後藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年4月4日

(令和5年4月4日(火) 10:00~10:06  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

(冒頭発言なし)

2.質疑応答

(問)昨日、3月の日銀短観が発表されました。大企業・製造業の景況感が5期連続で悪化しています。一方で、大企業・非製造業の景況感は4期連続で改善しています。今回の短観の大臣の受け止めをお聞かせください。また、日本経済の現状についての御認識と、今後の先行きの見通しについてお聞かせください。よろしくお願いいたします。
(答)昨日公表されました、日銀短観3月調査における大企業の業況判断DIは、今、御指摘がありましたように、製造業では、原材料コスト高や海外経済減速の影響もあり、プラス1%ポイントと5期連続の低下、また一方で、非製造業では、ウイズコロナの下での人流の回復やインバウンド増加等を背景に、プラス20%ポイントと4期連続の上昇となりました。
 こうした状況は、コロナ禍で企業活動の回復をけん引してきた製造業の業況に、世界的な物価上昇の下で次第に厳しさが見られているのに対して、このところは小売りやサービスを中心に非製造業が企業活動の回復をけん引していることを表しているものと認識いたしております。
 個人消費でも、22年後半以降、物価上昇の下で財は弱めの動きとなる一方で、サービスの持ち直しが消費全体の回復をけん引しておりまして、そうした状況とも整合的だと考えられます。
 こうした中で、我が国経済の現状は、一部に弱さが見られるものの、全体としてはウイズコロナの下で緩やかに持ち直しており、今後もそうした動きが続くことが期待されます。
 しかしながら、海外景気の下振れ、物価上昇や金融資本市場の変動等による影響には、十分注意する必要があると考えています。
(問)先日、少子化対策のたたき台について公表されましたけれども、財源などについては決まっていない点も多く、歳出の増加も予想されますけれども、財政の健全化目標との考えから、どのように考えていらっしゃるか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)こども・子育て予算については、先日、小倉大臣の下で取りまとめられました試案において、今後、優先的に取り組むべき施策が整理されたと承知しております。
 これを受けて、総理から、同試案をベースに、必要な政策強化の内容・予算・財源について更に議論を進めるために、全世代型社会保障構築本部の下に、総理を議長とする「こども未来戦略会議」を設置する旨の発表がありました。
 今後、同会議において、具体的な制度設計と併せて、必要となる予算・財源の在り方について議論を進めまして、こども・子育て政策を社会全体でどのように安定的に支えていけるか、検討してまいることになります。
 その上で、財政健全化目標についての政府の方針は骨太方針2022に記載のとおりであり、2025年度プライマリーバランス黒字化、そして債務残高対GDP比の安定的引下げを目指すという財政健全化目標に取り組む姿勢は崩さず、今後もしっかりと進めてまいりたいと考えています。
 いずれにしても、引き続き足下の経済状況に機動的に対応しつつ、同時に、市場や国際社会における中長期的な財政の持続可能性への信認が損なわれないように、責任ある経済財政運営を行ってまいりたいと思っています。
(問)もう1点お願いします。対話型AIに関してです。先日、イタリアでは一時使用を禁止するというような動きもございますし、アメリカでも、これに反対するような多くの署名が集まるなど、反対するような動きがかなり活発になっております。これに関して大臣はどのようにお考えになるかということと。先日の新しい資本主義実現会議においても、対話型AIの実装に向けて、重点投資というものを打ち出していらっしゃいますけれども、こういった点に関して、こういった動きを踏まえて、問題がないかどうかなどをどのようにお考えになるか、お聞かせください。
(答)AIは今後の社会を支える重要な基盤技術であり、産業化に向けた開発や社会実装を着実に進めるべきと考えています。
 このため、3月29日に開催いたしました、新しい資本主義実現会議においては、科学技術・イノベーションの推進について、対話型AIの実装に向けた開発など、戦略的な重点投資を行うとの方針が示されたところです。
 一方、御指摘のとおり、チャットGPTについて、データ収集の透明性の確保や情報の正確性に課題があることや、今、御指摘もあった、イタリアでは個人情報保護の観点から一時的に使用禁止にされるなど、様々な課題が指摘されていることは承知しています。
 政府としては、AI開発に関する課題の把握にも努めながら、関係省庁と連携しながら、「重点投資を行う」との方針を踏まえて、新しい資本主義のグランドデザイン・実行計画の改訂の議論を進めていきたいと考えています。

(以上)