令和4年春シンポジウム「進化する国際平和活動-複雑化する紛争における国際社会の平和への取組-」結果概要

 2022年3月17日(木)、内閣府国際平和協力本部事務局は、シンポジウム「進化する国際平和活動- 複雑化する紛争における国際社会の平和への取組-」をオンライン開催し、高校生や大学生を含む約330名が参加しました。
 冒頭、内閣府国際平和協力本部の久島直人事務局長による開会挨拶の後、笹川平和財団の西田一平太・主任研究員による司会進行の下、まず山本忠通・元国連事務次長から、アフガニスタンの国連ミッションを率いた経験を踏まえ、国連による平和活動の発達と、効果的な活動のために重視すべき点が紹介された上で、ロシアによるウクライナ侵略 を受けた国連の課題や、日本の国際平和活動の在り方などの問題提起がなされました。
 これを受けて、様々な形式の平和活動に携わる実務者から事例紹介がなされました。2019年から日本が参加している多国籍部隊・監視団(MFO)のステファン・ビークロフト事務局長からは、国連以外の国際機関が行う平和活動の特色や日本の貢献について、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)の平原弘子・ベンティウ事務所長からは国連平和維持活動(PKO)で文民職員が担う役割やパートナーとの連携について、国連イエメン特使事務所の渡邊正晃・政務部副部長からは特使事務所の役割と課題などについて説明がありました。
 以上を受けて、PKOに関する国際的なシンクタンク「チャレンジズ・フォーラム」のペニラ・ライデン事務局長から、紛争の政治的解決の重要性が強調されたほか、平和活動に関するハイレベル独立パネルによる報告書(通称:HIPPO報告書)の勧告と人々中心の活動の重要性などについてコメントがありました。
 最後に、参加者から寄せられた質問に対し、スピーカーの方々が丁寧に回答し、予定時間を超えて活発な議論が行われました。


シンポジウムにおける議論の様子((左上より)平原UNMISSベンティウ事務所長、久島・内閣府国際平和協力本部事務局長、ライデン・チャレンジズ・フォーラム事務局長、(中段左より)山本・元国連事務次長、西田・笹川平和財団主任研究員、渡邊・国連イエメン特使事務所政務副部長、(下段)ビークロフトMFO事務局長)