後藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年5月22日

(令和5年5月22日(月) 19:23~19:35  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日、総理を議長とする、「こども未来戦略会議」の第4回の会議を開催させていただきました。
 本日の会議では、こども・子育て政策を抜本的に強化していくため、今後3年間を集中取組期間として実施する「加速化プラン」を支えるための安定的な財源の在り方などについて、構成員の皆様から、それぞれ、忌憚のないご意見をいただきました。
 主なご意見について、その概要をご説明申し上げます。
 まず、「総合的な制度体系」を支える給付と負担の「見える化」に関しまして、こども・子育て政策を安定的に実施するため、財源構成の分かりにくい既存の仕組みではなく、給付と負担の関係を国民に分かりやすく示すため、特別会計の創設などについて検討すべきという趣旨のご発言がありました。
 また、「加速化プラン」を支える安定的な財源の在り方に関して、一つ、安定的な財源確保のため、まずは歳出改革に取り組むべき。
 第二、特に医療・介護分野での社会保障費の適正化・効率化を進めるべきである。
 次に、少子化・人口減少の流れを変えることは、労働力・消費者の持続的な確保の観点から、企業にも裨益する。すでに児童手当や保育などに事業主拠出金が充てられていることも踏まえ、企業にも応分の負担を求める形で制度設計をすべきである。
 「加速化プラン」に必要な支出は前倒しで行うべきだが、足元で行っている企業の賃上げ努力に水を差すことがないように、財源確保を性急に行うことは慎重に検討すべきであり、「加速化プラン」実施完了までの今後5年間の範囲で柔軟に考える必要がある。
 それから、安定財源を確保する年限を限定することは重要である。安定財源の確保は、「加速化プラン」の実施完了までには確実に行うべきであるという趣旨のご発言がありました。
 会議の最後に、岸田総理から締めくくりの発言についてありましたが、これはお聞きいただいたとおりであります。
 少子化対策財源確保のための消費税を含めた新たな税負担は考えていないことを前提に、財源について、第一に、何よりも徹底した歳出改革による財源確保を図ること。「加速化プラン」を支える財源について、全世代型社会保障を構築する観点から、歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算を最大限活用すること。
 第二に、歳出改革の徹底等により、国民の自主的な負担を最大限抑制すること。
 第三に、構造的賃上げと官民連携による投資活性化に向けた取組を先行させ、経済基盤及び財源基盤を確固たるものにすること。
 第四に、2030年までの少子化対策のラストチャンスを逃さないように、安定財源の確保に向けた取組を待つことなく、強化された少子化対策を前倒しで速やかに実行すること。
 これら4つの方向性に基づいて、企業を含め、社会・経済の参加者全体が連帯して、公平な立場で子育て世帯を広く支援していく新たな枠組みについて、与党の意見も踏まえつつ、具体的に検討し、結論を出す必要があるという話がありました。
 また、次回の会議で、次元の異なる少子化対策を実行に移していくための「こども未来戦略方針」の素案をお示しして、議論をお願いしたいとの御発言がありました。
 本日の会議の内容のご紹介は以上でありますが、時間も限られてきており、「こども未来戦略方針」の取りまとめに向け、構成員の皆様とともに、迅速かつ精力的に議論を重ねてまいりたいと思っています。
 また、詳細については、この後、事務方で実施するブリーフィングで御質問いただきたいと思っています。以上です。

2.質疑応答

(問)こども未来戦略会議では、児童手当の拡充など、予算の規模が大きくなる政策も加速化プランの中に入っております。つくられるこども未来戦略方針の中で全体の予算規模についても示されていくのか、そのお考えをお願いいたします。
(答)「こども未来戦略方針」には、これまでに会議でご議論いただいてきた、「こども・子育て政策の推進」を図る上での基本理念、「加速化プラン」の内容、「加速化プラン」を支えるための安定的な財源などについて、具体的に記載することになります。
 現時点で全体の予算規模をお示しするか決まっているものではありませんが、政策の内容等について、できる限り国民に分かりやすく具体的にお示しする必要があると考えておりまして、次回の会議で「こども未来戦略方針」の素案をお示しして御議論いただけるように、検討を進めていきたいと思います。
(問)今日の総理の発言のことで確認させていただきたいのですが、第4のところで、安定財源の確保に向けた歳出改革の積み上げなど、こういった取組には複数年を要すると。一方で、強化された少子化対策についてはそれを待つことなく前倒しで速やかに実行していくということですが、この間の対策の財源については、要は国債を用いるということでよろしいのですか。それとも、税収の上振れとか、ほかに見込めるものがあるのか、その辺はいかがでしょうか。
(答)総理から、安定財源確保に向けた歳出改革の積み上げ等や、賃上げ、投資促進等の取組には複数年を要しますが、強化された少子化対策は、それを待つことなく前倒しで速やかに実行に移していきますと方向性が示されております。
 このことについてはこのとおりだと思っていまして。いずれにせよ安定財源はしっかりと確保するが、しかし、前倒しで速やかに実行するという場合について、その間の資金の対応については何らかの知恵を出す必要はあるだろうと思います。
(問)それでは、また今後の議論といいますか、また素案とかのほうに出てくるということで。
(答)それは素案でしっかりお示ししたいと思います。
(問)あと、もう1点ですが、加速化プランは元々3年間で実施ということだったと思うのですが、先ほど、完了までに5年という数字をお話しされていましたが、これは資料でいうところの、いわゆる雇用保険の部分を含めての5年ということですか。
(答)先ほど5年と私が申し上げたのは、今日、委員の先生のご意見を御紹介したところで5年と述べました。
 その5年という意味は、今、御指摘があったように、今日配布した参考資料、これは事前に委員の先生方に丁寧に御覧いただいて、今日、ご発言いただいておりますので、今の御指摘のとおりで、加速化プランは3年だが、加速化プランの中に一部、3年間でできないものもあるということをお示ししている図に従ってご発言いただいたものだと思います。
(問)分かりました。最後にすみません、1点。委員の方からは、性急に行うのは慎重にということで、5年の範囲というふうに委員の方からお話があったと思うのですが、政府としては財源の確保は3年間をめどなのか、5年をめどなのか、その辺はどちらを考えていますか。
(答)そこは素案できっちりとお示ししたいと思います。
(問)1点だけお願いします。総理の御発言で、税負担については否定する発言がありました。確認ですが、これについては加速化プランの間の財源については、という理解でいいのでしょうか。将来的には予算を倍増させるとおっしゃっておられるので、長距離のお話も含めてなのか、この文言どおり加速化プランの間だけでいいのか、ちょっと確認させてください。
(答)今日の総理の発言自身は、加速化プランを支えるための財源の在り方についての議論であるという限定でありますから、少子化対策財源確保のための消費税を含めた新たな税負担については考えておりませんという発言自身は、射程としては加速化プランと言えます。
 その後、倍増に向けてどういう議論であるかということについては、まだ今の段階で総理からの指示はありませんが、予算倍増の大枠を示すとこれまで申し上げているので、次の素案に向けて、何らかのかたちで、そうした大枠の道筋もお示しをすることにしたいと思います。
(問)予算の大枠のお話が出たのですが、一部報道で、2024年から26年度の集中期間、3年間、これに対して年3兆円の予算規模を確保という報道があるのですが、これは事実でしょうか。
(答)今、検討中なので、検討中としか申し上げられません。

(以上)