山口 正大:元国際平和協力研究員の紹介

山口 正大(やまぐち まさとも:平成20年度 前期 採用)

  1. プロフィール
     早稲田大学在学中、NGOのスタッフとしてタンザニア、ルワンダにて人道援助活動に従事。その後、日欧のNGO等の職員として、マケドニア、シエラレオネなどで、人道援助分野で勤務。また、シエラレオネでは、国連PKOミッションのスタッフとして、DDR(武装解除・動員解除・社会復帰プログラム)にも従事。その一方で、ブラッドフォード大学とオックスフォード大学にて、平和学と開発学を学ぶ。広島大学平和構築連携融合事業に研究員として参加後、2008年4月から12月まで、国際平和協力本部事務局にて研究員として勤務。

  2. 事務局での活動
     事務局では、平和構築の観点から紛争後における雇用政策について研究を行う一方、DDRについて理論研究を行った。また、その一環として、国際開発学会や青山学院大学での研究発表、陸上自衛隊中央即応集団での外部講義等を行ったほか、平和構築に関する各種研修やシンポジウムなどに参加。

  3. 研究員退職後の就職先、活動内容
     2008年12月より、国連ソマリア政治事務所にて勤務。DDR担当官として、ソマリアでのDDRプログラムの計画策定、調査、調整等の業務を行う。また、人道問題のフォーカル・ポイントとして、ソマリアの人道問題に関し、事務所でのUNカントリー・チーム等との窓口役も務めている。

  4. 後輩へのメッセージ
     短い間でしたが、内閣府での勤務を通して、国際平和協力活動に政府の『内側』から携わるという、これまでにない貴重な経験をさせて頂きました。私自身これまで海外を中心に活動していたこともあり、日本政府のPKOに関する実施枠組み、法体制等を知るだけではなく、政府内の政策実施に伴う各省庁間の調整や政策策定プロセスを、僅かではありますが内側から垣間見ることができたことは、今後もこの分野の業務を進めていく上で、非常に有益な経験となったと感じています。
     平和維持、平和構築が、引き続き国際社会の平和と安定における大きな課題となっています。それに伴い、これまで以上により専門的な人材が、多岐にわたる分野で求められています。このような環境下、本研究員制度は、これまで国内に十分に受け皿がなく国際平和協力分野から「流出」していた人材の流れを止めるだけではなく、より高度な専門性を身に着け、再び平和構築分野にその人材を輩出するという、大きな役割を担っていると思います。その意味で、今後も、より多くの人たちが、本研究員制度を通じ、より高度な専門性を兼ね備え、平和協力活動の分野で、より一層活躍されることを心から願っております。