後藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年4月27日

(令和5年4月27日(木) 18:36~18:46  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日、総理を議長とする、「こども未来戦略会議」の第2回の会議を開催させていただきました。
 本日の会議では、総理がお示しされている「こども・子育て政策の推進」を図る上での基本理念、第1に若い世代の所得を増やすこと、第2に社会全体の構造や意識を変えること、第3に全ての子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援すること、この3つに沿って、構成員の皆様から、それぞれ、忌憚のないご意見をいただきました。
 主な御意見について、ご紹介をさせていただきますと、まず、若い世代の所得を増やすことにつきましては、少子化の一因である若者・子育て世代の将来不安を解消するために、構造的な賃上げが極めて重要である。
 非正規雇用と正規雇用の格差是正の取組、非正規雇用労働者のセーフティネットの整備が必要であるというような趣旨の発言がありました。
 また、社会全体の構造や意識を変えることに対して、個別の施策の実効性を確保するためにも、真の意味でこどもや子育てに優しい、インクルーシブな社会を作ることが重要である。それから、性別役割分担意識の払拭が重要である。柔軟な働き方の推進に向けた制度の見直しや男性育休などは、この会議で大きな方向性を示した上で、労使の合意が得られるように進めるべきであるというような趣旨の発言がありました。
 また、全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援することに関しましては、必要な支援が切れ目なく包括的に提供される総合的な制度の構築が必要である。あるいは一人ひとりの特性、ニーズに沿った支援を、当事者の申請を待たずに届けることが必要である。世代を超えた全ての人々が連帯をしながら、能力に応じて負担し、支え合うことが必要であるというような趣旨の発言がございました。
 会議の最後、総理の締めくくりの発言については、もう既に皆さん、お聞きいただいたとおりと思いますが、こども・子育て施策の推進を図る上で、3つの基本理念について改めてお話があり、今後、「加速化プラン」に沿って、必要となる具体的な制度設計や、課題の整理について、さらに検討を深めていただきたいという趣旨の発言がありました。
 本日の会議の内容のご紹介は以上でありますが、引き続き、構成員の皆様とともに、迅速かつ精力的に議論を重ねていきたいと考えております。
 詳細についてはこの後、事務方でブリーフィングを実施いたしますので、ご質問をいただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)財源についてお伺いいたします。25日の令和国民会議では、少子化対策の財源は税を軸にという提言が出ています。これらを受けて、こども未来戦略会議でも財源の議論が本格化していくと思いますが、大臣は現段階でどのように進めていくお考えでしょうか。
(答)今後、必要な政策強化の内容、予算、財源について順次議論をしていくことにしており、財源についてもこの会議でしかるべきタイミングでご議論いただきたいと考えています。
 なお、次回の会議については、今日、1枚紙の資料もお配りしてありますが、本日の資料2になりますけれども、「加速化プラン」に沿って検討すべき項目などについてご議論いただく予定であります。
 それから、私の財源についての考え方についてもお尋ねがありましたので申し上げておくと、こども・子育て財源については、政府として現時点で特定の財源を念頭に置いているものではありませんが、まずは徹底した歳出の見直しが大前提であると考えています。
 今後、こども未来戦略会議において議論を進めまして、6月の骨太方針までに、将来的なこども予算倍増に向けた大枠をお示ししてまいりたいと考えています。
(問)ちょっと会議の中身とはずれてしまうんですけれども、今日、委員の高橋さんが2か月の赤ちゃんを連れて参加されたと聞きました。政府のこういった会議に赤ちゃんを連れて参加するということがこれまであったのかということと、あと、こういう子ども政策を議論する上で、赤ちゃんを連れてくるということの意義など、大臣の受け止めをお願いします。
(答)ご本人から、どうしてもまだ産まれたばかりで、赤ちゃんを連れて会議に参加したい、そうでないと来られないということでご要望がありました。事務局として必要な準備をした上でご参加いただくということにしたものです。
 事務方からは、官邸で開催される会議としては初めてのことだったと聞いております。こども・子育て政策の強化を議論する本会議において、子育て中の委員の方のご要望に沿った形で対応できたことはよかったと思っています。
(問)今日も委員の皆さん、活発な議論があったかと思いますけれども、このこども未来戦略会議は国民の皆さんに理解を求めることもこれから多くなってくると思います。税の負担の話とか、あるいは総理の発言では、社会全体の運動につなげていきたいとか、社会の意識の変革が必要だということもありましたが、会議自体を公開で行うということも選択肢としてあり得ると思うのですが、非公開でやっている理由は何なのでしょうか。
(答)従来から会議の結果については、委員の皆さんにご発言を一応整序していただいた後、会議録として発表しています。ですから、そういう意味では会議の内容については議事録公開というかたちではお示しをしていると思っています。
 ただし、会議そのものの公開については、従来からあまりそのものを放映しているわけではありません。そうしたご議論が今日あったことはまた受け止めさせていただきたいと思いますけれども、一応、会議が公開されているかということについては、公開をしているということだけ申し上げておきます。
(問)例えば先ほどの赤ちゃん連れのお話もありましたけれども、そうしたことは多分議事録からは分からないわけですよね。もし映像とか流れれば、こういうやり方で新しい工夫もできるんだなということでほかの会議もいい影響が波及するかもしれない、そういうメリットもあると思います。あるいはウェブで流すという方法も最近は根付いていますので、そういった方法も考えられませんでしょうか。
(答)今日の赤ちゃんをお連れになった委員がいたことについては、これはあくまでご本人のご希望のことでもあり、急なこととして我々はできる限りの対応をさせていただきました。
 それぞれの会議体においてどういう対応ができるかということは、これは会議体においてそれぞれ検討すべきことだと思います。基本は本日の会議のように要望があれば受け入れられる方向で検討するのが望ましいと考えておりますが、今日はいろいろなかたちで、いろんなケースについて対応ができるという条件の中でやりましたし、また丁寧なことをいえば、お子さんが映ることについてご本人のご了解をいただいたり、そういう細心の注意を払って行ったものです。

(以上)