第6回 特定商取引法専門調査会 議事録

日時

2015年6月10日(水)15:00~18:50

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
後藤座長、村座長代理、阿部委員、有山委員、池本委員、沖野委員、河野委員、佐々木委員、鈴木委員、高芝委員、杤原委員、野坂委員、花井委員、増田委員、山本明委員
【オブザーバー】
消費者委員会委員 石戸谷委員長代理、橋本委員
経済産業省 伊藤消費経済企画室長
国民生活センター 丹野理事
関西大学 カライスコス法学部准教授
【参考人】
一般社団法人日本新聞協会
山口理事(読売新聞グループ本社代表取締役経営主幹・東京担当、読売新聞東京本社代表取締役社長)
寺島販売委員会委員長(毎日新聞東京本社販売局長)
練生川販売委員会副委員長(河北新報社販売局長)
公益社団法人日本新聞販売協会 石崎副会長
一般社団法人太陽光発電協会 亀田事務局長、茅岡企画部長
株式会社ダスキン 吉田法務・コンプライアンス部長
松永牛乳株式会社 松永代表取締役会長
一般社団法人日本自動車販売協会連合会
伊藤債権管理専門部会部会長(東京トヨペット株式会社 専務取締役)
島崎常務理事
株式会社高島屋 斉藤クロスメディア事業部総務部長
一般社団法人日本コールセンター協会 富田理事・事務局長
【消費者庁】
服部審議官、山田取引対策課長、加納消費者制度課長
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、金児企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 訪問販売、電話勧誘販売等の勧誘に関する問題についての検討(2)
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○金児企画官 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会 第6回特定商取引法専門調査会」を開催いたします。

最初に、配付資料の確認をさせていただきます。

資料1は消費者庁からの提出資料で、本日御議論いただく訪問販売・電話勧誘販売等の勧誘に関する問題に関して、前回御指摘があった事項の補足説明資料です。

資料2は本日実施予定のヒアリングに関する資料で、冒頭に消費者庁の関心事項をおつけし、その後ろに各参考人から御提出いただいた資料をまとめております。資料2-1-1から資料2-6までございます。なお、資料2-3-2は太陽光発電協会様御提出の資料ですけれども、未公表の資料とのことですので、資料2の一式とは別に机上のみ配付させていただいております。

資料3は有山委員からの御提出資料です。

参考資料ですけれども、参考資料1は消費者庁からの提出資料で、最近の相談事例や執行案件の中から、苦情相談件数上位の商品・役務等に関する事例のうち、特に不招請勧誘に起因するトラブルが記載されたものです。参考資料2は、参考資料2-1と2-2がございますけれども、消費者庁からの提出資料でありまして、韓国のDo Not Call制度に関する資料を日本語に訳されたものです。参考資料3は池本委員からの提出資料で、近畿弁護士会連合会のオーストラリア・シンガポールにおけるDo Not Call Registerの運用状況に関する調査報告書です。こちらは公表資料としては未確定の段階ということですので、机上のみの配付とさせていただいております。

参考資料4は花井委員からの提出資料で、イギリスでのTPSの効果と民事制裁金を巡る法改正に関する資料です。

資料の不足がございましたら、事務局へお声がけをお願いいたします。

それでは、ここからは後藤座長に議事進行をお願いいたします。


≪2.訪問販売、電話勧誘販売等の勧誘に関する問題についての検討(2)≫

(1)消費者庁からの説明

○後藤座長 それでは、本日の議事に入らせていただきます。

本日の会議では、4月28日に開催された第4回会議に引き続いて「訪問販売、電話勧誘販売等の勧誘に関する問題について」の検討を行いたいと思います。

第4回会議においては、消費者庁から訪問勧誘及び電話勧誘に関する現状や対応の方向性のたたき台について御説明いただいた後、委員間で議論を行いました。委員の皆様からは、消費者庁に対してさらなる説明を求める意見や、ヒアリングの必要性を指摘する意見などをお出しいただきました。これを受け、本日の会議では、初めに前回の会議で宿題となっていた事項について消費者庁から説明をお伺いした後、ヒアリングを実施し、その後、委員間で議論を深めてまいりたいと考えております。

なお、本日のテーマに関しまして、海外の不招請勧誘に関する制度に詳しい関西大学法学部准教授カライスコス・アントニオス様にオブザーバーとして御出席いただいております。お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。

初めに、前回の会議で指摘のあった事項の補足説明等として、資料1について消費者庁から御説明をいただきたいと思います。では、消費者庁からお願いいたします。

○消費者庁山田取引対策課長 資料1、横長のパワーポイントをごらんください。

まず、2ページ目でございます。これは、過去5年間の苦情相談上位20件の商品・役務別の苦情相談件数の推移を示したものでございます。前々回に苦情相談件数の推移をお示ししたところ、特商法と特商法適用外に分けて示すべきだという御指摘でございました。9万件の全てにわたって分類することは不可能でございますので、上位20件についてお示しをさせていただいております。ブルーになっているのは特商法適用のもの、ピンクのものは適用除外に該当する可能性があるものということでございます。

分類を細かくするといろいろ順番が変わりますので、今回は中分類ということで統一してございます。その結果、若干わかりにくいものがございまして、テレビ放送サービスと書いてございますのは、ほとんどがNHKということでございます。それから、ソーラーシステムと書いているのは、今はほとんどが太陽光発電でございます。商品一般、他の台所用品というのは、注記をつけてございます。

3ページに参ります。同じことを電話勧誘販売でもやってみました。こちらのほうは、ピンク色のものが若干多くなっているということでございます。

それから、ここはグレーのものが幾つか入ってございますが、それは特商法適用除外業種以外の問題を抱えていて、ここに分類として示す、カウントするのがふさわしくないものでございます。理由は注記してございます。

4ページが、この2ページ、3ページの上位20件を足し合わせたものをグラフにしてございます。足し合わせて5年間の平均をお示しいたしますと、特商法適用対象の苦情件数が、訪問販売では78%、電話勧誘販売では54%となってございまして、下のグラフに示しているように、特商法の山が一番高いということでございますので、勧誘規制の強化ということを議論するに際して、まず特商法から議論していくということが適切ではなかろうかと私どもは考えております。

次に、5ページ、6ページに参ります。これは、契約金額・既払金額についても特商法と特商法外のものを分けて示してほしいという御指摘でございました。特商法適用外のほうが非常に金額が大きいのではないかということでございましたが、実際、こちらをやってみますと、平均金額ベースの相談全体では特商法のほうがやや金額が大きいということでございますが、65歳以上、既払金のほうでは特商法の適用除外のほうが大きいということでございます。

これは平均でございますけれども、上位20件の額が示しているものの単純な積み上げということでございますと、契約金額の合計の一番下のところを見ていただきますと、特商法対象は426億円、特商法適用除外というのは51億円ということでございまして、このようなボリューム感なのかなということでございます。特商法の件数が多いので、全体のボリュームが大きくなっているということです。

同じことを6ページは電話勧誘販売でやっております。これも余り違いはないということだろうと思います。全体のボリュームでも、特商法のほうが213億円、適用除外が188億円ということでございますので、このような感じだと御理解いただければと思います。

次、7ページに参ります。商品・役務別に見た「強引」な状況ということで、全体のものは前々回、お示ししているわけでございますけれども、これは特商法適用とそうじゃないものに分けてということで、上位20で今回、また調べてございます。

左側が訪問販売のほうでございまして、訪問販売で強引というキーワードが付与された率が高いのは、3番のテレビ放送サービスでございます。ただ、こちらは国民の側に契約締結の義務がございますので、その意味では少しほかのものと事情が違うのかなと思っておりまして、このテレビ放送サービスを除外して計算し直すと、下のところの特商法対象と適用除外は、ここはテレビ放送サービスも入れた数字が入ってございますけれども、テレビ放送サービスを抜くと、特商法対象のほうが強引の付与率が高いということになります。

電話勧誘販売、右のほうでございます。こちらは、強引の付与率が高いのは17番の新築分譲マンションということでございまして、特商法対象とそれ以外はほとんど付与率に違いがないということでございます。

次、8ページから、ずっと行きまして15ページまでが、強引に関する相談状況を地域別に見てみたらどうかという御指摘がございまして、地域別に示してみました。ブロック別に示してみたわけでございます。多少の出入りがございますけれども、販売方法に占める強引というキーワードが高いとか、苦情相談件数は横ばいないし少し微増だとか、契約・解約に関するうち、販売方法にも問題があるといった比率とか、そういったことは地域差は余りないということが今回やってみて初めてわかりました。訪問販売のほうで、人口と比較して強引に関する苦情相談件数が多少多いというのは、中国と九州・沖縄がやや多いかなと思っております。

同じことを電話勧誘販売でやったのが12ページ以降でございまして、こちらも細かくは説明いたしませんが、電話勧誘販売では強引が人口当たり一番高い比率を示しているのは中国地方ということでございます。

次に、駆け足で恐縮ですけれども、16ページのこのグラフは何を示しているかというと、前々回、再勧誘禁止違反のおそれがある勧誘を受けた消費者の比率が、2,000人の消費者アンケートの意識調査だと、約4割の消費者がそういう経験をしたということをお示ししました。これで再勧誘の禁止が守られていないということは実態として明らかになったわけでございますが、これも商材別に見てほしいという御指摘がございましたので、このグラフをつくりました。訪問販売のほうでは、寝具、浄水器あたりが特に再勧誘禁止が守られていない勧誘を受けた経験のある消費者が多いということでございます。

17ページが電話勧誘販売でございます。これはカニとかの食料品、エステ、化粧品、サラ金、分譲マンションあたりが高くなってございます。

18ページが苦情相談件数に占める訪販協の正会員の比率というものを示してございまして、私ども、この4月の1カ月間に全国で受け付けた訪問販売の苦情相談件数全件を調べまして、訪販協の正会員の比率は相談件数のうち1.45%ということでございます。これは、訪販協が占めている全体の中のボリュームからすると低い数字にとどまっておりまして、訪販協における現在の管理が機能していることをあらわしているかと思います。

19ページは、アメリカの基礎自治体の中でDo Not Knock Registryを設けている自治体を御紹介いたしましたところ、それが網羅的にどのぐらいあるのか、その導入時期はいつかという御質問をいただきまして調べてみました。これは、アメリカの連邦政府は基礎自治体の状況について網羅的に把握してございませんので、インターネットと文献調査を中心に調べてみまして、あくまで私どもが把握した範囲の中では、ここに書いてある自治体がこのような時期に導入しているということでございます。

一番初めにオハイオ州のパルマというところで2006年に始まった取り組みが最近広がっているということが、これを見ておわかりになると思います。

もう一点注意いただきたいのは、このDo Not Knock Registry以外にステッカーに条例上の効果を認めている自治体は、それこそ数百あるということでございますが、ここには網羅的にはお示ししてございません。

次に、20ページです。アベノミクスとの関係は、勧誘規制の強化というのはアベノミクスに矛盾するのではないかという御指摘がございました。アベノミクスは経済の好循環を回していくということでございますけれども、そのためには消費の拡大というのが大変重要になってございます。消費の拡大を図るためには、消費者が安心して消費活動を行うということが重要でございまして、ことしの3月に閣議決定された消費者基本計画においても、経済政策と消費者政策を車の両輪として進めることにより、個人消費が主導する持続的な経済成長と豊かな消費生活の実現を図ることの必要性を確認してございまして、私ども、特商法の見直しについても、このラインで検討を進めていくということであろうかと思いますし、それは特商法の目的とも合致していると理解してございます。

次の21ページからが、諸外国および自治体の制度例と効果・課題ということで、これを検証するようにという宿題もいただいておりました。諸外国については、ここにいるカライスコス先生に大変お世話になったことを、この場をかりて御礼申し上げます。

22ページ、23ページが、模式図的に2つのやり方を示してございます。

22ページがレジストリ方式でございまして、アメリカの地方自治体でこのような例があるということで、消費者がリストに住所と名前を登録し、事業者の側には、多くの場合、住所のみが渡されるということでございまして、そこの住所には行ってはいけないということでございます。これは、消費者と事業者の間で意思表示について争いが起こりにくいということで、すぐれた制度ではあると思いますが、デメリットとしては、運営のための行政コストとかがかかりますし、事業者にリストそのものが渡ってしまうという問題点がございます。

次に23ページです。ステッカー方式、日本国内の地方自治体や、オーストラリア、アメリカの地方自治体で行われている例がございます。これは、勧誘を拒否する意思表示や退去を要請する意思表示というのを、消費者側はそれぞれの家に張ることで示すということでございます。メリット、デメリットは先ほどの逆でございまして、行政コストがかからずに個人情報が渡らないという点はメリットですけれども、消費者と事業者の間で見えた、見えなかった、張ってあった、張ってなかった、はがれていたという争いが起こる可能性はあるということでございます。

それから、24ページは25ページ以降の個票を少し総括してまとめて評価してございます。

まず、レジストリ方式で私どもが把握した範囲での利用状況は、多いところでも約2割ということでございます。高齢者など、特定の属性を有する消費者の保護に特化した制度ではございませんので、結果としてカモリスト化の問題は生じていないということでございます。なぜならば、このリストには権利意識の高い消費者も登録するということで、結果として、そういう消費者のところに行くと、訪問されれば通報されるリスクがあるということから、主体を限定しないことによってカモリスト化を防いでいるということになってございます。

ステッカー方式のほうでございます。条例でステッカーに効力を持たした自治体で全戸配布をしたところで、約15%の消費者が張っているということでございます。それから、訪問販売に来られたくないと思っていても、ステッカーを張っていない消費者もたくさんいらっしゃいます。

導入の効果としては、断りやすくなるという心理的な効果を皆さんおっしゃっているということでございます。それが条例ということでございますと、罰則などは通常置きませんので、サンクションも弱く、規制を遵守しない事業者もいるということでございますし、条例違反ではないけれども、違法ではないということで、堂々と違反する事業者もいらっしゃるそうで、その結果、条例の効果を疑問視する消費者も多いということでございます。

25ページからの個票は、本当にかいつまんでポイントだけお伝えいたします。

アメリカのこの3つの自治体、私自身、訪問してお話を伺ってまいりました。この3つの自治体は、欄外の上のところに書いてございますが、訪問販売するときに、その市役所で訪問販売のライセンスを得るということをまずやっております。その意味では、まず参入規制があって、その上でのレジストリということでございます。

3つの自治体で違いがある点を申し上げますと、Parmaというところは登録に有効期間を設けていて、5年間ということでございます。もう一つの違いは、真ん中のWhite Plainsは、住民からお金を2.5ドル取っているということです。その結果としてということだろうと思いますけれども、登録状況には随分開きがございまして、左側のParmaは3万5,000戸のうち6,500の住居が登録しているということで、2割ぐらいの登録状況にあるわけでございますけれども、有料のWhite Plainsでは、人口5万7,000人のうち登録件数は130件ということで、有料化すると少し登録の状況が低くなる関係にあるということでございます。

次、26ページからが条例に根拠がある自治体の例を調べてございます。

まず、北海道は、条例で明示的には書いていないのですが、解釈でステッカーに効力を持たせている、解釈をコンメンタール上、明示しているということでございます。導入の効果といたしましては、あっせん交渉で使える、これが非常に大きいということでございます。住民の反応としては、断りやすくなったという御指摘がございまして、これは解釈変更でやってしまっているので、事業者からの反対などは受けていないということです。

27ページ、京都府も解釈でステッカーの効力を認めているということでございます。こちらの導入の効果として、「変化なし」というのが半分以上ですけれども、「減った」と回答する人も2割いたということです。住民の反応は、断りやすくなったということで、こちらも業界からは異論はなかったということです。

28ページは堺市でございます。堺市は、条例の施行規則において、「貼り紙その他の方法をもって」ということで、ステッカーに効力があるということを明文で定めてございます。

また、ステッカーの配布枚数のところもごらんいただきたいのですけれども、大変熱心にやってございまして、市内全戸に配布するということと、さらに転入者にも配布しているということで、その結果の利用率が14%になっているということでございます。導入の効果ということで、3割の消費者が一定の効果があったとお答えされています。課題としては、先ほども少し申し上げましたけれども、罰則がないので、明示的に無視する事業者がいるという問題が生じております。

29ページ、熊本市でございます。熊本市は、努力義務ということでございます。努力義務でございますので、導入の効果のところで書いてございますが、苦情相談件数に変動もなければ、あっせん交渉でも使えないということでございます。住民は断りやすくなったということは指摘しておりますが、課題としては、努力義務という効力の弱さが問題になるだろうという御意見を伺っております。

次に、30ページ、「ウォッチねっと」の例を御紹介させていただきます。これは、大網白里市でNPOのウォッチねっとさんが全戸配布して、その後の追跡調査をやったという例でございます。ここは条例では何も定めがないのですけれども、事実上、ステッカーを張る動きが広がっているということでございまして、張ってあるのが約3割ということでございます。ここは、市が非常に協力的で、回覧板の中に、これからウォッチねっとさんがステッカーを持ってまいりますということを、まずお知らせした上で、自治会・町内会の皆さんが連れて回ってくれたということでございます。自治会・町内会レベルでそこまでやって、ステッカーを張っているところが3割で、「減った」と答えた消費者も3割ということです。

最後、電話勧誘販売でございます。31ページから模式図的に書いてございます。

まず1つ目は、アメリカ、イギリス、カナダのリスト提供方式でございます。消費者が電話番号を登録して、電話番号のみアクセス権をとった事業者のほうに知らされるということになります。そのリストには電話をしてはいけないという規範がかかるということでございます。こちらは、名前が削られるわけですけれども、消費者の生のリストが渡ってしまうという問題はございます。

32ページが、最近始めたオーストラリア、シンガポール、韓国の例でございまして、これは(1)の例の経験を踏まえて、少し工夫してございます。「リスト洗浄」型と書いてございますが、消費者はリストを国のほうに提出しますけれども、事業者のほうにはリストは渡さないということで、事業者側が電話番号リストをアップロードして、運営主体のほうでリストと照合して抵触するものを削った形でダウンロードさせるということでございますので、リストそのものは提供されないという形でございます。

外国の例はこの2つでございますけれども、33ページに日本で今、事実上、普及している形をもとにした案というのも書いてございます。これは、現在、日本では迷惑電話撃退システムということで、シャープ、パナソニック、トビラフォンといった会社が、警察からオレオレ詐欺が使っている電話番号を入手して、そこから電話がかかってきた場合には赤いランプがつくとか遮断するという仕組みの端末が事実上、普及し始めてございます。仮にそのシステムを利用するということになると、例えば事業者が電話勧誘販売で使う電話番号を登録していただいて、それをこの端末にデータ提供すれば、同じように消費者側からの選択として、赤いランプか黄色いランプかわかりませんけれども、消費者の好みに応じた対応がとられるということになります。

これは、技術的にはできるシステムだと思いますが、課題としては、消費者側がその端末を買わなければならないという意味において、全ての人が気軽に利用できるわけではないという問題があろうかと思います。

34ページは、35ページ以降の個票の総括でございます。利用状況としては、どちらの方式も消費者の登録、非常に多うございますし、事業者の登録も多い。それから、導入の効果もいずれも上がっているということでございます。技術的には、海外からの電話、それから発信者情報を偽る電話などについては課題が残るということでございます。

次に、35ページ以降は本当にポイントだけ言わせてください。

まず、アメリカでございます。アメリカは人口3億人で、2億件以上の登録がもう既にありまして、すっかり定着しているという印象でございます。

特徴的なことだけ申し上げますと、まず適用除外のところで、既存のビジネス関係が存在する場合を除外してございます。これはアメリカだけじゃなくて、後から申し上げるイギリス、オーストラリア、シンガポールでもこのような適用除外を設けています。

それから、消費者の登録は無料になってございまして、有効期限というのも今はなくなってございます。これは、ほかの国も大体そうでございまして、そうじゃないところだけ後で申し上げます。

それから、事業者の側は無料ではなくて、アクセス料を支払うという設計になっておりまして、効果も上がっているということでございます。

次の36ページ、イギリスでございます。イギリスもおおむね同じような制度でございまして、開始時期が1999年ということで、この中で一番早くからやっているということでございます。前々回、イギリスがうまくいっていないのではないかという御指摘が委員からございましたけれども、それは真ん中の下のほうに書いてあります、「あまり満足していない」「満足していない」というほうが過半数になっているということの御指摘だったかと思います。これは、勧誘電話自体が減少しているということは明らかになってございまして、海外からの電話などがまだかかっていることについて「不満」だということがあらわれているということでございます。

その次、カナダでございます。カナダは、まず適用除外のところをごらんいただきたいのですけれども、一般紙の講読勧誘が適用除外になってございます。ただ、これについては課題の一番最初に書いてございますが、適用除外が広過ぎるため縮小するべきという議論もあるようでございます。

それから、カナダは今日、御紹介した中で唯一、有効期限がまだ残っておりまして、7年間有効ということでございます。

それから、カナダのユニークな点はもう一つ、リスト自体はもちろん役所が所管するわけでございますけれども、実際のリストの維持管理というのはベルカナダという民間企業にお願いしているというところがユニークな点かと思います。

次、38ページ、オーストラリアでございます。オーストラリアはユニークな点は特段なかろうかと思いますので、飛ばします。

39ページ、シンガポールは、去年の1月に始めたばかりでございますが、人口540万人の中で77万件ということで、順調に進んでいると思います。効果も上がっているということでございます。

最後、40ページ、韓国でございます。韓国も2014年1月から試験運用で、7月から正式ということでございます。韓国の場合は人口が5,000万人なのに、登録件数はまだ10万件でございまして、韓国は私、直接話を聞きに行ったのですけれども、まだまだ普及が課題だということでございます。広報には熱心に取り組んでおりまして、そこのパンフレットの出来がいいので、今日の参考資料2で日本語訳をつくって提供しているところでございます。

韓国の制度としてのユニークな点のまず1点目は、オンラインの登録で、一律拒否だけじゃなくて、個々の事業者を拒否の対象から除外することもオンライン上、できるようになっているというのがユニークな点だと思います。

それから、今日は御紹介しませんでしたけれども、インドなどでは、個々の事業者だけじゃなくて、カテゴリーごとに、業種ごとに拒否の対象から外すという取り組みもあるようでございます。

韓国のユニークなもう1点は、事業者のシステムアクセス料も無料ということで、消費者だけじゃなくて、事業者も無料にしているということでございます。

41ページのEU指令は省略します。

済みません、少し時間を超過しましたけれども、以上でございます。

○後藤座長 ありがとうございました。

ただいまの消費者庁の説明に対する御質問は、後ほど委員会討議の中でお願いしたいと思います。

(2)事業者等からのヒアリング

○後藤座長 続きまして、事業者からのヒアリングを行いたいと思います。

(参考人着席)

本日は、訪問販売、電話勧誘販売等の勧誘に関する問題についての御意見をお伺いするため、参考人として、一般社団法人日本新聞協会様から、協会の理事であり、読売新聞東京本社代表取締役社長の山口寿一様。協会の販売委員会委員長であり、毎日新聞東京本社販売局長の寺島則夫様、協会の販売委員会副委員長であり、河北新報社販売局長の練生川雅志様。公益社団法人日本新聞販売協会様から副会長の石﨑寛司様。

一般社団法人太陽光発電協会様から事務局長の亀田正明様。企画部長の茅岡日佐雄様。

株式会社ダスキン法務・コンプライアンス部長の吉田隆司様。

松永牛乳株式会社代表取締役会長の松永雄一様。

一般社団法人日本自動車販売協会連合会債権管理専門部部会長であり、東京トヨペット株式会社専務取締役の伊藤隆之様、同連合会常務理事の島﨑有平様。

株式会社髙島屋クロスメディア事業部総務部長の斉藤剛様。

一般社団法人日本コールセンター協会理事・事務局長の富田政広様に御出席いただいております。

皆様、お忙しいところを御出席いただきまして、ありがとうございます。

参考人の皆様から順に御発言をお伺いしたいと思います。恐縮ですが、会議時間が限られておりますことから、訪問勧誘・電話勧誘の両方に関して御発言いただく日本新聞協会様及び日本新聞販売協会様につきましては、合わせて10分、その他はそれぞれ5分で時間厳守でお願いいたします。また、御発言に対する御質問等につきましては、全てのヒアリング対象からの御発言をいただいた後、まとめてお伺いしたいと思います。

それでは、日本新聞協会様及び日本新聞販売協会様からよろしくお願いいたします。

○日本新聞協会山口理事 新聞協会の山口です。

新聞協会と新聞販売協会から意見書を2本、提出申し上げていますので、まず最初に意見書に関して簡略に御報告を申し上げました後に、関連資料を提出しておりますので、それについても御説明したいと考えております。お手元の資料2-1-1が新聞協会の意見の骨子でありますけれども、その次のページの資料2-1-2が新聞協会の意見書の全文ですので、これに沿ってかいつまんで御説明したいと思います。

まず最初、大きな数字の1として、新聞が果たしている公共的役割とタイトルがありますが、この見出しの下の2段落目、新聞は、ニュースや、国民が必要とする情報を毎日伝え、多様な意見・論評を広く提供することで民主主義社会の維持・発展に寄与してきました。新聞はいつの時代も消費者の立場に立って、消費者問題を積極的に報道し、警鐘を鳴らしてきましたということを書かせていただいております。

その次のページ、下のページで言いますと、4ページの上から2段落目の「さらに」というところですが、こちらは新聞販売所、新聞販売店の役割について触れております。新聞販売所は地域コミュニティーの一員として、高齢者・独居世帯の見守りや防犯・防災活動などの貢献活動を各地で展開していますということです。これらは、警察や自治体からの要請に基づいた公的な活動でもある。郵便受けに新聞がたまっていれば警察や自治体などと連携して対処しておりまして、実際に人命救助につながった事例は多々あるということを指摘しております。

その次の段落ですが、全国の新聞販売所には、34万4,513人の従業員がおります。その81.1%は副業であって、地域の消費者・生活者でもあるということであります。

その下、大きな2として、不招請勧誘規制の導入による影響と弊害と書かせていただいております。不招請勧誘の禁止等の規制が導入されると、新聞は大きな影響を受けます。特に、ステッカーによる意思表示に法的効力を与えるといった規制は、影響が甚大であって、強く反対したいと考えております。その理由はマル1、マル2とありますけれども、マル2の中に、健全な事業者と悪質な事業者を区別なく規制されることになるということであります。

こうした規制が導入された場合の影響ですけれども、同じ段落の後半部分ですが、戸別配達網が弱体化して、新聞販売所による地域貢献活動も衰退することになります。

その次の段落ですけれども、消費者あるいは生活者の方々の知る権利全体にも影響が及ぶのではないかということを指摘しております。

次のページに行きまして、下のページ数で言うと5ページですけれども、上から2段落目、「さらに」というところで、新聞販売所が衰えた場合に地域の雇用機会が失われる。地域経済への影響も生じるというところで、政府の経済政策と整合しない結果をもたらすことが懸念されるのではないかということであります。

大きな3.法改正の理由と根拠への疑義という点で、幾つか書かせていただいております。

まず、(1)消費生活相談件数等のデータでありますけれども、それの2行目から3行目にかけてですが、全国の消費生活センターに寄せられた苦情のうちのおよそ9割は解決されているとの報告があったと承っております。ということから、問い合わせに分類されるべきものもあるのではないかという疑問を持っております。

それから、同じページの下のほうの(2)「生活の平穏」に関する論理ということで見出しを立てておりますが、次の6ページの冒頭部分ですけれども、「生活の平穏」は、憲法の明文で認められた権利ではなくて、判例上もまだ確立されたものではないのではないかということであります。新聞との関わりで言えば、憲法で保障する「営業の自由」のみならず、「表現の自由」「知る権利」との関係からも問題となるのではないかという点を書かせていただいております。

それから、(3)新聞の法的位置付けと社会政策の観点でありますけれども、日本では新聞が果たす役割に照らして、さまざまな法体系で特別な扱いがなされております。日刊新聞紙法、郵便法、公職選挙法、著作権法等を挙げておりますけれども、ここには書いておりませんが、個人情報保護法においても適用除外という扱いを受けておるところであります。

最後に、大きな4として、新聞界の自主的な取り組みであります。3行目あたりですけれども、新聞各社は共同で「新聞セールスインフォメーションセンター」を設置しております。スタッフに関しては登録制を敷いておって、問題があった場合にはその登録を抹消するなどの自主改善を推進しているところです。センターに寄せられた読者からの相談件数は、平成21年度785件あったのが、平成26年度には304件ということで、減少しております。こうした自主的な取り組みが功を奏しているのではないかと考えています。

その次の段落ですけれども、平成25年11月に新聞購読契約に関するガイドラインを策定いたしまして、特商法等諸法規に沿って解約に応じるべきケース等を具体的に作成しておりますので、そうしたことを指摘しています。

以上でございます。

○日本新聞販売協会石﨑副会長 それでは、22ページになります。当協会は、特定商取引法の見直しに関し、慎重の上にも慎重を期した検討を強く要望します。

「ユネスコの文化統計年鑑」など世界の統計に、各国の新聞の普及度、識字率などが記載されていますが、明らかなことは、新聞の普及度が高いほど識字率が高くなる、という法則性が見られることです。識字率の高さはそのまま知的水準の基盤となって、これを高めます。日本という領土の狭い、資源の乏しい国を、世界有数の経済大国、政治、文化の先進国に育て上げてきた土台には、この知的水準の高さがあってのことと考えます。明治以来の戸別配達制度による新聞の普及が、民主主義の発展に資するとともに、文字活字文化の発達の中軸となってきた事は人々の知るところであります。

いま、いわゆる悪質商法がますます複雑化、巧妙化し、これに対し「訪問販売お断り」のステッカーに法的効力を与えるなど、不招請勧誘の規制が検討されていますが、それで果たして悪質商法をなくすことができるのか、正常な営業活動を歪めないのか、さらには訪問拒絶症候群ともいうべき新たな負の風潮を拡散することにつながらないか、深く疑問を呈します。

すでに、個人情報シンドロームといった歪みが問題視され、これに訪問拒絶の風潮が相乗的な影響を社会に与えていくのではと、考えられ、正常な経済活動はもちろん、政治的・文化的な訪問・交流さえも白い目が向けられ、人々は貝になり、地域共同体で培われた「日本人の良さ」はなし崩しに失われ、地域社会のコミュニティーが崩壊していくおそれはないでしょうか。

さらに新聞の普及とその戸別配達網が地域のコミュニケーション復活の基軸となって、孤独死、押し売りを防ぎ、防犯、防災への取組みがいよいよ必要なとき、訪問拒絶の風潮によってそれらさえ阻害される方向をたどるとしたら、地域にとって、この国にとって、由々しいことと深く憂います。

重ねて、この国の明日のため、慎重な御検討を賜るよう願ってやみません。

ここには書かれてありませんが、2つほど追加してお話をさせていただきます。

1つは、さらに、不招請勧誘の禁止で世にはびこっている悪質・悪徳商法が防げないというのは、千葉県警の警察ホームページにありますが、悪質商法として19種類を挙げております。電話が4、新聞・雑誌の広告が4、訪問が3、送りつけが2、はがきなどの郵便が2、路上声かけが1、会場で集めてが1、その他不詳が4。訪問販売の悪質というのが全体の21%。

もう一つは、「詐欺・悪徳商法100の手口」というある著書があります。皆さん御存じかと思います。そのアプローチの仕方として169のパターンを挙げていますが、電話によるが40、ネットが32、訪問が29、郵送などが29、路上声かけ15、新聞・雑誌等の広告が14、その他が10。この割合は17。

ステッカーが日本中の家々に張られて、それが本当にいい社会なのでしょうかというのを申し上げたいと思います。

これで終わります。よろしくお願いします。

○日本新聞協会寺島販売委員会委員長 済みません、追加ということで、資料2-1-3をごらんいただきたいと思います。先ほどお話いたしました意見書を補強といいますか、裏づけする形の資料ということで添付させていただいております。

時間もありませんので、まず3番、従業員総数ということで、2014年段階で34万4,000人ということで、これも先ほどお話ししましたように、地域の消費者・生活者ということで、地域に根づきながら新聞販売店の従業員として活動しているということ。

また、次のページに棒グラフがありますが、これは業界内でやっておりますセールスインフォメーションセンターへの相談事項というのが、この5年間で半減しているということも御理解いただければと思います。

あとは、新聞販売店として地域にどれだけ密着し、また貢献といいますか、読者に認められているかということも含めまして、地域に対する人命救助、また見守り、徘回老人の見守り、遺体発見、不審者に対する通報、その辺を数字として入れさせていただいております。

また、最後になりますけれども、業界側として自主的にやっております取り組みとして、一番お話ししたいのは、資料2-1-5でございます。

新聞購読契約に関するガイドラインということで、消費生活センターから苦情が多いということで、業界内といたしまして自主的にガイドラインをつくり、これは実質稼働いたしましたのは昨年からということですので、既にこれに沿った形で、苦情あるいは相談があった場合には徹底して対応しているということでございます。解約に応じるケース、またこのケースにない場合でも、業者側、新聞発行者側が丁寧に対応する形で現在やっているということも御理解いただければと思います。

以上でございます。

○後藤座長 ありがとうございました。

続きまして、太陽光発電協会様、よろしくお願いいたします。

○太陽光発電協会亀田事務局長 太陽光発電協会の亀田でございます。

お時間が限られておりますので、早速説明させていただきます。お手元資料2-3-1をごらんいただきます。右隅のスライド番号でお示ししまして、順次説明いたします。

スライド番号2に本日のお話のポイントを挙げております。6点ございます。太陽光発電の位置づけ、太陽光発電の導入がもたらす便益について、太陽光発電システムの訪問販売の現状について、太陽光発電システムの訪問販売の必要性について、消費者保護への取組みについて、最後に勧誘規制のあり方に関する意見とさせていただきます。

めくっていただきまして、まず太陽光発電の位置づけでございますが、以下、政府のエネルギー基本計画より抜粋してございます。2ポツ目にございますように、分散型エネルギーシステムであります太陽光発電は、消費者参加型のエネルギーマネジメントシステムを実現するということで位置づけられております。

また、少し下に移りまして、11回の新エネルギー小委員会におきましても、需要地に近接して導入される自家消費をより進めていくことのできる発電システム、特にこれは住宅用の太陽光発電システムを指してございますが、こういう位置づけになっております。

次に移りまして、2ポツの太陽光発電の導入がもたらす便益について、お話させていただきます。御承知のとおり、太陽光発電のエネルギー源は太陽の光でございまして、発電時にはCOを排出しない、クリーンなエネルギー源となっております。便益につきましては、地球規模から国家規模、さらには地域住民のレベルにおきましても、さまざまございます。特に地域におきましては、住宅用システムの場合ですと、自家消費で家庭内のエネルギーを賄うことができる。また、省エネ意識の向上にもつながっております。

次に移りまして、スライド番号5です。太陽光発電の便益の具体的な数字について記載しております。太陽光発電協会では、2020年には66GW、2030年には100GWの導入が見込めると推定いたしておりまして、それぞれの場面におきましてエネルギーの自給率の向上、あるいは化石燃料輸入コストの削減効果、あるいは地球温暖化ガスの削減効果といった便益が、それぞれ記載のとおりの数字で推定されております。

続きまして、スライド番号6ですが、太陽光発電システムの訪問販売の現状でございます。ただいま、住宅用太陽光発電システムにおける訪問販売による戸建て住宅への搭載は全体の約30%に及んでおります。平成25年度における搭載数は約9万棟でございまして、金額ベースでは約1,850億円程度となっております。

次に移りまして、スライド番号7です。太陽光発電システムの訪問販売の必要性についてでございます。こちらに示しましたように、一般に消費者の皆様方は、御自宅の屋根の形状とか施工の状態とかをつぶさに御存じということは非常に珍しい。また、住宅の屋根はいろいろな種類や形状がございまして、太陽光発電設備の設置に適していても、消費者御自身が気づいていないケースが多いということでございます。

また、太陽光発電設備に関心がありましても、みずからその設置への動きに移るということがなかなかしづらいというところでございます。

また、設置の場合には、現状、太陽光発電システムは電力系統との接続ということがございますので、そうした詳しい知識も十分御説明する必要がございます。

それと、訪問販売では、営業マンが直接消費者の皆様の御自宅を見て、太陽光発電システムの設置に適切であるかどうか、あるいはどのようなシステムが適当であるかということを御提案する必要がございます。ということで、訪問販売の営業手法は、太陽光発電システムを消費者の皆様に十分御理解いただくためには必要なものと考えております。

次のスライド8番に移らせていただきます。一方で、消費者保護への取り組みといたしまして、訪問販売に関しては悪徳業者の排除が大前提でございますので、協会といたしましても本日配付いたしております「失敗しない太陽光発電システム選び」、あるいは「販売基準」、あるいは「表示ガイドライン」等を用いまして啓発活動を続けておるところでございます。

また、訪問販売協会への加入等という方法もございますが、従事者が多数でありますために現実的でないというところでございます。

次のスライド9番でございますが、消費者保護への取り組みの2番としまして、最近の住宅用太陽光発電設備の導入状況、設置申請件数の推移を赤の棒グラフで示しております。その隣にあります青い棒グラフが相談件数でございます。申込件数に対して1%程度の相談件数がございますが、最近は1%を切るなど、私どもの「販売基準」等への啓発活動の効果であると自負いたしております。

最後に、勧誘規制のあり方についての意見を述べさせていただきます。スライド番号10番です。本委員会で議論していただいております「再勧誘規制の目的が達成されていない」、あるいは「生活の平穏・消費者の自己決定権への配慮」等の観点での全面的な訪問販売に対する規制について、以下の点で問題を指摘させていただきます。

1番としまして、再勧誘規制の効果に関する検証が十分に行われていないということ。生活の平穏や消費者の自己決定権を守るとの観点で規制対象を考えると訪問販売だけに限ることは困難ではないか。また、上記視点から、特商法において規制の理由としてこれらを扱うことが適切かについて疑義がある。それから、消費者保護の観点からの規制であれば、規制の対象を明確にし、最小の規制で最大の効果を目指すべきであると考えます。

以上の問題点から、「生活の平穏」を守る等の視点での全面規制については賛同できないと考えております。また、適切な規制に基づく適正な訪問販売は、今後の太陽光発電の促進には不可欠でございまして、お客様のメリットにもつながるものと思料いたしております。

以上でございます。ありがとうございました。

○後藤座長 ありがとうございました。

続きまして、株式会社ダスキン様、よろしくお願いいたします。

○ダスキン吉田法務・コンプライアンス部長 ダスキンの吉田でございます。よろしくお願いします。

ここでは、ダスキンがこれまで行ってきた事業の内容、それから今後取り組んでいこうという事業の内容を御説明して、訪問販売の必要性について御説明させていただきたいと思います。

表紙の次、概要のところは飛ばしまして、ダスキンの事業を大まかに切り分けをしているところをごらんいただきたいと思います。

クリーン・ケアグループと書いておりますところのホームサービス(御家庭向け)、皆さんも御利用いただいているかもしれませんけれども、御家庭のお掃除の道具です。モップとかマットを定期レンタル、定期訪問してレンタルしている事業でございます。ここがまさに訪問販売でお客様を獲得しているところでございます。そのほか、ミスタードーナツを代表としますフードグループなども手がけておるということでございます。

次のページに行きまして、クリーン・ケアグループですが、今、2,100店ぐらい、店舗が全国でございます。そこに我々は組織員という呼び方をしておりますけれども、いわゆる訪問販売員が6万5,000人働いているということでございます。

3ページを見ていただきまして、もう少し詳しく説明させていただきます。ダスキンはフランチャイズで展開いたしておりますので、2,100店の拠点のほとんどはフランチャイズに御加盟いただいている法人さんでございます。そこに6万5,000人の方が従事していただいておりますが、約95%が女性の方でございます。したがって、ダスキン、創業以来50周年になりますけれども、1つは雇用の創出ということと女性の社会進出ということに大きく貢献してきたのではないかと考えております。6万5,000名の組織員が回っておりますお客様が全国に550万軒いていただいておりますので、これらのお客様と今、良好な関係で訪問販売活動を続けさせていただいているということでございます。

次のページ、高齢化社会に直結した事業ということで、1つはメリーメイド事業というものがございます。これが御家庭のお掃除。従来、ダスキンはお掃除道具をお貸し出ししていたわけですけれども、今は御自宅にお掃除に入らせていただく。そのことによって、御家庭の主婦の方がまた社会に進出されることにつながっているかと思います。あるいは、家事の手伝いをさせていただくということが、今、全国で734店舗、これに携わる人が8,000人という組織員が活動しております。

次のページもまさしく高齢化社会に直結した事業ということで、これからどんどん取り組むところではございますが、ホームインスティッドサービスと申しまして、これは介護保険外のサービスでございます。これも後ほど出てまいりますけれども、地域包括ケアシステムの取り組みの中で、これらも推進してまいりたいと思っております。

6ページにアンケートの結果が出ておりますけれども、ひとり暮らしの御高齢の世帯でお困りごとということで、家の中の修理とか電球の交換、あるいはお掃除ということで非常に困っておられる方がいらっしゃいますので、この方々のお手伝いができないかということで、ダスキンはこれから取り組もうとしております。

8ページを見ていただきますと、先ほど申し上げました介護保険制度の改革によりまして、予防給付事業の財源の一部が地方自治体へ移管されることにあわせまして、地域包括ケアシステムということで、地域社会で在宅の高齢者を支えるということで、医療、介護、生活支援事業者が一体となって地域社会の高齢者を支えていく試みも、ダスキンは今後、取り組んでいこうと考えております。

10ページと11ページについては、先ほどの組織員の声を載せております。

12ページに飛ばさせていただきます。今後の取り組みのもう一つは、先ほどアベノミクスとの関係というお話がございましたけれども、ダスキンのほうも外国人の家事支援人材の活用ということを内閣府のほうから御下命いただいておりまして、主導的に取り組むようにと言われておりますので、今、推進協議会のほうで随時、協議させていただいております。これらのことも、ダスキンが最初に訪問してファーストコンタクトでお客様とお話しして、先ほどの高齢化社会の取り組みもそうですし、外国人の家事支援サービスということについても訪問が第1でございますので、訪問ができないということになりますと、これらの取り組みができなくなるということでございますので、健全な営業活動がぜひ排除されることのないように、ぜひ御配慮いただきたいと考えております。

以上でございます。ありがとうございました。

○後藤座長 ありがとうございました。

続きまして、松永牛乳株式会社様、よろしくお願いいたします。

○松永牛乳松永代表取締役会長 福島県南相馬市の牛乳の製造・販売を営んでおります松永と申します。本日は、このような貴重なお時間をいただき、厚く御礼申し上げます。

私どもの南相馬市は、東日本大震災の津波、そして福島第一原発の事故により、大きなダメージを受けました。現在も居住が制限されている区域があって、7万の人口が一時、1万を切るような人口になりまして、徐々に戻りつつあるものの、もとの数字にはまだまだ戻りません。子供の数はまだ半分にも達していない、そんな状態です。こうした中、たまたま津波のエリアから200mほどずれ会社自体は被害から逃れたのですが、お客さんが全然いなくなったため、会社の売り上げも激減いたしまして、非常に厳しい経営状況が続いております。

こうしたなか、私どもは、宅配事業が会社の牛乳事業の根本のところです。宅配事業自体が訪問販売に当たるかどうか、その辺はよくわからないのですが、宅配事業を始めるに当たって、まず第一歩目は訪問販売以外はあり得ません。大きいメーカーの方ですと、テレビとかラジオのメディアを使ったり、チラシを使ったりしての宣伝で勧誘できるのですが、私どものような中小・零細企業はそのような負担がなかなか厳しい。宅配事業を知っていただくには、宅配している1軒のお宅があったら、その近所にサンプルの牛乳を6本ぐらい持っていって、いかがでしょうかというのが私どもの拡売と言うのですが、こうした取り組みによって販売を拡大させている現状です。

当社も一時期は3,000軒以上の宅配のお得意様があったのですが、東日本大震災の影響で激減してしまって、今では200軒にまで減りました。それがようやく300軒ぐらいに戻ってきたのですが、それも従業員が努力して、一軒一軒、訪問販売して拡売したおかげだと思っております。全国的にどこでも人口が減少しているのですが、こういう状態の中で拡売してやっと現状維持という状態です。

先ほど新聞関係の方もお話しされたのですけれども、今まで牛乳の宅配というのは、朝早く、新聞と同じぐらいの時間にお届けしているという状態だったのですが、私どもはお客様と顔を会わせたいということで、朝早い時間ではなくて、昼間のお客様が起きていらっしゃる時間に宅配して、お客さんとのコミュニケーションを大事にしていこうと思っております。

いろいろ見直しされていらして、先ほど(訪問販売お断り)のステッカーのお話が出たのですが、ステッカー、イコール、業者はヒール(悪者)であるということを前提に語られているような気がしてなりません。真面目に一生懸命訪問販売をしながらやっている業者もあるということを、ぜひ心にとめていただきたいと思います。

時間のようなので、以上で終わります。

○後藤座長 ありがとうございました。

続きまして、日本自動車販売協会連合会様、よろしくお願いいたします。

○日本自動車販売協会連合会伊藤債権管理専門部会長 日本自動車販売協会連合会で債権管理専門部会の部会長を務めております伊藤と申します。

当会は、国産車及び輸入車の新車を扱うメーカー系自動車ディーラーの業界団体であります。皆さんも御存じのように、自動車には新車と中古車がありますが、新車に関しては、そのほとんどを当会の会員ディーラーが販売を担っております。今、年間約500万台の規模になっております。そこで本日は、自動車を取り扱う国内最大の事業者団体として、現在論議されております特定商取引法の見直しについて意見を述べさせていただきます。お手元の資料2-5、ページ数で言うと58ページになります。そこに記載したものをかいつまんでお話をしたいと思います。

まず、結論から申し上げますと、訪問販売及び電話勧誘販売に対する行為規制として、現在論議されています不招請勧誘の禁止やDo Not Call Registryなど、新たな法規制を設けることに対しては強く反対いたします。以下理由を述べます。

まず第1に、皆様御存じのように、自動車というのは極めて特殊な商品でして、消費者による長期間の使用を前提とした商品であります。また、公道を走行することによって他人の命を奪うという危険も持っております。したがって、それなりのアフターケア、メンテが必要ということになっています。

したがいまして、いろいろな法律が定められておりまして、点検・車検はもちろんのこと、それ以外のタイミングでも適宜、継続的なメンテナンスが必要になってくる。さらには、自動車保険の付保も必要だということで、いろいろなタイミングを使って、販売店のほうから御利用いただいているお客様のほうにいろいろな案内・提案をする必要があるという商品特性を持っていることになっています。違う言い方をすれば、売りっ放しは許されない商品特性を持っているということだと思います。

こういう前提のもとで考えてみますと、ディーラーの立場といたしましては、折々、時機に合わせてお客様にいろいろな情報提供を行っております。そういった情報提供に対して、お客様のほうからは、実は仕事が忙しい、あるいはメンテナンスはディーラーに任せているのだということで、DMを送ってもなかなか見ていただけない。それが後々、連絡の不行き届きということでトラブルになっているケースもございます。したがって、お客様のほうからしてみれば、もっときちんと面倒を見てほしいという実態があるのではないかと思っております。

こうしたお客様の声に応えるために、あるいは自動車が危険な状態のまま一般道を走行することがないように、ディーラーといたしましては、電話案内や訪問活動に日々務めておりますが、現在、議論されているような新たな法規制、例えば訪問販売お断りのステッカーが表示された家には訪問してはいけないとか、自治体に登録した電話番号には電話してはいけない。さらには、顧客からの訪問の依頼があった場合以外は訪問してはらないといったルールが課せられることになるといたしますと、日々の活動が非常にやりづらくなる。やりづらくなるということは、同時に消費者に対して不利益が生じることを懸念しております。

もう一方の問題がありまして、現在、既にお取引をいただいているお客様の問題と、もう一つは、新しく車を買っていただく、新しい取引が始まるお客様に対しても同様のことが出てくる懸念があります。つまり、自動車というのはどんどん商品の改良が進みますし、税金の変更あるいは保険制度の変更でいろいろな提案をする必要性が出てきます。そのとき、いろいろな提案ができないとなると、またやりづらいという場面が出てくるのではないかと思っております。

現在、新規顧客の会員においては、イベント等のアンケートでまずお客様の情報を取得いたします。販売店からの案内をしてよろしいでしょうかということで、お客様がそこに住所と電話番号を記載した場合には、それに基づいて営業をかけています。そういった情報が得られない場合にはやりようがありませんので、それは無理なことはやっておりません。したがって、無理なことはできないようなルールのもとに動いているということになります。

もう一つ、お客さんの側から見ると、衝動的に買うような商品ではございませんので、本当にこの人とつき合っていいかどうか、いろいろな面からのお客さんのサイドから見て判定があって、初めて取引が成立するという面もあろうかと思います。

したがいまして、るる述べましたけれども、このように自動車販売業界においては、現行法の規制遵守を背景として、今、健全なマーケットが形成されている、現行法のもとで有効に機能しているという判断に立っております。したがいまして、現在の消費者の被害が、再勧誘の禁止等の現行法を遵守しない一部の事業者によって引き起こされているという実態かある以上、そういった事業者に対して現行法を遵守させる執行体制の構築こそが取り組むべき喫緊の課題ではないかと思っております。

最後に、もう一点だけ申し上げますと、現行法の法制度の運用面において、さらなる実効性をいかにして確保していくか。場合によっては、裁判等の司法的救済の充実をもって実現することが適切だと思っております。

以上です。御清聴ありがとうございました。

○後藤座長 ありがとうございました。

続きまして、株式会社髙島屋様、よろしくお願いいたします。

○髙島屋斉藤クロスメディア事業部総務部長 株式会社髙島屋クロスメディア事業部の斉藤と申します。よろしくお願いいたします。

資料に基づきまして、私どものこれまでの事業の内容と、それから今回の規制に関する件について述べさせていただきたいと考えております。

資料63ページからになりますが、私ども、当社の概要につきましては省かせていただきますけれども、一般的には百貨店としての店頭販売ということの印象が強いと考えておりますけれども、64ページに記載のとおり、通信販売事業につきましても明治32年から始めているということで、非常に歴史を持った事業であるということでございまして、この通信販売事業につきましてクロスメディア事業部で担っているということでございます。年間約30万件のお客様を相手に、お客様の期待が非常に高いということが当社としての取り組みの特徴に結びついていると思っておりまして、私どもの電話勧誘販売の事業としましては、既存の御購入実績のあるお客様に対してのアプローチであるということが前提になっております。

こうした中で、私どもの事業の目的でございますけれども、電話勧誘販売、アウトバウンド事業と呼んでおりますが、私どもといたしましては、お客様に対して利便性、それから商品に関する気づき、それからお客様としての有効な情報の入手ということで、消費行動の下支えとして小売業の必要機能を果たしていると考えております。特に私どものお客様は地方の御高齢のお客様も多いということもございますので、そういったことに対してもしっかりと対応するということが事業として求められていると考えております。

また、当社側としましても、お客様との特別な関係づくりということが百貨店としては必要な条件でございますので、そうしたことを維持していくためにもこのような事業が必要であると考えております。電話勧誘販売という事業の名前ではありますけれども、お客様の嗜好をしっかりと把握するということで、必要なものを御提供するということにつなげているというのが実態でございます。

次のページにも記載のとおり、私どものアウトバウンド事業につきましては、カタログ販売事業の延長として、そのカタログ掲載商品を中心に物品販売を行うような事業になっております。過去の購入商品を踏まえて、お客様に再購入の御案内をさせていただくということですとか、あるいはお客様から御連絡をいただいた際に欠品していた場合に、再度入荷したときの御案内を差し上げるということで、この物品販売を行っております。また、私どもの事業部では有料会員の組織を持っておりますので、その会員様に対しても、その失効の事前にDMをお送りして、今後の会員組織への加入継続の意思があるかどうかということについてもお電話差し上げて確認させていただいている、こんな事業を行っております。

お客様からの御意見ということでは、総じて御評価いただいていると思っておりますし、場合によっては、季節の商材の御紹介でありますと、連絡をもらえないと忘れてしまうのでということで非常にありがたがられるケースもございます。

そうした中で、今回の検討されている規制に関する影響ということで幾つか想定されると思っておりますけれども、私どもとしましては、事業者を特定するということの中で、結果としてお客様の意に反して、当社あるいは当社を含む各事業者が規制対象事業者になってしまうのではないかということが危惧されると考えております。

また、電話という機動的な情報提供の機会が減少するということの中で、提供できる商品・サービス等の範囲が縮小するのではないかということもあり、お客様の利便性も含めて営業活動の範囲が非常に狭まっていくのではないかと考えております。

それから、66ページですけれども、私どもとしましては、小売業の社会的使命として、国民生活の質的向上を支える「生活文化創造」ということを事業として担っていると認識しております。もちろん、そうした中で小売業として生き残る条件というのは、法的な規制がなくても、お客様との信頼関係がなければ淘汰されるということを前提に事業を行っているということでございます。健全な産業振興の観点からも、効力が不明な規制強化は望ましくないと考えております。

最後に、当社においては通信販売の歴史も長くて、歴史的に消費者保護を志向してきたということをつけ加えさせていただきます。業界としましても、自主的規制等も考慮しながら、これまでも取り組んでまいりましたので、日本通信販売協会と連携しながら、今後も業界としての取り組み強化に努めていきたいと考えております。

以上でございます。

○後藤座長 ありがとうございました。

最後に、日本コールセンター協会様、よろしくお願いいたします。

○日本コールセンター協会富田理事・事務局長 日本コールセンター協会事務局の富田と申します。

今日、時間がないということで、私どもで今、取り組んでいること、電話相談室の実態と協会独自でTPSという施策を過去にやったことがございます。それについて御報告させていただきたいと思います。

私ども電話相談室は、協会の一般社団法人ができた1997年、ちょうどその1年ぐらい前ですが、創設いたしました。相談件数ですが、2000年度に入りまして、2002年が241、2003年が212でした。ところが、2004年度から急激に相談件数が減っております。2004年が40、2005年が54、2006年が44。2010年代に入りますと、相談がほとんどありません。1桁台です。なぜこのような状況になったのかということを私ども業界で考えてみたときに、個人情報保護法がきちんと施行された。その年以降、相談件数がぐっと減ってきたというのが実態です。したがいまして、電話勧誘という立場だけで言わせていただくのであれば、個人情報保護法がきちんと運用されていけば、プライバシーという意味ではかなり減るのではないかと考えております。

それと、私どもの会員の関係ですが、この3年間、実は相談件数は30件程度しかなくて、その中に会員に関する相談は1件もございません。1件だけありましたが、お客様は執拗に電話がかかってきた。私どもが確認したら、事業者側はかけていないということで、かけた、かけないというトラブル。実質的な商品の取引に関するようなことではありませんでした。そういう意味でいけば、実は1件もありません。そういう意味では、私どもの協会の会員だけを見れば、少なくとも電話勧誘の被害に遭われている数字とは、逆行した形になっております。

もう一点、相談内容については、今、取引の内容よりも、実は先ほどあった強引な勧誘があるということに対して、どう対応したらいいのかという相談が多くなっています。したがって、私どもでは、相談に対しては対症療法的にきちんとお断りしなさいということで対応しております。したがいまして、悪質な事業者に対する対応という意味では、対症療法的なことも含めた対策をやっていかないと、なかなか減らないのではないかと思っております。

2点目ですが、私ども、TPS制度というものを2003年から開始いたしました。やり方はアメリカと同じような形をとりました。電話をかけてもらいたくないという消費者の方が私ども事務局に連絡してきて、私どもでその電話番号とか住所を取りまとめてリストにして、電話勧誘をかける会社のほうにそのリストを渡す。その会社が持っているリストから削除していただくという取り組みを、実は実施いたしております。

目的というのは、当然、消費者のプライバシー保護ということと、当時は電話によるマーケティングというものがなかなか認知されていなかったということがございましたので、それについて健全な会員に対して、きちんとマーケティングというのを理解していただこうということで、実は開始いたしました。ですから、当初の目的としては、悪質な事業の排除を目的としたものでございませんでした。

実施状況ですが、2003年からスタートいたしまして、2001年、2002年、事前登録の期間を設けました。ちょうどスタートするときには約4,500名の登録をいただいたということになっております。ところが、2004年、2005年、2006年と、これも登録者が急激に減りました。これも先ほどの相談室と同じですが、個人情報保護法が施行されてから急激に減ってきたということです。

その結果、2006年度末に実質的にこの制度を私どもの協会の中では廃止させてもらいました。廃止の理由としては、先ほど言った個人情報保護法が施行されたということで、法的な拘束力を持つ制度が確立されたということと、私ども協会内で実質的なガイドラインをきちんと整備して、会員のほうに配布して、電話勧誘について適正に事業に取り組むように依頼したということで、十分機能を果たしたのではないかということでございます。

では、このTPSがいわゆる迷惑電話の減少に今すぐつながるのだろうかということで、私どもで議論になったことがありますが、基本的にはなかなか減らないのではないか。それは、今の私どもでやったやり方では、リストを悪質な事業者が買うとは思えない。それともう一点は、先ほどから出ていますが、特商法適用対象外事業が多いということになってくると、迷惑電話はなかなか減少しないのではないかということが議論になりました。事業者側の問題としてみれば、当然、善良な事業者には負担がかかる。リストを買うためにお金が当然かかる。それと、大きいのはリストをどうやって管理していくか。責任が課されますので、事業者側にとっては非常に大きな負担になるということがあります。

もう一つ、最後になりますが、こういう実施をするとき、私どもでテレマーケティング協会という形でやったときには5,000件程度でしたので、そんなに稼働がかかるということもありませんでした。しかしながら、アメリカのように2億とか、そういう数になってきたときに、どこがこれをきちんと管理していくのか。いわゆる個人情報の取り扱いと同じだと思いますが、その辺をどういうふうにきちんと管理していくのかというのを確立していかないと、これに対する対応がなかなかできないのではないかと思っております。Do Not Callを導入する場合には、ぜひ慎重な御検討をお願いしたいと考えております。

以上でございます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御発言に対して質疑を行いたいと思います。御質問のある方は、どなたに対する御質問か明らかにした上で御発言をお願いいたします。それでは、よろしくお願いいたします。

○河野委員 御報告ありがとうございました。

私からは、新聞協会の山口様、太陽光発電協会の亀田様、ダスキン・吉田様、それから日本自動車販売協会伊藤様、髙島屋の斉藤様に共通の質問を申し上げたいと思っております。

立場を変えると全く違う景色が見えると申しますけれども、訪問勧誘、それから電話勧誘に関しても、全く同様な感想を持ちました。

私たち全国消費者団体連絡会は、この3月に消費者契約に関する意識調査というアンケートを行いまして、その結果をまとめました。これは資料として第4回専門調査会に提出してございますけれども、その中で、自分から要請したわけではないのに、訪問や電話によって勧誘されることをどう感じますかという質問に対して、96.3%の方が「迷惑と感じる」と回答しています。また、5月に消費者庁から公表されました消費者の訪問勧誘・電話勧誘・FAX勧誘に関する意識調査において、そこでも訪問販売・電話勧誘販売ともに、ほぼ96%を超える方が「必要ない」「来てほしくない」という回答をしております。

そこで、1つ目の質問です。この数字を聞いて、率直にどう思われますか。

次に、突然の訪問・電話による勧誘を迷惑だとする理由として、こちらの都合などお構いなしで、応対するだけで時間や労力が無駄。誰だかわからない身元不明の人が自宅に来るのが嫌、不安。こちらの住所や電話番号をなぜ知っているのか、不信感しかない。買いたいものやサービスがあれば自分から行動するので、突然の訪問や突然の電話で買ったり、契約する人は少ない。みんなに迷惑がられるような印象が悪い方法での勧誘は、効率が悪過ぎると思う。こんな御意見をいただいています。

2つ目の質問は、96%の人が嫌がっている突然の訪問・、電話による勧誘は、ビジネスの手法として本当に有効なのか、どの点かすぐれているとお考えになっているか、伺いたいと思います。

3点目です。消費者側は、こうした突然の訪問・電話による勧誘から身を守ろうとして、例えばテレビ機能のついたインターホンをつけたり、電話番号を非公表にしたり、ナンバーディスプレイや着信拒否の機能のついた電話にしたり、さまざまな自己防衛手段をとっております。それでも迷惑な訪問や電話がおさまらずに、未成年の子供や高齢者と同居している方は、究極の自己防衛手段としてインターホンにも電話にも出ないという選択をします。こうした消費者の自己防衛の行動をどうお考えになりますか。

以上3点、質問したいと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

よろしいでしょうか。今、どなたに宛てたご質問ということを最初、おっしゃっていただきましたが、確認したほうがよろしいですか。

○河野委員 新聞協会の山口様、太陽光発電の亀田様、自動車販売協会の伊藤様、髙島屋の斉藤様。

○後藤座長 では、今の順で御発言いただけますでしょうか、よろしくお願いいたします。

○日本新聞協会山口理事 新聞協会の山口です。

先ほど挙げられた数字に関してですけれども、私どもの実感とは相当違っているということを申し上げておきたいと思います。

あと、苦情に対しては、新聞界としてはかなり誠実に対応していて、相当大きなさま変わりがあるというところを御理解いただきたい。それに関しては、同じ新聞協会の寺島、練生川からちょっと説明いたしたいと思います。

○日本新聞協会寺島販売委員会委員長 今、話があったとおり、訪問販売・電話勧誘をどう思いますかというアンケートに対して、消費者の方が何をイメージして、こういうお答えを出したのかなというのがちょっとイメージがわかないといいますか。新聞販売としては、訪問いたしまして、たくさんの契約もとれているわけですし、お客様がやめて別の新聞をとり、また次の新聞をとるということも含めまして、迷惑というイメージは、おっしゃることはよくわかるのですが、景色が違うというのはそのとおりかもしれません。こちら側としては、訪問販売に行きまして契約をもらって、その間、しっかりとってもらって、また違う新聞なり、次に行ったときにはお願いしますという形で、お客様とはしっかりした形で訪問販売というのができているということかなと思います。

また、忙しいときとか、見たことがない人が来て嫌だという話がありましたけれども、先ほどの自主規制にあるとおりでございまして、忙しいから云々、あるいはもう来ないでということに対しましては、業界としてしっかり対応しておりますので、それで迷惑だから来ないでということに対しましては、しっかり対応もできていると考えております。

また、新聞という商品のことを考えていただきましたら、それで売り方といいますか、営業の仕方がしっかりしていれば、お客様は訪問販売だろうと、電話勧誘だろうと、迷惑と思うというのはなかなかイメージがわかないという気がしております。

練生川のほうから。

○日本新聞協会練生川販売委員会副委員長 ありがとうございます。

訪問販売の調査、アンケート等の数字を見て、どう思うかという御質問でしたけれども、どういうものを対象に訪問販売としての定義がまだわかりませんし、私ども、新聞に関して申し上げますと、例えば私どもの地域ですと、地域で配達してくれている方々は8割以上が副業です。ほかにお仕事を持って配達してくれている。そこに生活している消費者でもありますので、地域の人々と深くつながっております。結びついておりますので、片方が消費者で片方が事業者側という分け方は、地域社会においてはなじまないと思います。同じ地域に暮らす消費者ですから、間違ってもお客様から強烈なクレームを受けるようなことはしてはいかぬということは、常々、発行会社として申し上げておりますし、販売店も気をつけております。そういうことはないと信じております。

それから、一言申し上げたいのは、今回の特商法の見直し論議の中で、ちょっと悲しかったというか、残念というか、情けないと思ったのは、悪質・強引な訪問販売や電話勧誘セールスがあれば、それはきちんと取り締まるのが当然だと思いますし、そうしていただきたいと思いますが、私どもの新聞は、雨の日も雪の日も地震があった翌日も、一部一部を各家庭に届けて、1カ月3,093円、1日当たり100円をいただいている真面目な商品です。真面目に売って、読者に納得して買っていただいています。そういう商品であることをまず御理解いただきたい。

先ほど地震の話もありましたけれども、東日本大震災の直後、元NHKの池上彰さんが来ていただいて、被災地を取材し、弊社にも寄っていただきましたが、そのときに、新聞というのは、水や食料と同じ救援物資だったということが被災地をめぐって初めてわかったということを言っていただきました。というのは、何を池上さんが言ったかというと、震災の後、私ども地元紙だけじゃなくて、全国紙、各紙頑張りまして、被災地の避難所と仮設住宅の近くの集会所に新聞を無代で届けました。相当長い間、届けました。情報が過疎になった地域に新聞を届けることで、被災者にきちんと震災のニュースを届けるということをやってまいりました。単なる商品だとは思いません。公共性の極めて高い新聞という商品の特殊性をもう少し御理解いただければと思います。

さらに言えば、震災のときにはルールを定めまして、先ほど生活の平穏云々という話がございましたが、これは新潟の中越地震のときに新潟日報さんが呼びかけて全社で適用したルールですが、4年前の地震の後も私どもの河北新報から呼びかけまして、全社で緊急の支部協の臨時会を開きました。そこで仮設住宅や避難所での拡張は自粛しろということでして、このルールでしばらくいきました。岩手・福島でもそれに倣ったルールをつくりました。自主的に生活の平穏、被災者が今、大変なときにそういったことはしないということを我々は業界としてきちんと取り組んでおりますし、福島では原発事故の影響もありまして、いまだにそれが続いております。

以上です。

○太陽光発電協会亀田事務局長 太陽光発電協会の亀田でございます。

先ほどの御質問につきまして。

○後藤座長 申しわけありませんが、簡略に、質問に対するお答えということで、よろしくお願いいたします。

○太陽光発電協会亀田事務局長 わかりました。

アンケート調査で96%、不招請という数字が出ていますが、それについてどうですかということですが、私どもの太陽光発電業界から見ますと、ちょっと実態と合わない感じがいたしております。というのは、先ほど資料でお示ししましたように、例えば2014年の住宅用の補助金申請件数が26万1,000件ございました。一方、PI0-NETに登録されました相談件数はその年で2,400件で、0.9%ということになっております。申請された方が全部とは言いませんけれども、ほぼ補助金で施工されておりまして、設置されたお客様からは非常によかったという好評を得ております。確かに、一部けしからぬ業者とかトラブルになってしまった事例もあるとは思いますが、それはごく一部でございまして、ルール違反を犯している可能性も高いと思います。

それから、2つ目ですが、効率の悪い、こういう訪問営業を何でやるのですかということですけれども、先ほど申しましたように、太陽光発電システムというのは、お店に品物を並べて、それを見ていただくという形の提案がなかなか難しい部分がございます。お客様自身が自分のおうちの屋根の形状とか構造を十分理解しているとは限りませんし、太陽光発電システムに向いている屋根形状、あるいはどんなレベルの太陽光発電システムが御家庭に向いているのかという提案が必要な営業になってまいりますので、現場に行って、屋根を見ながら、あるいはおうちを見ながら提案することが必要ということで、訪問販売は非常に有効と考えております。

それから、3番目のインターホンにも出られないという非常にお気の毒な状況になっている方については、全く衷心から同情する限りでございまして、こういう訪問販売が根絶されることを我々は願っておりまして、その意味でも先ほど紹介しましたとおり、我々は太陽光発電の訪問販売業者さんに対して、正しい規範を身につけて、正しく営業していただくということ。それから、消費者の皆さんにもちゃんとした知識を身につけていただきたいと思っております。

今日の資料の中にも、太陽光発電を看板にして、どっちかというと投資のような訪問販売がありました。これは、太陽光発電のシステムを売るものとは全く関係ない、詐欺みたいな商売だと思われます。そういったものも含めていろいろあるのだと思うのですが、単に入り口、太陽光発電と言われましても、中身が違うということを御理解いただきたいと思います。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

引き続き、吉田様、よろしくお願いします。

○ダスキン吉田法務・コンプライアンス部長 吉田でございます。

まず、数値を聞いてどう思うかということですけれども、このアンケートの結果については我々も厳粛に受けとめて、これからも分析して今後の活動に生かしていきたいと思っておりますが、実は我々がとっている数値とも若干そごがあるとか、違いがありますので、そこについては御説明したいと思います。

ダスキンの資料の13ページにもありましたように、当社の新規獲得はいまだに自宅への訪問というのが40%を超えております。年間にしますと、この40%、約20万軒のお客様が自宅への訪問で御契約をいただいておりますので、当社にとってはまだまだ有効な手段だと考えております。

あわせて、2番についても、ビジネスの手法として正しいのかということですけれども、訪問する側も実はダスキンは主婦の方に行っていただいています。御契約いただくお客様も主婦の方ですから、地域のコミュニティーの中で主婦と主婦のお話ということになりますので、ダスキンのお勧めの仕方が、自分が使ってよかったものをお客様にお勧めするということですので、自宅を訪問させていただいて御説明するというのが、ビジネスの手法としては、我々、正しいと考えております。

最後の3つ目の自己防衛については、悪質業者排除という点ではいたし方ないのかなと思いますけれども、これらのことを我々は真摯に受けとめて、ダスキンはこれからも誠実に営業活動していきたいと考えております。

以上でございます。

○後藤座長 それでは、伊藤様、よろしくお願いします。

○日本自動車販売協会連合会伊藤債権管理専門部会長 まず、自動車販売という分野に限定して申し上げますと、不意打ち的な勧誘を目的として突然、今まで接触したことのないお客様のところに行くとか電話するということは私の知る限り皆無です。

もう一つ申し上げますと、こういった質問に対して、どういう場面でそういうふうに感じたのか、その辺をもう少し細分化なりして細かく教えていただかないと、物の言いようがないなというのが正直なところです。

あと、あえてきついことを申し上げますけれども、今どういうことが問題になっていて、その原因は何なのか、それに対してどういう対策を講じればいいのかということのロジックが、まだちょっとよくわからない。お聞きして、そういうふうに思います。

3番目の質問で、高齢者の方々を中心として、今、自営手段としていろいろなことをなさっている。それについて、どう思うかという御質問だったのですけれども、何らかの対策をとるとすれば、自衛手段を奨励するなり、より促進させるということではなくて、強引な商取引あるいは営業活動をしている人を排除するのが第一じゃないでしょうか。順番として違うのではないかと思います。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

それでは、斉藤様、よろしくお願いいたします。

○髙島屋斉藤クロスメディア事業部総務部長 髙島屋の斉藤でございます。

まず、1点目の数値に関して、率直にどう思うかということでは、私どもでは先ほどの資料にもありましたとおり、お電話差し上げて、即時御成約いただくケースもございますので、今、御紹介いただいた数値とは実感がちょっと違っておりますけれども、ただ、今ほど御指摘いただいた内容につきましては、お客様に支えられる企業としましては真摯に受けとめる必要があると思っておりますし、一方で、私ども、御要望でないお客様には電話をかけないという仕組みも持っておりますので、そういった中で、さらにお客様からの評価がいただけるような取り組みにつなげていきたいと考えております。

2点目のビジネスとして何がすぐれているかという点でございますけれども、私どもとしてはお客様から一定の御評価をいただいているという側面もありますが、お客様との関係づくりということの中では、お客様がどういったお品物を嗜好されているのかということを捉えて、代替施策として、例えば不要なカタログとか不要なダイレクトメール、また不要なアプローチにならないように、一方で言うとそういったことがおしかりを受ける事例になったりしますので、そうしたことも含めまして、ワン・ツー・ワンとしてのビジネスとして有効なものとして活用しなければいけないと考えております。

それから、3点目の自己防衛に関して、どう思われるかということですが、実態については受けとめたいと考えております。電話という先方の状況が見えない中で、お客様の生活への配慮ということにつきましては、十分に考えていかなければいけない課題だと認識を新たにいたしました。

以上でございます。

○後藤座長 よろしいですか。

先ほど手を挙げていました増田委員、よろしくお願いいたします。

○増田委員 新聞協会の方と販売協会の方にお答えいただければと思います。

お話を伺いまして、販売所と配達の有益性につきましては大変よくわかりまして、それについてはそのとおりだと思います。ただ、訪問販売とは全く別のことなので、それを同一として御説明されるのはどうなのかなと考えております。

例えばガイドラインを示されましたが、目に見えた効果がないと、こちらとしては見えているわけですけれども、販売員に対する教育とか周知ということを具体的にどのようにされているのかというのが一つの質問でございます。

あと、新聞を販売するに当たって、とってください、あるいは景品をつけますというセールストーク以外にほとんど聞いたことがないのです。商品・サービスを販売する場合、その効能効果とか、ほかとの差を説明して売るということが普通だと思うのですけれども、それだけすばらしい情報を満載しているものを売るに当たって、その辺で勝負すべきと思いますので、そういうことも含めて教育すべきではないかと考えております。

私ども、週末電話相談室を開催しておりますけれども、一度とって、その後、その新聞社に対する不信があって解約したいと申し出たときに、販売店のほうに言ってくださいと言われ、また販売店のほうに行くと新聞社のほうに手紙を書いてくださいと言われて、どうしたらいいか困ったという相談も実際に入っております。苦情が寄せられた際の対応についてどのようにされているのか、その2点についてお答えいただければと思います。

○後藤座長 よろしくお願いいたします。

○日本新聞協会山口理事 それでは、セールストークのほうについてお答えいたします。

新聞の紙面内容に関して読者の方々に理解を求めて、それで契約につなげていくという努力は、各社それぞれ始めているところだと思います。例えば新聞販売店の従業員の人たちがみずからスクラップブックをつくって、地域のニュース、地域の情報が載っているということを実際にお示ししながら説明していくという取り組みは、しているところだと理解しています。苦情・クレームというのは、我々も大変怖いのですね。そうしたところから読者離れをさらに加速させるということは、新聞としては最もおびえているところでありますので、そうした苦情にならないようなセールストークというか、読者の方々への説明の仕方を工夫する。そのためのロールプレイングを含めたトレーニングをやるということも、それぞれがやっていると思っております。

○日本新聞協会寺島販売委員会委員長 最初の質問で、販売員といいますか、従業員にどのように教育するか、指導しているかということですが、これは先ほど来、お話ししていますように、自主規制に沿った形できちんと営業しなさいということでやっています。

それで、先ほどちょっとお話にありましたけれども、一度契約して、途中解約したいということで、お店に言って、本社にという対応も非常にレアケースというか、ちょっとあり得ないのかなと私は思ったのです。本社のほうとして、もう一回販売店に戻すというのは、契約は販売店とお客様の契約ですので、そこはきちんとお話ししてくださいということで。万が一、そこがなかなか決着がつかないようでしたら、本社としては販売店に対してガイドラインに沿った形できちんと対応しなさいということで、現在対応しているかなと思いますので、ケースとしてもめるというか、強行にクレームになったというのは、そのケースは余りないのかなと判断しています。

もう一点、景品を置いて、どんというお話がございました。確かに10年前、何年前かはそういうイメージという形で進んでいたのかもしれませんが、現在の新しい手法といたしましては、試読紙という手法がありまして、1週間、新聞をお届けしますから見てください。それでよければとってください。だめでしたら、それで結構ですという形で新聞の内容を見ていただいて、とってもらうという形とか、業界としてもそういう形を取り込んでいる。契約の件数としても大分多くなっているということです。試読紙、いかがですかということですね。

訪問販売で今、おっしゃったように、物を持ってどんということじゃなくて、新聞の試読をどうですかと訪問販売するケースがあるということで、先ほどもちょっと言葉として出ましたけれども、新聞販売というイメージが現場では相当さま変わりしているのではないか、大分良化されているのではないかというのが、こちら側、やってきた側としてのイメージというか、現状かなと考えております。

○日本新聞販売協会石﨑副会長 日本新聞販売協会の石﨑です。今、2つのことについて、増田委員から御質問があったのでお答えします。

まず、紙面営業というのは、ここ三、四年になるのですが、かなり行うようになってきています。おっしゃるとおり、景品を持ってどん、洗剤を持ってどんというのも今でもありますけれども、それよりは新聞のよさを知ってもらうということで、今、試読の営業ということもお話をされていますが、新聞の読み方、よさをパンフレット形式にしたり、いろいろな形でお客様に営業の中で新聞の読み方、よさを一生懸命お話をさせていただいて講読していただく。とってもらうのではなくて、講読していただくということにほとんどの新聞社が方向転換をしております。

ただ、お客様のほうで、何、頂戴という方も確かにいらっしゃいます。本当は新聞というのは、そういう売り方ではなくて、増田委員おっしゃるように、紙面内容、よさをきちんとお話をしてとっていただくというのが本筋です。ただ、今まで何十年、100年近くにわたってそういうことをやってきましたので、そんな印象が拭われないのかなと思っています。

それから、悪質な営業マンはお店のほうでもかなり排除をどんどんして、もうあなたはうちの店には来ないでくださいという形で言うし、新聞勧誘お断りというお客様には、きちんとデータの中に残しまして、ここは訪問禁止、営業に行ってはいけないということで周知徹底しているというのが、今、どんどん進んでおります。もっと言えば、どんな形で啓蒙しているのだということで言いますと、後段、資料でお渡ししますが、「呼びかけ」というものを販売店全部に配っております。新聞は、文化の普及で、品性を持って、自信を持ってきちんと営業していこうという呼びかけがあります。

それから、私ども販売店では地域のミニコミ誌というものをつくっております。それで、いろいろな地域の情報を網羅しながら、新聞を配達するのと一緒に新聞の中に差し込んで配って、地域のもっと狭い情報を、お客様のいろいろな声に回答しながらつくっているミニコミ誌を全国のお店でやっております。ただ、やっていないお店もありますので、今、資料としてお渡しします。

○日本新聞協会山口理事 補足をさせていただいてよろしいでしょうか。先ほど試読紙という取り組みをしているということを申し上げましたが、試し読みということで、そうしたことは各社が熱心にやっているのですけれども、テレビのCMとか駅の看板広告などでも、そこは強調しているところです。この試読紙は、ちょっと補足しておきたかったのは、許諾をいただいて行っているということです。読者から許諾をいただいてから始める。ただし、最初の許諾をいただくときには、どうしても訪問になってしまうので、そこを気にしているということですね。

あと、地域貢献と訪問販売は関係がないのではないかとおっしゃられたので、その点なのですけれども、新聞離れが加速する中で、新聞界としては地域貢献、地域密着というところが活路であろうということで、こうした地域活動に力を入れているという実情があるので、我々としては全く無関係とは思っていないのです。そういったところを御理解いただければと思います。

○後藤座長 済みません、大変恐縮ですけれども、たくさんの挙手がありますので、質問に簡潔に答えていただいて、時間が限られておりますから進めさせていただきたいと思います。

先ほどから挙手をなさっている方、池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 池本です。

先ほど新聞の協会から、断る人については訪問禁止を社内でデータ化しているという話、非常に関心を持って聞きました。これは、訪問販売の分野ということで、新聞協会と太陽光発電の協会のお二方にお聞きします。従来、断り文句からセールスは始まるということが当然の営業活動のように言われていたかと思うのですが、そういうことについて現場の訪問販売員に対してはどういう指導をしておられるのかという点をお伺いしたい点が1点。

それから、このごろは自治体で条例で定めているところもあるし、そうではない、任意に貼っているところもあるのですが、訪問販売お断りステッカーというものが時々見られます。そういうお断りステッカーを張ってある消費者宅には、それを無視しても勧誘してよいということなのか、それは避けなさいということなのか、この点はどういうふうに指導しておられるのかという点、これが2点目。

それから、3点目は新聞協会さんにだけお伺いします。先ほどの御報告の中で、自主規制によって業界内での相談件数が700件台から300件台に減少しているという評価をされました。ところが、国民生活センターのPI0-NETのデータを見ますと、平成25年ころまで毎年1万件ほどの相談件数があって、国民生活センターから注意喚起、申し入れをした。そして、平成25年11月にガイドラインや自主規制の改定をされた。ところが、平成25年には1万2,000件ほど、逆に相談がふえています。この事実は、先ほどの自主規制の取り組みの効果との関係ではどう見ればいいのでしょうか。

以上、お伺いします。新聞協会の方については、現場をおわかりの方、お一人だけにしていただけますか。

○後藤座長 お願いします。

○日本新聞協会寺島販売委員会委員長 お答えいたします。

勧誘拒否の意思表示があった場合ですけれども、これは一定期間、再勧誘を行わないようにということで徹底しているというのが現場での指導といいますか、そういうことになるのかなと思っております。先ほど、断った方は社内でということですけれども、お客様の購読データは販売店が持っていますので、販売店のほうでここは行かないようにということで、プロのセールスであれ、従業員さんであれ、先ほど営業禁止という言葉が出ていましたけれども、そういう形で、来ないでというところに関しましては、お店でしっかり管理しているということでございます。

それと、ステッカーの話がございましたけれども、消費者庁が解釈しているとおり、ステッカーなどは意思表示の対象や内容、表示の主体や表示時期などが必ずしも明瞭ではないということで、対応に困っているというか、ちょっと曖昧なままになっているのかということですが、現状を言いますと、ステッカーが張ってある住居に営業する場合も、現行法にのっとって、しっかりと意思確認をとって行っているということでございまして、ステッカーをめぐるトラブル等というのは、現場ではほとんど聞いていないというのが現状です。

それと、ステッカーの張ってあるところでも新聞をきちんと購読していただいて、6カ月ごとに契約いただくという形で、トラブルとか、そのようなこともなく、現在、行われているということもありますので、その辺も御理解いただければなと思っております。

それと、消費者庁の苦情の件数でございますけれども、こちらもどういう判断をしたらいいのかというのがちょっと苦慮しているのですが、それは苦情というか、中身ですね。相談とかも含めた件数としてカウントされているのかどうか、その辺の苦情の内容がわからないと、なかなかコメントしづらいのかなという気がしています。

こちら側の情報といいますか、数字といたしまして、この5年間で半減しているというのは、まさしくセールスインフォメーションセンターに来る営業マンに対する苦情が半減しているということでございますので、その辺を考えたときに、現場での営業といいますか、訪問販売は相当良化されているというか、残念でございますけれども、新聞販売のイメージは、本当にくどいようですけれども、ここ5年間で相当様変わりしているということも御理解いただければなと思っています。

以上です。

○後藤座長 済みません、繰り返しで恐縮ですけれども、本日はヒアリングの貴重な機会でありますので、限られた時間の中で質問に対して端的に答えていただくということでよろしくお願いいたします。

複数、手を挙げていらっしゃいますけれども、今までと違った観点からということで。

太陽光の方、よろしくお願いします。

○太陽光発電協会茅岡企画部長 有難うございます。太陽光発電協会でございます。

断り文句から始まりましてという話がございましたけれども、基本的に私どもは先ほどお話させていただいたように、販売基準というものを設けておりまして、その基準にのっとって皆さんにやっていただくように指導もしておりますし、ホームページにも掲載しておりますし、いろいろなところでそういうことの啓発活動をしております。そういう意味では、全部が全部わかっているわけではございませんけれども、基本的には販売基準を遵守していただいているということを認識しております。

2つ目のお断りステッカーでございますけれども、基本的にはこれも全て把握しているわけじゃございませんが、お断りステッカーをしているところに対して、訪問される販売の方もおられるし、訪問されない販売の方もおられるのが現実だと思います。基本は、先ほど申し上げましたように、そういう啓発活動の中でやっております。

ただ、1点だけ言いますと、先ほどもお話がありましたように、太陽光というのはどこかで売っていると皆さん方も思われるかもわかりませんけれども、どこへ行って買うのだろうという若干特殊な部分もございますので、全てが全て、拒否しているところに対してやっていないかと言い切れるかといいますと、ここでは言い切れないと思います。またその数字が必要であれば、後日、そういうことを協会の中でアンケートを行い、お答えさせていただきたいと思います。

以上でございます。

○後藤座長 ありがとうございました。

それでは、有山委員、よろしくお願いします。

○有山委員 また新聞についてちょっと伺いたいのですが、私どものほうの相談室では、金額が少ないということで、クーリング・オフをしたのだけれども、文書でしなかったために2年後、配達されたという相談が3件ほど入っております。

そして、私の勤務しているところでは、訪問販売お断りシールも張っているのですが、ケアマネとかヘルパーの方から新聞の御相談が寄せられることがあります。それは、高齢者の方が何紙もとっている。2紙とれば7,000円から8,000円で、年金からそれを捻出するのは大変なので、これを断る方法はないでしょうかというお話をいただきます。ただ、高齢者の方は、訪問販売されれば契約してしまうということです。私どもの相談窓口で一番ひどい事例は、姉妹で80代後半の両親を遠距離で介護しているということですが、2紙の契約があって3年間の講読があるということで、お嬢さんたちが販売店にクレームを言いましたら、1年契約に減少させてくれたのですが、そのときの販売店のデータに「認知」と書いてあったので契約の責任が取れないものに販売をするのは納得できないというものでした。

私も高齢者の認知の方のところに行って相談を受けた時に、新聞が3紙入っていた経験があります。その方はお掃除好きだと思うのですが、きれいに畳んだまま、読んだ形跡が全くないものが積み上げられている。こういう場合に、先ほどの相談窓口にアクセスした場合、何らかの解決する方法というのはあるのでしょうか。将来の購読契約の解除じゃなくて、ある程度過去にさかのぼって解除ができるのかということを販売店協会さんのほうに伺いたいのと思います。

もう一つですが、新聞社から電話勧誘販売があって契約したのだけれども、景品が届かないという御相談を受けたことがあります。電話勧誘販売という新聞の勧誘方法が今、行われつつあるのかどうかという、この2点を伺いたいと思います。

もう一点、私どものNACSの相談室には、要望という形で訪問販売を禁止するようにしてほしい。消費生活センターに言ったのだけれども禁止してくれない。消費者センターは当たり前ですが行政指導を求められても対応はできません。また、消費者のかたが、勧誘を止めてほしいので警察を呼んだのだけれども、警察の人は帰ってしまったということがあります。そういう強行に「敷地内に入るな」とか、「訪問販売をしないで」という要望が消費者のほうから寄せられています。そういう要望はそちらの新聞の相談室には入っていないものでしょうか。よろしくお願いします。

○日本新聞協会寺島販売委員会委員長 お答えいたします。

一度解約して2年後に入っているという文言だけですと、どういうお話で2年後に入ったのかというのがよくわからないので、多分2年後にお店としては契約か何かがあったのかどうか。その辺は、また改めて詳細を教えていただければなと思っております。ちょっと順不同になって申しわけございません。

電話勧誘というのは、各社、新聞業界として新しい手法として取り組んでおります。そういうことでよろしくお願いいたします。

あとは、最後の警察云々という話がありましたけれども、それは訪問販売の問題ではなくて警察を呼んでいただいて、しっかりやっていただければいい話なのかな。訪問販売として業界として営業をかけて、昔、警察ざたになるような話のときには、新聞社のほうから逆にこういうことがありましたと告発するような形にして、逮捕という形まで持っていった例とかもありますので、新聞社としてはそういうことにはしっかり取り組んでいるということです。

くどいようですけれども、ごめんなさい。そういう営業をやっていて、地域に密着している新聞販売店は商売として成り立たないわけですから、あり得ないというか、あることはあって、こういうケースが出ているので自主努力しているわけですけれども、基本的には新聞販売として、そのようなことがあってはならないというスタンスでしっかり取り組んでいるということも、御理解いただければなと思います。

○有山委員 販売しているだけで、そんな暴力的なとか恐喝しているという話ではありません。ただ、最近は訪問販売に非常にセンシティブになっていて、人が敷地に入ってきただけで110番してしまうことがあったり、そういう現象がふえているのではないかということでお聞きしたかったのです。ないですか。

○日本新聞協会寺島販売委員会委員長 それは、ちょっと確認していませんね。それで、万が一、そういう形になったときには、先ほども言いましたけれども、販売店のほうできちんと営業禁止という形で言っていただいて、行かないという形ですね。万が一、もう来ないでという形で行った場合には、お店としてもだめなわけですから。一度断ったのに対して、3カ月あるいは6カ月、期間を置いて改めて行くということが、しっかり努力義務としてなっているわけですので、その辺は言っていただければ、それで業界としては取り組んでいるとおりになるのかなと思っております。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

他にございませんでしょうか。花井委員、よろしくお願いします。

○花井委員 花井です。お願いします。

1つは、新聞販売協会の方に、もう一つは太陽光発電協会の方に、最後に自動車販売協会連合会の方にそれぞれ御質問したいと思います。

まず、新聞販売協会の方にお伺いします。私も、新聞が先ほどご発言がありましたように、真面目な商品で、公共性もあって、地域の見守りなど重要な役割をしているということはとても理解しております。私たち消費生活センターで受けたPI0-NETのデータやリコールの情報など、消費者のために有用な情報をすごくたくさん新聞に載せていただいていることは、本当にそのとおりだと思って感謝しています。しかし、私が問題にしているのは、断っている人にもかかわらず、勧誘する行為が問題じゃないかと思って質問させていただきます。

まず、第1点としては、勧誘するのがいわゆる職員、先ほどのご発言で、内訳が専業とか兼業とか人数は出ていたと思いますが、職員だけなのか、あるいは委託など外部の人も含まれているのか、その割合はどのぐらいなのかということをお知らせいただきたいと思います。私、消費生活センターで相談員をしておりますが、外部の勧誘員によるトラブルが多いような気がしますので、その点をお尋ねした次第です。

それから、2点目、勧誘に際しては、自社の過去の履歴で勧誘しているのか、あるいは入手した名簿などによるものか、また、いきなり飛び込みセールスによるものなのか、その辺をお聞きしたいと思います。

3点目としては、先ほどのご発言で、「ここは訪問禁止ですよ」という、一度断った人への情報共有はきちんとされているということでした。そうであれば、今、議論に上がっている事前拒否者への勧誘禁止でも同じことじゃないかと思いますので、その辺の御理解を得たいなと思いますが、いかがでしょうか。

最後に、前から何度も出ているステッカーを張っている人への勧誘についてです。「断っている人には勧誘を禁止しているよ」ということでしたが、ステッカーを貼っている人への勧誘というのは、今、どのようにされているのか、以上4点を新聞販売協会の方に伺いたいと思います。

次に、太陽光発電協会の方には、資料の33ページですが、遵守すべき注意事項というものがあり、そこに「再勧誘に注意」ということが書いてあります。再勧誘に注意するのではなくて、拒否されたにも関わらず勧誘行為をすると法律違反になるわけで、もう少し厳格に、これは法律違反で行政機関から指導されたり、処分される恐れがあるので、絶対にしないにようにという厳格な表現で書かれたほうがいいのではないかと思います。

最後に自動車販売協会連合会の方に伺います。自動車が安全性の面からも継続的なメンテナンスや連絡が重要であるということは、私も十分認識しており、実際に我が家でも点検などの連絡をいただき助かっています。しかし、そのことは電話勧誘ではなくても、販売時に例えばメンテナンスの為の電話を望むのか望まないのかをきちんと確認していれば、電話勧誘販売には当たらないのではないかと思いますので、その点をお聞きしたいと思います。

以上です。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○日本新聞販売協会石﨑副会長 新聞販売協会からお答えします。

まず、セールスマンとお店の従業員さんの割合ですが、これはお店によって、かなりばらつきがございます。あえて言うならば、私が経営しているお店の割合ですが、新規あるいは昔、とっていたところにまたとっていただくという割合でいくと、外注のセールスさんが2割、店内の社員さんが8割という比率で占めております。データはどうなっているかというと、何年何月から何年何月にとっていただいたというデータが残っておりますので、それに基づいて、朝日の次に読売をとって、毎日をとって、ぐるぐる回って、順番が来たら、またとっていただくというおうちが非常に多うございますので、それはデータに基づいて訪問させていただいております。

それから、これも個人店にかかわります。もう来ないで、あるいは来るなというお客様。1店で3,000軒としましょうか。あそこは営業しては絶対だめだよ、確実に行ってはいけないという指示を残しているのが3,000分の50軒ぐらいあります。そこはもう絶対行かない。ただし、私ども、たまたま朝日新聞を扱っておりますが、ほかの読売新聞とか毎日新聞の販売店には、その情報は当然のことながら個人情報ですので伝えられませんので、そのお客様はほかの系統の新聞にも同じようなことをおっしゃっているのかもしれません。

それから、ステッカーが張ってあるのに、行くのか行かないのか。うちの従業員で言えば、新規の訪問はしないようにきちんと指導します。ただ、先ほどもお話が出ていました、ステッカーを貼っているけれども、新聞はとっていただいているというおうちには、継続であったり、集金に伺うという普通の行為はしております。

以上です。

○後藤座長 太陽光発電様、お願いします。

○太陽光発電協会亀田事務局長 太陽光発電協会でございます。

先ほど、私どものほうの販売基準について御指摘いただきまして、ありがとうございます。法律の趣旨にのっとって、御指摘の部分を修正したいと思います。

ありがとうございます。

○後藤座長 次の自動車販売協会連合会様、よろしくお願いします。

○日本自動車販売協会連合会伊藤債権管理専門部会長 取引を開始するときに最初に御本人の希望を聞けばいいのではないか。確かにおっしゃるとおりだと思います。ただ、現実どうなっているかといいますと、3年、5年という長いつき合いですから、途中で変わっていくということもあるのです。今、何を心がけているかといいますと、DMにしろ、電話にしろ、幾らお取引のある人であったにしても、突然という感じは否めないと思います。

それで、今、メールにどんどん変えようとしています。メールが一番威圧感はないだろう。黙って来て、あける、あけないは本人の勝手ですから、お客さんに希望を聞いて、メールでよろしいでしょうか。結構ですよというと、メルアドをいただいて、今、そっちに変えていまして、できるだけ負担をかけないような、驚かないような、よりいいものはないのかというのを模索している最中です。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

それでは、先ほど手を挙げられていますので、よろしくお願いします。

○村座長代理 それでは、今までの質問と違う観点からの質問を新聞と太陽光発電の関係で伺いたいと思います。

その前に一言申し上げたいのですけれども、私の問題意識は、新規の顧客開拓といいますか、飛び込み勧誘をどうするかという問題意識だと思うのですね。ですから、牛乳の宅配とか新聞の宅配というものを否定するということではないと認識しています。そういう宅配は私も非常に便利に使っていますし、ないと困ると思っております。

ですから、宅配の業務とかいろいろな地域活動とか、新聞などの場合だったら、新聞講読契約を結んで宅配を入れていただいている。そういうときに地域の見守りにも参加いただいているということは、私が住んでいる自治体でも取り組んでいることですし、特養などでもそういう取り組みをしていますので、大変ありがたいことですし、重要なことだと思っていますので、決してそういうものをやめるべきだという意見を私は全く持っているわけではありません。今まで伺っていると、少し混同するようなお話があるような気がして、論点がぼけてしまっては困るので、一言申し上げておきたいと思います。

それで質問ですけれども、太陽光発電の関係で、資料の通し番号で26ページ、太陽光発電のスライドの番号で6ページになりますけれども、住宅用の太陽光発電システムの場合には、訪問販売による契約が30%程度で、ということはそれ以外の契約が70%ということだろうと思いますので、この訪問販売以外の70%の契約というのは、どういう経過で消費者の方と契約することになるのか。要は、これは販売促進のためのどんな取り組みをしておられるのかということともかかわる問題だと思うのですが、それを教えていただければありがたいと思います。

それから、新聞の関係ですけれども、これは入れかわり立ちかわり、いろいろな方がお答えになると時間がすごく押してしまうので、どなたかおわかりになる方にお一人だけお答えいただければと思うのですね。

まず、私にとっての新聞ということから申し上げると、訪問販売に来た人からとって、互い違いにいろいろな新聞をとるという行動パターンは全然考えられない話で、読みたい新聞があるものですから、引っ越しをした場合も新聞販売店を探して、この新聞をあしたから入れてくださいという形でお願いして入れてもらっています。息子もそうです。我が家はそういう新聞のとり方をしていて、訪問販売でとったりしない。要するに品質で選ぶといいますか、そういう選び方をしています。ですから、私の身の回りでもそういう新聞のとり方をしているという方は幾らもたくさんおられます。

ここで私が新聞の関係で伺いたいのは、飛び込みセールスで契約をとる割合と、今、私が申し上げたような、この新聞がとりたいからということで積極的に消費者のほうがとる形のものと、データはとっておられますかということ。もしデータをとっておられるのだとすれば、割合はどれぐらいになっていますかということを、もしおわかりでしたら教えてください。

以上です。

○後藤座長 それでは、太陽光発電様、よろしくお願いいたします。

○太陽光発電協会茅岡企画部長 住宅の場合は、新築と既築、両方に搭載いたします。新築が今4割ぐらい、既築に対して6割ぐらい搭載しており、新築の場合は初めて建てるわけですから、注文住宅あるいは建て売り等は最初からついている、あるいは住宅自体の商談時にどうされるかということになりますので、訪問販売等は関係ない。それが4割ございます。残り3割は訪問販売で、おおよそですけれども、住宅のセールスマンに紹介されて搭載される方が結構多くて、これが1割ぐらいでございます。

あとの2割は、大きなスーパーのようなところでイベントをしたり、あるいは自治体でイベントをされますので、そこの中で、チラシに興味のある方に対して、後日、訪問あるいはいろいろな連絡をとって、そこで説明して成約するのが2割ぐらい。およそこのような状況です。

以上です。

○後藤座長 それでは、新聞でどなたかお一人、よろしくお願いします。

○日本新聞販売協会石﨑副会長 村様にお答えします。

ずっと新聞をとっていただいて、契約しないで、私はこの新聞が好きだから、この紙面が好きだからという方の割合ですが、これは各社新聞によっても非常に違います。これも私のお店のということで御了解いただきたいのですが、紙面が好きでずっと読んでいただいているお客様の割合は20%から40%。私の店では、中間の30%ぐらいなのかなと思います。

それから、同じ新聞を三月あるいは6カ月、1年サイクルで、そのかわりずっととってあげるよ。でも、顔は出してねというお客様は約4割いらっしゃいます。

それから、いろいろな新聞を交代でとっていただく方、これが飛び込みという範疇に入るかと思います。これもお店によってさまざまでございまして、20%から40%という割合をお店の中でも占めているのかなと思います。

それで、例えば日経新聞の場合はかなり専門度の高い新聞ですから、契約というよりはずっととっていただいている方が多うございます。それから、各県紙がたくさんございます。北海道から琉球新報までございます。そういう新聞で言えば、ずっととっている割合が8割、9割あるいは95%という形でいて、契約でたまに全国紙をとってみようかな、ちょっと違う情報が知りたいという方が交代でとるケースがありますが、その率は非常に少ないと思います。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

○松永牛乳松永代表取締役会長 質問はされていないのですが、よろしいですか。

○後藤座長 どうぞ。

○松永牛乳松永代表取締役会長 松永牛乳と申します。

先ほど、新聞や牛乳の宅配の効用について御理解いただき、感謝しております。

先ほどの、引っ越ししたときにこの会社の牛乳がとりたいからと積極的に消費者の方からアプローチがある割合という問題ですが、私どものようなローカルの牛乳で言いますと、引っ越しされてきた方から私どもに電話が来る確率はゼロです。引っ越しされてきた方は大手さんのメーカーしか知りません。ですから、私どもが引っ越しされてきたようなお宅に訪問販売して、サンプルを届けて、いかがでしょうかと言わないと契約が成り立たないというのが、我々地方で牛乳屋を営んでいる者の実情であると思っております。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

先ほど丹野理事、手を挙げていらっしゃいましたが、何かございますか。

○国民生活センター丹野理事 新聞協会様のほうでガイドラインをお出しになった以降について、件数が減っていないということを申し上げたくて手を挙げさせていただきました。私どもの要望を受けて、新聞協会様のほうでガイドラインをおつくりいただきまして、それを各販売店のほうへ周知されていることは重々承知しておりまして、御協力は大変感謝しておりますが、だからといって件数は減っていないというのが現実でございまして、それについてちょっと申し上げようと思いました。

先ほど、もう既にどなたかおっしゃっていただいていますので、屋上屋を重ねるようなお話ではありますが、件数が1万件を超えている状態がまだ続いております。内容のほうも、長期契約と高額な景品につきましては、以前に比べて7年、10年等の長期契約は見られないものの、認知症ぎみの88歳の方に3年契約、80歳の方に2年後から5年間などの長期契約をさせている事例がまだ見られます。景品のほうも、洗剤、米、カタログの配付などが見られ、過去に長期契約を結んだ案件の解約時に、景品等代金を返すように迫られる事例は、残念ながら相変わらずございます。

それから、ガイドラインで解約に応じるべき場合と規定されている死亡とか入院などの事由があっても、御家族がいらっしゃれば、そのまま引き続きとってくださいとか、相続してくださいとか、景品を渡しているからという理由で解約を拒否する事例がたくさんございます。

それから、契約者が記載していないのに講読契約書に記載があるという、その手の面妖な事例も見られます。

それから、勧誘の目的を告げずに訪問して強引に勧誘する。例えば引っ越し祝いとか、それから、過去に契約してくれた人にお礼を配っていますということでドアをあけさせて、受け取ったら契約に持っていくという勧誘が行われているという状況でございます。自宅が知られているので、執拗な勧誘には精神的に追い詰められているような状況もありますということを申し上げたかったわけでございます。

○後藤座長 ありがとうございました。

それでは、先ほど手を挙げていらした沖野委員、よろしくお願いします。

○沖野委員 ありがとうございます。非常に有用な情報提供をしていただいたことに、まずお礼を申し上げたいと思います。そのうえで、若干教えていただきたいことがございます。

その前に、これは村委員が御指摘になったことですけれども、私も今回、いろいろな御意見を伺っておりまして、一方でおよそ訪問禁止と捉えられているように思われるところがあるように思いました。しかし、ここでの問題は、不意打ち的な勧誘ということですので、およそ訪問によるビジネスというものを禁止するということではなくて、これまで接触のないところに訪問という形で、しかも自宅や生活の場所で対面の応接を強制するということが、販売等の態様としてどうかということだと考えております。

今日のお話の中ですと、例えば自動車販売協会連合会様ですとか髙島屋様のお話をお伺いしますと、むしろ既に契約のある方のアフターサービスの問題であったり、あるいは新規のものにつきましても、例えばイベントなどで連絡してもいいですかという意向を聞いた上で行っておられるということですから、それは今回、問題としていることではないと思います。まして訪問ということになると、威圧感ということもあるので、なるべくそれのないような方法を考えておられ、また最初の意向確認に努めておられるということをうかがって非常に心強いものだと思いました。ですので、その問題は分けて考えるべきだろうということを改めて申し上げたいと思います。

それで、私自身、疑問に思っておりますことは、不意打ち的な飛び込み的な新規の勧誘ということはどこまで必要なのかということで、それも二通りあると思っておりまして、事前拒否の意思が表明されている。それがステッカーなのか、ステッカーの中にも、例えばお名前を出して恐縮かもしれませんが、新聞勧誘はお断りですとか、特定してステッカーが張ってあるとか。そういう事前の意思表明をしている場合と、そういうことがない中で飛び込みをするという、この2つも分けて考えるべきじゃないかと思っております。ただ、いずれにせよ、応接を強要されるということは同じ問題があると思っておるのですけれども。

そうしたときに気になっておりますのは、飛び込みで対面で勧誘の形で応接を要求するという方法でないと展開できないのかということでして、松永牛乳様からはそうでないとなかなか難しいのだということを言っていただいたと思っておりますが、他の業態の方につきまして、特に新聞については、これもまたさまざまな商品訴求、商品と言うこと自体が抵抗があるかもしれませんが、公共の役割を持った新聞というものの有用性をまず試してもらってから契約してもらうという試用紙、試用期間を設けているということであるとしますと、飛び込みで勧誘しなくても、お試しになりませんかということで案内とか見本を入れておく。それで、御関心があればこちらにお電話くださいということで十分じゃないかという感じがいたします。

村委員からの先ほどのご発言は、全く飛び込みで勧誘するという新規の契約と、継続であるとか、顧客のほうからこれにしてくださいとか、あるいは既存の契約があって、その中で次はこれにしますというのは、今回の話とは全然違う話ですので、そういうものを除いたときに、本当にここで問題としているような新規の飛び込みでの勧誘による契約というものが、どのぐらいのパーセントあるのかというのがご質問事項であり、現状の問題だと思うのです。

さらに、それでないと本当にいけないのか。むしろ100年以上にわたる勧誘行為ということで、その歴史のために、そういうことになっている面があって、現在の商品や販売方法の多様化などからすると十分改善できることではないのかという気もするものですから、その点についてお考えをお聞かせ願えればと思います。できればお一人でお答えいただければと思います。

それから、太陽光発電のほうにつきましても、実際に状況を見てでないとお勧めできないというのは非常によくわかったのですけれども、そうだとすれば、お宅はこういう形状ですので、よろしいのではないですかという案内を入れておく。その上で御関心があればお電話くださいというメモなどを入れておくというやり方もできるように思うのですが、それをその場で応接を求めるとか、ましてや事前拒否の表示がしてあるところにも、さらに行くということが本当に必要なのか、理由があるのか、それでないとできないのかというのは疑問に思うものですから、その点についてどうかというのをお聞かせ願えればと思います。

○後藤座長 ありがとうございました。

それでは、新聞の方、よろしくお願いいたします。

○日本新聞協会山口理事 山口のほうからお答えいたします。

飛び込みセールスが必要かということですけれども、我々としては必要であると考えております。新聞は、おっしゃるとおり、百数十年の歴史がございますけれども、その間、店頭に並んでいて、そこで買っていただくということではなくて、戸別訪問によって読者を勧誘して普及を図ってきたという長い積み重ねがありまして、新聞販売所において、これまで磨いてきた普及の仕方というのは訪問販売である。そこが軸になっているということなのですね。

それで、断られた場合に再勧誘には行かないという点は墨守しなければならないと思っておりますけれども、ステッカーによる事前の拒絶で全て飛び込みが制限されるという事態は、新聞協会あるいは新聞販売協会としては反対したいという考えであります。

○沖野委員 ステッカーが適切な意思表示かという問題はあると思います。例えばステッカーで新聞はお断りですと特定して書かれていても、それはなおビジネスに行くというのが、特に消費者保護に一定の力を発揮されてきた新聞のお考えなのでしょうか。

○日本新聞協会山口理事 登録制というところがこれまでどういうふうに議論されているのか、こちらも正確に承知しているわけではありませんけれども、ステッカーによる勧誘の拒絶が無制限に拡大していくという事態は恐れているところです。苦情が発生しないような勧誘の仕方をより徹底しなければならない。再勧誘の禁止に関しては、墨守をしていかなければならない。それから、悪質業者の排除、懲罰といったところは、強化について、私どもとしてもそうしたものは推進すべきであろうという考えではありますけれども、今おっしゃられた事前の拒絶をシールによって行うという点に関しては、非常に大きな心配を抱えております。

○後藤座長 先ほど飛び込み勧誘で締結した契約における割合という数字の話も出ておりましたが、その辺についてはお示しいただくことはできますでしょうか。

○日本新聞協会寺島販売委員会委員長 何軒飛び込んで何軒契約できたか、数字がとらまえられないというか、今、手元にはないので、ちょっとお答えできないですね。

○沖野委員 申しわけございません。何軒飛び込んで、そのうち成約に至ったのが何軒かではなくて、新規契約のうち、そのルートがどうかということです。また後ほどお示しいただければ。

○後藤座長 今でなくても、後に示していただくということでよろしいでしょうか。なかなか難しいことなのでしょうか。

○日本新聞協会寺島販売委員会委員長 協会全体でお答えというと、なかなか難しいので、特定のモデルといいますか、その辺ではお答えできるかなと思いますので。

○後藤座長 それでは、可能な範囲でよろしくお願いいたします。

○日本新聞協会寺島販売委員会委員長 はい。

○後藤座長 はい。太陽光発電様は後で御発言いただきます。今の関係ですね。

○消費者委員会石戸谷委員長代理 はい。済みません。今の話の関連ですけれども、勧誘して勧誘を受けたくないという意思がはっきりした場合には、後は勧誘しないという形で墨守しなければということで、そこは全般的に共通認識があることかなと思うのですが、勧誘されたくないという意思がはっきりしたら、以後、勧誘しないというのであると、事前に勧誘を受けたくないということに対して、そこに勧誘しないというのはもう一歩の違いだと思うのですが、そこが何が違うのかということをお聞きしたい。

それと、ステッカーの方式がぐあいが悪いということですが、では、登録の形の訪販お断りの意思を明らかにするという形であればいいのかという点。

それから、ステッカーの場合、メリット、デメリット、先ほど消費者庁のほうから御説明ありましたけれども、勧誘されたくないという方にもいろいろな事情がありまして、病気で寝ている方、けがの方、加齢で足腰が十分動かない。私の身近なところでも、手術後のリハビリで、電話に出たり、玄関に行くこと自体でふらついて、見ていて非常に危なっかしいと。そういう状態で勧誘を受けたくない。家の中を動く自体が困難を伴うような方も多くおられるわけで、そういう事情は一切無視して、とにかく玄関に出てきて意思を明らかにしろということでなければいけないのかというのが、ちょっと疑問なのです。その点、なぜそこまで消費者側がその負担を強いられなければいけないのか。その点をお尋ねしたい。

○後藤座長 よろしくお願いします。どなたがよろしいでしょうか。はい。

○日本新聞協会練生川販売委員会副委員長 うちの中で歩くのも困難な方を呼びつけて、その意思確認をするということですけれども、多分そうしたことはまずないと思います。というのは、飛び込み営業という言い方を問題にされていますけれども、飛び込みでぽんと行って、新聞、どうですか、購読してくださいというやり方はやっていないと思います。まずは、先ほど山口さんのほうから説明がありましたけれども、試読紙を配付して、しかも御理解いただいた上で了解試読という形に持っていきます。その後の訪問は、あると思います。でも、そのときに面談を強制するとか強要するということは、私の知る限りはないです。

それよりも、今は集合住宅がふえていて、オートロック式がありますし、なかなか面談できないということがセールス、営業活動の一番の障害になっていますし、もちろん、その前提でロックを解除してお会いした方には、きちんと商品を説明して新聞の魅力を伝えるということを地道にやっております。無読、無購読層と我々、呼んでおりますけれども、なぜ必要かと言われても、新聞の部数というのは年々減少しておりまして、業界として大変危機感を持っていまして、無購読の方に新聞を読んでいただくという営業活動は大変重要だと思っております。手をこまねいて、新聞をとりたくない人に無理やりセールスということではなくて、魅力を伝えることで少しでも新聞購読者をふやそうという努力です。地道な努力ですから、その辺御理解いただければと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

○消費者委員会石戸谷委員長代理 前段の答えがないように思うのですけれども、シールじゃなくて、登録の場合はいいのですか。

○後藤座長 再度御質問がありますので、その御質問。

○消費者委員会石戸谷委員長代理 意思がはっきりしていればということであれば、事後も事前も変わりないと思うのです。シールの形態は納得いかないと先ほどお話があったのですが、登録の形態であれば、それでいいのかという、そこの点についてお答えがなかったのですが。

○日本新聞協会寺島販売委員会委員長 これからどういう形になるのかわかりませんけれども、現在も先ほど言いましたけれども、シールが張ってある、張っていないは別にして一度営業に行きまして、うちはこういうことだから、もう来ないでねというところは、販売店のほうで営業禁止ということで行かない。

ただし、発展地とかですと、読売さん、朝日さん、日経さん、毎日さん、産経さん、東京新聞とか、6店ぐらいの販売店があって、先ほど言いましたけれども、それが全部横で個人情報を流すわけにはいきませんので、新しくおうちを建てたりしたら、すぐ営業に行って、そこでもう来ないでねというのを6回言わなくちゃならないというのは事実でしょう。ただ、言われたところへ改めてもう一回行くというのは、こちらも商売ですので、そこでお客様に怒られるような営業で何度も行くということは、あり得ない、また行ってはだめだよと指導しているということです。

○消費者委員会石戸谷委員長代理 お答えいただいていないのではないかと思うのですけれどもね。

○日本新聞協会山口理事 登録制に関してどうかということじゃないかと思いますので、それに関しても賛同はできないということが私どもの意見であります。その理由というのは、意見書にも書きましたけれども、新聞の勧誘の現場ではさまざまな接触のやり方があって、断られたけれども、とっていただくということも現実には多々あるのですね。それは、強引なセールスをしてということではないと思います。

それが必ず強引だという前提に立ってしまうと、一旦断られたら、もう二度ととらないということになるのでしょうけれども、そうではなくて、とっていただくというところまでこぎ着けることも多々あるのが新聞という商品の現実なので、事前の規制というものが強化されるのは、過剰な規制になっていくのではないか。新聞販売所の活力を必要以上に奪うことになるのではないかということを非常に懸念しているところです。

○消費者委員会石戸谷委員長代理 済みません。今の話は、断っても、その意思を尊重していただけないわけですか。そういうふうに聞こえるのですが。

○日本新聞協会山口理事 そうではなくて、断られ方もさまざまあって。笑わないでくださいね。真面目に話しているのですから。半年後にまた来てくださいと言われて、アポはないけれども、再び訪問する。その結果、そこで契約に結びつくということは多々あるわけです。

それから、先ほどから試読紙ということを言っていますけれども、試読紙を1週間入れて感想を尋ねに行く。これもアポなしで行くわけですね。そのときは、考えておくという反応、これを先ほど断られたと、つまり契約に至らなかったということで言ったのですけれども、明確な拒否があれば、それはまた違うと思います。そうではない、チャンスがあるかなというときには、再びお話をしに行くということはあり得るということなのです。いろいろと笑われていますけれども、当方としては真面目な商品を地道にやっているということは繰り返し申し上げているので、ぜひ笑わないで聞いていただきたいと思います。

○後藤座長 よろしいでしょうか。非常に貴重な議論の展開があると思っています。別に笑っているということは全然ありませんので、御意見を伺って、こちらとしてもいろいろ考えたいと思っています。どうもありがとうございました。

太陽光発電様のほうに移ってよろしいですか。それでは、沖野委員から太陽光発電協会様にも御質問が出ていますので、よろしくお願いいたします。

○太陽光発電協会茅岡企画部長 1つ目は、チラシ等でできないかということだったと思います。繰り返しに近くなるかもわかりませんが、太陽光が成約に至るまでには複数回の訪問が必要です。多いときは10回目ぐらいでやっと決まるということがある。というのは、大変難しいというか、ややこしい部分もあり、単体で売っているものではなくて、パワーコンディショナーとか架台が必要です。あるいは、先ほども話が出ましたように、屋根の形状がさまざまありますし、瓦の形もいろいろございます。例えばメーター瓦とか尺瓦とか。そういうことをこと細かく説明しないと、残念ながら太陽光を搭載しようというところまで至らないというのが現状でございます。

ですから、チラシ1枚で興味を持っていただければ大変ありがたいのですけれども、きっちり説明して太陽光のよさを知っていただくということが必要になりますので、訪問ということが必要になります。

もう一つ言えば、つけられた方の95%強が満足されております。それが訪問販売であろうと、あるいは先ほど言いました紹介販売だろうと、あるいは新築戸建でつけられても、皆さん、その程度の数字です。また、省エネルギーの意識もわきます。そういう意味で、大変いい商品ということを知らしめるのが残念ながら大変難しいというところで、例えば大手の家電量販店で太陽光を扱っていただいておりますが、全体の販売の1%あるかないか程度です。というのは、店頭で少しお話を聞いただけでは難しいので、そういう販売形態をとらざるを得ないというのが現状でございます。

以上でございます。

○後藤座長 ありがとうございました。

それでは、本日のヒアリングにつきましては、以上とさせていただいてよろしいでしょうか。

ヒアリング対象者の皆様におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとうございました。お話し足りない部分もあったかと思いますけれども、時間の制約がありまして、御容赦いただきたいと思います。率直に御意見をいろいろ聞かせていただきまして、大変参考になりました。どうもありがとうございました。

ヒアリングはこれで終了となりますけれども、ヒアリング対象者の皆様もお時間が許すのであれば、傍聴席にて我々の議論を引き続き傍聴いただけたらと存じます。

(参考人退席)

(3)意見交換

○後藤座長 それでは、ここから先は、これまでの御説明内容等を踏まえて、訪問販売、電話勧誘販売等の勧誘に関する問題について、特定商取引法の規制のあり方をどのように考えるか、残りの時間で議論を深めてまいりたいと思います。

なお、本日、2回目の御議論を行っていただくわけですけれども、本日の議論をもって当専門調査会における、この問題に関する検討を終了するということではなく、必要に応じて8月末の取りまとめに向け、さらに検討の時間を設けてまいりたいと考えております。

それでは、御意見、御質問等のある方は御発言をお願いいたします。佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 消費者庁さんのこの資料の6ページにあります商品・役務等別に見た契約金額・既払金額ということで、電話勧誘販売についてトップ20の商品・役務が出ております。この中に、特商法に入らないものとして3番目に商品一般とございますけれども、これの平均金額が468万円、既払金額が47万円、役務その他サービスが150万円。また、8番目にその他健康食品が6万9,000円。この辺から商品らしくなりますけれども、通販協会の平均商品単価は6000円です。これは、PI0-NETに入ってきたトップ20ということですけれども、これ自身は前回、私も申し上げましたけれども、いわゆる通信販売の商品ではなくて、非常に特殊な商品、マンションとかも含んでいると思うのです。

こういうトップ20がこうだということで、特商法そのものを変えて通販そのものを規制するということは、こういう悪徳業者という人たちは、私から見ればほぼ犯罪行為だと思いますので、法律を変えたとしても同じようなことをやってくると思うのです。法律を守るのは善良な事業者だけです。例えば現行法の電話勧誘というのは、過去1年間に2回購入した者への電話勧誘は適用除外です。そのほかは規制がかけられています。

ところが、先ほど髙島屋さんの資料にもありましたけれども、気づきの消費というものがあります。例えばおせち料理を売りたいということで、買った方に対して電話するわけです。そうすると、ちょうどいいときに電話をかけてくれた。例えば母の日に去年買った方に電話する。母の日は年に2回ございませんので、1回しか電話しないわけです。そういう意味では、2回ということに限ることは非常に厳しい規制だと思っています。むしろ、先ほど沖野委員のおっしゃっていたような、不意打ち的なものは排除するということであれば、既存のお客様、もしくはサンプル請求、資料請求された方に対しては、電話勧誘というのは非常に重要なセールス手段でございますから、経済活動の活性化という意味でも、むしろ規制緩和すべきではないかなと思います。

○後藤座長 野坂委員、よろしくお願いします。

○野坂委員 先ほど座長は、今日で終わるものではないとおっしゃいましたが、今日は宿題返しとヒアリングと、そして海外の事例と、非常に重いテーマばかりで、これを1日で仕上げるというのはそもそも無理があると思います。今日、何時までやるのかわかりませんけれども、当然、今日で打ち切りということではなくて、議論していただきたいと思います。その上で発言します。

先ほど業界のヒアリングを聞いておりまして、悪質業者と並んで健全業者も一蓮托生でたたく。要するに、過剰な規制で健全業者のビジネスを著しく阻害することがあってはならないということを、改めて痛感いたしました。被災地の牛乳とか新聞の配達あるいは自動車販売、太陽光、皆さんそれなりにいろいろな努力をされていて、あるいは自助努力で規制もやっていらっしゃるという説明がございましたけれども、健全にやろうとしている業者と、全く根っこから悪い、要するに詐欺的な連中と一緒にして議論するのは、そもそもおかしいと思っています。

そういう意味では、我々の最優先課題というのは、悪質業者を厳しく規制して高齢者などの被害を防ぐ、これが最大のポイントであって、消費者保護と健全な業者の営業の自由のバランスをとる。この原点に立って議論すべきだと思います。

その上で何点か申し述べます。今日の宿題返し。いろいろと書いてございます。前段のヒアリングでも議論になっていましたが、幾つか疑問点があります。

まず、第1に、2、3ページ。相談件数の話が先ほども出ていましたけれども、相談件数の中に問い合わせとか苦情とか、いろいろと混じっているわけですね。私は、相談件数というよりも、この相談件数の中に特商法違反がどれぐらい含まれているのか、あるいは相談を受けて事業者がどれだけ、どういう対応をした、あるいは実際に行政当局が処分した、その件数こそが重要であって、ふわっとした相談件数がどうだというのはおかしいと。

また、当初から我々が懸念していたとおりに、特商法の適用除外業種がピンク色で相当目立っている。インターネットの接続回線、ファンド型投資商品、公社債、株、マンションなどが電話勧誘販売の上位に並んでいるわけですね。訪問販売でも、同様に適用除外業種が並んでいる。要するに、適用除外業種・商材の扱いが現行のままでいいのかどうか、これをしっかり検証しなければいけない。今、特商法の適用業種ばかり議論していますけれども、データを見れば適用除外業種がこれだけ上位に来ている。実態がどうなっているか調べなきゃいけない。

同じことが5ページの契約金額・既払金のデータ。先ほど佐々木委員も問題にされていました。特に重要なのは、65歳以上の平均契約金額です。一番下ですけれども、特商法対象の契約金額173万円に対して、適用除外分が216万円。既払金を見ますと、特商法が52万円と、3分の1以下に減っているのに、適用除外分は余り変わらない198万円。この数字の差というのは、特商法の対象業者は、消費者の要請に基づいてクーリング・オフとか契約取消しなどで対応しているのではないか。それゆえに、この差が出ているのではないか。つまり、特商法がそれなりに一定の効果を発揮していることを示唆しているのではないかと思います。

これに対して適用除外分は、理由はわかりません。消費者への対応が不十分なためかもしれませんけれども、契約金額と既払金に余り差がない。こういうふうに数字を読むことができるわけですね。電話勧誘販売も同じです。事務局の見解をただしたいと思いますけれども、こういったこともあるし、もちろん契約金額あるいは既払金、イコール被害額ではないわけです。当然そうですね。

そうなると、ファンド型投信とか公社債、生命保険あるいは有線放送サービス、NHK、マンション、不動産、新聞、布団、全ての商材について商材別の被害額を示してほしい。どういう被害が出ているのか。その被害の多い少ないを見て、実際にどこに問題があるのかわかると思います。その問題を踏まえて、具体的に法改正、何が必要なのかを考えるべき、それが筋だと思います。

私、第4回の専門調査会でも発言して、繰り返しになりますけれども、特商法の見直しを考えるのであれば、特商法の対象業種に加えて、適用除外業種がどうなっているのかを見なきゃいけない。当然、適用除外業種の所管官庁、そして代表的な適用除外業種を今日のように当専門調査会でヒアリングして、ただすべきだと思います。なぜトラブルが多いのか、あるいは相談が多いのか。その点の実態を調べないと、こちら側ばかりいろいろと議論しても、適用除外分がかなり多い。

以前、山田課長が、特商法が規制強化されたら、いずれレベルが上がるような趣旨の発言をされていたけれども、実際、各省庁はどう考えているか、よくわからないので、本当にそうなのか。所管の業法も同時に規制強化をするのかどうか。その方針をこの調査会が聞くべきだ。聞かないと、我々の見直しの議論も進められないと思うのです。ぜひお願いしたい。ヒアリングの可能性について、ぜひ教えてほしい。

もう一つは、宿題返しで大変残念なことがありました。それは、私が質問した大変重要な個人情報保護策についての回答が全く盛り込まれていないわけです。私は海外の事例に関して、消費者が登録した情報がかえって悪質業者に流れているおそれはないのかどうか。そしてまた、どんな個人情報の保護策が海外でとられているのか、調べてほしい、教えてほしいとお願いしたのだけれども、何も書いていません。その後、第4回専門調査会の後、これはたまたま日本年金機構の大量の情報漏れが発生して、我々が今、一番手を差し伸べようとしている高齢者の方々が個人情報の漏洩、悪用に大変懸念を持っていらっしゃるわけです。

それだからこそ、海外の事例を参考として出すならば、個人情報の保護がどういうふうに海外で行われているのか。また、万が一、情報が漏れた場合に、どういう対応を海外でしているのか。それを示していかないと、我々が検討する際、海外がいいのかどうかわかりませんよ。大体、日本の国柄とアメリカは違うと前回も言いました。今日も牛乳の話をされたけれども、先日、テレビで富山の薬売りが訪問して大変頑張っていらっしゃるというニュースも流れておりました。要するに、日本の場合は訪問販売の歴史が長いわけです。歴史のない、治安の悪いアメリカを事例に、しかも個人情報保護策の実態も紹介されていないで、グローバルスタンダードだからやりましょうという議論はおかしい。

そしてまた、日本で登録制をなさるというお考えであれば、今の段階で事務局はマイナンバーとのひもづけを考えていらっしゃるのか、あるいはマイナンバーとは別の新しいものを考えようとしているのか、これも教えていただかないと高齢者の方には大変不安だと思います。

そして、アベノミクス。20ページに回答めいたものが出ていますけれども、私が聞いたのはこういうことではない。消費者基本計画になぞって書いてあるので、真正面から答えていません。私が聞いたのは、過剰規制で健全な業者の営業の機会を奪うことになるのかどうか、過剰規制をするのかどうか、それについて考えをしっかり示してほしい。要するに、事業者の営業活動の機会を確保するとか、ビジネス環境の整備をするとか。安倍政権は公約しているわけです。雇用拡大、地方創生、中小企業・ベンチャーの育成といったことをうたっている中で、この検討ではそういったものと全く反対するものをやるのか、やらないのか。健全業者が潰れたり、雇用を奪われて失業がふえても構わないと思っているのかどうか。それを質問したのであって、回答になっていない。

これは山田課長というよりも、経済財政諮問会議を担当していた服部審議官にぜひ御回答いただきたいと思います。

時間が足らなくて、あと30分も1時間もしゃべりたい、質問したいことがありますけれども、とりあえずここでやめますが、ともかくいろいろと難点・問題、山積でありますから、しっかり回答していただきたい。

○後藤座長 山田課長、よろしくお願いします。

○消費者庁山田取引対策課長 お答え申し上げます。

まず、1点目、問い合わせなどが混じっているのではないかというお話でございます。これは、たしか第2回でも同じやりとりをしたと思いますので、簡単に申し上げさせていただきますが、センターで受け付けるものというのは、相談の中で苦情と問い合わせと要望というものがあります。これは、苦情の合計でございます。

それで、苦情として入力されているものには、問い合わせのような形をとっているものもございます。ただ、それは純粋な問い合わせということではなくて、事業者に対する苦情がベースにあって、その表現の仕方として問い合わせという形になったものについては、これは相談者のほうが苦情ということで、そういう印象を受けた場合には分類するということでございまして、これは丹野理事から第2回に申し上げたことなので、もうこれ以上繰り返しません。

その次は、こういうPI0のデータをあげて、それは変なものが混じっているという前提でPI0のデータを引っ張ることはいかがなものかということでございました。私ども、特商法処分のものとか刑事摘発のデータもお示しした上で、PI0もお示ししているところでございます。PI0の件数というのは、何の理由もなく消費者が消費生活センターに駆け込んだりはしないだろうということで、PI0のデータ自体が一つの世の中の流れを示すものだということで、従来からコンセンサスはあったと思います。新聞各紙、読売新聞においても、通常被害の状況などをPI0を引っ張って報道もされているわけでございまして、そこは新聞の報道の現場でもPI0については一定の信頼が得られているものと思っております。

それから、3番目の御指摘、ピンク色のものが目立っていますねということを3ページについてお話されました。これは、ピンクは適用除外ということではなくて、適用除外に該当する可能性があるものということでございますので、※印が書いてあるものは注でも書いてございますけれども、例えば有資格者が売れば金商法違反、無資格者が売れば特商法違反になるものでございます。これは、便宜的に半々に割っていますけれども、私どもの印象とすると、実はこれは有資格者が売るようなものよりも、無資格者のほうが苦情の中身は多いのだと思いますけれども、そこは便宜的に半々で割っているということでございます。つまり、ピンクが目立っているということではありますけれども、それを足し上げたものは4ページのようになるということでございます。

それでお答えが足りなければ、おっしゃってください。

その次が、既払金額が平均ベースだとなぜ特商法適用だと下がるのかというのは、今、にわかにはわかりませんので、そこの部分は、今日御出席されている方でもしおわかりになる方がいれば、ちょっと教えていただきたいし、わからなければ宿題として引き取ることになりますが、私の理解が間違っていたらどなたか訂正していただきたいのですが。既払金額というのは、相談が持ち込まれた時点での既に払ってしまった金額でございまして、後にクーリング・オフされたものが既払い金額から除外されるということではないのではないかと理解しております。

その次、適用除外の所管省庁や、その事業者を呼ぶべきだということでございます。ここについては、そのような要望があるということは、明確な形だったかどうかはよく覚えていませんが、前々回もそういう趣旨の御発言があったことは記憶してございます。この点については、我々特商法で何をやろうとするのか自体がまだ決まっていない段階で、ほかの役所の人を呼んでも、まず特商法をどうされるのですかということになりはしないかと思う一方で、もちろんほかの適用業種の人たちが勧誘の問題について、どのように状況を認識するのかという一般論をお伺いするということにも意味があるかもしれませんので、こちらは座長と御相談して、どのような形にするかは考えたいと思います。

それから、個人情報保護については、前々回のときに野坂委員から御指摘がありましたけれども、問題点の懸念を議事録で確認しましたけれども、お示しされていて、明確に宿題という形では私ども、認識してございませんでした。今日の事前説明に先週お伺いしたときに、そういう御指摘をいただきまして、今日、この場で御指摘をいただきましたので、少しこちらも考えてみたいと思いますが、大変申しわけないのですけれども、個人情報保護と言っても非常に広うございますので、どの制度のどういうところについて、具体的に何をお調べいただきたいのかということを少しピンポイントで教えていただければと思います。また、それを知らなければならない理由というのも教えていただければと思います。

それから、マイナンバーとのひもづけについては、これは実効ある規制をどういうふうに組み立てていくかということでございますので、今後、議論の詳細の中で検討されていくことかなと思っています。

最後のアベノミクスの関係は、よろしいですか。

○消費者庁服部審議官 御指名ですので、最後はお答えします。

もちろん、規制によって産業というか、事業が日本全体として壊滅する、そうしますと、所得というのはある意味で大きな打撃を受けて消費がふえていかないということは、当然のことでございます。そういうことも踏まえて、ここでは事業者の営業活動の機会の確保に留意する。では、これを具体的にどういうふうに考えていくのかということについては、まさにこういうことを踏まえて、具体的に制度設計をどうしていくかという中で立ち戻りつつ、御議論いただければいいのかなと思います。

それから、私、前職は経済財政諮問会議の担当ではございませんので、それはちょっと申しておきます。

○野坂委員 追加で今、山田さんが言われた。

○後藤座長 ほかの方もたくさん手が挙がっていますので、また足りなければ後でということでよろしいですか。

○消費者庁山田取引対策課長 今、抽象的に質問をおっしゃっているので、少しそこを具体的に教えていただかないと。

○後藤座長 わかりました。それでは、質問の内容で抽象的だという、具体的にどこを調べるべきとか、調べなければならない趣旨、そういうことについての御質問が課長のほうから出ていますので、そこについてお答えいただけますか。

○野坂委員 短く。もちろん、山田課長が海外出張されて調べたアメリカで結構でございます。アメリカで、二十何ページか、3万6,000の自治体のうち、わずか40ぐらい、0.1%程度の自治体しか導入されていないということですけれども、わずかな自治体で導入されている中で、実際に消費者の被害がどれぐらい減ったかを見なければ効果はわからない。そのために、個人情報保護もどういう形で配慮されて、工夫されているのか。

また、行政コストがかかるというデメリットも書いていらっしゃるので、行政コストが幾らかかっているのか、事業者のコストは幾らなのか、消費者側のコストはどうなのかも含めて、費用対効果という意味で個人情報の保護にどれだけかかっているのかわからないと、全体の費用対効果の中で消費者の被害がこういうふうに減っているのだという具体的なものがなければ、それが参考になるのかどうかわからないと思います。それで質問したのです。

○消費者庁山田取引対策課長 まず、見解を少し訂正させていただければと思いますけれども、3万幾つの自治体の中で、ここに書いてあるものは全てではないということは、先ほど説明のときに申し上げたところでございまして、我々、ペーパーベースで判明した、わかったものを書いているということで、それは19ページの※印の頭のところで、消費者庁が現時点で確認しているもので、網羅的なものではないということは書いてございますので、全体の0.1%かどうかは、残念ながらわかりません。

それで、私が訪問したところでよろしいということであれば、少しわかっている範囲のものを整理してお示しすることはできると思いますが、個人情報保護に関しては、もちろんどの国にも法制があって、それが守られているということだと思いますし、私どもも3月にアメリカの3つの自治体に調査に行ったときに、個人情報保護ということでお話を、それを目的にお伺いしに行ったわけではないので、何回も出張に行かせていただけるわけでもないと思いますので、そこはできる範囲でというか、一般的なアメリカの情報保護のルールを紹介するにとどまる可能性はあるということは御容赦ください。

行政コストなども、基本的にお伺いしているのはいずれも基礎自治体でございますので、Do Not Callのほうは韓国できちんとお話を伺ってございます。これは、ナショナルですので、私ども、そういう意味では、わかった範囲を整理してお話を次回以降にやらせていただきますけれども、おのずから限度があるということは少し御容赦いただければと思います。

ありがとうございました。

○後藤座長 先ほど手を挙げていらっしゃった方は、野坂委員と山田課長とのやりとりで何か御発言したいという趣旨でしょうか。それとも別の問題点ですか。もし、今のことに関してということであれば、今、伺いたいと思いますが。増田委員、よろしくお願いします。

○増田委員 海外の情報については、ここで今後取り入れていくということについての参考と私は受けとめております。もし何か仕組みをつくるのであれば、それをいかに周知させるかということと、事業者さんのほうがそれをいかに遵守するかということで、効能効果というのは違ってくるかと思いますので、海外の効果ということがどれほど役に立つかということは、ちょっと私は理解が及びません。

○後藤座長 では、池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 先ほどのやりとりの中で2点、申し上げます。

適用除外業種の調査、ヒアリングが必要じゃないかというお話がありましたが、消費者庁からの報告の中でも、訪問販売で言うと78%が特商法適用対象の相談事案である。電話勧誘販売でも54%がそうである。しかも、この2つの分野は許認可制のない分野ですから、その分野について、真っ先に入り口の勧誘行為の規制を入れざるを得ないという分野であると考えるべきだと思います。

そして、それ以外の分野は放っておいていいというのではなくて、それ以外の分野についても、考え方としてはじDo Not Callなり、新しい制度を一挙に同時に入れるのか。仮にそこまで一挙にじゃなくても、それぞれの法令について実態を調査して対応を求めるということではないかと思いますので、その点の結論が出なければ全体の導入の可否が決められないという議論は、ちょっとすりかえになってしまうのだろうと思います。

それから、個人情報保護策との関係というので、リストが流出するというお話、それとの兼ね合いで先ほど御指摘があったかと思うのですが、Do Not Call、Do Not Knock制度には、リストを販売業者に提供して、販売業者がチェックする方式と、最近はいわゆるリスト洗浄方式、事業者が拒否者のリストを見るのではなくて、保有する機関に販売業者自らのリストを提供すると、電話をしてはいけないところを落として返すという方式であれば、個人情報保護の問題は大きく改善されるだろうと思います。その意味では、今後の制度設計の議論の中で、それは解消されるものと思います。

ちなみに、机上配付で申しわけないのですが、参考資料3ということで、オーストラリアとシンガポールにおけるDo Not Call制度の調査報告、これは近畿弁護士会連合会が今月末には確定させて印刷して公表できるということなのですが、無理をお願いして、今日に間に合わせたという意味で机上配付にとどめさせていただいたのですが、この中では、オーストラリアもシンガポールも、登録した人については、電話がそれこそ半減しているとか、実効性が上がっているという評価も中に細かく記載されています。その意味では、実効性といっても、この制度で何件減ったというよりは、現実にそういう苦情が減り、あるいは消費者としてもそれを評価しているというところ。

あるいは、この中には、事業者の側も当初危惧した、販売員なり電話をかける者が失業するのではないかという話でしたが、むしろチラシを入れたり、問い合わせをくださいというので、その問い合わせの対応者として、かなりは確保されているとか、そういう事業者にとってのその後の状況というのも報告されていますので、こういうものを参考にしていただければいいのではないかと思います。

○後藤座長 ありがとうございました。

花井委員も手を挙げていらっしゃいましたね。

○花井委員 先ほど山田課長が言われた特商法対象と特商法対象以外の既払金のことをまず少しお話したいと思います。5ページの契約金額と既払金が特商法と特商法以外で逆転していることについて、私のイメージで申しわけないのですが、現場で相談を受けている者として申し上げます。
特商法以外の事例は、ファンド型投資商品など、金額がかなり多いもので既払いが大きくなっています。これらは、ほとんどが詐欺的なもので現金で全部渡してしまっている現状があると思います。一方、特商法対象で、高額なものというと、ソーラーシステムとか2番の工事・建築などが考えられますが、それらは一応きちんとした契約になっていて、工事ですと請負契約であったり、ソーラーであれば個別クレジット契約であったりするため、既払金額というのが低く抑えられているのではないでしょうか。その結果、全体として特商法以外の既払い金額が多くなって、特商法適用のものは既払い金額が少なくなっているということが言えるのではないかと思います。

それから、池本委員が言ってくださったので、そこにちょっと追加して発言したいと思います。私の方でも、参考資料4というのを用意させていただきました。これは、イギリスでのTPS効果について、私が理事をしています適格消費者団体Cネット東海の検討委員に愛知大学の上杉めぐみさんがいらっしゃいますが、彼女から、今年3月にイギリスに行かれた報告を情報提供していただきました。OfcomとかICOという、日本で言う国センとか消費者委員会のような国を監督する機関があり、そこが第三者機関のIpsos MORIというところに、TPSの実効性に関する調査を委託した結果が載せてあります。2013年11月から4週間、TPSに登録したグループとしていなかったグループに分けて電話での勧誘がどんなふうに変わったかを調査しています。もっとわかりやすいのが2ページ目の表になっています。1人に週平均、どれだけかかってきたかというのを表にしてあります。TPSに登録したグループは、全電話勧誘から生の電話、録音電話等もほとんど半減にしており、TPSに加入することがとても効果があるのではないかということが実証されています。

それから、マル2は同時期にICOというところに行ってヒアリングをされた結果をお示ししています。前回の議論と重なると思うのですが、イギリスでは2015年に民事制裁金を導入しました。しかしながら、民事制裁金の要件というものがすごく厳格だったものですから、実際は12件あったのだけれども、4件は裁判で覆されたそうです、今回、制裁金の要件の緩和によって、これから執行率も高まり、抑止効果も増すのではないかということですが、制裁金や執行だけではなかなか処理できないというヒアリング結果が報告されています。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、今のことに関連して、まだ御発言がある人。さっき河野委員も手を挙げていましたか。

○河野委員 先ほどのやりとりについて。

○後藤座長 あれば御発言ください。はい。

○河野委員 先ほどの御発言に関してですけれども、まずデータに関しては、ここに書かれているPI0-NETのデータというのは、消費者から見ますと、これはあくまでも氷山の一角であって、これ以外に少額である等の理由で泣き寝入りしている消費者は、実際は山のようにいるということを御確認いただきたいというのが1点目です。

それから、2点目としまして、消費者基本計画に消費者志向経営という言葉が書かれました。先ほどからアベノミクスという言葉で経済成長は重要だという発言がございますが、経済成長を図るには、何も事業者の方々の事業環境をよくするということだけではなくて、消費者側がそれを受け入れて、しっかりと正当なマーケットが形成されるということだと思います。そうしますと、今回のテーマになっています勧誘の方法に関しましても、消費者側の受けとめと事業者側の受けとめというのは大きく差があります。では、その差をどうやって埋めていくのか。細かいデータの問題というよりも、大きく消費者志向経営というところ、今後の社会状況に関して、消費者側とどの点でコンセンサスを図っていくかというところで、ぜひ前向きな議論を今後していっていただければと思っております。

先日、私はあるセミナーで某有名メーカーの現在はトップを降りられている方のお話で、非常に感銘を受けた言葉があります。「重要なのは、企業の考える常識というのは果たして常識かと問い直すことである。平均点の対応は、落第点であるかもしれない。平均点を目指していては、お客様の満足は得られない」という言葉がありました。今後に向けて、消費者側にとって、どういう取引の形というか、最初の訪問の形がいいのかということで、ぜひこの場ではよい知恵を出していただきたいと思います。

○後藤座長 手を挙げている方は、今、展開されている問題に関してですか、それとも別の問題ですか。

○杤原委員 一緒です。

○後藤座長 よろしくお願いします。

○杤原委員 河野先生がおっしゃられたのは、そのとおりだと思っています。今日の自販協の伊藤参考人も、何をもって議論されているのか、よくわからないとおっしゃられています。河野先生も立場によって景色が違うということをおっしゃられていました。それゆえに、私は一般論とか感情論とかイメージで本問題を議論すべきではないと、第1回の調査会のときから申し上げてきております。その議論の根拠になる数字として、いつもPI0-NETが出てくるものですから、PI0-NETについて中身を分析して、ぜひ示してほしいというのが私の一貫したお願いでございました。

認知症の病歴を持つ方を含めた高齢者が被害に遭われているということですから、その人を救うというのがこの調査会のコンセンサスになりつつあると思います。救うべき大宗はそういった方ではないかということだと思います。翻って、問題を引き起こしているのは誰かということを特定しないといけないわけでありますそれゆえに、引き合いに出されるPIO‐NETの中身を分析していただけませんかというお願いをしていたわけでございます。今日、いろいろ分析していただきまして、ありがとうございます。

ただ、分析していただいた内容を見ますと、先ほど来議論がありますように、特商法の対象になっていない業種が多いのではないかと思います。それから、私が一貫して御質問していましたのは、4ページにあります訪販・電話勧誘の中の特商法の相談が、これについては適格消費者団体、それから相談センターの皆様が真摯に対応していただいて感謝していますということも一貫して申し上げておりますけれども、例えば訪販の特定商取引法の適用になっている平均が4万5,000件、それから電話勧誘販売の平均が3万2,000件、この中身をぜひ教えていただきたいということをお願いしているわけであります。なぜならば、法律のすき間があって解決できない問題が何件あったのか、法律で違法とわかっていながら解決しない、いわゆる不作為の部分が何件あったのかを明らかにする必要があるからです。

有山先生が、警察のほうに頼んだけれども、取り合ってもらえなかった、あるいは優先順位があるので順位を下げられているとよく言われていますけれども、こういったものは正直言いますと行政の不作為ではないかと思っております。これらは、決して現行の法律で解決できない案件ではないのではないかと、かねてから質問しておりました。不作為なのか、法律のすき間の案件なのか、ぜひここのところを分析していただきたいということを一貫してお願いしてきているところです。

PI0-NETは完璧じゃないとおっしゃられていますけれども、これだけすぐれたPI0-NETの仕組みであるのであれば、当然最終的な処理の結果がPI0-NETの中に書いてあるのではないかと、普通は一般的に思いますので、この辺をぜひ教えていただきたいということであります。

2点目は、私も野坂委員と同じ考えを持っておりまして、5ページ、6ページ、7ページと進んでいきますと、特商法の対象になっていないと思われる業種が上位に出てきておりますが、その業種については、ほぼ監督官庁があります。例えば建設業であれば500万円以上の工事をするものであれば許可制になっています。通信業者であれば、当然許可制とか登録制になっております。であるならば、もし不適切なことをしているということであれば、許可制・登録制の監督官庁がきっちり監督できる余地があるのではないかと普通思うわけでありまして、野坂委員の御質問はそういうことだったと思います。総務省や国交省が、その事業者の方たちにどういった御指導をされているのか、ぜひ聞きたいと思います。

消費者団体の皆様が警察が取り合ってくれないと言われています。明らかに違法であるならば、取り合わないほうがおかしいと思っております。解決してくれないと名指しされている警察の皆さんにもぜひこの場に来ていただいて、法律的にできないのか、マンパワーでできないのか、そういったところをきっちり御説明いただかないと、議論が進まないのではないかと思っております。決して被害を受けている方がいないとか言っているわけではなくて、立法の議論をするのであれば、きちんとしたデータにのっとって議論しないと結論が出ないのではないかということであります。

3点目は、座長でございますが、5月27日に本調査会が開かれましたときに、前日に読売新聞さんに、本調査会で口どめをされた内容が報道されております。我々は5月27日の本調査会において、「非公開資料については回収させていただきます、お帰りの際は机の上に置いておいてください、もし漏洩すれば、国家公務員法に基づく守秘義務違反となります」という御指示があったかと思いますけれども、なぜゆえに前日の読売新聞にその内容が出ているのか、そこはぜひ御説明をお願いしたいと思います。

今回の会議でも、石戸谷先生のほうから、事業者の参考人の方にステッカー制や登録制の質問がありましたけれども、我々は、調査会でそれを決めたつもりはございませんので、なぜそれを前提にした御質問をされているのか不思議に思っておりまして、この辺についてもぜひ御説明をお願いしたいと思います。

○後藤座長 今、座長にということの御質問で、意味が全くわからなくて、どういう状況なのか。座長にということですと、特別、何か私が情報提供したということなのでしょうか。全くそれはありませんので、どういうことをお聞きになっているのか、全く理解不能です。5月27日、読売新聞、それも今、初めてお聞きしたことでわかりませんので、ここに座長に質問と言われること自体が心外というのでしょうか、どういう趣旨なのでしょうか。

○杤原委員 では、撤回いたします。事務局のほうへの御質問といたします。

○後藤座長 事務局でお答えできるならば。

○金児企画官 そのときの新聞の内容を確認して、また座長にも相談して、お返事差し上げたいと思いますので、ちょっと検討いたします。

○後藤座長 新聞の内容は私、全くわかりませんけれども、さっき座長とおっしゃったのは、私の名前が出ていたとか、そういうことですか。

○杤原委員 いえ、運営でそういうことをされたのかなと、ちょっと懸念したものです。

○後藤座長 全く知らないので、これは議事録にも残ることですから、全くあずかり知らないことであるということですので、そういうふうにさせていただきます。

山田課長、よろしくお願いします。

○消費者庁山田取引対策課長 今、杤原委員から御指摘いただいた3点のうち、最初の1点目だけ私のほうから少し御説明いたします。

PI0の中身がわからないということを再三おっしゃっていただいていまして、私どもとしては、この論点を扱った3回にわたり、相当さまざまな角度から分析してきておりまして、これは類似の法改正のときの分析と比べてもはるかに一生懸命やっているということでございます。それでもまだ足りないということであればあれかもしれませんが、PI0-NET自体は、事業者と相談者のトラブルを監視する何か網羅的なシステムというわけでも何でもございませんので、私、霞が関に長くおりまして、さまざまな法改正を経験いたしましたけれども、これ以上のことはほかの法律でもやっておりませんし、難しいかなと思っています。

それで、多分御懸念の趣旨は、法律のすき間というところが杤原委員のポイントだったのだろうと思います。それで、そこの部分は、済みません、私の理解が間違っていたら教えていただきたいのですが、例えば刑罰の対象になっていれば、それは警察が行くべきだというのは、本当にそれはおっしゃるとおりで、私どもも執行の過程で悪質なものを刑事告発したり、これは刑事告発しようと思っても、なかなか受理していただけないとか。そういう意味で、日本が小さな政府であることの反射効果として、警察、特に東京の警視庁はマンパワー、リソースが現実として難しいというところがございます。地方の警察のほうがよく動いてくれるというところはございます。

そこは、霞が関の外からみれば、それは刑罰の対象にしたらとまるはずで、とまらなければ警察がおかしいということかもしれませんが、日本が小さな政府ということで、今まで行政改革を積み重ねて頑張ってきた中で、警察に頼ることはどうしても限度があるということでございます。

では、何でも罰則をつけたら、それで終わりということになるわけですけれども、それでは実効性がないということで行政処分というものもやっていて、行政処分のほうは行政処分のほうで、それはそれで人手が足りないという問題もあるわけでございますけれども、私ども、国会で予算を承認していただいた範囲の中で全力を尽くしていて、そういう中で行政処分の取っかかりがなかなかつけにくいという話の一つが、今回の不招請の問題でございます。何度も申し上げて恐縮ですけれども、ドアを開いた後の世界は、被害者が高齢化などすると再現不能でなかなか難しい。そういうときに、できればドアの手前で、ピンポンと押した時点で違法性を確定させるようなことがあれば、早く処分が執行できるということで、まさに杤原委員がおっしゃられるところの速やかな行政処分の執行に向けた第一歩ということで、今回、検討してございます。

前回もお話しましたけれども、我々、不招請の規定が仮に入ったとしても、現在の再勧誘禁止規定違反についても、それのみを問題としておらないように、何か突然執行されるというものでもございませんし、またそんなマンパワーもございません。悪質な消費者被害というものがあってPI0が積み上がって、これは看過できないというときに発動するときに、速やかに発動するためのドアの手前の規制のあり方ということで不招請勧誘を御議論させていただいておりますので、法律のすき間とおっしゃられる問題があるのは事実でございますけれども、そういう制約の中で今回、こういう提案をしているということでございますので、御理解賜れば幸いです。

○後藤座長 それでは、先ほどから手を挙げておられました高芝委員と池本委員に御発言いただいて、時間が大分超過しておりますので。山本委員も手を挙げていらっしゃいますので、そのお三方ということでよろしいでしょうか。そういう方向で進めさせていただきたいと思います。

それでは、高芝委員からよろしくお願いいたします。

○高芝委員 ありがとうございます。

現在、勧誘に関する課題の一つとして、高齢者等に対する勧誘のトラブルの防止が検討されていますが、時間の関係もありますので、今日は1点だけ意見ということで述べさせていただきたいと思います。

これからお話ししたいのは手順の問題です。法の規制を検討しようという場面に当たっては、課題解決に向かって、さまざまな方法・手段を洗い出し、そのそれぞれについて、合理性と効果を検討して、適切かつ必要最小限の方策を取捨選択していくというプロセスが望まれるのではないかと思います。

現在、高齢者等に対する勧誘のトラブルの防止に向けて、勧誘におけるオプトアウトないしはオプトインが検討課題になってきていますが、いずれも全ての訪問販売業者または電話勧誘販売業者を対象とする一律の行為規制という内容になっています。その関係があって、立場によって、見方なり考え方の違いが出てきていると思います。

そういうこともありますので、手順としては、現在、検討している手段のみならず、まず幅広くさまざまな方法・手段を洗い出して、そのそれぞれについて合理性と効果を検討して、その中から適切かつ必要最小限度の方策・手段を取捨選択するプロセスが望まれるのではないかと考えておりますので、御配慮いただければ幸いです。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

池本委員、よろしくお願いします。

○池本委員 今日の前半の事業者ヒアリングを踏まえて、今後の議論の進め方について意見を申し上げます。

4月末の第4回調査会のときに、不招請勧誘原則禁止というオプトインという方法と、オプトアウトの中で登録なり書面による事前の拒否まで認めるかという、ここをどちらに絞るかということが十分議論が詰められないまま事業者ヒアリングがあったために、不招請勧誘禁止が入ると事業は成り立たない、あるいはステッカーでも、それが無限に広がるおそれを感じているという言葉がありました。その2つを一緒くたにして、今回の議論が、それこそ沖野委員もおっしゃったように、訪問勧誘・電話勧誘も全面禁止されるのではないかという危惧感で心配しておられるのではないかと思います。

しかし、今日の議論で、むしろ幾つかの業態では、いわゆる飛び込み勧誘ではなくて、チラシあるいは試供品あるいはどこかでフェアをやるなり、そうやって訪問なり電話をすることを了解を得て行っているというもの。あるいは、以前に契約して、その契約で更新時期とか、もしくはその商品が古くなって買いかえの時期の場合には、最初の契約のときに、その後行ってよろしいかという意思確認がとれれば問題ないわけです。その意味では、飛び込み勧誘がどう扱われるかということに絞るということがまず第1です。

もう一つは、今日の議論を踏まえていきますと、例えば拒否の意思が明確であれば、そこには勧誘は避けるということがおおむね意見として出ていたと思います。新聞協会の方も、ステッカーかある場合の継続や集金はするけれども、新規については避けるようにしているという言葉もあったと思います。だとすると、消費者の意向調査で言うと96%が迷惑だと言っている。これからすると、ちょっと譲歩したことになるかもしれないですが、現行法の接触後の拒否を要件とするということではなくて、事前に拒否する場合を認めるという、事前拒否者への勧誘禁止。そこへ今後の議論を絞って具体的な案を事務局でも提示していただくとすべきではないかと思います。

若干申し上げますと、接触後の拒否であると、結局明確に断ったのか、断っていないのかや、断り方にもいろいろありますねということで、言った、言わないの問題になるので、違反かどうか認定もできない。あるいは、断るのが苦手な人は、そこで押し負けてしまう。そういうことを繰り返して、現に苦情が減っていないわけです。これは法律のどこにすき間があるという問題じゃなくて、そういう不本意な契約をしたという苦情が現に減少していない、もしくはふえている状態にあるわけですから、規制の根拠・必要性としては十分示されているのではないか。

そして、そういうステッカーとか事前登録を認めると、それが無限に広がって、ほとんど全面禁止と同じになるおそれがあるとおっしゃったのですが、これも消費者庁の報告によると、ステッカーを全戸配付したところでも、実際に張っているのは15%しかないとか、アメリカの制度でも20%ですか。例えばみずからが登録・手続するとなれば、もっと減るのではないか。あるいは、国が法律ですれば宣伝効果でもうちょっとふえるのではないか。その意味では、何%が利用するということの予測はつきませんが、むしろ事業者がこの制度を先取りしてきちんとした勧誘をしていって、訪問勧誘・電話勧誘のイメージを改善していただければ、張る必要はないなという人がふえていくわけです。まさに流動的な問題です。

その意味では、事前拒否者への勧誘禁止という、Do Not Call、Do Not Knockあるいはステッカーというあたりの制度設計を前提に具体的な制度案を出していただいて、あるいはリストを提供するのがよいのか、洗浄方式でチェックする方法でちゃんと回っていくのかというイメージできるものを出していただいた上で、最終的にどうするか、あるいはさらに危惧があるのかどうかを議論すればよいのではないかと思います。

以上です。

○後藤座長 ありがとうございました。

それでは、山本委員、よろしくお願いします。

○山本(明)委員 済みません、時間のない中、ありがとうございます。

ちょっと違う観点かもしれないのですけれども、都内の話ですけれども、高齢者でおひとり暮らしの方とか夫婦のみの世帯の方というのは、2010年の時点で115万世帯ございます。これからの10年後、2025年になると20万世帯ぐらいふえて、1.3倍で135万世帯になるという予測になっています。こういう地域から孤立しがちなお年寄りがふえていくということは、それだけ悪質な事業者の被害に遭う可能性の方が1.3倍、これからふえていくということは確実じゃないかと思うのですけれども、我々、それを防ぐために、普及啓発とか相談体制の充実、それから執行のほうもいろいろと努力しているところです。

けれども、こういう形で悪質事業者が狙うと想定される対象がふえていくとなると、今の枠組みをそのまま手直ししていくということでは、事態が改善することは難しくて、逆に悪化していくことになるおそれが非常にあるのではないかと思っています。これが5年、10年たったときに、今の状態を保つことも難しくなってくるのかなと思っておりますので、効果的な対策がこの時点で打たれていくことが必要だろうと思っております。

そういう形で悪質な事業者が対象とするであろう人たちがふえていくことになると、前にも紹介されたように、消費者側の訪問販売や電話勧誘販売に対するイメージというものが改善するどころか、悪くなるということになってしまって、結果的にこの取引形態が展開していかないということになるのではないでしょうか。例えば、この取引形態で新しいビジネスを進めていこうという形には、当然なってこないと思いますので、そういうビジネスサイドから考えても、この問題を解決する方向にそういう視点で考えていかないと、確実に被害に遭う可能性のある方がふえていくということをしっかり見ていく必要があるのではないかと思っております。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、時間が大幅に超過しておりまして、大変充実した議論がなされているので、途中で適切な形でストップをかけることができなかった私の責任ということで、本当に申しわけなく思っています。御予定等、おありの方がいらっしゃったと思いますけれども、今後、こういうことのないようにしたいと思いますので、本日は御容赦いただけたらと思います。

これで、本日の訪問販売、電話勧誘販売等の勧誘に関する問題に関する議論については終わらせていただきたいと思います。

本日の会議においては、事業者の皆様からヒアリングにより、懸念点等を御提示いただき、その内容を踏まえて、訪問販売・電話勧誘販売等の勧誘に関する規制について議論を深めることができました。ヒアリングで示された御意見等は、新たな規制のあり方について検討を行うに当たり、有意義なものであったと考えております。

次に、この問題について議論する際、まだ機会がありますので、その際には、本日示された御意見あるいは御質問がありましたので、それらを整理した上で資料をお示しし、御検討いただくことにさせていただきたいと思います。

最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします。


≪3.閉会≫

○金児企画官 長時間、どうもありがとうございました。

次回は6月24日水曜日の15時から18時までの開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

○後藤座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところを長時間にわたり、どうもありがとうございました。

(以上)