第33回 食品表示部会 議事録

日時

2014年10月15日(水)10:00~14:33

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
阿久澤部会長、夏目部会長代理、安達委員、池戸委員、池原委員、板倉委員、宇理須委員、鬼武委員、栗山委員、河野委員、迫委員、立石委員、宮地委員
【説明者】
消費者庁 岡田審議官、竹田食品表示企画課長、山本課長補佐、石丸課長補佐、船田課長補佐、岩城課長補佐、塩澤食品表示調査官
【事務局】
黒木事務局長、大貫参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第229号諮問書)
  3. 食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第248号諮問書:栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る規定及び別表について)
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○大貫参事官 本日は皆様、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会食品表示部会」第33回会合を開催いたします。

本日は石川委員、春日委員、澁谷委員が所用により御欠席ですが、過半数に達しており、定足数を満たしております。

議事に入る前に、配付資料の確認をさせていただきます。

今、お配りしております資料は、配付資料一覧のとおりです。

本日、池原委員、鬼武委員から、意見書を頂戴しております。委員提出の資料についても議論に御活用いただくようお願いいたします。

不足の資料がありましたら事務局へお申しつけください。

本日も多くの傍聴の方にお越しいただいておりますので、御発言の際はマイクに近づいて御発言いただきますようお願いいたします。

それでは、阿久澤部会長、議事進行をお願いいたします。

○阿久澤部会長 皆さん、おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。

本日は消費者庁から岡田審議官、竹田食品表示企画課長に御出席をいただいております。よろしくお願いいたします。

なお、本日の会議は公開で行います。議事録についても後日公開することとします。

それでは、本日の議題に入ります。

まず、本日の議事の進め方について確認させていただきます。本日は議題が2つあります。

1つ目は、9月19日に諮問を受け、9月24日、10月3日の部会で議論を行った食品表示基準案についてで、本日は答申内容も含めて最後の議論を行います。

2つ目は、10月8日に追加で諮問を受けた基準案についてです。内容は栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る規定及び別表です。今まで審議してきた基準案の中で検討中とされていた部分に当たります。なお、この部分は、本日は消費者庁がこれから実施するパブリックコメント前の基準案が提示されている状況で、パブリックコメント終了後、12月ごろに再度部会に諮られ、その時点で答申について議論することとなります。

本日は1つ目の議題が非常に重いため、パブリックコメント前の案である2つ目の議題は、消費者庁からの説明を中心に進めさせていただきたいと思います。

本日の会議は3時間を予定していますので、時間配分としましては1つ目の議題に2時間強、2つ目の議題に1時間弱と考えております。御協力お願いいたします。

では、1つ目の議題に入ります。まず、9月19日諮問の食品表示基準案についてです。資料4、これは前回部会では資料3となっておりますが、調査会報告書記載事項と基準案との対象一覧からの抜粋の項目に沿った議論は、前回、前々回の部会で一通り終了しています。その議論を反映させて資料1の答申書原案を部会長一任で作成しました。内容は基準案のうち5項目を不適当とし、4項目に修正意見をつけています。

まず、その答申書原案について説明した後、消費者庁の追加説明を聞きたいと思います。

その後、消費者庁の説明を受けての議論を行った上で、5項目について最終的な意見確認を行い、部会としての扱いを確定したいと思います。

次に、前回の部会で資料4以外の項目について何点か提案がありましたので、それらの内容について再度確認し、内容について議論いただいた後に議題に取り上げるかどうか御意見を伺います。答申書自体の検討はこれらの議論が終了し、修正箇所が全て確定したところでまとめて行いたいと思います。よろしくお願いいたします。

では、まず答申書原案について説明したいと思います。

前回までの議論を議事録で確認し、不賛成及び留保の委員が多かった項目について、基準案を修正するという方針で原案を作成しました。基準案の修正に当たっては、議論の中で多数意見と思われる案に沿って修正を行いました。ただし、経過措置期間の部分については、前回までの部会では修正意見を部会としてつけられるほどの議論はされていませんので、諮問案に賛成できないという内容にとどめています。

私が提示した答申案はあくまで原案ですので、この後の議論によって内容が変わっていくことになります。

では、事務局から説明をお願いいたします。

≪2.食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第229号諮問書)≫

○大貫参事官 部会長にかわって事務局から説明させていただきます。

資料1-1をごらんください。答申書でございまして、最初の部分は下記のとおり答申しますということです。

記の内容でございますが、新たに定める食品表示基準について別添のとおりとすることが適当であるとしております。別添は諮問を受けた食品表示基準に対して審議の結果、消費者委員会として修正を行ったもの。別添2というところに修正理由をつけております。食品表示基準施行後、新しい制度に基づく表示への移行を猶予する期間につきましては、部会長から御説明がありましたとおり、経過措置期間を5年とすることは不適当であるということで、不適当とする理由は別添2に付しております。

配付資料一覧で御確認いただくとわかるのですけれども、資料1-1について本日は答申書に含む食品基準については除きまして、代替として食品表示基準の修正箇所のみを抜粋した諮問答申の対照表を、会議用資料として添付しております。

それでは、裏側を見ていただきまして別添2の修正理由について御説明させていただきます。

最初に栄養成分表示の義務化に係るナトリウムの表示についてです。任意でナトリウムの量を表示する場合に、ナトリウム量の次に食塩相当量を括弧書き等で併記することとなっておりますが、消費者委員会では、食塩相当量の次にナトリウムの量を括弧書き等で併記すべきとの結論に至ったということで、パブリックコメント前の基準に戻す修正を行ったとしております。

修正理由のところですが、半ばのところを見ていただきまして、両者を併記する際に、任意表示であるナトリウムを先に記述する必然性が消費者庁の説明からは認められなかった。国民に認識してほしい食塩相当量の表示を先に記述するほうが、表示を利用する国民の利便性を高めると判断した。

栄養成分表示の義務化に係る小規模事業者の考え方についてです。第1段落目の半ばですが、諮問について当分の間、中小企業基本法第2条第5項に規定する小規模事業者も含めるとしておりましたが、消費税法第9条に規定する小規模事業者に限るべきとの結論に達して修正をしております。

修正理由ですが、理由について売上高1,000万円以下の製造事業者のみを家族経営的な事業者と捉えることは限定的過ぎる。あるいは市場に流通する9割の加工食品に栄養成分表示がなされると考えられるという説明があったのですが、それらを裏づける客観的なデータと「当分の間」が示す具体的な期間に関する考え方の提示がなく、除外対象規模についての確認がとれなかったということです。

次のページにまいりまして、栄養強調表示に係るルールです。これは低減された旨の表示をする場合に、25%以上の相対差が必要とするというパブリックコメント前の基準について、ナトリウムについて食品の保存性及び品質を保つ観点から、特例を認めるという諮問案となっておりました。これについて特例を認めるべきではないとの結論に達した。

修正の理由ですが、消費者の混乱を招きかねない。低減している事実は表示できるということです。

次が製造所固有記号に係るルールです。業務用食品を対象外とした案が諮問されております。これについて業務用食品も対象にすべきとの結論に至った。理由ですが、製造所所在地等の情報が必ず消費者に届く仕組みをつくることが求められている。消費者にそれらの情報が届かない可能性が残るとしております。

最後の事項ですが、不適当とする理由ということです。経過措置期間です。

6月までには検討していない事項です。これについてパブリックコメント前、加工食品は2年、添加物は1年、栄養成分表示については5年、生鮮食品は経過措置期間なしという案が出てまいりました。これについてパブリックコメントの意見を受けて、加工食品と添加物の全ての表示を5年、生鮮食品について1年6カ月という案が諮問案になっております。

この議論において、この期間が必要であるとする明確な具体的根拠が消費者庁から示されなかった。このため5年という比較的長い期間の経過措置期間を設ける必然性を確認できない。不適当であると答申する。社会的影響を十分に考慮しつつ、食品表示のメリットを1日も早く多くの国民が享受できるような経過措置期間を消費者庁が決定されることを望むとしております。

次のページ以降が、先ほど申し上げました諮問を受けた案と答申案との比較になっております。詳細についてはこちらを御参照いただければと思います。

資料1-2、報告書案というものがございますが、これについてあわせて御説明させていただきます。

この報告書案ですけれども、本日の議決の内容を消費者委員会の委員長に部会長から報告をいたしまして、部会の議決に同意をもらうということのために作成するものです。この同意によって部会の議決を消費者委員会の議決とみなすという形をとります。消費者委員会委員長名で内閣総理大臣に答申書が発出されることになります。よって、この内容につきましては今、御説明しました答申案の内容を転記したものとなっておりまして、答申案の内容が変更されれば報告書案の内容も同様に変更することとなります。

事務局からの説明は以上でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、続いて消費者庁から追加説明をお願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 消費者庁食品表示企画課の塩澤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

今、挙げられました答申案に示されました点について、補足の説明を差し上げたく存じます。

私からは、栄養表示に関する点といたしまして、3点ほど追加の御説明を差し上げたく存じます。

まず1点目でございますけれども、ナトリウムについての表示方法の補足をさせていただきます。お手元に机上配布資料1を御用意いただけますでしょうか。あと、後ほど続けて栄養表示に関するものとして資料3-1と3-2も使いますので、こちらもあわせてお出しいただければと存じます。よろしいでしょうか。それでは、順に御説明を差し上げます。

まず、ナトリウムの表示に関してでございます。さきにも説明を差し上げましたけれども、我々といたしましては、まず大前提として消費者にとってナトリウムの表示のみから食塩相当量を理解するのは難しいという考えのもと、食塩相当量の表示は必要という考えを示させていただいたところでございます。

ただ、パブリックコメントをかけてみたところ、実際には食塩を添加していない食品に食塩相当量という名称で表示することは、消費者に食塩が配合された食品であるという誤認を生じる可能性があるのではないかという御指摘、また、従来どおりナトリウムで表示できるようにしてほしいといったような御意見が寄せられたところでございます。

私どもの考えとして、ナトリウムの量と食塩相当量を併記する際のレイアウトにつきましては、ナトリウムの量を基本として食塩相当量を併記するといった表示方法でも、食塩相当量の情報伝達は可能ではないかと考えていることは、前々回にも申し上げたとおりでございます。

そこで、私どもからの諮問案といたしまして、栄養成分の義務表示としてのナトリウム量については、まずは食塩相当量で表示していただく。これはパブリックコメント案から変更ないものでございますが、それをお示しした次第でございます。ただし、任意にナトリウムの量を表示する場合は、ナトリウムというものを書いていただいて、その次に食塩相当量を括弧書きで併記するといった案をお示しさせていただいたところでございます。

また、ナトリウムと食塩相当量は必ずセットで表示される必要があるということもお示ししていまして、食塩相当量を枠外に表示することは不可とするといった考え方もお示ししております。

しかしながら、9月24日の部会におきまして、委員より消費者庁の修正案はナトリウムの表示ではなく、食塩相当量とすることが消費者への情報提供に資するという栄養調査会での結論をないがしろにするものではないかといったような御指摘も受けました。

こういった御指摘を踏まえますと、私どもがさきにお示しした諮問案のほか、ナトリウム塩を添加していない食品に限ってナトリウムを任意で表示することとし、この場合はナトリウムの次に食塩相当量を括弧書きで表示するといった方法によっても、食塩相当量の情報伝達は可能ではないかと考えている次第でございます。

その考え方の詳細につきましては、机上配布資料1にお示ししているとおりでございます。今、私から説明差し上げたことと重複しますけれども、まず基本的にはマル1の書き方、つまり食塩相当量のみ書いていただくものを基本とすることは当初から変わっておりません。ただ、もし併記したいといった場合は、前回のこの会でもナトリウム塩を添加していない食品に限るのか限らないのかという御指摘があったと思うのですが、我々の考えとしてはナトリウム塩を添加していない食品については、このマル2のような書き方(ナトリウムの次に食塩相当量を括弧書き等で併記)でも食塩相当量の情報伝達は可能ではないかと考えている点を追加の説明とさせていただきます。

続きまして、次は小規模事業者の考え方につきまして追加の説明をさせていただきたく存じます。

まず、家族経営のような小規模事業者につきましては、栄養成分表示の省略を可能とする必要があるのではないかというのが我々として大前提の考えでございました。そういった考えから資料3-1の上のほうにお示ししておりますけれども、パブリックコメント案として熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムの表示を省略できる小規模事業者については、消費税法の第9条に規定する小規模事業者とするといった考えをパブリックコメント案としてお示ししたところでございます。

しかしながら、パブリックコメントにおきましては、これでは厳しいという観点からの意見が寄せられたところでございます。具体的には例えば和菓子製造事業者において売上高1,000万とは、製造原価や諸経費を差し引くと粗利益は200万円程度になるということで、事業として成り立たない規模であって、現実的には存在しないといった御意見をいただいたところでございます。

また、売上高は毎年変動すること等から、小規模事業者の考え方を消費税法に求めるべきではない。なお、食品製造業における従業員規模別の企業数、製造品出荷額等というデータがございますけれども、ここから推測すると19人以下の製造品出荷額等が全体の7%である。これを商品数量に相当すると捉えるならば、93%の商品に表示させることとなるということで、中小企業基本法による小規模企業者である20人以下といった考え方を免除対象としても、おおよそ90%の食品に栄養成分が表示されることになるといったような御意見などが寄せられています。

これらの意見に対しまして、私どもでいろいろ検討させていただき、この資料3-1にございます理由というところに黒いポツが2つあるかと思うのですけれども、私どもとしては例えば食品表示一元化検討会報告書において例外的取り扱いとすべき小規模事業者は、家族経営のような零細な事業者であるが、特定の食品を製造する事業においては、売上高1,000万円以下の製造事業者のみを家族経営的な事業者と捉えることは限定過ぎる。つまり、免除対象として業態の特性に配慮した基準を設ける必要があるといったこと。また、中小企業基本法の小規模企業者を除いても、市場に流通する約9割の加工食品に栄養成分表示がなされるというふうに考えられるため、制度導入時における義務化達成度合いとして許容できるのではないかといった考えをもちまして、諮問案として3-1の修正案というところに書かれておりますとおり、当分の間、おおむね常時使用する従業員の数が20人といった事業者についても、栄養成分の省略を認めるといった案をお示しさせていただいたところでございます。

しかしながら、9月24日の部会においては、委員より「当分の間」の意味合いと見直しのスケジュールについて明らかにすべきではないかといった御指摘。また、約90%の商品に栄養成分表示がされるということは、担保されるのかといった御質問を受けたところでございます。

私どもとして、パブリックコメント後に修正案を考えた理由につきまして、9月24日の説明では若干不足していたかもしれないと思いまして、本日はさきの資料に追記をしております。それが資料3-1の下の青ポツのところでございますけれども、まず1つ目として全事業者数、これは食品関連事業者以外も含む考えでございますが、それに占める免除事業者の割合は約6割になっている。ただ、食品関連事業者においては、その割合がさらに小さいことが推測されるという考えでございます。このため、食品関連の課税事業者に対し、直ちに栄養成分表示を義務化することは困難と考えるといった考え方を、補足として示させていただいております。

2ポツ目でございますけれども、ただし、省略規定を恒久的なものではなく「当分の間」としたのは、栄養成分表示を義務化する以上、表示の省略を認める事業者の範囲はできる限り小さいほうが望ましいということから、将来的にはこれらの事業者の範囲について見直しする必要があると考えたということをつけ加えさせていただいております。

なお、9月24日の委員からの御指摘に対してでございますけれども、まず「当分の間」の考え方についてです。これはスケジュールを明らかにすべきという御指摘でございましたが、こちらは資料3-1の4ページ目に図としてお示ししておりますが、私どもとしては経過措置期間が終了した時点、免除対象事業者間における栄養成分表示の普及の程度、環境整備の状況などを調査するといったような見直しスケジュールを考えているところでございます。

なお、経過措置期間などにおきましても、我々としてこの新基準に基づく表示という推進については、積極的に行っていきたいと考えております。

以上が「当分の間」の考え方でございます。

また、先ほど委員の指摘ということで、90%担保されるのかといった御指摘があったと思うのですけれども、この栄養成分表示が付される食品のカバー率につきまして、我々はいろいろデータを探してみたのですが、あいにく詳細なデータというのは見つけることができませんでした。ただ、先ほどの資料3-1にもお示ししておりますとおり、食品関連事業者に限った場合の出荷額ベースとしては、91.6%のものに栄養表示がされると考えたところでございます。具体的には資料3-1の2枚目になりますけれども、こちら統計に基づいて円グラフなどをお示ししております。こちら出荷額ベースで見ると20人以上の企業の出荷額は全体の91.6%となっております。片やそれ未満のものについては8.4%という数字になってございます。

以上、追加の説明とさせていただきます。

続きまして、栄養表示としては最後の話題になりますけれども、25%以上の相対差の問題でございます。こちらお手元に資料3-2を御用意しつつお聞きいただければと思います。

ナトリウムの相対表示の特例をどうするかといったことについてでございますけれども、現状、絶対差の基準しかございません。しかしながら、絶対差の基準しかない現行の制度では、低減割合に関係なく低減表示ができてしまうことになります。そうなりますと、消費者に対して正確な情報提供ができないといったことも想定されますので、我々としてコーデックスの考えを導入したいといったことをさきにもお示ししたところでございます。

これらについてパブリックコメントを行った結果、これもいろいろな意見が寄せられたところでございます。例えばみそ、これは塩分が大体12%ぐらいということでございますけれども、こういった製造では対水食塩濃度という指標があり、これが20%を割り込むと正常な発酵熟成が阻害され、おいしいみそが製造できない。また、おいしさと減塩が両立するのは、低減割合20%程度が限度であるといった御意見がございました。

また、しょうゆに関しても御意見がありまして、しょうゆにおいて食塩は醸造微生物を制御するために必須のものである。これを低減するために食塩を下げて醸造したり、通常より濃厚な状態で醸造し、最後に調整する方法などが用いられますが、微生物が関与していることから食塩の低減には限界があり、しょうゆの特例においては20%以上の低減割合とされている。したがって、これらの方法で低減割合を25%以上に引き上げることは、技術的に困難といったような御意見が寄せられたところでございます。

これらの意見を踏まえまして、私どもとしては技術上、25%以上低減することが困難なものについても一律25%以上の相対差の基準を適用することは、事業者の自由な経済活動を阻害するものであるため、特例を設けることが適当と考えた次第でございます。

これを踏まえまして諮問案としてお示ししたのは、ナトリウムについては食品の保存性及び品質を保つ観点から、25%以上その量を低減することが困難な食品については、相対差についての特例を認めるという考えでございました。

しかしながら、9月24日の部会におきまして、委員より特例について納得できるような理由があればよいが、修正案では当該食品の中身が見えないので不安といった御指摘、また、特例の範囲が無限に広がってしまうおそれがあるので、あらかじめ審査手順を決めておくべきではないかといったような御指摘をいただいたところでございます。

これらの御指摘を踏まえまして、検討対象とする食品についてはパブリックコメントで意見が提出されましたみそ、しょうゆ、この2つのみとしたいと考えております。あくまでこの2つの食品については検討対象とするということでございまして、その検討の結果、特例とする根拠がなければ特例とはしないといった考えを、この場で申し上げさせていただきます。

関連する資料としましては、資料3-2でございます。一部繰り返しになりますけれども、まず1枚目に示している点につきまして、この特例の対象となる食品はあくまでもパブリックコメントで意見があったみそ、そしてしょうゆ、この2つに限定して検討することにしたいということ。この件につきましては、農林水産省から別紙の資料提供を受けたところでございます。今後、ナトリウムを25%低減した場合のみそ、しょうゆの保存性や品質の保持について、農林水産省及び関係業界からさらに情報を得た上で、本特例の適用の可否について検討したいと考えております。

ページをおめくりいただきまして2枚目、3枚目、4枚目という順に、みそ並びにしょうゆの説明を載せさせていただいております。これは農林水産省から情報提供いただいているものでございますけれども、例えば1ポツ目でございますが、みそには発酵に適切な塩分と水分の範囲が存在し、25%以上の低減では変敗が生じ、安全性に問題が生じるといったことがあるようでございます。

具体的には下の図に示されているものでございますけれども、この図を見てみますと、まず横軸が水分パーセント、縦軸が対水食塩濃度パーセントでございます。水分が多くなればなるほど、当然のことながら対水食塩濃度というものも下がってくるといったものでございます。

なお、この図の真ん中あたりに網かけのところがございますけれども、この領域が製造可能な領域、適度な発酵ができる領域といったところのようでございます。

これ以上低くなってくると、次第に製造が困難というところになってきまして、15%低減というものであれば、この領域については原料のバランス、温度といったものを調整することによって何とか製造することは可能である。しかしながら、下にいきますと発酵過多となり変敗する。つまり、通常の方法では製造不可能な領域といった情報が示されたところでございます。

次に、上の2ポツ目でございますけれども、こういうことがございますので、塩分を25%低減するにはアルコールを添加して発酵・変敗を抑制し、熟成に必要な微生物だけを活動させる高度な管理技術が必要といったことがあるようでございます。

続きまして、次のページ、しょうゆの話でございます。こちらも農林水産省から情報提供されたものでございますけれども、まず1ポツ目、しょうゆを20%以上減塩すると急激に微生物が増殖し、保存性及び安全性に問題が生じるといったことがあるようです。これを説明する資料は下の左側の図になってまいります。横軸が食塩濃度パーセント、縦軸が生菌数でございます。こちらで横軸の食塩濃度15%よりも食塩濃度が低くなってくると、グラフを見てもおわかりのとおり、生菌数が一気にふえてくる。つまり、急激に微生物が増殖してくることになるといった説明資料のようでございます。

上の2ポツ目でございますけれども、また食塩濃度が低いほど短期間で品質が劣化するといった指摘もされております。これを説明する資料としては右側の図になってまいります。横軸が保存日数、縦軸がアスパラギン酸の数でございます。このアスパラギン酸というのは、しょうゆにおけるうまみ成分の指標ということでして、品質と高い相関があるといったことが示されております。

このグラフを見てもおわかりのとおり、食塩濃度が低くなればなるほど短期間で品質が劣化してくるといった説明資料でございます。

次のページには、しょうゆの製造方法について若干の説明がなされております。

1ポツ目でございますけれども、しょうゆについてはいろいろな工程がございますが、適切な発酵・熟成には食塩が必須であり、通常の製法では塩分を20%以上低減することは発酵管理上、困難であるといったこと。また、25%以上の低減をするためには、特殊な装置を用いてしょうゆを処理またはより厳密な衛生管理下で醸造する必要があるといった情報提供をいただいております。いずれにしましても、我々としてはこれらの情報を含めまして詳細に情報を精査いたしまして、今回この特例措置としてみそ、しょうゆを認めるかどうかということを検討してまいりたく思っております。

以上、栄養表示関係の説明を終えさせていただきます。

○竹田食品表示企画課長 続きまして製造所固有記号についてであります。お手元の資料3-3、3-4に基づいて御説明をさせていただきます。

資料3-3はパブリックコメントでいろいろな御意見がございましたけれども、それについてまだ詳細な情報は説明がなされていないということで、パブリックコメント案に併記をしましたマル1~マル6の案ごとに主な理由というものを要約して付しております。これは若干量が多くございますので、後で御説明をさせていただきます。

もう一つ、資料3-4でございますけれども、先回、パブリックコメントの案からB to Bの部分について対象としないということで、パブリックコメント案に修正をかけた案を御提示したところでございますが、それにつきまして対象から外す理由について詳しく説明をしてほしい。それから、外す必要はないのではないかということで御指摘があったところでございます。

繰り返しの御説明で恐縮でございますけれども、本件について見直しをいたしますのは、昨年の食品表示法の附帯決議で消費者からの要望を踏まえて固有記号制度のあり方、情報提供のあり方について検討をしなさいという御指摘を頂戴したところでございます。それに基づきまして、記号を見た消費者が確実に製造者等にたどり着けること。一方で事業者には包材の共用化というメリットがございますので、こちらについても配慮するということで、原則として2つ以上の工場で製造する場合に記号を利用できる。記号を利用した場合には電話等で問い合わせがあれば答えてください。インターネットのアドレスやQRコードを付してウェブで情報を得ることも可能です。そういう手法でもいいです。あらかじめ記号と製造所等の対応関係について包材のどこかに印刷しておいてくださいといったような3つの方法からお選びくださいということで御提案をしているところでございます。

パブリックコメントで出てきましたのは、業務用製品というのは事業者間の取引で売買されるものである。つまり、それが直接一般消費者の手元に届くことはないものです。したがいまして、固有記号を見て誰がつくったのかわからないということは生じえないです。それから、そういった業者間の取引にあっても企画書等の交付が通例でございますので、製造者に関する情報は当然これに記載されていますということで、この部分について今回の見直しの対象とすることについては、どうなのでしょうかというパブリックコメントの御意見があったところでございます。

大変恐縮でございますけれども、B to Bの取引がどういうものかということについて、従前この会議で提出させていただいた資料でもう一度大変お手数ですが、御説明をさせていただきます。

資料3-4の箱の下のほうに業務用食品という欄がありまして、御案内のとおり加工食品及び添加物のうち、一般消費者に販売される形態となっているもの以外のもの、つまりその形態では消費者の手元に届かないものであるということでございます。

それで2枚目、裏側になっていると思いますが、いつもの絵で恐縮でございますけれども、下のほうの四角をごらんいただきたいと思います。マッシュポテトを使ってポテトチップを揚げて、それを消費者に最終形態として売る場合でございますけれども、この加工者Fがマッシュポテトを製造業者Gに販売する。これが業者間取引になります。つまり、マッシュポテトは製造業者Gによってポテトチップの形に成形されて油で揚げられて包装されて、それが消費者のもとに届く。つまり製造者Gの情報というのが当然消費者にとって知りうるものでなければならないというわけでございますが、その前段のマッシュポテトについては、これが直接消費者のお手元に届くわけではない。ポテトチップという形に変わって消費者に届くということでございますので、ここのFとGの間の取引については、記号を見て誰がつくったのだろうと消費者の方が疑念を持つという事態は生じないのではないかということで、この部分について今回の見直しの対象から外すということを考えたということでございます。

なお、先回、業務用スーパーで売られているようなものもあるではないかという御指摘がございました。これはそのものずばりの絵ではございませんけれども、上のほうの四角の絵をごらんいただきたいと思います。赤い線を下のほうにたどっていきますと、消費者の方が購入されている。つまりここの卸売業者の方がいわゆる業務用スーパーと言われているような方の業態になるということでございます。この場合には現在のJAS法の解釈でもそうでございますけれども、製造業者Cのつくったものが最終的に消費者の方のお手元にも届く、大きな包装のものがお徳用という形で届いていくというような場合には、B to C向けの表示を当然していただくことになってございますので、こういったものについて今回の固有記号の見直しの範囲から漏れていくことはございません。そういう意味で前回の御提案をさせていただいたところでございます。

繰り返しになりますけれども、消費者の方が手に取ったときに、これは誰がつくったのだろうということは確実に伝わるようにしたいということで今回の仕組みを考えましたので、そこのところには漏れがないような当然執行もしてまいりたいと考えております。

簡単でございますけれども、補足の説明は以上でございます。

それから、パブリックコメント案の意見ごとの主な理由ということで、少々文字が多くなりますが、御紹介をさせていただきます。資料3-3になります。

まずマル1固有記号の使用は認めない、廃止すべきという御意見でございます。主な理由といたしましては、記号なのですぐに製造者の所在地等の情報がわからない。製造者を隠すために使用されているのではないか。当然、消費者庁のデータベースが存続しますので、それについて不要な行政コストがかかるのではないかというような理由が付されてございました。

マル2のところは、例外の条件を明確化すべきではないか。表示面積に記載が難しいとか、一定の場合に固有記号を使ってよしということにすべきだ。どういう場合かということは3つセットというわけではなくて、いろいろ分かれてございました。1つ目の○は、販売者が表示責任者である場合は認めるべきではないか。その理由としましては、製造者を付してしまうと、そこに問い合わせがきて回答できなくなる場合がある。それから、固有記号にすることによって製造者の方が複数の取引先から業務委託を受けているような場合なのですけれども、それが記号ではなくて製造者の名前が出てしまうと競合関係がわかってしまって、お仕事を受注するときに支障が出るのではないか。あと、表示スペースが少ない場合はそのとおりでございます。

マル3の場合でございますけれども、これは包材の共用化、表示面積に制約がある場合、それに加えまして販売者が食品の安全性の責任を有するため販売者を表示する。販売者が表示責任者になる場合ということでマル2と似てございますけれども、理由につきましても大体同じような形になっていまして、製造者名が記載されると消費者から製造者に問い合わせがふえる。そうすると製造者の負担がふえるし、例えば確実に回答ができないと消費者の方へかえって迷惑になるのではないか。PB商品については、製造者を記してしまうとブランド価値が毀損するのではないかといった理由が付されております。

マル4は自社の複数工場で生産している場合のみ固有記号が利用できるようにすべき。理由としましては、自社工場以外にも認めて制度を運用すると行政コストが増加する。つまり固有記号の数がふえるので行政コストがふえるという理由でございます。

マル5でございますけれども、消費者が知りたいということに応えるのであれば、データベースの改善、事業者の方の応答義務を今回、見直しとして措置すればいいのではないか。理由のほうは、データベースを改善すれば、消費者が検索をすればデータが出てくる。それから、現在の固有記号の問題というのは事業者の問題ではなくて、行政の問題であるといったような理由がございました。

マル6のところは、問題点が整理されていない段階で制度の見直しをすべきではない。そういう中でやるのであれば、消費者庁のデータベースだけ改善すれば足りる。理由のほうも意見と大体同じになりますけれども、現行制度の問題点が整理されていない。現在の固有記号の利用によって何ら問題が生じていないといったような理由がございました。

その他ということで、前回も御議論が少しございましたけれども、土産物を製造している業界は、固有記号の使用ができなくなるとお仕事が来なくなって廃業に追い込まれるのではないかといったような御懸念が示されています。

右側の理由のほうですが、これも御指摘がございましたが、お土産を売っている場所と製造されている場所が違う。そういうものが市場に並ぶとお土産物としての価値が下がって売れなくなるのではないか。あとはOEMの関係でございますけれども、製造の秘密を委託先の工場に全部御利用いただいて商品をつくる。それをOEMのものとして販売していく。そういう商品については製造者が明らかになると、例えばライバル企業がそこにアクセスをして、それらの情報が漏れてしまうのではないか。企業の優位性が失われるのではないか。そういう可能性があるといったような御指摘がございます。

その他の2つ目のポツですけれども、これも前に出てきたものとかぶりますが、販売者と製造者を併記すると表示責任が曖昧になる。どちらの方が責任を持っているかわからなくなるのではないか。それから、先ほども出てまいりましたが、製造者にお問い合わせが行くと適切に回答できない可能性があるということでございます。

右側のほう、理由も同じになりますけれども、消費者からの問い合わせについては販売者が責任を持って回答しているので、それ以上のことは必要ないのではないか。あとは2つ目のポツですが、問い合わせ先が2つの法人になるということは、かえって食品安全に係る事態が生じたときに対応をおくらせる可能性があるのではないかといった理由が付されておりました。

その他の最後ですけれども、諸外国よりも厳しくする理由がないのではないか。右側のほう、これはこれまで御指摘がございましたが、コーデックス、アメリカ、EUなどでは表示責任者のいずれか1つを記載すればよいことになっている。それに比べると日本の今の表示制度は現状でも過重であって、見直しによりさらに過重になるといったような御指摘でございます。

賛成のところは特に理由はございませんでした。

マル1~マル6に関係ないその他ということでは、登録申請や更新手続について事業者に過重な負担にならないような方法を検討してください。それから、製造所だけに認められていますけれども、加工所でも使えるようにしてください。応答義務は電話番号を必須にしてくださいというような御意見もございました。

意見の数につきましては、項目ごとにかなり重複がございますのでお示しできませんけれども、意見の理由といったものについては今、御紹介したような形でそれぞれ付されています。

簡単ですが、以上でございます。

○阿久澤部会長 よろしいですか。説明時間が若干超過していますので、手短にお願いいたします。

○消費者庁石丸課長補佐 食品表示企画課の石丸と申します。

それでは、経過措置期間の考え方について、お手元の資料3-5に基づいて御説明をさせていただきます。

まず基本的な考え方としてございますけれども、食品の表示のルールを見直す以上、事業者の対応可能性、表示の改版、ラベルの変更に伴う必要な期間を設けることは、基本的に必要であるという考えのもと、経過措置期間を設けているところでございます。これは義務表示の事項に違反するケースが出てきて、表示のルール全体の信頼性を失うといったことを防ぐという意味において設けられているところでございます。

その上で、今回のパブリックコメントの中で具体的な案を提出いただいた業界に対して、私どもからお話を伺って、その結果、現在諮問させていただいている加工食品と添加物の表示について、経過措置期間を5年とするという案をお示ししているところでございます。

前回の10月3日の部会におきましては、委員の皆様から具体的にメーカーなどに確認した上でデータなどがわかる資料を作成し、説明をすべきではないかという御指摘をいただいたところでして、その御指摘を踏まえて今回作成いたしました資料が資料3-5でございます。

続きまして、資料に沿って御説明させていただきます。

1ページ、これが一般的に食品の表示の改版、ラベルの変更を行う場合のプロセスを図で示したものでございます。大きく分けて一番左側、いわゆるメーカーで検討する段階、そして真ん中で印刷業者に発注して版を作成するという段階、そして右側青い部分で囲った部分でございますけれども、それを踏まえて食品を実際に生産するという、大きく分けて3つのプロセスがあるという状況でございます。

左側の社内の検討のところの注の部分と※印の部分でございますけれども、まず注の部分、下に書いてございますが、社内の検討において法令との適合性の確認、パッケージ全体の検討あるいはプライベート商品や留型商品、これは取引先のオーダーに基づいて生産する商品ということでございますが、その場合の販売者や販売先への了承のとりつけなど、そういうプロセスが必要ということでございます。その上で真ん中の印刷業者に具体的な発注が行く。ただし、この場合に中小の事業者の場合には、この印刷業者がいわゆる社内の検討に相当する部分を含めて行っているというケースもあるということでございます。

2ページ、前回の御説明の際には、具体的に缶詰と添加物について経過措置期間を延ばすという部分について、必要性があるということで御説明させていただきましたけれども、その内容について2ページと3ページで詳しい資料ということで整理してございます。

まず缶詰についてでございますけれども、上から2つ目の四角、前提の部分でございます。缶詰の場合、ラベルの改版を行うのは実際に製缶、缶をつくる業者ということになりますが、これが私ども聞き取りによりますと、全国で約10社ほどこの対応ができる業者がいるという事情がございます。その上で2つ目のポツ、現在10社で持っている固有製品の版数、種類でございますけれども、それが約3万点ということでございます。

このような缶詰の事情を踏まえると、右側のオレンジの吹き出しで囲った部分でございますけれども、10社含めて1日当たり改版するラベルの変更をする能力というのはどのぐらいあるのかというと、10社合計で約50点ということでございます。この対応できる事業者の数が限られているといった部分で、経過措置期間を長く設けるという部分が生じるのかなと考えてございます。

具体的には下の矢印でございますけれども、効率的に作業を行ったとしても現在保有している3万点のアイテムを、1日50点ずつ改版を行った場合、約600日かかることになりますが、それを製缶業者の1年当たりの稼働日数、約210日としてございますけれども、それで割り算をすると約3年を要するのではないかということで整理をしてございます。

また、これは当然表示の見直しという部分に係る改版でございますが、これ以外に行われる改版あるいは商品のリニューアルによる改版など、そういう事情も踏まえるとさらに期間を要する可能性もあるのではないかと整理してございます。

続きましては、赤く囲った一番下の吹き出しの部分でございます。これは先ほどの改版の能力ということにつけ加えてという部分でございますけれども、印刷業者の中でデザイン案を作成して試作品を作成し、デザインを確定するというプロセス。一般的な改版には2~3カ月要するということでございますが、プライベート商品の場合、オーナーとの説明に時間がかかる部分、また、今回主に関係する部分といたしましては、今回表示の部分の見直しに際して見落としのないチェックを行う必要があること。また、アレルゲンの表示などについては社内では綿密な検討などが必要であるということ。また、缶詰の場合には一年一年計画的な原料調達ができない。一定期間に、短期間に商品をつくるという事情があるので、その結果、余る缶が生じるといった部分などもあるということでございます。

そういった部分を踏まえますと、先ほど申し上げた製缶能力の3年という部分に1年程度をプラスして、4年程度の経過措置が必要ではないかという形で整理をしてございます。

以上が缶詰の場合でございます。

3ページが添加物について整理した図でございます。添加物につきましては聞き取りを行った結果でございますけれども、まず左側の緑の囲った四角の部分、吹き出しの部分でございますが、社内の検討において表示項目の変更の連絡、承認に11カ月かかるということでございます。これはこの事情といたしましては、その下の※印で書いてございますけれども、添加物の多くは業務用添加物であるということがございます。先ほど留型商品、取引先のオーダーに基づいてつくるような場合があるということを冒頭で御説明させていただきましたが、業務用添加物の場合には取引先、販売先からのオーダーを踏まえてケース・バイ・ケースで、1対1対応のような形で製造する商品、留型商品が多いということから、小規模なメーカーでも多くのオーダーを有している場合がある。そのアイテムごとに表示内容の変更の説明をして、了解を得ることが必要であるということがございます。

また、企画書の改訂、再発行などを伴う場合がございまして、今、申し上げましたマル1、マル2でそれぞれ最長で11カ月、最長で16カ月かかるということでございます。

その上で今度はオレンジ色で囲った印刷業者のプロセスというところでございます。こちらはいわゆる缶詰のような製缶業者、改版の業者は限定されているというような事情とはまた別でございますけれども、この期間に最長で5カ月を要する。さらに右側の青で囲った食品メーカーのプロセスというところでございますが、実際に包材が納入された後に古いものの生産調整、在庫の処分をする。平均で7カ月ぐらいを要するというお話でございます。

以上の点を踏まえますと、下の黒い四角で囲っている部分でございます。マル1~マル4の各プロセスで最長要する期間を足し合わせると39カ月以上となります。また、今回の改正は全ての添加物について表示の変更が生じること。また、賞味期限の長い添加物についてもまた存在することなどを考慮すると、同様に4年程度の経過措置が必要ではないかと整理しているところでございます。

最後に4ページでございます。その上での整理でございますけれども、加工食品と添加物の経過措置期間について、製造所固有記号制度のデータベース整備に要する期間(1年間)に加え、4年間を設ける必要があるのではないかと整理してございます。

製造所固有記号のデータベースにつきましては、現在27年度の予算に基づいてデータベースを1年間かけて整備することを予定してございます。そのデータベースの整備の1年間と先ほど御説明申し上げました4年間を足し合わせるという形で、経過措置期間を5年間ということで諮問をさせていただいているところでございます。

ただし、下の※印のところでございますけれども、消費者庁としては5年以内の可能な限り早い時期に当然ながら事業者の方が表示の改版を進めて、新たな表示ルールのもとで消費者の方が商品選択できることが当然望ましいと考えてございます。

新たな表示ルールの普及に努めていくということでございまして、参考資料といたしまして机上配布資料2をごらんいただけますでしょうか。消費者庁平成27年度予算概算要求の重点事項のポイントという1枚紙でございます。消費者庁といたしましても、当然ながら新しいルールの普及というものを早く進めて、新たな表示ルールでの表示が進められるということを目指すことで、予算を現在概算要求中でございますけれども、重点事項のポイントの中で四角で囲っている真ん中の部分でございますが、わかりやすい情報提供の仕組みの構築といたしまして、具体的にアンダーラインを引いているところでございますけれども、食品表示法に基づく栄養表示、アレルギー表示等に関する普及啓発を推進するという形で、新規の予算を計上しているところでございます。

このような取り組みを通じまして、なるべく早い時期に新しい表示のルールというものが広がっていくことをあわせて努めていく所存でございます。

以上でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、議論に移ります。只今、5項目について追加の説明をいただいたわけですけれども、ナトリウム表示ができる場合を限定することも可能とする新しい提案を含んだ説明等もされております。その件についてどう考えるかということも、ぜひ議論いただきたいと思います。

御意見、御質問ございましたらお願いしたいと思います。迫委員、どうぞ。

○迫委員 新たな提案等ありがとうございます。

前回も確認をさせていただいたのですが、食塩相当量がベースである。そして、任意のルールとして、ナトリウム塩を添加していない食品に限定して「ナトリウム(食塩相当量)」という表示をする。こういう任意ルールをつくったときに、1点は「食塩相当量(ナトリウム)」という表示を認めるのかどうかというところ。これは前回も3種類の表示が出回る可能性について言及させていただいたわけなのですが、任意でナトリウムを表示したいということは、これはナトリウム塩を添加していない食品のみについて認めることになるのかどうかというところが、まず1点目でございます。

○塩澤食品表示調査官 お答えいたします。

結論から言いますと、このナトリウム塩を添加していない食品のみ認めるということでございまして、机上配布資料1にお示ししているとおり、2パターンを想定しております。

前回、私どもの提案としては、このマル2の考え方は少し違いましたけれども、ただ、今、迫委員おっしゃるように余りたくさんの表示パターンが出回るということよりも、なるべく統一されたルールでといった考えのもと、2パターンお示しさせていただいたところでございます。ただ、前回マル2に相当するところについていろいろな御意見をいただいたことを踏まえ、今回はマル1とマル2というルールでいきたいといった考えをお示しさせていただきました。

○迫委員 そういたしますと、ナトリウム塩を添加している食品について、任意でナトリウムを表示することは認めないという確認でございますけれども、できない。または違う場所で食塩相当量とは関係なしに表示を認めるか否かというところもあるかと思っています。

今、お返事いただいたように前回、基本ルールと任意のルールが入り乱れるというのは望ましくないということで、唯一理解できるのは、ナトリウム塩を添加していない食品に限ってこういう形というか、「ナトリウム(食塩相当量)」であれば理解できるところだと申し上げた記憶がございますのでこの表示の仕方がよろしいのではないかと思うのですが、あわせて再度、食塩相当量でナトリウム塩を添加している食品についてはナトリウムの表示はしない。(ナトリウム)の表示は認められないということでよろしいでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 そのとおりでございます。

○迫委員 ありがとうございます。

○阿久澤部会長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 迫委員からも今、御質問があったので、その点は重複しているのでしません。

それで、前回9月24日のときは、いわゆるパブリックコメントでまずは食塩を加えていないものがある。それから、従来どおりナトリウムで記載をさせてほしいという2通りのパブリックコメントが出て、前回の説明のときは、現状の流通販売している多くのものにナトリウムの添加の有無について関係なく流通実態があった。今回はまずそこについては考え方を変えたということです。確認です。

その上で、消費者委員会と消費者庁の合意できているところは、原則は食塩相当量をきちんとまず書くというのが原則で、ナトリウムを添加していないという、もう少し詳しく聞きたいのですけれども、例えば食品添加物でナトリウム塩というものがありますね。グルタミン酸なりクエン酸なり、そういうもの(食品添加物のナトリウム塩)も含まれるのですか。それとも食塩だけの問題でしょうか。その辺を確認させてください。

○阿久澤部会長 お願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 先にナトリウム塩無添加強調表示のお話を差し上げたと思います。その条件を満たしたものと、今回のナトリウム塩を添加していないというのは同義と思っていただければと思います。したがって、食塩、NaCl以外のナトリウム塩についても今回対象です。

○鬼武委員 食品添加物におけるナトリウム塩はもうだめだということですね。わかりました。

○阿久澤部会長 板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 今のお話からお聞きしますと、例えば食塩を添加していなくても、もともとは塩分といいますか、ナトリウムの量が多い素材がございますね。それも外れると考えてよろしいのでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 あくまでも着目点は添加の有無でございますので、もともとの量は関係してこないという考えです。

○板倉委員 つまり例えば海藻の類です。入れていなくても含まれている量が多いわけですから、その場合には当然、ナトリウムとしては大きな位置を占めてしまうということですけれども、そういった場合はこれにはかかわらないということでよろしいということですね。

○塩澤食品表示調査官 はい。再度の説明になりますけれども、この机上配布資料1に示しているマル1食塩相当量のみで記載していただくというのが基本でございます。ただ、このナトリウム塩を添加していない食品についてはマル2も認めますというものでございます。つまりそもそもの原材料にそのナトリウム塩が多く含まれるか否かというのは置いておいていただいて、あくまでも添加の有無によってマル2がありうると整理していただければと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

立石委員、どうぞ。

○立石委員 マル2は「ナトリウム(食塩相当量)」と書いてありますけれども、これでもってナトリウムを添加していない食品とわかるのですか。消費者から見て。要はこういうものは消費者目線で考えたときに、まずマル1の基本ルールとして食塩相当量と書いてあったときに、これは添加していないものも添加されているものも両方入ってしまうわけですね。場合によっては。そういうことで書かれるものもあるという中で、ではナトリウムを添加していない食品だけがナトリウムと書けるというルールで誰がわかっているのかなと思いながら、食塩相当量を我が国はまず優先して書くということを決めたわけでしょう。海外の表示を見ているとほとんどナトリウム表示なのです。だけれども、我が国はナトリウムでなしに食塩相当量。これはいろいろな事情で健康の問題があって、このことをまず優先しようということで決めたわけだから、であれば何もこのマル2がまさにナトリウムを添加しない云々でなしに、そもそもそういうことが消費者にわからない。添加している添加していないなんてわからないではないですか。マル1を見たって。そういうことでナトリウム相当量という形で置きかえるというルールを決めたわけだから、何も事業者のことを配慮してやる必要はないのではないかと思います。あくまで消費者目線で、消費者にとって必要な表示として食塩相当量というものを決めたわけだから、それに沿って「食塩相当量(ナトリウム)」でいいではないですかということで、例外的にこういうことを書きたいというのであれば、本当に例外のきちんとしたルールを決めてやらないと、ますます混乱してしまうと思います。

○塩澤食品表示調査官 ですので、あくまでもマル2は例外措置ということで今回示させていただいたものでございます。表示の読み取りにつきましては、確かに表示のみで全て完結するものではないという部分もあろうかと思っておりますので、今回のナトリウム表示も含めて一連その表示、今度からこういうふうになるんですよということは、我々としても広く消費者の方々に普及啓発していきたいと考えております。

○阿久澤部会長 そうですね。事業者、消費者ともにわかりやすい表示という観点では啓蒙が必要かと思います。

鬼武委員どうぞ。

○鬼武委員 その上で今回の意見について申し上げたいと思うのですけれども、まず国際的に見てアメリカ型の栄養表示でいくとナトリウムが原則的に表示されていて、それが義務表示となっている。EUは今、審議中ですけれども、表示の形態としては食塩(Salt)というものを書いて、食塩を添加していないものはアスタリクスか何かをつけて、これは原料由来であるということをわかるように書けるというルールであったと思うのです。

今回、日本の場合は消費者になじみがある、それから、お医者さんの食事指導なりでも食塩とか塩分という形で摂取する量を指導されており、ナトリウムから換算するよりも、そのものずばりの量が知りたいということで、その食塩相当量による表示が一番生活習慣病の予防の観点からも必要だろうということで、私は食塩相当量が基本的に書かれるべきであって、ナトリウムを書く場合は括弧か、原則的にはEUのように説明を逆に欄外にしたほうが、食塩相当量表示1本でもいいような気が今回この話をずっと聞いていてします。日本が今、置かれている国際ルールからしても、消費者庁の提案はどちらかというと中途半端かなという気はしています。この点は意見です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

ナトリウムについては新たな提案が含まれていたこともあり、質問等ございました。ほかの項目については特にございませんか。特段変わったところがないということから御意見、御質問等ないということでよろしいですか。

○鬼武委員 ほかの項目についてですか。

○阿久澤部会長 5項目。

○鬼武委員 今の説明についてですか。ではあります。

○迫委員 1つずつやるのかと思っていましたから。

○阿久澤部会長 では、そうします。他の項目については質問が出ないかなと思ったものですから、そんなことないですか。

○鬼武委員 せっかく説明してもらったから、それに我々委員も反応しないといけないから、それは1つずつ審議をやったほうがいいです。

○阿久澤部会長 では一項目ずつ進めてまいります。ナトリウムについては、ほかよろしいですか。

○立石委員 今のナトリウムの件は、鬼武委員が言われた方式は非常にわかりやすくていいと思うのです。私はそういうほうが具体的に消費者にとってわかりやすいという形で、それは事業者にとってもそうしたいというのであれば、そのように書けばいいわけです。要するに消費者からの目線でもって表示を決めていくことをやっていくべきだから、私は鬼武委員の意見に大賛成です。そういう形でやるべきだと思います。

○阿久澤部会長 池原委員、どうぞ。

○池原委員 念のための確認なのですけれども、このナトリウム塩を添加しないという条件は、強調表示の条件をそのまま適用されるという御説明なのですが、当然、強調表示をするしないは問わないということでよろしいですね。

○塩澤食品表示調査官 はい。

○阿久澤部会長 ほかよろしいですか。どうぞ。

○迫委員 前回より大分整理された提案だと思いますが、私もナトリウム塩を添加していない食品においても食塩相当量を書いていただいて、そして何らかの注意書きで、これは添加したものではないという形にしていただくことが、消費者にとって非常にわかりやすい表示になると思います。添加しているかしていないかということよりは、この食品を摂取したときにどれだけ塩分相当量を自分がとることになるかということがわかることが重要かと感じました。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

ほかございますか。よろしいでしょうか。

○迫委員 今の関係の確認なのですが、食塩を添加していない旨というのは強調表示等の基準の中で書き込める内容ですね。ですからどの表示であってもそこは書ける。強調表示の基準をクリアしていなければいけないですけれども、ナトリウム塩を添加していない、つまり、「ナトリウム(食塩相当量)」という表示をした場合には、強調表示の基準とイコールということになってくれば、それは事業者の意図で食塩無添加という表示はできる。原材料由来であるという表示もできると考えてよろしいでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 原材料由来というのを任意で書きたいというお話ですか。現行の食品、いろいろ売られているものを見てみましても、事業者さんの任意でこれは原材料由来ですといった記載はされていると思いますけれども、それは引き続き任意でお書きいただくことは自由でございます。

○阿久澤部会長 よろしいでしょうか。そうしましたら、これから順次このように説明に対する質問等を受けて、その後、基準案に対する皆さんの最終的な意見を確認していきたいと思います。答申書案にも記述している部分ですが、項目ごとに賛成できない方がいらっしゃるかどうかを確認していくことになります。この確認は最終確認ですので、既に賛成できないと表明されている方も含めて出席者全員の意思確認を行います。賛成できない方が半数を超える部分については、基準案に修正を付すこととします。

なお、本日は留保という扱いはいたしませんので、よろしくお願いしたいと思います。

きょう欠席されている方が3名いるのですけれども、この方についてどうするか。今までの議論をどうするかということですが、その辺はできるだけ尊重したいと思いまして、では、どのように尊重するかということになりますが、例えばこのナトリウムの表示については本日、新たな提案がありましたので、9月24日に一旦意見確認を行った時点とは判断基準が異なると思います。よって24日に反対とされている方が2名いらっしゃいます。留保が1名となります。この意見については賛成できない方の数には含めないこととしてはと思います。新たな提案があったために、この方のそのときの意見はある意味反映されない、しないということにさせていただきたく思います。

その他の項目につきましては、説明に新たな提案が含まれていないと私は思いますので、欠席されている委員が反対としている場合には今までの意見を反映させて数に含めたいと思います。そのような形で今後、進めていきたいと思いますが、いかがでしょうか。そして、きょう欠席された委員がきょうの議事録を見て最終的意見を残したいとおっしゃるのであれば、これは記録として残しておくことはあり得ると思っております。その場合は議事録を読んでいただいた上で、参考として事務局に御連絡いただくことにしたいと思います。

そんなことできょうのそれぞれの項目について、皆さんの意思を確認していくということでよろしいでしょうか。

○迫委員 そうしますと、きょう追加説明をかなり細かく受けていて、それによって意見が変わってくる部分も結構あるのではないか。意見が全く変わらないということであれば追加説明はあってもなくても同じということになるのですけれども、追加説明を聞かなかった方の判断はそのまま継続されることになると、全く追加説明が意味をなさなくなってくるのではないか。出席者については新たな意見を聴取し、欠席者の意見は従前のものをそのまま反映するというのはいかがなものかと思うのですが。

○阿久澤部会長 非常に悩ましいところなのですが、私がそのように判断させていただいたのは、この答申をきょう何らかの形で決めていかなければならないということから、本来ならば新たな説明を事前に欠席委員に説明して、その意見を伺えていれば一番よかったのですが、そういう状況にないままここに至っているということから、先ほど申しましたように新規の提案のところは反映させず、そして説明はあったけれども、結論としては変わっていないところについては前の意見を尊重、反映するというのがいいかなと私はそのように判断したわけです。

○迫委員 そういう意味では答申書はもちろんきょう出すわけです、結論をつけるわけですが、総合的な判断等についても、やはり答申は出さなければいけない。そうなったときに、一部に前回までの情報をベースにした結論がはいるということはいかがなものかと思いますし、それは棄権という扱いにしていいのではないかと思うのです。

○阿久澤部会長 その方法もあるかと思います。ということは、きょう欠席の方は、母数に入れないという形ですか。

○迫委員 そうですね。きょう最終的に答申をどうするかというYESかNOかというところをつけなければいけない話ですので、保留していたりしていた部分、または反対とか賛成とかしていた部分について、追加で説明を受けて判断しようとしている中に、条件の違う意見が入ってしまうということは統一しづらいのではないかという気がしておりますけれども、お願いいたします。

○阿久澤部会長 いかがでしょう。どうぞ。

○池戸委員 基本的なところなのですけれども、答申の仕方の中身の書き方は私もよくわからないのですが、要するに多数決みたいな形で大体基本的に決めていくのですか。

○阿久澤部会長 これは要するに諮問に対しての意見分布、諮問に賛成あるいは不賛成という意見分布を見るということを今、やっていることであって、それらを盛り込んだ答申案についての議決はまた各項目に対する意見とは別に、本日の出席者数でやるということになります。

○池戸委員 要するに、反対の意見の方の意見が反映された形で答申をセットで提供するというのが正確な議論の伝達だと思っているのですが。

○阿久澤部会長 他に御意見ありますか、先ほどの迫委員の意見もごもっともだと思いますし。

○池戸委員 私もたまたま出席したくても出られない方の御意見というのも尊重すべきだと思うのです。そんなに時間がかからないのであれば、文書でも何でもいただいた形で反映してあげたほうがいいのかなと。今までもずっと結構時間がかかったので。きょうかなりのところが新しい修正案の修正案みたいなものが出されてきたので、それを踏まえると意見もかなり違ってくるのではないかという感じもしたものですから。

○阿久澤部会長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 あと、答申書なのですけれども、時間がないのでなかなか難しいのでしょうが、今回お示しいただいた資料1-1と1-2は、本日の消費者庁の補足説明の前に要するに消費者委員会として判断したことなので、それに今回のものが加わらないと1つはいけない作業があると考えます。それは確認させていただきたいということと、答申の前のところも、書き方が消費者庁のほうでどうして変更したかという理由のところが余り書いていないのです。やはり理由は経過として例えばナトリウム、前回のところでは消費者庁の提案では現状の流通実態等の判断があって、“任意にナトリウムを併記する場合はナトリウムの量の次に食塩相当量を括弧書き等で記載”をする提案でした。それに対して前回の9月24日では多くの委員から反対があった。今回、最終的にいろいろ意見交換すると、合意できたところは食塩相当量というものは全体で合意できたと考える。ただし、ナトリウムの括弧書きの書き方についていろいろ意見があって、多分、今、部会長が提案しているパブリックコメントの前に戻す修正というものについては、また修正が入るような気がするので、その辺の最終的に確認をしてやることもステップを踏んで、協議する時間は余りないでしょうが、私はやったほうがいいと考えます。時間が限られているのですが、そこまでやらないと、折角、消費者庁が追加説明として新たな努力をして資料を説明して、それでここで更なる委員会の議論をするというステップを踏んでいるので、最終的にはそこまで確認していただきたいと思うのです。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

ほか、進め方についていかがですか。事務局からはいかがでしょう。今の意見等、幾つかありましたけれども。

○大貫参事官 部会長から御提案があったのは、この諮問の内容についてきょうの消費者庁の御説明を聞いて、最終的な判断がどのようなものになっているかというのをまず御確認をした上で、それで今、前の段階でつくった答申案について、どの部分について修正が必要であるというものを議論してまいりましょうという御提案だったかと思います。

したがいまして、諮問のとおりでいいよというふうに変わった部分については、この答申案の中から修正という箇所が削除されていくという形になっていくと思うのですけれども、まずそれで修正をするべき項目として残すべきものが何なのかというのを今、御確認されようとしているのかなと認識しております。その意味では、そういう作業をしていただいた上で修正すべき、その残ったものについてどのような修正にするかという答申案の検討をされるという手順かと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

最終的には答申書をお諮りするための議論となるわけですけれども。

○夏目部会長代理 それぞれの委員の中から今、出てきたのは、欠席をしている委員の取り扱い、意見についてどうするかという御議論だったと思うのです。これまでの部会の議論の仕方を見ますと、その場に欠席されていて、どうしても出席がかなわない場合は後で必ず事務局とのやりとりがあって意見を確認しているというようなスタイルを今回もとったほうがいいだろうという御意見が何名の方から出てきたと思うのです。ですから、その取り扱いをどうするかということが争点だったように思います。

○阿久澤部会長 そのとおりでして、その辺いかがでしょう。この欠席者の扱いです。

○立石委員 きょうこの答申を決めなければいけないのか。もう一回10月31日にあるではないですか。きょうでないとだめだということが何かあるのですか。そういう意味では私も欠席者の意見も反映するほうが適切だと思います。だから、ここで決めてしまうという中で言えば、きょうの説明、やりとりは議事録で確認していただいた上で確認するという手順が踏めないものかなと。まずそこです。いわゆるリミットの関係がよくわからない。

○阿久澤部会長 日程的なものですね。私はきょうで答申案は決めなければと思っておりましたので、そのように対応しているのですけれども、日程については今、確認するということですので、この論点については日程確認後にして、ほかの項目の内容について質疑していただければと思います。よろしいでしょうか。

○池原委員 今、ナトリウム、食塩相当量について採決するのではなく、要は、その都度、採決するということではなく、まとめてやられるということですか。

○阿久澤部会長 とりあえずまとめて一項目ずつやりますが、各項目の意見分布については後ほど、欠席者をどう扱うかということが確認できしだい、どのような確認するかを伺います。本日、欠席している者の意見を後ほど聞いて、それらを反映させた形で部会をもう一回設けられるかということなども含めて、日程が明らかになってからということにして、といっても日程調整結果をここで待つわけにもいきませんので、ほかの論点について議論を進めたいと思います。ナトリウムについては議論、質問は終わっておりますので、次の項目についてお願いできばと思います。栄養表示です。

○鬼武委員 はい、これは質問です。2つ目の小規模事業者に対する栄養表示の免除規定の件です。昨年6月28日に公布された食品表示法の中では、第3項の基本理念の中で免除規定が規定されていたと思います。この間の消費者委員会では、最終的なゴールとしては栄養表示は全ての流通・販売される食品に記されることが目標であって、それまでの道筋として経過的な免除規定は必要だろうという話であったと認識しています。

一方で、現行で食品表示法の第3項の基本理念に3条が残っている限りは、最終的には小規模事業者も全部対象になる場合は、その法律自体を変えなければいけないということになるのですか。要するに基本理念にそういうものが入っていると、私は小規模事業者のものを最終的に入れて栄養表示ができるものとしたいと思うのですが、法律的にはどういう解釈になるのですか。そのことについてお尋ねします。海外では多分、免除規定というのはそれはずっと残るのだろうと思うのですけれども、日本のこの間の説明では、基本理念のところを含めて消費者庁も最終的なゴールはいろいろ事業者に栄養表示に関する情報提供したり、データベースを構築してそのような小規模事業者も表示ができるようにしようという説明はされていましたね。ただ、一方で基本理念でも昨年に新しい表示法の基本理念にそういうものが入っていて、法律上の関係はどうなるのですか。そこのところの解釈を教えてください。

○塩澤食品表示調査官 できるだけ多くの食品に栄養表示がされるべきという考え方については、全くかわっているものではありません。ただ、今後、任意から義務というふうにしていくに当たっては、事業者の表示の実行可能性なども勘案して、いきなり日本にある全ての事業者に義務を課しますということはなかなか難しいのではないかといった考えのもと、今回の省略規定を設けた上で、まずはそこの人たちからやっていきましょうということを御提案させていただいている次第です。

もう一回繰り返し言いますけれども、ゆくゆくはできるだけ多くの事業者、限りなく全事業者に近い事業者が栄養表示されるべきという考え方は変わっておりません。

○鬼武委員 確認したいのは、法律を逆に言えば変えないといけないのではないかということを聞いているのです。私がもし小規模事業者だったら新しい表示法、去年決まったもので法律の中に基本理念を書いているではないかと尋ねます。食品事業別としては小規模であるのに、そのことは免除されているはずなのに、それを義務としてやるのですかということを消費者庁にお尋ねしたときに、法律上はどう答えるのですかということを聞いているのです。

○竹田食品表示企画課長 繰り返しになりますけれども、ではその小規模事業者の方にとって栄養表示をしようとしたときにどういう状況になっているのか。一般論としては、実現可能性は時間の経過とともに表示がしやすくなる方向に変わっていくと考えます。それが今、委員がおっしゃったように小さな事業者でも簡単にできるということになれば、その時点で表示をしていただく。そのことは必ずしも理念規定において小規模事業者に配慮していかなければいけないと書いていることとは相矛盾しないものです。

繰り返しますけれども、小規模事業者の方を取り巻く状況がどのようにこれから変わっていくのかということに応じて義務表示をしていただく方のラインが下がっていく。最終的にはそれがゼロということにもなり得るというのが法律上矛盾しないと思っています。

○鬼武委員 ごめんなさい。私は余り理解が法律上よくわからないので、ですから法律の理念規定のところは変えなくても、小規模事業者が義務になるということは運用上はあるという理解でいいですか。

○竹田食品表示企画課長 はい。その小規模事業者の方を取り巻く状況が変わっていけば、栄養表示について全ての事業者に義務表示をしていただくことも当然あり得る話でありますし、その時点においてこの理念規定を改正しなければいけないかと問われれば、必ずしもその必要はございません。

○鬼武委員 ないということですね。わかりました。国会でもその辺が議論になっていたので、その辺どうかなと思ったので尋ねた次第です。別に小規模事業者の免除規定が悪いということではなくて、最終的にすべての食品に栄養表示されることが理想だと思っていますから、本件の疑問に対する追加的な質問・意見しました。

以上です。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○立石委員 きょうの話を聞いて、改めてこの国の消費者行政というのは事業者のための行政というか、そういうためにあるのだなと痛感してしまったのだけれども、何のための食品表示法であったのかというところの理念から言って、このように事業者のことばかり配慮したようなことを言っていることについては、本当に残念というか、国際的に見てそんな国があるのかなと。世界広しと言えども、という感じを受けてしまいます。

特に小規模事業者については、本当は等しく国民全員がこの栄養表示についての情報を提供されることが権利として私はあると思っています。ただ、これまで日本は栄養成分表示については任意であったということでおくれてきている。前も言いましたが、幼稚園段階だからしようがなく、これはやむを得なくやっている措置であって、配慮していただいたということなのです。そこを拡大解釈して、まださらに人数で常時使用する従業員の数が20人以下、商業又はサービス業に属する事業は5人以下は省略を認めるというものです。これは前回質問しましたけれども、輸入事業者で5人以下でやっている事業者は幾らでもある。そういう人たちは義務表示から免除されることがあるわけだし、それから、今でも大手企業でもできるのにやっていないところがある。そうすると、5人以下だとかこういった小規模事業者のルールを盾にとってやらないということが出てくるかもしれない。いわゆる抜け穴です。

そういうことから言ったら、やはりきちんとここは最小限の枠の中におさめるというのが本来は当たり前のことではないですか。消費者行政として。なぜそこまで事業者のことばかり慮るのかなというのは本当にわからない。だからこのことははっきり言って9割というところは、諮問書に記載されている9割ではないのです。本当は10割。なぜ9割で許されるのかなと思うのです。等しく全員がこの情報を提供されることが当たり前なことについて9割でよしとか、そういう考え方をここに堂々と書かれているということはどちらを向いているのか。消費者にとって本当に必要であり、100%これは情報提供されることは当たり前だと見たときに、そのことを免除することは極力可能な限り少なくするというのが消費者庁の当然の姿勢だと思います。

○阿久澤部会長 そのほかございますか。よろしいですか。

では、3つ目の栄養強調表示に係るルールの改善の項目です。いかがですか。

○鬼武委員 前回のときにコメントペーパーを含めて意見を申し上げたところであります。それで今回、農林水産省からいろいろな形でいわゆる伝統的発酵食品についての製造工程と、それぞれの困難性について説明がありました。

前回、私の意見自体はマイナーな意見なので、そのこと自体は全体としてはコンセンサスを得られませんでした。ただ、私はこの間、日本が国際ルールでいろいろな形で挑戦してやっている。そういう中で表示の規則とかも日本のいろいろな食品が輸出できたり、いろいろな形で表示できるということも一方では重要な政策的な観点ではないかと思っています。

そういう点から言うと、今年11月にコーデックスアジア調整部会がありますけれども、そこでは表示のところでは日本で言う豆乳とか、豆腐の議論も最終ステップに上がってないと思いますが、残念ながら各国の調整の中で豆腐とか、そういうものが過去にコーデックスのほうで日本はそういう要請をしていて、豆腐の用語の使い方とかあったのですけれども、今回最終的にはそういう案が多分そこは日本政府が折れたのだと思いますが、妥協したのでしょう。

そういう中で私は今回、伝統食品、しょうゆとみそに限りということであれば、それについてはまだ考える余地はあるような気はしています。それは過去にコーデックスの食品表示部会に対して、そのときの責任者は厚生省でしたでしょうか。その代表団がいわゆる国際会議の場でしょうゆ、みそとかnaturally occurringということで自然発酵的にできる食品については、25%のルールは無理であるということをコーデックスという国際会議の場で説明をして、その議事録も残っています。

ですから、そういう面からすると、例えばナトリウムの摂取量の制限が国際的には課題になっていることもわかりますし、日本でそういう摂取量を減らすというのが先ほどの食塩相当量の議論でも十分できたと思いますが、一方でこのような伝統的食品についてはある程度考慮するようなところもあっていいと考えます。それは前回の資料よりも今回、農林水産省の説明でそういう項目であったとすれば、今後コーデックスアジア調整部会なり、もしくはコーデックスの表示部会なり、日本の伝統的食品の表示と栄養に関する強調表示のところについても、意見を言っていく道としてはまだ残されているような気がして、この2つについてはそういう面では前回、私が意見を申し上げたように、その辺の免除、除く規定といいますか、それは日本の政策として少しは考えて、逆に言えばアミノ酸しょうゆとか、そういうものと一方で対峙しなければいけないということがあるのだったら、それは農林水産省なり事業者から説明を受けて、そういう戦略としてあるのだったら、そこも含めて考える余地はまだあるような気がしています。それは意見でございます。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 今回いただいた資料を見ますと、根拠が1964年ですとか1990年ということで、今から20年とか40年とか前のデータでもって説明をされているのです。それが1点。それから全く進歩がなかったのかということです。

それと、日本消費経済新聞によりますと、今、本醸造でもしょうゆは50%の減塩というものがあるということでしたので、私もインターネットで検索してみましたら、実際にそういう商品が幾つかインターネットのサイトでヒットしてきたということがございました。ですから、そもそもこの示された資料自体が現状をちゃんと反映しているのかどうかというところで、申しわけないですけれども、不信感を持ってしまいます。

実際に本当に困るものであって、必要であるということであれば伝統的ということで当然考えていいと思うのですけれども、日本の技術というのは非常に進んでいるにもかかわらず、こういう古いデータでもって反論をするということ自体の姿勢について、私は疑問を感じております。

○塩澤食品表示調査官 今の御指摘に対してでございますが、私ども資料3-2の一番下のポツでも示しているとおり、今回、農林水産省から情報提供があった、その情報のみをもって検討に入るというわけではなくて、さらに必要な情報を得た上で精査していきたいということは先ほど申し上げたとおりでございます。

○竹田食品表示企画課長 御指摘がありました50%といった商品につきましては、先ほどの資料にもありますけれども、本来、しょうゆの醸造には使わない脱塩という特殊な工程を経て製造されているものでございます。したがいまして、そういう商品は確かにあります。

製造方法についてのお尋ねがありましたけれども、これは基本的には微生物を使う、まさに発酵という自然の工程を使いますので、工業工程のように時代の進展とともに必ず進化をするというものではございませんので、そういう意味で伝統的な技術でつくっている食品ということで、そこのところは御理解をいただきたいと思います。

○板倉委員 この前の御説明のときには、アミノ酸しょうゆでなければできないんだという御説明がございました。ということはサイトで本醸造で50%というのは、間違った表示をしているということなのでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 前回申し上げましたのは、脱塩をしているしょうゆにつきましては保存性が悪化しますので、アルコール等を添加して、それによって雑菌の増殖を防いでいるということを御説明させていただいたと思います。

○板倉委員 今でもしょうゆは普通のしょうゆであっても、発酵を防ぐとか品質を守るためにアルコールの添加というのはされているわけですから、それは特に減塩に限らないと思います。

○竹田食品表示企画課長 全てのしょうゆにアルコールが入っているわけではございませんので、そういう意味で保存の期間を長くするという目的で添加している商品は確かにございます。

○阿久澤部会長 迫委員、どうぞ。

○迫委員 この相対差の部分でしょうゆとみそ。前回、私はこれについての提案された内容につきまして、反対という形で表明させていただきました。というのは対象食品が非常に幅広くなる可能性を憂いたわけでございます。

そういう中で伝統的な食材に限って、みそとしょうゆに限定して検討するベースにするということであれば、そこから先は本当に科学的に考えて現在の製造方法の中でどうなのか。保存方法等も変わってきているので、その辺を深く精査した上で検討していくという案でよろしいのではないかと思いました。

もう一点、小規模事業者のところに戻るのですけれども、一定期間、これも私は「当分の間」というところが曖昧過ぎて、そこの見直しの期間を明確にしてくだされば賛成しますと意見を申し上げたかと思っております。その一定期間というものが3年という形で例示がされております。ここでの見直しの状況の条件のところで栄養成分表示、小規模企業者、20人というのは小規模企業者という定義だと思うのですが、栄養成分表示の実施状況等を踏まえという形になっておりますけれども、そこにはやはりその間の環境整備とか消費者の動向とか、そういうものを加えていただいて、さらに活用の状況等もつけ加えていただきたい。単に実施状況をベースにして調べるということではなくて、この等のところをもう少し詳しく書き込んでいただいた上で、この「当分の間」を明確にしていただくということであれば了解できるところだと思っております。

○阿久澤部会長 立石委員、どうぞ。

○立石委員 しょうゆとみそなのですけれども、都合よく国際整合性という部分と伝統食だという国内の事情というのがうまく天秤にかけられているような気がするのですが、要はこれまで自由にやってきたルールを一律にやっていきましょう。消費者目線で。低減というのは25%ですよという国際ルールに沿ってやろうという中身なのです。ということは、今、海外で私もこの前行ってきて見てきたのは、しょうゆとかみそとかものすごい量が輸出されています。いろいろなメーカーが。そうすると、海外ではコーデックス基準に基づいて表示しなければいけないという中で、ダブルスタンダードになるということなのです。日本国内の消費者と海外の消費者との間がです。そういったことを容認してしまうということです。

それから、先ほど説明があったように自由な経済活動を阻害するということを優先される。これは少し違っていると思うのです。自由な経済活動だから消費者に誤認を与えたり、いろいろな問題が起こってくる。だからこそルールをつくるんですよというのが、このいわゆる食品表示基準の考え方ではないですか。自由な競争を阻害するということをもし優先するのであれば、何もルールなんか要りません。全てルールを撤廃してしまって自由にやってくださいということを消費者庁は言っているのです。みずからの言葉で。この姿勢が私は問題だと言っているのです。今は消費者にとってわかりやすい、一律同じ考え方でやりましょうよというのがこの食品表示基準、食品表示法の根本的なところなのです。必要な情報が提供されるだとか、選択の情報も含めて、そういったところをきちんとやり直そうという中で、特別ルールというのは一切認めるべきではないと思います。こういうみそ、しょうゆだけ声が大きい、困る、困るということに対してわかったというような、そういう姿勢は示すべきではないと思います。

○阿久澤部会長 課長、どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 先ほどは発酵というプロセスを経る食品でございますので、一定程度限界があるということを御説明させていただきました。それから、消費者の方にお伝えをできる、つまりラベルにきちんと数字を書いて、商品をとるときに目に入ってくる。それはほかのものが25%になったときでも、しょうゆについて例えば20%できちんと塩分がカットされていると伝わること自体は消費者の方にプラスだと思っていますので、そういう意味ではそういうところも御考慮いただければと思っております。

○阿久澤部会長 今の関連ですか。

○立石委員 ちょっと言い忘れたので。もう一つ、いわゆる減塩の割合というのは、実際に栄養成分表示の中でされるわけではないですか。何グラム使っていますよということを。ということは、消費者から見てわかるということです。この企業は努力をしているのかどうかというのは。そういう面で強調表示をするということについては何らかの販売促進行為ということで、それは一律にされるべきです。

実際に努力された分というのは、きちんと数字でカウントされて、それが栄養成分表示に載るということです。掲載されるわけだから、それでもってわかるではないですか。

○竹田食品表示企画課長 基本的には業界の標準品に対してどれぐらいカットされているかということが伝わるものでございますので、そういう意味では強調表示でそこで目に入ってくるというのが一番買いやすい。逆に言うと、裏返して表示を見て判断するというのは、消費者の方にとって1つの作業を挟むわけでございますので、そういう意味では強調表示でわかりやすく表示をするというのは、消費者の方にとっても情報が伝わりやすいと思っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

宮地委員、どうぞ。

○宮地委員 現在のお話も、ナトリウムに関しての話なのですが、この特例ということは非常にわかりにくいということで先回、私も反対をしたのですが、今回の説明であれば、先ほどもおっしゃったように伝統的な食材を管理するという話をされていますので、そういう意味では一歩進んだのではないかと思っています。

特例ということについては管理をするということが大切なのだろうと思っています。管理をされたものが特例として認められるということについては、私はそれでいいのではないかと思います。

もう一つ前の栄養表示の義務化の小規模事業者については、これは先ほどの竹田課長からのお話のように、これは全ての方に将来、義務化をしていくという話であるわけですから、そのスケジュールの置き方だけですので、極力早くいろいろな方が取り組みをできるスケジュールをどう置くかだけの話だと思いますので、その範囲をどうするかということについては、スケジュールがきちんと明確にできていけばいいのではないかと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

池戸委員、どうぞ。

○池戸委員 前回は特例についての一般的議論でしたが、今回、みそ、しょうゆという具体的な品目が上げられてきました。きょうの御提案ですと最終的には技術的な問題という形で判断するということで、その技術的な問題という話になると客観性なり科学性がないと判断できませんね。先ほどいろいろな御意見があったのですけれども、出された意見等によっての判断は難しく、消費者庁のほうでそれを踏まえて対応するかどうかという判断なので、私は今回御提案の考え方でいいかなと思っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

宇理須委員、どうぞ。

○宇理須委員 特例がしょうゆ、みそに限られたことは非常にいいことだと思いますけれども、ただ、そのときに25%に達していなくても減塩だとかいう強調表示ができることになるわけです。そのときに25%減塩しているようなものと、それ以下の20%とか、そういう場合に強調表示の仕方に差がつけなければいけないとか、つけなさいとか、そういうことはあるのでしょうか。差がついたほうがわかりやすいのではないかと思うのですが。

○塩澤食品表示調査官 特段そのルールを変えようというつもりは今のところございません。ただ、相対強調表示の場合はその基準を満たしているということ、数的な基準を満たしていることというだけではなくて、先ほど話にもございましたが、何パーセント低減しているか、何割低減しているかという数字をつけるといったことがございますので、その数字の多い少ないなどを参考に消費者の方々にお選びいただく。そのような考えになると思います。

○阿久澤部会長 よろしいですか。どうぞ。

○池原委員 今後、また詳細な調査をされるということなのですけれども、今回、大きくこの技術的な限界が、みそ、しょうゆについては20%であるということは、具体的なデータとともに提示していただきまして、基本的に大きくはしっかりと、私としては理解できたと思っています。

繰り返しですけれども、このみそ、しょうゆといった伝統的な食品においては、伝統的であるがゆえに日本全国に伝統的なつくり方にこだわっている事業者の方がたくさんおられるということと、そういった全国の各ブランドの具体的な20%の減塩の商品に対して、強い支持がある、実際に市場から受け入れられている、それは要するに消費者のニーズが高いということだと思います。ですから、コーデックスは25%一律ということではありますけれども、そういった状況を考えたときに、やはりここは日本全体の消費者、国民にとって、そこには特段の特例を設けておくということが、それは日本国民にとっての大きなメリットになると私は思います。ぜひこの特例の措置をお願いしたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 先ほど発言しましたけれども、繰り返しになりますが、あと、国際ルールとダブルスタンダードにならないためには、一方でコーデックス食品表示部会とか、コーデックスアジア調整部会等で日本のそういう事情があることについて昨年、表示基準の強調表示も決まったわけですけれども、その点については今後、コーデックス等の国際ルールについて、ナトリウムがmacronutrientsからmicronutrientに戻るような提案をしていけばいいわけですし、それかもしくは伝統的な食品としてこういうものがあるということで、幾つか戦略的には国際会議でも言っていける場があると思いますので、一方でそういう努力をしていただくということは、国内ルールをかえることだけではなく国際ルールについても同じような規制を目指していくべきであると私は思っておりますので、そういう点もぜひ今後は検討していただければと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

ほかよろしいですか。河野委員、どうぞ。

○河野委員 今のナトリウムに係る低減されたものの表示に関しては、前回、不明確であった特例がみそ、しょうゆに明確に限定されたということで、よりわかりやすくなったと思っています。ただ、当然のことながら前回も議論に出ましたように、風味ですとか味ですとか製品特性、そもそも安全性などを犠牲にして25%低減ということで、どうしても低減表示をしなければならないのかというところは疑問が残るところです。

ただ、みそ、しょうゆは本当に日常的に日本で使うもの、どの家庭でも使うものですし、かつ、ここに塩分コントロールということで消費者にとってみると非常に重要な食材であるということも考えますと、3番目の○に書かれているように、今後、特例の適用の可否について検討されるという形で答申がされるということでよろしいのでしょうか。このところをどう読めばいいのかということを教えていただければと思います。

もう一点、戻りますが、小規模企業者の措置のことなのですけれども、免除というのはある一定期間、ある一定の条件、要件を決めて必要だというふうには思っております。ただ、今後栄養表示が経過措置を経て徐々に日本の中で食品に浸透していきますと、消費者は当然のことながら選択の基準として栄養表示がしっかりされているものを選ぶということは、事業者の皆さんは理解していただきたいと思います。事業規模によらず、私たちの選択の重要なファクターに栄養表示があるということ。ですから事業者の皆さんも規模で免除されているからということで努力をしないということではなく、今後に向けてしっかりと消費者志向ということを考えて、努力していただきたいと感じているところです。

○阿久澤部会長 1点目の質問、私は油断していて把握できなかったのですが、消費者庁からお答えいただけますか。2点目は御意見ということですね。

○塩澤食品表示調査官 すみません、1点目、御質問という認識を持っていなかったものでして、もう一度おっしゃっていただいてよろしいでしょうか。

○河野委員 本日、消費者庁の資料3-2の1ページ目の一番下です。御説明の中で特例の適用の可否について検討という文言をどう読んだらいいのか。私たちは答申案を今、考えているところですので、どういうふうに検討という御説明を読んだらいいのかというところです。

○竹田食品表示企画課長 我々は現在、プロセスの中では皆様のお手元にあります農林水産省で調べていただいた資料を御提出いただいたということでございます。それについて我々としてヒアリング等を行って精査をしたという段階ではございませんので、そういう意味で特例規定について基準の中に盛り込んでいただけるのであれば、それに具体的にみそ、しょうゆが該当するかどうかといったことについては、これから我々、農林水産省、業界に実態をお聞きしながら適用するかどうかというものをこれから考えていきたいということでございます。

○阿久澤部会長 立石委員、どうぞ。

○立石委員 もし特例を認めるのであれば、みそとしょうゆだけは20%でも減塩ということで書かれるということであれば、その20%という数字をきちんと書くべきだと思うのです。これは20%で減塩であって特別ですよということがわからないと、消費者はわかりません。一律で25%というコーデックスルールを日本は採用した。しかし、みそとしょうゆだけは特別なんですよ、20%で減塩と書けるんですということを知らせるべきだし、であれば20%減塩ということを当然書くべきだ。それが本当の消費者行政ではないですか。もし特例で本当は伝統食だから、私は農業団体の一員としてはもちろん認めてあげたいというか、気持ちはそうです。だけれども、やはり一律であるべきだという基本姿勢として今回の法律の理念に基づけば、そういうところでいくと、そういうものは余り多くないほうがいい、ほとんどないほうがいいという中で、どうしても認めるのであれば20%という情報をきちんと消費者に提供する中で、このことは特例としてあってもやむを得ないかなという感じはします。

○塩澤食品表示調査官 相対強調表示のルールにつきましては、特例が適用される、されないには関係なしに、いかなるときでも比較対象食品に比べて何割とか何パーセントふえた減ったというものを書かなければいけないというルールでございますので、繰り返しますけれども、今回、仮に20%というしょうゆができたとしても、それは必ず20%ないしは2割といった文言は必ず表示されるものでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。ほかよろしいでしょうか。よろしかったら次の項目の製造所固有記号に係るルールについて、どうぞ。

○池原委員 先ほどの消費者庁からの御説明とかなり重なるところがあるのですけれども、参考資料を用意いたしましたので説明させてください。

前回の部会で、業務用加工食品の製造所固有記号といった情報が、一般消費者にどのように関係するのか理解が難しいとおっしゃった委員の方がおられましたので、参考ということで用意してみました。

参考資料4の1ページをごらんください。真ん中の上のほうに食品製造工場Aで製造したドラム缶のような形をした業務用加工食品aがあります。荷姿がドラム缶のような包装で明らかに業務用であって、当然表示は業務用加工食品の表示になっている商品です。業務用加工食品ですので、基本的には、全て右側のルート、要はB to Bの取引となって、例えば工場Bで製造する一般用加工食品bの中間原材料となります。消費者が実際に手にとる一般用加工食品bは工場Bでつくりましたので、工場Bを製造所として表示しなければならないことになるのですけれども、原材料となる業務用加工食品aの製造所が工場Aであるということは、この一般加工食品bの表示としては全く必要のない情報となります。

前回の部会で、B to Bの取引について、上流の情報が下流に伝わらないということを非常に恐れるといった御意見がありましたけれども、このケースでわかるとおり、原材料となる業務用加工食品aの製造所が工場Aであることが工場Bに伝わるとか伝わらないということについては、一般用加工食品bを表示するに当たっては何の問題にもならないということで、その御心配は特に必要ないのではないかと思います。

次に、左側のフローなのですけれども、これも先ほどございましたが、業務用加工食品が業務用スーパーなどで一般消費者に販売されている実態があるというところなのですが、この加工食品aというのは明らかな業務用加工食品であって、我々製造事業者は、あくまで業務用として製造した業務用加工食品が一般消費者にそのまま販売されていくことがないように、下流の販売事業者への販売においては、例えば契約を締結するといったようなことをして、そういったことがないように努力はしているのですが、そうは言っても業務用の卸を経由したりして、そういった最終の業務用スーパーといったところで一般の消費者に小売されているということが現実的には起こっているようです。ただ、これについては、我々製造事業者としては、なかなかコントロールすることはできないところです。

しかしながら、その場合においては、業務用スーパーCが一般消費者に販売できるように、表示を正しいものに修正していただく、ここでは、正しい表示項目が印刷されたラベルを別途添付するという絵にしておりますけれども、それは要するに業務用スーパーCが責任を持ってやっていただくことだと理解しております。

そこで消費者庁にお願いをしたいのですけれども、こういった業務用小売に対して業務用加工食品を一般消費者に販売する際には、きちんと表示を確認していただいて、不足している場合には表示を正しく修正していただいてから販売することをQ&Aなどに明記していただいて、業務用小売に対して、それを徹底していただきたいと思います。そこはぜひお願いしたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

ほかございますか。栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 今のお話に御質問させていただきたいのですけれども、我々としてはというか、池原さんのところとしてはというか、その範囲では、Bの業務用のものがCに行かないようにと言っているのに、でもコントロールできずにそういうものが行っている。もしそういうことをする場合にはちゃんと表示するようにとおっしゃっているということですが、行かないようにと指導しているものが流れてしまっているのに、上のほうから流さないようにと言われているものを流している人たちがちゃんと表示してくれているのでしょうか。

○池原委員 我々から販売する直接の販売先に対しては、当然そういった契約をするだとか、お願いするだとか、やっているのですけれども、そこに一旦渡ってしまったものについて、そこからさらにいろいろなところに流れていくのですが、そこについては我々から直接コントロールすることはできないということを今、申しました。

表示の責任があるというのは、最後の小売のところです。ここで言うと業務用スーパーCさんが、最終的に消費者に対してそれを直接販売するという行為を行うのであれば、業務用スーパーCさんの責任において、表示を正しく一般用、要は消費者の方にちゃんと販売できるように一般用加工食品としての表示をきっちりとやる。それは大きなルールであると認識をしておりますので、その辺の徹底をお願いしたい。そういうふうに申しました。

○栗山委員 そう言ってくださることはわかるのですけれども、コントロールできないような先まで行っているのに、お願いベースで済む話なのでしょうかということが疑問なのです。

○阿久澤部会長 お願いベースで済むかという質問ですが。

○池原委員 どこに対するお願いベースですか。業務用スーパーCさんに対するお願いということをおっしゃいましたか。

○栗山委員 してはいけないことをしている人たちに対して、お願いベースでやっていって済むものなのでしょうか。それともあらゆるところに表示をしてほしいという、そういうことも想定の中に入れて、我々のいるところに表示をしていただきたいというふうに除外することなくしていただきたい。だから池原委員たちが頑張ってくださっていても、流れてしまうものに対してそういうものがあるという事実があるわけです。であれば全部のところに表示していただけないですか。そうしていただきたいですという話をしているつもりなのです。

○池原委員 それはどうでしょうか。やはり、最終的に業務用スーパーCが販売されるということですので、日本全国そこを一つ一つ我々がしらみつぶしに見ていって、そこに一つ一つお願いしていくということはもちろんできませんし、そこは行政の方にお願いしたいと思っています。

○板倉委員 ただでさえ行政の方がそんなに十分にいらっしゃるわけではいらっしゃるわけではありませんし、もともと書いてあればそういうことは全くする必要がないものについて、なぜあえてそれは消費者庁のほうにお任せして指導してほしい。自分のところではやれないし、そういうこともあるから、それは行政のほうでフォローするべきだというふうにおっしゃること自体が私たちには理解できない。それよりは最初から書いてあればそういう心配は全くする必要がないわけです。あえて業務用のものについて製造所固有記号を認めるということをしなければ、そういうことはする必要はないわけですから、なぜわざわざここで製造所固有記号を認めるのかということの意味というか、説明にはならないような気がするのです。

○阿久澤部会長 立石委員、どうぞ。

○立石委員 栗山委員と板倉委員と同じなのですけれども、前回、石川委員が出されたペーパーに対してきちんと反論してくださいということを言ったにもかかわらず、何も出てこないということは、ここに書いてあるのです。食品表示法において、もはや存続の合理性を失っていると明確に書かれている中で、いろいろなさまざまな事象が書かれていて、それに対して反論できないわけです。

要するに販売者という名前のもとに固有記号が書かれていて、これは全く情報が隠されている。書きたくない、教えたくない、知られたくないといった事業者の利便性、これを守りたいがためのいろいろな屁理屈をいっぱいこねているのです。皆さんね。でも事業者にとってはどうしても守りたいのだけれども、これは消費者にとって全く必要ないし、まさに業務用取引だってそうなのです。販売者と書いて、実際に製造者はどこかわからない。製造所もどこかわからない。要するに海外でつくられた半製品についての私が出した事例で、そういったことが全く情報として川下へ川上から伝わってこないものがあるわけです。そういった隠された情報というのが、本来は、もしきちんと伝達なり表示がされていれば伝わっていくわけです。末端の消費者まで。その消費者に知られたくないという情報を、それがためのこういったおかしな制度、形骸化している完全に崩壊している制度をまだ続けようとする。

私は何回も言いますけれども、この石川委員に対して法廷闘争をしたら、勝てるのですか。消費者庁は実際に。私はこの中に極めて製造者のみの特別ルールであるところの不合理性だとか、こういうことも含めていろいろな視点で書かれていますね。こういった視点がね。ここについて、まさに事業者のための仕組みに対して税金を使ってこういったデータベースをつくるとか、これも全く納得できない。要は選択なのです。消費者が。固有記号を見ればたどることができるなんて言っている人がいますけれども、ではこれは買ってからでないとわからないではないですか。買ってからですよ。初めて、手に取って自分が買って初めて製造所固有記号を見てこんなところだったのかということでなしに、本来は商品にきちんと書いておれば何ら問題はないのです。海外ではほとんど書いているのです。製造者を書いているところが多い。そういう中でなぜ日本だけが固有記号なんてもので目隠しのように情報を隠しているということを容認するのか。私は理解できません。

これは徹底的にもう一回議論し直さなければいけない。これはゼロベースで考えなければいけません。これは業務用食品を除くというレベルでなしに、固有記号問題は本当に消費者にとって必要なのかどうか。今回の食品表示法に照らし合わせて、本来の趣旨に合っているのかということをもう一回やり直さなければいけないのです。私は消費者庁に、これに対してきちんとペーパーで議論として反論してくださいと前回お願いしました。反論できないのであれば、認めているのです。できないでしょう。私はできません。事業者として全然反論できません。この石川委員の指摘に対しては。きちんと反論してくださいと私は竹田課長にお願いしたはずですけれども、なぜ出てこないのですか。石川委員に対しての反論が。

○竹田食品表示企画課長 一般論から御説明申し上げますけれども、通常、私人、法人も含めて私人を対象に法律をつくるというのは、法律でなければできないことをやる。つまりは自由を制限するあるいは義務をかけるということを規定します。これは我々の業界で通常、法律事項といいます。法律がなければできない。

法律がなければできないことというのは、表示法の中で何かということを考えますと、これは事業者の方に表示の義務をかけるということであります。表示をしなければ表示違反をとられる。具体的には表示がないものというのは流通させられないという効果が生まれます。それはどうして表示をさせるかということでありますけれども、1つには社会的な必要性があります。これは食品衛生法の被害の取り締まり、それから、健康栄養政策上必要な情報の提供というものがあります。経済的な規制としては、まさにJAS法由来の品質に係る情報、これは買い物をするときに最低限これがないと買い物ではないではないかということを表示していただくということであります。

繰り返しになりますけれども、表示法の神髄は事業者の方に義務をかけて表示をしていただく。情報を提供していただくということでございます。したがいまして、社会的、経済的な規制でありますから、それは当然、合理的なものでなければならない。あるいは必要最小限のものでなければならない。つまりは事業者の方は本来、食品というものを自由に流通させられますけれども、自由にやったのでは弊害が出る部分についてはこうして表示の義務をかけていくということでございます。その際にはということで、理念規定3条にありますけれども、では一体消費者の方がどの程度の情報を欲しているのか。事業者の方は逆にどの程度実行可能性があるのか。そういうことのバランスを考えて義務表示の事項を考えていくというのが表示法の思想でございます。

したがいまして、今、御指摘がございましたけれども、理念規定の消費者の権利といった言葉を何度おっしゃられても、それだけでは義務の範囲というのは決まらない。繰り返しになりますが、消費者の方がどの程度の情報がないとお買い物ができない状況なのか、あるいはそのことに対して事業者の方はどの程度実行可能性があるのかといったようなことのバランスを考えて、義務表示というものの範囲を考えていくというのが食品表示基準のあり方だと思っております。

○立石委員 そもそも食品衛生法では製造所所在地、製造者の氏名を書くというのが原則ではないですか。例外措置としてあって、今回3つの法律が一本になるわけです。これまでの考え方でいくと、食品衛生法の考え方をきちんと書くというものがあって、販売者の概念がそもそもないのです。食品衛生法の中には。だからいわゆるこれは例外的措置として製造所固有記号というもがあって、初めて出てきているわけです。ですから、ここは本来のところに立ち戻るわけです。1つの法律になるわけだから。JAS法のことばかり中心になって議論していますけれども、食品衛生法でそもそもが製造者を書くということがあるわけですから、そこに立ち返ればいいわけです。昔はそうだったわけでしょう。それでもって例外的措置を認めるために保健所に申請して、届出して、やっと認めてもらった固有記号です。昔はね。そもそも昔はやっておったわけです。それで固有記号を認めてもらいたいがために事業者は届出を地域の保健所に出して、やっと申請して与えられたという仕組みがあった。そこにはある面ではルールがあったわけです。保健所という地域の目が届く範囲の中でいろいろなことが制限されていた。ところが、今は何でもありになってしまっているわけでしょう。そのことをもう少し見てくださいよ。法律はそういった濫用があったとき、濫用という言葉を多数使われていますね。石川先生は。法律家が濫用にある実態は正さなければいけないということになぜ立てないのですか、消費者庁は。今の濫用の実態をきちんと直すということで、今の食品衛生法のまず基本理念に立ち返ってやり直すということだと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 現状を濫用と言うかどうかについてはコメントいたしませんけれども、これは何度も申し上げておりますが、基本的には食品衛生法というのは飲食に起因する危害の発生防止ということで、もし事故があったときに源流、発生源はどこですかというところを取り締まるための法律でございます。

そういう意味においては所番地を書いていただいても、記号を書いていただいても、保健行政上の目的は達成する。ただし、これまでの原則と例外の運用が曖昧で事実上、ルールがなかったという状況にございますので、そういう意味で2以上のところについて今回は使えるようにしたいということで、例外措置の明確化をしているということでございます。そこの点については繰り返し御説明をさせていただいておりますので、御理解賜りたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

ほかの方の御意見、どうぞ。

○鬼武委員 前回までに意見を言いましたので、余りそこの点は繰り返しません。

きょう資料3-3を抜粋した資料をいただきました。その中に反対の意見の中にも現状の製造所固有記号を全く認めるべきではないから、6番までの意見としていろいろな段階で意見があるというものがあります。それから、その他の意見も委員の取り方にとってはこれは屁理屈かもしれませんが、ラベル表示の中にでもいろいろな情報がかなり書かれていると、それが分散されることによってリコールのときとか戸惑うのではないかという視点。別の観点から一定そういう中身も書かれていることとか、非常に経済的損失が大きいというような意見も出されています。

そういう中でいくと、今回パブリックコメントの中で一番大きな要素を占めたのがこの製造所固有記号の項目であるということが1点目です。そういう中では製造所固有記号については、私は繰り返し言っていますけれども、製造所の記載に関してはもともと乳等省令なり食品衛生法で入ってきているそういう基本的な考え方と、今回消費者庁に移管されて製造所を書くことになるというリーガルのマター、法律的なところの経過については、きちんと説明してほしいというのが2点目であります。

3つ目としては、今回のこの措置は中途半端な措置ではないかと思います。と申しますのは、輸入食品に対しては輸入者を書くということで、輸入製造者の場所、例えばイタリアのわかりませんけれども、ワインがあればそれを日本に輸入した場合は、そこの製造所の住所を全部書くとか、そういう義務規定にはなっていないというものがあるので、そういう面では日本の表示がダブルスタンダードに一部はなっていますから、そういう点が3つ目としてあります。

最終的にはそういう点からすると、前回課長から今回はいろいろな意見を聞いたのだけれども、その中で消費者庁の案がよりいい、それ以上の案が出てこなかった説明ですが、私としては今回はいろいろな形で措置をするという中で、1つは現行の製造所固有記号に関するデータベースの構築については予算執行等あれも決まっているということであって、まずそこをやってもらって、製造所固有記号についてはいろいろな意見が委員の中からも右から左もあって、固有記号について議論をしたいのだったら、きちんと現行の製造所固有記号についてレビューをして、もう一度じっくり議論をやるべきではないかという意見を持っております。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

宮地委員、どうぞ。

○宮地委員 業務用食品の業務用スーパーでの表示については、これは池原委員からおっしゃったように販売者として業務用スーパーの責任で表示をすべきだと思っています。それぞれの事業者が(受け渡す)最終の表示については責任を持つ。その渡すデータは、川上の製造者あるいは卸というものが責任を持ってしなければならない。役割分担からすれば、ここの表示はきちんと業務用スーパーが責任を持って表示をすべきだと思っております。

加工者が表示をするべきかしなくていいかという製造所固有記号については、例えばJAS法の中で業務用については全く分けた考え方をしたわけですが、多分パブリックコメントで、「これは対象ですか」という質問で、このことについてはこのように消費者庁さんは考えるとされたのだと思うのです。製造所固有記号について議論をしてきた中で、これは対象外だというふうにされたのではなくて、全体の中でJAS法の絵がありましたけれども、業務用と一般とはきちんと分けて考えているのですという話の中で分けられたのではないかと思います。その辺はもう一度考え方をきちんとお聞きしたいと思っております。

○竹田食品表示企画課長 前回申し上げましたけれども、検討の経緯というのは消費者の方が手にとったときに表示を見て記号だとわからないというところを改善しなければいけないということでございました。そういう意味で考えたつもりでございましたが、先ほどから議論に出ていますB to Bの部分については、その荷姿で消費者の方に届くことは基本的にはないということで、本来そこは必要なかったということで、最初に立案するときにそこは網をかけずに置くべきだったのですが、かけたままで御提示をしていただいて、今、委員がおっしゃったような意見を頂戴して、そこに気づいたということで今回修正をさせていただいたところでございます。

○阿久澤部会長 ほかございますか。板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 1つ、宮地委員と私は同じでして、加工業者、業務用スーパーの販売者が表示としてやることについて義務化して、それについての罰則も含めて書いていただくことを並行で走らせていただければ、業務用スーパーの部分で流れていくことについては了解できると思います。ただ、以前から気になっているのですけれども、今回、議論になっていないのでここでお話するべきかどうか悩むのですが、1つは確実に消費者にたどり着けることというときの消費者の義務といいますか、やらなければいけないことというのは、例えば問題が起きたときにパソコンなりで製造者固有記号を自分で調べて、自分のところの商品に問題があるかどうかまで自分たちで見なければいけない。それまでが消費者の責務なのでしょうか。そこがひとつはっきりしないということがございます。

それと、私は以前にも申し上げていて、加工食品の表示に関する調査会の報告書の15ページに書いていただいたのですが、基本的な考え方について原則2以上の製造所において、同一商品を製造販売する場合のみという場合の同一商品の定義というものがいまだに明確になっていません。それによっても製造所固有記号をどこまで認めるのかというのについても考え方がはっきりしないのです。

それで例えば、同じレシピで2カ所で使っていれば同一製品になるのかとか、同じ製品をあるところまでつくって、袋詰めだけ別の工場でやったら2カ所になるのかとか、そういう場合によって消費者が受け取るものは全然違ってきますし、そのときに製造所固有記号で調べて見ていくことになってしまうと、消費者としては本当のところがわからないという状況になるのではないかと思いますので、とりあえず今の時点で同一商品についても消費者庁のお考えを先にお聞かせいただくとともに、消費者が確実にたどり着けるようにするためには、どこまで消費者に求められると思われているのかについても御説明いただけるとありがたいと思います。

○竹田食品表示企画課長 同一商品というのは基本的に同じ荷姿の食品です。消費者の方が最終的に手に取るものを複数の製造工場でつくっているということを当然ながら考えています。同じ缶の形で中がサバとサンマでは同一になりませんので、同じものをきちんとつくっていく計画でやっていらっしゃいますねということになります。

記号を使った場合に、その記号が誰なのかというのをお知りになりたいというときには、それは消費者の方に1つアクションいただいて、電話をするとか、インターネットで検索するとか、QRコードであればかざせば出てきますし、そういったひと手間はお願いしたいと思っております。

○阿久澤部会長 もう一点よろしいですか。消費者がどうたどり着くことができるかということについて。

○板倉委員 いや、今、課長がおっしゃいました。

○竹田食品表示企画課長 漏れましたけれども、もし我々の予算がきちんとつけば、消費者庁のデータベースにアクセスしていただいても当然わかるということでございます。

○阿久澤部会長 では、立石委員、どうぞ。

○立石委員 板倉委員と同じで、なぜそのことを消費者が一々手間をかけてやれること、簡単に書けることを固有記号でもって書かれたことを何でわざわざ消費者が調べなければいけないのか。それも買った後です。書けば全部わかるわけですし、書けることでしょう。書けることを書けないとする、いわゆる利便性のために消費者にわざわざ手間をかけさせて調べてもらうということまで、この国はそういった事業者優先の考え方であるということがまさに露呈しているような感じがするのです。きちんと製造所を書けば誰もがどこでつくったかというのがわかるわけだし、本来はどこでつくったか、どんな原材料なのかとか、安全性の問題とか表示を見ればわかる。それを選択するときにそういう情報があって初めて購入につながるという、そういったことに対してわざわざひと手間かけさせるということをやらせること自体が合理的な理由にならないでしょう。製造者の場合を特別扱いとするこのような差別的な取り扱いを合理的に説明することができない。とするこの石川委員の理屈に対して反論できないと思うのです。

○阿久澤部会長 ほかよろしいでしょうか。どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 これは表示だけではないのですけれども、消費者行政のスタンスというのは皆様御案内だと思いますが、従前は保護される消費者でございました。それが消費者基本法の制定でみずから行動する。積極的に知りたいことにはアクセスしていく。表示の件で言えばです。そういうふうな消費者の位置づけになっています。そういった消費者を前提に消費者行政を展開していくという形になっています。

したがいまして、さらに情報が欲しいということであれば、それはメーカーにお尋ねをいただくとか、そういう積極的なアクションが本来期待されているという側面もございます。そうしたことも踏まえて表示についてもお考えいただければと思います。

○板倉委員 と申しますと、例えばこの前の冷凍調理食品のような事故が起こったときは、プライベートブランドを自分のところで手持ちで持っていれば、自分が製造所固有記号を調べて、それが確かに問題があるかどうかというものを消費者が必ずやる。それが消費者の責務だとおっしゃっているということですね。

○竹田食品表示企画課長 御指摘のような事態ですと、当然、安全を確保するという観点から製造者に対して、あるいは販売者に対して商品を回収するという社会的、道義的あるいは食品衛生法に基づく法的な義務も発生してまいりますので、そういうことは被害の発生を最小限にするために事業者が取り組まなければいけない。一方で消費者は自分の身を守るために、まずわけのわからないものは食べない。その上で大丈夫かどうかを御確認いただくということが当然あるのだろう。その両方の努力でもって被害の発生を最小限にするということは、社会的に当然予定されていることだと思っています。

○立石委員 要するに、ただ事業者の方が企業秘密という形でいろいろな形で書いてあったではないですか。そういった情報が開示されていない中でどこまで、例えばこの前の固有記号問題で市民団体が調べたときには全然教えてくれない。企業秘密だ、わからない、答えられないといった今の企業姿勢がある中で、今、言っていることは全然理解できませんね。消費者がそこまで調べようと思っても、一人一人の消費者は弱い立場であって、企業側が圧倒的に強いわけだから、教えてくれと言ってもわかりません、教えられませんと言われたらそれで終わりなのです。では、その商品を買わなければいいではないかとなるのだけれども、そういうことの理屈でなしに、消費者を守っていくために消費者行政としてきちんと表示がされる仕組みをつくってしまえば、そういう問題は起こらないわけです。それが抑止力になるのです。そういった企業に対して牽制になるわけです。一部にまだわからなければ何をやってもいいといったそういう事業者の方がいらっしゃいます。だから問題が起こるわけだから、そういうことについてきちんと歯止めをかけていく中では、どこでつくったのかという情報はまず出すべきでしょう。製造者は。書けばいいではないですか。そんなこと書けるのだから。なぜ書かないのというところにもう一回根本的に立ち返らないと何度やっても議論は同じです。書ける話を書かないということについては、事業者に利便性を図っているだけなのです。

○阿久澤部会長 迫委員、どうぞ。

○迫委員 限られた表示スペースの中で消費者はどういう情報を優先的に受け取るべきなのか。命にかかわる情報は必ず目に入ってくるもの。そして代替できる情報については、その次になってくるだろうと思っています。そういう意味で製造所の所在地なり名称なりが何列も羅列されること自体は、非常に混乱させると思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

よろしいでしょうか。今の続きの御議論ですか。

○板倉委員 実際に消費者にどこまで義務を課すかということになりますけれども、身の危険にかかわってくるような社告であっても、なかなか実際には消費者の目に届かずに事故が多発している。何度も何度も社告をやられても、いまだに古い製品で事故が起こっているという現状があります。

ですから、それは本人が悪いんだと言われるならあれですが、その中でどこまでをそういう、万一と言えば万一かもしれませんけれども、トラブルのときにきちんとリコールで制度としてそういう対象者から外れる方がないようにするかということも考えていくことが必要ではないかと思います。

○鬼武委員 今回のアクリフーズの件は、私は製造所固有記号に始まったことではないと思います。そもそも日本の中に食品のリコールの制度自体がきちんとまだできていなくて、いろいろな形で情報が散漫に出てきていたり、危機対応、いわゆる緊急時対応のときに今回、製造者の最初の情報の出し方が少し正確ではなかったとか、いろいろな複合的な要因があると思います。そういう中で言うと海外では食品のリコールの制度があって、1つのところできちんと見てわかるような情報が一元的に管理されていますから、むしろそういうものをつくってあるわけであって、1つの非常に狭い意味での製造所固有記号だけの話では私はないと思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

宇理須委員、どうぞ。

○宇理須委員 B to Bの固有記号と、全体の固有記号が混乱して話がなされていることが気になることで、今はB to Bについて的を絞って議論したほうがわかりやすいのではないかということが1つ。

もう一つ、B to Bのときに消費者に渡ってしまう。そのときに製造所の表示がないとわかりにくいのではないかという話だと思うのですけれども、業務用が消費者に渡るときに義務化ができるかとか、そういうことが実際は可能かどうか。そこが担保されれば確かにB to Bのときの固有記号を使ってもいいですよというふうになるのではないかと思うのですが、実際にB to BではなくてBからCに業務用が渡るようなときに担保できるかどうかという、その辺は消費者庁のほうでは何かアイデアはあるのでしょうか。

○竹田食品表示企画課長 これは今でも法執行の考え方としてはそうでございますが、仮に業務用で製造されたものを消費者に、B to Cに売りたいということになったその時点で、消費者向けの表示をしていただくことで法執行はしています。具体的な担保措置というのは当然取り締まりになるわけでございますけれども、そういう意味では今おっしゃられたような事態が発生したときには、先ほど池原委員からもありましたけれども、業務用スーパーのところでちゃんと表示をするんですよ、そういう義務があるんですよということになります。そういう意味では我々の考え方を明確にすることと、法執行できちんと対応していくことと、違反があれば当然きちんと指導していくことになろうかと思います。

○栗山委員 そうであると思います。であってほしいと思います。ただ、私が先ほど意見を申し上げたのは、池原委員のところでやらないようにと言っているけれども、でもそういうことが起きてしまっているとおっしゃったので、それはB to Bのところで当然Cに渡るところには表示するべきものが表示されないで出ていくということですね。もちろん、どうぞBからCに流してくださいと言っていて、それで例えばそのスーパーさんがやるのであれば、堂々といろいろな表示をしてくれると思うのですが、やらないようにと言っていて流れてしまうものがある。それがコントロールできないという状況の中では表示がされるのでしょうかという心配を申し上げたのです。

○阿久澤部会長 池原委員、どうぞ。

○池原委員 担保できるかというところですけれども、まず業務用食品の定義は、先ほど消費者庁から御説明がありましたが、これは一般消費者に販売される形態になっているもの以外ということなので、要は、一般消費者に販売される形態になっていないものなのです。先ほどのマッシュポテトもそうですし、今回のこれも具体的にドラム缶みたいなものに入っているもので、基本的にそれは明らかに業務用だなというのがわかるということだと思います。

で、先ほど、お話ししましたけれども、これは基本的には、明らかに業務用ということで、工場だとか、B to Bの取引に限定してつくったものなのですが、本当に例外的に、業務用スーパーさんに流れてしまうケースがあるということで、それについては、基本的にはスーパーさんが責任を持ってやっていくということになっているので、要するに、全体として、担保はきっちりされているよね、ということを説明させていただいたつもりです。

○迫委員 業務用スーパーという定義がわからないのですが、消費者向けの一般的なスーパーと、業務用食品のみを業務用として扱うスーパーとの違いが定義としてあるのかどうか。つまり消費者に対して一般的な食品、それを小さい包装のものから大きい包装のものまでさまざまなものを扱っている。そして、名称として業務用スーパーを名乗り、いかにも業務用の食品を取り扱っているというかのようなスーパーをわざわざ取り上げる必要があるのかどうか。スーパーマーケットの定義の中に業務用のみを取り扱うスーパーというものが別途あって、それについて明確に規制をかけなければいけないという話なのかどうか。これによって大きく違ってくると思うのです。一般消費者にものを1つでも売るのであれば、それは一般的なスーパーマーケットと同じ扱い、全ての表示のルールはかかるだろうと思いますので、あえて業務用スーパーというものを議論の中で取り上げる必要が本当にあるのかどうかという、そこの部分を確認させていただきたいと思います。

○竹田食品表示企画課長 私の理解ですと、看板に業務用スーパーと掲げている一般的な小売店は、大きな包装の、例えばドレッシングでも1.8リットルとか、カレーでも30食分とか、そういう大きな単位のものをお値打ちに売ることで、これは業務用なのだけれども、あなたたちに安く提供していますといったお買い物の雰囲気を提供しているだけであって、形としては一般の小売店と何ら変わりはない。置いているもののサイズが大きいだけというふうに感じています。

これは池原委員が一番詳しいですけれども、業務用の食品というのはいわゆる業務用食品の卸という方がいらっしゃいますので、そういう方が専門で扱っていますので、一般消費者がそのような方からお買い物をするというのは、通常あり得ないと思っています。

○立石委員 今の件なのですが、卸については、私のすぐ家の100メートルほどのところに食品卸のお店があるのですが、業務用の人を対象にしているのだけれども、実際に一般の人も入れるようになっているのです。だからそういうものも含めて言えば、そんなものは垣根がないと言っているのです。その食品卸は私の家の本当にすぐ100メートルのところにあるわけだから、日本中には、どのぐらいあるのかわかりませんけれども、そういう食品卸が一般消費者に対しても門戸を開いているわけです。どうぞお入りくださいという中で、そういう実態も踏まえたときに、そんなことも全部規制をかけるのですか。食品卸は一切小売できませんという規制をかけて、もしやればペナルティですよということも含めて、そんなことは現実的ではないではないですかと言っているのです。

○迫委員 私は逆に捉えておりまして、消費者が購入するような場面は全て食品表示法の一般食品のルールが適用されるものと、これが大原則だと思っております。業務用の食品のみ、つまり原材料としての、マッシュポテトを先ほど例示で出されましたけれども、ポテトチップスの原料になるマッシュポテトのあの段階のものを本当に提供する。そして、それは一般には流通しないというもののみが業務用食品であろう。そこを明確にしていかないと、曖昧なものだけを議論しても結論が出なくなってしまいますので、そういう意味で私は業務用食品が限定されたものだというふうに、消費者には渡らないものだという前提のもとで、業務用食品については別のルールから情報提供されてしかるべきだろうと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

もうこの辺で皆さんからの御意見を伺えたと思いますので、この件につきましてはここで打ち切らせていただきたいと思います。

まだもう一項目あります。経過措置の期間についてということで御意見、御質問がございましたらお願いします。

○池原委員 これも、先ほどの参考資料4の2ページ目を用意いたしましたので、説明させてください。

前回の部会で、今日も缶についてさらに詳細な御説明がありましたけれども、前回の部会で、缶についての御提示がありまして、それについて、缶の包材はわかったけれども、他の包材についてはどうなのか、といったような御意見がございましたので、今回、缶以外の主要な包材ということで、紙やプラスチック包材のメーカー、これは具体的には印刷業者さんになるのですけれども、そのうち2社に、改版に必要な期間について試算をしていただきましたので、そのデータを提示させていただきたいと思います。

まず、大きな結果といたしましては、印刷業者が実際に印刷するための版を新たにつくり直す作業、いわゆる製版、刷版作業にかかる期間と、それに加えて先ほどもありましたけれども、我々食品事業者が準備して発注するまでの期間を加えると、全体として3.5年から5年程度はかかるという結果をいただいております。

A社、B社のそれぞれの内訳を下の四角に書いておりますけれども、ごらんのとおりA社、B社で若干の違いがあるものの、おおむねトータルとしては3.5年から5年程度の期間は必要ですという御回答でした。

ちなみにA社、B社とも自社の通常の能力では不十分ということで、外注の活用を前提に試算していただいておりまして、A社、B社の考えられるフルの能力で対応していただいたとしても、この程度の期間は必要というような結果を示していただいております。

ということで、こういった紙やプラスチックの包材という主要な包材においても、我々は今回そのほとんど全て改版が必要となっていくわけですが、こういった具体的な試算の結果をいただいておりますので、経過措置期間としては少なくとも5年は必須であると考えます。

前回も申しましたけれども、今回ほとんど全ての食品の表示を、このある期間で全面的に改定するという、これまで過去やったことのないことをやろうとしているわけで、また、言うまでもございませんが、我々はミスは許されないわけで、この新しいルールにのっとっていないものを市場に出すことはできないわけですので、我々は当然それに対して確実にやり遂げていかなければならない。そういった中で、消費者庁にお示ししていただいた缶の包材と今回の紙、プラスチックの包材といった主要な包材において、包材メーカーさんからこういった4年あるいは5年程度は必要であるという試算をいただいておりますので、経過措置期間としては最低でも5年は設定していただかないと、我々食品事業者だけの努力ではどうしようもないところが現実的にあります。そこはぜひ考えていただきたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 立石委員、どうぞ。

○立石委員 過去に製造年月日の表示義務がなくなったときなんかは、期限表示の記載方法が過去に変わった事例があるのですけれども、いろいろなさまざまな改正、これは個別表示基準だとか、特定の業界だけだとか、その中で原料原産地の記載義務だとか、そういうことも過去にあったのだけれども、こんなに長く、5年なんていう経過措置をとったことは今までないのです。ではあのときどうだったのか。製造年月日がなくなるということは、事業者にとってはありがたいから、そういうことについては喜んでやる。ところが、こういった消費者のための改正については時間がかかりますよということでは理屈にならないのです。何か屁理屈ばっかり言っているような感じで、私は何回か事業者の方に聞いたのですけれども、皆さん笑っていますよ。ありがたいなと思っている。そんなものできるのです。できるにもかかわらずできないと言ってくれる池原委員を大変ありがたがっています。そんなことで本当にいいのかなと思います。

やはり2年という中で、特定の本当にできないものは限定してやればいいわけです。実際に過去の事例でいって製造年月日のときはどうだったのですか。あのとき全部変わっているはずですよ。そのときは2年でやったのではないですか。そういうことを全然踏まえないで、今回だけ特別に、あのときも全部かかわってくるわけです。全ての業界が。それで2年でやり切ったわけでしょう。そういうことを全く棚に置いておいて、できない、できないばかり言っていたら本当に何も変える必要はないではないですか。何度も言いますけれども、せっかくこの新しい食品表示という基準をつくってやっていこうという中で、少しでも今のおかしなところを解消していくんだ、消費者の権利が侵害されている部分はできる限り早く解消するという視点で言えば短いほうがいいに決まっているわけだから、5年というのは余りにも事業者寄りだということは何度も申し上げたとおりです。

○阿久澤部会長 諮問案を支持できるできない、それぞれの意見をいただきましたが、ほかございますか。板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 私は素人ですけれども、いろいろな企業を見ておりますと新製品は非常におびただしい数が毎回出てくるわけです。秋、冬とか1年に2回は確実にいろいろな商品が新しく、ちょっと目先を変えて出てきていて、それが印刷といいましょうか、デザインも含めてかなり大きく変化させたものが出てきている。かなりの部分が一方では消滅していくという状況があるわけでして、ですからそういう状況が、何も問題なくスムーズにいっているにもかかわらず、定番商品がどれだけあるのかわかりませんけれども、単に試算ということで計算をされて出されているだけではよくわからないことと、A社、B社と書かれましたが、人数ではなくてA社、B社自体の数がふえれば当然減るわけですね。期間的には。一度に受ける量は減るわけですから。それが何と言うのでしょうか。どうしようもなければ本当に海外に幾らだって受注はできるわけです。だから国内だけでだめだ、だめだというけれども、実際に海外で物をつくって丸々こちらに入れることもやっていらっしゃるところで、もう少し詳しい説明をいただけるとありがたいと思うのです。そうでなければ、少し多めに、多めにというもののかけ算をしている最終的な数字を見せられているような気分がして、どこまでその数字の信憑性を信じたらいいのかということがはっきり言ってよくわからないです。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

もう少し詳しく御説明をということですが、よろしくお願いします。

○石丸課長補佐 今回の表示の見直しについては、まず非常に広い分野の内容について修正が必要だということがございます。また、当然ながら私どもの普及を進めていくということとも関連いたしますけれども、国がつくっていくいわゆる規則、今後の基準も含めてですが、そういうものを周知した上で御理解いただいた上で表示の内容を変えていただくというプロセスが必要になるという部分において、通常の改版とは異なる事情がある部分もあるのではないかと考えているところでございます。

以上です。

○竹田食品表示企画課長 A社、B社の関係、基本的には今のクライアント、顧客のアイテム数を引き続き全部仕事を受注するという前提で計算してございますので、そういう意味では目いっぱいの能力で受けて、これだけかかるということでありますので、その能力を上げるというのはなかなか単純にはできないことでありますので、その辺の御事情は御考慮いただければと思います。

○池原委員 今の板倉委員のお話で、海外を含めた、要は、他の包材メーカーさんも含めて検討しなさいということですけれども、食品の包材、パッケージというのは非常に高度な技術が必要なものでございまして、基本的には、我々は、1つのこの商品のこの包材についてはこの事業者にお願いをするということで、その事業者に基本的な今の版を当然持っていただいております。それを、今回、新しい表示ルールにのっとったものにデザインを含めて変えていくということですので、それが現実的にこの5年なら5年の中で本当にやり切れるのかという、今そういった現実的な不安も持っております。

そういった中で、今、お願いしている包材メーカーさん以外のメーカーさんも含めて広げて考えなさいということですけれども、そういった新しいところにやっていただくというところのリスクも非常に大きいものがございまして、なかなかそこに踏み込んでいくことはできないと認識しております。少なくとも海外を新しく開拓してまでというのは現実的ではないと思っています。

○立石委員 池原委員にお尋ねしますけれども、では製造年月日、期限表示が変わったときはどうだったのですか。実際に2年でできなかったのですか。あのときは全部が変わったわけでしょう。そうすると、そのときにできなかった理由を教えてください。

○池原委員 全ての包材が変わったとは認識しておりません。

○立石委員 1カ所変われば全部変わるではないですか。少なくとも1カ所変わるということは、包材はどこかが変われば全部見直さなければいけないというのが、私も食品品質表示管理部長ですから、表示のことばかりを業務でやっているわけです。日本中の関係先の表示が今、私のところに来てチェックをしたりしているわけだから見ているわけです。そうすると今、言っているような理屈が全然通らない。そんなものは日常茶飯事のごとく改版しているわけだし、印刷業者は喜んでやってくれますよ。そうなると今、言っているのは2年という経過の中でできないという理由は、よほどの事由がない限りサボっている以外ない。今からでも準備はできるわけです。そういうことを、できないできないとばかり言っていることが、私は実際の事業者として理解できないのです。そこはどこのことを言われているのか。できないというのはA社、B社と言っていてわかりゃしないのですけれども、具体的な名前まで出してもらって、ここの会社、この会社と言ってもらえれば、この会社はどれだけの会社だってわかりますが、A社、B社なんて全然具体性がなくて、できないことばかり言われても理屈にならないと思います。

○迫委員 表示のルールの変更に関して、今回の大規模な変更に対して絶対に起こしてはいけないものは食品のロスの問題だと思います。廃棄、包材も含めてですけれども、ロスを起こす。これはどうしても日本国内の資源を無駄遣いしてしまうことになりますので、それは絶対に起こしてはいけないことだろうと思っています。

そういう中で表示の変更期限をどこに持っていくかということなのですが、猶予期間の終期というのは最終リミットだと考えております。少なくともパッケージをつくっていくというのは順次行われていくもので、5年間の間、全くやらないで最後の5年目に全部が一度に変わるという話ではない。1年目、2年目、3年目と順次変更がされていって、最終的に5年たっても変更ができなかったようなところについては、これは違反という形で処分しますよという位置づけになるのかなと思っています。小規模な変更、私は栄養表示の任意の表示について、不適正表示の指導等を行っていたことがあるのですけれども、本当に一部の変更であればその表示の上にラベルを貼って、そして、そこで適正表示に直していただく。そんなふうなことも、指導としてやっていたわけでございます。

ただ、今回は非常に大きな変更なものですから、そんなラベルで対応できるような話ではないだろう。そういうことから考えますと、一定期間はきちんととっておく必要があるし、5年なら5年、それを過ぎたら違反になるということを明確にお話していただいて、経過措置の5年間というのは、その5年間やらなくてもいいという期間では全くないというところは明らかにするべきだろうと思います。

○阿久澤部会長 長時間ですので、なかなか。また後ほどどうぞ。

○池原委員 製造年月日の変更のとき、包材メーカーさんがそれをどのように評価して、できる、できないということを判断されたのか、というところを、私は持ち合わせておりませんので、そことの比較はできないのですけれども、今回のポイントは、我々食品事業者だけではなく、具体的な包材を供給する事業者さんたちが、我々食品事業者のことを慮ってとか、そういうことを排除して、本当にどのぐらいで現実的にできるのか、しかも何か5年という制限もあるので何とかそこに収まることはできるのか、というような視点で、きっちりとした試算をしていただいた結果ということなのです。ですから、それについて、我々がもっと短くしなさいとかできるよねとか、なかなか口を挟むことはできない、そういった性質のデータだと理解していただきたいと思います。そして、それが基本的に正しいとするのであれば、やはりこのぐらいの期間は現実的に設定していただかないと、現実的に物がつくれなくなる、そこを私は大変恐れます。ですから、やはりそういったことのないように、5年というのは決めていただいたら、その中で確実にできるように我々はやっていきますので、そういった、今、このぐらいの期間が必要ということを幾つかの視点で検証してみたら明らかになったということですので、ぜひこの5年という期間は設定していただきたいと考えます。

以上です。

○阿久澤部会長 迫委員、どうぞ。

○迫委員 もう一点。包材に関してなのですが、先ほど板倉委員から海外へというお話もありましたけれども、国内産業をきちんと保護していく。これは税収をきちんと上げていくという意味でも非常に国にとっては大事なことだろうと思っています。その根本のところを揺らがせるような形での改正は行うべきではないと思いましたので、よろしくお願いいたします。

○立石委員 1回、海外のそういった情報を集めてくださいよ。実際こんな長く経過措置をとってくれるところがどこにあるのかなと思うのです。アメリカなんか見ても、この前行ったら上からラベルをいっぱい貼って売っているのです。ということは、恐らく基準の変更があるのだなと。それに対してタイムリーに対応していくための措置かどうかわかりませんけれども、そういった経過措置というものが本当にとられているのか。5年なんて世界中探してもないのではないかと思うのです。5年なんていったらいつだというぐらい先ですね。それを経過措置で認めている国というのは本当に事業者にとってはありがたい国なのですけれども、そういうことでいいのかなと本当に素朴な疑問です。実際はできるにもかかわらず、できないできないと言っていることだとか、本当にできないものは一部あるかもしれせん。だからそれは特例とか何かで救済すればいいわけです。消費者庁が確認して、これは本当にできないなと。だけれども、一般論としてはできるのです。できるはずなのです。できないというのはサボっているだけなのだから。そこはもう一回、考え直したほうがいいのではないですか。

○板倉委員 栄養成分表示の義務化というのは決まりましたので、まだやっていない企業が幾つかある。ただ、かなり自主的に栄養成分表示もされていますので、そこの書き方が幾分違うという部分はあっても対応はそんなに難しくはないと思うのです。それ以外のところで見渡しますと、例えば個別の品質表示基準は、かなりそのままで残っています。ですから、全部がこれだけ変わると言われるほど、今回の品質表示基準で表示が変わるのかどうか自体が私ははっきり言って疑問なのです。ですから、言っていることが非常に大げさに聞こえてしまって、現実離れしているように思えてならないものですから、それが納得できればそれなりにそれぞれの大変さというのもわかるのですけれども、どうもぴんと来ない感じが否めません。申しわけないです。

○栗山委員 今おっしゃったように、変わるものと変わらなくてもいいものが存在するのではないかと、私もそう思っているのです。それなのに全てのものを全部変えるのを計算のもとにしているというのは、何かすごく違和感があったのですけれども、どう表現していいかわからなくて、今、板倉委員がおっしゃったように、変わるものと変わらないものがあるはずなのに、それを全てのものを変える計算をして5年というものを出していらっしゃることに、私も同じように違和感があります。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。ほかよろしいでしょうか。

○池原委員 今回の表示基準によってどこが変わるのかというところで、余り変わらないところもあるのではないかとおっしゃっているのは、正直驚いているのですけれども、言うまでもございませんが、ほぼ全て、完全に全てとは言いませんが、変わるのではないかと思います。

栄養表示をやっていないものは、当然、栄養表示をやらなければならない。栄養表示をやっているものであってもナトリウムを食塩相当量に変えなければならない。あと、アレルゲンの表示ですね。特定加工食品の省略規定がなくなるということで、これは大変大きな問題だと思っています。あと、原材料と添加物の間に区分を入れよう、明確にわかるように何らか工夫をしなさい。それだけでも、ほとんどの食品がそうではないかと思います。

例えば、栄養表示を今やっていないものに栄養表示を追加するということで、要するに義務表示の面積がふえると、そのふえた分だけ、今あるところを減らさないといけない。減らすということはどういうことかというと、全体のデザインをやり直すということになります。今回の新しい食品表示基準の変更というのは、ものすごく大きいものだと私は認識しております。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

立石委員、どうぞ。

○立石委員 最初に今回、食品表示基準案の策定方針の中で示された中で一番上に書かれているのは、原則として表示義務の対象範囲(食品、事業者等)については変更しないと書いてあるのです。例外として食品衛生法とJAS法の基準の統合に当たり、加工食品、生鮮食品の区分などを変更。要は最初から本来はもっとさまざまな課題があったわけです。原料原産地だとか添加物だとか遺伝子組換えだとか、こういうものを全部置いておいて、軽微なホチキスだけやるだけの変更なのです。それをさも大げさなことになっているというのが実際なのです。本当はいっぱいやらなければいけないことがあるにもかかわらず、それは全部まず統合ありきの中で最初に一番に掲げているではないですか。変更しないと。ここが今の原則で動いている中で、そのことを盛んにものすごくオーバーに言われていることは本当に違和感を覚える。栗山委員のおっしゃるとおりであって、そもそも、であれば今いっぱい書かれている課題のある遺伝子組換え表示だとか、原料原産地表示だとか、添加物表示を今ここで議論して、その中に加えれば私は5年というのは理解できないことはないけれども、今みたいなホチキスの中でたったそのぐらいの変更ぐらいできないわけがないでしょう。多くは変更しないと書いているわけだから影響ない人が多いのです。圧倒的に。それを全部が影響あるなんていうことを言っていること自体が、事業者としても私は理解できません。

○鬼武委員 前回、何年かという経過措置についてパブリックコメントでどれぐらい意見が出たか私は記憶がないのですけれども、非常に難しい課題であり、どれぐらいの措置にするかというのも私も判断しかねているところであります。

と申しますのは、今回、逆に言えば5年ということで最大限見てやったということは、今までの行政措置としては大体長いもので大きな改正の際は3年だったのですが、5年必要だということの意思のあらわれとしては、新しい3本統一した表示法の事業者に対する徹底と、大きく義務表示になる部分とかいろいろあるということの理解からすると一定の猶予期間が必要となってくる。事業者としてはより確実性といろいろな改版の上で、デザインとか印刷会社とか国内のいろいろなところで扱うということでは時間がかかるという、一方消費者の観点からすると、そんなに長い経過措置が必要であるか、そこの両方の意見があると思うのです。

そういう中で最終的には、前回のパブリックコメントから最大延びたところの消費者庁の説明のところがなかなかクリアにならないということで今回、事業者である池原委員から補足の説明と、消費者庁から説明がされています。それで全てが明らかになったわけではありませんけれども、そういう中で経過措置を決めるときには、今回の措置というのは、私はいろいろな法律の改正を、この委員会の中の委員の認識の違いがあるかとは思いますが、かなり食品表示の変更点は議論した中身としてはあったと思いますし、そういう面では後で少し意見を言おうと思いますけれども、原材料の中で原材料と添加物を区分して書くということ1つとっても、Q&Aですぐには出されないわけです。後で出されるということになれば、その点についても変更点の考え方としては小さいかもしれませんが、原材料の中で書くところについては大きな表示改正だと認識しています。

それから、今回、すみません、よけいなことを言いますけれども、原材料の中に書かれてある添加物について、区分して書くということに関して、WTO通報していないので、輸入食品に対してどこまで徹底できるかということについても後で意見を言おうと思いましたが、きょう発言する時間がないかも知れませんので、その点についても疑問は持っていることについて述べました。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

池戸委員、どうぞ。

○池戸委員 3年か5年かというのはなかなか議論がはっきりできないと思うのですけれども、ただ、言えるのは先ほど御意見をどなたかからも言われているように、新しい法律ができて、そこの仕組みがどう変わったかというのは末端の事業者、消費者の方にも知っていただくことが重要だと思います。

私も時々講演会なんかでしゃべるのですけれども、なかなか仕組み全体を伝えるというのは時間がかかるものです。だから、まずはどういうふうに変わったかというところでかなり時間をかけた上で、かつ、先ほど迫委員おっしゃったように、5年たってから一斉にスタートではなくて、事業者の方も積極的に自主的な対応として新しい制度に切りかえていくとか、消費者の方もそれを見て利用の仕方の理解を深めていただくということが重要です。そうすると企業の中で表示しているところとしていないところも出てきて、当然にそういうものも影響して普及促進も図れるということかと思いますし、消費者庁もそのための予算もとっているわけなので、まずはこの仕組みがどう変わったか。どこが変わらずに、どこが変わったかということをきちんと周知徹底していただくということと、自主努力ですね。任意的なものも、義務でないところについても任意でも取り組むような活動といいましょうか、業界のほうとしても、ぜひしていただくような、そういうふうに努めていただきたいと思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、よろしいでしょうか。この件につきましてさまざまな御意見をいただきました。

この後、最終的な御意見を確認したいところなのですが、先ほど意見確認のことで欠席者の扱いのことが話題になりました。そして今後の日程を御確認いただいたところ、10月31日開催予定の部会に盛り込むことが可能だろうという御判断を事務局からいただいております。それによってきょうの審議内容も若干、変更がありますが、まずは休憩してからと思いますが。いかがでしょうか。

○鬼武委員 本日の審議は何時までですか。

○阿久澤部会長 きょうは2時まではかからないと思います。20分ぐらいまで休憩していただいて、その後、パブリックコメントだけはどうしてもきょうここで御意見、御質問を伺っておきたいので、45分ぐらいまでかなと思いますが、続けてしまったほうがよいということでよろしいですか。

○宇理須委員 中座させていただきたいのですが。

○阿久澤部会長 では、御意見の最終確認は事務局から確認していただくということで、お願いします。

○黒木事務局長 今後の段取りだけ。

きょう消費者庁から追加で御説明がありました5項目につきまして、本日、御出席の委員の方には、本日この場で最終的な御意見を御確認いただきたいと思います。欠席されている委員の方につきましては、会議終了後に本日の説明内容あるいは資料等を十分御検討いただいた上で、事務局から最終的な御意見の確認をさせていただこうと思います。それを受けて次回31日までに部会長にお願いいたしまして、答申案の第2版のようなものをおつくりいただいて、その答申案につきましては10月31日の部会で御出席いただいた委員の方々で御議論をいただき、議決をしていただくということでいかがかと存じます。

きょう御予定いただいておりましたその他の項目につきましては、きょうはもう既に時間もございませんので、10月31日に御出席の委員の方々で御議論あるいは議決をしていただくということでいかがかと存じます。

きょうは先ほど部会長からもお話がございましたけれども、2つ目の議案についてはパブリックコメントの時間の関係もございますので、消費者庁から御説明をしていただくためにきょうはそちらにもお時間をとっていただければと存じます。意見確認と2つめの議案の説明ということかと思います。

意見確認をしていただくときに中座をされていると問題かと思いますので、もし5分なりと休憩をとっていただくのであればとっていただいて、皆様にお戻りいただいてから、意見確認をしていただいてはいかがでしょうか。

○阿久澤部会長 退席されるということですが、審議は全て済ませていると思いますので、御意思を事務局のほうにお願いします。

○立石委員 今回、全般的な進め方でパブリックコメントをとって、意見があって事業者側の意見をおおむね取り入れた形でこういった修正が出されたという中で、本来は消費者からも多くの意見が寄せられたことについて、全く今回消費者庁から出てこないわけです。そういうことなのです。だから今回の調査会をやって報告書を出して、そのことが全然反映されないというものが幾つもあるわけです。そういう中で消費者庁から出された修正案だけに対して意見をこうして審議をして、審議案を出すということについては、私はどうも納得感がないのです。本来はそんなものではないと思うのです。本来はもう少し消費者庁から消費者からの御意見がいろいろ出ているはずですから、そういったものを踏まえてこういうふうに修正したいというものがあってしかるべきだと思うのだけれども、そんなものが全く出てこないわけです。あくまでも事業者からのできないコールに対して応えるという姿勢だけが明確に見えたというのが今回の中身なので、そこはすごく問題だと思います。本来はだからそういった声なき声、多くの消費者の声をどうやって反映させるかという場が一体どこにあるのかなというふうに非常に素朴に疑問に思うのです。

○阿久澤部会長 貴重な意見として私自身も受けとめさせていただきます。

それでは、最終的な御意見を確認させていただきます。1つ目からということで、1つ目が栄養成分表示の義務化に係るナトリウムの表示についてですが、これについては消費者庁から追加での説明として、諮問案のほかナトリウム塩を添加していない食品に限ってナトリウムを任意で表示できることとしております。その説明した事項、内容を加えての案です。それに賛成できるかどうかということで確認させていただきたいと思います。

○板倉委員 質問ですが、鬼武委員の意見に賛成の場合は反対になるということですか。

○阿久澤部会長 そうです。何か説明をつけたらいいという内容ですね。

○板倉委員 そうです。

○阿久澤部会長 それは消費者庁のほうからそういう提案はありませんでしたので、それは反対ということになろうかと思います。

○鬼武委員 きょうはどのことに対して賛成、反対というのが多分委員みんなにわからないと思います。消費者庁の説明で変えたものなのか、部会長が今回、事前に提案して決めたものと違うものがありますね。だからどちらについてでしょうか。それと今回意見が出て修正されたものと3つあると思います。

○板倉委員 どれをどう答えていいのかわからない。

○阿久澤部会長 事務局、お願いします。

○大貫参事官 事務局から御説明させていただきます。

基本的には今回、机上配布資料1として消費者庁から御提案があったもの、つまり任意ルールの場合はナトリウム塩を添加していない食品についてのみ「ナトリウム(食塩相当量)」という案について追加で説明して、きょう新たに御提案いただいた内容となるわけですけれども。

○黒木事務局長 確認でございますけれども、今、御確認いただくのは消費者庁の諮問案に対する賛否を御確認いただくわけでございますので、ただ、このナトリウムの点についてはもともと出ていた諮問案にプラス、きょう新しい御提案もございますので、追加の御説明も含めたものが諮問案であるということで、それについての賛否を確認いただくということかと思います。

○阿久澤部会長 本日、説明を追加された事項を含めてということで。

○池原委員 要はこの内容でOKとしますかどうかということを確認されるということでよろしいですね。

○阿久澤部会長 そうです。消費者庁が前回提出された諮問案を変更されて、こちらを前回の私たちの意見、議論を酌んでというか、参考にしてこのような提案を出してきたということですので、これに対して賛成か不賛成かということを伺いたいということです。よろしいでしょうか。

それでは、追加説明された事項を含めた基準案に賛成できない方がいらっしゃれば挙手をお願いいたします。

立石委員、河野委員、鬼武委員、板倉委員が不賛成ということです。

きょうこの確認だけでよろしいですね。

それでは、次ですけれども、次が栄養成分表示の義務化に係る小規模事業者の考え方ですね。これについて御議論いただいたわけですが、消費者庁の基準案に本日追加で御説明をいただいたわけですけれども、その説明をお聞きになっても賛成できないという方がいらっしゃれば挙手をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

立石委員と板倉委員が不賛成となります。

3つ目、栄養強調表示に係るルールの改善につきまして、同様にこの部分の基準案について本日の追加説明を聞いても賛成できない方がいらっしゃれば、挙手をお願いいたします。

立石委員、板倉委員、2名です。

4つ目、製造所固有記号の仕様に係るルールの改善についてです。この部分の基準案について本日の追加説明を聞いても賛成できない方がいらっしゃれば、挙手をお願いいたします。

立石委員、河野委員、栗山委員、鬼武委員、板倉委員。

5つ目、経過措置期間についてですが、ここの部分につきましても追加説明を聞いても賛成できない方がいらっしゃれば、挙手をお願いいたします。

立石委員、栗山委員、板倉委員の3名でございます。

以上で5項目に関する御意見を確認したわけです。次にその他ということですが、先ほど事務局から説明もありましたが、その他の議題につきましては次回とさせていただきまして、議題2のパブリックコメント案。

10月8日に追加で諮問を受けた基準案についてです。内容は栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る規定及び別表で、本日はパブリックコメント前の基準案が提示されています。パブリックコメント終了後、12月ごろに再度部会に諮られ、その時点で答申について議論をすることとなりますので、会議冒頭申し上げましたが、本日は消費者庁からの説明を中心にさせていただきたいと思います。

御承知のとおり時間も限られておりますので、簡潔にかつ、わかりやすくお願いしたいと思います。

≪3.食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第248号諮問書:栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る規定及び別表について)≫

○塩澤食品表示調査官 それでは、本日2つ目の議題について、私から説明をさせていただきます。

主に使います資料は資料5、資料6になります。まずはこの2つを御用意ください。このほか、参考資料3-1、参考資料3-2も使用いたします。また、机上配布資料3、机上配布資料4も適宜御参照いただければと思います。比較的全体を通して使う資料としては資料5と机上配布資料3になろうかと思います。机上配布資料3につきましては、今から御説明差し上げる内容にはかなり専門用語が出てまいりますので、その手引となってございます。差し当たりは資料5と机上配布資料3を御用意いただければよろしいかと思います。資料が多数ございまして申しわけございません。

では、始めさせていただきます。基本的には資料5に沿って御説明いたします。

このテーマは、栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る食品表示基準案についてということで、先ほども部会長から御説明がございましたけれども、我々としてはできるだけ早くパブリックコメントの手続に入りたいと考えており、それに向けての内容の御説明という位置づけでございます。

なお、本日時間が限られているということもございますし、あと、今回の内容は非常に栄養学の専門知識がふんだんにちりばめられている内容でございますので、各委員には前もって説明をさせていただいております。したがって、この場におきましてはなるべく簡潔にという観点で御説明差し上げますので、何とぞよろしくお願いいたします。

ページおめくりいただきまして、ページ番号3というところから御説明をいたします。これまでの検討経過等についてというスライドでございます。

まず左側でございますが、栄養表示の基準は大きく3つの柱から構成されるものであります。1つ目が栄養成分表示。これはこの場でもたくさん議論いただいている、いわゆる量を示す表示の基準でございます。それと栄養強調表示。これは量が多いとか少ないといった表示でございます。また、栄養機能食品に係る表示が栄養機能を表示する場合のルールの話でございます。このうち、審議済みとなっているところは文字どおり審議が終了しているものでございますが、点線で囲まれた下半分の部分、こちらについては栄養素等表示基準値がその規定の中に絡んでくるものでございます。これについては非常に高度な検討が必要ということもございますので、せんだっての栄養表示調査会などでも、これは別の場で検討するということで御了承いただいていたものでございます。

一番下にございます栄養機能食品の表示。こちらについては青い四角の箱にございますけれども、栄養機能食品の対象成分を拡大せよということが規制改革会議で示されたことを踏まえまして、専門的な検討を行ってきたものでございます。

なお、次のページにもお示ししておりますが、今回の検討は非常に込み入った内容になっておりますので、下に載せている4名の専門の先生方に内容について丁寧に御議論いただきました。本日は、その結果に基づいて御説明差し上げるものでございます。

それでは、本題に入ります。7ページ目をごらんいただけますでしょうか。まず栄養素等表示基準値についてという見出しのスライドでございます。栄養表示基準における栄養強調表示のうち、多いほうにとらせようとする表示の基準値、それと栄養機能食品に係る栄養成分の量の下限値、こちらについては厚生労働省が策定しております食事摂取基準から算出した、栄養素等表示基準値に基づき設定されているものであります。

この食事摂取基準は厚生労働省において5年ごとに検討がされておりまして、直近版といたしましてはことし3月に公表されております。なお、この直近版のものについては、来年の4月から向こう5年間使われるものでございます。

また、2015年版の食事摂取基準を見てみますと、策定目的として生活習慣病の発症予防など、従来版の策定方針から大きく見直されている点があるといったことも、さきの調査会でも申し上げております。したがって、この2015年版の食事摂取基準を踏まえた議論が必要であろうということでございます。

なお、下の※印にも書いてございますけれども、現行の栄養素等表示基準値は2005年版の食事摂取基準をもとに算出されております。2010年版という食事摂取基準も出されておりまして、そのときにも改定の必要性について検討を行ったところでございますけれども、改定の必要性は低いということで見送られてございます。したがって、現行の値はこの10年間、改定なく使われてきていると御認識いただければと思います。

8ページ目に現行の値の一覧を載せてございます。こちらの考え方については後ほども触れますので、とりあえず9ページ目にまいります。先ほども触れましたけれども、栄養素等表示基準値の使われ方の1つといたしまして、栄養強調表示のうち、多いほうにとらせようとする補給ができる旨の表示、この基準値として用いられているというものであります。

10ページ目はそれぞれの基準の考え方並びに値を載せているスライドでございますが、赤く四角で囲ったところをごらんいただくとおわかりのとおり、高い旨や含む旨などの基準値の設定方法は、原則としてコーデックスのガイドラインに準じているものでございまして、例えば含む旨の場合、タンパク質、ビタミン、ミネラルそれぞれ栄養素等表示基準値に対して何パーセントといったような規定がございます。

11ページ、栄養機能食品の制度の話でございますが、上の2ポツ目でございますけれども、この栄養機能食品は量の上下限値の規定がございます。そのうちの下限値として栄養素等表示基準値が出てくるというのは先ほど申し上げました。また、表示そのものの規定といたしましては、右下の青い四角で囲っておりますとおり、栄養素等表示基準値に対して1日の摂取目安量に含まれる成分がどのぐらいかといったことを、パーセントなどで示すという規定になってございます。

同様の規定は次の12ページに示しております特保にもございます。特保の場合、例えばビタミンKですとかカルシウムといったように、栄養成分に該当する関与成分がございますけれども、こういうふうに栄養素等表示基準値が設けられている成分につきましては、先ほどの栄養機能食品と同様に、何とかパーセントという表示をすることが義務づけられているところでございます。

それでは、国際比較にまいります。14ページ、こちらは我が国の値とコーデックスの考え方の比較でございます。まず位置づけについてでございますが、我が国の現行の値は平成17年に出されている通知に載っております。一方、コーデックスを見てみますと栄養表示に関するガイドラインというものがございまして、その中に一覧が載っております。また、コーデックスではこのガイドラインの後ろに付属文書という形で文書がございまして、栄養素等表示基準値、コーデックスでは栄養参照量と言いますけれども、それを策定する際の原則などが書かれているものでございます。

今、申し上げましたが、コーデックスではこの値の名称、これは栄養参照量ないしは栄養素参照量ということで、Nutrient Reference Valueの略をとりましてNRVと、この単語が使われているのが一般でございます。

また、活用方法については、我が国あるいはコーデックスもほぼ同様の使い方がされているというものであります。

データソースについては先ほど申し上げたとおり、我が国は食事摂取基準をメインにしております。一方、コーデックスについては、このコーデックス委員会がFAO/WHOの合同会議でございますので、そこが取りまとめている各国の値、そこから得られたものを基本にNRV、栄養参照量をつくっていくというのが原則でございます。

15ページ、ここで重要な単語がいろいろ出てまいりますので、後のスライドから適宜机上配布資料3などを参照しながら見ていただければと思います。

我が国でございますが、エネルギーについては推定エネルギー必要量というものを用いており、それ以外の成分については、2ポツ目にございます推定平均必要量という値を基本としております。そこにも書かれておりますとおり、この値の意味するところは50%の人たちが必要量を満たすというふうに推定される値というものでございます。

1つ飛びまして目安量というもので設定されているケースもございます。これは推定平均必要量を出す場合、それなりのエビデンスがないとつくれないという値でございまして、それをつくるほどのエビデンスがないというものについては、代替策としてこの目安量という値で設定されているというものもございます。

また、目標量という値で設定されているものもございまして、これは生活習慣病予防の1次予防のために向こう数年間、日本が目指していきましょうという値でございます。こういったケースもあるということです。

3ポツ目、推奨量。これは食事摂取基準には出てくる概念なのですが、現行の値には出てまいりません。この推奨量というのは97~98%の人、つまりほとんどの人が必要量を満たすと思える値ということでございまして、これはコーデックスでは栄養参照量をつくるに当たって基本となる指標でございます。言いかえますと、日本では現状50%の値がメインで使われているのに対しまして、コーデックスで98%の人を担保する値が使われている。この点が大きな違いの1つでございます。

また、左側に戻るのですけれども、一番下の値として食事摂取基準に出てくる概念といたしましては、過剰摂取を防ぐものという観点から耐容上限量というものを設定されております。これはこのぐらいとって大丈夫ですよという値ではございませんでして、この値になるべく近づかないようにしましょうという意味での値でございます。

右側のコーデックスのところで、一番下のあたりのポツ、NRVは次の2つからなるという説明でございますけれども、コーデックスでは必要量に基づくものということでNRVs‐R、これが基本ではございますが、非感染性疾患に取り組んでいくという観点から、NRV‐NCDというものも策定されてございます。

16ページ、我々として栄養素等表示基準値を見直していくに当たっていろいろ整理すべきところがあるであろうというのがこのスライドでございます。

まず算出方法でございますけれども、これは2005年版の食事摂取基準を使って加重平均して出されているのが現状でございます。一方、コーデックスにつきましてもいろいろここに書かれておりますが、基本的には同じような発想、同じような考え方で値が設定されております。

一番右側、改定に当たり整理すべき点というところでございますけれども、加重平均という考え方がございますが、ただ、参照人口、どういう統計を使うかどうかというのは現状、必ずしも明確にされていなかったということがございました。したがって、参照人口はいつ、どの統計を用いるかといったことも今回、整理したいと考えた次第です。

また、食事摂取基準には値は示されていても、栄養素等表示基準値がまだ設定されていないという成分もございます。こちらについては総合的な課題ではございますけれども、何らか取りまとめていかなければいけないだろうというものでございます。

次に指標、対象というものを載せております。指標については先ほど我が国とコーデックスで違いがあるということは申し上げたとおりでございます。したがって、今後我々としてどういう指標を用いていくべきなのか。50%の値を引き続き使うのか、あるいは98%の値、その他の値を使うのか、ここでしっかりと整理をしておく必要があるだろうと考えました。

また、対象年齢でございますけれども、現状、我が国の値は6歳以上の値を加重平均して算出してございます。一方、コーデックスでは理念上は36カ月、つまり3歳以上の人たちを対象ということが掲げられてございます。ただ、現実問題、今、コーデックスの値として示されているNRVs‐Rについては、成人男女の値から計算されているものでございます。具体的には19歳以上の値を使って出されているという状況がございます。

これらを踏まえて我々としても対象年齢をどうしていくか。これについても整理が必要と考えた次第です。

また、妊婦、授乳婦について我々は必ずしも整理されていなかったというところでございますが、コーデックスを見てみますと妊婦、授乳婦、これらの女性に対しては除外して考えるべきとされておりましたので、これについても整理が必要と考えました。

なお、17ページにコーデックス、主要国についてNRVに対する考え方がどうなっているかというものを簡単にまとめてございます。コーデックスの現行の値は、まず1990年ぐらいに策定されたものでございまして、内容が少し古いという状況がございました。こういうこともありまして、なるべく最新のデータを使って検討、改定していこうという作業が現在進行形で行われております。また、先ほども簡単に触れましたけれども、非感染性疾患予防の観点であるNRV‐NCDについても現在、策定作業が進行中でございます。

主要国のNRVの状態を見てみますと、こちらいろいろな考え方がございますけれども、原則として推奨量、すなわち98%の値をベースに設定するという考え方になってございます。

18ページ目にお示ししたのは、先ほどもこういう点が課題であろうと考えているといった点について、改めて書いたものでございます。以下、これに従いまして我々としての整理、その結果をお示ししたいと考えます。

19ページ、まずデータソースでございますけれども、この食事摂取基準を引き続き使っていくことについては特に反対意見はないかと思っております。ただし、参照人口については整理が必要ということで、このデータに該当するものは大きく国勢調査、人口推計の2つがあろうかと思っております。我々としては、この両者どれだけ違いがあるのかということを食事摂取基準に示されている性別、年齢階級別に従って比較をしてみたところ、両者の間にはほとんど差がない。無視できる程度の差しかないということが見出されましたので、我々としては今後、栄養素等表示基準値を決定していくときに、どちらの値がより最新かといったことを見た上で、そのデータを使うといった方向でどうかというものを下の四角にまとめさせていただいております。

20ページ、対象年齢をどうするかというものでございます。現状の値は6歳以上の値でございますが、18歳未満の人たちと18歳以上の人たちを比べてみますと、設定基準の指標が違うというもの、あるいは設定状況が異なるというもの、具体的な例として例えばクロム、モリブデンにつきましては、18歳未満の多くの性・年齢階級において値が設定できていないといった状況がございます。こういったものについては加重平均を出しようがないといった状況がございます。

また、多くの栄養素の場合、18歳未満と以上の者を比較してみますと、そもそも値の差が大きい。そういう例が多いという実情がございます。

一方、18歳以上の性・年齢階級を見てみますと、原則として値の差は小さいという状況がございます。

食品表示については、やはり誤認を招かないという点、それから、自主的、合理的な商品選択に資する必要があるということで、当然、栄養素等表示基準値もそれに沿っているべきであろうと思っております。つまり、その値を使う人と、その値が余り本来的に差がない、そんなに大きな差がないということが前提であろうと思っておりまして、この性・年齢階級間における数値の差が比較的小さい集団を基本に、値を考えていく必要があるのではないかということをお示ししております。

また、高齢者については個人間の差が大きいということもございますので、その旨は周知していくことにしたいということ。それから、特定の性・年齢階級、例えば子供について情報提供したいといったような場合があろうかと思いますけれども、そういった人たちの値を任意に表示することは当然差し支えございませんが、どういう性・年齢階級に対する値なのかということはわかるようにしていただくというのを考えていきたいと思っております。

そこで新基準の案でございますけれども、栄養素等表示基準値の算出、適用対象は18歳以上の男女としたいと考えてございます。ただ、この値については、それを見たときに18歳以上であること、それから、基準の熱量がどのぐらいかという、この情報提供がないとなかなかうまい具合に使えないということがあろうかと思いますので、新たにこういった記載について行っていただくことにしてはどうかというのが私どもの案でございます。

21ページ、どの指標を使うかという話でございます。先ほど申し上げたとおり、現行の値は50%の値でございますが、一部、生活習慣病予防の観点の目標量ベースのものもございます。健康栄養政策を考えてみますと、例えば健康日本21(第2次)においては、生活習慣病の発症予防といったものへの取り組みなどが掲げられているということもございますので、目標量が設定されているものについては、それを用いた設定を優先すべきではないかと考えた次第です。

ただし、全ての栄養素に目標量というものが設定されているわけではございません。こういったものについては何らか整理が必要ということで、そこにまとめさせていただいております。

個人の食事評価ということを考えた場合、摂取不足の回避といったもの、それから、過剰摂取の回避といったもの、この2つの目的とした評価というものがあろうかと思います。ただ、栄養素等表示基準値の使われ方を考えてみますと、補給ができる旨の表示に用いられたり、あるいは栄養機能食品の下限値に使われるといったことがあろうかと思いますので、栄養素等表示基準値については、摂取不足回避を目的とした指標とすることが適当と思っております。

したがって、下に書かせていただいておりますけれども、基本、目標量、不足のリスクの回避ということを考えると、50%よりは98%の人が担保されるという値が適当と思っておりますので、目標量または98%の値、推奨量ベースとすべきではないかという点を書かせていただきました。目標量があるものについては、目標量を優先したいという考えでございます。

22ページ、こちらはどの指標を使うかの続編でございますけれども、値については中にはエネルギーに対するパーセンテージをもって幅で示されているものがございます。こういったものについてはまた別途の整理が必要ということで、こちらいろいろ書かせていただいております。

この幅で示されているものについては、1つは中央値を採用するという案も考えられるだろうと思いますけれども、ただ、例えばタンパク質の場合、中央値は16.5%エネルギーということになりますが、新たな基準値を考えてみますと91グラムということになりまして、現行の栄養素等表示基準値75グラムという値や日本人の平均的な摂取量との乖離がそれなりにあるということもございますので、方法論については慎重に検討する必要があるだろうと考えてございます。

2ポツ目でございますけれども、この栄養素いろいろありますが、健康増進法施行規則というところを見ると、国民の栄養摂取の状況から見てたんぱく質はその欠乏が、脂質はその過剰な摂取が国民の健康の保持、増進に影響を与えているものとして示されているものでございます。

たんぱく質については、欠乏を回避するという観点から、これを下回らないようにしたいという値として幅の下限値、また、脂質については過剰摂取を回避するという観点から、これを上回らないようにしたいというものとして、上限値をとろうといった考えもあろうかと思います。

ここは非常に込み入っておりますので、次の23ページ目で説明させていだきたいと思います。こちら見ていただきますと、この分布は摂取量の状況と思っていただいて、真ん中のところにある黄色いポツが摂取量の平均値と思っていただければと思います。この場合、例えばたんぱく質ですと下限値を採用するという考え方もあろうかと思いますが、下限値を仮に採用した場合、真ん中あたりにいる人たちが下限のその値を目指していくことになってしまうといった懸念がございますので、こういったものについては現状どおり平均値でいいのではないかという考えを持った次第でございます。

同様に脂質についても、上限値を基準としてしまいますと真ん中あたりにいる人たちなどが上限値を目指していくことになりかねませんので、これも摂取状況を踏まえた平均値を値として用いるべきではないかという考えでございます。

なお、炭水化物につきましては、全エネルギーのうちたんぱく質由来、脂質由来、これのエネルギーを差し引いた残りで考えられるものでございますので、こちらについては中央値で考えていきたいという案でございます。

次のページが妊婦、授乳婦の問題でございますが、これについては特別なライフステージの人たちでございますので、適用の対象外とするのが適当ではないかと考えております。ただ、目標量ベースで設定されているものについては、この方々にも活用できるとするものの、あくまで個別の栄養管理が必要だといったことを注意喚起していくこととしたいと考えております。

25ページ、これは積み残しの最後の課題でございますが、まだ設定されていない栄養成分の取り扱いをどうするかというものでございますけれども、今、欠乏になっている栄養素はそこに挙げているとおりn‐6系、n‐3系脂肪酸、飽和脂肪酸、食物繊維の4つでございます。これについては今までお示しした方法に基づいて値を策定していきたいと考えておりまして、具体的な値は次のページにもお載せしておりますし、参考資料3-1という形でもお示ししております。

また、栄養素等表示基準値が変わりますと、補給ができる旨の基準も変わりますので、これについては参考資料3-2についてもお示ししております。

強調表示の基準値としては、今までカリウム、ビタミンKについては欠番になっておりました。今般これらについても追加できるのではないかということで、参考資料3-2を初めお示ししているものでございます。

相対表示の考え方についても、28ページ目にお示しております。

29ページは少し脱線してしまうのですけれども、今回の食品表示基準においては栄養成分としてn‐3系脂肪酸、n-6系脂肪酸も規定するということがございますので、分析の方法についてもそこにお示ししているようなものを追加したいというのが29ページ目でございます。

30ページ目以降は参考資料でございまして、加重平均の出し方、幅を持った成分の考え方、値の丸め方を載せております。値の丸め方については、原則として食事摂取基準を踏襲するものでございますけれども、参考情報として挙げさせていただいております。

33ページ目以降、栄養機能食品の対象成分の追加に係る検討について御説明差し上げたく存じます。

35ページ目は皆さんよくおわかりかもしれませんが、現状、機能性表示ができるものは栄養機能食品と特定保健用食品であるということをお示ししております。

36ページ目の資料は、機能性表示制度の歴史でございますけれども、この栄養機能食品につきましては平成13年に制度化され、途中、幾つか成分が追加されたということがございましたが、それ以外の変更は特段なく、今までに至っているものでございます。

37ページに表示例を載せておりますけれども、今、対象となっている成分はビタミン12、ミネラル5、合計17成分でございまして、それぞれの成分ごとに栄養機能表示、注意喚起表示、これが定型文として設けられてございます。

このような中、38ページ目、こちらは規制改革実施計画ということで昨年6月14日に閣議決定されたものでございますけれども、一番上の黄色いところに対象成分の拡大に関する記載がございます。これは栄養表示基準、食事摂取基準との整合を図るとともに、海外の事例も参考に栄養機能を表示できる対象成分を拡大せよといった課題が、今年度中に結論、措置ということで我々に課されたものでございます。

こういった整理をするに当たっては、今どういうふうなルールで成分が考えられているのかということを一つ一つ考えていく必要があろうかと思っておりますが、39ページ目に載せてございますとおり、対象成分、機能、こちらの考え方については現状、必ずしも明確化されていないという状況がございました。具体的には例えば平成13年、これは最初の制度発足のときの検討でございますが、対象成分としてこのときはビタミン、ミネラルなどの考え方が示されておりますけれども、途中、平成16年のところを見ていきますと、ビタミン、ミネラル以外のいわゆる栄養成分に該当しないような成分まで対象として検討されているような状況がございました。したがって、こういったことも含めて丁寧な整理が必要と考えた次第です。

具体的には40ページ目でございますけれども、対象成分の追加に際して、考え方を整理していく必要があるだろうということ、また、その考え方を整理した上で追加候補の成分、機能の具体的検討を行ってまいりたいということを載せております。

なお、今回は対象成分の追加ということでございましたので、今までの機能表示の内容などの検討ということについては、検討対象としないという取り扱いといたします。

41ページ、具体的検討の前にここに載せているような点について整理が必要と考えた次第です。それぞれについて安全性も踏まえたあり方を検討するということは、言うまでもないことでございます。

それでは、一つ一つ見てまいりますけれども、42ページ目が目的でございます。栄養機能食品は身体の健全な成長、発達、健康の維持に必要な栄養成分の補給を目的として、栄養成分の機能の表示をする食品ということで、これは平成17年の通知に示されているものでございます。私どもといたしましては、こちらについては特段見直しの必要がない。引き続きこれでいきたいというふうに考えております。

43ページ、次は対象食品の話でございますけれども、現行の制度は加工食品と鶏卵が対象になってございました。今後は鶏卵以外の生鮮食品も対象にしたいと考えてございます。

その理由でございますが、今般、食品表示基準の栄養表示のルールについても、生鮮食品も任意とは言え適用対象となっているという点がまず1つ。それから、機能性表示という観点からいたしますと、特定保健用食品、新たな機能性表示制度、こちらいずれも生鮮食品を対象とする制度でございます。その並びから、この栄養機能食品も生鮮品全般を対象とできるのではないかと考えた次第です。

ただ、生鮮品の場合、加熱等により栄養成分に変化が生じる食品などもございます。具体的には例えば野菜などでゆでこぼしをした場合、お湯の中にその成分が溶けて出ていってしまうといったような状況も考えられますので、この機能を表示する栄養成分がちゃんと上下限値の中に入っていることを担保する調理法の記載も行うこととしてはどうかというのが案でございます。

44ページ、対象者については、現行は明確化されていないというものでございます。今後でございますけれども、対象者は特段限定しませんが、必要に応じて注意事項を表示するというのは当然のことかと思っております。具体的には例えば疾病に罹患している人、こういった方々は代謝に変化が生じることも考えられますので、この疾病に罹患している人に対しては当然、必要性がある注意喚起表示というものを定型文として用意していくべきと考えております。

妊産婦、妊娠計画中の女性等、特別なライフステージにいる人については除外こそはしませんけれども、当然、必要な注意喚起表示があれば、これも定型文で手当していく必要があるだろうと考えております。

こういった特定の対象者に対し、定型文以外の注意も必要とするようなものについては、当然、注意事項を表示することとするという考え方も示しております。

次に、機能表示の範囲でございますけれども、先ほど目的にも出てまいりましたが、現行は身体の健全な成長、発達、健康の維持に関する表現でございまして、これも引き続きこれを踏襲したものにしたいと思っております。ただ、こういう表現のうち、その具体的な表現については食事摂取基準に記載されているものからピックアップすることと整理したいと思っております。

次のページが対象成分でございまして、現行の考え方は人間の生命活動に不可欠な栄養素であって、科学的根拠が医学的、栄養学的に広く認められ、確立されたものといったことが示されております。我々としては今後、この考え方を基本としつつも、安全性の確保をより明確化する観点から、次の全てを満たすものを対象成分としてはどうかと考えております。

具体的には次のスライドにもお示ししますけれども、今回はビタミン、ミネラル以外の栄養成分についても検討対象とすることとする。ただ、エネルギー産生栄養素バランス、これは先ほど幅で示されているものがあるとお伝えしましたが、そういったものについては、これは1つの幅だけで管理できるものではございませんので、こちらについては栄養機能食品の対象外とすべきではないかと考えました。

47ページ、これが上下限値の話でございますけれども、現状、上限値についてはそこにマル1、マル2という形で示させていただいたものと、医薬部外品の一日最大分量を比較して、安全性の観点から一番低い値を使うといった考え方になってございます。下限値は栄養素等表示基準値の30%というものでございます。

上限値については、原則として現行どおりにしたいと思っているのですけれども、マル1、マル2、医薬部外品一日最大分量といったものがそもそも設定されていない、計算できないといったものも多数ございます。そういったものは新たな方法論が必要でございますので、今回、考え方を整理いたしました。

このような値が設定されていない成分につきましては、この上限値は栄養素等表示基準値の値としてはどうかというのが私どもの考えでございます。値が設定されていないというのは、どれだけとってもいいということを意味しているものではございません。その値を設定するに際し、必要十分なエビデンスがまだできていないということでございますから、我々としては無制限にとっていいという整理はできないだろう。したがって、何らか上限値の設定は必要と考えております。

この点を踏まえますと、不足のリスク回避、安全性の確保、この2つが両立できるような基準として、栄養素等表示基準値は98%の値を基本に考えていくということを申し上げましたけれども、ほとんどの人が不足しないであろうこの値を上限値とするのが適当ではないかと考えました。

次のページは下限値、これは引き続き30%でいきたいというものでございます。

具体的な検討は49ページ目以降でございまして、今、欠番になっている成分についてそれぞれ考えたのがこちらのスライドでございます。まず初めでございますけれども、厚生労働省令で欠乏が懸念されるものという成分であって、食事摂取基準に具体的な基準が設定されているかどうか。「はい」、「いいえ」で見てみますと「いいえ」として右側の成分が外れてまいります。

次に、公的統計により国民の平均的な摂取量が把握できているかどうか。こういう観点からいきますと、右側のものが外れてまいります。

また、過剰摂取の懸念がないかということでヨウ素、n‐6系脂肪酸が外れてまいります。ヨウ素は我が国、海藻をたくさんとっておりますので、既に世界的に見てもかなりの量をとっている状況がございます。また、n‐6系脂肪酸については、食事摂取基準を見てみましても過剰摂取のリスクが想定されるといった記載がございますので、これも外すのが適当ではないかと考えました。

最後でございますけれども、通常の食生活を補完する目的で摂取することで、特定の栄養機能が期待できるか。これは特定のという観点からいきますと食物繊維が外れてまいります。食物繊維はトータルでとれば健康によさそうということは当然、食事摂取基準に書かれておりますが、特定のこれがこのぐらいの量で効きますというところまではまだ明確にされていないところでございますので、食物繊維は外れてくるという整理でございます。

したがいまして、残るのがn‐3系脂肪酸、ビタミンK、カリウムでございます。カリウムについては次のスライドでも触れますけれども、過剰摂取のリスクが懸念されますので、そういったリスクを回避するため、錠剤、カプセル剤等、いわゆるサプリメント形状の食品については対象外とするのが適当と考えております。

次のスライド、こちらがそれぞれの成分ごとに食事摂取基準でどう書かれているかというまとめでございまして、n‐3系脂肪酸は皮膚炎との絡みで値が設定されております。このn‐3系については食事摂取基準で見てみますと、例えば冠動脈疾患との関連ということでは、明らかな予防効果が認められていないといった観点で記載がございます。

ビタミンKについては、血液凝固能を維持するのに必要な摂取量を基準として設定というものでございます。中には骨折予防等の観点からの記載もございますけれども、現状ではこういった観点から値をつくるまでには至っていないというものが書かれてございます。

カリウムにつきましては、高血圧予防の観点からという記載がございますけれども、先ほど触れましたとおり、サプリメントなどの過剰摂取の記載もございます。また、腎機能が障害されている場合の注意の記載もございます。

こういったことを踏まえまして51ページ目、基準案でございますが、それぞれについて機能表示、注意喚起表示案、上下限値を載せてございます。なお、ビタミンKにつきましては注意表示のところに血液凝固阻止薬を服用している方は、本品の摂取を避けてくださいという注意喚起表示。また、カリウムにつきましては、腎機能が低下している方は本品の摂取を避けてくださいといった注意喚起表示をセットしたというものでございます。

考え方は以上のとおりでございまして、非常に簡単でございますけれども、資料6、これからパブリックコメントにかけたいということの重要な点だけ御説明させていただきたいと思います。

資料6、新旧対照表でございます。第2条のところに定義などが書かれておりますが、ここでまずカリウムについては錠剤、カプセル等を除くといった記載がございます。

ページめくっていただきまして左側にある3ページ、表示事項として九を見ていただきますと、栄養素等表示基準値の対象年齢は18歳以上であることと基準熱量に関する文言を記載してくださいという内容でございます。

4ページ、八を見ていただきますと、非常に込み入った記載ぶりでなかなか理解しにくいのですけれども、これは今までの栄養機能食品の表示と違う考え方でございまして、新たな考え方として1日の摂取目安量の値に基づく栄養成分表示にしてくださいというのが八でございます。今までの考え方は、1日の摂取目安量は当然書いていただくのですが、栄養成分表示の単位は100グラム当たりですとか、100ミリリットル当たり、どういうような表示単位でも構わないという考え方でございましたが、こちらについては1日当たりの摂取目安量で書いていただくといったことを必須の規定としたいという新たな考えでございます。

8ページ、こちらに別表第十というものがございます。これはごらんいただくとおわかりのとおり、栄養素等表示基準値でございますけれども、今までは栄養表示基準、つまり告示にこの具体的な値が載っていなくて、通知のみに一覧表があるという状況でございましたが、今般新たな基準につきましては、基準にこの一覧表も載せたいと考えた次第です。

10ページ目にある別表第十一、こちらが具体的な成分ごとの上下限値、機能、注意喚起表示でございます。

最後、13ページ目の一番下あたりからでございますが、強調表示の基準値についても載せております。

私どもとしては、こちらの基準案について速やかにパブリックコメントの手続に入りたいと考えている次第です。

駆け足でございましたが、以上でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

先ほど2時まではかからないという間違えた情報を皆さんに流しましたが、大変失礼いたしました。いずれにしましても時間が余りありませんが、御質問等ありましたらお願いしたいと思います。

○栗山委員 資料5の一番最後のページになります。注意喚起表示のところなのですが、これはお願いになるのかもしれないのですが、本品は多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってくださいと書いてありますが、これは言ってみれば何にでも書いてあるお題目みたいなものなので、ぜひ守らなかったときの不利益を具体的に書いていただく。例えば大豆イソフラボンは体にいいと散々言われていましたが、それが妊婦の人でしたっけ。過剰に摂取すると何たらかんたらというものが後から出てきたことがあったと思うのです。そういう心配などがあった場合は書いていただきたいなと思っております。

あとは、こういうものは多分、政治家の先生が考えられているものとはまた違った使われ方をする可能性というのがあると思って、そこが私のような患者会とかを主宰していると、健康な人は余り関心がないけれども、調子が悪くなったときとか、具合が悪いときにとても目に入るものなので、これは全くそういう人が使うものではないという大前提を大きく書いていただきたいなと思っております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

立石委員、どうぞ。

○立石委員 今回の見直しというか、基本的なところはエネルギーのところだと思いますが、エネルギーのところは2,200kcalという数字が書かれているのですけれども、アメリカなんか2,000kcalだし、この前、私が行ったシンガポールだとかタイなんかも2,000kcalなのです。なぜ日本だけ2,200kcalをベースにこういう形で摂取基準というものが定められるのかというと、私は疑問なのです。

そうすると何が言いたいかというと問題は過剰摂取です。脂質なんかがこれを見ると栄養摂取量が62.4gということで、従来よりもかなりふえる形の基準が示されるということになってしまうことがどうも釈然としない。同じように海外に輸出されている食品メーカーさん、皆さん2,000kcalと書かれているわけです。それで日本だけが2,200kcalということで、そういった記述、これこそダブルスタンダードにまさになるのではないかという心配です。

どう考えても日本人の体格と、タイだとかシンガポールは似たようなものでしょうけれども、アメリカ人なんかと、カナダの人と全然違っているわけだから、こういった点から見て本当にどこに誘導するのかというところです。確かに若年層の中でエネルギーが足りないという方もいらっしゃるのですが、そういったところは特殊なので、本来はどちらかと言うと過剰摂取の傾向が我が国は多いということでは、この2,200kcalという数字自体がやや疑問というか、どうも私は釈然としないのですが、この2,200kcalという数字に対してはいかがですか。

○阿久澤部会長 お願いします。

○塩澤食品表示調査官 まさに今、立石委員がおっしゃったとおりで、我が国としてはもちろん過剰摂取の方、肥満とか、そういった問題ももちろんありますが、その一方で若年の女性を中心としたやせの問題などもございます。そういう意味でアメリカのように社会全体が肥満の傾向にあるという国の状況とは異なるというのが、まず大前提でございます。

また、2,200kcalというものは、全ての人がそれを目指してくださいと言っているものではございません。あくまでも基準熱量でございまして、逆にそういった値があれば、自分はどのぐらいかというふうにいろいろ判断できる。あるいは栄養指導の際もそれを使って栄養指導ができる。そういうあくまでも目安でございまして、その活用方法等については我々も普及啓発は積極的に行っていきたいと思っております。

繰り返しですけれども、2,200をすべからく目指してくださいという値では全くございません。

○立石委員 私が懸念をするのは、2,200kcalという数字がどういうことかというと、例えばトランス脂肪酸なんかの場合はエネルギー比1%と決まってくるわけです。摂取の目標基準がです。そうすると、それが1,900kcalであれば2グラムだったのが2.5グラムだとか、そういうふうにふえるということなのです。そういうことにつながってくるのではないかという懸念です。どう考えても今一部確かに若い女性はそういうことであれば、そこは栄養指導とか何らか違う方法でクリアしていくべきであって、全体的には私は過剰摂取だと思います。そこのところにもう少し焦点を置いていったときに、2,200kcalにすることは非常にまずいのではないかと考えるのです。

○塩澤食品表示調査官 繰り返しになりますけれども、2,200はあくまでも目安としての値でございます。

○阿久澤部会長 栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 2,200が目安だとして、では2,000という値はどういう値とお考えでしょうか。目安にするのは適切ではない値なのですか。

○塩澤食品表示調査官 ですので、確かにアメリカは全体的に過剰摂取、これが社会問題化しているということがあったので、政策判断で2,000になったというのはこちらも承知しております。ただ、日本では過剰摂取がある一方で、若年女性のやせという具合に、どちらか偏っての設定が困難だと思っておりますので、1つの目安として2,200が適当ではないかと考えた次第です。

○栗山委員 私は特保の委員会、またこことは別ですが、入っていると、体脂肪を落とすとか、体重を落とすとか、それがほんのちょっとでもよりよい健康のために効果があるとか、病気にならないために効果があるというお話を散々伺うのですが、そうであれば何も多い数字、諸外国と比べて高い数字ではなく、諸外国と比べてわざわざ高い数字を言う必要はないのではないかと思いますし、あと、やせの問題とおっしゃいますけれども、そこまでやせた人は病気としての治療をするべきで、それをこの中で何か解決しようとか、何かの分野でできる問題と考えるのは適切ではなく、病気は病気として治療していくもので、この中には関係しないものですね。病気の人たちが使うものではないです。そういうふうに思うので、そこは何かその場その場でごちゃ混ぜになっているような気がするのです。

○塩澤食品表示調査官 病気の人は切り離して考えていただきたいと思います。それを切り離したとして、例えば今2,200よりも2,000のほうがいいのではないかという御指摘だったと思いますけれども、ただ、社会全体を見たときに相当の数、それなりの数、若年女性中心にやせの人もいる。もちろん過剰摂取の人もいます。そういった中でどちらに例えば低い方向に持ってくるとか、現状の我が国の状況を見ますと難しいという判断から2,200としたまででございます。ですので、我々としては2,000にするのが適当とは思っておりません。

○阿久澤部会長 板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 若い女性のやせの問題だけがここで取り沙汰されておりますけれども、実際には男性と、小児は今回関係ないということですけれども、子供の肥満というのは問題になっているわけです。それと運動不足ということもありますので、生活全体、もちろん体格の面での大きさという意味でも、エネルギーというのはそれなりに考えなければいけないと思いますけれども、総合的に見たときに2,200に上げるという点では、私も余り納得できるようには思えないのです。

○阿久澤部会長 これはパブリックコメント前の案ということで、ここだけはパブリックコメントをかけるに当たって聞いておきたい、質問しておきたいということがありましたら、どうぞ。

○板倉委員 49ページの具体的な検討のところで、1つお聞きしたいのですけれども、今、国民の健康保持に関して不足しているということがはっきり明らかなものであれば、当然追加する必要性はあると思うのですけれども、ある程度足りているものについて、栄養機能食品の対象とする必要があるのかどうかがよくわかりませんので、今回、カリウムとビタミンKについてはどの程度の不足している方があるのかについての実態をお教えいただけるとありがたいです。

○阿久澤部会長 情報がございましたらですが。

○塩澤食品表示調査官 資料5の51ページ目でございます。これは国民健康・栄養調査、平成22年、23年の値でございますけれども、それぞれパーセンタイル値を一斉に並べたときに、何番目に来る人がこの値だったというものでございますが、このような値になってございます。

○阿久澤部会長 よろしいでしょうか。どうぞ。

○鬼武委員 事前に説明にも来ていただいています。それでコメントペーパーにも書いていますが、全体的な、今回はパブリックコメントにかけるということで致し方ない部分もあるのですけれども、私は以前からずっとここの食品表示部会だけではなくて、日本の栄養政策というものがどういう方向に向かっていくかという大事な問題だと考えております。それで栄養素等表示基準については今、コーデックスで設定されているものと日本は根拠の出し方は違っているわけですし、そういう中では単に食品のラベル表示という役割以上に、栄養政策にかかわる重大な事項であると考えています。

それで従前から国際会議でも言われているように、WHOでは食事と運動と健康に関する世界戦略を提唱しており、また、過去の消費者庁の栄養表示の検討会においても、非感染疾患の予防の観点から栄養表示の重要性について述べられています。

ですから、こういうような状況に鑑みると、今回の提案は我が国の健康栄養政策に密着に関係する部分の議論であって、私自身は調査研究という形で今、一番日本の中でいろいろ形の総合的な情報も持たれている方でのグループでの専門家で議論した中身であるとは理解できますけれども、きちんと消費者庁の中で専門家を組織して、検討会として設置をして、政府として栄養政策について厚生労働省と共同で作業して、国際的にも訴えていくような中身でないといけないと考えます。ですから、これは厚生労働省が設定している国民栄養調査の結果と、それとあわせてNRVの設定も並行して、その中に重複する専門家の先生もいらっしゃっても結構でしょうし、そういうやり方が中身としては重要だと思っています。それが全体的なコメントの中身です。

あと、個別のところで1つ、この間コーデックス等で出ているところで感じているところは、今回、NRVの設定について私の参考ペーパーの3ページで、いわゆる国際的に権威ある機関がどこかということになると、EFSAとかIOMというのが多くの支持を受けている一方、マレーシアと日本のNIHNについては、残念ながらそういうステータスにはなっていないというのは非常に残念だと思います。従前からNIHNというのは本で読んだ限りなのですけれども、明治時代から世界に先駆けて栄養的なことについていろいろ研究をやった機関ですが、ここはいろいろ外郭団体になったりいろいろな形で外に在る機関になっておりますので、人数・予算が限られたり、栄養政策をする人数が限られていると思いますが、むしろこういうところに人材とお金を割いて国が威信を持って栄養政策をやっていくべきだと思っている次第です。

あと3点目、コメントペーパーに書いてありますのは、今回出された国際比較のところでコーデックスのところで私が気になったところがありますので、これはパブリックコメントに出す前に検討し、参考にしていただければと思っております。

もう一点なのですけれども、今回パブリックコメントを出される資料は今、説明のあった資料5と机上配布3で出すということですか。どういう形でパブリックコメントを一般に求められるのでしょうか。その点について教えてください。

○塩澤食品表示調査官 一番の対象になるのは基準案でございますので、今で言うと資料6の新旧対照表がメインになると思います。ただ、これだけではわからないということもあろうと思いますので、前回のパブリックコメントもそうですが、関連する説明資料といったものをおつけしたいと思います。そういう意味では資料5に、これとそのままになるかどうかは別として、こういった趣旨のものというのは添付することを想定しています。

○鬼武委員 きょう出ていなくて残念なのですけれども、できたらこの2つだけが多分ホームページに貼られていても、これでどの部分に意見を求められているか、それから、今回どういうことを変えようとしているのかというのは新旧対照表だけでもわかりにくいですし、きょうの塩澤さんの話の中でバックグラウンドになっているこれまでのやり方と今後のやり方の違いとか、そういうものも提示していただかないと、パブリックコメントを出して普通の方に求めることにしても、これでは不親切ではないかという気がしています。

以上です。

○阿久澤部会長 その辺については御検討いただけるということでよろしいでしょうか。

どうぞ。

○立石委員 目指すところがどこなのかというのが見えないところなのですけれども、結局1日当たり摂取量の目安というのか商品にデイリーバリューと言うのですか。そういう考え方がアメリカあたりではきちんと表示されていて、そういうことと比較すると、どうしても過剰摂取、それは消費者の財布のひもを緩めることについてはいいのかもしれません。だけれども、本当に人の健康ということを考えたときに、どちらを優先するのかということを考えるときに、私はアメリカの考え方のほうが合っていると思うのです。過剰摂取に対して警鐘を鳴らすということになると、脂質だとかとり過ぎのところの数字が大きくなるということは、何を言いたいかというと、巧妙にトランス脂肪酸の量について全体量を減らして2グラム以下にしているような実態を見ると、そういったことが基本になっているのだなと。いわゆる超えないということについて、そういうことについてものすごくメーカー側が神経質になっている中でふやすということは、どうしても過剰摂取につながるということにつながりかねないので、私は大反対です。2,000kcalにすべきだと思いますし、ぜひそういうことがわかるようにパブリックコメントをとっていただきたいと思います。多くの消費者の意見として、本当にそれでいいのか。アメリカと比べて日本人の体格を見たときに2,200kcalは過剰摂取ですよと私は見ざるを得ないのです。

○阿久澤部会長 御質問は以上でよろしいでしょうか。

それでは、本日の議事は先ほども申し上げましたとおり、パブリックコメント前の案ということですので、消費者庁がこの後、パブリックコメントを行い、広く意見を確認することになります。その後、12月ごろの部会でパブリックコメント後の基準案に対して議論を行うことになりますので、その際にまた御議論いただければと思います。そういうことでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

○鬼武委員 次回は2時間で終わるのでしょうか。1時間よけいにかかるのだったら準備しておきますし、そうでなければ2時間で終わるということで構いませんので、確認させてください。

○大貫参事官 事務局から次回日程について御説明いたします。10月31日金曜日でございますが、時間についてはこれから再調整させていただきます。

議題についてでございますけれども、本日積み残しになりました食品表示基準の制定に係る審議についての積み残し分と、前に7月23日に諮問を受け、7月24日の部会で一度御議論いただいております遺伝子組換え食品に対する品質表示基準の一部改正、乳等表示基準府令の一部改正に関するパブリックコメント後の案に関して御議論いただく予定です。

本日は長時間にわたり、大変ありがとうございました。

○阿久澤部会長 どうも毎度長時間にわたる会議で申しわけございません。本日はこれで閉会とさせていただきます。どうもお忙しいところありがとうございました。

≪4.閉会≫

(以上)