後藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年6月1日

(令和5年6月1日(木) 19:05~19:43  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日、「こども未来戦略会議」の第5回の会議を開催させていただきました。
 本日の会議では、「こども未来戦略方針」の素案をお示しいたしまして、構成員の皆様から、それぞれ忌憚のないご意見をいただきました。
 素案でも強調しているとおり、2030年代に入るまでのこれからの6~7年間が、少子化傾向を反転できるかどうか、そのラストチャンスであると考えております。
 今後3年間を集中取組期間として実施いたします「加速化プラン」につきましては、児童手当の拡充、高等教育費の負担軽減などの経済的支援の強化、こども誰でも通園制度の創設などの全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充、男性の育児休業の取得促進や育児期の柔軟な働き方の推進など、共働き・共育ての推進、そして、こども・子育てに優しい社会づくりのための意識改革、この4点を内容としているわけでございますが、できる限り前倒しをして実施することにいたします。
 その加速化プランを支える安定的財源につきましては、第1に、2028年度までに徹底した歳出改革等を行いまして、それらによって得られる公費の節減等の効果及び社会保険負担軽減の効果を活用しながら、実質的に追加負担を生じさせないことを目指していくとともに、第2番目に、経済基盤及び財源基盤を確固たるものとをするように、構造的賃上げと官民連携による投資活性化に向けた取組を先行させること。この2つを前提として、企業を含め社会・経済の参加者全員が連帯して、公平な立場で、広く負担していただく新たな枠組みを構築することとして、その詳細について年末に結論を出すこととしています。
 また、歳出改革等や構造的賃上げ・投資促進の取組を先行させつつ、「加速化プラン」の実施が完了する2028年度までに安定財源を確保することとし、その間に財源不足が生じないように、必要に応じ、つなぎとして、こども特例公債を発行いたします。
 なお、消費税など、こども・子育て関連予算充実のための財源確保を目的とした増税は行わないことといたします。
 また、加速化プランの予算規模につきましては、現時点では概ね3兆円程度となりますが、さらに戦略方針に盛り込まれている施策のうち、高等教育費の更なる支援拡充策や、今後「こども大綱」の中で具体化する貧困、虐待防止、障害児・医療的ケア児に関する支援策について、今後の予算編成過程において施策の拡充を検討し、全体として3兆円半ばの充実を図ることとしています。
 このことによりまして、我が国のこども・子育て関係予算は、こども一人当たりの家族関係支出で見て、OECDトップ水準のスウェーデンに達する水準となるものです。
 また、こども・子育て予算倍増に向けて、「加速化プラン」の効果の検証を行いながら、政策の内容・予算をさらに検討しまして、こども家庭庁予算で見て、2030年代初頭までに、国の予算又はこども一人で見た国の予算の倍増を目指すこととしています。その財源については、今後、更に政策の内容を検討しまして、内容に応じて社会全体でどう支えるか、さらに検討をしていくということになります。
 次に、会議での主なご意見について、その概要をご説明申し上げます。
 加速化プランの内容等については、多くの委員から、是非とも推進すべきとのご意見をいただきました。特に児童手当の見直しについては議論がございまして、全てのこども・子育て家庭にユニバーサルな支援を届ける意義のあるもので、この方針に沿って実現してほしいという意見と、財源に限りがある中で、財源を重点化するかたちで使っていく制度の見直しが必要なのではないかという趣旨のご発言もございました。
 また、加速化プランを支える財源や予算倍増の大枠に関しましては、支援金の創設は独自の安定財源を持たなかったこども・子育て政策にとって、非常に重要な一歩であるという御意見。また、OECDでトップ水準のスウェーデンレベルまで引き上げることが記載されたことは、子育て世帯や社会全体に対する大きなメッセージとなる。あるいは、財源の確保に当たって、企業の賃上げの努力に水をささないようにしてほしい。あるいは、今回提案された、実質的な追加負担を生じさせない新たな枠組みを、年末までにしっかり具体化してほしいという趣旨のご発言がありました。
 会議の最後、岸田総理から締めくくりの発言がありましたが、これはお聞きいただいたとおりでございます。
 本日の会議の内容や素案のご紹介は以上でありますが、構成員の皆様としっかり調整しつつ、次回、「こども未来戦略方針」を取りまとめられるように準備を進めてまいりたいと思います。
 また、詳細については事務方からもブリーフィングをいたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)財源に関して伺います。今回の方針では、財源に関して、徹底した歳出改革、それから経済活性化への取組、それらをもって新たな枠組み、支援金制度を年末に結論を出す、また28年度までに安定財源を確保する、また倍増に関しても2030年度初頭までに検討するという話になっていて、財源の詳しい話はあまり明確になっていないのではないかと思います。また、これは先送りではないかという御指摘もあります。こういった書き方になっている理由を教えていただきたいのと。先送りではないかというご批判に対する大臣のお考え、また年末までにというお話、また2028年度までにというお話、また2030年代というお話、それぞれに関して検討のスケジュール感を教えていただければと思います。もうちょっと詳しく。
(答)まず、加速化プランを支える安定的な財源については、先般、総理もお示しになられた4つの方向性に基づき整理をいたしています。
 2028年度までに徹底した歳出改革等を行い、それによって得られる公費の節減等の効果及び社会保険負担軽減の効果を活用しながら、実質的に追加負担を生じさせないことを目指していくと。そして、経済基盤や財源基盤を確固たるものとするように、構造的賃上げと官民連携による投資活性化に向けた取組を先行させる。このことを2つ、前提として、企業を含め、社会・経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で広く負担していく新たな仕組み、支援金制度(仮称)を構築することとし、その詳細について年末に結論を出すということを申し上げています。
 また、加速化プランの実施が完了する2028年までに安定財源を確保する。これは2028年度に歳出の期限が終わりますので、歳出の期限が終わる2028年までに加速化プラン、それまでに安定財源をしっかり確保するということを明示しています。その基本的な骨格について、本日、素案で明確にお示ししたということだと考えています。
 今後のスケジュールに関しては、本戦略方針の具体化を進めまして、歳出については相当に具体的にお示しをしているわけでありますけれども、この加速化プランの戦略方針の具体化を進めて、年末までにこども未来戦略を策定するということで考えています。
 その際に、徹底した歳出改革等を先行させて、それによる公費の節減効果及び社会保険負担軽減効果を活用しながら、実質的に追加負担を生じさせないことを目指すとの考え方に基づいて財源を確保することとしておりますけれども、具体的にどのように確保するかということについては、今、御指摘のように、年末に向けて検討していくということになります。
(問)今、大臣がおっしゃった、戦略方針と年末にまとめる戦略について、違いは何なのかについて、まず伺えますでしょうか。
(答)戦略方針は、今申し上げたような基本骨格を今日まとめたわけです。具体的な、例えば新たな枠組みだとか、新しい支援金制度だとか、そうしたものについてお示しをするというのが、年末にまとめる最終的な報告ということになります。
(問)ありがとうございます。もう1点だけ。加速化プランの効果の検証と先ほど大臣はおっしゃったと思いますが、今回のこちらを見ていると、出生率などの目標設定は特にないと思います。こちらの検証というのはどういうふうに行うのか、教えてください。
(答)それぞれ、全体としての出生率とかという大きなKPIの問題ではなくて、一つ一つの政策について、今回の加速化プランというのは相当具体的に、見ていただくと分かるとおり、年限も記入し、そして具体的な検討内容をできるだけ書いてあります。相当具体的になっています。そういうものを実行に移していく、そういう政策の実行の状況や、それがどういう効果であるのか、それぞれ一つ一つの具体的項目について検証しながら、追加的に必要な部分だとか、そういうことについて改めて検討していく、そういう趣旨です。
(問)財源の部分で、新たな枠組みとして支援金制度を構築と書かれていのですが、こちらは具体的にはどういった人を対象として、どういった方法で徴収することを想定されているのでしょうか。そのあたりをお聞かせください。
(答)具体的な制度につきましては年末に向けて検討していくということでありますが、いずれにしても、この中に、例えば全世代型の社会保障制度の改革の観点からとか、あるいは、例えば保険の徴収執行体制を使いながらとか、そういう具体的ないろいろな検討の結果も書かれています。そういうようなことを踏まえながら具体的に考えていくということです。
(問)社会保険料に上乗せとかというかたちでしょうか。
(答)詳細については、あくまで今、申し上げたように、年末に結論を出すということでありますが、今回の素案においては、「全世代型で子育て世帯を支える観点から、賦課対象者の広さを考慮しつつ社会保険の賦課・徴収ルートを活用すること」、あるいは今後、具体的な賦課・徴収についても、医療保険の仕組み、社会保険の仕組み等を活用することも含めて、年末に向けて検討することになると考えています。
(問)あと、今回の素案で、具体的な財源の徴収方法とか、大枠を示すということに関しては大臣がおっしゃっていたので、全体のバランスとしては分かるのですが、私の印象としては、財源に関して詰めきれなかったのかなという、先送りにしたという印象がどうしても拭えないのですが、そのあたりについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)最初にお答えした答弁のとおりだと思っていますが、明確な原則を提案していると思っています。
 特に重要なのは、2028年という加速化プランの歳出の期限までに徹底した歳出改革等を行いまして、その歳出改革の結果として、それによって得られる公費の節減等の効果や社会保険負担の軽減の効果を活用して、実質的に追加負担を生じさせないことを目指していくということで、枠組みを設定させていただいております。また、その対象に対して、構造的賃上げや投資活性化に向けた、そうした取組を先行させるかたちで対応する、あるいは企業を含め、社会・経済の参加者全員が連帯して公平な立場で広く負担していく新たな枠組みを、そうした前提条件のもとに年末までにつくっていくということも申し上げておりますし、先ほど全世代型社会保障改革の枠組みの中での歳出改革であるという御指摘もさせていただいております。そうしたことでこの基本的骨格に沿って素案をお示ししておりますので、こうした素案に沿って、今後、戦略方針を年末までに策定していくと考えています。
(問)何点か確認させていただきたいのですが。加速化プランの将来的な実施に当たって、実質的追加負担を生じさせないことを目指すということですが、現時点で2028年度までに歳出改革などを徹底することによって、公費節減効果と社会保障負担軽減効果がどれくらい生じるかというのは見通しはあるのでしょうか。
(答)まず、全世代型社会保障を構築する観点から、その取組を徹底していく。このために具体的な改革工程表を策定するなどして、制度改革、歳出の見直しなどに取り組んでいくことになります。
 その具体的内容については、徹底した歳出改革による公費節減の効果及び社会保険負担軽減の効果によりまして、支援金制度を含む安定財源確保に当たり、実質的に追加負担を生じさせないことを目指すとの考え方に基づいて、今後検討していくことになります。
 ちなみに、今お尋ねがありましたけれども、例えば目安の下での今の歳出の改革等によりまして、過去9年間で公費ベースでは1.6兆円程度の財源を確保してきているということは言えます。これは公費ベースです。
(問)特に保険料がどれくらい抑えられるかで、実質的な負担がどれくらいになるかというところが大事になってくるかと思うのですが。これまでも歳出改革で1,000億円台なり2,000億円台なり、歳出改革が続いてきたと思うのですが、それでも保険料は上がってきているわけですが、保険料がどれくらい抑制できるのか。できなかった場合には、サービスのほうなり、若しくは公費のほうなりに、28年度までに結局しわ寄せがいくのかどうか。この辺のバランスについて、大臣はどうお考えでしょうか。
(答)制度の設計自身は、実質的な負担の増にならないように、新しい支援金の制度、新たな枠組みをつくっていくということです。
 歳出改革をしていく場合に、歳出改革の中で、もちろん全てが保険料の負担増を抑える方向に働くものではありません。ですから、歳出改革を行う中で、保険料の料率が引き下げられる方向の改革がどの程度できるのか。
 先ほどは公費ベースの数字で申し上げましたけれども、国費ベースでカウントすることが、こども家庭庁予算を基準にして考えるなら、国費ベースということになります。そうしたことをどの程度できるか、そういうことをしっかり見極めながら、全体のバランスを取りながら、今回の考え方に従って、つまり実質的な負担増にならないように制度をつくっていくということで、年末に向けてしっかりと制度の仕組みをつくっていきたいと思います。
 そういう意味では、どういう改革が可能であるかということに加えて、そうしたものが保険料や、いろんな国、地方の公費にどうはねていくのか。これはいろんな制度によって相当結果も違ってまいりますから、そうしたことをしっかりと丁寧に見ながら、全体の実質的な負担増が起こらないというかたちで進めていくようにしていきたいと思います。
(問)今までの大臣の御答弁を聞いていて、ちょっとまだよく分からないんですけれども。徹底した歳出改革による公費節減ですとか、保険料の上昇を抑制するための取組というのは、我々の生活がどう変わるのか、そのあたりがやはり国民としては知りたいところで。具体的にどういったものがあるか、今、想定されるものを国民に分かりやすく説明していただきたいです。それが示せない以上、財源の議論の先送りと言われても仕方ないのかなと思いますが、いかがでしょうか。
(答)先ほどから申し上げているように、改革については、今、改革工程表等、いろんな提言も出されていますし、効率的な予算執行ができるように、また内容の濃い社会保障やいろんな給付ができるように、そこはワイズスペンディングをどうするかということで議論を進めています。そういう中でどういう制度改革が可能であるのか、社会保障制度を含めてしっかりと考えるということだと思います。
 いずれにしても、今まで申し上げたように、これまでもやってきています。先ほどざっくり申し上げた数字は公費ベースですから、大体国費ベースの倍ぐらいありますけれども、そうしたことをこれまでも取り組んできています。
 全世代型の社会保障というのは、やっぱり国民がみんなで支えながら的確な給付サービスをどのように確保していくかということで、そのこと自体は国民生活に悪い影響の出ない、しかし、ワイズスペンディングの観点から、ずっと社会保障制度分野でもそのほかの分野でもやってきていることなので、そうした歳出改革努力を責任を持って丁寧にやっていくということだと思います。
(問)今のお答えを踏まえると、「実質的に追加負担を生じさせないことを目指す」の、「追加負担を生じない」のは、全ての世代、所得層において追加負担がないというわけではなく、世代だったり所得層によっては追加負担が生じることもあるということなのでしょうか。
(答)全ての世代とおっしゃる場合に、もうちょっと分かりやすく明確に答えれば、確かに支援金制度による負担が全体として追加負担にならないという議論で、それぞれ個々のいろいろな制度に乗っておられる方一人一人について、保険料の負担が絶対に上がらないということをミクロで保障するというところまでは、つまり加速化プランに今でも入っているものは、育児休業の関係だとか、あるいは両立支援の問題だとか、いろんな雇用に事業が当たっていたり、事業拠出金が当たっていたり、あるいは保険制度でもいろんな保険制度が当たっていたり、その一人一人にまでということはなかなかフォローが難しいだろうと思います。ですから、歳出改革による公費節減等や保険料の上昇抑制を行うための各般の取組を行って、支援金制度による負担が全体として追加負担とならないように目指していきたいということです。
 追加負担にならないというのは、支援金制度による負担が全体として相殺されるように、医療、介護だとかの保険料率の上昇を抑制する各般の取組を行っていくということです。
(問)最後にもう1つだけすみません。
 先ほど大臣は質問で、効果の検証のところを一つ一つ検証していくということだったんですけれども、今回の目的は少子化対策、つまり出生率を上げるというところが一番の目的になるかと思うんですけれども。例えば児童手当の拡充。今回、予算を多く充てられることになると思いますが、こういったお金を配るというところの出生率への影響はあまり高くないというような統計もありますが、今回これだけ児童手当を拡充して、その効果の検証をどのように図っていくのか、具体的にこちらを教えていただけますでしょうか。
(答)効果のあるものについて基本的には増やしていく方向。どういうものが効果的で、効果のあるものについて増やしていくという視点が大事だとは思います。もちろん効果のないものについて見直しをすることは、当然KPIとかいろんなことを使って、効果がないとか執行がうまくいかないとかというものについて見直すということはありますが、基本的に今ある3兆を執行しないように削る方向で見るというよりも、一体どういう施策がよりプラスの方向に働いていくのか、そういう視点から検証をしながら、今後3兆をどういうふうに、今、具体的に3兆半ばという水準もお示しもしていますけれども。そのほかに、これは今年の年末に調べますが。そして、残りの倍増、つまりこども家庭庁予算の倍増に向けて、どういう施策を残りやっていったらいいのか、そういう観点であります。
 もちろんそう言うと、無駄なものまで見直さないのですかとまた言われそうだから、そこはもちろん併せて考えますが、今の脈絡で申し上げたのは、残りのこども家庭庁予算倍増を2030年に向けてきちんと検証しながら、そうした更なる拡充、効果のある拡充対策を広げていきたいという趣旨で申し上げています。
(問)2028年度までに徹底的な歳出改革を行う、それによって財源を捻出するということですが、つまり歳出改革ができた分だけ少子化に回るという理解でよろしいのかという点がまず1点。もう1つは、今までの歳出改革と呼ばれるものには、医療、介護の自己負担、窓口負担を増やすということも含まれていると思うのですが、要は公費とか社会保険料負担は増さないけれども、逆に社会保障の給付が減らされることによって、家計が負担する分は増える可能性があると理解してもよろしいのか。この2点について教えてください。
(答)まず、財源構成のイメージというか、どういうものが財源かということについて言えば、先ほどから申し上げているように、これにも書いてありますが、社会保障改革の徹底を行っていく。それから、既定予算の最大限の活用というのもあります。それから、支援金制度を新たにつくるということも財源にはなります。
 ただ、支援金制度については、先ほど申し上げたように、実質的なその分の負担が増えないように、社会保障改革の徹底と、そうしたものの保険料できちんと賄える範囲内でバランスさせていくということを考えておりまして、既定の予算の最大限の活用などもいたします。
 イメージとして申し上げれば、イメージという言い方もいけないですね。財源の基本骨格に基づいて年末に具体的に検討していくわけですが、現時点で概ねの内容が固まっている3兆円程度の内訳としては、「ライフステージ」を通じた子育てに係る経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組で1.5から1.6。また、全てのこども・子育て世帯を対象としたサービスの拡充で0.7から0.8。共働き・共育ての推進で0.7から0.8という、歳出側の具体的な枠組みに対して、今言ったような3つの財源、こうしたものを的確に組み合わせてやってくということです。
 ですから、今言ったような既往の財源を使うこともできます。支援金の分については、実質的に負担増にならないようにはいたしますけれども、しかし、財源にはその分はもちろん、こども・子育ての財源にはなるということになります。
(問)家計への負担が増える。
(答)だから、それは家計と法人というふうに分けられないと思います。家計でもいろんな方たちがいますので。こども・子育ての給付は法人は受けないですね。基本的には。サービス給付等は。ですから、法人は給付があるのかないのか、拠出金の負担や、既往のもの等で対応するということになりますので、法人の分と企業の分と2つに分けて一概に申し上げられないし、特に個人については、どういう状況かによって。
 ちょっと首をかしげておられるのでもう一言言うと、一つ一つ、財源構成ということからいっても、これはこども・子育ての予算というのは非常にたくさんの種類の歳出があります。出産育児金や出産手当なんかは医療保険で出ていますし、育児休業は雇用保険で出ています。例えば保健所の運営費等、あるいは放課後病児延長保育だとか、こういうものは事業主拠出金も出ていますし、様々、予算事業としてやられているものもあるので、こうした一つ一つの、どういう事業であるかということによって、それぞれ財源の負担も変わってきているわけで。それを全体として我々は、こども家庭庁予算の予算規模ということで、こども家庭庁の予算をどういうふうに、倍増ならそれを倍増していくとか、そういう議論をしていますので、どういうかたちでどういうふうに組み立てていくかということで、その辺の負担の問題は変わってくると思います。
(問)こども・子育て予算倍増に向けた大枠について伺います。26ページの4番目の丸のところに、「こども家庭庁予算で見て、2030年代初頭までに、国の予算又はこども一人当たりで見た国の予算の倍増を目指す」という記述がありますけれども、いわゆる発射台となるのが、その前に書いてある、2022年度のこども家庭庁予算4.7兆円という理解でよろしいのかというところ。そうしますと、金額みたいなところで考えますと、2030年代初頭に、例えば単純に4.7兆円掛ける2で9.4兆円であるとか、あるいは10兆円規模とか、そういう金額的な部分で予算倍増というのがいくらぐらいなのかというのを教えていただけますでしょうか。
(答)基本的に今こうやってお示ししているので、基準になる点は2022年の現予算が基本になります。4.7兆、それが基本で、そういうことでありますけれど、それを2030年代の初頭までに、こども家庭庁予算ベースで見て、国の予算全体、こども家庭庁、ないしは子ども1人当たりで見た国の予算。子どもの数が減ってどうなんだとかいう議論があるので、又はというかたちで、それを倍増するということです。
 ですから、倍増するということは倍増だということですが、どういうようなかたちでそれを倍増させていくかということは、先ほども申し上げたように、加速化プランの様子をしっかりと、検証を踏まえて、その後、真に必要な部分について、倍増に向けて予算を膨らませていく。それと併せて、しっかりと政策の内容を検討した上で、内容に応じて社会全体でどうやってその内容を支えていくのか。そういうことも含めて、今度は財源のことも含めて、2030年に向けた道筋を議論していくということになります。
 だから、今いろいろ申し上げたことは加速化プランの部分であって、倍増の部分についていえば、今後、さらに政策の内容を検討して、内容に応じて社会全体でどう支えていくのか、それをさらに検討していくということです。ここに書いてあるとおりです。
(問)ちょっと補足的にお伺いしたいんですけれども、今まで総理のおっしゃっている、将来的な予算倍増の、いわゆる発射台をどこにするかということが国会などでも質問が出ていたと思うんですけれども、それをこども家庭庁予算4.7兆円にしたという理由をお願いします。
(答)今、御提示しているので、基本的に現在の状況から倍というのが一番分かりやすいと思います。

(以上)