後藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年2月14日

(令和5年2月14日(火) 10:04~10:13  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日公表の2022年10-12月期のGDPの速報値では、実質成長率は、前期比プラス0.2%、年率に換算するとプラス0.6%になりました。
 これを受けた私の談話は、お手元に配付しているとおりでございますが、旅行・外食等のサービス消費を中心に個人消費が増加するとともに、水際対策の緩和に伴うインバウンドの増加もあって外需がプラスに寄与するなど、ウィズコロナの下で景気が緩やかに持ち直していることが示される結果となりました。
 エネルギー・食料等を中心とする物価上昇の継続や世界経済の減速などの下振れリスクに対応しつつ、こうした前向きな動きを後押しし、我が国経済を民需主導の持続可能な成長軌道に乗せていくため、総合経済対策・補正予算について、進捗管理を徹底し、早期の実行を図ってまいります。
 その上で、今後の経済・物価動向等を注視し、必要な政策対応に躊躇なく取り組んでまいります。
 目下の物価高に対する最大の処方箋は、物価上昇に負けない継続的な賃上げの実現であります。政府としても、賃上げに取り組む中小企業等への支援や価格転嫁対策強化等に取り組むとともに、構造的賃上げの実現に向けた労働市場改革を進めてまいります。
 さらに、イノベーションや人への投資を進め、生産性や付加価値を向上させるとともに、適切な価格付けを通じて、マークアップ率を高め、賃上げやコスト上昇の転嫁のできる適切な支払いをしっかりと確保していく。このような連続的に拡大が続く成長と分配の好循環を築き上げてまいりたいと考えております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)本日のGDP速報についてお伺いします。実質0.2%で、年率で0.6%の成長になった一方で、世界の景気減速懸念が日本の経済にも影響を与えることが懸念されます。例えば設備投資だったり輸出を通じて影響を与えることが想定されますし、足下の12月期でも設備投資はマイナスに振れているところです。こうしたリスクに対しての大臣の足下の景気認識と今後のマクロ経済運営、リスクに対してどのように対処されていくか、ここについてお伺いしたいです。よろしくお願いします。
(答)今物価上昇の継続、そして御指摘のあった世界経済の減速は、下振れリスクとして十分に認識をいたしております。そうしたことを前提として、今緩やかに回復基調にある日本の経済の前向きな動きを後押しし、民需主導の持続可能な成長軌道に乗せていくために、総合経済対策・補正予算について、進捗管理を徹底し、早期の実行を図っていく。
 その上で、今後の経済・物価動向を注視し、必要な政策対応に躊躇なく取り組んでいくと考えています。
 また、設備投資等につきましても、資材価格の高騰等により、実質では3四半期ぶりのマイナスとなっておりますが、デジタル化の流れもあり企業の投資意欲が高い中で、名目では5四半期連続でプラスとなっておりまして、過去最高水準となっています。投資マインド自体が衰えてきているということでは決してないと思っておりますし、こうした国の中でのしっかりとした対策を取ることによって、経済のかじ取りをしっかりとしていきたいと考えています。
(問)同じくGDPに関係しまして、四半期0.2%、年率0.6%というのは、前期がマイナス成長だったことを考えると、少々回復の足が鈍いのではないかという気がするんですけれども、この数字のレベル感について、大臣のお考えがあれば教えてください。
(答)例えば、民間の在庫変動が今回寄与度でマイナス0.5ということになっていまして、2四半期ぶりのマイナスで結構大きなマイナスになっています。これは車の在庫が減ったことや、原材料在庫が7月‐9月期に積み上がったものが減っているというような事情でこうしたことになっております。一方で今こうした事態が起きていること自体は足下、民間在庫がマイナスであるわけですが、数字的にはこういう表れ方になりますが、経済全般の評価として、それほど悲観的なことではない、前向きな印象を私は持っています。
 ですから、そういう意味で今後しっかりとかじ取りをしていくことによって、安定的に緩やかに持ち直していくこの景気をしっかりとフォローしていきたいと思っています。
(問)もう1点、中身のお話で、輸出のところですけれども、今回インバウンドの消費がありまして、サービス輸出はよかったと思うのですが、財貨の輸出が前期に比べて大分減速していると思います。こちらに関する要因の分析とお考えがあれば。また特に海外経済の減速との関係というところで教えていただければと思います。お願いいたします。
(答)輸出について、今御指摘があったように、旅行、訪日外国人の国内消費、インバウンド等が増加しているということであります。今、一次QEの段階ですから、また正確なデータが出たところで分析していきたいと思っています。
(問)下振れリスクにいろいろ注意するということなんですけれども、目下のIT市場、半導体の暴落と海運市況の暴落ぶりを見ると、景気の下振れというのはほぼ確実じゃないかと思うんですが、この必要な新たな対策のスケジュール感、もし何か御発言いただければ。既存の打ち出しているものを執行中に積み増すことがあり得るのか、それともある程度終わった後ということなのか。
(答)今のところは、しっかりと総合経済対策・補正予算、これは相当規模の大きいものを準備して、これから執行が進んでいくものもありますので、しっかりと進捗管理を徹底して、それぞれの経済対策・補正予算の1,300の事業について、各省において、一つ一つ全部進捗管理で毎週報告をしてもらうという形で、早期の執行を図っています。まずはその執行をしっかりして、経済対策の効果、補正予算の効果が発現されるように、そのことに努めていきたいと思います。
 その上で、今後の経済・物価動向を注視して、政策対応が必要であるということであれば、躊躇なく取り組んでいく。今の段階ではそうした判断を持っているということであります。

(以上)