後藤内閣府特命担当大臣就任記者会見要旨 令和4年10月25日

(令和4年10月25日(火) 21:35~21:59  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 夜遅くなりまして申し訳ありません。このたび、「経済再生担当」、「新しい資本主義担当」、「スタートアップ担当」、「新型コロナ対策・健康危機管理担当」、「全世代型社会保障改革担当大臣」を拝命し、併せて内閣府特命担当大臣として経済財政政策を担当することとなりました。
 まずは足下の物価高騰など、経済情勢の変化に切れ目なく対応していくためには、予定どおり総合経済対策を取りまとめる必要があります。このため、認証式の終了後、早速、総合経済対策について岸田総理と打ち合わせをしてまいりました。今月中の取りまとめに向けて全力で取り組んでまいります。
 担当分野は大変幅広いものでありますが、主な分野について述べますと、新型コロナウイルス感染症対策についてでありますが、我が国におきましては幾度か感染拡大を経験する中で、科学的知見が蓄積されますとともに、保健医療提供体制の整備も対処能力を高める形で進んでおります。担当大臣として国民の皆さまのご協力をいただきながら、社会経済活動と感染防止対策の両立にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 新しい資本主義につきましては、本年6月に閣議決定をいたしました、「新しい資本主義のグランドデザイン、及び実行計画」に掲げた様々な取り組みをしっかりと実現をしてまいりたいと思います。
 環境問題、また格差の問題などの社会課題の解決を成長のエンジンへ転換をいたしまして、持続可能な成長を実現していきたいと考えています。
 その成長の果実を賃上げなどでもしっかりと分配をしまして、価格を正しく付けていきながら、実質賃金の確保も図って、さらなる成長へと好循環を推進していきたいと思っています。これによりまして分厚い中間層の形成を目指していきたいと考えています。
 全世代型の社会保障の構築についてでございますが、出生数が将来人口推計よりも7年程度早く減少するなど、少子高齢化、人口減少が加速する中で、社会保障の給付と負担のバランス、しっかりと見直しまして、「能力に応じて皆が支え合う」、そうした考え方を基本として、国民一人ひとりの人生のステージに応じた必要な保障をしっかりと確保してまいりたいと考えております。
 それから、TPP11協定についてでありますが、本協定は自由で公正な21世紀型の先進的なルールに基づく経済圏を形成するものでありまして、本協定を通じた自由貿易の推進や、デジタル化や環境問題の新しい課題への対処は、コロナ危機から経済回復においても重要であると考えております。
 そのため、引き続き未締結の署名国による協定の早期締結を促すとともに、英国の加入手続きについて、加入作業部会議長として各国と協力しながら対処をしていきたいと考えております。また、TPP11参加国間の協力を主導しまして、TPP11の着実な実施、およびハイレベルを維持した拡大に取り組んでいきたいと考えております。
 最後に旧統一教会との関係について一言申し上げたいと思いますが、私が知る限り、当該団体とは関係がないので、この際、明確に申し上げておきたいと思います。党の調査についても全項目該当はないということでご報告をさせていただいております。
 いずれにせよ、今後岸田内閣の方針をしっかりと順守し、当該団体と一切関係を絶つことを国民の皆さまに改めてお約束をしていきたいと考えております。
 岸田内閣の一員として丁寧に、そして一生懸命に取り組んでまいる所存ですので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)大臣、ご就任おめでとうございます。幹事社から2問ほど質問させていただきます。
 大臣が担当される仕事の範囲ですが、経済再生や新しい資本主義、そして新型コロナ対策など、非常に幅広く、かつ重要な案件ばかりですけれども、就任に当たっての抱負と、その中でも特にどの分野に力を入れていきたいか伺えますでしょうか。
(答)先ほど申し上げたとおりでありますけれども、早速、総合経済対策について岸田総理と打ち合わせをただいましてきたところでございまして、まずは現在、与党とも調整中であります「総合経済対策」を、予定どおり今月中にしっかりと取りまとめるべく全力を尽くしたいと考えております。
 この他にも新型コロナ対応、また新しい資本主義の実現、全世代型社会保障制度の構築など、いずれも国民の皆さんの生活に大きく影響を与える重要な課題であります。こうした多くの課題を担当することになりましたので、全ての課題に対して丁寧に、内閣の一員として一生懸命に取り組んでいきたいと思っています。
(問)2問目ですが、総合経済対策についてお伺いしますが、先ほど総理とお話をされてきたということですけれども、かなり長い時間お話をされていたようですけれども、今、焦点になっている電気料金ですとかガス料金の負担の軽減策などについて、何か具体的な話はありましたでしょうか。
 また、経済対策を取りまとめた後の補正予算に向けて、規模感とか財源などを含めて、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)まず総理からのご指示でありますけれども、喫緊の課題が物価高対策であるということで、「物価高・円安への対応」をしっかりすること、「構造的な賃上げ」に向けた政策をしっかり作っていくこと、「成長のための投資と改革」、この政策を作っていくこと。この3つを重点分野として取りまとめをしてほしいというお話がありました。
 電力料金をはじめとするエネルギー価格高騰抑制策、あるいは円安を生かした地方活性化や、半導体などの経済構造の強靱化、人への投資の抜本強化、スタートアップ、GXロードマップに基づく政府投資、DX、特に地方、マイナンバーカードの普及促進、子ども支援策の強化等について、しっかりと打ち出し方をよく考えて、国民の心に届く対策にしてほしいというご指示がありました。中身、規模についても国民に納得していただけるように、経済的な効果も勘案し、思い切った対策にしてほしいという、そういう総理のご指示でありました。
 対策の規模感ということでいえば、国民に納得していただけるような経済的な効果も勘案した、思い切った対策にしていきたいと考えております。
(問)就任おめでとうございます。よろしくお願いします。2点ございます。
 まず1点目が、総理は今日の官邸ぶら下がりで、後藤新大臣への期待について何点か挙げられたと思います。その中に新しい資本主義の具体化という表現で言われておりました。今の実現という言葉ですとちょっと分かりやすいんですけれども、新しい資本主義の具体化っていうと、国民にしてみれば、円安、物価高で暮らしが今、大変な時に、政権発足1年を過ぎてもなお新しい資本主義の中身が、実は国民にほとんど伝わっていないんです。従って国民は大きな不安を感じています。こうした状況について、大臣の率直なお考えをお聞きしたいと思います。これが第1点。
 第2点目はコロナ対策なんですが、前大臣と尾身会長らとがお二人並んでの会見というのが、我々の知る限りなくて、なんか距離感があった印象があります。後藤大臣でいえば、厚労大臣時に専門家組織と仕事をされてきたわけですが、内閣府にいらして第8波の可能性がいわれている中で、尾身会長ら、政府新型コロナウイルス感染症対策分科会との連携について、いかがお考えか。この2点をお願いします。
(答)まず、新しい資本主義についてでありますけれども、私は思うに、やっぱり適正なマークアップ率も含めた価格付けを行うことによって、物価高に見合った実質賃金の確保を図り、そして合理化をできる限りしていくべきでしょうけれども、飲み込めない分については、これも価格に反映させるというような形で、賃金や出入り業者の皆さんやベンダーの皆さんたちをたたいていくようなことをしていくと、なかなか好循環というのは生まれていかないと思っています。そういう意味での連続的な拡大策をしっかりと好循環という形でつくっていくこと。これがまず第1。
 第2としては、やはり非連続的な生産性の向上につながるイノベーションをしっかりと実現していく。そのイノベーションを実現していくためのイノベーションエコシステム、あるいはスタートアップ企業の支援、そうした具体的な内容によってイノベーションを進めていく。この車の両輪をしっかりとやっていくことだと思います。
 そのことによって、成長の果実を分配し、好循環につなげていくという新しい資本主義の姿が実現できていくのではないか。具体的な政策の対応をしっかりと進めていきたいと思っています。
 それから、専門家の皆さんとの連携でありますけれども、私はやはり専門家の皆さま方の科学的知見というものを大切にする必要があると思います。そういう科学的知見をしっかり踏まえた上で、どうした選択を経済活動の両立と感染対策、感染防止の対策をどういうふうに組み合わせていくか。そこは我々が政治の姿として政策決定をしっかりしていくこと。そのことをうまく組み合わせていくことが重要であると思います。
 科学的知見に基づかない決断は、これは科学的根拠がないわけでありますけれども、分析の上にどういう対策をしっかりと決断をしていくのか、そのことにしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
(問)経済財政運営の関係でお伺いしたいんですが、昨今、歳出圧力というものがかなり与党のほうから拡大していて、そこの財政規律をどう歯止めをかけるかというのは政権全体のテーマだと思います。その点、諮問会議が果たす役割というものは大きいと思いますが、この点、今後どう議題設定をしていって、どう諮問会議を活用していくのか。その点、今の大臣のお考えがありましたらお願いします。
(答)経済財政運営の基本としては、私は経済あっての財政だと思いますし、しっかりと必要な経済対応と財政健全化に取り組むということは、決して矛盾するものではないというのが基本的考え方です。
 そういう点からも、骨太方針、あるいは経済・財政一体改革を着実に推進していく。そのために経済諮問会議や関係の成長戦略だとか様々な会議を生かしながら、歳出全般にわたる無駄を排除しながら、大胆に重点化をしながら進めていくということが大切なのかと思っています。
(問)経済対策、またスタートアップの関係等々で伺いたいんですが、大臣、所掌範囲が非常に広くていらっしゃいますし、あと経済対策はもう月内に、また年内にはスタートアップの育成5か年計画ですとか、資産所得倍増プラン等々の取りまとめも迫っています。かなり広い範囲にわたって、期間も短いということで、大臣のお力をアンダーエスティメイトするわけではないんですけれども、大丈夫なのかなという心配がありまして、どのように取り組んでいかれるか、頑張ってくださるのか教えてください。
(答)いずれにしてもスタートアップの問題にしても、従来から経済対策だとか、あるいは税制だとか、あるいは新しい資金調達の仕組みだとか、そういったことについてしっかりと取り組んできましたし、また、私個人的にいえば、28年にまとめた第5期の科学技術・イノベーション基本計画の委員長もやっておりましたし、そういう意味では私自身のこれまでの経験も踏まえ、そして何より私一人がやるわけではありません。それぞれの関係者、専門家、プロのいろんなアイデアによく耳を傾けながら、それをしっかりとまとめ上げていくと。
 そういう形で全ての人たちの知恵を集結させる形で、そうした目標をしっかりと実現をしていく。そういう気持ちで進めていきたいと思っています。
(問)ありがとうございます。あと1点だけ確認をお願いいたします。冒頭のご発言でありました旧統一教会との関係の件なんですけれども、ご自身全く関係がないということでおっしゃっていたのですが、これは認識として、大臣の例えば秘書の方ですとか事務所の方ですとか、地元の応援組織ですとか、そういったところを含めて関係がないというふうにおっしゃっているという理解でよろしいでしょうか。
(答)そういう理解で結構です。
(問)今回の就任にタイミングについて、国会中に前大臣が辞任されて、それで今日就任ということで、なかなか異例なタイミングでの就任だと思います。このことについてどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。お願いいたします。
(答)山際前大臣の辞任された事情については、皆さんご承知のとおりであります。我々与党として、やはりしっかりと国民に対する説明責任を果たしていく、政治の信頼回復に努めていく必要があると思っています。
 少なくとも統一教会の問題についていえば、今後関係を絶っていくという政府の方針に従って、しっかりと取り組んでいかなければいけないと思っています。
 そして何よりも、やはり途中で大臣が代わるということになりましたけれども、先ほど経済対策の話はいたしましたけれども、年末に向けて、先ほどもご指摘があったように、どんどん進めていかなければいけない課題は大変に多いです。ですから、そういうことに向けて、ともかくひたすらしっかりと皆さんと一緒に知恵を出しながら、頑張っていきたいというふうに思っています。
 厚生労働大臣や社会保障制度調査会の会長や、あるいは全世代型改革の特命委員会の委員長で、この数カ月間、準備もしていたこともあります。そういったことも関係もありますし、先ほど関連でいろんな仕事をしてきたこともありますし、そうした自分の力も全面的に投入しつつ、しかし皆さんと一緒にやっていきたいと思っています。
 ともかく大臣が交代したことによる遅れを指摘されないように、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
(問)旧統一教会問題で1点、改めて確認させていただきたいんですが、過去の国政選挙で推薦確認書や、それに類する文書など、大臣のほうや、もしくは事務所のスタッフの方などが確認されて、あるいは署名とか、そういった事実はございますでしょうか。
(答)推薦確認書を提示されたことも署名を求められたこともありません。
(問)新型コロナの対応についてお伺いしたいんですけども、今後ウィズコロナの実現に向けた取り組みが本格化していくかと思います。先ほど大臣も国民の協力をいただきながらというふうにおっしゃられていましたけども、特別なものとしてこれまで扱ってきたコロナを、通常の病気として国民の理解を得るに当たっては、どのような難しさがあると考えられますでしょうか。また、その難しさの中で国民の理解を得るために政府が果たすべき役割について、お伺いします。
(答)具体的な話からいえば、今月13日にコロナ対策分科会で、今年の冬の感染拡大時にどういう対応をしていくのか、インフルエンザとの同時流行の点にどういうふうに対応するとか、あるいは新たな行動制限を行わない形で社会経済活動を維持しながら高齢者を守っていくという、そういう感染拡大防止策だとか、そうしたことについて具体的な提案をさせていただいています。
 そうしたことをしっかりと着実に実行していくことが必要だと思いますし、考え方として、できるだけ平時に近い社会経済活動が可能となるように取り組んでいきたいと思います。
 中長期的なウィズコロナにおける感染対策や保健医療提供体制の在り方についても、今後話を進めていきたいと考えています。
(問)細かい点ですいません。総理から入閣打診の電話は、閣僚呼び込みの電話の直前、本日午前にあったんでしょうか。
(答)総理からのご連絡は今日、朝ありました。

(以上)