第19回 消費者安全専門調査会 議事録

日時

2012年11月13日(火)10:00~12:11

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
松岡座長、中川座長代理、内堀委員、片山委員、佐竹委員、佐野委員、齋藤委員、
田澤委員、鶴岡委員、中嶋委員、中村( 均) 委員、横矢委員
【消費者委員会担当委員】
山口委員長代理、小幡委員、夏目委員
【事務局】
消費者委員会 原事務局長、小田大臣官房審議官

議事次第

1.開会
2.前回までの議論の整理
3.医療・介護ベッドの使用にかかる注意喚起の周知度調査結果について
4.製品回収・リコールに関する消費者アンケート調査について
5.取りまとめ骨子案について
6.その他
7.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:60KB)
【資料1】 前回までの議論の整理関連資料(消費者委員会事務局作成資料) 【資料2】 医療・介護ベッドの使用にかかる注意喚起の周知度調査結果について関連資料(消費者庁公表資料) 【資料3】 製品回収・リコールに関する消費者アンケート調査について関連資料(消費者委員会事務局作成資料) 【資料4】 消費者安全専門調査会 取りまとめ骨子案 (PDF形式:206KB)
【参考資料1】 長崎県大村市へのヒアリング関連資料

≪1.開会≫

○原事務局長 本日は、皆様お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
 ただいまから、「消費者委員会消費者安全専門調査会」の第19回の会合を開催いたします。
 本日は、中村晶子委員から欠席の御連絡をいただいております。
 審議に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
 配付資料は、議事次第の後ろに一覧を載せております。
 座席表の次に、資料1-1といたしまして「前回までの議論の整理」。
 資料1-2といたしまして、対策案の検討表。前回までの意見を取りまとめたものです。
 資料2の関連ですけれども、「医療・介護ベッド使用にかかる注意喚起の周知度調査の結果及び対策について」ということで、前回、消費者庁から御説明いただきましたけれども、結果がまとまって公表されておりますので、消費者庁の公表資料をつけております。今回、事務局から説明させていただきます。
 資料3の関連ですけれども、枝番が1~4までついておりますが、消費者アンケート調査を実施しております。全国20歳以上の男女ということで、サンプル数は2,988というところで11月に実施しました。その結果をつけております。これも後ほど事務局から説明させていただきたいと思います。
 本日、審議をしていただきたいのが資料4でございます。専門調査会の取りまとめの骨子案、前回も提出しておりますけれども、これを肉づけした形で提案しておりますので、これについて議論をお願いしたいと思っております。
 参考資料といたしましておつけしておりますのは、長崎県の大村市の子ども安全に対する取り組みというのが、自治体が何をできるかという点では大変参考になると思っておりまして、実はこの場でのヒアリングも考えたのですけれども、現場に行っていろいろとお話を聞いたほうがよくわかるかと思いまして、先週の金曜、土曜と、大村市に出向きましてお話を聞いてきました。これも後ほど時間がある限り御説明させていただけたらと思います。
 資料は以上です。不足がありましたら、また途中でもお申し出いただければと思います。
 それでは、松岡座長、議事進行をよろしくお願いいたします。

○松岡座長 それでは、本日の会議につきましては、公開で行います。議事録についても、後日公開いたします。

≪2.前回までの議論の整理≫

○松岡座長 それでは、議事に入りたいと思います。
 議事次第の2、「前回までの議論の整理」ですが、前回の第18回までの御意見を資料1-1にまとめてあります。
 前回は、最初に消費者庁から「医療・介護ベッド使用時にかかる意識調査について」の説明がありましたが、そのときの御意見としましては、3ページのところの第18回という記述、8ページの真ん中あたり、10ページに御意見を記入してあります。追加事項は余りないということでこのようになっています。
 後半の25ページ以降、黄色い枠になっている「取りまとめの方向性について」という形で、別枠でいろいろな意見を書いてあります。
 次に、資料1-2、対策案のほうです。特に前回は質問が多くてそのような意見がなかったので、資料1-2は前回のものと変更がないということになっております。
 一応、取りまとめの整理については、資料1-1、1-2ですが、本日後半でもって取りまとめの骨子案の議論が大分長くとられておりますので、そのときにこの資料を参考にしていただければと思います。特にこの時点で何か御意見等ございましたら、いただければと思います。
 特にないようでしたら、次の議題に移りたいと思います。

≪3.医療・介護ベッドの使用にかかる注意喚起の周知度調査結果について≫

○松岡座長 前回、消費者庁から御説明のありました「医療・介護ベッド使用時にかかる意識調査について」の調査結果が公表されておりますので、事務局から簡単に御説明いただいた上で、前回に引き続いて御意見をいただきたいと思います。
 消費者庁からの説明ではないので質問等はなかなかしにくいかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○事務局 それでは事務局からご説明します。
 資料2-1と2-2をごらんいただきたいのですけれども、ともに消費者庁から11月2日に公表されている資料になります。
 前回の御議論の中で、消費者庁から、医療・介護ベッド使用に係る注意喚起の周知度調査を行うということで、概要については前回説明がありましたので割愛いたしまして、本日はこの結果を簡単に御報告いたします。
 まず、資料2-1の1ページ目、こちらのほうで主な結果について概要が記載されております。特に中ほどに線が引いてありますが、この調査の結果としまして、事業者や行政からの注意喚起が実際の在宅介護者の半数以上に伝わっていない。また、伝わっていたとしても、危険性を感じず、対策も講じていない介護者が多いという結果になりました。
 調査の結果の詳細につきましては、2ページ目に書いてございます。円グラフがございまして、こちらが実際の在宅介護者3,578名にお聞きした結果となっています。
 結果としましては、56%の方が注意喚起を知らなかった。また、赤色の部分、注意喚起は知っているが対策を講じなかったという方が19%で、大変多い比率になっているということでございます。
 その下の棒グラフをごらんいただきたいのですが、注意喚起を知った手段といたしまして1つ、過去に、注意喚起に関しては主に事業者を通じて行っているということがございましたけれども、右側のほう、事業者の説明で知ったという方は42.2%でございました。
 逆に、一番多く注意喚起を知った手段としては、左側の新聞とテレビです。新聞が47.5%、テレビが54.6%となっています。
 そして、その下になりますけれども、注意喚起は知っているが、対策を講じない理由として、特に事故の危険性を感じないとお答えいただいたのが71%、こちらも大変高い数字になっております。
 これらを通じまして、また1ページ目のほうの下に戻りますけれども、消費者庁としては、厚生労働省及び経済産業省とも協議をしまして、実際の在宅介護をされている方に、直接かつ確実に事故の危険性を伝えるために以下の3点の取り組みを連携して実施することになったということです。
 1つ目が各福祉用具貸与事業者への緊急依頼。
 2つ目、全国の各地方自治体への協力依頼。
 3つ目、テレビ・新聞を通じた広報ということを再度行うことになりました。
 資料2-1の7ページの別添3が、消費者庁、厚生労働省、経済産業省が連名で各福祉用具貸与事業者宛てに出しております緊急依頼になります。
 9ページ目、こちらは各地方自治体宛てに出しております協力依頼になります。
 引き続きまして、資料2-2、こちらは11月2日付で消費者庁が再度出しました注意喚起になります。また、こちらの資料の中ほどになりますけれども、過去に消費者庁が各都道府県ですとか政令指定都市、また各市町村の消費生活センター宛てに介護ベッド用の手すりの注意喚起と点検依頼を行ったときの事務連絡等が別紙の資料として添付されております。
 事務局からは以上になります。

○松岡座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御意見ございますか。
 感想なのですが、やはり事故件数が絶対数としては少ないのですが毎年確実にあるということで、危険性が熟知されていないと一定の条件の下で確実に事故になるという状況なのだと思うのです。
 注意喚起されても、危険性を感じなかったから対策をとっていないというのが71%もあって非常に大きいというのは、前から言われているように、注意喚起のときの事故状況の実態、状況の説明が余り具体的ではないから危なく感じないという例の1つなのかなと感じたのです。注意喚起は一応模式図というか漫画を使って描いてあって、危なそうなことは感じるのですけれども、何となく表現がやわらかくなっているので、余り生々しい写真はとても載せられないのですが、その辺の工夫が一般的な話として必要ではないかと感じました。
 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 資料2-2ですが、事故の発生件数と死亡件数を見ていただくと、19年度が12件で、死んでいるのが8件なのです。24年度は6件で4人死んでいるのです。こういう事故の報告事例というのはほかにはないと思います。
 理由は、例えば食品の食中毒で死ぬ人というのは、大体今回の死亡事故の人数に近いのですけれども、事故の発生件数は1,000倍、発症件数は2万倍なのです。労働安全の場合で、労働災害で死亡する人というのは、1,200人ぐらいになっていると思うのですが、死傷者数は10万人ぐらいあるわけです。
 そういうふうに考えると、この統計はどう見てもおかしいのです。19年、死亡が8件で、事故が12件。これは統計数字としてはとても信用できない数字です。死亡事故が8件あれば、事故は1千倍とか1万倍あってもおかしくないはずで、12件しか起きていないとはとても考えられません。また、これは資料2-1の2ページ目、注意喚起は知っているが対策を講じない理由にもつながっていると思います。危険の認知が不足しているということです。そういうことは知っているけれども、どの程度危険なのかがよくわからないということにもつながっているので、これを出したからよしにするのではなくて、消費者庁としては起きている事故をきちんと捕捉をできていないのではないかという目でもう一度見るということが大事だと思います。
 以上です。

○松岡座長 どうも貴重な御意見、ありがとうございました。
 要するにインシデントに相当する小さなものが全然捕捉されていないということですね。

○中嶋委員 そうです、報告されていないということだと思うのです。

○松岡座長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 この数字から見て、報告されていないのは確かだと思います。それと同時に、この短い期間で32人の方が亡くなっているにもかかわらず、ただこれだけの注意喚起だけで、それ以上のことは何も起こさなくていいのかというところがあります。今まで経済産業省が被害防止命令を出している中でもこのように多くの方は亡くなっていないのです。もっと被害者が少ない中でそういう命令を出しているわけですから、この3つの省庁が何をするべきかというのはもう少しきちんと検討していただきたい。注意喚起が足りないからもう少し注意喚起が必要というだけで済まされていいものだろうか。もっと根本的なものが考えられるのではないかと感じます。

○松岡座長 どうもありがとうございます。
 中村委員、どうぞ。

○中村(均)委員 この結果を見て、注意喚起を徹底することがいかに難しいか改めて実感しました。対象のものがかなりやりやすいと感じたのですが、これですら56%の方に届いていない。だから、本当に注意喚起を徹底する方策をもう少ししっかり考えないといけないのかなというのが1つ。
 2つ目は、座長も言われましたけれども、この注意喚起で特に事故の危険性を感じないという、行動をとってもらうための動機づけになっていないというのが、本当にチラシの表現の問題なのか、それともほかに何か要因があるのかそこも考えないと、我々がしてもらいたい行動をとってもらうというところにつながっていないのが非常にできていないので、私はこのデータを見たときにすごくショックを感じたのですが、我々が今問題としていることがもう一遍問題だったのだというのを証明したみたいになってしまっているような気がします。

○松岡座長 どうもありがとうございます。
 問題点は再度確認した形で明らかになったと思いますが、対応としてはここの調査会としてはどうしますか。最終報告書に盛り込むか、あるいは早急に何かやってくださいと別途に通知を出すか。
 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 2-2の事故の発生件数のことなのですけれども、全国で介護ベッドを使っている人は何十万人かいるわけです。

○松岡座長 400万ですね。

○中嶋委員 事故発生件数が6件、12件とかと言われると、ほとんどの人が私には起きないと考えてもおかしくありません。通常、労働災害の場合でも、大体1,000人に1人とか1万人に1人ぐらいしか起きないと言われると、工場長が着任して、在任中の4年間は事故が起きないと思うわけです。確率で考えたら確かにそうです。事故が6件なら私のところでは起きないと認識すると思うのが普通です。だから特に対策をとらない理由がここにあると思います。
 報告として上がってきた「この数字」を何も考えないで、ぽんと出してしまうことが問題ではないのか。この数字しかありませんと言われれば、これを出さざるを得ないのでしょうけれども、この数字よりも、もっと本当は多いのではないのかと考えていただくべきだと思います。

○松岡座長 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 私も注意喚起を知った手段で事業者の説明が42.2%と低いというのは信じられないような低さに感じるので、事業者の説明資料の問題もあるでしょうけれども、同時に事業者が実際の介護者に接する、本当にやっているのかどうかという徹底性のところに問題がありはしないかなと。この低さからはそう感じざるを得ない。こういう死亡事故、重大事故が発生しているケースでは、説明責任というのをしっかりと履行してもらうような仕組みを考えたほうがいいのではないかと思います。

○松岡座長 山口委員長代理、どうぞ。

○消費者安全委員会山口委員長代理 実は消費生活用製品安全法に基づいて、経済産業省のもとに第三者委員会がありまして、製品起因事故かどうかということで議論がなされておりまして、消費者委員会のほうからも昨年、議論にかかわったことがあります。その中でも、繰り返し介護用ベッドの事故が起こっておりまして、私どもとしては、製品起因事故として言えるのではないかということを繰り返し発言したのですが、やはり使い方が悪いという問題に片づけられてきたことは厳正な事実なのです。
 もちろん、繰り返し起こっているので何とかしなければいけないということでいろいろ議論はあったのですが、消費生活用製品安全法の関係で、こういう事故についてどういうふうに考えたらいいのかというのはもう少し議論が必要なのかなと、そのとき繰り返し思いました。
 あと消費者委員会で、実は有料老人ホーム等の介護の実態についていろいろ調べたことがあるのですが、その中で厚労省では施設の種類ごとに施行規則がございまして、その規則では事故が起こった場合には地元の自治体に報告することになっているわけです。都道府県はそれをどうしているかというと、保険の支払いの関係があるものですから、事故情報を集約するような体制になっているのですが、どうも有料老人ホーム等で行った保険支払いを伴う事故についての集約その他が、国のほうにわたされていないのではないか。いわゆる高齢者施設で起こった事故の集約体制がどうなっているのか、必ずしも十分ではないというところに問題があるなと前から思っているところであります。

○松岡座長 どうもありがとうございます。
 確かに私も第三者委員会に参加したことがありまして、製品起因でないということになってしまうのです。当然あり得る誤使用ともならないというような形で難しいところです。ただ、実質的に事故が起こっていることで、その注意喚起をもっと有効にしてくださいねということを何とかして言わなければいけないなということだと思います。わかりました。
 何かほかに御意見はございますか。
 片山委員、どうぞ。

○片山委員 資料2-2の一番後ろのところで、今回10月以降、改めて消費者庁のほうでも注意喚起、点検依頼をしているということなのですが、24年6月のときに、2万7,000カ所に対して注意喚起と点検依頼をした。それが実際にどう行われたかということは全くトレースされていなかったので、今回直接調査をされたということだったと思うのですが、それでは今回の10月の注意喚起と点検依頼は6月のときとどう違うのか、どこを強化されたのでしょうか?
 自治体、地元のほうできちっと介護看護者に関する行動を促し、確実に対応がなされたかどうかということをもっと強くトレースしないといけないと思うのですが、きょうは消費者庁の方がいらっしゃらないので、そこの違いといいますか、6月の依頼に対する反省がどう出てきているのかというところをぜひ確認していただきたい。

○松岡座長 では、佐竹委員、どうぞ。

○佐竹委員 資料2-1の介護ベッドの注意喚起に対する在宅介護者の周知度調査なのですけれども、在宅での介護に携わっている方が対象となっておりますが、これは家族の方を対象にしてらっしゃるのでしょうか。
 実際、在宅介護と言うと、地域で言うと、地域包括支援センターの方とか、ケアマネの方を中心としてホームヘルパーさんなどが実際に携わっていらっしゃると思うのですけれども、こういう注意喚起というのは家族の方も当然必要ですが、地域包括支援センター等で実際に介護に携わるホームヘルパーさん等を対象にしていただくことも必要ではないかと思うのです。
 家族の方はもう毎日の介護で精いっぱいで、こういう事故情報に基づいてベッドの対策をしなければいけないと思っても、なかなか行動を起こせないという方も多いと思うのです。ぜひホームヘルパーさんなど、実際仕事として介護をしてらっしゃる方に注意喚起情報を見ていただいて、家族の方にもこういう対策をとりましょうねと促していただくということが必要ではないかなと思います。

○松岡座長 わかりました。
 では、佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 資料2-1の2ページの一番下のところですが、ついつい71%のところに目が行ってしまうのですけれども、ほかのところもパーセンテージは少ないけれども、非常に重要だと思います。8.7%の必要と感じているけれども、購入する、入手することができないというのはすぐ対応できる話ではないかなと思いますし、また6.8%の補助具などは介護に支障があると回答しています。これは新しいものを開発するようメーカーに促すこともできるし、そのあたりは消費者庁としては何をされたのか、もし御存じだったら教えていただきたい。

○松岡座長 どうもありがとうございます。
 では、齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 これは資料2-1の4枚目の裏のカラーのページに「認知機能障害など予測できない行動をとる方や片マヒ障がいがある方」とあります。6年間の死亡32件のうちで、このウエートが圧倒的多数であれば、どのベッドにどのような人が乗ったときにリスクが高い、という統計がとれているように思います。そういうアピールの仕方をすれば、もっと徹底的できるのではないか。
 先ほど400万台あると言われましたが、健常者が寝ても多分そういう事態にはならないのではないか。そうだとすると、特定したニュースの流し方がありそうですが、そのあたりの検討はされたのでしょうか。

○松岡座長 わかりました。
 中嶋委員、何か。

○中嶋委員 資料2-2の別紙2、事故防止対策でベッドの絵が出ている。この絵を見ていただきますと、私はISOの安全規格の委員をしておりますけれども、通常であれば、このすき間をかなり問題にします。例えばISO13849、13850というのは、こういうすき間についての規格をちゃんとつくっていて、6歳の子供の手が入らないとか指が入らないということをベースにしてすき間を決めています。基本的にはこのすき間は、何かに挟まるような間隔であってはならないとなっていますので、なぜこれが鉄柵になっているのか、なぜ板(ボード)になっていないのでしょうか。また、鉄柵と鉄柵のすき間がなぜ必要なのでしょうか。介護する側の人たちの利便性があるのでしょうか。なぜ、なぜと考え、そういう目で見ていかないと多分だめなのだろうと思います。 もう一つは、右下のほうに、JISが改正されてすき間を狭くした新製品が出ておりますとなっているのですけれども、これは21年3月以降のものは全部こうなっているということを表している訳ではありません。理由は、JIS規格は強制規格ではなく、任意規格です。したがって、この規格を守らなくても良いわけで、全てがこうはなっていないということにまず気がついていただかないといけない。ですから、安全設備とか安全な装置を開発する際には、このようなことをわかっている人たちに設計してもらわないといけない。
 起きた事故について、これはあなたが悪いのかメーカーが悪いのかという犯人捜しをする前に、事故が起こらないようにすき間を狭くするような対策が重要です。すき間を狭くすると値段が上がりますとか、いろんな問題があるのでしょうけれども、まずそういうところの要求事項を消費者庁のほうできちんと把握されて要求事項として業者さんに出していただく。それがひいてはJIS規格を変えていったり、法律まで行くかどうか知りませんが、そういうふうに指定をされていくべきであると思っていますので、まずこういう説明を見られて、これでオーケーなのだと思っていただかないことがすごく大切だと思います。
 以上です。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 そうしますと、6月の時点での注意喚起と今回の注意喚起、どこがどう違ったのかということがまず1つあります。あといろいろ細かい設計の問題だとか、今、貴重な御意見がいろいろ出ましたが、その辺のことを事務局のほうでもって消費者庁さんに確認していただきまして、次回にまたその結果を御報告、あるいは可能であれば、説明に来ていただくということでもってこの議論を詰めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○原事務局長 了解いたしました。質問事項を整理して消費者庁にお願いします。

○松岡座長 では、この件につきましては、このように取り扱わせていただきます。

≪4.製品回収・リコールに関する消費者アンケート調査について≫

○松岡座長 続きまして、議事次第の4です。
 本調査専門会の取りまとめに向けまして、事務局において独自に「製品回収・リコールに関する消費者アンケート調査」を実施していただきました。これについて、事務局から概要と結果について御説明をいただき、引き続き皆さんから御意見をいただきたいと思います。
 では、よろしくお願いいたします。

○事務局 事務局から御説明いたします。
 資料3をごらんください。
「製品回収・リコールに関する消費者アンケート調査」ですけれども、この消費者安全専門調査会の第11回、4月のときに、国民生活センターが過去に行ったリコールに関する周知度調査を御紹介いたしました。
 あれは昨年12月に公表された調査でしたけれども、それから時間もたっておりますので、今回取りまとめに向けて新たに調査を行いました。
 まず、資料3-1が調査の概要になります。
 調査の目的としましては、製品リコール案件等の消費者安全に係る注意喚起に対する消費者の認知と行動についての対応策を検討するため、一般消費者の自己所有物の製品回収・リコール対応の経験、情報へのアクセス状況等の実態と意識を把握するということとしております。
 全国の調査になっておりまして、調査対象は20歳以上の男女です。
 調査方法につきましては、インターネットの調査会社に、事前に登録されていらっしゃるモニターに対してのアンケートでございます。
 有効回答サンプルとしては、2,988ということで、目標を3,000としておりましたが、ほぼそれに近い数字になりました。
 調査時期は、先月、平成24年10月になります。
 回答者は、全都道府県。回答者の平均年齢は49.1歳となっております。
 資料3-2、こちらは今回のアンケートに使いました、回答いただく方への調査票になります。
 冒頭の1ページ目につきましては、いきなり製品回収・リコールのことを聞いてもわからないという方もいらっしゃるかもしれませんので、前提の説明として製品回収・リコールについての説明。新聞社告とはどういうものなのかということで、こちらにつきましては主婦連から御協力をいただきまして、リコール社告のひな形を載せて御説明した上で調査に入っております。
 設問につきましては、その次のページから書いてございますけれども、こちらは調査結果と合わせて御紹介したいと思います。
 資料3-3、このアンケート調査の単純集計をまとめたものになります。
 1ページ目につきましては、回答者の属性、性別ということで、ほぼ男女半々になります。
 年齢につきましては、全国の年齢構成にほぼ合わせた形でとっております。
 2ページ目、地域別の回答者の割合。その下に、回答者の属性として職業ということも確認しております。
 3ページ目、こちらからがメインの調査の回答になります。
 Q1としまして、過去5年以内に、御自身または御家庭で所有されている製品、ただし、自動車、食品を除いております。これが回収の対象になったことはありますかということで、こちらで「ある」とお答えいただいている方は10.2%になりました。過去の同様の調査、国民生活センターの調査でも14%台でございましたので、大きく変化した数字にはなっておりません。
 次にQ2になりますけれども、回収になった製品につきまして、大まかな分類を確認しております。1つ目が燃焼器具、2つ目が燃焼器具以外の家電製品、3つ目が生活用品、そしてその他という構成にしております。ここで一番多くございましたのは家電製品ということで、57.4%の方になりました。
 4ページ目以降のQ3になりますが、それぞれ燃焼器具ですとか家電ですとか生活用品、それぞれに回収を行っていることをどのように知りましたかということで、媒体についてお聞きしております。
 4ページ目の燃焼器具につきましては、一番多いお答えが新聞社告でございまして46.2%、その次が新聞の記事で27.4%、そしてテレビ、ラジオのコマーシャルということで23.1%と続いております。
 5ページ目、燃焼器具以外の家電製品になります。こちらについても、一番多いお答えは新聞社告でございましたけれども、2番目に多い回答については、メーカーからの連絡(郵送によるダイレクトメール、電話)というのが22.7%で、次に多くなっております。
 6ページ目、生活用品について同じくお聞きしておりますが、こちらも一番多いお答えは新聞社告25.5%、2番目に多いお答えは、企業のホームページ14.9%でございました。
 7ページ目、その他ということでお聞きしていますが、製品内容としては1つ前の生活用品に近いものをお答えいただいている方が多くございました。こちらは一番多いお答えは、メーカーからの連絡、企業のホームページがともに22.2%、そして新聞社告という順番になっておりまして、ここまでを見たときに、燃焼器具、家電製品、生活用品、それぞれで回収を知る手段というのが少しずつ違っているということがわかるかと思います。
 8ページ目、Q4、回収の対象になった製品について、どのように対応しましたかということでお聞きしております。ここで一番多いのは、事業者に連絡して返品、修理をしたという方が、燃焼器具は少なめで39.3%になっていますが、それ以外は過半数を超えております。ただ、全般的に2、3の選択肢で事業者に連絡したが、返品、修理をしなかった、事業者に連絡しなかったという方もかなり多い割合です。特に事業者に連絡しなかったという方は3~4割台という数字になっております。
 事業者に連絡しなかったという方が多かった理由は、その次のQ5、8ページの下で少しわかるのですが、Q5の回答の選択肢2に、対象製品であったが、返品や修理をするほどの内容ではないと判断したためとお答えいただいている方が結構多くございます。
 また、その1つ前、対象製品ではなかったためという方も4割ほどございまして、対象製品ではなかったから連絡をしなかったという方がここに含まれているということが確認できると思います。
 9ページ目、Q6、事業者に連絡しなかったとお答えしたものについても理由をお聞きしています。こちらについても、1つ前の問いと同様に、対象製品ではなかったためとお答えいただいている方が4~6割を占めております。
 10ページ目、Q7では過去に回収の対象になった以外の方も含んだ全員にお聞きしております。製品の回収情報についてふだん目にするものはありますかということで、媒体をお聞きしているのですけれども、1番多い回答が新聞の社告58.2%、2番目がテレビ、ラジオのコマーシャル45.5%、3番目がテレビ、ラジオ、WEBのニュース39.6%、そして新聞の記事と続いております。このグラフの一番下、回収情報を見たことがないとお答えいただいている方も8.7%ございました。
 11ページ目、先ほどのQ7につきましては複数回答でお聞きしておりまして、こちらのQ8については、その中で最初に目にするものはどれですかということでお聞きしています。
 こちらにつきましても、一番多いお答えが新聞社告29.5%、2番目はテレビ、ラジオのコマーシャル24.9%、3番目はテレビ、ラジオ、WEBニュース、4番目は新聞記事ということで、主に新聞もしくはテレビ、ラジオが多くなっております。
 12ページ目、Q9としまして、回収情報を見たらどのように対応しますかということで、これは見たことがない方も想定でお答えいただいております。
 こちらにつきましても、前半のところで出てまいりました実際の行動と近い数字があらわれているかと思います。対象製品か確認し、事業者に連絡し、返品、修理を行った方が48.4%ですけれども、内容によって対象製品か確認、また、対象製品か確認して事業者に連絡するが、返品や修理をするかは内容によるを合わせた回答の方が多くなっています。
 13ページ目、Q10では、新聞をどれぐらい購読しているかということで、定期購読をされている方を確認しています。全国紙あるいは全国紙以外の新聞という分け方と最近出ております新聞の電子版というのをどれぐらいごらんになっているのかということも含めてお聞きしました。
 実際には、やはり全国紙が一番多くて46.7%。2つ目の選択肢、主に地方紙になりますけれども、これが24.2%。一番下の定期購読していないという方は31.0%、約3割の方は定期購読されていないということがわかります。
 電子版につきましては、1%未満、0.9%ということで、まだそれほど普及していないということがわかりました。
 その下、Q11ですが、電子版を購読している方に、どういったデバイスで見てらっしゃるかも聞いております。パソコン、スマートフォン、タブレットということでお聞きしておりますが、全体が1%未満でしたので、ここは参考として御確認いただければと思います。
 14ページ目、Q12では、製品回収を知らせる新聞社告を読んでいますかということで、こちらは日ごろから注意して社告を読んでいる、目に入った社告については内容を読んでいる、両方お答えの方で60%を超えております。それとテレビ等の情報があれば社告を見るのが16.9%です。社告は目に入らないから読んでいないとお答えいただいた方も16.9%となっております。
 15ページ目、Q13では、新聞社告される製品には、生命・身体・財産を損ねる危険のある製品に関する社告もありますが、これらの危険のある製品について、御自身は必要な情報が入手できていると思いますかということで、こちらもできている、どちらかというとできていると思うと回答された方を合わせますと約43%。できていない、どちらかというとできていないと思うと回答をされた方が、両方合わせますと約52%になりまして、こちらが過半数を超えております。
 16ページ目、Q14として、製品回収情報を扱った行政のホームページサイトをどれぐらい御存じかというのを確認しております。こちらについては、どのサイトも知らないと答えた方が83.4%になっておりまして、お聞きしましたサイトは経済産業省、NITE、消費者庁、国民生活センターですけれども、どのサイトにつきましても10%を超えたものはございませんでした。
 その中でも国民生活センターが7.8%、消費者庁のリコール情報サイトが6.3%という順でございまして、消費者庁のリコール情報サイトはこの4月に立ち上がったばかりですけれども、意外と健闘されているのかなと見ております。
 17ページ目、Q15では、製品の回収情報についてどのような手段、媒体で入手できるとよいと思いますかということで、こちらも前半にお聞きしております実際の媒体、実際に知る手段としての媒体と近い傾向が出ております。
 複数回答でお聞きしておりますが、1番目が新聞の社告、2番目がテレビ、ラジオのコマーシャル、3番目がテレビ、ラジオ、WEBのニュース、そして新聞記事という順番になっております。ここで、実際に知る手段と違う傾向が出ている数字が、上から2つ目のメーカーからの連絡の45.7%、上から4つ目の販売店からの連絡の32.0%ということで、今、実際に回収情報を入手されている媒体とは少し違う傾向が出ています。
 18ページ目、最後の問いになりますが、今、お聞きした製品の回収情報について最もよいと思われる媒体を1つだけお聞きしております。こちらにつきましては傾向が大きく変わっておりまして、1位がテレビ、ラジオのコマーシャル。2番目のところにメーカーからの連絡というのが18.9%になっております。3番目、テレビ、ラジオ、WEBのニュース。新聞社告については4番目という数字になっております。
 これが単純集計の結果になっておりまして、もう一つ、資料3-4につきましては、主な問いのクロス集計を集計表としておつけしております。
 最初のページでQ7にある、ふだん回収情報について目にするものがあるかどうかということと、性別、年代別、職業、回収の有無ですとか新聞の購読ということが縦列でクロスしております。
 1ページ目を見たときに、黄色の網掛けのところですけれども、やはり全国紙または全国紙以外の新聞を購読されている方は、新聞社告を見ている方が70%を超えております。逆に、定期購読をしていない方で新聞社告を目にするという方は3割以下という数字になっております。
 ただ、定期購読をしていない方で見たときに、テレビ、ラジオ、WEBのニュース、テレビ、ラジオのコマーシャルというところの数字が、定期購読されている方と比べて高い傾向になっております。
 特徴的なものだけ御紹介しますけれども、3/8ページのQ10で、新聞を購読されているかどうかということと、縦列、過去に回収の経験があるかどうか。また、必要な情報が入手できているかどうかというところが確認できます。先ほどの問いの御紹介と同様に、新聞の定期購読をしていない方につきましては、回収の対象になったことがあると答えられている方が、定期購読されている方の割合と比べて低くなっている。そして、必要な情報が入手できていますかということも、できていないと思う、どちらかというとできていなと思うと答えてらっしゃる方が多くなっております。
 7ページ目、製品の回収情報について、どのような手段、媒体で入手できるとよいと思いますかということについて、黄色で網掛けをしておりますのは、過去5年以内に所有されている製品が回収の対象になったことがある方というところで見ております。ここでは、新聞社告については59.5%ということで一番高い割合になっておりますけれども、先ほどの単純集計のところでも出てまいりましたが、メーカーからの連絡、販売店からの連絡というところも、54.8%、40.2%ということで、高い割合になっているということがわかります。
 同様に、最後の8ページになりますが、これも回収情報について一番媒体、手段で最もよいものをお聞きしておりますが、こちらも単純集計と同様に、メーカーからの連絡というのが一番多い数字になっているということがわかりました。
 簡単ですが、以上になります。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 それでは、御意見をよろしくお願いいたします。
 この調査結果はなかなか面白いと思うのですが、例えば12ページ、対応したかどうかということを聞かれたときに、内容によっては対象製品か確認するということで、要するに内容が余り伝わってこないとやらないということが出ているのかなと感じました。
 15ページで社告の説明が十分できているかどうかということで、よくわからないという感じの方が結構いたことがここで端的に出てきているのかなということで、再度確認されたデータになっているのかなと思っております。
 ほかにございますか。中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 資料3-3ですが、8ページ目のどのように対応しましたかというところに、事業者に連絡しなかったという人がいるのですけれども、一方、12ページ、回収情報を見たらどのように対応しますかという回答の中には、連絡しなかったというのはないのですけれども、この2つはどういうふうに見ればいいですか。

○事務局 8ページのQ4につきましては、過去に回収の対象になったときの行動をお聞きしております。12ページのQ9につきましては、これからそういう情報を見たときにどう対応されるかということでお聞きしましたので、そのときの選択肢の中には同じ選択肢を入れていなかったということになります。

○中嶋委員 N数がちゃんと明示されているのですけれども、8ページの資料にはN数が入っていないのです。それに対して12ページの資料はN数が調査対象の全数になっているのです。ということは、調査対象全数の2,988人に情報を見たらどうしますかと言ったら、対応をとりませんという人が0.3%しかいないという意味ですか。
 8ページの資料のN数は幾らであったのか。これはとても重要な情報なので、そこはきちっとしておかないといけない。例えば8ページで言えば、事業者に連絡したが、返品や修理をしなかったとか、事業者に連絡をしなかったというのは、リコールは幾ら情報を伝えても回収率は100%にはなりませんよということを暗に示しているわけで、では全数に対してはどれぐらいの比率があるのかというのがとても大事なことなので、ある意味、周知徹底の限界をここで示しているともとれるので、そこはもう一度考え直さないといけないというか、調査し直さないといけないことだと思います。
 もう一つは、この情報はとても貴重なのですが、実はブリヂストンサイクルさんからお話をお伺いしたときには、4大紙の社告というのはそれほど有効ではありませんという話があったと思います。さらに、ここに出ているツールというのは全てマスメディアであるとかtwitterとかという、いわゆる媒体をベースにしているのですけれども、ブリヂストンサイクルさんのお話の中では、幼稚園でポスターを張りました、これが結構効きましたと言われていたと思うのですが、ここではポスター類のことは全く触れられていない。送り手と受け手の情報のやり取りなのですけれども、新聞とかというメディアのことは書いてあるのですけれども、ポスター類がほとんど出てこないというのはどうしてなのでしょうか。
 せっかくこういういい資料をつくるのだから、ポスター類についても本当はやってもらいたい。なぜかというと、ヨドバシカメラさんはリコールについてはポスターで出しております。これが私たちの誠意ですという回答があったように思うのですけれども、いかがですか。

○事務局 済みません、まず1つ目のN数につきましては、記載が漏れておりましたので、記載したものについて、後日お配りしたいと思います。
 8ページ目のQ4につきましては、こちらのN数の合計は456になりまして、これは過去回収の対象になったことがあるとお答えいただいた方からの数字になります。
 あと同様に、8ページ目の下、Q5につきましても、こちらもN数が抜けておりますが、N数の合計は45です。

○中嶋委員 先ほどは456。

○事務局 Q4は456。Q5につきましては、事業者に連絡をしたが、返品や修理をしなかったとお答えされた方だけにお聞きしていますので、N数の合計は45になっております。
 それと同様に、Q6のところもN数が抜けておりまして、合計が157になります。これにつきましても、Q6は事業者に連絡しなかったと回答された方だけにお聞きしていますので、こういうN数になっているということでございます。
 2つ目の御質問でポスターについてなのですけれども、以前の同様の調査の中の選択肢を参考にさせていただきまして、その中にポスターが入っていなかったということでございまして、今回の調査でもそれは除かせていただいたということでございます。国民生活局が行った調査も過去にございまして、そちらとの比較の数字につきましても今回間に合っておりませんけれども、今後ご紹介させていただきたいと思っております。
 以上です。

○松岡座長 ほかにございますか。
 中村委員、どうぞ。

○中村(均)委員 資料3-3の4ページからですが、これは注意して見ておかなければいけないのは、メーカーからの連絡とかメーカーからのEメール、販売店からの連絡、販売店からのEメールというのは、ピンポイントで打つのです。要は全部に流すわけではないわけです。新聞社告とか何とかは不特定多数の人にして連絡をもらうのですけれども、メーカーからの連絡というのは、その方がそれを使っていることを把握してから送るのですから結果、17.9ですけれども、これは売った数に対してのヒット率は100%に近いはずなのです。100%は言い過ぎかもしれないけれども、そこを頭に入れておかないと誤解してしまうと思うのです。
 リコールがわかった時点でいち早く連絡するのが筋ですから、その時点で顧客リストなどはできていないわけです。情報だけを販売業者に流しますから、その販売業者がお客様に連絡するのは、それからどこに売ったかというのをちゃんと調べて出していくわけですから、おくれていきますから、全部時間的には後追いです。
 メーカーの話をして恐縮ですけれども、最初に新聞社告を出して修理してくれと言われたときには、修理体制もちゃんとつくっておかないと、もらっても修理できないではまずいので、修理体制をつくるわけです。そのときにやれる許容量に応じて修理をやりますから、このメーカーからの連絡というのはそういうものがだんだん一段落ついて、まだ余裕ができてから動き出すのです。販売店からの連絡も同じですから、時間的おくれがあるということだけ御承知おきいただきたいと思います。

○松岡座長 どうもありがとうございます。
 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 今のメーカーのところをどう読めばいいかわからないのです。恐らくアンケートを回答した人はブランドイメージで回答しているのではないかと思うのです。輸入品もあるはずですが、輸入品の海外メーカーがダイレクトに通知するとは思えません。輸入業者とか販売店経由ということになる。恐らく大半の人は、日本メーカーの有名ブランドをイメージして回答している可能性があると思いながら一連のデータを見ておりました。そのあたりを細かく具体的に把握してどういう手を打つかを検討していかないと、手の打ち方がわからなくなると思います。

○松岡座長 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 先ほどの松岡先生と同じような感想なのですけれども、12ページの回収情報を見たらどのように対応しますかというところで、対象製品か確認して事業者に連絡するが、返品や修理をするかは内容による。内容によっては対象製品か確認するというのが合計で5割を超えているということは、回収率を向上させる上では、説明の仕方というのでかなり重要な位置を占めるのだろうなという感じを持ちました。
 3-4の8/8ページ、製品の回収情報について、どのような手段や媒体で入手できるとよいと思いますかというところでは、メーカーからあるいは販売店からの連絡というところを合計すると結構なパーセンテージになるということで、製品の種類によっては購入者の情報を把握するのは非常に難しい面があるかとは思うのですけれども、やはり消費者の購入者の情報をつかんでおくことが重要だろうなということです。
 7/8ページ、製品の回収情報について、どのような手段や媒体で入手できるとよいと思いますかという、ここのところでもメーカーや販売店については同じような感想を持っています。
 自治体、消費生活センターの広報誌というところは、全体的にはパーセンテージとしては小さいですけれども、60代以上の高齢者については、この年代別の中ではいずれも2割近いということで、やはりこの点についてはもっと取り組んでいただいたほうがいいだろうなという感想を持ちました。
 以上です。

○松岡座長 どうもありがとうございます。
 それでは、佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 最初にお聞きしたいのは、自動車を除くのはわかるのですけれども、なぜ食品を除いてしまったのかというのが非常に私としては残念。これは本当に一部のアンケートにしかなっていないのかなと思います。なぜ食品を除いたのか。その理由を教えていただきたい。
 もう一つ、結果をずっと見ていきますと、社告というのがほとんど1番になっています。私たちはリコール社告というJISをつくりましてから、毎年何カ所かリコール社告は知っていますかということで地方を回っているのですけれども、基本的には知らない人のほうが圧倒的に多いのです。
 この数字を見て私はびっくりし、本当かなと思っています。そういうことを言ったら申しわけないのですけれども、もしかしたらアンケートの最初のページのところにリコール社告を載せて、新聞社告とはと書いてしまったがゆえに、もしかしたらちょっと誘導されてしまったかなという気がしなくはないのです。今さら今ここで申し上げても、この結果をどうこう言うわけにはいかないのですが、そのあたりの工夫がもしかしたら足りなかったのかなという気がします。

○松岡座長 事務局、今の食品を除いたことについていかがでしょうか。

○事務局 済みません。今回、食品を除いた理由なのですけれども、4月に御紹介をしました国民生活センターのアンケートでも、製品と食品というのを分けておりまして、今回も本来であれば、製品と食品について分けて、両方同じ問いで聞く必要があったのですけれども、今回は製品に限らせていただいて、まずは製品について比較したいと考えたところでございます。きちんとした回答になっていないかもしれません。
 もう一つですが、調査票の冒頭に製品リコールについての説明と新聞社告についての説明を出したことですが、実は事前に事務局の中でこのアンケート票を使って確認を行ったときに、この前提の説明なしで行いましたところ、実は回収にあったことがあるという答えが少なめに出ました。
 と申しますのは、実際に答えた事務局員に確認をしたときに、いきなり聞かれるとすぐに思い出せないという話がございまして、少し時間がたってから、実はありましたと回答した事務局員が何名かおりました。そういう状況の中で、説明を最初にきちっとしたほうが過去の状況がつかめるだろうという判断をいたしまして付け加えたものです。

○松岡座長 どうもありがとうございます。
 では、佐竹委員、どうぞ。

○佐竹委員 1点だけ結果からの感想なのですけれども、8ページ目の事業者に連絡をしたけれども、応じなかったというところの3ですが、対象商品であったけれども、返品、修理をするのが面倒であったため。ここのところが16.7%もあるのですが、このあたりが事業者の課題ではないかと思います。連絡をしても、例えば持って行かなければいけないお店が遠かったり、来ていただくにしても自分がいる時間に来てもらえないとかいろんな理由があるのですが、せっかく連絡をして対象商品になっているということがわかっているのですから、もう少し、修理対応などをしていただきやすいような体制を事業者もつくることが必要でないかなと思いました。

○松岡座長 どうもありがとうございます。
 大分時間が押し迫っていますが、では、簡潔に。

○中嶋委員 全くこのアンケートとは関係のない話です。
 1ページ目の社告を見ていただきたいのです。実は私、ISO/TC199、機械安全の委員をしておりまして、使用上の情報、いわゆるこういう情報を使用者の方に伝えるというのが私の専門です。これは文章を4行目から見てほしいのです。回収して部品の交換を行いますので、お客様は直ちに電源プラグを抜いて御使用を中止し、左記に連絡してください。
 この社告が求めているものは何かを考える必要があります。使用者に最初にやってほしいことは、使用をやめてくださいなのです。使用をやめた後でプラグを抜いてください。その後ですぐに電話してください。こういう順序になるはずです。命令は命令として、順序を整理して、きちんと書かないと、受けた人は理解ができない。この社告は、お客様は直ちに電源プラグを抜きなさいと言って、その後で、使用をやめなさいと言っています。この社告を読んだ人が的確に私は何をすべきかが判断しにくい書き方になっていることに気づかなくてはなりません。
 単に社告を出したからいいではなくて、自分たちはこの社告によって使用者に一番初めに何をしてほしいのか、その次に何をしてほしいのかを考えることが大事だと思っていまして、ISO/TC199委員会ではこのような指示書の書き方をTR(テクニカルレポート)を作成しようとしています。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 それでは、これは貴重な調査だと思うのですが、この調査結果というのは今度の報告書の基礎資料として活用することもできるのですか。

○事務局 基礎資料として活用したいと思います。

○松岡座長 では、そのようにして活用していくということで、ただいま出ましたいろいろな意見で十分解釈に注意をしなければいけない点が多々あると思いますので、注意して活用していきたいと思います。

≪5.取りまとめ骨子案について≫

○松岡座長 それでは、時間が迫っておりますので、引き続きまして次のメインの議題になりますが、取りまとめ骨子案につきまして、事務局から御説明いただき、その後、議論をしていきたいと思います。
 では、よろしくお願いいたします。

○原事務局長 資料4をごらんいただきたいと思います。
 骨子案ということで作成させていただきました。前回も少し説明しておりますので、肉づけを図った箇所を中心にということでお話ししたいと思います。
 1ページ「はじめに」のところは変更ございません。
 2ページ「1.製品安全にかかわる情報周知についての問題意識」も、前回お示ししております。
 3ページ「2.これまでのリコール情報の周知についての検討経緯」も、経済産業省、内閣府国民生活局と具体的にどのような検討をしていたかという記述を加えております。
 5ページ「3.製品安全に係る情報周知の現状について」ということで、内閣府の国民生活局自体の調査、国民生活センター調査、今回の調査ということで実態について紹介をいたしまして、これまでのここでの専門調査会でのヒアリング、どういうことを行ってきたかというのを6ページにかけて紹介しております。
 7ページ「4.消費者安全専門調査会における検討」ということで、千葉工業大学の越山先生から、警告認知、リスク認知、リスク回避の問題と場面を分けて検討してはどうかという御提案をいただきましたので、それに沿って警告認知性の問題、リスク認知の問題、リスク回避の問題ということで、警告認知性というところでもまだまだ非常に低いということ。リスク認知、リスク回避というところでは、介護ベッドの調査結果にも出ておりましたけれども、非常にまだ課題があるというところが指摘できるかと思います。
 8ページ、情報を発信する上で、受け取る上でというところで、警告認知性の問題というのが非常に大きいわけですけれども、これについては消費者が情報を受け身で得るケース、消費者みずからがアプローチして情報をとりに行くケースと分けて考えられますけれども、アンケート調査などでも見る限り、非常にまだ受け身でこういった情報については接しているということが指摘できるかと思っておりまして、それを加えた形にしております。
 9ページからが「5.行政機関(国の行政機関)への提言」ということで、こちらからが本日、審議をぜひお願いしたいと思っております。
 「(1)リコール等の安全に係る情報発信の情報周知のルートについて」があります。
 先にどういうふうに構成をしているかをお話ししたいと思いますが、10ページ「(2)リコール等の安全に係る情報発信の情報周知の方法について」としてあります。
 11ページ「(3)情報周知を進めるための手段、ツール」についてというところで、方法をもうちょっと具体化したものを提案しております。
 12ページ「(4)製品安全に係る消費者教育・啓発の充実」。
 13ページ「(5)将来に向けての検討課題」という5つに分けて行政機関への提言を取りまとめております。
 9ページにお戻りいただきたいのですが、情報周知のルートについてというところですが、まず「マル1 広く情報を周知するための方策」ということで幾つか挙げております。
 1つ目のところでは、今、消費者庁が消費者安全法、消費生活用製品安全法に基づいて、事故情報が通知、報告されるルートというのを持っておりますので、これを逆にルートとして活用して情報発信していってはどうかということ。
 2つ目ですけれども、関係省庁との連名、連携ということでの情報発信。
 3つ目のところなのですが、地方自治体によってはこういった製品安全、注意喚起情報というのをどの部署が行うのかというのが明確化されておりません。消防署が時々チラシや何かを配布したりしますけれども、必ずしも明確ではないので、これの明確化が必要かと思っております。
 4つ目、5つ目の丸のところですけれども、地方自治体が情報提供を行う場合には、ただ本日はこういう情報がありましたということではなくて、重要度合いがわかるようにするとか、自治体における取り組みのいい事例を紹介するというようなことも考えられるのではないかとしております。
 10ページ、マル1が広くですが、マル2のところで属性ごとに提供していく。例えば介護ベッドですと高齢者のヘルパーの方々とか、高齢者の施設、幼児用の自転車の座席の問題であれば保育施設ということで、先ほどポスターの話も出ましたけれども、もう少しきめ細かく情報提供をしていくという工夫があるのではないか。
 (2)情報周知の方法についてです。マル1の最初のところに書いておりますけれども、大変たくさん議論が出ましたが、販売流通事業者の協力が非常に大きいのではないかというところで、販売事業者への協力を考える。
 「マル2 効果的に情報を周知する工夫」というところで、危険度がはっきりわかる形で画像とか動画を使って届けるというような工夫が必要ではないか。
 「マル3 消費者にとってリスクが理解しやすく、行動を誘発する情報発信の工夫」。先ほど中嶋委員から社告の事例の御紹介がありましたけれども、そういった工夫が要るのではないかと思っております。
 11ページが手段、ツールについてです。マル1 行政が出しているリコール情報サイト、認知度という意味では1割に達していないというところですけれども、消費者庁のリコール情報サイトなどを充実していくことによって総合窓口化を推進してはどうかと思っております。
 マル2のところで消費者庁による「子ども安全メール」とか「リコール情報メール」とかやっておられますけれども、これの拡大と工夫ということが挙げられるのではないかと思います。
 12ページのマル3、先ほどメーカー、流通販売事業者から消費者へ直接連絡をするという話がありましたけれども、情報通信技術の活用による所有製品情報の登録の仕組みをもっと進めれば、効果的にワンポイントで情報が入ってくるということになるのではないかということで、社告とか報道とかに頼るだけではなくて、こういったあたりの工夫もできるのではないかと思っております。
 (4)ですが、消費者教育推進法が制定されたというところもありまして、製品安全についても消費者教育啓発を充実させていく。ですから、消費者が製品安全について感度を上げておくということが、そういった情報が入ってきたときにすぐに行動ができるということにもつながるかと思いまして、まだ議論としては余り出てはいなかったのですけれども、加えてはどうかと思っております。
 13ページが将来に向けての検討課題ということで、リコール基本法、リコール促進法の制定の検討ということで、中に何を盛り込むかについては、別に十分精査したものではございませんけれども、御意見として出たものを並べております。
 14ページですが、行政機関の提言だけではなくて、事業者、報道関係者、消費者へもそれぞれ提言してはどうかというお話でしたので、下へ切り分けておりますので、ここはどんどん展開していただければと考えております。
 15ページ「7.行政機関への優先的な対応の要望」ということで、それまで網羅的に書いておりますけれども、特に優先的に取り上げていただきたいことを並べております。
 (1)情報周知のルートについてということで、「マル1 広く情報を周知するための方策」のところでは、逆のルートも活用、地方自治体も情報発信を行う部署の明確化。
 マル2といたしまして、属性ごとに情報を届ける工夫を挙げております。
 (2)情報周知の方法というところですが、これは販売事業者の協力を掲げております。
 (3)手段、ツールについては消費者庁のリコール情報サイトの充実。
 16ページに入りますけれども、最後にマル2といたしまして、情報通信技術の活用による所有製品情報の登録の仕組みづくりというところで、このあたりを優先的に早い段階で取り上げていただければということで提案したいと思っております。
 事務局からの資料の説明は以上です。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 今までこの調査会で検討してきました内容が網羅的にある程度簡潔に記載されていると感じておりますが、皆さん、御意見をよろしくお願いしたいと思います。
 どうぞ。

○中嶋委員 最後のページに、所有製品情報の登録の仕組みづくりとありますね。これは経済産業省で既に家電製品などはもう始まっておりまして、製品の中でも既にそれを法律の中で義務づけてやろうとし始めている部分がもう既にあるということと、もう一つは、製品の範囲です。日用品まで含めてこれをやるかというと、これは難しかろうと思います。製品の金額もありますでしょうし、消耗する時間の問題とかいろいろ問題があると思いますので、ここは工夫をする必要があると思います。

○原事務局長 わかりました。経産省の情報も得て、正確に進められるように書き込みたいと思います。

○松岡座長 貴重な御意見ありがとうございました。ほかにございますか。
 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 2ページのところなのですが、3つ目の○の上から5行目に「リコールにかかる社会コストの増加分が必ず製品に転嫁され、トータル社会コストが上がっていく」とありますが、リコールというのは一義的にはメーカーに責任がある中で、こうやって言い切ってしまっていいものか疑問に思います。
 次々に言ってしまっていいですか。

○松岡座長 どうぞ。

○佐野委員 5ページのところの上から3つ目の○のところ、「2件が法に基づく命令」とあるのですが、これは2社3件なので、きちんと書いたほうがいいかなと思います。
 最後の経済産業省のところなのですが、重大事故情報ではなくて重大製品事故が入ると思います。
 いろいろな省庁、厚労省もお呼びしてヒアリングしているのですが、何課とか書かないと、例えば厚労省の取り組みで6ページのところで母子手帳しかやっていないのかみたいなことになるので、一体どこの課を呼んで、なぜそこを呼んだのかと書かないと、または厚労省でこういうこともやっていますということを書き加えて、ここでヒアリングしたのは一部としないとおかしいかなと思います。
 ブリヂストン、ビックカメラの「様」というのは取ってください。すごく変です。
 7ページの上から2つ目の○の警告認知性の問題というのがあるのですけれども、ここの最初のポツのところで、国民生活センター調査でやると40%の低さには危機感を覚える。高齢者や地方都市の消費者を含めると、より低い周知度になるのではないかとありますが、失礼ではないかと思います。これは書き方を変えたほうがいいと思います。
 下の「III リスク回避の問題」の2つ目のポツで、「消費者にとって、これはあなたの利益になると分かりやすく説明できるよう」。利益と言うより、生命、身体、財産にかかわることだからで、利益と言われると違うものを思ってしまいます。
 「幾ら法律で縛りつけても人は動かない」も言い方が変で、幾ら事業者を法律で規制してもリスク回避にはならないとか、書き方を変えたほうがいいのかなと。
 3つ目のポツのところは意味がよくわからない。書き方を変えていただきたい。「そこを変えるために教育等をして変えて行かなければならない」。私は理解できないので、ここを後で説明していただきたいと思います。
 8ページの最初の○、ここまで書く必要があるのか。ここら辺はカットしても構わないのかなと思います。
 次々言って済みません。9ページのところ、それぞれ例が幾つかあるのですが、もう少し説明していただかないと、何のための例なのか分からない。きちんと文章化したほうがよくて、これを見ただけだとよくわからないと思います。
 食品が抜けているというのがあるのと、10ページの下から3行目のところなのですが、「製造事業者自らが被害状況を積極的に示しづらい事も想定される」というのは何を想定しているのかよくわからないと思います。
 あとは13ページ「(5)将来に向けての検討課題」、つまりやらなくてもいいよと言っているようなものなので、これは将来に向けての検討課題というのを取っていただいて、マル1を取って、「(5)リコール基本法、リコール促進法の制定の検討」と書いていただきたいと思います。
 2つ目のポツの最後のところの「消費者の責務」というのは、行きすぎかなと思います。リコールに対する行政とか事業者、流通などの責務役割はあっても、消費者に責務と言うのは強すぎるのかなと思います。
 前回も申し上げたのですけれども、リコールガイドラインの作成というのはカットしてください。法律をやるのならばリコールガイドラインは要らないと思います。
 下から2番目の「危険回避のためのリコール協力の消費者の努力義務化」はどういうものだろう。努力義務化というか情報発信の重要性とか、何か違う書き方ができるのではないかなと思いました。
 14ページのところにいろいろと箇条書きで並べてあるのですけれども、これは先ほどのお話だと、足していってもう少しきちんとする。これはぷつりぷつり切れていて意味がよくわからないので、これから文章化するならばそれはそれでいいのかなと思いました。

○松岡座長 どうも貴重な御指摘、ありがとうございました。恐らく皆さんの今までの議論があって整理表もありますので、そこを抜き出して重要な必要なところを書いたと思いますので、それがもう少しわかりやすく文章化になると、普通の一般の人が読んだときにもどういう状況かがわかるようになるのだということです。

○原事務局長 丁寧に読んでいただいてありがとうございました。本当に記述が不十分だったり、誤解を招いたり、もう早速、直せるものはすぐに直したいと思います。

○松岡座長 よろしいですか。
 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 基本的なスタンスのことでお話をしたいと思います。この報告書は一体何を言いたいのか。総花的に見えます。私たちはここで議論したことを、総花的に書くのでしょうか。国がやる仕事について書くのでしょうか。それとも民間事業者がやらなければいけない仕事はあなたの義務ですよとは言えないのだけれども、やってくださいと書くのでしょうか。そういうことが果たして報告書にふさわしいことなのでしょうかなどという問題も本当はあるのではないでしょうか。
 例えば13ページから後が、恐らくこの報告書の肝になることではないかと思うのです。この中でこういう見方をしてもらえませんか。実現の可能性が非常に高いもの、実現の可能性が難しいと思われるもので整理するのはどうでしょう。それによって、可能性が低くてもこの委員会としてはやりましょうと言うのか、高いものから、やりやすいものからやっていきましょうと言うのか。
 例えば13ページでいけば、リコール基本法という話は確かに出ましたけれども、同時にリコールガイドラインというのもお話が出ました。どちらが難しいか。法律をつくるほうが多分難しいでしょう。そうしたら、ガイドラインからやりましょうという意見もちゃんと出して、私たちとしては法律をつくりたいのだけれども、つくってほしいのだけれども、ガイドラインが必要であればこれはやりましょうというような提言でないと、余り効果的な提言には委員会としてはなっていないのではないでしょうかと思います。
 14ページとか15ページでいきますと、14ページは民間の方々への消費者も含めての提言なのですけれども、これは少し強制力を持ってやってほしいと言うのか、単にこういうことに気をつけてくださいね、あなた方の御自身でやってくださいねと言うのかで随分書き方が変わるでしょうし、委員会でのここでの重みづけが変わりますね。法律を背景にしてやることとお願いでやること。でも、これは、例えば道徳心とか公徳心に訴えて、もしくは社会的な責任に訴えてやりましょうというのであればそういうふうにまとめる必要があるでしょう。
 最後のところが一番大事なのですが、行政機関への要望ですけれども、ここは法律論がないとだめだろうと思うのです。単にこれをやってください、例えば地方自治体に対して情報発信を行う部署が明確化されていないと書くのであれば、ではそれをやるにはどうしたらいいのでしょうか、それは法律的にはどういう裏づけがあるかを書いていく必要があるでしょうし、法律との関係を整理していくとなると時間的に今から1カ月ぐらいでまとまるか、ちょっと大変だと思うのです。
 ですから、全体で言いますと、この委員会では何をしたいかとみんなが考えて、それも優劣を整理して、その実現の場合だとかということをちゃんと将来、この後の委員会の人たちが何をやるのだろうかとか、これも考えて提言にしていただければ、ここまでできているからすごくいいのができると思います。
 以上です。

○松岡座長 どうも貴重な御意見、ありがとうございました。確かにここで議論したことが全部網羅されているので、あとどこを強調したいかということを詰めてまとめたいという形です。
 中川座長代理、どうぞ。

○中川座長代理 方向性は一緒なのですが、一番大きなポイントは結局情報が伝わっていないということですね。公表したところでうまく行っていない。それについてどこまで工夫でできるのかというのをいろいろ議論して、最後に工夫では無理で法律が必要かというところが残ってくると思うのです。
 最後のところはまだ議論していないのですけれども、次回でも議論すればいいと思いますが、メインはどこまで工夫するべきか、こんな工夫の方法がありますよというのをいろいろ聞いたのではなかったでしたか。直接に消費者に伝える方法であるとか、先ほどのヘルパーさんの話とか、そこがメインではないかと思います。
 最後に、それでもできない、例えば販売業者、流通業者に協力を求められる努力はしてみよう。しかし、その後やはり思わしくなければ義務化という方向に行きますという感じで、リコール法はそういう観点から、今のように状況が続けば必須になるのではないかという形で次に課題となる。言わば幾つかやる課題ではなくて、ちゃんとやらなかったからここに踏み込みますよという形で、最後に法制化の話を持っていくのではないかと思います。
 それを踏まえて例えば7ページで「4.消費者安全専門調査会における検討」で、2番目の○、3段落において次の指摘がされているということだけこの資料に書かれておりますけれども、その結果、我々の結論として、情報公表のやりっぱなしにとどまっていること、アンケート調査によっても、社告等頼みであること、しかし、新聞の購読率はこの程度でどんどん少なくなっていくこと、情報はますます通らなくなっていくので工夫しなければいけないこと、公表しただけではいけませんというところがもっとも言いたいことなので、そこをうまく強調できる1文が必要だろうと思います。
 そこが肝で、その上で9ページからの提言になると思うのですけれども、9ページも(1)が私としては一番メインかなと思いました。10ページの(2)のマル1も(1)に移動すべきではないかと思います。周知の方法とルートはどう違うのかなかなか難しいですけれども、(2)のマル2、マル3というのは書き方についてで、情報の出し方をもっとわかりやすく、消費者に対する訴求力のある書きかたをせよということが書かれているのだと思うのです。
 単に言葉で羅列してある行政文書のような書き方では誰も読みませんよということで、10ページの(2)はマル2、マル3だけにしておいて、マル1は(1)のほうに持っていくとよいと思います。情報流通のためにどんなルートを使うのかについて、逆ルートは非常に面白いことをおっしゃいました。地方自治体を使う場合には、安全情報の担当者がいないので、ただ単に明確化というよりも、9ページの下から2番目の黒ポツがありますように、消費者庁のほうでこんな形でコーディネートして情報を流してくださいということも自治体に教えないと、向こうは向こうで忙しいですからまぎれてします。地方自治体のルートを使う場合にはこういう工夫をして届くようにしてくださいという書き方が必要だろうと思います。
 そして、10ページの一番上のマル2であれば、直接消費者に届けるという方法ですね。被介護者本人とか、幼稚園の幼児は無理ですが保護者へという形で、なるべく近いところに情報を届ける方法が実はあるのだと。その前なのか後なのかわかりませんが、10ページの(2)のマル1が、メーカーだけではなくて事業者、販売業者、流通業者も利用しましょうという形になっています。全体としては、ルートが大きく地方自治体経由、事業者ないし販売事業者経由、そして直接伝える。3つぐらいあるのだと。それぞれをからめて、なるべく情報の伝え方の水準を上げていくという観点から整理すれば、(1)も1つのポイントとして明確になるのではないかと思いました。
 以上です。

○松岡座長 どうもありがとうございました。大分すっきりとまとまってきた感じがします。
 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 今まで出ていないところを3つほど申し上げます。
 1つは9ページのところです。国の行政機関で最初、消費者庁がもう少し機動力を発揮してほしいというトーンがあると思うのです。きょうのアンケートの中でもありましたように、消費者庁のリコール情報サイトというのは、立ち上がったばかりにしては結構期待されていますし、今までの議論の中でも消費者庁がリコール情報をみずから発信者としての役割を果たしてほしいという話もあったと思うので、そこを強調していただきたいと思います。
 2つ目ですが、13ページ、これは書き方だけですけれども、このタイトルです。リコール基本法とリコール促進法、私は2つの法律をつくるのかと思ったところ、下のほうにはもしくはと書いてあるので、両方ではないということです。そうであればリコールの法整備をする、というようなことになるのかと思って読んでいました。少なくとも今のままのタイトルだと2つ法律をつくれということになる。では両法律の関係は、と思って大半の人が読み進めると思います。
 7ページ、千葉工業大学越山教授という個人名がここだけ出てくるのですが、この委員会としてこの考え方を取り入れてまとめたのであれば、末尾に注か何かつけるのはいいですけれども、ここに入れる必要はないのではないか。初め読んだ人は、この奥に何かより深いものがあるのかと思います。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 それでは、佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 今までいろいろ御意見の中で、これをやれ、あれをやれというのはあるのですけれども、もう何年間も何年間も同じことをやってきて、何も進まない。もう限界だというところで消費者委員会として何が出させるかと考えたときに、やはりリコールの基本になる法律、理念でいいのだと思うのですけれども、それをきちんとつくりなさいよと言って、そこからいろいろやらねばならぬことを並べるべきであって、私は法律整備をすることが肝になるのではないかと思っているのです。そうしないと、また多分同じように2年、3年経ってやはりだめだったのねとなるような気がしてしようがないのです。法づくりを検討することをスタートしてくださいと言いつつ、できるところからやりましょうという形の報告書になったほうが、ぴしっとしまるのではないかというような気がします。

○松岡座長 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 今の点は全く同じ意見でして、この名称については、消費者にわかりやすいという意味では、リコール促進法に統一していただいていいのかなと思います。
 この部分について検討事項の一つとして、基本的にはこれがなぜ必要なのかというところでは、すき間といいますか、現在の個別法では漏れてしまう製品がある。せんだっての金沢のエレベーター事故でも、あれがリコールに該当するかどうかはまだわかりませんけれども、同じメーカー製で同じ型の部品が使われていると言われている点について、なぜリコールされなかったのかという疑問も出たりしているわけです。結局、エレベーターというのは法律的な枠組みの中に位置づけられていないということが一つ。
 もう一つ、自主リコールについて何の法的な枠組みの中にも位置づけられていない。この2点が私の問題意識ですので、この検討事項の項目には強制義務化の範囲と努力義務化の範囲、これについても書いておいたほうがいいだろうなと思います。
 全然別の話ですけれども、今回の検討の基本的な問題意識は、リコール回収率の向上にあっただろうと思うのです。そういう意味で6ページのいろんなヒアリング対象については紹介していただく際に、ブリヂストンサイクルとビックカメラの事例については、リコールのコスト負担能力がある会社だからできるということは言えるわけですけれども、回収率の向上モデルとしては非常に参考になるケースだと思うので、そういう位置づけをはっきりして紹介したほうがいいのではないかと思います。
 以上です。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 幾つか基本的なことが提案されたかと思いますが、関連して何か御意見ございますか。
 片山委員、どうぞ。

○片山委員 リコール基本法なりの検討に入るべきというのは、私もそうだと思うのですが、少なくともそれをこの意見書に書く場合は、そこで、今、佐野さんが言われるような理念、どういうことを盛り込んだ基本法が今求められているのかを示す必要があると思います。まさに今回の取りまとめのベース、ここでわかったことがこうなのだから、それを中川座長代理も言われるように、当面、工夫でやり切る部分と、もう少し法的に明確化していくというところをわかりやすく示すことができれば一番いいだろうなと思います。
 この検討会で今まで基本法の議論をしてこなかった、当面の工夫の議論が主になりまして、理論的にリコールをどう考えるかという議論をしてこなかったので、もしそれを入れるのだったら次回に、これをベースに理念のところをもう一度議論したほうがいいかなと思います。
 その中で、これまで出てきている販売流通の責任問題とか、その辺の位置づけももう少し明確になると思いますし、そこをこの報告書の中でもきちっと位置づけて記載してほしいと思います。

○松岡座長 どうもありがとうございました。そうしますと、次回までに、その理念について議論ができる材料をつくってこの場で議論するということになりますか。
 片山委員、何か。

○片山委員 不勉強でまことに申しわけないのですが、理念的なところについて今までどんな議論があったのか、基本法についてのこれまでの議論というのがよくわかっていませんので、ぜひその辺を佐野委員からもお教えいただきたいと思います。

○松岡座長 では、中川座長代理、どうぞ。

○中川座長代理 今、法制化とおっしゃっているときのイメージですけれども、リコール基本法ということなのか、リコール促進法なのでしょうか。両者はかなりイメージが違うのです。促進法というのは、製品一般についてリコールの命令も含めて、手続も含めたきちっとした規定を置くものだろうと思います。私はむしろ促進法のイメージで先ほどお話をしたのですけれども、どちらの議論をやるかということを決めておかないといけません。多分後者は今からでは無理ですね。時間が全然足りないですから。

○片山委員 そのあたりも何をイメージして求めていくのかというのを、少なくともこの意見書で書く以上はきちっと共通理解にしないとと思います。

○松岡座長 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 リコールを周知徹底できなくて、流通業者に入ってもらえないかという問題点がありました。いわゆる流通業者とか大規模販売店舗は、消費者の個人情報、何を買ったかというのをちゃんと持っているので、彼らのデータさえ使わせてもらえれば、もうちょっとピンポイントでコンタクトできますよというところからこういう議論が出ていると思うのです。
 リコールを法制化するとなったら、現在、強制的にリコールさせられているのは2件しかなく、残りは全部自主的に回収しているわけですが、強制リコールと自主回収のリコールの線引きをどうするのかという問題もあれば、リコールの対象となる商品をどうするのか、食品も含めるのかどうなのかなど、これはすごい議論になると思うのです。
 もう一つは、企業側から見ると、突然にリコール法が出てきたらどういうふうに反応するかです。リコールを発令する基準は何ですかという話に必ずなると思うのです。事故が起きたら回収なのですか、それとも私どもの製品に瑕疵があるからですかとかという話から始まって、では安全の基準はどこにあるのかにまで議論が広がる。その中で、一番大事なのは、安全の基準が示されているか、強制化されているかなどが問題になるでしょう。。強制化もされていないのにリコールになるのですか。強制化されるのですか。ここの法的な根拠みたいなものを、理念と同時にある程度全体の製品安全とか食品安全とかという全部の中で、いわゆる消費者の安全を確保するのはどうしたらいいのかというのを考えながら、その中でリコールは法律としてどこまで力が持てるのか、この議論も理念だけではなくてやっていただかないと、企業はなかなかついていきにくいと思うのです。

○松岡座長 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 平成19年時点での内閣府のほうでまとめた資料によりますと、自動車の道路運送車両法とかガス事業法とか、そういったリコールに関連する法律は7つあります。しかし、それでも先ほど申し上げたように漏れてしまう製品もある。したがって、漏れがないようにリコールを一般化する一般化法的な方向を目指したらどうかというのが私の発想です。

○松岡座長 中村委員、どうぞ。

○中村(均)委員 今、中嶋先生がおっしゃいましたけれども、私は自社のことしか詳細には知りませんけれども、我々がリコールをやるというのは社命をかけているのです。だから、1人でもけがをされたら、そんな商品を出していたら、風評被害から何から自社の存続が危ぶまれる。だから、リコールなどは即やるわけです。
 我々がやっている中で一番困るのは、どんな情報を流しても、なかなか100%にはいかないのです。だから、そこで先ほど話が出ていましたけれども、販売流通業者の協力が得られないかとか、消費者の方々も情報を探ってくれる方法。例えば我々がやった石油給湯機の例では、ガソリンスタンドでなら見つかるのではないかとか、ガソリンスタンドにまで我々はチラシをまいたことがあります。要するにありとあらゆるところで100%を目指すためにやるのです。
 法律で今から考えようとするのは、メーカーの基本姿勢を問うようなことを法律で制定するのですか。リコールをやるというのは、自社しかわかりませんけれども、本当に会社生命をかけますから、自社商品で何かけがをなさるとか、例えば被害が出るとかだったら、これはまずやりますよ。

○佐野委員 前にも国民生活局でつくった指針などでも書かれていると思いますが、別に安全がどうとかこうとかの問題ではなくて、例えば中村委員のところでリコールやりましょうと決めるのはあなたですと、決めた時点でどうやってやるかという、例えば決め方です。
 大手企業の方々はそれぞれ自分の会社の中であるシステムがあって、でも中小になるとわからない。どういうときにリコールするほうがいいですねと、それはしなければならないというわけではない。そうすると、先ほど中嶋委員がおっしゃったように、すごい大変なことになると思います。安全とか何とかではなくて、あくまで決めるのは自分の会社であるけれども、やろうとしたときにどうしましょうとか、回収率を上げるためにはどうしましょうかとか、そういうところは理念とか基本になるところを示してあげましょうということです。それ以上の安全をどう考えるかというのは、経済産業省が考えるのか、製安法の中にそれを組み込んでいけばいいのか、それは別として、漠としたリコールというものをどういうふうにするのかというのを示してあげる、それが理念とか基本と思っているわけです。
 先ほどおっしゃったように、すき間があったりするわけですから、そういうところもどうしたらいいのだろうかということを示したり、またおっしゃったように、今まで入っていない販売事業者も一緒に協力してやりましょうねとか、そういう感じで、いわゆる規制をしたりとか、命令したりというイメージは持っていないのです。

○松岡座長 中村委員、どうぞ。

○中村(均)委員 今の佐野先生の話でよくわかりましたけれども、そうすると、条件で言えば必要条件ですね。要するに我々はパナソニックさんとか、この前話のあったブリヂストンさんとかは、余裕があるから十分条件までやれるわけです。我々も今のところ十分条件までやれます。100%はなかなか難しいのですけれども、100%まで目指すために、資金力に余裕があればもっとやってもいい。だけれども、それは十分条件であってそこまでは要求しない。法では必要、これは最低やらないと消費者は守れませんよというところまで決めるということですね。違いますか。

○佐野委員 私は基本的には、そういうのを決めるのは各メーカーだと思うのです。今だって別に規制ではないわけで、自主的に皆さんおやりになっているわけですから、それを決めるのは自分たち。だけれども、例えば会社の中でそういうシステムがない会社もたくさんあるわけですから、何かが起きたときに社告をやるというシステムづくり、会社の中のCSRになるのかもしれませんけれども、そういう部分もきちんと準備しておきましょうねとか、そういうことになるのだと思っています。
 どこまでやれとか、例えばパナソニックのようにテレビで社告を出したりとか、それはもう基本的に無理ですから、そこまでは書く必要もないし、できないことまでやれということもないし、もう少しリコールとは何かとか、リコールを自主的にやるシステムづくりを会社の中でしてくださいとか、そういうふうなイメージを持っている。

○松岡座長 佐野委員のおっしゃるような形の理念ということでまとめたことを前段に入れて、それを使って。

○佐野委員 どういう感じのイメージかというのを今度メモで出します。

○松岡座長 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 リコールのお助けをしますという会社がありますが、全くお客さんが来ないと聞いています。
 そういう会社は、それなりの人たちが集まって会社をつくったはずなのです。ということは、ある程度リコールのお助けができることになっているにもかかわらず、ビジネスとして成功していない。この法律ができたら、仕組みがあるのはリコールお助け会社だから、そこに行けば何とかしてもらえるみたいな感じになるように思えます。もしそんな話だったら、もっと消費者の安全を実現するためにはリコールが必要なのですよというようなリコールの推進法とか基本法でないと、単に中小企業がやり方を知らないから教えてあげますでは困ると思うのです。そういう意味では、もう少し真っ当と言ったら言い方がおかしいのですけれども、法律らしい法律というか、立法の趣旨も明確にしたようなものが欲しい。

○佐野委員 そのとおりだと思います。今度簡単なメモを出して皆さんで議論していただければいいし、たまたま今事業者の方がおっしゃっているのでそう言ったわけで、別に全て緩やかなものとは考えていません。でも、基本法と言う以上は、余りぎすぎすしたものではないイメージを持っています。だから、罰則をつけるとかそういうのではなくて、望まれるものはこうだというものになるのではないかなと思っています。とにかく何か簡単なものを出したいと思います。

○松岡座長 では、まとめると、佐野委員からメモを出していただくということで、そのほかに。

○中嶋委員 そのときにガイドラインと法律等の違いも書いていただけるとありがたい。

○松岡座長 そのほかに御意見のある委員からもメモを自由に出していただければ結構でございますので、事前に出していただいて次回に議論を完結させたいと思いますので、よろしくお願いします。
 では、鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 済みません、先ほど中村さんが先ほど非常に熱心な取り組みをされているということを御紹介されたのですけれども、全ての企業がそうではないということ、その辺も昨年か一昨年だったか、この場で紹介しましたけれども、私自身がかかわった件で、自動車メーカーが高級車についてハンドルがきかなくなってしまうというトラブルについてひそかに改修を始めたのです。修理を始めたのですけれども、それを公表していなかったのです。
 1面の記事になりましたけれども、トップメーカーでさえもそんな程度のリコールへの対応をやっている。こういう状況をそのまま続けていったら、リコールの全体の足を引っ張るようなことになりかねない。したがって、法的な枠組みで自主的なリコールまで含めてやったほうがいいというのは、全体の底上げを目指す、そこが私の発想です。

○松岡座長 どうもありがとうございました。

≪6.その他≫

○松岡座長 それでは、時間が押してしまいまして申しわけございませんでした。骨子案についてはここまでにしまして、まだもう一つ議題があります。
 事務局のほうで長崎県の大村市のほうに調査に行っていただきましたので、これも非常に貴重な情報だとは認識しているのですが、御説明をお願いいたします。

○原事務局長 時間も過ぎておりますので、簡単に御紹介だけいたします。
 参考資料1-2をまずごらんいただきたいのですが、A3にしておりますが、もともとはこちらのパンフレットです。「Love&Safetyおおむら こどもを事故から守るプロジェクト」ということで、これを開けたものを資料としてコピーしておつけしております。
 参考資料1-2の左下を見ていただきたいのですけれども、大村市を中心にして、まず大村市の医師会がございますけれども、医療機関。研究機関として産総研、産業技術総合研究所。安全のところで警察、消防。教育機関ということで教育委員会初め小中学校、保育園というような形で、大村市は人口が10万人弱のところですが、非常に地域としてこういった製品の安全、これは子供の事故に焦点を絞っておられますけれども、活動を展開しておられます。
 非常に面白いと思ったものですから、現地に出向いて5人の方々のヒアリングをさせていただきました。参考資料1-1がその概要になります。
 まず、子供の安全問題になぜ取り組んでいるかですが、やはりゼロ歳から19歳の子供の死亡原因の第1位は不慮の事故ということで、これをぜひなくしたいということです。2011年の3月に「Love&Safetyおおむら こどもを事故から守るプロジェクト」を立ち上げておられます。
 これまでは医師会、行政中心にやっておられましたけれども、NPO認証してNPO法人化して仕事をしていきたいと考えておられます。
 裏に回っていただきたいのですが、2ポツのところで医療機関の情報がうまく収集できており、子どもの事故が年間製品に起因した事故ですが、600~700件あるということです。
 病院からの情報なので非常に確実、正確な情報が入ってきておりまして、それはそのまま生のまま産業技術総合研究所の研究チームのところに届きます。産総研で分析をされて、これは3ポツのところに書いておりますけれども、効果的な情報分析をされてアウトプットを出されているところで、参考資料1-2の2枚目のところにつけてしまいましたけれども、産総研でどういう分析をされているのかというのが、こういったグラフ化、図解した形で提案されていて、これに基づいてどういったところに気をつけなければいけないという、例えば自転車が転倒するとヘルメットをつけていないとこういうことになるよということをDVDで、各学校に行って話せるような形のものをつくって、また地元に大村市に戻ってアウトプットを提供しておられるというところです。
 医療機関との連携、研究機関との連携がうまくいっている。教育機関にもアウトプットを出しておられるというところが非常に魅力的でした。ただ、残念なことに、4ポツのところに書きましたように、消費者行政部門との連携が希薄というところで、消費生活センターにもお伺いしてお話をお聞きしたのですが、実際にはトラブル情報、トラブルの解決ということにほとんど注力されているというところで、せっかくこういったいい取り組みがあるのに、情報発信の拠点としてうまくこの中に組み込んでいくといいのになということは感想で持って帰りました。
 5ポツのところに書きましたけれども、大村市は10万という都市だということ、医療機関、医師会が非常に協力的だというところです。研究機関の協力もあるというところで、地域での製品安全の力を高めていくというところでは面白い取り組みされていると思いまして、こういったことを1つのモデルケースとして広げるといいなと感じました。
 実は、これは地方消費者行政の活性化基金を一部活用されてやっておられる事業ということで、しっかり活性化基金を継続というところはおっしゃっていたということにはなります。ですから、消費者行政の予算を使っておられるのに、情報発信の拠点として少し弱いところが残念ではありましたけれども、ぜひ機会がありましたら、皆さん、訪問されてお話を聞かれても面白いのではないかと思います。
 以上です。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 何か一言二言、御意見ございますか。
横矢委員、いかがですか。

○横矢委員 今、御説明いただいた資料を拝見していると、ほとんどの部分は産総研さんが今までにもつくられたものを使ってらっしゃるので、条件さえそろえばいろいろな地域で同じことができるのですが、誰がどうやって声を上げるかというところをうまく例えば消費者庁がリードしていただいてという形になれば広げていけるのだろうなと。準備は随分整っていますので、そういうふうに感じました。
 あと1ついいですか。アンケートの調査とかいろいろきょう見せていただいていて思ったのが、何となく世の中よりおくれて感じてしまうというところだったのです。WEBとかがまだ利用者が少ないようなイメージになってしまったのですけれども、今、多くの人にとるとそうかもしれないのですが、もう少し先を見て、これからどうやって伝えていくのか。属性別にほどよく危険を認知させる情報伝達は何なのかというのが、このままだと何となくうやむやになってしまいそうなので、消費者庁に、せっかくサイトをやって何となくよさそうかなで止まらないようにして、研究もしていってほしいなと、新しいメディアをどう使っていくのかというようなことを研究してほしい。
 アンケートをやられたベッドのほうですが、あれもせっかくアンケートをやって、答えた人は意識をしたと思うのです。その人たちがどうなったか、その後、半年後に動いてくれたのかどうかの追跡調査とか、そういったこともすぐやってほしいなと思いました。
 ありがとうございました。

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議題は以上となります。
 事務局から連絡事項をお願いします。

○原事務局長 ありがとうございました。次回は12月3日の月曜日、その次は12月14日を予定しています。ここで取りまとめて、その後、消費者委員会で座長から御報告をいただければと考えております。

○松岡座長 では、無事取りまとめができましたら報告ということで、何とか取りまとめの御協力をお願いしたいと思います。

≪7.閉会≫

○松岡座長 では、どうもありがとうございました。本日はこれにて終了させていただきます。

(以上)