後藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年4月25日

(令和5年4月25日(火) 18:34~18:45  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日は、新しい資本主義実現会議、科学技術・イノベーションの新たな検討事項と、DX、GXなどを進めるための企業の参入・退出の円滑化について、議論を行っていただきました。
 第1に、科学技術・イノベーションでございますが、生成AIは、活用の仕方によって、人手不足への対応など労働生産性の向上が期待されるものです。産業側での利活用に向けた課題の洗い出しと開発の促進など、環境準備を進めてまいります。
 また、レアアースなどの循環利用、またサーキュラーエコノミーについては、経済安全保障上の観点も踏まえ、取組を進めてまいります。
 第2に、企業の参入・退出の円滑化についてであります。我が国の開・廃業率は、両方とも諸外国に比べて低い水準で推移をしております。
 参入については、「スタートアップ育成5か年計画」の実行に着実に取り組むとともに、人材獲得に有効なストックオプション制度の法制の早期の検討を法務大臣を中心に行っていくということであります。
 また、企業経営者が事業不振の際に、早い段階からM&A・事業再構築・廃業など、幅広い選択肢について、専門家と相談ができ、意思決定できる体制を官民で全国的に整備して支援策を講じるなど、環境整備を図っていきたいと考えています。加えて、金融債務の減額等を容易にする事業再構築法制を提出する。
 さらに、「経営者保証」の存在が、円滑な退出の障壁となっている場合が多いことから、企業のノウハウや無形資産を基礎に融資を行う、いわゆる事業成長担保融資の拡大を進めてまいります。
 総理からは、実行計画の改訂に向けて委員各位への協力要請と、私をはじめとした関係大臣への指示がありました。本日の実現会議については以上であります。
 もう1つ、かねてよりお話をしていた、新しい資本主義実現会議の下で、労働市場改革に関する分科会を開催するということでお話ししてきましたが、そのことにつきまして、お手元に資料をお配りしてあります。
 目的は三位一体の労働市場改革について、専門家の視点から具体的なご示唆をいただくこと。まず明日26日午後に第1回を開催いたします。
 構成については、お手元の資料どおりですけれども、人材育成のビジネスに関わっている方が4名、それから企業の人事関係の専門家が3名、労組の方が1名、労働法の学識者が1名、経営学の学識者が1名ということになっております。
 詳細については事務方にお問い合わせをいただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)今日の会議では、GX・DXなどを進めるための企業参入・退出の円滑化について議論がありましたが、その必要性やどのような点を重視し、今年6月の計画改訂につなげていくのか、大臣のお考えをお願いします。
(答)我が国の開・廃業率は、先ほども申し上げたとおり、先進国と比べいずれも非常に低くなっており、参入しにくく、退出しにくい市場となっています。
 経営者が退出したい場合に円滑に退出できる環境を整備することは大事であります。また、事業不振の際に、早い段階から専門家に相談できる体制を整えることは、経営者自身にとっても、そこで働く従業員にとっても重要なことだと思います。
 前向きな経済の展開を進めていくためにも、そして、こうした事業不振の際の企業の取扱いの両面から、丁寧に、しかししっかりと議論をしていく必要があると思っています。
 企業経営者の判断に従って、事業不振の際の幅広い選択肢が提示できるように、それぞれの手法等も含めてしっかりと検討して、その確立に目指していきたいと思います。
(問)2点お伺いしたいのですが、まず1点目ですが、生成AIに関してですけれども、今日の論点でも生成AIの開発に取り組むべきではないかというような意見もありましたけれども、こちらに関しては政府としてはどのように関わっていかれるのかということと、日本発の生成AIということで、どういった水準ですとかレベル感のものを大臣として目指そうというお考えか、お聞かせください。
(答)まず今日、総理も発言されましたが、生成AIは、活用の仕方によって、人手不足への対応、また労働生産性の向上を期待されるものだと考えます。
 産業側での利活用に向けた課題の洗い出しと、開発の促進などの環境整備を進めていく必要があると思っています。
 プライバシーや著作権の扱いだとか、あるいは国際的なルール作りの問題、あるいは産業側での利活用や開発の問題については、専門家を集めた場での検討も必要になるだろうと思っています。
(問)開発の促進に関して、日本政府側としてはどのような関わり方を目指していかれるのかという点についてもお伺いできますでしょうか。
(答)その辺のところはまだ方針が固まっているとか確立しているわけではありませんが、今日、論点案として御提示しているのも、生成AIを活用した多様なサービスの創出の観点から、日本語に対応したアプリやソフトウエアの民間の開発を促進するとともに、それに必要となる知見として生成AIの開発にも取り組むべきではないか、今日、論点としてこういうふうに提示をしています。今のところはそういうところだということで御理解いただきたいと思います。
(問)あと、もう1点お伺いしたいのが、生成AIに関して、先ほど専門家の方なんかを交えた検討の場ということもお話がありましたけれども、政府としては促進、開発をしていくという立場とともに、海外を含め、かなり規制に関しても厳しい見方もあるわけですけれども、このあたり、開発と規制、どのような考え方で進めていかれるか、大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)先ほども申し上げたように、プライバシーや著作権の扱いだとか、あるいは国際的なルール作りをどうしていくのか、産業界での利活用のあり方や、どういうふうに開発に取り組むか、いろんな問題点がまだあると思います。
 アメリカやEU等でも大きく、今どういう方向で進んでいくのか、そこも見極めなければいけないところだろうとも思いますし、今後とも解決すべき問題点を整理しながら、それでも活用の仕方によっては人手不足の問題、あるいは労働生産性の向上等に大きな期待が寄せられるというものでもありますので、いろんなことについて多角的に目配りをしながら前向きに考えていきたいと思っています。
(問)今日、発表いただきました三位一体労働市場改革分科会のところですが、こちら、目的とするのは6月までにまとめるというリスキリング等々のペーパーということで、目的は変わっていないとかというところと、あとスケジュール感を改めて教えていただければと思います。
(答)分科会は指針の策定だけではなくて、具体策について意見をいただくことが目的であります。
 したがって、6月以降も色々なかたちで専門的な御意見をいただきながら、労働市場改革の具体化に向けても御意見をいただいていきたいと思っています。

(以上)