後藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年6月16日

(令和5年6月16日(金) 9:56~10:01  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日開催されましたデジタル市場競争会議におきまして「モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告」について取りまとめましたので、ご報告いたします。
 スマートフォンが広く普及する中で、その上で形成された「モバイル・エコシステム」は、デジタル社会にとって不可欠なインフラとなっています。
 しかしながら、モバイル・エコシステムが寡占状態となっている中で、モバイル・エコシステムを形成するプラットフォーム事業者は、ルール設定などを通じた強い影響力を有しており、それにより、様々な競争上の懸念も生じています。
 こうした中で、セキュリティやプライバシーを確保しつつ、多様な主体によるイノベーションや消費者の選択の機会を確保するために、公平・公正な競争環境を実現することが重要だと考えます。
 今回取りまとめた最終報告は、様々な競争上の懸念に対する対応の方向性についてまとめたものです。
 具体的に少し申し上げれば、アプリストア事業者が自社の決済・課金システムの利用をアプリ事業者に義務付けることを禁止する。
 セキュリティ、プライバシーの確保等が図られている他社のアプリストアを、実効的に利用できるように義務付ける。ただし、セキュリティやプライバシー確保のため、プラットフォーム事業者が一定の措置を講ずることができることとする。なお、ウェブサイトからアプリを直接ダウンロードする、いわゆる「サイドローディング」を認めることは、義務付けない。
 そして次に、検索エンジンの主要なパラメータの変更について開示を義務付ける。運用状況について、政府によるモニタリング・レビューなど導入する。そういったことを内容といたしております。
 今後、最終報告を踏まえ、諸外国の状況も見極めつつ、必要な法制度の検討を行ってまいります。
 会議の詳細については、事務方までお尋ねいただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)冒頭発言のモバイル・エコシステムの件について教えてください。今回、事前規制を含めた対応を提言されていますが、大臣として、どのような罰則ですとか、規制のかけ方ですとか、そういうところは、もう少し具体的な法律、どのような法制化があり得るか、お考えを教えてください。また、法案提出が大体いつ頃になるか、見通しがあれば教えてください。
(答)先ほども申し上げたように、モバイル・エコシステムが寡占状態となっている中で、モバイル・エコシステムを形成するプラットフォーム事業者は、ルール設定などを通じた強い影響力を有しているわけで、それにより、様々な競争上の懸念が生じています。
 これに対して、セキュリティやプライバシーを確保しつつ、多様な主体によるイノベーションや、消費者の選択の機会を確保するために、公平・公正な競争環境を実現することが必要で、今回、一定の行為類型の禁止や義務付けを行う規制と、ルール変更に伴う透明性や公正性の向上を図る規制の組み合わせによって対応するということを提示いたしております。
 また、法制度の検討でございますが、相当難しい法案になると考えられますから、事務方には早速、法制化に向けた準備を進めさせたいと思います。
 その上で、法案の提出時期については、検討状況や諸外国における状況を踏まえながら見極めていきたいと考えています。

(以上)