいと思います。

まず、執行の問題です。やはり話を伺っていると、海外の悪質なサイト、これが最大のターゲットだということでは恐らく意見が一致するのだと思います。国内というよりも海外の悪質なサイト。先日、危険ドラッグのときに公示送達することで効果があったというのは大変すばらしい成功例と思います。こういったことで公示送達を活用していく、また業者の方の自主的な協力を求める、これが基本なのではないかなと思います。あえて法律に書く必要はないと思います。それは、ヒアリングで来ていただいた方々の説明にもありましたけれども、どれだけ法律に書くことの意味があるのか。要するに、なりすましとか海外の悪質な連中をたたくためには、何も業者に法律で協力を要請するところまで書かなくても、自主的に協力していただければいいのではないかと思います。

2点目、アクワイアラー・PSPの登録の番号。これもこれまで議論が進んでおります。義務づけた場合の効果がどれぐらいあるのか。これについて事務局の消費者庁の説明を聞いてもよくわかりません。実際のところ、もともと悪質な海外サイトが特商法の表示をきちんとしているわけがないのでありまして、大体表示していないわけです。また、仮にこの番号を義務づけたところで、消費者にとってどれだけ本当に利用価値があるのかどうか、今の段階ではわかりません。むしろ、悪質業者はもともと表示しないのですから、結局、健全な普通の業者だけ表示の義務を負う。先ほど沢田さんがおっしゃったように、重いコスト、重い義務負担だけが出てくるということであると、副作用だけが大きくて効果がどうなのかよくわからないです。この辺をもう少し詰めなければいけない、慎重に考えるべきだと思っております。

以上です。

○後藤座長 野坂委員から、私の議事運営に関して疑義が申し立てられたのですが、時間については事前にお知らせしている、お願いしていることでありまして、それを超えた場合でもこちらで遮ったということもありませんので、そういうことで御承知おきいただけたらと思います。

では、池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 池本でございます。

資料5-1ということで論点に対する意見というメモを配付させていただきましたので、それも参考にしていただきながら、とりわけヒアリングでお出しいただいた意見も踏まえて少しコメントをしたいと思います。

まず、公示送達の督促を設けるということですが、今、民法で定めている公示送達、これは裁判所が判断をするものですが、例えば訴状が届かないとかそういうようなときに公示送達という方法を使いますが、これはそれまでの取引経過は関係なく、裁判所の箱の中に掲示するというやり方で、果たしてそれが本当に相手に届くのかなと、とても考えられない。逆に言うと、それで送達したものとみなすとするわけですから、裁判所は非常に慎重に判断をします。時間もかかります。

それに対して、通信販売業者の場合は、もともと連絡先は表示する義務があるわけですから、そこへ届かないということはその広告自体、違法状態が続いているということになります。そうすると、被害の拡大防止の観点からも速やかに手続を進めて公示送達で早くに差しとめていくということが必要ではないか。特にネット業者ですから、例えばネット上にそれを公示するというところも措置しておけば、むしろ裁判所の公示送達よりは、より相手に伝わりやすいという意味では影響を及ぼすことはないだろうと思います。それが第1点です。

表示の関係ですが、発言レジュメの2ページ目に割販法で対処できるものと、割販法ではだめで特商法でやるしかないものというので上と下に分けていました。先ほど消費者庁から説明があったところなのですが、国内の販売業者と加盟店契約を結ぶ海外アクワイアラーとかPSPは割販法でいけるけれども、海外サイト業者と海外アクワイアラーでは、割販法はおよそ及ばない。しかし、その海外サイト業者が日本語のホームページをつくって日本国内の業者にいろいろ販売している、そこに虚偽表示あるいは詐欺的なものが含まれるということをどうするかということです。現在、割販法の審議会では上の段の、これは海外、国内問わずですが、加盟店契約を結ぶアクワイアラーあるいは決済代行、PSPはきちんとそういう苦情が寄せられた場合には加盟店調査をしたり対処をすべきであるという義務化を検討しています。ということは、そういう悪質業者を排除してもらえる可能性があるわけです。

だとすると、下のほうで海外通販サイト業者を特商法でやっていくときに、アクワイアラーにそれを排除してくれというわけにはいきませんが、そういう割販法上の登録をした業者を経由しているのか、そうでないのかということを表示してもらうことによって、これは消費者に向けた啓発が前提になるのですが、そういう問題業者ではない加盟店管理をしているかどうかを推測させる重要な手がかりを与えることができるのではないか。その意味で、何も割販法では手当てできないところを特商法で表示義務という形で一定のチェックポイントを付与しておくことは有益だろうと考えます。以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

この論点に関してまだありますでしょうか。

花井委員、よろしくお願いします。

○花井委員 先ほどの池本委員に追加して発言させていただきます。私は、地方の消費生活センターに勤務しておりますが、商品が届かず、連絡しようにも相手の連絡先がわからないというような相談がたくさんあります。1の執行の観点から、公示送達を適用するということについては、効果がどの程度あるのかは、実施されていないためよくわかりませんが、インターネット上で義務である住所、氏名、連絡先などが書かれておらず、連絡のとりようがないという事例が増えてきたのは、事実です。このような業者に執行を強化することで、表示の仕方をきちんと直していくという効果があると思います。また、法律違反しているサイトを削除する事により、被害の拡大を防止する効果が期待できると思いますので、ぜひこれはやっていただきたいと思います。

2番目の表示についてですが、日本語の表記で日本人を相手とするものは特商法の適用を受けるはずですが、商品やサービスを購入している消費者には海外の業者のサイトなのか、日本国内のサイトなのか、よくわからない状態だと思います。クレジット会社からの請求に、わけのわからない名前と数字が連なっていて、消費生活センターにこれは何なのだと相談に来られることがよくあります。そのような場合、消費生活センターでは伝票請求といって、調べてもらうことによって海外のPSPであるということがわかるという状況です。なので、これから、商品やサービスを契約する際、トラブルにあわないために、このような表示が気をつける点の一つになると思うので、きちんと表示していただけるといいかと思います。

○後藤座長 ありがとうございました。

今の問題につきましては、この海外事業者に関する特商法の規定のあり方についてですが、まだありますでしょうか。よろしくお願いします。

○有山委員 私も相談を受けたとき、特定商取引法上の表記で「福岡県名古屋市」という嘘の住所と繋がらない電話番号がありました。悪質な外国の事業者の住所表示は知っている日本の地名を組み合わせて記載するようです。「北海道福岡市」みたいなものもあります。トラブルになったときに連絡がとれないのが一番困っています。お金は、流れてしまうと困るのです。クレジット払いなどの場合には、表示内容に問題があるときには停止できるというような法律上の条項があれば、決済業者さんもお金の流れをとめるという有効な手段もとりやすいと思います。公示送達という手段についても早く対処してほしいものです。消費者から行政は何をしているのだとお叱りを受けるのも減るのだろうと思っております。

○後藤座長 山田課長、よろしくお願いします。

○消費者庁山田取引対策課長 2点ございます。

1点目は、海外の悪質サイトで公示送達をかけた後に事業者に対する要請規定ということで実質的に対応していればよくて、あえて法律に書く必要もないという御指摘がございました件に関して一言申し上げます。

プロバイダーなどに、法律に書こうが書くまいが削除する要請をするわけでございますけれども、プロバイダーのほうも、これは削除したときには、それはそれで削除したことについての責任を事業者から問われるリスクがございまして、プロバイダーに対する削除要請規定を類例のほかの行政法規で置いているところでは、あわせて損害賠償を免責するということも置かれてございまして、これはきちんと対応していただくという意味でも、免責規定を置くというところに法律上の意味があるということでございます。

2点目、割販法の表示義務のところで、先ほど消費者自身のお話は花井委員からお話がございましたけれども、イシュアー自体も苦情が持ち込まれたときに国際ブランド経由ではなくてアクワイアラーの表記、PSPの表記があればそこに直接連絡がとれて迅速な解決が可能であるといった効果もあるのではないかということを申し上げておきます。

以上です。

○後藤座長 ただいま御議論いただいた論点につきましては、公示送達の明文化ということに関しては反対の御意見もありますが、割と多くの方が賛成していただいていると思います。表示の問題については、御意見が分かれているということでありまして、現時点では私のほうでそれ以上まとめることはしませんので、全ての消費者が安心して取引をできるよう、事業者の側にもできる限りの御検討をお願いしたいということで引き続き検討するということでお願いできたらと思います。よろしくお願いします。

杤原委員、よろしくお願いします。

○杤原委員 参考人の楽天株式会社の関様にご質問です。参考人から提出していただいた資料4の中で、参考人の株式会社スクロールの高山様が、資料4-2の26ページのところで、また、先ほど来委員の中からも、本来、捕まえるべき対象者は誰なのかという指摘が一貫してございます。悪意のあるごくわずかな企業のために大多数の真面目な企業に特別なルールをかけるのはいかがなものかということを述べられていまして、この御意見に対して関様はどう思われるかということが1点です。

また、楽天株式会社の関様には、今日はモールを運営されている企業ということで御参考人として御意見を賜っておるわけですけれども、同じような御商売を最近はBSのテレビショッピングで多くの企業が入れかわり立ちかわり、さまざまな商品をテレビを通じて販売されるという形態がございます。また、デパートや量販店も現在ではモールを経営されていて、その中で商品を売られております。商店街等で地域限定で顔の見える範囲でお年寄り向けの宅配事業みたいなものをモールの中でやるという形態もございます。加えて、楽天さんのような企業ですと、もはや物を売るだけではなくて、商品を預って修理をしたりですとか、輸入した商品の部材をアッセンブルすることもされておりますので、単なるモール事業者ではなく、業態が進化していると思っております。モールといっても幾つか種類があると思うのですけれども、仮に楽天さんが何らかな規制をかけられるのであれば、楽天さんとしては、テレビショッピング等を含めて、そういったものにまで規制をきちんとかけないと不公平感を感じられると思いますが、いかがでしょうか。

もう一点は、消費者庁に質問です。参考人の沢田様の御質問にも関係するのですが、仮に表示を義務づけたとして、海外の悪質な事業者を最終的には取り締まらないと被害者の救済あるいは被害防止には役立たないと思います。仮に表示についての規制が特商法に入ったとして、海外の事業者が規制対象になるとなったときに、消費者庁さんとか警察の皆さんはどうやって海外の事業者を取り締まるのか、またその見込みはあるのかを質問しておきたいと思います。

○後藤座長 それでは、よろしくお願いします。

○楽天関執行役員 御質問ありがとうございます。

1つ目の御質問は、スクロール様の資料の20ページの確信犯で販売しているようなケースについてどう考えるかということでよろしかったでしょうか。

先ほど私からの説明にもありましたように、取引の健全性の維持については、当社も従来から努力してきておりますし、官公庁と関係各省とも協力して当たってきております。それはあくまで悪質なことをやっているところに対してはきちっと取り締まっていただきたいということでやっておりますので、もちろん、こういったケース、悪質なケースについては、それが排除されるような方向が望ましいというように考えています。一方で、真面目にやっている健全な事業者というのは大多数でございますので、そういった健全な事業者に対してはできるだけ負担のないきちっと商売ができるような環境を提供していただきたいと思っております。

2つ目の御質問につきましては、先ほどの弊社でアッセンブルもやっているというのは存じておりませんでしたので、それについてはコメントできないのですが、テレビショッピングでありますとか、デパートでありますとか、商店街でありますとか、いろいろな形態ないしチャネルで商品や役務の販売はされていると思うのですが、そのチャネルによらず、本質的に担保すべきは何なのか。あるいはもし規制するとしても、何がミニマムで規制すべきなのかということをきちっと議論した上で、必要なルールをつくっていくべきだと思っています。特にインターネットにつきましては、インターネットは非常に特別なものという時代はとっくに過ぎておりまして、企業、あらゆる主体が利用していろいろなビジネスをやっているという状態ですので、それだけを殊さら特別視して、何か特殊なルールをつくったり、重たい負担をかけるといったことがないようにすべきだと考えております。そういったことでぜひ議論をいただいて、私の以前の説明にもありましたように、解決すべき事柄と効果のある施策ということの関連性あるいは立法事実をしっかり押さえた上での検討をぜひお願いしたいと思います。

○後藤座長 ありがとうございました。

よろしくお願いします。

○消費者庁山田取引対策課長 先ほどの繰り返しになってしまいますけれども、海外の取り締まりということで杤原委員がおっしゃられたのが、例えば海外まで出かけていって捕まえるとか、そういうことを意味しているのだとすると、そこまではできません。これは執行管轄と立法管轄という言葉ですけれども、執行管轄は海外には及ばない、立法管轄は及ぶということで、国内法に基づいて日本で指示処分を出すことは可能でございます。

この指示処分を出すと、インターネット検索事業者、ウェブフィルタリング事業者、クレジットカード会社は現に協力してくださいますし、こういう違法なサイトが垂れ流しされていること自体は問題だと、国内も多くのプロバイダーも事実上の協力はしてくださるわけでございます。ただ、そこは要請規定を置いて、しかも民事上の免責規定も置いてくれないと安心して削除することはできないというようなお話も伺っております。

海外との関係でも全く無力だということではございませんで、海外のプロバイダーもやはりコンプライアンスということで、それぞれの国で法律違反を犯さないということは優良な事業者は皆さんうたっておりますので、私ども海外のプロバイダーにも要請を行って、事実上対応してくださるということはたくさんございます。ですので、効果がないわけではないということでございます。

○後藤座長 大変多くの御意見をいただきまして、ありがとうございます。有意義な議論をいただいたと考えております。

しかしながら、会議時間も限られておりますので、残りの論点に移らせていただきたいと思います。

通信販売に関する残りの論点としまして、虚偽・誇大広告に関する問題とインターネットモールに関する問題につきまして、御質問、御意見をいただけましたらありがたいと思います。よろしくお願いします。

○佐々木委員 ありがとうございます。

まず虚偽・誇大この言葉なのですけれども、虚偽と誇大というのはまるっきり別物だと思うのです。虚偽はうそですから。誇大というのは非常に人間の主観で判断される部分が非常に大きいわけです。例えば私どもでも掃除機を販売していて、静かな音で掃除できますと言ったのが、買った人が「これは静かじゃないわよ」と言われたら、これは誰が判断するかということなのです。そういう意味では主観的で、電話を受けた方の判断がすごく大きくなってしまうと思っています。

もう一つ、我々日本通信販売協会として年間に約1万近い通販110番というものを受けているのですけれども、そのうちの中で誇大というのは非常に少ないのです。ですから、PIO-NETの中で誇大と出てきている形、何でこれだけ出てくるのか若干思ったのですけれども、相談員の方が例えば電話が来た状態で、「これを買ったけれども、おいしくなかったわよ」と言ったら、それは誇大ですねというような誘導とまでは言わなくても、誇大というようにどうしてこれだけ出てきているのかなというのは非常に不思議に思っておりまして、だから誇大というものをどのように、誰が判断するのかというのをなくして、誇大広告は全て取消権が発生するようなことになってしまったら、モラルの崩壊に近いことが起きるのではないかと思っております。

○後藤座長 ありがとうございます。

ほかに御意見ございますか。阿部委員、よろしくお願いします。

○阿部委員 虚偽・誇大広告について、まず景表法との関係をどう整理するのでしょうか。先回の改正で課徴金とともに被害回復措置を入れたわけですが、これといわゆる取消権を出した場合どういう調査をするのかというのはきちんと詰めていきたいというのがまず1点です。加えて、今、消費者契約法で勧誘行為のあり方の中でこの報告をどう位置づけるか議論しているのですが、この結論が出ないと特商法で議論を先行することはかなり無理があるのではないかと思います。消費者契約法の結論が出てからこちらに戻ってくることがあるとしても、消契法が決まらないのにこちらだけ先行するというのはないなと思っています。

○後藤座長 ありがとうございました。

池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 池本でございます。

これもまた資料5-1の2ページの末から3ページで、2つの論点についてメモを提出しておりますので、その中でポイントを申し上げたいと思います。

まず虚偽・誇大広告で誤認して契約を締結した場合の取消権。虚偽・誇大広告という言葉でくくって議論するのは確かに不適切だと思います。実際に取消権に結びつくものを考えるときには、例えば訪問販売で言うと第6条に重要事項が列挙されていて、9条の3でそういった判断に影響を及ぼすような重要事項を列挙してあるものについて誤認をして契約を締結したというように、むしろ逆に重要事項の項目を列挙してわかりやすくしてあります。

今回、虚偽・誇大広告について肝心なのは、言葉での勧誘ではなくて文字の広告であっても、それが契約締結の意思をゆがめる決定的な要因になる場合には取消権につなぐというのが大事なのであって、虚偽・誇大広告という言葉でくくるということでは決してないと思います。

その意味で、これはスクロールさんからの御指摘でもその範囲が漠然として、誰が判断することになるのかとか、そういう御意見がありましたが、契約締結の判断に通常影響を及ぼすべき事項という絞りの中で、なおかつ項目を幾つか列挙する。実はその項目を列挙するというやり方は、消費者契約法はそこまではしていないのですが、特商法の取消権のところは項目を列挙することによってこれは事業者にとっても、消費者にとっても何が取消事由になり得るのかということの目安が見えるという意味で、消費者契約法を入れるから特商法を入れる必要はないとか、あるいは消費者契約法で憲法も含む全てに入れるかという話とはまた別に、あるいはカタログ販売とかテレビショッピングとか、そこまで入れるかどうかという、ここまでの議論とは別に特商法特有の、特に広告を見てクリックしてという、広告と意思形成、申し込みがつながっているようなものです。そのようなものについては取消権を付与するという必要性もあるし、相当性もあるのではないか。

ヒアリングのところでも、ほかの比較サイトを見たりとか、そういう場合もあるではないかということですが、ほかのところへ誤認させる表示があって、そちらを見て意思形成をしたとなる。これは因果関係が遮断されるわけですから、そういう人の広告の責任まで負ってくださいという意味では決してない。そこは因果関係で遮断されるということでよろしいのだろうと思います。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

虚偽・誇大広告の取消権につきましては、今、池本委員がおっしゃったように特定商取引法で取消権を与えるということの意義もあるということでありますけれども、阿部委員がおっしゃっているように消費者契約法での取消権ということについても今、議論がされているところでありますので、それを見据えて、ここでの議論で結論を出すということはしないで、次回以降にまた検討するということでよろしいかと思いますが、丹野理事、よろしくお願いします。

○国民生活センター丹野理事 一言だけ申し上げます。

先ほど誇大広告につきましてお話がございましたが、誇大広告に関しては15ページに注2というところで書いていますように、実際以上に良いように見せかけた広告に関する苦情相談を誇大広告と言っておりますので、決して相談員が恣意的に振っているということではございません。念のために申し上げます。

○後藤座長 ありがとうございました。

時間が余りない状態なのですが、ぜひということで手を挙げていらっしゃると思いますので、増田委員、よろしくお願いいたします。

○増田委員 私も一言だけ済みません。

例えば静かな掃除機といったときに、根拠があって「静かな」という表現をお使いになっているのだろうと思いますので、自社の今までの掃除機よりも何デシベル小さい数字だとかいうようなことがあれば、それをお示しいただければいいだけのことだと思います。そのレベルがすごく小さい、大きいということで誇大かどうかということがある程度推測できると思います。おいしい、まずいについては相談員は相談を受け付けませんので、そこは御理解いただければと思います。

○後藤座長 ありがとうございます。

高芝委員、よろしくお願いします。

○高芝委員 虚偽・誇大広告の規制は、他の法律でも規定されているところですし、その効果は行政処分と罰則が中心になっていようかと思います。また、広告が契約の締結の意思形成に与える影響については、特段、通信販売に限った議論という訳でもないと思われます。そういうことからしまして、この点の議論については、特商法に限らない、より幅広い議論が必要になると考えています。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 先ほどの繰り返しになりますが、これだけ大きなテーマをこんなに短い時間で議論するのはそもそも無理です。これは議事運営の問題だと思います。先ほど座長が、ここでの議論で結論を出すことはないとおっしゃりましたので、これは次回以降しっかり議論すべきだと思います。

誇大かどうかというのは本当に主観的なもので、相談員が見ているということですけれども、事業者にとっては相談員の判断で取り消しになるなんていうのは大変なことでございます。事業コストあるいは事業の安定性から考えて、にわかに容認できるものではありません。それだけに慎重に議論すべきであって、こんな短い時間でヒアリングをやって淡々と議論する。そういうスケジュール感がそもそもおかしいと思います。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○楽天片岡消費者政策グループマネージャー 参考人として意見ではなく質問なのですけれども、本日、先ほども野坂様からありましたが、かなり短い時間でプレゼンテーションをしておりまして、我々としては質問をいただくことを織り込んで来ております。先にこの論点をやってから後で質問されるということでよろしいのでしょうか。それとも、今こう進んでいっているのは質問がされないということなのでしょうか。

○後藤座長 今の議事の進行から言うと、ほかの論点に本来そろそろ移りたいという状況なのですけれども、ここで先ほどから御質問ということで特に手が挙がっていなかったものですから、私としては進めていいかなという認識だったのですけれども、特に御質問ということでなく、こういうことはおっしゃりたいというようなことはございますでしょうか。

○楽天片岡消費者政策グループマネージャー では1つだけよろしいですか。

○有山委員 質問があるのですけれども。

○後藤座長 質問よろしくお願いします。

○有山委員 私の誇大広告というイメージですと、ダイエットのサプリメントで1カ月15キロやせるというものです。楽天さんではこれはおかしいということで排除される広告ではないかと思います。1つ伺いたいことがあります。ダイヤの指輪ということで、安い価格で販売された場合、物はジルコンだったというときは虚偽広告ということになるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○楽天片岡消費者政策グループマネージャー 私からお答えいたします。

まずダイエット食品について一番難しいのは、薬事法であれば簡単に指摘ができるのですけれども、景表法はどうしても判断が入ってしまうのです。ですのでダイエットサプリメントのやせるロジックが何であるかというところで、薬事法的なものですと明確に基準がありますので、それに従って直してくださいということを言います。ただ、ダイエットサプリメントで痩せるロジックが薬事法上、問題があると言いにくいものである場合は、直ちに直せということは難しいので、お客様の意見をもとに申し上げたり、あとはそれこそほかの行政機関との協力、あるいは実際に景表法違反で措置命令が出たものについては、同じような商品を扱っている事業者に最近こういうもので措置命令が出たので削除・修正してくださいというようなことを言います。

ただ、実際に例えば今、補償サービスを始めていまして、ページと著しく違うものについても申請を受け付けているのですけれども、実は虚偽・誇大広告で申請が来るものはほとんどなくて、どちらかというと書いてあるのだけれども、見にくかったとか、それが事業者と消費者の間で意見が異なってしまって、なかなか解決しないというものが多くて、それは逆に言うとモールの立場から補償するしないのところは非常に悩むところではあります。恐らく相談員の方々は本当にひどい案件を毎日扱っていらっしゃるので、そういうものを多く目にしていると思うのですけれども、我々のところで相談を受け付けていたり、補償サービスの申請状況を見てみると、大半は大体解決されるのだけれども、本当に価値判断が難しいところが残っていくというような印象を持っています。

それから、ダイヤの話です。実はダイヤについては一時期問題になったことがあって、ジルコニアについてはガイドラインを自主的に設けて、それを店舗に守ってもらうようにお願いをしています。ですので何かあった場合、景表法とか虚偽・誇大広告ということではなくて、ガイドライン違反ということで、規約に従って修正してもらうことが多いです。

○有山委員 再度なのですが、ダイヤがジルコニウムだった場合には微妙なのですか。

○楽天片岡消費者政策グループマネージャー ジルコニアと確かに書いてあるけれども、それがわかりにくいとか、そういったものがあるので、今、自主的につくっているガイドラインでは、ダイヤと単独で使わないでくださいと。キュービックジルコニアというものを必ず書いてくださいというものを自主的なルールとしてつくっています。

○有山委員 必ず書いてあるということですね。

○楽天片岡消費者政策グループマネージャー そうですね。もしそれをやっていないところがあれば、規約違反ということで対処するということです。

○有山委員 私が聞いた宝石業界の方は日本の通販業界の宝石についてはかなり信頼度が高いということで、外国から注目されていると聞いています。今回のようなものを排除してほしいと私たちは思っているのです。

○後藤座長 参考人の方に対する質問がほかにもございましたらよろしくお願いします。

○河野委員 時間がないところ申しわけありません。せっかくいらしてくださっているので御質問をしたいと思います。

1点目は、先ほど虚偽・誇大広告ということで私自身も虚偽と誇大というのは違うと思いますので、そこは分けて考えるべきだと思ったところです。

それで、インターネット通販、オムニチャンネルの進展に伴って、消費者側もインターネット通販というのは特別なものではなくて、ごくごく一般的な消費行動の中のデバイスの一つとなっていると自覚しております。消費者側もさまざまなところから情報を得て、購買に至る購買行動というのは複雑化しているから、通販事業だけに規制を加えることはナンセンスという御発言がございましたけれども、複雑多岐化しているがゆえに実物を手に取って確かめることができない消費者に対して、その商品のありのままの価値をしっかりと伝えるというところはぜひお願いしたいと思います。そうではないものに対してどういう法的措置を加えるかというのは消契法の検討もございますし、それは今後さらに深めるべき論点だと思っております。

とにかく手に取って見ることができない消費者に対して、価値を正しく伝えるということはお願いしたいということです。

それから、せっかく楽天さんがいらっしゃっているので、実は虚偽・誇大広告とは少しずれるかもしれないのですけれども、行動ターゲティング広告は1つサイトで購入しますといろいろなところにどんどん後追いでついてきます。こちらがまいったなと思うぐらい、ずっとずっとついてきて、サブリミナル効果のように何となく頭の中に刷り込まれてしまうという状況になっています。これはインターネットの特性だと思うのですけれども、そういったことに対して苦情はないのかということと、もし楽天さんで何かこういったものに対して機械が自動的に反応して個々のアドレスに情報を送るというものを、消費者側で何らかの対応ができるような仕組みを考えていらっしゃるかどうかということを教えてください。

○楽天片岡消費者政策グループマネージャー まず1点目ですけれども、インターネット通販というと皆さんその商品が実際に手に取れない。なので特別だとおっしゃる方は多いのですけれども、皆さんが普段コンビニとかスーパーで買い物をするときを思い浮かべていただきたいのですが、恐らく店員さんと商品について語り合うという機会はなくて、大体がパッケージあるいはポップ、ひょっとしたら電車の中でのアイスクリームの広告かもしれないのですけれども、そういった色々なものを契機にお買い物をされていると思います。パッケージも結局は開けなければ中は見られないので、確かに洋服などは試着できないという問題がありますけれども、そういう意味でインターネット通販と通常の販売がそこまで本当に違うのかというところは、もう一度皆さんに考えていただきたいところだと思います。

もちろんインターネット事業者として、ネット上でいかに商品の情報を正確に伝えていくかというところは非常に重要で、逆にそれがなければリアルに負けてしまいます。あるいは他社に負けてしまいますので、そこを自ら向上していって信頼してもらってお客さんにどんどん来てもらうことこそが、インターネット事業者が目指していくべきことだと思っています。

それから、行動ターゲティング広告のところですけれども、苦情は実はそんなになくて、これはどうやったら表示されなくなるのかというお問い合わせはたまにいただきます。その際は広告の種類にもよるのですけれども、例えばブログを来訪すると閲覧履歴が出るというものはiマークみたいなものがついていて、そこからクリックするとクッキーを無効にするということができますので、それで非表示化するという案内をしております。

○後藤座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

それでは、この2つの問題、虚偽・誇大広告の取消権につきましては、野坂委員が御指摘になるように大事な問題でありますので、また時間をかけて検討をしていくということにいたします。その際、消費者契約法での議論の推移ということも勘案して検討することにさせていただきたいと思います。

モール運営者の責任の問題でありますけれども、これにつきましてはモール事業者の自主的な取り組みの効果とか、あるいは今後のインターネットトラブルの推移、そのようなことを注視して、今後また必要な検討をしていくということでよろしいでしょうか。

大変恐縮ですけれども、時間を過ぎておりますので次の問題に入らせていただきたいと思います。ヒアリングに応じていただきました皆様におかれましては、お忙しいところ御出席いただきましてまことにありがとうございました。

なお、関様と片岡様には、次の議題のアポイントメントセールス等に関する問題でも御説明をいただきますので、よろしくお願いいたします。

(参考人退席)

≪3.アポイントメントセールス等に関する問題についての検討≫

(1)消費者庁からの説明

○後藤座長 続きまして、アポイントメントセールス等に関する問題について御議論をいただきたいと思います。

(参考人着席)

○後藤座長 このテーマにつきまして、まず資料2について消費者庁から御説明をいただきたいと思います。

また、本日はこのテーマに関する参考人として、先ほどのテーマでもヒアリングに応じていただきました楽天株式会社のお二人に加え、一般社団法人日本広告業協会法務委員会委員長の永江禎様。

同協会個人情報ワーキンググループメンバーの長谷川雅典様。

一般社団法人日本インタラクティブ広告協会専務理事の勝野正博様。

公益社団法人日本アドバタイザーズ協会専務理事の藤川達夫様に御出席いただいております。

皆様、お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。消費者庁からの御説明の後、皆様からのヒアリングを行いたいと思います。

御説明及びヒアリングの後、委員の皆様に意見交換を行っていただく時間をとりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

まずは消費者庁から資料の御説明をお願いいたします。

○消費者庁山田取引対策課長 資料2をごらんください。少し駆け足で説明していきます。

まず4ページでございます。現行法、訪問販売というのは営業所以外の場所で契約するものでございますけれども、訪問販売の概念というのは法律上、2条1項2号で拡張されてございます。それがアポイントメントセールスとキャッチセールスでございます。

アポイントメントセールスにつきましては、左側のマル1、マル2ですが、マル1は勧誘目的を告げずに来訪を要請。マル2はほかの者に対して著しく有利な条件で契約締結できる旨を告げて来訪を要請。この2つの形で手段として右側のマル1、マル2というものを使った場合に、これはアポイントメントセールスということで訪問販売の概念に入るということが現行法で規定されてございます。

キャッチセールスというのは、営業所以外のところで呼びとめて同行させるという類型でございまして、これも訪問販売の概念が拡張されてございます。

1点、細かいことで申しわけございませんが、右側のところのアポイントメントセールスの下の手段としていろいろ書いてございますけれども、電子メール、SMSというように限定的に書いてございますが、これは政令上の表現は電磁的方法ということで書いてございまして、私ども国の解釈としては電子メールとSMSと理解してございますが、特商法の執行は自治事務ということで都道府県にも権限がございますので、自治体の中にはSMSも電磁的方法に含まれると解釈をされているところもございまして、そこのところもばらつきがございますので、きちんと明確化していくことが必要なのだろうと思っています。

5ページ、現在起きている問題といたしましては、政令に定める媒体で営業所等に来訪させたり、営業所等以外の場所で呼びとめる。アポイントメントセールスやキャッチセールスで一旦、営業所に連れてくるわけでございますけれども、その場では一旦帰してしまって、次回の来訪をとりつけて、その次に来たところでおもむろに商品の勧誘をするというケースがございます。これを私どもはアポイントメントセールス逃れ、キャッチセールス逃れと呼んでいるところでございます。

6ページ、具体例でございます。事例1、「ネイルに興味ありませんか」と言ってキャッチセールスで店舗に連れてきて、「僕がモデルをケアするときに使っているよいものがある。今度持ってきてあげる。あした来られる?」ということで、まず一旦お客さんを帰して、翌日、店舗に来訪してみると30万円の機械が出てきて、勧められて契約するに至ってしまったということでございます。

事例2はもう少しインターバルが短くて、就活セミナーということで呼び出されて、午前中にはミスマッチのない就職をするためにどうしたらいいかというお話をされまして、昼飯に2時間リリースされまして、午後来たところでスキルアップ講座や人間力アップ講座ということで自己啓発セミナーのようなものを勧められて、断り切れなくなって契約をしてしまうという例がございます。

7ページは先ほど4ページで書いてあった類型、媒体ですね。電話、郵便、信書便、電報、FAX、電磁的方法などによらない媒体による勧誘に基づくトラブルもふえているということでございます。一番多いのはSNS、その次が電子広告、雑誌、新聞も多少ございます。7ページの右下にございますように、こういう政令指定外の媒体によって、かつ、一旦消費者をリリースするという意味で二重に規制逃れをしているという類型も2009年から157件に上ってございまして、こういうところに訪問販売の規定が使えないということが現場では問題になってございます。

8ページ、政令指定外の媒体、これはそれぞれ強引と言われるものも2~3割強あるということでございます。

具体例は9ページにございます。新聞広告でございます。地域の新聞を見て耳つぼダイエットに行ったところ、サプリメントを買わされてしまった。その次は3,000円で占いをするという新聞広告を見て行ったら、水子の霊がいると言われて祈祷サービスに持ち込まれたという例。その次は雑誌広告でございます。タウン誌で占いの広告を見て行ったら印鑑を売りつけられました。肌分析の雑誌広告を見て、化粧品の販売はないと書いていたのに行ったら化粧品を売りつけられてしまったという例。

10ページ、電子広告・SNS、最初のものはインターネットで見た着付け教室で物品販売の話になって契約させられてしまいました。2番目はSNS、絵を見に来てくれということで女性から言われて行ったところ、入場無料と書いていて、拘束されて契約してしまったという例。その次は男性とのデート中に先物自動販売ソフトの勧誘をされて契約をしてしまった。最後は携帯の広告で占いサービスに行ったところ、祈祷サービスに持ち込まれてしまったという例でございます。

その次のページをごらんください。論点でございます。まず最初のポツに書いてございますように、この問題は現行法の解釈によっても解決することが可能かと書いてございます。解釈自体は幅があるものでございまして、実際の現場では解釈でやってしまっているという例がないわけではございませんが、解釈に委ねるということは、執行の現場では常に需要者からの訴訟というものも意識しますので、なかなか勇敢でないときっちり執行ができないということでございますので、条文に書けるのであればきっちり書いたほうがいいということでございます。それがその次のポツに書いてございます。

営業所などで次回の来訪を行うというケースについては、契約の締結について勧誘をするものであることを告げない対面による要請ということで、新たに政令指定すべきではないかと考えております。

その次のポツでございます。7ページに記載されました各媒体について政令で指定する必要はあるか。どのような媒体について政令で指定するべきかということでございます。

最後のポツは、店舗などにおける販売行為等への悪影響はあるかということも御議論いただければと思っております。下の☆で書きましたけれども、現行法でもこのアポイントメントセールス、キャッチセールスについては、手段のところは限定的には書いてございますが、勧誘目的のところの条文は緩やかに書かれてございます。こういったところで私どもは悪質事業者の処分に向けて、こういうところの文言で読めるようにということでお願いしたいわけでございますが、健全な事業者との関係で問題が起きるかどうかというところで、逐条解説などで記載を充実させるということもあるのではないかと思っております。

私からの説明は以上でございます。

(2)事業者等からのヒアリング

○後藤座長 ありがとうございました。

続いて、一般社団法人日本広告業協会、永江禎法務委員長から御説明をいただきたいと思います。時間でありますけれども、目安としてのお時間というのはあらかじめお願いしてありますが、それは目安でありまして、途中で御意見を遮ることは先ほどもそうですが、いたしません。そういうことで3分程度ということでお願いできたらと思います。よろしくお願いいたします。

○日本広告業協会長谷川個人情報ワーキンググループメンバー 長谷川から、日本広告業協会からの意見を述べさせていただきます。

本会のテーマは、特定商取引法の訪問販売規制の改正の検討と伺っておりまして、内容につきましては我々甚だ不勉強のため、つい先日概要を知るところになったばかりでございますので、深く御議論されている皆様にとってピント外れの意見にならなければよいのですけれども、本日は広告業務の実際という観点からお話をさせていただきたいと思います。

まず前提としまして、日本広告業協会としましても悪質な訪問販売業者に規制をかけることについては大賛成でございます。ただ、現在検討されております改正においては、悪質な訪問販売業者だけではなく、幅広く規制がかかってしまうのではないか。その点を懸念している次第でございます。

今、御説明がありましたように、訪問販売規制の改正の概要というのは、訪問販売のうちのアポイントメントセールスにおいて施行令1条に規定する営業所への来訪手段に新聞、雑誌、電子広告、SNSを追加するというものだと伺いました。

とすると、特に施行令1条1号の目的隠匿型呼び出し販売のケースにおいてですけれども、売買契約または役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに新聞、雑誌、電子広告、SNSによって営業所等に来訪を要請する方法によって誘引しまして、その誘引した人から売買契約の申し込みを受けたりですとか、売買契約を締結するような場合には、その取引は訪問販売に該当することになるということかと思っております。

ここで具体的なお話なのですけれども、例えば流通様、具体的にはショッピングモールですとか大型スーパーマーケットですとか、自動車のディーラーですとか、そういったところが自社の営業所、つまりショッピングモール自体ですとか大型スーパーマーケット自体、自動車の販売店等、それらの場所におけるイベントの告知等を展開して来訪を促進する場合、このケースが問題となり得るのかなと思っています。というのは、売買契約または役務提供契約の締結について勧誘をするものであることを告げていなければ、これらの広告によって来訪した人がその営業所、例えばショッピングモールですとか大型スーパーマーケットですとか、そういったところで取引に入った場合には、当該取引に訪問販売規制がかかることに形式上はなってしまうのではないかと考えております。

なお、広告業務の実際においてですけれども、例えばショッピングモールの催事告知ですとか、自動車ディーラーの試乗イベント告知ですとか、そういった広告において、その店舗で売買契約を勧誘しますというような記載をしないことはさほど珍しいことではございません。ですので、これらの取引も先ほど申し上げたような訪問販売の要件を形式的に満たしてしまうことは容易に起こり得ることであると考えております。

つまり繰り返しになりますけれども、訪問販売として特定商取引法による規制を受けるには、違和感があるような取引についてまで形式上、訪問販売規制の適用の可能性が広がってしまうという懸念がございます。

以上が訪問販売規制の改正にかかわる日本広告業協会としての懸念でございますけれども、あと、このお時間に申し上げるべきことではないのかもしれませんが、特定商取引法及び消費者契約法において取消権にかかわる改正も御検討されていると伺っております。これもつい先日その概要を伺ったばかりなのですけれども、特定商取引法12条の誇大広告等の禁止に違反する場合に取消権を行使できるという内容。広告等についても消費者契約法41項の勧誘を適用するという内容だと理解しております。

これらの改正につきましても、日本広告業協会としましては、悪質な事業者に対して規制をかけることについては大賛成ではある一方、懸念点もあるという次第でございます。

その1つが景品表示法との関係でございます。広告業界におきましては、消費者の方々に不利益を及ぼさないように日々業務を行っておりまして、そこでは景品表示法の不当表示の規制におけるさまざまな事例に関する公正取引委員会及び消費者庁の運用の積み重ねを参考として指針としてやっております。ここで特定商取引法12条の要件ですとか消費者契約法4条1項1号及び2号の要件について、景品表示法の優良誤認表示や有利誤認表示の運用と同じようなものになるのか、異なったものになるのか、その点が気がかりでございます。

さらに申し上げますと、景品表示法が今般改正になりまして、事業者の自主返金を促す被害回復の規定が適用になった際には、今、議論されているような取消権に近い効果を発揮するようにも思っています。

少し脱線してしまいましたが、日本広告業協会からは以上でございます。

○後藤座長 ありがとうございました。

続きまして、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会の勝野正博専務理事から御説明をいただきたいと思います。時間は先ほど申しましたような趣旨で3分程度でお願いいたします。よろしくお願いします。

○日本インタラクティブ広告協会勝野専務理事 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の勝野と申します。

最初に、JIAAを簡単に御紹介させていただきます。

この6月で加入社が190社になりました。その内訳はYahoo、楽天、Googleを初め、Facebook、Twitter、LINEといったデジタルメディアの事業者の皆さん。それから、主要な新聞社、出版社、テレビキー局などマスメディア、さらに電通、博報堂など広告会社で構成されており、インターネット広告市場を健全に育成しようという趣旨のもと活動をしております。

皆さんの論議につきまして、この広告業界に身を置く立場といたしまして幾つか懸念を覚えております。

例えばその1つでございますけれども、本日のこの論点、12ページにあるところですが、7ページに記載された各媒体につき政令指定をする必要があるか。どのような媒体について政令指定するべきか。ここに非常に懸念を覚えておりまして、7ページに記載されております電子広告は、私どもが主に対象としておりますインターネット広告を含むと理解しておりますが、それも含めまして各媒体広告が特定商取引法上の政令指定を受け、規制がかかるというように理解しております。

故意に消費者の誤認を誘い、契約を誘うような悪質な業者を排除するための規制強化には賛成いたします。ただし、その規制が健全な事業者にも一律に義務とされ、負担が生じることになれば、正当な広告活動への影響が非常に懸念されます。

インターネット広告では、テレビや新聞、雑誌などとの組み合わせや、先ほどスクロールさんの例もありましたが、街頭キャンペーンとの連動など非常に複合的なサービスが出てまいります。その中でインターネット広告の市場を健全に構築するために、社会的責任を認識し、法令を守ることは当然でございますけれども、業界全体で消費者の信頼に応えるべく課題を見つけ、話し合い、さまざまなガイドラインを制定するなどして自主規制、基準をつくるという活動をしております。

加盟各社は、そのようなガイドラインに基づき広告の自主規制や考査をやっております。余り詳しくは申し上げませんが、昨年末のインターネット消費者取引連絡会で、最近のインターネット広告の動向と健全化の取り組みとしてガイドラインなども御紹介させていただいています。先ほど楽天さんからあったインフォメーションアイコンプログラムというのは、私どもで話し合い、昨年の暮れから発動しておりまして、これも加盟社さんがそれぞれどういう形でターゲティング広告をしていらっしゃるのか。そこにオプトイン、オプトアウトという仕組みも、そもそもターゲティング広告が届くというのがわかりづらいというお話もありましたので、その広告にアイコンをつけまして、自分で見に行って、この広告は余り来るとうっとうしいなということであれば、外せるようなプログラムをやろうといった形で利用者の安全を守ることもしております。

また、警察庁及びインターネットホットラインセンターとの連携により、違法有害サイトへの広告配信の停止ですとか、サイトパトロールという活動も加盟社に情報共有をしております。

本日、初めて出席の機会をいただきまして、消費者契約法と特定商取引法、この両法の専門調査会において、私ども広告産業の根幹にかかわる非常に重要な見直しの議論がされていると認識いたしました。その結果によって健全な事業者の広告活動が妨げられるようなことになりますと、メディアやコンテンツサービスの経済的基盤でもある広告産業の委縮につながり、結果、消費者にも不利益をこうむることにもなるかと思います。

悪質な事業者を市場から排除するためにはどのような方策があるべきか。今後、広告業界にもヒアリングを行うなど、より丁寧な議論を進めていただけるように切に希望したいと思います。

本日はありがとうございました。私からは以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

続いて、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会の藤川達夫専務理事から御説明をいただきたいと思います。時間は先ほど申し上げたような趣旨で3分程度でよろしくお願いいたします。

○日本アドバタイザーズ協会藤川専務理事 ありがとうございます。

舌をかみそうな名前の協会でございますが、2012年までは日本広告主協会と申しておりました。 まず、今、申し上げました日本アドバタイザーズ協会でございますが、実は私どもはさまざまな業種、業界から広告を出すという仕事を担当している部門の皆さんが集まっている組織でございます。結成されましたのは1957年でございます。間もなく60年を迎えようとしております。

結成されましたときの趣旨は、当時まだ景表法はなかった時代ではないかと思いますけれども、広告に携わる部門の人々が集まって業種、業界を超えて広告の信頼向上及びその価値の向上に取り組もうとの団体でございます。当然ながら広告の健全化のための普及啓発活動をしております。私どもの主な仕事は、会員社並びに会員以外の広告主の方を含めて、いろいろなセミナーなどを通じまして、広告かくあるべしということの普及啓発に取り組んでいる団体でございます。こういう場でお話をさせていただくのも1つの仕事として重要視しております。

活動の原点は、今、申し上げましたとおり社会の皆様と産業界、これがいかにいい関係をつくっていくかということでございます。

本日に関連しまして2つのことを感じております。いささか釈迦に説法めいたところがございますけれども、まず健全な広告活動の展開に関する法律面でございます。私どもは、景表法というものをまず非常に大きな法律として捉えております。当然ながら業種、業界によって先ほどお話に出ましたが、薬事であったり、保険であったり、個別の法律もございます。また、産業界としましては監督官庁の皆様の御指導を得ながら、また、消費者団体の皆様との情報交換をしながら、業界独自の自主規制というものをつくっております。そういった枠組みの中でいかに広告の信頼感を上げていくかということに取り組んできている。いわば消費者と私ども産業界の信頼の絆として、今、申し上げましたような景表法を初め、自主規制なども含め、そういった枠組みを作って信頼関係を構築してきていると考えております。

もう一つは、広告という活動についてでございます。本日、課題となっておりますけれども、インターネットの登場が私どもの広告活動に大きな影響を与えております。業種、業界ごとに広告の手法が異なったりいたします。一律に広告だからといって同じような手法を各事業者様、産業界がとっているというわけではない、非常にさまざまなバリエーションがございます。広告というもののあり方もしくはメッセージの出し方というものが、コミュニケーション産業の発展に従って、今後ますます進化していくだろう。広告は常に変化している、そういった意味での対応が必要だと考えています。

本日、私ども資料を準備してまいりませんでした。申しわけございませんが、実はこのお話に気がつきましたのがつい最近でございまして、私どもの協会は会員社様の意見を参考にして物を言っていくという協会でございますので、まだ私どもの協会としてこの論議が尽くされていないということでございます。

ちなみに、本日に先立ちまして五、六社の会員社様に御意見を伺おうといたしましたけれども、どなたも御存じありません。本日、私から申し上げますのは、まず、先ほど来、御議論いただいておりますのは、不正を働く悪質な事業者からいかに消費者を守るかという点にあると思っておりまして、この点は当然ながら大賛成でございます。しかし、この辺の対応が優良な事業者の健全な事業活動に与える影響、にも十分御配慮いただきたいと思っております。勧誘とか広告の手段等に的を絞るのではなくて、業種業界ごとにある取引の実態、広告の実情に合わせて、何ができるのかということも、ひとつお考えいただきながら議論を進めていっていただきたい。

今日はお願いという形でございますが、以上、私どもからの御報告でございます。

○後藤座長 ありがとうございました。

続きまして、楽天株式会社、関聡司執行役員から御説明をいただきたいと思います。時間は先ほど申し上げたような趣旨で5分程度でよろしくお願いいたします。

○楽天関執行役員 ありがとうございます。

資料4-3-2に基づきまして、簡単に御説明したいと思います。

まず今回、議論が行われている趣旨は、本来、アポイントメントセールスに対する規制というのは、本来の目的を告げずに営業所等に呼び込んで不意打ち的な勧誘で販売行為を行う。それについての規制を議論していると考えておりますが、それ以上に幅広く今回の議論の結果が及ぶのではないかということを懸念しております。

2スライド目には、上のほうにSNSに限らず広告でのイベント告知が広く一般に行われておりまして、こういったものが全て対象になるというのは非常にまずいのではないかと思っております。ここに書いてありますのは一例でございます。

また、2スライド目の下のほうには、そうやって告知したイベントの場所において物販であるとか宣伝広告等が行われることもごくごく普通に行われておりまして、ここに書いてある例は一例でございますけれども、ごく当たり前に行われている。これらが対象になるのは非常にまずいという認識でございます。

3スライド目に、そういう状況ですので幅広く対象に含み得る規定の方向については反対だということをまず明確に申し上げた上で、これに加えまして3ポツ目にありますように、消契法の専門調査会においては勧誘の定義を拡大するという議論が行われていると認識しておりまして、これとの兼ね合いでさらに影響が大きくなるのではないかと強い懸念を持っております。例えば契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずにというものが幅広く適用されている結果、例えばイベント会場で展示されているとか、あるいは店舗の広告を行うといったものまで幅広く対象になってしまうのではないかということを懸念しておりまして、こういったものは避けるべきであると思います。

従来のアポイントメントセールスとかキャッチセールスに該当するような販売行為はどういったものであるかというのをきちんと議論していただく必要があると思っていまして、また、それらについてはどのような要素で構成されているのかといったことの分析を行って、問題の所在と解決方法について十分な吟味をした上で議論を進めていただきたいと思います。

消費者庁様の資料の10ページ目につきまして、補足的に申し上げます。

1ポツ目、着付け教室ですけれども、実際にサービスを受けたときの状況というのはよくわかりませんが、例えば物品の購入を勧められて購入したけれども、家に帰ってから気が変わったということですので、これをアポイントメントセールスとして規制すべきかどうかという点については、状況をきちんと把握、分析した上で判断すべきではないかと思っておりますので、いずれにせよ不当勧誘行為があったかどうかというポイントで消費者契約法の対象とすべきかどうかというのを検討すべきだろうと思います。

3ポツ目と4ポツ目につきましても、販売行為が行われるときとは別の機会に知り合った人から店舗への来訪や商品の購入を勧められたということで、事例の一部を書きかえて我々の資料に記載しておりますが、知り合うきっかけが何であろうと問題になる事例だと考えております。

以上です。

(3)意見交換

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、ここから先はこれまでの御説明内容をもとに、アポイントメントセールス等に関する問題について、特定商取引法の規制のあり方をどのように考えるか議論を行いたいと思います。御意見、御質問のある方は御発言をお願いいたします。

○河野委員 意見でよろしいでしょうか。

御報告ありがとうございました。アポイントメントセールスに関する今回消費者庁から出された論点に関しまして、消費者側からの意見を申し上げたいと思っています。

そもそも現在、社会環境が大きく変わっている。現行のアポイントメントセールスの誘引方法で言うと、ビラ、パンフレット、拡声器等、それ以外のものもありますけれども、本当に私たちが来訪要請方法ということで考えると、大きくまず環境が違っているというのを前提に考えていただきたいと思います。それから、訪問販売の規制を考える際には、重要なのは不意打ち性があるかどうかというところに着目していただきたいと思っております。

私が知っている事例なのですけれども、美容外科の消費者トラブルというものがございます。その事例では、ホームページで定額で施術できる割引クーポンというものを掲載して勧誘しているのですけれども、消費者がそのクーポンを持参して美容外科に行くと、とても高額な施術を医院の一室で、つまり密室の中で勧誘し、契約させるというケースがございます。低額な割引クーポンはおとり広告で、実際の事業者の狙いというのは高額な施術をさせることにある点に悪質性がある事例です。

現行の特商法ですと、まずホームページがアポイントメントセールスの販売目的隠匿型、それから、有利条件告知型の2類型ですね。その2つの規制対象媒体となっていません。ぜひホームページというものを今のような事例がございますから、対象媒体に加えていただきたいというのが1点目です。

2点目は定額な施術の割引クーポンを持って施術に行ったのに、対面で別の部位の施術を勧誘されて施術を行った場合は、現行の特商法ではアポイントメントセールスには該当しません。ただ、当初考えてもいなかった高額な施術を勧めてくるという、しかも密室においてそういった勧誘をするという事業者の行為には、十分不意打ち性が認められると思います。ですから、おとり広告的な手法を用いて消費者を呼び出し、別の商品やサービスを契約させる契約類型というのもぜひアポイントメントセールスに該当すると考えていただければと思います。

○後藤座長 ありがとうございました。

ほかにございますでしょうか。池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 池本です。

これまた資料5-1の4ページ目にアポイントメントセールスに関する論点ということでメモを準備いたしました。

先ほど来、事業者さんからお話があったのは、媒体を拡大することによって健全な事業活動が不当に規制されては困るというお話でした。これは区別して議論する必要があると思います。販売目的を隠して呼び出して、不意打ち的に勧誘をするというときに、その媒体が今、記載してあるものだと規制されるけれども、それ以外だと全くフリーハンドになるということはあっていいはずはありません。そのことと今、規制対象になっている電子メールでもそうでしょうし、あるいはホームページでもそうでしょう。これから媒体を広げるというときも両方含めて、これは社会の中では容認される広告手段で来訪を要請するものなのか、販売目的を隠して呼び出した不意打ち型と評価するのかという、これは別の切り口の論点だと思います。

私のペーパーにあるのは、例えば対面で口頭で来訪要請をするというのが現行規定では住居を訪問して要請した場合と、拡声器による住居外からの呼びかけというように非常に狭くなっているために、ファミレスまで呼び出して、そこで来訪要請したらだめとか、あるいは電子メールはいいけれども、SNSとかホームページに、要するに電磁的記録を送信していないのだから当たらないという形式的に狭くなり過ぎてしまっているところを、媒体はもう少し横に広げてくださいということを申し上げているわけで、何も不意打ち性のないことを規制せよというわけではありません。

では、不意打ち性のありなしはどのようにするかというところは、もちろんさまざまな呼び出しの仕方、広告の仕方があるので注意を払う必要があると思います。ただ、そこは基本的には販売目的を告げないということで線引きがしてあることと、現在の特商法でも幾つかの規制について適法なものと違法なものについては、結構ガイドラインをいろいろな分野のものについて設けてあります。そうやってガイドラインを設けることによって適法なものと違法なものの線引きをあらかじめわかりやすくしておく工夫は当然必要であろうと思いますが、そのことと媒体をおよそ横に広げてはいけないという議論は区別すべきだと考えます。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。高芝委員、よろしくお願いします。

○高芝委員 論点の1つとして、事業者が電話等によって消費者を営業所等に呼び出したり、キャッチセールスで営業所等に同行させた後に、販売目的を隠してその場で再度の来店を約束させて、2度目の来店のときに勧誘を行うことが挙がっていようかと思いますが、私としては、このような場合は、一連のアポイントメントセールスや一連のキャッチセールスと評価して解釈できるケースがあるのではないかと考えています。ポイントは、一連と評価できるかというところに係ると思います。

これに対して、店舗等で、特段、販売目的を告げずに、再度の来店を依頼する行為は、通常の店舗等でも、一般的に行われ得るのではないかと思うところがあります。その意味では、店舗等での対面の再度の来店の要請を「勧誘目的に告げない対面による要請」として新たに政令指定すべきか否かを検討するときには、「現行のアポイントメントセールス、キャッチセールスの要件」プラス「販売目的を告げない、営業所等での対面による次回の来訪要請」という合わせ技といいますか、2段階構成などの検討が必要になるのではないかと考えています。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

ほかに御意見等ございますでしょうか。よろしくお願いします。

○杤原委員 今日御参考人の方がたくさんお越しになっていますけれども、皆さん一様に広告が悪いのではなくて、消費者をだます悪質事業者が悪く、そこを取り締まれば大半の問題は解決できるのではないかと主張されていると理解をしております。

表示に対する規制として、景品表示法があります。おおよそ健全な事業者の皆様は景品表示法を遵守されております。景品表示法のほうは、ガイドラインをしっかりと消費者庁でつくられておりますし、事業者も自主規制を持たれております。特に、表示の問題については、事業者は、消費者の皆様と商品をつなぐ大事なツールであり、また、消費者の人たちも広告、表示があって豊かな消費者生活ができますので、大事なツールだと思っております。1つ前の論点のところにも関係いたしますけれども、虚偽とか誇大広告というものの定義が曖昧のままですと、それが独り歩きをして消費者団体の人も窓口の相談でお困りになりますし、事業者のほうも対応に困るということになります。事の根幹は不意打ちをする悪徳事業者の取り締まりをいかにするかということだと思います。広告の規制は問題のすり替えであり、決して広告を一律に規制すべきものではないと申し上げておきたいと思います。

それから、今日消費者庁から御説明いただいた資料の中から、一点消費者団体の皆様へ質問させていただきたいのですが、アポイントメントセールスの相談というのが驚くほど多い件数なのか、高齢者の方が被害にたくさん遭われているのかどうか、教えて頂きたい。質問の趣旨は、立法してまで対応しなくてはいけないものなのか、消費者庁などのガイドラインのレベルで対応できればある程度被害を防ぐことができるのか。もしくは、高島先生がおっしゃられたように、一連の勧誘行為としてとらまえて現行の特商法をうまく運用すれば被害が防げるのか、そういった相場観がわかりませんので、ぜひお答えいただける方がいたらお願いしたいと思います。

○後藤座長 この点はいかがでしょうか。

増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 現場の感覚でお話するところでございますけれども、アポイントメントセールスが驚くほどあるかというと、驚くほどの数という印象はありません。ただ、アポイントメントセールスというものに該当するものは、非常に悪質性が高いものが多いだろうと感じております。

最近は1回帰らせて、次呼び出して契約させるというよりは、2回、3回帰らせて、それでまた呼び出すというように多段階に及ぶようなケースも見られますし、別の事業者のエステの契約をしなさいとか指示をするケースもあります。関連性の深い事業者であるものの、別の事業者の契約をさせるため、非常に複雑な契約形態になっていることから、現場ではこれをアポイントと断言できるのかどうかというところから悩むことがあります。

消費者自身も、これは特商法の適用はありませんよと事業者に言われるケースもあります。例えばこれはマルチではありませんよ、ネットワークビジネスだから特商法の適用がないと説明するということは以前から行われておりますが、それと同じようなケースということも当然考えられます。そういうようなことからクーリングオフをする機会を失うことも考えられます。

また、SNSに関して言えば、SNSをきっかけとしたトラブルというのが非常に多いというのは事実です。ですから、SNSも呼び出しの1つの手段であるということを明確化することは、大変効果的なことであると現場としては思っております。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

山田課長、よろしくお願いします。

○消費者庁山田取引対策課長 ボリューム感の話がございますので、御説明いたします。

第4回の資料の中でアポイントメントセールス、キャッチセールスの苦情の推移というものは示させていただいております。そちら側の消費者庁の勧誘に関する問題についての検討というものの4ページでて、政令で定めるアポイントメントセールスそのものの数は目盛りがよくわかりませんけれども、1,000件以上の数で推移して、減少傾向にございます。キャッチセールスも減少傾向です。ただ、これはアポイントメントセールス、キャッチセールス、政令で定めるものは減っているのだけれども、アポイントメントセールス逃れ、キャッチセールス逃れということが起きているので、今の条文に当たるもの自体は減っているということです。

では、どのぐらいふえているのかということは、これはタグもついてございませんので網羅的に一件一件調べたものは限定的になりますけれども、今回の資料の7ページにございまして、ここの中で現在のアポイントメントセールスによらない新聞広告、雑誌広告、電子広告、SNS、こういうものは先ほどのカウントの中に入っていないのですが、この5年間で合計で1,217件ございます。一旦、帰らせるというパターン単独で網羅的に調べたものはございませんが、この1,217件のうち157件は一旦帰らせるというパターンですので、ベン図の構図にはなっているということだと思いますけれども、数としてはかなり起きているのではないかということです。

今日の参考人の方々のお話を聞いて私の感想を一言だけ、僭越ながら申し上げさせていただければ、これは決して広告そのものを規制するとか、広告の内容を云々するものではございませんで、こういう広告をした結果として消費者が勧誘目的と知らずに出ていった、そこの先のところで今は媒体によって違いがあるということで、この概念に入るとまず法律の2条の訪問販売の定義に当たるということです。

実際にそれを執行することになると、3条以降の条文の違反がないと処分はできないわけでございまして、今までの私どものアポイントメントセールス、キャッチセールスの執行事例をごらんいただければ、ショッピングモールでイベント告知があったようなものが処分されていることは一切ございませんで、まず2条の定義に当たらないと3条以下の規制が及ぼせませんので、2条のところは少し広げさせていただきたいということです。

○後藤座長 野坂委員、どうぞ。

○野坂委員 このような大事なヒアリングに業界側から資料も出てこないというのは大変驚きで、これは多分、池本委員がおっしゃっている不意打ち的な、要するに行政側が急にヒアリングをやるんだとか、こんな議論を実際にやっているということを突然言ってきているがゆえに、業界側が準備できなかったのではないかと思います。本来、広告が今、どういう実態になっているか、電子広告がどれぐらいとか、そういう全体像がわからないと先ほどの相談件数が全体像の中でどれぐらいを占めているのかという、そのまさにボリューム感というのはわからないと思うのです。したがって、この問題も大変重要な問題で、何度も同じことを繰り返すのは本当に恐縮ですけれども、これだけ重要な問題を突然業界に議論しているから説明せよというのは大変不親切だと思います。

そういう意味で幾つか質問があります。事務局である消費者庁がつくった資料の7ページや、対面での来訪要請についてというタイトルで5ページに書いてある部分です。また、対面での来訪要請についてもアポイントメントセールスとして位置づけるべきではないかと書いてありますが、実際、対面での来訪要請というのはどれぐらい相談件数があるか、このデータには出ていませんね。これを示してもらわないと議論はできないのではないかと思います。

また、媒体ごとについては先ほどからボリューム感が出ていますけれども、7ページ、5年間で例えばSNSが466、電子広告が403、雑誌広告278、新聞広告63、テレビ7、ラジオ0ということで、これは5年間の数字としてはとても多いとは言えない。これをもって何か立法措置、規制を強化するということにはなかなか説得力がないのではないかと思うのです。むしろ杤原委員がおっしゃっていたようなガイドラインのものとか景表法を活用するとか、そちらのほうが今、現実に動いているものであって、そちらから考えていくのが筋ではないか。要するにこれらの新たな媒体を加えることについては慎重であるべきだと思います。

そもそも広告というのは皆さん広告業界の方に言うのは僭越ではございますけれども、商品やサービスの魅力をアピールされて、消費者が買う買わないは別にしていろいろな形で広告する。あるいはイメージ広告というものがあるだろうし、いろいろなクリエイティビティーを発揮されて、いわば文化、カルチャーの一端でもあると思っております。表現の自由にも当たるかと思います。そういう自由な活用について行政が余り厳しく規制するというのは本来、今の世の中の流れから言っても逆行していると思います。

ともかく、広告について実態的な問題を踏まえたうえで、悪質業者をたたく、高齢者の被害をなくすことが我々の最大の目的、最優先課題でありますから、それに向けて何が手段としていいのかしっかり考えないといけない。やみくもに規制強化とか、健全な業者を厳しくする。健全な業者のコストがかかることをする。それでは狙いを外してしまうのではないかと思います。

ともかく、丁寧な議論が必要であるということを繰り返しておきたいと思います。

○後藤座長 ありがとうございました。

伊藤室長、よろしくお願いします。

○経済産業省伊藤消費経済企画室長 先ほどの御懸念について、皆さんの間に誤解があってはいけないので、私のほうから補足だけさせていただきたいと思います。第4回目、第6回目もそうだったのですが、不招請勧誘禁止の議論も含めて事業者の間にはこういった問題が徐々に広がって、また、懸念も深まっていくというのが一般的です。この問題もそうでして、今日の3つの課題のいずれも大きな影響を与え、それぞれに深い重要な課題ばかりだと思います。

そんな中で、我々も消費者庁さんと協力しながらいろいろな方に声をかけてしっかりと研究なり姿勢を示してもらうということで、推薦などを行っているわけです。そういった中で今日の広告業界の関係の方々いずれも直前に4名の方が登録されました。これは私どもから消費者庁の事務局にもお願いして、後から追加して入ったということで、その結果、非常に窮屈な時間になってしまい、この点は決して座長のマネジメントが悪いというわけではありません。問題意識が次々と業界に広まっていくわけですから、我々のほうから追加してお願いしているという実態があります。その点の誤解を解くというのが1点。

もう一点、ただ、他方でそうは言っても野坂委員がおっしゃるように、とても重要な課題が今日もすごくお皿の上にいっぱい乗っているという印象があって、全ての委員が発言する機会もありませんし、そこは慎重かつ丁寧にしっかりと時間をかけて議論をしていただきたいと、共管省庁の立場から申し上げておきたいと思います。

以上です。

○後藤座長 山田課長、よろしくお願いします。

○消費者庁山田取引対策課長 御質問のありました対面要請の件数でありますけれども、これは消費者を一旦帰宅させて次に来訪した際に勧誘するケースということでございまして、数に関しては7ページのところでして、これは一旦帰宅させるパターンのみをとったものではございませんけれども、現在、政令指定外のものについてこの5年間で157件という数字になっています。政令指定外ではない、現在制定される媒体を入れると、もちろんこれ以上の数字になるということです。

それから、先ほどガイドラインでやったらどうかというお話がございましたけれども、これは法律の射程に入ってこなければガイドラインというものが出てくる余地はないわけでして、違法か違法でないかというところのメルクマールを定めるものがガイドラインでございますので、2条の1項2号の定義に入らないということであれば、これはガイドラインが出てくる余地がなく野放しだということになるわけです。

○後藤座長 山本委員、よろしくお願いします。

○山本明委員 先ほど来、悪質な事業者をどうピンポイントで取り締まるかということの御意見が結構あるのですけれども、対面での要請のやり方は6ページに書いてありますように、これが典型的な例でございまして、大体が特商法を逃れるためというか、そういう形でやっていますので、普通であれば消費者を来訪させて売りたいものを売るということになると思うのですけれども、それを一旦リリースする。わざわざそういう手間をかけているという形になっております。そこに悪質性があると思っておりますので、対面で来訪を要請する、1回リリースして不意打ち的に契約をとりつけるというスタイルは皆さんがおっしゃっている、特に悪質なスタイルではないかと我々は思っていますし、当初の不意打ち性がたとえリリースされても継続しているものなので、特商法の対象だということで明確にすべきだと思っております。

SNSの件ですけれども、いろいろなケースを見ていても、ほとんど電子メールと同じような機能で使われて、特にSNSのメッセージ機能の活用などは電子メールとほぼ同じような形で使われておりまして、まず友達になろうとか、食事をしようというところでSNS上のメッセージを使って呼び出して、そこから次へ連れて行って勧誘をするというスタイルで使われています。電子メールで同じこともできるのでしょうけれども、今は特に若者はSNSを日常的に使っておりますので、それが悪質事業者の手法としては一番効率的だということでそれが使われているのではないかと思います。そういった意味で電磁的方法という意味ではSNSの機能も当然入ってきてしかるべきというか、同じではないかと思っています。SNSで呼び出した場合も、アポイントメントセールスということで明確化して対応をしっかりしていく必要があるのではないかと思っております。

○後藤座長 ありがとうございました。

花井委員、よろしくお願いします。

○花井委員 今の山本委員のことに重なることがあると思いますが、消費生活センターで相談を受けていると同じような事がありますので、紹介させていただきます。無料体験でエステに行って、その場は帰されてしまうのですが、その後、店員さんとお友達感覚でアドレスやSNSを交換してお友達のような状態になってしまう。そのため、本当はこれ以上通うつもりはないのですが、何度も何度もメールが来て、仕方がなくといいますか、次の予約を取らざるを得ない状態になって行ってしまい、高額の契約に至ってしまうことがあります。このような場合も、アポイントの類型に入れていただきたいことと、歯科の自由診療のケースで、フリーペーパーなどで安い値段が書いてあるので、そのサービスを受けるつもりで行くと、そのやり方ではとんでもないことになると言われ、閉塞された空間で、消費者には情報量も交渉力もない中で、思いもよらない高額な契約をしてしまうという事例があります。それもアポイントの類型に入れていただきたいなということを強く思います。

以上です。

○後藤座長 片岡参考人、よろしくお願いします。

○楽天片岡消費者政策グループマネージャー 懸念を申し上げた参考人の立場として、発表した後に皆様からいろいろ御意見をいただきましたが、それについて感想を述べさせていただきたいと思います。

まず初めに、もちろん我々は普段アポイントメントセールスなどはしておりませんので、この条文を今回初めて見たのですけれども、最初にびっくりしたのが結構範囲が広いなというところでございました。消費者庁の資料の12ページにあるとおり、要件の解釈、運用を厳格にやっているということなのですけれども、それがこの条文にあらわれているかというと、そうではないなというところがまずありました。今回、媒体を広げるという議論が出ているというところで懸念が出てきたわけです。

先ほどの発表にもありましたけれども、本当に媒体の問題なのかというところはぜひ議論していただきたいと思います。もう少し要素を分解して、どういったところに不意打ち性が認められるのかというのを条文上表すようなことをしていただくと、通常の広告は対象でないということにもう少し説得力が出てくるのかなと思っております。

お示しいただいた相談事例でも、どちらかというと消費者契約法の不当勧誘に当たるかどうかというところが問題になるものであって、事例を少し書きかえると、例えば金額とかそういうものを書きかえると全く問題ないなというものも含まれておりますので、もう少しその不意打ち性の要素をどのように法令上、表現していくかというところを慎重に検討していただきたいと思います。

以上です。

○楽天関執行役員 追加でよろしいですか。

2点だけ。先ほどSNSについても電子メールと同様だというお話があったのですけれども、一般的には御案内のようにSNSの場合は一度友人としてつながるという障壁がありますので、通常の電子メールと同じ扱いということには、法令の世界ではなっていないのではいなかというのが1点。

もう一つ、これは質問に近いのですけれども、仮にSNSのようなものも対象とする場合には、およそイベント告知について、それに伴って何らかの販売が伴う場合には、この対象になって、案内に必ずそれを書くとか、一連の制約がかかるというイメージで議論されているという理解なのでしょうかという質問です。

○後藤座長 池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 最後の御質問に私が答える立場ではないのかもしれませんが、媒体を広げることと不意打ち性の要件の線引きを区別すべきだということを申し上げた関係で発言したいと思います。

今の例えばイベント告知というのは、何もSNSだけではなくて、例えば以前のお客さんにダイレクトメールを送るということもたくさんあると思います。むしろそのほうが多いのだろうと思います。しかし、そういうイベント告知をしたのをアポイントメントセールスで処分したという例は聞いたことがありません。

つまり、媒体の問題と不意打ち勧誘、販売目的を隠して呼び出していきなり勧誘をするという質の問題とを区別すれば、媒体の違いでここからこちらは何をやってもフリーだということであってはならないということであって、おっしゃったようなイベント告知がみんな規制されるということを考えているわけでは決してありません。

○後藤座長 よろしいでしょうか。

○楽天関執行役員 一般的なSNSに限らずですけれども、イベント告知と不意打ち性のある販売との違いが明確になるような形にできるのか非常に悩ましいなと思いまして、それで問題提起させていただきました。

○後藤座長 ほかにはございますでしょうか。

この論点につきましても、今いろいろな考え方が出ておりまして、ここで1つの方向にまとめるということは現状ではできないと思います。アポイントメントセールスにつきまして特商法の政令改正が必要だという考え方、あるいは解釈で一定程度はできるのではないかという考え方、その他新たな見直しに対して懐疑的な考え方、いろいろ出ておりますので、これもまた整理させていただいて、またこの専門調査会の中で引き続き御議論いただくということでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、皆さんにここで御相談ですけれども、今、大体予定された終了時刻になっているということでありまして、こちらで今日審議すべき論点としては資料3にある論点というのが1つまだ残っているということでありますが、本日は今まで行いました1番目と2番目の論点について扱ったということでありまして、3番目の残った論点につきましては次回以降に回すということで皆さんがもし御承認いただけるならば、そういう扱いにしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、恐縮ですけれども、そのような扱いにさせていただきたいと思います。参考人の皆様はヒアリングに応じていただきまして、ありがとうございました。お忙しいところ御出席いただきましてありがとうございました。

(参考人退席)

○後藤座長 御発言ですか。

○野坂委員 1点だけ発言させてください。

最近、PIO-NETの非公表のデータが雑誌などに出ているケースが散見されるわけです。ひょっとすると最近はやりの国センのPIO-NETにサイバーテロでもあったのかなと。あるいは職員が非公表のデータを漏えいしているようなケースがあるのかなと。とすれば大変ゆゆしき事態でありますから、もしそれが事実であれば早く記者会見をして発表されたほうがいいのではないかと思っておるのです。

情報漏えいには大変皆さんナーバスになっておりますので、非公表のデータの管理はどうされているのか。国センあるいはこれは服部審議官に聞いたほうがいいのかもしれないけれども、消費者庁、国センとして余りにも情報管理が緩いと、今後いろいろな形で事業者や消費者に登録制を求めようという考えを持っていらっしゃるようだし、役所側の情報管理が甘いようであると信頼されないと思うのです。その辺どのようにお考えなのか、国センと服部審議官に伺いたいと思います。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○国民生活センター丹野理事 私が先にお話をして、後で審議官がフォローということで。

今のお話ですが、PIO-NETに関しましてセキュリティーの管理は厳格に行っております。PIO-NETに関して申し上げれば、全国の消センとつないでいるのは専用回線で行っておりまして、そういう意味では今のところそれが今おっしゃったような状況にあると私どもは承知をしておりません。それから、職員が云々というお話も私どもは承知をしておりません。それ以外の国セン全体につきましても当然、今、年金機構のお話がありまして、情報の保守管理については鋭意最善を尽くしておると申し上げたいと思います。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○消費者庁服部審議官 御指摘をいただきまして、ありがとうございます。

情報管理というのは非常に重要な、また、今、年金の問題がございますので、我々自身、非常にここはしっかりと管理、そういうものを点検していくというのが必要であるという認識でおりまして、実際、我々も国民生活センターの方々とどうなっているのかということで打ち合わせをしたと聞いております。

今、具体的に情報のお話で出ている、散見されるというお話をいただきまして、これは非常に重要な御指摘だと思います。ぜひ具体的に御教示いただきましたら大変ありがたい。ぜひ点検をしたいと思いますので、具体例を大変恐縮ではございますが、御教示いただければ大変ありがたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○後藤座長 よろしいですか。

○野坂委員 要するに新聞の相談件数の個社の数について雑誌に出ているというのは、事実かどうかわかりませんけれども、非公表データであるはずなので、これがなぜ出ているのか。また、最近我が社が出した抗議文について、抗議文がまだ公になっていない段階で抗議文の内容とか、それに対する消費者庁の見解などが、いろいろな雑誌のコラムニストのコラムに出たりとか、大変おかしいなというケースがあるものですから、ちょっと気になって質問をしたわけです。今、丹野理事のしっかりやるという話は大変心強く感じました。国民の目は大変厳しいものでありますから、しっかり管理していただければと思っております。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○消費者庁服部審議官 どうもありがとうございます。

ぜひ具体的な雑誌名を教えていただけましたら、網羅的に教えていただけましたら大変ありがたいと思いますので、ぜひとも御協力よろしくお願いします。

○野坂委員 では改めて、今、手元にありませんので。

○後藤座長 本日の検討では、消費者庁から提案のあった論点に関して幾つかの事項で新たな法的手当を行うことに対して積極的な意見が出される一方で、幾つかの事項について慎重な御意見やさらなる検討を求める御意見が出されております。引き続き検討が必要な事項がありますので、それらにつきましては本日の御議論を踏まえて、消費者庁の協力を得てさらに検討を整理したいと思います。

論点の3番目のところにつきましても、これは次回以降に回すということで対応させていただきたいと思います。

最後に、7月下旬以降に本専門調査会において検討を行っていただく論点及びスケジュールについて、資料6に基づき御説明いたします。

次回7月22日の第8回会議においては、これまでの会議で引き続き検討を行うこととされている事項のうち、第4回会議及び第6回会議で扱った訪問販売、電話勧誘販売等の勧誘に関する問題についての検討を行います。第5回会議で扱った事前参入規制に関する検討も行いたいと思います。その後、7月31日の第9回会議では、第1回専門調査会でいただいた個別の論点に関する意見のうち、まだ議論していない点につきましてスケジュールの許す限り、その他として検討を行ってまいりたいと考えております。取り上げるべき具体の論点については、また改めてお示ししたいと考えております。

そして8月25日の本専門調査会としての取りまとめに向けては、ここでお示ししているとおり2回の議論を行うことを考えておりますが、資料6の下部に※印で記載しておりますとおり、ここでお示ししている日程以外に審議状況によっては追加の審議日程を加えることがあり得ることを御承知おきください。本日の積み残しということもありますので、そういうことへの対応も含めて対応したいと思っております。よろしいでしょうか。

何か御質問等ございましたらよろしくお願いします。

それでは、最後に事務局から事務連絡をお願いいたします。


≪4.閉会≫

○金児企画官 本日も長時間御議論ありがとうございました。

次回は7月22日、午後の開催を予定しております。時間は調整中ですので、決まりましたら御連絡させていただきます。

○後藤座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、熱心に御議論いただきありがとうございました。

(以上)