令和5年国際平和協力シンポジウム「Agenda for new peace operations -国際平和活動における各主体の役割とその連携-」 結果概要

 2023年7月24日(月)、内閣府国際平和協力本部事務局は、国際平和協力シンポジウム「Agenda for new peace operations -国際平和活動における各主体の役割とその連携-」を、国際文化会館にて開催したところ、結果概要は以下のとおりです。

1 出席者

  • (1)エリザベス・ディブル 多国籍部隊・監視団(MFO)事務局長
  • (2)アルハッジ・サルジョ・バー アフリカ連合(AU)委員会 政治・平和安全保障局紛争管理局長
  • (3)アリソン・ウェストン 欧州対外行動庁 安全保障・防衛政策局次長
  • (4)アサドゥル・ハック バングラデシュ陸軍 海外運用部長(准将)
  • (5)中谷純江 一橋大学講師、国連平和活動局 安全調整担当官(休職中)
  • その他、聴衆として、実務者、研究者、在京大使館関係者等約70名が参加しました。

2 概要

  • (1)冒頭挨拶として、加納国際平和協力本部事務局長から、先般国連から公表されたNew Agenda for Peaceに関する文書に言及しつつ、国連以外の平和活動を行っているMFO、AU、EUや国連PKOへの最大の要員派遣国であるバングラデシュの知見を参考としたい旨述べました。
  • (2)ディブルMFO事務局長が基調講演を行い、その後、中谷一橋大学講師のモデレートによりパネル・ディスカッションが行われました。なお、パネル・ディスカッションは、忌憚のない発言をもって活発な議論を行うためチャタムハウス・ルール(発言者を明示する形での内容の対外言及は不可)にて行われました。
  • (3)議論の概要
  •  国際的な平和活動が歴史的な曲がり角にあるとの認識で一致するとともに、現在生じている危機について、国連安保理や従来型のPKOは十分に対応できていないこと、地域機関が平和活動を組織するにあたり正統性を担保することが課題となること、さらには、国連PKOを含む各種の平和活動が柱の一つとしてきた不偏性を維持することの難しさや、武装勢力と対峙する状況で必要なマンデートや柔軟に対応できる派遣規模を考えていく必要がある等の点が提起されました。
  •  これらの点について、アフリカ・中東・アジア・欧州各地域の経験を踏まえた、多様な実施機関・手法による対応が、それぞれの機関の強みとともに議論され、今後の日本の国際平和活動への関与を検討するにあたり示唆に富むものとなりました。

3 レセプション

 シンポジウム後は聴衆を含めたネットワーキングのため、和田内閣府副大臣主催のレセプションが開催されました。訪日中のカレ国連活動支援担当事務次長も参加されました。

 

(シンポジウム)

基調講演を行うディブルMFO事務局長
基調講演を行うディブルMFO事務局長
パネル・ディスカッションの様子①
パネル・ディスカッションの様子①
 
 
パネル・ディスカッションの様子②
パネル・ディスカッションの様子②
 








 

(レセプション)

和田内閣府副大臣による挨拶
和田内閣府副大臣による挨拶
カレ国連活動支援担当事務次長による挨拶
カレ国連活動支援担当事務次長による挨拶
 
 
レセプションでの懇談の様子
レセプションでの懇談の様子