後藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年6月22日

(令和5年6月22日(木) 16:08~16:16  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 「月例経済報告等に関する関係閣僚会議」の概要を報告いたします。今月は「景気は、緩やかに回復している。」と判断を維持しています。
 これは、雇用情勢や企業収益が改善する中で、個人消費や設備投資の持ち直しが続いていることなどを受けたものです。
 先行きにつきましては、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクや、物価上昇、金融資本市場の変動等による影響に十分注意が必要です。
 この他、会議の詳細については、後ほど事務方からご説明をいたします。
 私からは以上ですが、昨日21日、通常国会が閉会いたしました。この機会に、今国会中の半年間の取組について少し振り返らせていただきたいと思います。
 まず、今国会では、政府の感染症危機対応に関する司令塔機能を強化し、次の感染症危機に、国・地方一体となって迅速・的確に対応できる体制を整えるために、「新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律」を成立させました。
 なお、新型コロナウイルス感染症については、5月8日に5類感染症に位置付け、これにより3年以上にわたり続けてきた新型コロナの対策は大きな節目を迎えることができました。
 また、いわゆるフリーランスが事業者として、受託した業務に安定的に従事できる環境を整えるために、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」を成立させることができました。
 これら2本の法律成立に向けてご尽力、ご協力いただいた皆さんに改めて感謝を申し上げたいと思います。
 なお、法案提出を見送った日本学術会議の在り方については、有識者懇談会を立ち上げ、今の政府案や主要先進国並みの制度、体制等を持った民間法人とする案を俎上に載せて、丁寧に議論し、早期に結論を得ることといたしております。
 日本経済に目を向けると、「時代の転換点」とも言える構造的な変化と課題に直面する中で、30年ぶりとなる高い水準の賃上げや、企業部門における高い投資意欲など、前向きな動きが現れてきています。足もとでのこうした動きを更に力強く拡大し、構造的賃上げを実現していくために、三位一体の労働市場改革の指針を取りまとめるとともに、先般、「骨太方針2023」や「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版などを閣議決定いたしております。これらに基づき、新しい資本主義の実現に向けた取組をさらに加速させていきたいと思います。
 少子化対策の抜本的強化については、こども未来戦略会議で、精力的に議論を行い、今後3年間で集中的に実施する「加速化プラン」や、それを支える安定的な財源、こども・子育て予算の倍増に向けた大枠をお示しした「こども未来戦略方針」を閣議決定いたしました。
 これらに加え、公益法人制度については、有識者会議の最終報告を頂きました。「新しい資本主義」が目指す「民間も公的役割を担う社会」の実現を図るもので、現行制度創設以来の大がかりな改革となり、今後、関係法案の提出を目指してまいります。
 また、本年3月には、CPTPPへの英国の加入交渉が実質的に妥結いたしました。私自身、オンライン閣僚会合の主催や、各国の大臣との直接協議を実施しまして、英国の加入プロセスを主導してまいりました。現在、加入議定書の作成中であり、できるだけ早く署名に至れるように、引き続き、英国やCPTPP各国と協力をしてまいります。
 この他にも大変幅広い分野を担当してまいりましたが、内閣の一員として、全ての課題に対して丁寧に、一生懸命に取り組ませていただいたつもりです。今後とも成立した法律や取りまとめた政府方針に基づき、政策を速やかに実行し、国民全体が将来に明るい希望を持てる社会の実現のために懸命に頑張ってまいりたいと思っております。
 今国会中の半年間を振り返って、私から発言をさせていただきました。

2.質疑応答

(問)月例経済報告の件で2点、お願いします。今月は総括判断については据え置きましたけれども、項目別では雇用情勢の判断を上方修正しました。その判断理由についての御所見をお願いします。
 もう1点が、国内企業物価は表現の変更ですけれどもありました。物価対策の効果も含めてどのように評価されているか、こちらも御所見をお願いします。
(答)まず、雇用情勢の判断につきましては、今月は「このところ改善の動きがみられる」と上方修正いたしました。
 これは、雇用面では、女性の正規雇用を中心として就業者数が増加したことで、就業率に改善の動きが見られること、また、賃金面におきましては、春闘の賃上げが一部反映されたこともあり、4月の一般労働者の定期給与が直近のトレンドを上回る伸びとなっていることなどを踏まえたものです。ちなみに春闘の結果は引き続き徐々に賃金に反映されていくと見込まれるため、こうした動きは当面続くと考えられます。
 また、国内企業物価については、「このところ緩やかに下落している」と表現変更を行いました。
 国内企業物価につきましては、ロシアのウクライナ侵攻後の資源価格等の上昇により、歴史的な高水準で推移する中、本年2月の電力ガス激変緩和事業が水準を押し下げてきました。
 足下では、昨年秋以降の輸入物価の下落が波及し、企業物価においても多くの財で下落していく中、5月は前月比がマイナス0.7%となり、今後も当面マイナス方向の動きが続くということが見込まれることを踏まえ、表現を変更したものであります。
(問)今日の会合には日銀の植田総裁も出席されたかと思うのですが、この間の金融政策決定会合等を受けて、何か目立った発言等はあったでしょうか。
(答)市況の問題、あるいは日本の金融情勢について、資料に従って淡々とご説明がありました。

(以上)