後藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年12月6日

(令和4年12月6日(火) 18:38~19:04  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 それでは、私から三つ申し上げたいと思います。
 まず最初は、無料検査拠点の拡充についてでございます。年末年始期間中に帰省される方については、出発前及び帰省先から戻った際に、検査を受けていただくようお願いをいたしたいと思います。
 特に、オミクロン株対応のワクチンを接種していない方は、ご自身や周りの方のためにも、積極的に検査受検をお願いしたいと思います。
 全国約1万3千箇所の無料検査拠点で検査を受けていただけるほか、12月24日から1月12日の年末年始の期間中は、主要な駅周辺や、空港等の臨時の無料検査拠点等でも検査を受けられるように整備を進めていきたいと思いますので、ぜひご活用いただきたいと思います。
 今後の予定についてでありますが、本日この後、臨時拠点整備に関する事務連絡を発出いたしまして、今後都道府県と調整をしていきたいと思います。
 お盆期間につきましては、今回と同様の措置を講じていたわけでありますけれども、119カ所程度の対応をしているところでございます。
 それが第1点でございます。
 第2点でありますが、「日本学術会議の在り方についての方針」を公表をいたします。
 日本学術会議の在り方の見直しについては、国民から理解され信頼される存在であり続けるためには、どのような役割・機能を発揮すべきかという観点から、本年1月のCSTIの有識者議員懇談会の報告など、あらゆる要素を考慮しつつ、総合的に検討を進めてまいりました。この度、「日本学術会議の在り方についての方針」を取りまとめましたので、本日、公表をさせていただくことといたしました。
 グローバル化の進展に伴いまして、地球規模の課題など、政策立案に科学的な知見を取り入れていく必要性が、これまで以上に高まってきています。また、世界が直面する重要課題等に、政府等と日本学術会議が連携を深めながら取り組んでいくことが、岸田内閣が取り組む「科学技術立国」の実現等のためには不可欠でございます。
 このため、政府、産業界や社会・国民などと広く問題意識等を共有しつつ、中長期的・俯瞰的分野横断的な課題に関し、時宜を得た質の高い科学的助言を行う機能等を抜本的に強化することとしまして、日本学術会議を国の機関として存置した上で、活動や運営の透明化、ガバナンス機能の強化を図るため、必要な措置を講じていただくことといたしました。
 見直しのポイントでございますが、「方針」の主な内容は、お配りした資料のとおりでございますので、見ていただきたいと思いますが、まず、活動及び運営の透明性の向上、政府・産業界・社会等の対話の促進等を図るために、「期」を超えた中期的な活動方針を策定しまして、これを対外的にも明らかにしていただきます。
 次に、政府・産業界・社会等と問題意識等を共有しつつ、新たな分野・融合分野も含めて、中長期的・俯瞰的分野横断的活動を適切に推進できるように、必要な体制の整備を進めていきます。
 会員及び連携会員の選考につきましては、会員等に限らず、知見を有する外部の方々からも候補者となるべき者の推薦をいただく仕組みの導入や、選考について意見を述べる第三者委員会の設置などを行いまして、高い透明性の下で、厳格な選考プロセスが運用され、選考・推薦及び内閣総理大臣による会員の任命が適正かつ円滑に行われるようにしていきたいと考えております。
 このほか、日本学術会議の活動や運営について、透明かつ厳格な自己評価を行うなどの仕組みを整備するなど、所要の措置を講じていくことをお示しいたしております。
 今後、日本学術会議の意見も十分に聴きつつ、具体的措置の検討等を進めまして、会員の任期も踏まえ、できるだけ早期に関連法案の国会提出を目指していきたいと考えています。
 また、法施行後3年及び6年の目途として、日本学術会議の改革の進捗状況等を勘案しつつ、検討を加えまして、必要な場合には国とは別の法人格を有する独立した組織とすることも含めて、より良い機能発揮のための設置形態及び組織体制の在り方について、検討することといたしております。
 今後とも、十分に日本学術会議とは連絡を図りながら、事を進めていきたいと考えております。
 それから、3点目でございますが、本日「第5回物価・賃金・生活総合対策本部」が開かれました。その「第5回物価・賃金・生活総合対策本部」の概要について、一言ご報告申し上げます。
 本日の会議では、補正予算の成立を踏まえまして、各大臣から総合経済対策の迅速な実行に向けた準備状況等について説明がありました。総理からの発言については、お聞きいただいたとおりでありますが、各大臣に対しては、総合経済対策に盛り込まれた各施策を迅速かつ適切に実行するために、早急に準備を進めるよう指示がありました。
 また、私に対しては、補正予算の執行状況も含め、各省の施策の進捗管理を進めるようにご指示がありました。関係省庁と連携して、実施状況を丁寧にフォローアップして、総合経済対策の迅速かつ着実な実行に万全を期してまいる所存であります。
 ちょっと長くなりましたが、以上3点です。

2.質疑応答

(問)物価賃金生活総合対策本部に関連してお伺いします。足元で円高に振れて進んでいますけれども、今回の総合対策本部で為替についての議論はあったのでしょうか。
 また、円高で推移していることが、今後物価動向にどのような影響があると考えられるか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)本日の物価・賃金・生活総合対策本部においては、補正予算の成立を踏まえて、各大臣から総合経済対策の迅速な実行に向けた準備状況についての説明があったわけでありまして、為替についての議論は行われませんでした。
 それから、円高は輸入物価を低下させるということは、一般論としては言えることだと思いますが、その国内物価の趨勢への影響ということについては、今後の為替動向を予見することが困難ということもありまして、お答えすることは難しいと思います。
(問)学術会議の在り方の方針について伺いたいんですが、今回のこのペーパーを見ますと、政府と問題意識や時間軸等を共有しつつということで、国との連携をより強める方向に進めたいというふうな内容かと思うんですけれども、その一方で最後のほうで、別の法人格を有する独立した組織とすることも含めということで書いてあるんですけれども、国としての組織でそういった問題意識の共有を進める一方でありながら、別の法人格にすると逆方向になるような気もするんですけれども、なぜこういった別法人というのが出てきているんでしょうか。
(答)国と、例えば地球規模の課題等について、政策立案に科学的な知見を取り入れていく必要性から、十分に時間軸、問題意識を共有しつつ仕事をしていくということについては、これは中長期的・俯瞰的分野横断的な課題に対して、質の高い科学的助言をするということで、連携を図っていくということはご指摘のとおりです。
 改革のフォローアップの最後のところですが、ここを見ていただくと、必要があると認められるときは、国とは別の法人格を有する独立した組織とすることも含めて、最適の設置形態となるよう、所要の措置を講ずるとしています。
 「必要があると認められるときは」の意味は、本方針に基づく日本学術会議の改革の進捗状況、活動や運営の状況等を勘案しつつ、よりよい機能発揮のための設置形態、組織体制の在り方等についての検討を加えるということなので、どういう形で改革が進められていくのか、日本学術会議のほうも改革については、独自に報告も出されて検討されているわけでありまして、そうした実態を見て考えるということを申し上げているわけであります。
 ですから、3年及び6年を目途として、国とは別の法人格を有する独立した組織とすることを前提とした議論ではないということは申し上げておきたいと思います。必要があれば、そういうことも含めて議論をするということであります。
(問)関連なんですけれども、改革の内容で、ここでは「日本学術会議は独立して職務を行うことから、他の行政機関以上の徹底した透明性が求められる」というふうに書いてあるんですけれども、改革するにあたって、他の行政機関よりも徹底した透明性が求められるというところの根拠は、どれほどのものなのかちょっと教えていただけますでしょうか。
(答)6番のところですね。日本学術会議は、独立して職務を行うことになっています。国の機関で第3条で、国の機関ではありますが、独立して業務を行う必要があるということで、独立して業務を行うということであれば、しっかりとした独立性についての説明責任が問われているということであります。
(問)すみません、1点、別件なんですけれども、フリーランス保護法案のほうが、政府のほうで提出するというので、これまでおっしゃってこられたと思うんですが、国会会期末が近づいてきましたけれども、見通しについて教えていただけますでしょうか。
(答)フリーランス保護に関する法案については、現在、党でご議論をいただいているところでありまして、党で了承を得た上で、閣議決定をしていくということになるわけですが、いずれにせよ、働き方の多様化が進む中で、個人がフリーランスとして安定的に働ける環境を作ることは重要だと考えておりまして、取引関係の適正化・環境整備が必要だと考えておりますが、法案について、現在、党でご議論をいただいているところであると。党で了承を得た上で、閣議決定し、国会に提出する方針で臨んでおります。
(問)学術会議のことについて伺います。
 法制化に向けて、できるだけ早期に関連法案の国会提出を目指すということですけれども、任期も踏まえた上でということになっていますが、25期の会員の方、来年で任期が終わりますけれども、この早期の国会提出というのは、いつ頃のことを目指していらっしゃるのかということと、今月学術会議が、総会で構成方針について議論するとしていますけれども、この学術会議側の意見というのを、どういったプロセスで反映していこうというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
(答)まず、これまで日本学術会議が取りまとめた、「日本学術会議のよりよい役割発揮に向けて」も踏まえた上で、今回の方針というのは出しておりまして、日本学術会議の意見も聞いた上で作成しているものでありますし、今後とも日本学術会議の意見も聴いてまいりたいというふうに思っています。
 明後日、日本学術会議の総会もあります。そうした中で、梶田会長の談話にも、会議総会で説明も求めたいという談話もございますので、内閣府からこの方針についても、ご説明をさせていただくと考えております。
 それから、関連法案は、日本学術会議会員の任期が来年の秋までということでありますので、できるだけ早期に国会に提出したいと考えております。任期を考えますと、できれば次期通常国会での法案提出を念頭に置いて、必要な調整を図っていきたいと考えています。
(問)分かりました。あと1点だけ、すみません。この法改正は、日本学術会議法のことをおっしゃっているんだと思いますけれども、いろいろと方針を書いてありますけれども、どの部分において、法改正が必要になるというふうに考えたらよろしいでしょうか。
(答)ここの内容については、どういう点を改正していくのかということについては、今後また調整をしながら、具体化してお示しをしていくという状況でございます。
(問)ちょっと話題変わりまして、防衛費の関係のお話でございまして、昨日岸田首相が中期防を今後5年間で、27年までに43兆円とするように指示されまして、財源に関する検討を行うようにとおっしゃいました。これは結構財政の負担は高まってくるのではないかなと思うのですが、経済財政相として、財政への影響をどうお考えか、教えてください。
(答)防衛費につきましては、昨日、総理から、財務大臣・防衛大臣に対しまして、調整中の次期5年間の中期防の規模については、抜本的強化を進めるための必要な内容をしっかりと確保するために、与党とも協議しつつ、積み上げで約43兆円とすること。令和9年度以降、防衛力を安定的に維持するための財源、及び、5年から9年度の中期防を賄う財源の確保について、歳出改革、剰余金や税外収入の活用、税制措置など、歳出・歳入両面の具体的措置について、年末に一体的に決定すべく調整を進めることとの指示があったと聞いています。
 総理もおっしゃっているとおり、防衛力を恒常的に維持していくためにふさわしい、安定的な財源を考えていくことは重要であると考えておりますし、総理の指示に基づいて、防衛大臣・財務大臣を中心にこうした議論を進めているところと承知しています。
(問)学術会議の話に戻るんですけれども、ちょっと細かい点かもしれませんが、委員の推薦に、今後第三者の目とか、外部の会議とか、そういったものを設置されるというふうにあるんですけれども、具体的にどういった人とか、分野のものを想定されているのか、お考えをお聞かせください。
(答)この中にも書かれているとおりでありますが、選考過程で、会員等以外による推薦などの第三者の参画、ですから、これまでは学術会議の内部の方たちが推薦をするという形になっていましたが、第三者が推薦に参画をするということや、あるいは選考・推薦及び内閣総理大臣による任命が適正かつ円滑に行われるよう必要な措置を講じるということで、選考過程について、第三者の意見を聞いていくというようなことも考えられるのではないか。いずれにしても、具体的な内容については、これから検討していくということになります。
(問)本日行われました全国知事会との意見交換についてお伺いしたいんですけれども、本日意見交換されまして、感染の抑制に向けた緊急提言ということで知事会から、感染症の受け入れに対する財政支援ということで、緊急交付金の対象に協力金を含めるといったことや、全ての医療機関への病床確保量を速やかに同交付金の対象にするといったことが要望として出されたと思うんですけれども、大臣としてこれらの要望に対する受け止めをお伺いしたいです。
(答)例えば、物価の関係の対策だとか、こういうのは臨時交付金で対応をできるということになっていますし、例えば病院だとか、介護施設だとか、保育園だとか、こういうところについても、地方公共団体の対応については、交付金で賄えるということになっています。
 ですから、そういう意味で交付金による対応ということは、可能だと思います。地方公共団体、知事会からのご要望の中で、話が出ていた中に、例えば感染症法上の分類が変わったようなときに、現行法から言うと、例えば国の財政支援がなくなるような建て付けの制度等もあるけれども、そういうことについての今後の検討もしてほしいという要望もありました。
 そうしたことについては、今後どういう対応になっていくのか、検討するということでありますが、交付金ということについて言えば、物価のほうの6,000億の分も本体のほうも、これまでと同様、交付金で対応できるということであります。
(問)分かりました。ありがとうございます。
 すみません、関連なんですけれども、今5類から2類のお話ありまして、おそらく知事会のおっしゃられていたのが、ワクチンの接種の負担ですとか、そういった関連かなと思ったんですけれども、そういった認識でよろしいでしょうか。
(答)はい、結構です。
(問)学術会議の関係なんですけれども、ちょっと繰り返しになって恐縮なんですが、選考と任命の部分で、第三者の参画というのがあるんですが、これは例えば、政府関係者とかが入りうる余地はあるのかということと、あと、「選考・推薦及び内閣総理大臣による任命が適正かつ円滑に行われるよう必要な措置を講じる」とある部分の、「必要な措置」というのは先ほどおっしゃったような、第三者の意見を聞くというようなことが具体的には考えられるという理解でよろしいでしょうか。
(答)まず、第三者の参画ということから言うと、これは政府という意味ではなくて、例えば一緒に共同して研究をしている経済界だとか、あるいは学者の団体だとか、そういう組織だとか、そういうよく連携を取っていくというようなことを念頭にしている、そういう団体、そういう第三者という意味であって、これは政府ということを考えているわけではありません。
 それから、「適正かつ円滑に行われるよう必要な措置を講じる」ということで、この内容については、これから検討していくということになりますが、先ほどもちょっと申し上げたように、選考のやり方とか、そういうことについて、第三者の意見を聞くような、そういう場等を検討するということは、あり得るのではないかということであります。
 それで、どういう持ち方をするのかとか、そういうことについては、今後学術会議とも相談をさせていただきながら、第三者委員会をどうしていくのかとか、そういうこともよく詰めていきたいと考えています。
 それから、これはあくまで今申し上げているのは、選考過程についての話でありますので、学術会議全体の業務・職務について申し上げているわけではありません。

(以上)