南スーダンの今

南スーダン連絡調整事務所では、本邦から出張者のジュバ来訪の機会を捉えて、ジュバ市内の孤児院、職業訓練学校、我が国から国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)に派遣されている施設隊の活動現場等を視察しました。今回はその様子に加え、派遣施設隊長がジュバ大学の学長から表彰された様子等を紹介します。

ジュバ市内の様子

南スーダン全体の情勢は引き続き緊張感を持って注視する必要がありますが、ジュバ市内は平穏です。市場は多くの人々で賑わい、食料品や日用品が所狭しと並んでおり、日常生活が戻っていることが分かります。

ジュバ市内の市場

UNMISSの我が国派遣施設隊の活動

南スーダンは3月現在乾季にあたり、40度を超える暑い日が続いています。そのような大変な環境の中ジュバで活動している我が国の施設隊は、安全に十分留意しつつ、志高く作業に専念し、質の高い施設活動を実施しています。我が国の施設隊が現在取り組んでいる主な業務は、(1)ジュバ市内外の道路補修、 (2)ジュバ市外での砂利運搬、(3)国連施設の外壁構築です。こうした我が国の施設隊の活動は、南スーダン政府やUNMISSから、高い評価を得ています。

我が国施設隊の活動

3月2日には、UNMISSが主催した大学間サッカー大会の開会式を兼ね、「UNMISSピースフェア ~Sports for Peace~」というイベントがジュバ大学にて開催されました。我が国の施設隊は本大会の会場となるサッカーグラウンドを整備しました。その功績が認められ、田中施設隊長はジュバ大学の学長から表彰状を授与されました。また、UNMISSのトップであるシアラー国連事務総長特別代表や南スーダンのイェン高等教育・科学技術大臣も、スピーチの中で施設隊の活動を賞賛しました。


ジュバ大学学長から感謝状を授与される田中隊長

ジュバ大学の学生と共に青森ねぶた祭を披露する施設隊の隊員

職業訓練センター

ジュバ市内には、公立の職業訓練センターがあります。同センターに対して、日本政府はJICA等を通じた支援を実施してきました。また、我が国施設隊の隊員は同センター等において、平成27年5月から平成28年3月にかけて計3回、車両整備や電機整備といった技術指導事業「さくらプロジェクト」を学生に対して行ってきました。(写真参照)
現在も、同センターでは学生が職業訓練に汗を流しています。

                                                                          職業訓練センター

孤児院

ジュバ市内にある孤児院には、様々な地方から来た幅広い年齢層の子どもたちが身を寄せています。我が国施設隊の隊員は、こうした孤児院に対して慰問を行ってきました。我々が孤児院を訪問した際には、子どもたちが自室に「We ♡ Japan」とのメッセージ(写真参照)を作り、キラキラした笑顔で迎えてくれました。
施設内を見回った後、子ども達は平和を願う歌を披露してくれました。この施設では、2013年12月におきた衝突事案以降、孤児院で暮らす子どもが増えているという厳しい現実があります。一方で、様々な部族の子どもが肩を寄せ合って暮らすこの孤児院には、「自分たちは特定の部族の子どもではなく、南スーダンの子どもだ」、「何よりも平和が大切だ」という思いが育まれていました。
平和を願う子ども達の思いが叶うことを切に祈りながら、報告を終えさせていただきます。

孤児院