後藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年9月8日

(令和5年9月8日(金) 10:06~10:14  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 (冒頭発言なし)

2.質疑応答

(問)幹事社から1点質問させていただきます。長引く物価高で個人消費が落ち込んでおりますが、賃上げの重要性というのが引き続き指摘されております。中堅・中小企業など、幅広い企業の賃上げにつなげるため今後策定される経済政策で、政府としてどのような支援が必要とお考えでしょうか。教えてください。
(答)まず、個人消費については、本日公表の2023年の4-6月期GDP2次速報値では、2四半期連続で増加した後、物価上昇の影響もあって、マイナス0.6%と3四半期ぶりの減少となっております。
 しかし、消費の先行きについては、経済社会活動の正常化が進む中、対面サービスが回復していることや、30年ぶりの高水準となった今年の春闘の結果の賃金への反映や、また、10月の最低賃金の引上げの影響が、所得環境の改善につながることが見込めることなどを背景に、持ち直しが続くことが期待されているというのが全体の認識です。
 その上で、物価高が続き、海外経済の下振れリスクがある中、消費の持続的な回復に向けては、今がまさに正念場であり、物価高に負けない賃上げの実現が不可欠であると考えています。このため、物価高から国民生活をしっかり守るとともに、企業の生産性を向上して、高水準となった今年の春闘の賃上げの流れを、中堅・中小企業を含めて来年以降もしっかり継続させていくことが最も重要であると考えています。
 お尋ねの、新たな経済対策については、今申し上げたような、物価高から国民生活を守るという観点に加えて、経済の好循環を実現していくための賃上げや投資を促進する対策を取りまとめることとしまして、特に中小企業について生産性向上や省人化・省力化投資の支援措置などの抜本強化、また、適切な価格転嫁によるマークアップの確保、また、地方において賃上げが可能となるように、中堅・中小企業による投資促進策を丁寧に強化を図っていくこと、そうしたことが重要であると考えています。
 引き続き、物価・経済の動向等をしっかりと分析した上で、新たな経済対策の検討を加速させていきたいと考えています。
(問)同じくGDPに関しまして、今回、設備投資が前期比横ばいからマイナス1.0ポイントに転落しているのが大きい要因なのかなと思うのですが、こちらに関して、大臣としてどういう要因でマイナスになったのかというところ。何が弱かったとかですとか。また、この数字に対する評価を教えていただけますでしょうか。
(答)まず、GDP全体に一言触れさせていただくと、GDP2次速報値では、設備投資を中心に、今ご指摘のとおり下方改定されたものの、供給制約の緩和による自動車生産の増加やインバウンド需要の回復に伴う輸出の増加。輸入量は減少しております。外需の要因等により、前期比プラス1.2%、年率換算するとプラス4.8%と、1次速報値と同様、3四半期連続のプラス成長となっている。それがGDP全体の評価だと思っています。
 その上で、設備投資についてですが、1次速報から2次速報では「法人企業統計」が反映されたというデータ上の問題もあり、1次速報値のプラス0.0%からマイナス1.0%に下方改定されたのはご指摘のとおりです。
 だたし、1-3月期のプラス1.6%という、前期の非常に高い伸びの後の前期比の減少であるということは注意が必要だと思います。
 そして、デジタル化の進展等を背景にソフトウエア投資が増加していることや企業の投資意欲は、これは確実に高い投資意欲が日銀の短観等、またいろんな聞き取りによってもこれは確認されていることだと思います。そういう意味で、状況に変わりはなく、堅調な企業収益も背景に持ち直しが続くとみております。
(問)実質賃金についてお伺いします。本日、実質賃金7月分が発表になりまして、実質賃金7月が前年同月比で2.5%減と16か月連続の減少となりました。下落率としても2.5%とかなり大きくなってきているのですが、ボーナス月でもあり、春闘の結果もだんだん反映されていく状況にあってのこの下落率というのを大臣はどうご覧になっているか、今後の見通しも併せて教えてください。
(答)実質賃金というのは、名目賃金と物価によって決まってくるわけです。物価については、一時は物価が下がってくる傾向にありましたが、昨今、また物価が少し高い。特に国民生活に対して影響が出るという意味では、食料品の物価が上がっているわけですが、引き続き物価がガソリン価格等も含めて高いということがあります。
 名目賃金のほうは、今後、実質雇用者報酬は、これはプラスになってきているわけでありますが、そうした中で今後、春闘の結果や最賃の結果や、そうしたことも反映されてくると思いますし、また、ますます今後、好循環を進めることによって、マークアップ率を確保して賃金の確保をしていくと、そういう政策と相まって実質賃金というものの今後の動きをみていく必要があるとみています。

(以上)