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第104回 消費者委員会 議事録

日時

2012年11月13日(火)16:00~19:13

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、稲継委員、小幡委員、田島委員、
 夏目委員、細川委員、村井委員、吉田委員
【説明者】
消費者庁  長谷川消費生活情報課長
横浜国立大学  西村隆男 教育人間科学部教授
静岡大学  色川卓男 教育学部教授
独立行政法人国民生活センター  保木口相談情報部相談第2課長
水越相談情報部相談第2課主事
総務省  玉田総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長
小川総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課企画官
消費者庁  取引対策課担当者
全国消費者団体連絡会事務局  菅 いづみ
公益財団法人日本健康・栄養食品協会  加藤博 常務理事
健康食品産業協議会  関口洋一 会長
河原有三 副会長
名古屋文理大学  清水俊雄 健康生活学部教授
【事務局】
 原事務局長、小田審議官

議事次第

1.開会
2.消費者教育について
○説明者: 消費者庁  長谷川 消費生活情報課長
横浜国立大学  西村隆男 教育人間科学部教授
静岡大学  色川卓男 教育学部教授
3.電気通信事業者の販売方法に係る消費者問題について
○説明者: 独立行政法人国民生活センター  保木口 相談情報部相談第2課長
水越 相談情報部相談第2課主事
総務省  玉田 総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長
小川 総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課企画官
4.健康食品について
○説明者: 全国消費者団体連絡会事務局  菅いづみ
公益財団法人日本健康・栄養食品協会   加藤博 常務理事
健康食品産業協議会  関口洋一 会長
河原有三 副会長
名古屋文理大学  清水俊雄 健康生活学部教授
5.公共料金について
6.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:9KB)
【資料1】 消費者教育の推進に関する法律関連資料(消費者庁提出資料) 【資料2】 横浜国立大学西村教授提出資料 【資料3】 静岡大学色川教授提出資料(PDF形式:413KB)
【資料4】 通信関連サービスに関する相談の状況について(国民生活センター提出資料)(PDF形式:207KB)
【資料5】 電気通信サービス利用者の利益の確保・向上に関する取組について(総務省提出資料)(PDF形式:857KB)
【資料6】 健康食品の機能性表示に関する意見(全国消費者団体連絡会提出資料)(PDF形式:681KB)
【資料7】 機能性の表示について(公益財団法人日本健康・栄養食品協会、健康食品産業協議会提出資料)(PDF形式:254KB)
【資料8】 食品の健康表示制度と研究開発(名古屋文理大学清水教授提出資料)(PDF形式:770KB)
【資料9】 「食品の機能性評価モデル事業の結果報告」のポイント(PDF形式:382KB)
【資料10】 健康食品関連資料(参照条文及び参考資料) 【資料11】 消費者委員会 公共料金等専門調査会設置・運営規程(案)(PDF形式:63KB)
【資料12】 地方消費者委員会(大分)開催案内(PDF形式:228KB)
【参考資料】 委員間打合せ概要(PDF形式:85KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、始めさせていただきます。
 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会(第104回)」会合を開催いたします。
 本日は、所用によりまして、川戸委員が御欠席、稲継委員がおくれて出席の予定となっております。
 では、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

○原事務局長 配付資料を確認させていただきます。
 議事次第の裏の面に一覧を載せておりますけれども、資料1が、消費者教育の推進に関する法律関係の資料で、消費者庁から御提出いただいた資料です。
 資料2と資料3については、消費者教育についてのヒアリングということで、西村先生と色川先生から御提出いただいた資料です。
 資料4、資料5は、次の課題であります、電気通信事業者の販売方法に係る消費者問題についてということでの資料を用意しております。資料4が国民生活センター提出資料、資料5が総務省の提出資料です。
 資料6、資料7、資料8、資料9、資料10は、健康食品についてヒアリングを予定していまして、それぞれの発言者から御提出いただいた資料です。
 資料11といたしまして、消費者委員会のもとに公共料金等の専門調査会の設置を考えておりまして、その運営規程の案を示しております。
 資料12といたしまして、「地方消費者委員会」を大分で12月1日に開催する予定ですので、そのチラシをおつけしております。
 最後に、この間、11月6日に委員間打合せを行っておりますので、概要を載せております。
 不足がございましたら、途中でお願いしたいと思います。

○河上委員長 3時間ぐらいの長丁場になりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。

≪2.消費者教育について≫

○河上委員長 それでは、議題に入りたいと思います。
 初めに、「消費者教育について」であります。
 消費者教育推進法につきましては、本年8月10日に可決成立いたしまして、公布の日から6か月以内に施行されることになっております。現在、消費者庁と文部科学省を中心に同法の施行に向けた準備が進められておりまして、年明けにも「消費者教育推進会議」が発足することが予定されています。
 また、同法は、政府が消費者教育の推進に関する基本方針案を作成しようとするときは、消費者委員会の意見を聞かなければならないと規定しております。このため消費者委員会としては、消費者教育推進会議が基本方針案の策定に係る議論を開始するのに先駆ける形で、学識経験者、地方自治体、消費者団体等から、消費者教育分野における現在の取組み状況や課題についてヒアリングを行い、消費者教育推進会議の議論に反映させるための意見表明を行いたいと考えているところであります。
 本日は、ヒアリングの第1回目といたしまして、横浜国立大学の西村隆男教授、静岡大学の色川卓男教授にお越しいただいております。西村先生、色川先生におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、有識者ヒアリングに入ります前に、消費者教育推進法の概要や、これまでの取組み状況、今後のスケジュール感等について、消費者庁から簡単な説明をお願いしたいと思います。
 なお、説明時間は、恐縮ですけれども、5分くらいでお願いできればと思います。よろしくお願いします。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 それでは、説明を申し上げたいと思います。消費者庁の消費生活情報課長の長谷川でございます。どうぞよろしくお願いします。
 お手元に準備させていただいております、「消費者教育推進に関する法律の概要」という1枚紙が資料1-1、条文は資料1-2ということで準備させていただいております。
 まさに河上委員長よりお話がありましたけれども、今回の法律は消費者教育にとっては画期的な法律でございまして、8月に議員立法という形で成立いたしました。現在、私どものほうで政令の検討ということで、できましたらば年内に施行日を迎えたいと思っております。年明けに推進会議が設置できればというスケジュール感で、鋭意作業をしているところでございます。
 まず、法律の内容といたしまして、「目的」ということで1条に書いてございますように、今まで各分野個々にやられていた傾向がありました消費者教育を、総合的・一体的に推進することが、一つの大きな目標となっております。また、国民の消費生活の安定・向上に寄与ということ。
 定義の中で、第2条をごらんいただきますと、消費者教育について明確に規定されています。また、今回、特徴的でございますのが、「消費者市民社会」に向けた教育ということでございます。まさに消費者市民社会を構築するためにいかにして教育を行っていくか、という視点を明確に記載しているところでございます。
 まず、個々の消費者の特性、消費生活の多様性の相互尊重。自らの消費生活が将来に及ぼす影響、あるいは内外の社会情勢に与える影響を自覚して消費生活を送っていくことの重要性。公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画していくということで、被害者を守るとか、あるいは受け身ではなく、自ら社会形成に参画していくことの重要性がうたわれてございます。そうした観点からの消費者教育の重要性ということが、ここでうたわれています。
 基本理念といたしましては、まず、消費生活に関する知識を習得し、それ以上に、実践的な能力を育成するということで、行動に結びつけることの重要性がうたわれております。また、消費者市民社会の形成に参画し、発展に寄与できるよう積極的に支援するということで、その中の2つのアプローチといたしまして、体系的な推進、効果的な推進という内容になっています。
 体系的な推進ということでは、幼児期から高齢期までの段階の特性がそれぞれございます。それに配慮すること。効果的推進ということでは、消費者教育は、学校、地域、家庭、職域に至るまで、それぞれの場がございます。そうした特性にきちっと対応すること。それから、多様な主体間の連携もここでは重視されています。また、他の教育、環境教育ですとか、食育ですとか、国際理解教育、そうしたものとの有機的な連携も記載されています。
 今回、消費者教育の幅広い分野、主体ということを念頭に置いていますが、6条では、消費者団体、事業者・事業者団体の努力義務が具体的に記載されているところであります。
 右側をごらんいただきますと、特に行政側といたしまして、国と地方の責務の実施事項が規定されています。国でございますが、当面大きな柱になりますのは基本方針です。消費者庁と文部科学省が案をつくりまして閣議決定を目指すことになります。内容といたしましては、推進の基本的な方向、そして、その具体的な内容ということになろうかと思います。
 もう一つの大きな柱となっておりますのが、推進会議でございます。構成員の相互の情報交換、調整、基本方針の作成・変更に意見ということで、これは、こちらの委員会と同じような形で意見を伺うことになろうかと思います。委員といたしましては、消費者、事業者、教育関係者、消費者団体、学識経験者として、各分野の方が具体的に列挙されているところでございます。
 なお、政令を作成中でございますが、組織・運営については政令で規定ということになっています。
 同様に地方公共団体におきましても、それぞれの地域におきまして、社会・経済情勢に応じた形で消費者施策を策定したり、あるいは実施していく。消費生活センター、教育委員会、その他の関係機関との連携ということで、具体的な主体の参画が求められているところでございます。また、国の基本方針と同様な形で、地域における推進計画を、努力義務でございますが、策定することになっています。基本方針を踏まえた形になろうかと思います。
 また、推進会議に相当する形で地域協議会ということで、都道府県・市町村が組織していただくことをここでは記載されています。まさに地域の構成員ということで、消費者、消費者団体、事業者、教育関係者、消費生活センター等、地域におけるプレーヤーたちに入っていただくということが念頭にあろうかと思います。
 その下は、義務づけと努力義務ということで整理させていただいておりますが、各学校、大学、地域において、どういうことをすべきかといったところが記載されています。特に地域においては、高齢者・障害者への支援のための研修・情報提供ということで、これまで消費者教育のプレーヤーとして余り意識されていなかった民生委員の方々とか、介護士の方々とか、そういうところも法律にしっかりと記載されているところでございまして、ここも地域における消費者教育が期待されている分野ではなかろうかと思います。
 また、右のほうに書いてございますように、努力義務でございますが、教材の活用、調査研究、情報の収集ということで、国及び地方はこれについて展開していくということになっております。
 現在、各方面と政令について鋭意協議中でございまして、できるだけスピード感をもって施行を迎えたいと思っております。
 私からは、簡単でございますが、以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 引き続きまして、西村教授、色川教授から説明をお願いいたします。
 時間が短くて恐縮ですけれども、それぞれ10分程度ということでお願いできればと思います。
 では、西村先生からお願いいたします。

○横浜国立大学西村隆男教育人間科学部教授 横浜国大の西村でございます。よろしくお願いいたします。
 私からは、消費者教育の現状と、推進法が定められたことで、今後、どういうことを重点的に進めていかなければならないか、その辺りをお話しさせていただきます。短い時間でございますので、簡単な資料を用意させていただいたものは「消費者委員会メモ」とさせていただきました。
 なお、3つ目に入っています「消費者教育推進法の意義」という小さな論文でございますが、これについては、「消費者法ニュース」がこのほど発行されまして、年間2回出ているものでございますが、その93号に書かせていただいたものです。私以外にも、議員立法に当たって尽力なさった仁木先生ほか、何人かの方が書かれているものでございます。
 消費者教育は、長谷川課長からお話がありましたように、推進法ができたということで、今後、大きく変わっていく必要があるだろうと思っているところです。これまでの行政主導の消費者教育は、言うまでもなく被害未然の防止教育が中心でした。契約被害というのが、全国で80万件、消費者苦情相談の中心であることも事実でございます。
 消費者教育は学校教育に下りてきて、1989年以降のカリキュラムの中に一定程度入っているのは事実ではございますけれども、扱われている中身としては、契約、クーリングオフ、クレジット、多重債務といった問題。それを、知識としてある意味詰め込んでいくという中身になっていることも事実であります。
 今回の推進法は消費者市民社会の消費者をつくるということ。これは、これまでにない消費者教育の視点の大きな転換でございます。2004年に消費者基本法ができて、そのときに消費者教育を受ける権利というのが消費者の権利として基本的に定められたことは事実です。今回、消費者学習という面から見ますと、内向きといいますか、個人の能力アップということで、被害に遭わないという教育内容、学習内容を提供して学んできたわけでありますけれども、一歩進めて、被害をなくす、あるいは、社会に対して一定の貢献をしていくという大きな力の基礎を磨いていくというのが、今回の推進法の精神の中にはあるわけです。そういう意味では、社会参加についての学習機会がこれまで非常に不足していたということがあります。
 高齢者対応や地域見守りでは、もっぱら悪質商法対策になっていて、中長期的に自立した消費者育成の視点を大きく欠いていたという現実があります。また、学校教育では家庭科の比重が高いという現状もありました。一方で、民間団体の金融広報中央委員会をはじめ、そういった団体の努力も大きいところがあります。
 現在、消費者庁内部では、体系的プログラム研究会というのが開かれております。私はそこの研究会の座長を務めさせていただいています。昨年度の消費者教育推進会議、推進法ができる前の推進会議でございますが、そこで、消費者教育の体系化、要するに消費者教育はこれだというものをきちんと世に知らしむべしということで、その大枠はつくったわけですけれども、それをもっとわかる形、目に見える形で整理しようというのが体系化プログラムの研究会でございます。現在、2回の研究会をして、あす、3回目が開かれます。公開で開かれているものですが、これが12月中旬には終了することになっています。
 2枚目の資料は第2回研究会に提出された資料で、現在進行中のものはまだ公表されていませんが、あす、配付されることになるだろうと思います。商品等の安全、生活の管理と契約、情報とメディア、持続可能な消費と消費者の参画・協働という4つの分野。このうち、持続可能な消費、あるいは消費者の参画・協働というところを新しい考え方として、これを全体の中軸に据えるということで、左から右へライフステージとしまして、幼児期から成人期、高齢期に至る間にどういうものを学んでいったらいいのかということ。言ってみれば消費者教育のイメージマップをつくり上げるという作業を、今、やっているところです。
 具体的にこれをどういうふうに活用するか。学校や地域で活用していくか、団体が活用していくかというようなことを、体系的プログラム研究会で急ぎ研究をしているところでございます。
 レジュメに戻りますが、今後の重点的な課題として推進法の早期施行が求められると思います。8月22日に公布され、特に地方が、基本方針待ちという話もしばしば聞くところでございます。基本方針もまだ定まっていないという状況でございます。これは、消費者庁内部で検討が進められているだろうと推測はしますが、急ぎ実施をしていただかないと、予算執行等にも影響が出るのではないかというふうに思います。
 同時に、推進法の理念が肝心でしょう。推進法ができたということで、何も変わらないということではございません。特に消費者教育の推進が国の責務になった、地方公共団体の責務になった、消費者教育に関する施策の実行、あるいはこの後、色川先生から御説明があると思いますが、地方が協議会を実行していくことになるわけです。そういったことで、推進法がどう変わったのか、消費者市民社会の考え方あるいは消費者参加の考え方を、より確かな理解を浸透させていく必要がある。そういう意味で言うと、やはり推進法というのは大きな力になっていくべきものだというふうに思います。
 そのためには、中央のリーダーシップが必要であると思っています。それから、基本方針を策定する上において文科省との調整は欠かせないわけです。既に文科省からは「消費者教育フェスタ」という形の案内が、各大学あるいは教育委員会等に参っておりますが、推進法に関する各セクションに対して、どういうふうにその浸透を図るべき文書等が流れているのか、まだつかんでおらないところです。もう少し積極的に消費者庁の働きかけを期待したいと思うところです。
 推進会議の早期開催、そして、実質化ということがカギだろうと思います。新年早々に開くというお話がありますが、どういう形のものにするのか。推進法本文中に書かれているものは、どうも意見の交換、情報交換という中身に限られているように思われるところもありますが、消費者教育推進を実質化するための議論がそこで展開されるような役割を期待するところであります。
 もう一つ、福祉関係者との連携は、今回の推進法の一つのキーポイントであります。高齢者の消費者被害の防止あるいは被害の拡大防止という観点から、社会福祉士、ヘルパー、介護関係の福祉の専門職の方々、こういう方々に消費者問題に対する十分な理解をしていただくと同時に、第一発見者になっていただく。あるいは、消費者教育の担い手になっていただくことは非常に重要な位置づけであると思います。そういう意味では、積極的な連携ができる必要があるだろうと思います。
 また、人材の育成であります。相談員の方は、消費者被害の相談については非常に見識を持っていらっしゃる。たくさんの経験を持っていらっしゃいますが、それをただ単に消費者教育活動として展開するのではなく、さらに社会参加という、将来の持続可能な社会をつくっていくための担い手となるべき消費者をつくり上げていく。だまされる消費者だけが高齢者ではありません。元気な消費者、社会に役立ちたい、貢献したいという元気な高齢者はたくさんいるわけです。そういった方々に対して、地域での活躍の場を開拓するような働きかけも必要だろうと思います。
 最後に、ポータルサイトであります。これは、体系的プログラム研究会の中でもしばしば話が出ます。ポータルサイト、つまり、教材のリソースなどを集めた消費者庁のホームページのサイトがありますが、残念ながら、とても十分活用できるようなものにはなっていない。学校の先生であろうと、相談員であろうと、さまざまな場に消費者教育を展開しようとする方が、アクセスをしてすぐに活用できるものでなければなりません。被害の事例が出てきたり、教材が出てきたり、あるいは、実際にこんな働きかけをすればこのような実践に結びつくとか、ワンクリックで次々に階層性のある情報が引っ張り出せるような有益なポータルサイトをつくってこそ意味があると思います。そういう意味ではシステムの構築が重要だと考えています。
 駆け足で申しわけありません。以上、説明とさせていただきます。ありがとうございました。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、色川先生、お願いいたします。

○静岡大学色川卓男教育学部教授 それでは、お話をさせていただきます。
 私は、地方消費者行政の実態についてここ10年ほど調べておりまして、その中で消費者教育啓発についての検討もしております。
 まず地方消費者行政による消費者教育施策の実態について説明させていただきます。時間もないようですので、資料3、1ページをごらんいただきたいのですが、データが古くて申しわけありません。政令市については、2007年度の調査、人口20万以上の都市の非政令市を調べたのが2009年度の実態調査、こちら2つをうちの研究室で調査しましたので、その結果を持ってまいりました。消費者教育施策として挙がっているのは、これは学校に対する消費者教育施策です。以下の6つの項目を挙げまして、実施率を検討いたしました。
 2ページ目をごらんください。消費者教育施策の実態ですが、人口規模別に見ますと、出前講座が特に多いのがわかります。特に政令市は多いですけれども、あと、教諭研修、資料配付等ございます。出前講座に関しましては、特に政令市は多いのですが、その事例の多くは高等学校、専門学校で、小・中学校に行っている例は少ない。また、授業にかかわる形での出前講座というよりも、体育館とか講堂に集めて、卒業前の生徒さんにお話をまとめてするみたいな形が多いと思います。
 また、出前講座をやっているか、やっていないか伺ったのですが、回数の問題がございます。下のほうの表をごらんください。回数で見ますと、実は中央値だとゼロになってしまいます。政令市は10回ぐらいはありますが、ほかの都市だとゼロになってしまう。
 次の3ページ目をごらんください。箱ひげ図で見たほうがわかりやすいかなと思って持ってきたのですが、これが何が言えるかというと、ものすごくやっているところと、やっていないところの差があることがはっきりわかります。小都市、中都市、大都市と私は分類しましたけれども、こういう都市レベルだと、同じような人口規模でありながら、かなりの格差が見られます。
 また、教員に対する研修会等は、政令市などは5割ぐらいやっていると言われていますけれども、このときはまだ活性化基金が余りなかったころでもあったのかもしれませんが、参加メンバーも1桁ということで、実際なかなか来てくれないという話をしているところが結構多かったということです。やっているけれども、なかなか浸透はしていないということがどうもあったようです。
 教材等の配布に関しましても、これは、消費者行政部局がいろいろかかわってつくったものですけれども、全部で20自治体ぐらいでありましたが、1種類つくっているところは7割ぐらいで、小学校が中心につくられています。これも実は問題があるのですが、それは後でお話しします。
 4ページ目をごらんください。これは消費者教育施策の項目該当数ですが、6つの項目を挙げましたので、そのうち幾つ該当しているかを挙げたものです。非常に簡単なものですが、こちらで見ますと、6項目のうち5項目が挙がっている都市が2都市ほどありました。実は歴史的には1980年代の半ばぐらいからこういう動きをしておりまして、長年にわたってそういう蓄積があったところだという理解をしていいと思います。しかし、全く何していない都市は、政令市は少ないですけれども、大都市でも2割、小都市では半分ぐらいは実は何もしていない。1項目だけ挙がっている都市は、そのほとんどすべてが実は出前講座レベルだというように考えられます。
 つまり、地方消費者行政による学校における消費者教育に対する施策の取組みに関して言うと、政令市でも全くやっていないとは言いませんが、少しです。ごく一部の自治体に取組みが見られるだけで、大多数は出前講座程度の取組みにとどまるだろうと。また、出前講座も地区によって、同じような人口規模でさえかなりの格差が見られるということがわかります。
 次に、地方自治体の消費者行政部局と教育委員会の連携にかかわる諸問題ですが、こちらについてデータを持ってまいりました。2006年に当時の内閣府と文部科学省がまとまって、都道府県や政令市に対してそういう通知を出しています。その直後に、政令市に私たちは調査に伺ったのですが、そのときは設置しているのが4割程度。特に現場の先生方も入っているのは2つの自治体しかなかったということで、半分以上が協議会さえつくれていないというのが実態でした。
 特にヒアリングしたときにわかったのは、教育委員会との交渉がうまくいかないということをよく自治体の方々はおっしゃっていました。ですから、内部での調整がなかなかうまくいかないということがわかります。
 また、これは2009年ですけれども、同じような調査を主要都市でした調査です。協議会形式ができているところはほとんどなくて、現状ではほとんどとれていないところが多いことがわかります。
 先ほど、教材をつくるという話をしましたけれども、現場とかかわって教材をつくっていればいいのですが、例えば消費者行政部局が自分たちでつくってしまうことがあります。というのは、教育委員会あるいは教育関係者になかなか協力が得られない。ですから、こちらで原案をつくって、基本的なものを全部つくった上でお渡ししていることもあります。6ページに出ていますけれども、教材を作成している15の自治体というのは、小都市、中都市、大都市ですけれども、こちらの都市の中で教材作成の委員会を立ち上げているのは3自治体しかなかった。つまり、実際は行政部局が自分たちでつくって、自分たちで頑張っているということが実情であります。
 課題2に対する結論は、政令市においても協議会がなかなかつくれないというのが現状です。つくっても、形ばかりになっているところがあるという話を伺っております。ですから、果たしてどこまでこういうものをつくる意味があるのかということは常に問われている問題だし、今度、消費者教育推進法の中で地域協議会というのがありますけれども、どういう形にすると一番実効性があるのかという問題は、まだ答えが出ていないだろうと思っています。また、それより小さい規模、政令市ではない規模の人口20万以上の都市では、ほとんど例外的なかかわりしかないということで、連携そのものがそもそも難しいというのが実情としてあるようです。
 実際に連携がとれているところ、事例は少ないですけれども、私たちもヒアリングして伺ったところによると、センターの片思いと言うのでしょうか、センター側が一生懸命努力して、やっとつながっているという形をとっている場合が多いというのが6ページの下のほうの言葉に出ています。
 なぜうまくいかないのかということですが、7ページをごらんください。私は3つ壁として書いてみましたが、1つは教育委員会の壁、2つ目が教員の壁、3つ目がセンターの壁というのが考えられます。教育委員会の壁というのは、簡単に言いますと、消費者教育は、何とか教育、何とか教育の一つだろうと。今、学校現場も忙しいから、なかなかそれは無理なんだという話をされる場合が多いのが教育委員会です。
 教員の壁というのは、今の学習指導要領ですと家庭科の先生が消費者教育の中心にならざるを得ないと思いますが、消費者教育にそもそも興味関心が低い場合が多いということがわかっています。
 センターの壁というのは、これは消費者行政部局の問題ですが、職員数の問題、職員の能力の問題、過重負担です。センターそのものは、もともと、啓発、被害防止というのを中心にやってきましたけれども、学校の消費者教育となるともう少し幅が広いので、なかなか人手が足りないということで、かかわりにくいという問題があります。
 ただ、学習指導要領が改訂されて、そのせいで家庭科の先生方も、もっとやらなければいけないのではないかというように考えるようになってきたというのが、最近、調べてわかったことです。また、先ほど西村先生からお話がありましたが、消費者教育推進法ができたおかげで、地方自治体の中でどこか消費者教育推進法にかかわる部局が必要です。今のままだと、消費者行政部局が担当部局になる可能性が高いだろうと思います。そうすると、そこの人たちが、仕事が新たに増えたということを認識すれば、何かやらなければいけないのかなと考えると思うのです。そういうように少しずつ動きはあると思っています。
 対応策をここに簡単に挙げさせていただきましたが、例えば教育委員会に対しては、別に新しいことをやってくれということではなくて、小・中学校の家庭科において「身近な消費生活と環境」という領域ができていて、そこの領域の教え方が足りないのではないか。だから、その辺を何とかしてほしいということがいえるだろうと思います。
 きのうでしたか、消費者庁から「消費生活に関する調査」というのが出ていまして、それを見ると、消費者教育を受けたことがないという人が結構回答がありました。年齢層はわかりませんけれども、恐らくそういうことが多いのではないか。つまり、受けているかもしれないけれども、受けていないと答えてしまう状態が現実だと思いますので、そこを何とかしてほしいというとらえ方が一つです。
 教員の壁というのは、研修などを本人の自由意志でやってしまうとなかなかうまくいかなくて、やはり、いわゆる出張扱いということが必要だと思います。
 センターの壁に関しては、センターの職員さんが一人でできなければ、周りの地域のそういうものにかかわる人たちがセンターに協力することで、その分を支援していくことで進めることができるのではないかというふうに考えます。
 最後に一つだけ申し上げたいのは、8ページ目ですけれども、学校現場の消費者教育に関する調査というのは、国レベルで言うと、2001年に内閣府がやられた、高校の家庭科、社会科、公民科の先生方に対する調査でありまして、それ以来、実はちゃんとやられていないのです。これはきちんとやるべきです。実態をきちんと把握する。個々には実態についていろいろ調査は私もやりますけれども、しかし、規模も、何せお金もかけられないし、もっともっと調べなければいけないことがあると思います。きちんと調べた上で、実効性のあるプランを進めていただければと思っております。
 以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
 吉田委員、どうぞ。

○吉田委員 御説明、ありがとうございました。色川先生と西村先生にお伺いしたいのですが、消費者教育の実効性を高めていくのに、地方が相当意欲的に取り組まないといけないだろうというふうに思っていまして、消費者教育の推進役となるキーパーソンのような者がいないと、なかなかうまくいかないと思いますし、全国でムラができてしまうのではないかという感じもしております。
 地方において消費者教育をしっかりやるために、どの部署がどういう働きをしたらうまくいくか、何かアイデアがあれば是非教えていただきたいのが一つと、そうなってくると、今度は国と都道府県、市町村、それぞれの役割分担も必要になってくると思います。役割分担について、何か案があれば教えていただけないかと思います。

○河上委員長 それでは、西村先生からお願いします。

○横浜国立大学西村隆男教育人間科学部教授 御質問、ありがとうございます。昨年度の推進会議のところでも出ていた話として、地域にコーディネーターを置く必要があるだろうという話がありました。先ほど色川先生の御説明の中でもありましたけれども、今回、推進法ができまして、その結果、特に学校の教員に対しては、国及び地方公共団体が、11条の2項で、経験等に応じて消費者教育の研修を受けなければならないと義務づけ規定ができたわけです。所轄は教育委員会ですから、教育委員会が教員研修のプログラムをつくる。しかし、これまでやっていないところはノウハウがないわけでございます。
 一方で、先ほど片思いというお話がありましたけれども、消費者センター側はこれまでに幾つかのノウハウを持っている。そこがうまくつながらないとスタートできないということになります。やはりそこで必要なのは、これまで中心にやってきた方々、あるいは人物、地域消費者教育推進の要になるキーパーソンというか、コーディネーター、こういった方を地方自治体の中で、任命と言うのでしょうか、どういう形かちょっとわかりませんが、そういう任を担う方を選出していただいて、つなげていくということが必要なのではないかと思っております。

○静岡大学色川卓男教育学部教授 私も西村先生と同じ意見ですが、地域のつなぎ目として私が考えていたコーディネーターというのは、消費者教育推進会議が出したものとちょっと違いまして、例えばセンターにそういう方を置いておいて、その人が学校現場とかかわるという形です。学校現場もよくわかっている方をセンターに置くことで、お互いのかかわりをうまくつくれるのではないかということが一つです。
 それと、各市町だとやはり規模が小さいので、なかなかそういう人材はいないだろうと思います。そういうレベルは、県とか政令市レベルだったら設けることは可能だろうと。さっき役割分担の話がありましたけれども、そういう役割を県レベルが担うことはとても重要だろうと思っております。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
 夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 消費者庁にお伺いしたいのですけれども、ただいま、西村先生と色川先生のお話がございまして、現状は消費者教育を進めていく上で、地方では、とりわけ教育委員会との連携が大変難しいという実態のお話があったわけでございます。法律のところでは、地方は、推進計画も地域協議会も努力義務です。そうすると、核になるものがなかなかできてこないのではないかとマイナスの推測をしてしまうのですけれども、そういったところを消費者庁としてはどのようにお考えでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。

○河上委員長 消費者庁、お願いします。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 消費者庁といたしましても、努力義務ということではありますが、各自治体、都道府県・市町村においては、まず協議会を設置していただく。あるいは、推進計画を策定していただきたいと思っています。文部科学省と連携しながらというのはもちろんですけれども、一つの考え方としては、恐らく基本方針というのを踏まえてそれぞれつくられると思いますが、その基本方針を策定する際に、各自治体さんの声とかそういうものを聞きながら、それを踏まえて推進計画はつくられますので、基本方針をうまく活用していただけるような形で、余りハードルが高くならないように。ちょっと語弊があるかもしれませんけれども、円滑に推進計画ができるような形のものを念頭に置いて策定するのは、一つ、考えられるのではないかと思っています。
 あとは、文科省とも連携して、まさに自治体のことですので、地方自治という観点で国から何か強制というのはできないところはありますけれども、そこは、先ほど先生方からお話がありましたように、教育委員会のところが問題というところがあれば、そこに対する改善策といいますか、そこは文科省と一緒に考えてみたいと思っています。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
 細川委員、どうぞ。

○細川委員 消費者教育の充実というのは昔から必要性が言われていて、いろいろなところで調査をされていて、いいものも出ています。ただ、分析して終わり、何か提言して終わりというところが非常に多くてなかなか進んでこなかった。だからこそ我々は、しっかり我々のミッションとか理念を訴えるものが必要だということで運動をしてきて、この法律ができたわけです。ただ、この法律自体、例えば消費者教育推進会議についても具体的なところは政令に委ねている部分がありまして、このままでは、本当に消費者教育を推進する体制ができるのかという危惧を我々は非常に強く持っています。そういう意味で言うと、消費者庁、文科省はしっかりやってもらいたいと思います。
 法律は、消費者教育について消費者委員会の関与についてもうたっているわけですから、我々は推進法ができてからもしっかり見ていく必要があります。推進法ができる前の政令をつくる段階も、今、消費者庁では内閣法制局と詰めながら、あるいは文科省と相談しながら政令をつくっていると思いますが、これのつくりようが非常に重要だと思いますので、その辺も消費者委員会で、確定する前に意見表明できるような機会を設けてほしいと思います。

○河上委員長 この意見については、消費者庁さんのほうで今のスケジュール感というようなものはございますか。

○消費者庁長谷川消費生活情報課長 今、まさに法制局と詰めているところでございます。スケジュール感と申しますと、施行が年内早めに行われるように、そういうタイミングでやっていますので、12月には施行したいと思っています。ですから、それに間に合うような形で閣議決定を行いたいと思っています。
 オープンな場で政令について御議論していただくというのは、なかなか難しいかと思いますけれども、いただいた意見については、こちらとしてもしっかり検討してまいりたいと思っています。

○河上委員長 今、細川委員から話がありましたけれども、施行令を政令レベルで問題をつくろうとしている段階で、委員会からお話ができる機会があればありがたいということですので、その辺も御配慮いただきますよう、よろしくお願いしたいと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。
 細川委員、どうぞ。

○細川委員 具体的なアイデアの話ですけれども、先ほど、色川先生から壁というお話がありましたが、本当に消費者行政と文科省の壁があって、なかなか我々の思いが向こうに伝わらない。それが今回、打破されるということを期待するわけですけれども、それも、うまくコラボレーションいくのかなというふうな感じがします。
 前に私はほかの場で御紹介したことがあるのですけれども、イギリスに、
Citizens Advice Bureau(市民助言局)という、まさに日本の消費生活センター的な組織があります。それがどのくらい全国に数はありますかと聞いたら、2,000あるとか、3,000あるという言い方をしたんですね。どう考えてもそんな数がないので、不思議だと思って聞いてみたら、例えば病院だとか、刑務所だとか、学校内にCitizens Advice Bureauがあると言うわけです。まさにテンポラリーに、例えば高校の中に消費生活センターをつくってしまう。
 実際にはどこか空き部屋を使って、1週間に1回ぐらい看板をかけて、何でも相談があれば応じてくださいみたいな、多分そんなようなイメージだと思うのです。まさに入り込んでいって、そこに消費者問題、消費者行政の拠点をつくって、そこで輪を広げていく。できればそこに何らかの教育に関する権限を与えて、その学校内での消費者教育のプログラムづくりを消費者行政が一緒に手伝って、高校内でそういうものをつくっていく。あるいは、そういうことに関心がある生徒を集めて何かやるとか、ドラスティックというか、柔軟な発想でそういうものを展開できないか。モデル校みたいなものをつくってもいいと思いますし、是非そんなことも消費者庁は検討していただきたいと思います。

○河上委員長 御意見ということでうけたまわりました。
 西村先生、どうぞ。

○横浜国立大学西村隆男教育人間科学部教授 消費者委員会に要望、というのもおかしいですけれども、推進法で私が一番気になっているところは基本方針というところでございます。9条で、消費者教育の推進に関する基本的な方針を政府が定めるということになっているわけですが、基本方針がこの法律では白紙なんですね、言ってみれば。それがどういうものなのかというのが全く私どもに見えない、という大きな問題点を抱えた法律でございます。
 特に、推進法では消費者教育の推進に関する基本的な方向を定めるということになっております。例えば1月に推進会議ができて、それから考えるのか、あるいは今、既にその骨格ができているのか。全く聞こえてまいりません。そういった中身について、むしろ消費者委員会さんのほうから積極的に働きかけをしていただいて、こういう方向がむしろ重要なのではないかということを示唆するような動きをいただければ、大変ありがたい。文科省と協力してということも中に盛り込まれていますが、若干心配をするところでございます。

○河上委員長 ありがとうございました。
 本日も宿題がいっぱい出てなかなか大変です。消費者教育啓発につきましては、これまで、行政、消費者団体をはじめとして、民間団体においてかなり地道な活動が続けられてきたところでありますけれども、今回の消費者教育推進法の成立を契機として、体系的あるいは継続的な教育啓発活動に発展していくことが望まれるところであります。その際の基本的な道筋というか、方針について、推進会議自身の中でもいろいろ議論はされると思いますけれども、消費者委員会としてもさらに検討していきたいと思います。
 消費者教育の推進を通じて消費者市民社会の転換という大きな目標を実現していくためには、消費者団体とか、地域社会とか、個々の消費者等の自発的な活動に期待するだけではだめで、消費者庁あるいは文科省をはじめとする政府が密接に連携して、それこそ責任を持ってその推進をしていくことが必要です。政令に委ねられている部分が余りにも多くて、中身が余りはっきりしないのですけれども、今後、そうしたフォーラムとかステージをつくるのは、これは別に地方に何かを命ずるというのではなく、地方が活動しやすいように環境整備をしていくということですので、あくまで国の一定の責任のもとでやらないと、絵に描いた餅になりかねません。その意味でも、西村先生から推進会議の実質化というお話がありましたけれども、是非、実現に向けていい議論を続けていただきたいと思います。
 消費者委員会としては、次回の委員会におきまして、消費者教育啓発に実際に取り組んでおられる地方自治体、消費者団体からさらにヒアリングを行った上で、委員会としての意見をまとめていきたいと考えております。
 西村教授、色川教授、消費者庁におかれましては、大変お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。

≪3.電気通信事業者の販売方法に係る消費者問題について≫

○河上委員長 続きまして、「電気通信事業者の販売方法に係る消費者問題について」ということでお願いしたいと思います。
 電気通信事業者による、インターネット通信サービスや移動通信サービス等の販売方法については、全国の消費生活センター等に消費者からの相談が多数寄せられています。このため、去る10月30日の第103回委員会では、福岡市及び消費者支援機構関西にお越しいただきまして、電気通信事業者による勧誘方法や契約解除手続等に係る問題点について、御説明をいただいたところであります。
 本日は、国民生活センターより、本件について実際に消費者から寄せられた相談の件数、あるいは典型的な相談例を御説明いただき、電気通信事業の監督官庁である総務省から、これらの実態を踏まえた現在の取組状況等について御説明をいただき、議論を行いたいと考えております。
 なお、本日は消費者庁にも陪席をいただいておりますので、必要に応じて、質疑への対応をお願いできればというふうに思います。
 それでは、まず国民生活センターから御説明をお願いいたします。
 なお、説明時間は、恐縮ですけれども、5分程度でお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○国民生活センター保木口相談情報部相談第2課長 本日は、ポイントを絞りまして、通信関連サービスに関する相談の状況について、相談の件数の推移から御紹介させていただきます。
 PIO-NETに入っております通信関連の分類としまして、インターネット接続回線、固定電話サービス、携帯電話・スマートフォン、モバイルデータ通信と4つに分類できますが、それぞれ分類ごとに異なった傾向を示しておりますので、資料では、それぞれ分類ごとに件数と傾向をグラフにお示しいたしました。
 ただ、全体としまして、いずれも相談件数は増える傾向にございます。各サービスの販売購入形態はそれぞれ異なるのですが、販売方法としまして問題があるものとしますと、どのサービスにおきましても、電話勧誘販売と訪問販売が突出していることがおわかりいただけると思います。
 これについては、各グラフの下に棒グラフにしてございますが、紫色の部分と薄い水色の部分、「販売方法」という右から3つ目の部分は、(1)でも、(2)でも、すべてで多くなっているというふうにごらんいただけると思います。
 特にモバイルデータ通信においては、(4)になりますが、絶対数としてはさておき、電話勧誘販売に関しての相談件数の伸びも、大変多くなっており、これは見過ごせないと感じております。
 相談件数の推移の部分についてはグラフを見ていただくとしまして、4ページに移りまして、相談内容に移らせていただきます。
 相談内容におきましては、各サービスの相談を内容キーワードに応じて分けたものが、この下の表です。「解約全般」、主に解約に関する相談に関しては、どのサービスにおいても大変目立っております。ただ、固定電話以外、携帯・スマートフォン、インターネット回線、モバイルデータ通信、こういったところでは、「解約料」に関する問題も上位に入っています。解約料としましては、通常2年縛りと言うのでしょうか、そういうしばりがあるのですが、消費者のほうでもそちらを十分認識していなかったとか、あるいは、事業者の説明が足りていなかったのではないかというような相談も多く見受けられました。
 次に、販売方法に関するものとしましては「説明不足」です。このほか、店舗購入されることの多い携帯・スマホ以外のものでは、「強引」ですとか、「虚偽説明」といったことも目立っております。
 そういう全体的な状況を踏まえていただいて、(2)で具体的な相談事例に移らせていただきます。マル1とマル3に関しましては、高齢者に不必要な契約を勧めているというものです。ただ、マル1のほうは光回線、インターネットの接続回線であり、マル3のほうは光電話、固定電話の関連の相談になっております。相談の中身としましては同じような形になっておりまして、不必要だということで断っても、その後、よくわからない説明をどんどんされて、半ば押し切られるような形で契約に至っているという特徴が見られます。
 2つ目としましては、光回線とプロバイダの例を挙げてございます。こちらは、よくあるものとしまして、「今までの契約よりも安くなる、工事費も無料である」。いわば、あなた自身には何のデメリットもないというニュアンスで勧誘されるのですが、実際、料金体系は各家庭の利用事情などによっても異なりますし、大変複雑になっています。そういうこともありまして、この方の場合ですと、月々の利用料が実際は1,000円高くなることがわかった。安くなるどころか高くなってしまった。また、工事費は無料であるはずだったのに、分割で月々の利用料金の中に含まれていたというものです。これでは話が違うということで解約したいと伝えたら、解約料が発生すると言われたということで、解約料にも納得できないというものでした。
 マル3に関しても少し補足しておきます。ここでもやはり安くなるということだったのですが、確かに電話代はもしかしたら安くなったのかもしれないのですが、インターネット回線を使用することになりますので、結果的にインターネット回線の使用料金がオンされる。この相談者は、その部分を理解されていなかったというものでした。
 マル4としましては、スマートフォンの問題です。携帯とかスマートフォンでは早期故障に関する相談が目立ちますが、この場合、不具合が原因で解約するのに中途解約料がかかることに納得できないというものです。このように、解約料に関する相談はこういう形でも発生しております。
 次が、口頭だけで契約になってしまったことによるトラブルです。こちらに関しては光回線を今も使っている人ですが、それを解約して乗りかえればもっと通信料を安くできるという説明でした。電話口で30分くらい話を聞いた。でも、やはりよくわからないので、書面が欲しいというふうに伝えたら、この電話で契約してくれないと通信端末料が無料にならないと言われ、結果的に契約してしまったというものです。
 このような契約の内容に関して、口頭だけですと、やはり仕組みや料金体系も複雑なものですので、十分に理解していない中で契約してしまうということで、その後のトラブルにつながることも多く見られます。これはモバイルデータ通信の例ですが、光回線などほかについても同様な相談は入っております。
 以上、5つでございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 引き続きまして、総務省から説明をお願いします。
 なお、説明時間は、やはり10分程度でお願いできればと思います。

○総務省玉田総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長 総務省の消費者行政課長でございます。きょうはよろしくお願い申し上げます。
 お手元の総務省資料で御説明させていただきます。
 まず、電気通信サービスの契約数の推移ということで、固定電話が微減していますが、平成5年の端末売り切り以降、移動電話が右肩上がりで伸びてくる。他方で、緑色のブロードバンドに関しましては、光ファイバー、ADSL等の多様なサービスが12年、13年辺りからテイクオフして伸びてきているということでございます。
 2ページ目にまいりまして、ブロードバンドの部分だけをとらえて、その推移を見てございますけれども、ここも技術の進展とともに多様化を進めております。光ファイバーが、平成20年の段階でADSLを逆転して右肩上がりに伸びている一方で、ADSLが下がっておりますが、ケーブルテレビによるインターネット、その他、3.9G携帯による高速インターネットアクセス、BWAとありますのはブロードバンドワイヤレスアクセスということで、無線によるアクセスも出てきているところでございます。
 3ページでございます。ブロードバンドに関しての基盤整備ということで、それぞれのサービスエリアの世帯カバー率という形でごらんいただければと思いますけれども、超高速とブロードバンドと分けてございます。上段、超高速ブロードバンド。FTTH、光ファイバのほか、下り30メガ以上の超高速のサービスに関して言うと、最新の3月末データで97.3%、それ以外のいわゆる一般的なブロードバンドについては100%ということで、基盤整備が大変進展しているという状況でございます。
 4ページにまいります。ブロードバンドマーケットの国際比較です。この数字は、それぞれのサービスの加入者数ベースというふうにごらんいただければと思いますけれども、日本の場合、FTTHの加入者がブロードバンド全体の中の55%という形で、ほかの国に比べましても、非常に高速なインターネット環境が整っているというふうにごらんいただけようかと思います。
 5ページでございます。以上のような形で、それぞれのサービス環境層等、技術開発等も進みまして、さまざまなサービスが提供され、また、料金も低廉化という形の中でございますけれども、消費者保護という形の基本的枠組みは5ページのとおりでありまして、電気通信事業法の中で幾つかございます。基本的ルールとしましては、利用の公平ということで、不当な差別の禁止。提供義務として、正当な理由なく役務の提供を拒んではならないということ。契約約款を公表し、公衆の見やすいように掲示するということに関しては、基礎的な電気通信役務、指定電気通信役務に関してはこのような規定がございます。
 それから、個別の利用者対応ルール。こういったところが一般の消費者に近いところのルールでございますけれども、電気通信事業を休止または廃止しようとするときは、利用者に対してそういった旨を周知させなければいけないという規定が、電気通信事業法第18条第3項にあります。同じく26条におきましては、提供条件の説明を、料金、その他、提供条件の概要について説明をしなければならないという形で、ここには、契約代理店も含める形での説明を求める規定がございます。
 さらに苦情処理という形で、27条におきまして、苦情については適切、迅速に処理しなければならないという枠組みがございます。
 こういった規定に関して違反があった場合は、「業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる」という形で、改善命令違反に対しては、200万円以下の罰金ということも添えて枠組みを提供させていただいているところでございます。
 6ページでございます。これを受ける形で、消費者保護ルールに関するガイドラインでございますけれども、この関係法令の規定の趣旨や内容をわかりやすく説明するということ。あわせて、電気通信事業者等が自主的にとることが望ましいと考えられる対応、あるいは具体的な参考となる事例、こういったものについてお示しするためにガイドラインを策定してございます。
 第1章として、休廃止の周知に関連しましては、「『あらかじめ相当な期間をおいて』その旨を周知しなければならない」ということでございます。その形、方法に関しては、訪問、電話、郵便による書面の送付、電子メールの送信、ポータルサイト等での表示の方法などを認めているところでございます。
 第2章として、26条の説明関係でございます。消費者として、サービスの内容を十分に理解をいただいた上での契約の締結を可能とする必要から、電気通信事業者に対して、消費者が最低限理解すべき提供条件について説明しなければならない、ということを規定してございます。現実問題、例えば料金を説明すると非常に多様でもあるということでございまして、本質的に大事な部分を中心に説明することになってございます。
 説明に関しては、マル1としまして、消費者の知識あるいは経験等を考慮して説明するべきであるということ。マル2として、通常の説明では理解が難しいと認められる消費者に対しては、その内容・必要性が理解されるように、さらに丁寧な説明をすべきということ。マル3として、特に高齢者に対してはということで、サービス内容・必要性が理解されるように十分配慮が必要であるということでございます。あわせて、未成年者についても、高額利用の防止にも十分配慮するようにということがございます。
 こういった説明に関しては、書面を交付して、これに基づいて口頭で説明するのが原則でございます。ただしということで、消費者の了解がある場合には、電子メールを送付する、あるいはインターネットのウェブサイトの閲覧、電話説明等でも可能です。電話説明に関しては、説明の後、遅滞なく、説明事項を記載した書面を交付することが求められています。
 その他、第3章として苦情の処理ということで、迅速、適切な処理をしなければならない。電話窓口の開設、あるいは自動音声だけでなく、オペレーターによること等々を規定してございます。
 以上のような基本的な枠組みのもとで、昨今、電気通信サービスに関してさまざまな相談・苦情があることから、一昨年の9月より、ICT諸問題研と言っておりますけれども、こちらのほうに電気通信サービスに関する専門のワーキンググループを設置して検討いたしました。その結果がこちらでございまして、数字としては、全体約97万件近くのPIO-NETにおける苦情相談全体のうち、電気通信サービスに関する相談は全体の3.4%ということで、約3万件余りでございます。
 その内訳ですけれども、右のほうでございますが、赤い部分は移動通信サービス、緑色の部分はインターネット通信サービス、2009年、2010年を比較した場合、インターネット通信サービスのところが増えている。具体的には光ファイバサービスに係る苦情が増えているということでございました。
 こうしたことを受けまして、8ページですが、この研究会としてさまざまな提言を行ったところでございます。このページにございますのは、契約締結前の情報提供、締結時の説明の在り方、締結後の対応ということで、大きく3つに分けてございます。
 締結前の広告表示に関しましては、一定の効果は出てきているものの、さらなる取組の強化が必要だということで、広告表示自主基準を業界団体として見直すべきである。例えば無料であるとか、割安であるとか、お得であるとか、そういうメリットを過度に強調した点について配慮する。あるいは、セット販売の広告について、注意をする等々の見直しが指摘されているところでございます。
 勧誘に関しましても、業界を挙げた取組が必要だということで、自主基準を新たに作成することが指摘されてございます。
 説明の在り方に関しても、重要事項説明、利用条件、不利益事実をしっかり説明すべきであることから、利用者にとってわかりやすいモデル例を作成して説明すべきである。また、いわゆるセット販売はわかりにくい部分もあるということで、これも、理解しやすい図解などの資料を作成して説明すべきである。
 マル2にありますが、適合性の原則ということで、例えば高齢者に対しては、その内容、必要性が十分わかるような配慮を行う。未成年の高額利用防止にも配慮する、といったことが指摘されています。
 契約解除に関する問題としましても、利用者からの申出があった場合の解除の扱いに関して、個別には、例えば工事前であれば契約を解除できるという事業者もあれば、移動体通信に関しては、エリア外である場合には個別に解除もできるという報告もされていたところでございます。こういった電気通信事業者の自主的な取組を整理・分類して、新たに自主基準等を作成し、全体で取り組むべきであるという指摘がされているところでございます。
 総務省として、こういった自主的な対応にもかかわらず一定の期間内に状況の改善が見られない場合には、クーリングオフ等の民事的な効力を有する規定を設けるなどの、制度的な対応を検討することが必要だという点も、指摘に入っているところでございます。
 9ページでございます。以下、簡単に御説明いたしますけれども、苦情処理・相談体制に関連しましては、例えば電気通信事業者は、代理店に寄せられた苦情・相談も早期に把握できるように取り組んでいく。あるいは、関係者の連携方策ということで申しますれば、電気通信消費者支援連絡会、こちらは、総務省、電気通信事業者、有識者、消費生活センター等が協力しながら、この会合において、意見交換、情報交換、対策の検討を続けていくべきであるという御指摘等もございます。
 10ページでございます。ICTサービスに係る諸問題研究会の提言を受けまして、電気通信事業者側で自主的な対応としてさまざまな対応がなされています。その概要をポイントのみここに書かせていただいております。電気通信サービス向上推進協議会と申します、いわゆる関連4団体と言っておりますが、電気通信事業者協会、テレコムサービス協会をはじめとする4団体における取組です。広告・表示に関する改善ということでは、「無料」「お得」「セット販売」といった広告。あるいは、代理店での広告について検討するということで、広告表示自主基準の改定等につながっているということでございます。
 また、勧誘に関して、自主基準を作成し、代理店倫理要綱の見直しもあわせて行う。勧誘者の名前の明示、迷惑な勧誘行為を禁止、再勧誘を拒否する場合の連絡先を明らかにする等々の自主基準を作成、公表しているところでございます。契約解除に関しては、主要な電気通信事業者の自主的な取組を分析し、自主基準を作成して取組を実施しているということでございます。重要事項説明についても、わかりやすい資料づくりを行って対応しているということでございます。
 11ページ、総務省における提言を踏まえた取組ということで、総務省自身としてもここにありますようなさまざまな対応を行っております。重要事項説明関連で、消費者保護ガイドラインの見直し。さらに、関係者の連携ということで、総務省内に電気通信消費者相談センターという専門の部署がございますけれども、こちらと消費生活センターとの連携強化という形で、一次受けに必要な情報として、電気通信サービスに係るものを消費生活センターさんにも提供させていただくなどの対応をしております。
 また、消費者支援連絡会を上期・下期にわたり、各総合通信局ベースでも開催しています。その他、リテラシー向上のために、ここにあります小冊子の作成。お手元にお配りしてございますけれども、Q&Aという形での小冊子の作成等々を行っているということでございます。 
 それから、消費者支援連絡会。12ページにありますような形で、電気通信事業者と消費生活センター、国という三者が、それぞれの持てる情報、例えば苦情相談の事例、あるいは国としての対応の状況等々を持ち寄って、よりよい消費者対応に向けての取組を進めています。
 13ページ、14ページは、この連絡会の開催状況という形で、各総合通信局の管内で各地の消費生活センターさんにも参加をいただきながら、議論を進めているところでございます。
 15ページは、総務省広報媒体としての情報提供の状況でございます。
 16ページは、この1年、スマートフォンの普及が著しい。こちらに関しては、従来の携帯電話との違いがわからないですとか、あるいはセキュリティ、プライバシー上の問題がいろいろありますとか、ユーザーとしてリテラシーの範囲で身につけるべき情報が非常に多いということで、リテラシー向上を中心とした総務省としての促進プログラムを取りまとめて、この9月に発表してございます。御参考までにおつけしてございます。
 以上でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。
 それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。
 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 御説明、ありがとうございました。総務省に3点伺いたいのですが、実は業界の皆様にも先ほどおいでいただきまして、熱心に取組について御説明をいただきました。そこで、やはりこれからやっていただかなければいけない問題があると思ったのですが、一つは代理店です。要するに販売奨励金制度などで刺激して、少しでも各事業者のシェアを広げようと熱心に取り組まれるのは結構ですが、どうしても代理店のほうに行き過ぎが出てきている。それが、先ほど国センの説明があったようなトラブルのもとになっているかと思います。
 自主基準をつくられて、それの遵守を努力されようとしているのはよくわかりますけれども、第1次、第2次、第3次と代理店の末端まで行きますと、ほとんど電気通信事業者としてのセンスがない、ほかの事業をやっている事業者が、代理店としてついでにこの事業も行うというようなことになると、自主基準をきちんと守らせるということがどこまで徹底されているのか。そこが非常に疑問です。ことしの4月から自主基準を実施しているとおっしゃいますが、どこまでその効果が上がっているのか。代理店に対する周知徹底について、どういうふうにお考えなのか。これが1点です。
 それから自主基準について。これはこれとして努力されているのはわかりますが、端的に言えば、クーリングオフの問題、あるいは、解約の制限についての条項などが、なお特商法の規定などに比べると不徹底ではないかと考えざるを得ないのですが、その辺についてどういうふうに考えておられるのか。特に、いつ契約が成立したと考えるのかについて、どうも業界での統一した基準がないようなので、電話で、これでいいですねということで契約が成立した。では、そこから何日間のクーリングオフが認められるのか。現実には、工事が始まったら、あるいは工事をしたならば、もうクーリングオフは認めないという運用をされているようです。契約から工事までの期間、これは都市部と地方では違うと思いますけれども、このクーリングオフの運用の不徹底。
 あるいは、契約の解除についても、2年拘束というのが一般的なようですけれども、その後の更新は、更新拒絶を忘れますとまた2年間拘束される。そろそろ更新するかどうかの選択時期です、という周知徹底が必ずしもきちんとなされているわけではなさそうだし、消費者のほうも、契約して2年たちますと何となくズルズルと行ってしまう。2年1か月たった後の縛りが果たして合理性があるのかというところについても、必ずしもきちっと議論がされていないようです。自主基準について、もう少し徹底した消費者保護の視点からの見直しがあっていいのではないかと思います。今さら見直しても間に合わないのですが、できればお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 3点目は、特商法との関係で、端的に言えば特商法の適用除外に政令でなっているわけですけれども、この際、適用対象にしてはどうかと思います。その辺についての総務省のお考えもお聞かせいただければと思います。
 国センに一点だけ。ことしの4月から自主基準が実施されているわけですが、それ以降、クレームが減ったとか、あるいは解決がしやすくなったとかいう傾向があるかどうか。

○河上委員長 それでは、先ず国センさんのほうから実態の話をお願いします。

○国民生活センター保木口相談情報部相談第2課長 自主基準を改定していただいて前向きな方向に進んでいるとは思っていますが、数字の面から見ますと、現状ではその効果がてきめんに出ていると申すことは、残念ながら、難しいと思います。

○河上委員長 総務省のほうからお願いできますか。

○総務省玉田総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長 山口委員から3点いただいております。
 まず、代理店の件でございます。電気通信サービスの販売に当たりましては、代理店による部分が大きいというのは、御指摘のように、関係事業者の競争の中で販路の拡大という観点からと思います。その販売の方法が適当であるかどうかということに関して、先ほど御説明しました我々のワーキンググループでも、御指摘を受けているところでございます。9ページにありますように、代理店に寄せられたユーザーの苦情相談も早期に把握できるように、まず電気通信事業者はしなさいというふうなことも指摘がございまして、それが実際にできているかどうか、そういう実施のフェーズにあるというふうに認識してございます。
 あわせて、2点目のほうにも申しましたが、クーリングオフに関して、どの時点で契約が成立しているのか、業界ではっきりしていないという御指摘もございました。本来ですと、契約に関しては文書で行うという基本ルールがございまして、先ほども御説明しました。ただ、御本人の了解がある場合には、口頭、電話による場合も可能であって、ただし、その場合は遅滞なく文書を交付する必要がある。こういうつくりになっているわけですけれども、こちらに関してもこういったやり方が徹底されているのかどうか。まさにそういう現場での運用が徹底される必要があるとのお話と承知をしてございます。
 あわせて、2年縛りの関係がございました。2年縛りの更新月が、特定の1か月に通常指定されるわけですけれども、その件が来月ですよ、再来月ですよということの周知が徹底されていないのではないかということ。これに関しても、さまざまな形、例えば電子メールで連絡する等の対応をされていると聞いておりますけれども、これが本当にすべてのユーザーに徹底されているのかどうかということなど、現場での対応をしっかりしていくことが極めて大事なフェーズというふうに認識してございます。
 我々としましても、この4月において、事業者、団体のほうでの取組は、さまざまなガイドラインの作成であるとか、基準の見直しという形での、いわば枠組ができたところです。それが成果につながっているのかということを、きちんと現場、現場で見直すべしということを、さまざまな場面をとらえて関係する事業者、あるいは団体のほうにもお伝えすることによりまして、実績としてこれがどうなるのかというところを見ていこうという話をさせていただいているところでございます。
 最後に、特商法の適用除外というお話もございました。これもやはり、私どもの研究会の中でも御指摘があったとおりでございまして、そこについては、一定の期間のうちに改善が見られない場合は、クーリングオフ等の民事的な効力を持つ規定の整備も検討すべしということであります。電気通信サービスの場合は、多種多様、かつサービス展開が早いということもございまして、これにどうやって対応していくかということから、料金その他に関してはできるだけ自由にというのが、これまでの対応でございます。かつ、現状、電気通信事業法にあります、消費者に向けての説明義務等の消費者保護関連の規定との整合性等々を考えていきながら、総務省の方で対応していくことになろうと思います。
 以上でございます。

○河上委員長 例えば2年縛りの合理性については、何かお考えはありますか。

○総務省玉田総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長 その部分に関しましても、2年縛りというのがそもそも適当であるか。あるいは、なぜ2年縛りが適用されているかということに関して申しますと、基本的には、最初の2年に関しては基本料金等について一定の割引がなされている。それ以降、3年目についてはどうであるかといった御指摘であろうと承知しておりまして、こういった個別の部分について、私どもも、この時点でこういった場で御指摘をいただいていることが、非常に有意義であるというふうに認識をしております。そういったさまざまな御指摘を事業者にも伝えながら、検討を進めていきたいというふうに思っております。

○河上委員長 一定期間が経過して評価をした上でというお話ですけれども、既に4月から半年になります。どのくらいの期間を想定していらっしゃるのですか。

○総務省玉田総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長 具体的にどのぐらいということではないのかもしれませんが、少なくとも4月から取組が始まって約半年を過ぎた。これからの半年間がどうなるかということは、一つ、非常に重要なポイントではないかと思っておりますけれども、まずは、今年度の取組による結果がどうなるかということを見てまいりたいと思っております。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
 細川委員、どうぞ。

○細川委員 先日、私は炊飯器を買おうと思ってネットで調べていましたら、3万9,800円の炊飯器が1円ですと書いてある。その条件は、光通信を契約したら炊飯器が1円で買えますというのです。ちょっと異常だと思いませんか。炊飯器と通信事業の契約、何の関係もないのに、もうそこまで来ているわけですよ。とにかく契約をさせる。ハンコを押させれば、報奨金が代理店あるいは販売店に入る。そういうやり方だということは明らかで、これは私は常識を逸しているのではないかなというふうに感じました。
 そういうことからすると、個人的な意見ですけれども、総務省に消費者保護を期待するのは無理ではないかなと思います。10年前、20年前から通信事業には特商法の適用がなくて、消費生活センターは本当に困っていたわけです。携帯電話がこれだけ普及する前からそういうものも言われていたのに、いまだに自主基準とかガイドラインで済まそうとする。これはちょっと無理だと思います。先ほど国センからも、数字ではあらわれていないというお話がありましたし、国センから提出されたPIO-NETのデータでも、2012年度、まだ年度途中ですけれども、2011年度から比べて、スマホでも何でもすべて増えていますね。二・何倍ぐらいになっているという事実もあります。これは私はもう無理だというふうに思います。
 総務省からいただいた資料5の5ページ、消費者保護のための基本的ルールが3つありますけれども、初めの2つは当たり前の話で、これを利用者保護と言うのか。差別の禁止であって、主体的に消費者保護を定めた規定ではないですし、唯一、3つ目の契約約款の公表・提示というのも、明治時代の法律みたいで、公衆の見やすいところに掲示するなんていうのは、まだペーパーが発達していなかったところで、紙を配れないから提示すればいいと。基本原則を変えないままにこういうガイドラインでやろうとするのは、もう無理だと思います。
 しかも、事業者あるいは代理店が増えている中で、今まで以上にガイドラインとか自主基準が通用しない時代ですので、私は、消費者庁が特商法の適用除外を廃止すればいい話だと思いますけれども、どうでしょうか。消費者庁、それをやればいいではないですか。

○消費者庁取引対策課担当者 大変申しわけないのですけれども、特商法の適用除外にするか否か的な論点について、取引対策課で担当していないもので、責任を持ってお答えできないということを申し上げたいと思います。

○細川委員 どこが担当ですか。

○消費者庁取引対策課担当者 消費者政策課です。

○細川委員 取引課としては、今、コメントできないということですね。消費者庁としての意見もここでは表明できないということですか。

○消費者庁取引対策課担当者 はい。

○河上委員長 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 代理店というのは電気通信事業者ではないというのです。その代理店が消費者と電気通信についての契約をするわけです。問題は、当事者は電気通信事業者であるKDDIであったりNTTドコモだったりするわけですね。これは、特商法適用かどうか微妙なところだと思いますが、これは適用なしという前提で運用されているわけですか。

○消費者庁取引対策課担当者 そこはケースバイケースで見ていくことにはなると思います。

○山口委員長代理 では、適用されるケースもあるという前提で運用されているのですか。

○消費者庁取引対策課担当者 ものによっては、ということだと思います。

○山口委員長代理 どういう場合ですか。

○消費者庁取引対策課担当者 それは個別具体的な話になってきますので、大変申しわけないのですが。

○河上委員長 具体的に特商法で扱ったことはありますか。

○消費者庁取引対策課担当者 ちょっと記憶が定かではありませんが、現段階においては、ないのではないかと思います。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。
 細川委員、どうぞ。

○細川委員 すべてがすべてこんな感じなんです、いつも。だから、消費者委員会ではっきり提言して、電気通信事業法を改正するか、特商法レベルのクーリングオフ規定あるいは書面交付義務を入れるか。あるいは、総務省でやる気がないのだったら、消費者庁に、特商法の適用除外の廃止を建議なりで求めたほうがいいと思います。
 しかも、半年後に減っているかどうかを検証すると言いますけれども、例えば3,000件が2,000件になっても、2,000件の被害がまたそこで起きているわけだから、消費者に寄り添っていないというか、数さえ減っていれば、様子見ましょうというやり方を、長年、日本の消費者行政というのは続けている。確かに生命・身体には直接関係ない分野ではありますけれども、非常にトラブルも多いですし、生活を脅かされる、勧誘について迷惑を受けているという人もいますので、ここではしっかり消費者委員会が対応すべきだと私は思います。

○河上委員長 総務省さん、何かございますか。

○総務省玉田総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長 先ほど、代理店の件の御指摘がございまして、電気通信事業法26条の説明義務については、代理店もその対象となっております。また、例えば改善命令等の措置においてもその対象であると認識してございます。
 それから、現状、我々の研究会報告を受けての実質的な対応が進んでいるという段階ですけれども、まさに我々も、御指摘のような問題意識を持って見ているわけであります。つまり、全体の数字、苦情が減ることがまず大事かと思います。ただし、その苦情の中身は何なのかということもあわせて見ないことには、最もそれに効果的な対応はできないだろうと考えているところであります。
 例えば、電話による勧誘に問題が多いといった場合でも、それは、電話ですから当然、接触件数が多くなるということから来ている話なのか。あるいは、電話での複雑なサービスの説明では十分わからないということなのか。あるいは、電話によって契約が完了したと思い込んでいる、逆にそのつもりがないということの認識の齟齬の問題なのか。いろいろなパターンがあると思います。そういった部分をきちって見て、最も効果的な対応をしていく。そういう必要があろうと思っております。

○河上委員長 ほかにいかがでしょうか。
 小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 先ほど、代理店についても、電気通信事業法の事前の説明のルール等の対象となるというお話でしたが、違反があった場合の改善命令等の例は今までございますか。

○総務省玉田総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長 改善命令そのものに至る場合というのは非常に慎重な対応が必要でございますので、今のところは、ないというふうに認識しております。ただ、それまでに、適当でない例えば広告表示があったり、勧誘があったりした場合、指導という形で是正を求めている場合等はございます。

○小幡委員 それは、直に代理店に対して総務省から行政指導をしているということでしょうか。

○総務省玉田総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長 基本的に代理店の販売も含む形で、責任を委託側たる電気通信事業者に求める形で、電気通信事業者を対象に指導を行っているという形になります。

○小幡委員 先ほどの御説明では、代理店自身がこのルールの対象となっているというお話でしたね。そうすると、法律上の命令をするのであれば代理店に対してやるしかないのです命令の前に行政指導というのはよく行いますけれども、日本の行政はなかなか明確な処分までいかない、指導に終わる場合が多いのですが、その場合でも、なぜ直接代理店は対象としないのですか。

○総務省玉田総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長 中身によりますけれども、例えば広告あるいは勧誘という形で言うと、代理店そのものの責任だけを問うというよりは、むしろ親会社との契約のもとでやっている。委託する側がどのような形で販売を求めているのかということを、根っこの部分から明らかにしていただくというふうなことがございますので、電気通信事業者を対象にしているということが一般的であります。

○小幡委員 むしろ実効性が上がるから、ほかの代理店にもあり得るので、大もとのところを行政指導をするということですね。現に例というのはどのくらいありますか。あるいは、どういう問題があると考えられて指導を行ったのでしょうか。

○総務省玉田総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長 済みません。本日、詳細なデータを持ち合わせておりません。

○河上委員長 もし具体的に指導した例とか数字があれば、後ほど資料として提出いただければありがたいと思います。

○総務省玉田総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長 わかりました。どのような形で提出できるか、検討させていただきます。

○河上委員長 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 しばらく頑張ってみるから様子を見てほしい、ということだと思いますが、総務省に3点、お願いです。一つは、自主基準の11条に「本自主基準の遵守に資するため、電気通信サービス向上推進協議会は、自主基準の実施状況を、電気通信関連4団体に対して適宜調査を行う」とあります。ですから、この調査の結果といいますか、状況を、例えば3月末に集約して、委員会にも御説明、あるいは、少なくとも文書でいただけないかというのが一点です。
 もう一点は、先ほど委員相互でもちょっと話をしたのですが、消費者にとってわかりにくいのが、通信契約とスマホなり携帯電話の販売契約とがセットになっているわけです。しかも、機械の販売については割賦販売になる。キャンセル料がセットで絡むものだから、非常にわかりにくいですね。この辺は、機械の販売と通信契約との、よりわかりやすい説明といいますか、その辺に努めていただかないと、消費者の不満といいますか、トラブルは増える一方ではないか。
 もう一つ、これは福岡市の消費生活センターから指摘があったのですが、代理店の紛争トラブルについての対応が悪いそうです。つまり、通常のあっせんになかなか代理店が応じていただけない。恐らく特商法の適用除外ということがあるものだから、通常の事業者の対応よりも紛争解決が難しいそうです。この辺は事業者を通して、代理店の紛争処理について、できるだけ消費生活センターなり、その他のあっせんに円満に応じて、リーズナブルな解決に努めるような実務上の御指導、これはお願いしたいと思います。あしたからの問題なので、是非お願いします。

○総務省玉田総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課長 3点、まとめてで恐縮ですけれども、いずれも重要な御指摘をいただいたと思います。関係事業者に伝えるべき中身ばかりだと思いますので、それを伝えながら適切に対応させていただきます。

○河上委員長 小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 先ほどのことが初歩的にわからないのですが、2年契約して、1か月の間に何も言わないとまた2年になるというのは、最初の2年は契約してくれれば料金を安くするということで、十分説明しているということなのでしょうが、1か月あいて、また2年というのは合理性はどこにあるのでしょうか。

○総務省小川総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課企画官 サービスによって内容は違うかと思いますけれども、一般的には、1回2年が終わった後も、1か月の間に御解約をされない場合には、また2年継続して御利用いただけるという前提の割引料金ということになりますので、料金水準は変わらないという場合が一般的かとは思います。もちろん、サービスによって違うかと思いますので。

○小幡委員 最初の購入のときは、2年契約していただければ安いですと言いますが、実はそれは、1か月あいて、そこで解約しないとまた2年続くという、そこまで含まれている。そうすると、本来はきちんとそこを説明していなければいけないですね。

○総務省小川総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課企画官 ご指摘のとおり、サービスを御契約をされる際にわかりやすく御説明をすることが望ましいこととなります。

○小幡委員 普通の消費者は、いつ契約したかというのは覚えていないので、いつ2年が到来するかというのはわからない。そうすると、普通は連絡が来ないと困りますね。連絡が来るというのがガイドラインで定めているわけですか。

○山口委員長代理 ガイドラインは、そこのところは何も決めていませんものね。

○総務省小川総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政課企画官 2年契約が終了した時点に再度御連絡するというところまでは、現在のガイドラインでは明確にはなっておりませんが、実際にはメールなどで御連絡をしている例もあるということでございます。わかりやすい御説明ができるようにしていくことが必要だという御指摘は、そのとおりでございますので、今後実態についてきちんと把握をしてまいりたいと思います。

○河上委員長 基本的には顧客の囲い込みですね。更新で1か月の間に手続をしなかったら、また2年間は安定して囲い込んでおくという話で、やはり取引方法としてかなり問題が多い取引方法ではないかという感じがします。解約が基本的には自由、不当に長期に拘束することは許されないというのは、普通の約款の不当条項規制や継続的役務提供取引の適正化のときでも言われていることですからね。
 時間になってしまっているので、きょうはこの程度にしたいと思います。
 本件につきましては、2回にわたってヒアリングを行いまして、電気通信事業者各社やその販売店、代理店等による販売勧誘行為の実態、かなり問題のある実態があるということ。また、それらに対する自治体あるいは国の取組についてもいろいろと理解が深まりました。総務省からも御説明をいただいたとおり、昨年の12月に同省の研究会で提言を取りまとめられて、本年の4月以降、業界団体による自主的なガイドラインの策定等を通じた改善への取組が図られている点についても、認識いたしました。
 まずは、そのような自主的取組の内容を徹底していくことが必要であることは、総務省のほうからも御指摘いただいているとおりだと思います。ただ、これも、いつまでも様子を見ているということはできないと思います。被害が十分に出てから何かをするというのでは遅いわけですから、そこは一定の期間をはっきり定めて、その改善状況について検証し、明確な改善がないということであれば、やはり法改正を含めた対応を是非とも検討していただかないといけないだろうと思います。これは総務省だけの問題ではなく、恐らく消費者庁の問題にもなるかと思います。
 委員会としましては、本日までの議論も踏まえまして、さらに、委員の間で検討を深めて、近いうちに一定の意見を取りまとめていきたいと考えておりますので、また、よろしくお願いいたします。
 国民生活センター、総務省、消費者庁におかれましては、お忙しいところを御協力いただきまして、まことにありがとうございました。
 それでは、2~3分、休憩を入れたいと思います。

(休 憩)

≪4.健康食品について≫

○河上委員長 それでは、再開いたします。
 続きまして、議題は「健康食品について」であります。
 全国消費者団体連絡会、日本健康・栄養食品協会、健康食品産業協議会、名古屋文理大学清水俊雄教授におかれましては、本日はお忙しいところを御出席いただき、まことにありがとうございます。
 健康食品の表示の在り方につきましては、第1次消費者委員会から鋭意検討を重ねてきておりまして、今回の一連の審議では、論点を大きく3つに分けて、第1が、表示・広告規制に関する法執行力の問題。第2が、安全に関する規定、制度の問題。第3が、機能性の表示に関する問題。それぞれについて議論を行っております。
 本日は、この3番目の論点であります機能性の表示について、議論を行いたいと考えております。
 本日、お越しいただきました皆様から、大変短くて恐縮ですけれども、それぞれ10分程度で順次御説明をいただき、その後で意見交換を行いたいと考えております。
 初めに、全国消費者団体連絡会から説明をお願いしたいと思います。菅さん、お願いいたします。

○全国消費者団体連絡会 菅いづみ 全国消費者団体連絡会という消費者団体の事務局をしております、菅と申します。よろしくお願いいたします。
 全国消団連では、昨年度より、消費者政策のテーマといたしまして、特に「いわゆる健康食品」の広告・表示についての現状と問題についての学習を始めてまいりました。2011年、昨年ですけれども、12月15日に、国立健康・栄養研究所名誉所員でいらっしゃいます、大妻女子大学の池上幸江先生を講師にお迎えいたしまして、「ホントのことを知りたい!! 学習シリーズ『いわゆる健康食品の広告・表示について』」を開催いたしました。
 そのとき学習を通じて、消費者を取り巻くトクホや、いわゆる健康食品に関して、消費者自身、問題と感じた点を持ち寄って情報交換をすることで、さらに問題を深掘りできるのではないかというまとめに至りました。そのときは、実態について御説明いただいて学習をしたのですけれども、そういうまとめになりました。
 それを受けまして、ことし、9月20日ですけれども、やはり会員団体を対象にいたしまして、健康食品情報交換会というもの開催いたしました。そのときは前回を受けて、皆さんにアンケートみたいな形で、どういう点が問題だと思われるか、いわゆる健康食品について何か困った事例がないかということを事前に伺っておきまして、群馬大学教育学部の高橋久仁子教授に御説明をいただきまして、情報交換会ということにさせていただきました。そのときは、広告や表示ですけれども、どのようにつき合っていけばいいかなどについて、皆さんで考え合うという会になりました。
 この情報交換会からわかったことは、資料のマル1とマル2にございますけれども、ちょっと限定的ではありますが、意外に、特定保健用食品とかいわゆる健康食品の違いがわからない方が多かったです。一般の消費者の方より、消費者団体ということで、食品の安全などについては問題意識を持たれている方が多い場面だったと思いますが、ごちゃごちゃになってしまっているということがございました。
 私も実際、このお話をさせていただくに当たりまして、薬屋さんやドラッグストアに何度も足を運んだり、また、この学習会について、資料を集めるために新聞広告を1か月分切り抜いたり、いろいろやってみました。新聞広告はそれでもわかりやすいのですが、実際ドラッグストアに行ってみて、これがどれなのか。いわゆる健康食品なのか、特定保健用食品なのか、医薬品の第何類ということなのか、そういったものの違いが非常にわかりにくいというふうに感じました。
 それから、いわゆる健康食品の問題点を意識されている方が、これも意外だったのですけれども、少なかったということです。
 何か困った事例をお持ちでないかということで、周りに聞いてみてくださいというアンケートにも、実はなかなか事例が集まりませんでした。よくよく聞いてみましたところ、生活の中に健康食品というのは非常に入り込んでいるようで、何人かの方から聞いたのですけれども、体調を壊したときに、お見舞いとして手元に健康食品が何種類も集まってくると。お見舞いとして持ってきてくださるので、どう扱っていいか困ってしまうほど集まったというような事例も聞きました。そういうわけで、非常に生活の中に入り込んでいるんだなということがわかりました。
 でも、巷にあふれるいわゆる健康食品や特定保健用食品、医薬品、それを識別できなくてもいいとは思っておりません。一般の食品もそうだと思いますが、同様に健康被害に結びつく可能性があることや、その食品の価格が、効能と言っていいのでしょうか、これからお話しする機能性と言っていいのでしょうか、それを判断することがやはり消費者としてはできなくてはならないと思っています。
 今後も学習会は進めたいと思っておりますが、消費者が機能について認識できるのは非常に重要なことで、以上の2点からも重要だというふうに考えています。
 ここからは、団体として話し合ったことではなく、これまでどんな問題にも同じように考えてきた、消費者が賢くその商品を利用できるためにはどうしたらいいか、ということを事務局なりに考えてみたことをお話ししたいと思います。
 健康食品について、私なりにいろいろと見て考えてみましたが、なかなか難しくて、正確なことなのか、これから専門家の方がお話しされるのにちょっとお恥ずかしいのですけれども、こういったことを考えました。
 機能性という表示を進めるのであれば、これから清水先生がお話しされる中に随分詳しく書いてありましたけれども、海外での事例で機能性表示を実施している国、そういったところでどういうデータを根拠に事業者なりが表示を進めているか。根拠となるデータみたいなものを、どうやって集めて表示につなげているかというのを調査する必要があるのではないかと思いました。調査はされているのでしょうけれども、それを、国としてなのか、第三者機関なのかわかりませんけれども、機能として認めていくのか。表示になれば認めなければいけないわけですから、そういうことをどの程度国として認めるのかということと、それがどれぐらい含有されているかについても、事業者からはデータなどでお示しいただく。きちんと根拠をどの程度出されているのかというのを、調査される必要があるというふうに思いました。
 ちょっと難しくてうまく話せませんけれども、機能性の程度はどの程度なのか、測るというのができるのかどうかということも、私自身、非常にわからないところではあったのですが、例えばアメリカなんかは段階があります。そういったことのためには、どのようなデータを根拠として、どれぐらい機能が含有されているかということでしょうけれども、事業者の方に、とにかく今のような状況ではなく、国としてガイドライン的なものを整備する必要があるのではないかと考えました。
 3番といたしまして、失礼な言い方ですけれども、表示させる以上は検証が可能でなければならないと思いますので、そのデータが検証可能かどうかということ、それが絶対条件で必要なものではないかというふうに考えました。
 ここまでは素人が考えたことで、こういったことが必要なのではないかと思いましたが、こういうことをやるに当たって、消費者として、どうしても整えていただきたい環境整備といたしましては、機能性の機能というものがどういうものなのかということを、周知する必要があると思います。ここには、「病気の治療はできないということは特に周知が必要です」というふうに書きましたけれども、そういったことを周知する。また、今も健康増進法には、病気が治るということではないと書きなさいというふうに規定されていますけれども、それがもっと周知されることが必要だと思います。
 それから、機能を持たせることでほかのリスクが伴うことを、注意喚起する必要もあると思います。成分濃縮することで大量摂取が可能になってしまうことによって、これは広く知られていることですけれども、妊娠中の方ですとか、授乳中の方ですとか、病気になっていらっしゃる方は注意が必要だということを、もっと広く注意喚起をすることが必要だと思います。
 機能というものを持たせることで、特定の成分を濃縮することに伴って生じる情報についても、事業者の方には積極的に情報提供をするように指導をしていただきたいと思います。「機能を持たせるための特定の成分濃縮に伴う情報とは」というのを書いてみました。実は私の資料につけさせていただいたのですが、先日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会から、「平成23年度食品を介したダイオキシン類等有害物質摂取量の評価とその手法開発に関する研究」というのが発表になりました。
 私は傍聴していたのですが、4ページの下のほうの表にございますとおり、健康食品のところからダイオキシン類というのがちょっと出ているんですね。4ページの(2)のちょっと下に、「本年度のダイオキシン類1日摂取量調査結果(33.9pg TEQ/人/日)を考慮した場合でも、TDIを超過することはないが、今後、当該製品について、継続的にダイオキシンの濃度を注意していく必要があると考えられる」と書いてあります。
 これを普通に摂取していてどうこうということはないですけれども、例えば大量摂取した場合はどうなんだろうということになるかと思います。やはり成分濃縮されたものというのは、用法・用量が書いてあったとしても、形状として非常に飲みやすい、摂取しやすいというもので、誤飲も考えられるわけですから、そういったことの情報提供は十分にされる必要があるということで、ここにこういった事例を挙げさせていただきました。
 4番として、以上の理由から、健康食品に関する情報提供が進まないうちに機能性表示をされてしまっても、消費者が上手にいわゆる健康食品を利用することはできないと考えております。情報提供を事業者の方もやられていますけれども、国としても、十分環境整備といいますか、情報提供されるような状況をつくっていただけるようにということを要望したいと思います。
 以上でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。
 引き続きまして、日本健康・栄養食品協会、健康食品産業協議会から御説明をお願いいたします。
 やはり時間は、恐縮ですが、10分ほどでお願いします。

○日本健康・栄養食品協会加藤常務理事 日本健康・栄養食品協会の加藤でございます。きょうは、健康食品産業協議会の関口会長と河原副会長、3名で説明させていただきたいと思います。
 まず、資料の2ページ目でございます。我が国での機能性表示の研究を進めるに当たっての留意点として、1点目ですが、トクホの表示制度以外の機能性表示についてという点です。トクホの表示につきましては、1つの申請に対して1つの許可ということですので、同じ関与成分を用いた同じデザインの試験が申請企業ごとに繰り返されることになり、科学的には余り大きな意味を持たないのではないかと考えております。
 トクホの表示は、RCTで有意差がつく機能に限られています。海外では認められております疾病リスク低減ですとか、免疫、疲労等、こういう機能についてはトクホの用途としては現在認められていないということがあります。市場には、いわゆる健康食品の素材は数多くあります。トクホの審査の形式でこれらを個別に評価することは、現実的ではないのではないかと考えております。
 原材料を主体とした新しい機能性評価制度がもし構築できれば、多くのいわゆる健康食品を新たな制度の規制の枠の中に取り組むことができるのではないかという前提で、留意点を絞りまとめておりますので、以下、関口会長から御報告させていただきます。

○健康食品産業協議会関口会長 関口でございます。
 トクホは、個々の商品についてその機能性を評価しておりますが、トクホ以外の評価方法として、個々の成分について評価するときの科学的根拠情報の質は、どんなものが必要かということでありますが、ここに書いてあるとおりです。まずは、臨床試験のデザイン、査読のある学術誌掲載、国際的な基準に合っているか、というようなことをポイントにして科学的根拠情報を集める必要があると思います。
 次のページでございます。科学的情報を集めるときの留意点でございますけれども、これは当然のことながら、網羅的に幅広く収集して、どうしてその情報を選んだかという選別基準を明確にしていないと、客観性が失われてしまう。
 2番目の利益相反についてでございますけれども、科学的根拠情報にかかわる利益相反については留意しなくてはいけない。それから、評価する際の関係者についても利益相反には留意する。3番、4番は技術的なことになりますけれども、このような点に留意しなければいけないということでございます。
 次に、5ページでございます。機能性表示を可能とする科学的根拠レベルの程度についてということでございますけれども、どの程度の科学的根拠がある場合、どのレベルの表示を認めるか。これは、国際的にもいろいろなルールがありますけれども、もしこれを我々も提言するとすれば、当然、パブリックというか、国による科学的根拠情報を評価する評価基準の作成が必要であろうと思います。
 評価基準をもとに、原料とか成分が持つ機能ごとに評価をします。成分はいろいろな機能を持つ可能性がありますので、機能ごとに科学的根拠レベルを評価していく必要があると思います。科学的根拠レベルの評価は、国、所管行政、あるいは国が指定した機関のような、さっき申しましたように公的、パブリックなものが行う必要があろうかと思います。
 6ページ目でございます。科学的根拠レベルに応じた表示制度への期待及び留意点でございます。まずは、期待でございます。科学は日進月歩でございますから、今の評価がずっと続くとは限りませんけれども、現状での科学的根拠レベルをまずは客観的に評価して、その結果を消費者に提供することによって、消費者の適切な商品選択に資することができると考えております。もしこのような表示制度が整備できれば、一定レベルの科学的根拠を持つ健康食品を識別することができ、効果的な表示の規制ができるのではないか。
 最後は、企業の立場ですが、企業としては、例えばこういうものにはこういう機能があるということを研究し続けているわけですけれども、もしもこういう制度ができれば、機能性研究に対する意欲が高まるのではないか。
 7ページ目でございます。今度は留意点のほうでございます。機能性の表示というのは、当然、安全確保・品質管理の制度とセットでなければいけないと思っています。現行では、保健機能食品以外は、一般食品といわゆる健康食品は同等に扱われていますので、安全性、機能性の確保は事業者の自己管理でございます。機能性表示制度を検討する場合、Aという事業者はきちんとやるけれども、Bという業者はきちんとやらないというようなバラツキが出ないように、一定の要件の義務化も必要ではないかと考えております。
 8ページ目でございます。機能性表示をするための義務化すべき一定の要件とはということですが、ここで一つの考え方としまして、安全性確保のために、例えば食経験が少ないとか、濃縮等を伴って過剰摂取の懸念があるような新規成分などを扱う場合は、今は義務化になっていませんけれども、GMPによる製造適正管理及び安全性認証制度による成分の安全性認証の義務化が必要ではないかと考えております。
 次に、健康食品の有効で安全な利用のために食品成分毎に定めた標準規格書(仮称)への適合も必要だと思います。規格成分、摂取推奨量、摂取期間、相互作用等を定めた標準規格書とあわせて、安全性・品質を確保するための品質規格を設定する必要があるのではないか。これらを決めるときには、国際的なハーモナイゼーションにも配慮する必要があると考えております。

○健康食品産業協議会河原副会長 国際的なハーモナイゼーションの代表例としまして、コーデックス委員会というのがございまして、ここにおいて健康強調表示というガイドラインが設定されております。その中身は、栄養機能強調表示、その他の機能強調表示、疾病リスク低減表示という分類で提示されています。
 なお、機能性表示をする場合は、摂取上の注意事項、その他、警告表示事項を義務化することを付帯して検討する必要があるのではないかと考えております。
 10ページでございます。機能性表示の制度化と運用は、国が関与する形で検討をお願いしたいということでございまして、消費者、事業者はもちろん、有識者、行政等の理解が不可欠と認識しております。この中には、例えば検討事項としまして、いわゆる健康食品の分類と位置づけ等、こういうことも議論が必要ではないかという認識をいたしております。
 11ページでございます。有害性事象の収集の仕組みにつきまして、これは前回の委員会の安全性についてでも御議論いただきましたが、業界を挙げて、情報を収集し、市販後の有害情報報告システムにおいて情報把握をすることも含め検討する必要があると考えております。
 一般的に、情報が収集できる医薬品との交差性、相互作用でございますけれども、これらは比較的早く集積できるのではないかと考えております。
 12ページでございます。機能性表示制度の普及と事業者の研究体制につきまして。消費者が制度と表示についての理解を深めるためには、アドバイザリースタッフの活用とともに、その普及と教育が必要と考えております。健康食品産業の健全な育成をするために、事業者が消費者の立場に立って事業展開、研究開発を行うことが求められると思います。さきにも述べましたが、GMP認証、安全性データの蓄積努力が必須であることは言うまでもありません。
 健康長寿社会を見据えまして、基礎研究から応用研究に至る研究体制を構築するなど、産・官・学・消の関係者のさらなる連携が必要と考えております。

○日本健康・栄養食品協会加藤常務理事 13ページでございます。私どもは、機能性評価モデル事業を消費者庁から受託した協会ですが、機能性を評価する基準を策定いたしまして、11成分をもとに機能性の評価を試み、科学的根拠レベルが提案されたということでございます。
 私どもは、機能性評価モデル事業において示された課題の解決に向けて、現在、進行しておりますので、14ページにその課題例を挙げております。詳細につきましては省略させていただきます。
 以上でございます。

○河上委員長 ありがとうございました。
 最後に、名古屋文理大学、清水俊雄教授から説明をお願いいたします。
 諸外国の状況の説明を含めまして、15分程度でお願いいたしたいと思います。

○名古屋文理大学清水俊雄健康生活学部教授 それでは、御説明いたします。私に与えられましたテーマとして、資料の1ページの1から4の順番にお話をしたいと思います。
 まず、諸外国における表示制度の実態です。コーデックス委員会については、今、お話があったとおり、健康表示が3つ定められていて、その科学的根拠としては、十分にデザインされたヒト介入試験の実証をもとにされるべきであるということと、網羅的な科学的根拠の実証が必要だということです。
 EUに関しては、栄養・健康表示法という法律が2007年にできまして、一般機能表示、新規機能表示、リスク低減表示、子どもの健康関連表示ということで定められ、科学的根拠としては、有効成分の同定定量、ヒトの無作為化比較試験(RCT)が重要であるということが書かれています。
 もう一つ、フードサプリメント指令。法律のレベルがちょっと違うことで、指令と書いてありますけれども、これは、錠剤・カプセルについてのビタミン、ミネラルについて、使用可能な物質と上限値が定められています。
 EUの健康評価の基本的な考え方を3ページにまとめてあります。この内容としましては、7つの分野について科学的根拠のガイドラインが発表されています。また、今まで発表された300近い健康表示の報告書があります。これを踏まえてまとめたものですけれども、有効性の根拠と健康表示は因果関係がないといけない。それから、成分の同定・定量、その管理(Characterization)が重要である。健康表示の対象者と実証試験の被験者が合致しなければいけない。個別評価ではRCTが重要であるということがわかります。
 今回の表示の内容を見てみますと、科学的根拠ありとされたもので、日本ではまだトクホ、栄養機能食品では認められていない健康表示が、かなり科学的根拠がありとされています。例えば神経系、認識機能、免疫、皮膚、疲労、筋肉と神経、血液凝固、ホルモン作用、こういったものが広く科学的根拠ありとされています。
 次のページに、EUが健康表示の科学的根拠について指針をまとめるということで、EFSA(European Food Safety Authority)が、血糖値から神経、精神まで7つについて、ガイドラインをまとめております。その内容としましては、試験の方法、マーカーを中心にまとめてあります。最後の7番の神経・心理のガイドライン内容の項目だけを挙げております。
 もう一度、2ページに戻っていただきまして、EUの説明が終わったわけですけれども、次に、アメリカについてお話しいたします。アメリカは栄養表示教育法という法律があります。ここでヘルスクレームが定められていますけれども、注意しなければいけないのは、ヘルスクレームという言葉の定義がEUやコーデックスとアメリカの栄養表示教育法では違います。栄養表示教育法のヘルスクレームというのは食品と病気との関係で、ほかの国またはコーデックスではリスク低減表示に非常に近いものです。このヘルスクレームについて、条件つきのヘルスクレームが規格基準で定められています。
 もう一つの法律が、ダイエタリーサプリメント健康教育法で、錠剤・カプセルについての構造機能表示と呼んでいますけれども、これを届出制で表示ができるというものであります。ダイエタリーサプリメントの法律についての詳しい内容が5ページにあります。
 この法律は届出制ということで、企業の自己責任によるところが多く、安全上も含めていろいろな問題が起きておりました。アメリカでは安全性の法規制を強化するということで、情報公開として、有害事故が起きた場合には報告義務を課す。サプリメントの成分については安全性の評価の見直しを行い、製造方法や成分組成が変更された場合には再評価するということで、去年の7月に見直し案が出され、現在、検討され、ことし中にはこの成分の安全性の厳しい評価のガイドラインができることになっております。
 有効性の実証ですけれども、FDAが2008年に実証のガイダンスとして、「The“gold”standard is DB-RCT design」ということを言っております。二重盲検のRCTがゴールドスタンダードだということを言っているわけで、最も重要である。これをもとにして、FTC、日本の公正取引委員会に相当するものですけれども、科学的実証の根拠として、FDAのガイダンスをもとにして企業の広告・表示を取り締まるということをやっております。
 さらに、ダイエタリーサプリメントのGMP、先ほどもお話が出ましたけれども、これについては原料基準も含めてこの制度ができ、2010年に完全施行され、FDAの査察が既に300件近く行われているということであります。
 次のテーマであります、科学的根拠レベルに応じた表示の制度ですけれども、現在、トクホでも条件つきのトクホがあります。これに加えて、さらに科学的根拠のレベルの低い表示をするのは、消費者、企業双方にとってメリットは余りないのではないかというのが私の考えです。
 その理由として、限定的な健康表示、これは、アメリカの条件つきヘルスクレームが7ページに書いてありますけれども、アメリカでは、Aランクというのが条件がないもので、B、C、Dが条件があって、Bが日本の条件つきトクホに近い。C、Dはそれ以下というものですけれども、この表示を実際につけたクラッカーのパッケージを作り、FDAの研究として、消費者に見てもらうという実験を行っています。
 8ページにパッケージがあります。左上には、Controlとしてヘルスクレームが全くないもの。順番にA、B、C、Dとあります。これに対する消費者の信頼性が、どのくらい高いかというのをまとめたものですけれども、Control、全くヘルスクレームがないものよりも、Dランクのものであれば信頼度はかえって低い。Cランクであっても、健康表示があってもそう変わらない。BとAの表示であれば、信頼性の価値が高いというものです。
 次の10ページに、条件付きのアメリカのヘルスクレームが挙げてありますけれども、ほとんどがCかDの文言によるもので、Bに相当するものはほとんどないということを考えると、アメリカの条件付きのヘルスクレームというのは、消費者及び企業にとっても余りメリットになっていないのではないかと考えます。これは、6ページに戻っていただいて、消費者の購買行動につながらないということですし、つながったとすれば、消費者にとって、科学的根拠のないものに対して経済的な損失を被ることにもつながってしまうのではないかというふうに考えております。
 3番目のテーマであります、機能性の評価モデルの事業についてですけれども、これにつきましては大きな問題が3つほどあるのではないかと思っております。
 まず、システマティックにレビューする場合、検索をする人の適格性が利益相反ということで第1に問題になります。それが、今回の場合は関連企業の従業員が検索担当を行っています。それから、このようなシステマティックレビューを行う場合、論文の対象から避けるべき論文があるわけですが、それが12ページ。今回のモデル事業の中で、このような論文も含みますというものがリストアップされていまして、無作為化試験ではないとか、脱落者の脱落理由が書いていない論文も含みますというようなことが書いてあって、元来このようなものは評価の結果には余り反映すべきでない論文が、かなり含まれているということであります。
 分析につきましても、現在、ある企業の原料規格をメインにしていますので、これについても客観性に問題があって、国民の健康維持増進に資する新たな表示を立ち上げるための評価結果としては、ベースとして問題が多いものではないかというふうに思います。
 2と3の2つのテーマから考えて、現在のトクホよりも科学的根拠のレベルの低い表示の制度をつくることは、余り価値がないことで、現在、トクホと栄養機能食品という制度があるわけで、これをいかに活用していくか、拡充していくか、ということが大事なのではないかと考えております。
 4番目に与えられたテーマであります、機能性表示の研究を進めるに当たっての留意点ということで、13ページに書いてあります。第1が、Food consumer scienceを踏まえた研究ということで、次のページに、EUが2007年~2013年までのプロジェクトとしてFood consumer scienceという研究を行っています。Food consumer scienceというのは、消費者行動について、食品研究の構成要素のいろいろなものを統合した科学として研究するものですけれども、従来行われている企業の消費者調査や市場調査とは異なったもので、この結果を踏まえて、国民の健康維持増進につなげる、消費者保護につなげる、健康生活につなげていくということであります。
 15ページは、各国の大学には、Food consumer scienceという名前が付いた学科または学部が、アメリカ、ヨーロッパを中心にして10以上あります。日本では学科学部どころか、このような研究をしていらっしゃる先生は非常に少ない。論文も非常に少ないというのが現実です。
 2番目、Regulatory scienceの前進と書いてありますけれども、機能性食品というのは、科学(science)と制度(regulation)が2つの歯車と言っていいと思います。1984年から日本では文科省の特定研究において、「機能性食品」を世界で初めて定義して、研究をすることで、食品の成分にいろいろな機能があることを明らかにしてまいりました。その結果をもとにして、1991年に個別に製品を評価して表示を許可する特保という制度ができました。これも世界で最初のものであります。この2つを日本は実施して、その後も、縦割りではありますけれども、または地方に分散してはありますけれども、機能性食品について行政から100億円以上のお金が出ています。
 また、特保の新制度として、先ほどからお話のあります3つの制度ができました。そして、消費者庁の発足で、業務が移管されています。海外ではこのような日本の研究、制度を見習って、研究開発、健康表示制度の設立を行い、今は日本が追い抜かされようとしている状況です。これからは、司令塔を明確にして集中テーマを行い、さらに、保健食品の見直しとして、特保の基準の明確化、透明性の拡大、保健の用途の拡充、栄養機能食品の機能表示の拡充、こういうものを科学的根拠と国際的整合性を踏まえて実施することで、もう一度、日本がこの分野で国際的なリーダーシップをとることができるようになるのではないかと考えております。
 最後が18ページです。今まで言ったことのまとめになりますけれども、現行の制度、特保と栄養機能食品というのは、19ページにまとめてありますけれども、栄養機能、構造・機能、リスク低減の3つの表示の制度、それと3つの規格基準、個別許可、届出型のRegulationがあります。これらの関係をまとめると、日本の制度は、EUや中国、またはコーデックスなどと国際的にも整合性がとれていて、科学的にも法律的にも合理性が高いものだというふうに考えております。ですから、現行以上の表示制度をつくるというのではなく、今の制度をいかに拡充していくかということが大事だと考えております。
 では、どのような改善が必要かということでは、健康表示の拡充、トクホの許可期限、トクホのガイドラインをもっと詳しいものをつくる。審査内容を詳しく公開する。栄養機能食品といわゆる健康食品については、どのような企業がどのような製品を出しているかもわからない状況ですので、これは届出制にして、何か問題が起きた場合には情報が伝わるようにする。その前提として、品質管理、安全性データの事前の届出、第三者機関による表示成分のチェック、健康被害が起きた場合や新規情報の届出が行えるようにすることが重要ではないかと考えております。
 また、消費者の啓蒙、調査・情報を公開することは、この分野で欠くことのできないものであります。データベースを拡充すること、現在ある保健機能食品等のアドバイザリースタッフを活用していくこと。アドバイザリースタッフも、届出制を考える必要があるのではないかと思います。このような3つのことをやることで、今後、この分野を安全で、なおかつ国民の健康に資する分野として発展させていくべきだというふうに考えております。
 以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。
 それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。
 田島委員、どうぞ。

○田島委員 御説明、どうもありがとうございました。まず、清水先生にお聞きしたいのですけれども、3ページ目に、トクホを、より広い範囲の健康表示に科学的根拠を承認したらよろしいのではないかというお話がございました。現在、神経系とか、認知機能とか、なぜこういったものがトクホにならないのでしょうかということを、現実問題としてお聞きしたいということが一つございます。
 2つ目は、日健栄協さんにお聞きしたいのですけれども、清水先生がおっしゃられたように、機能性表示というものにグレードをつけて健康表示を付したとしても、消費者にとっても、事業者にとってもメリットはないということでした。私もそう思います。事業者の人でさえ、この食品が効くか効かないかもわからない。もしかしたら効くかもしれない。そういうものは売りたくないと思うのです。また、消費者も、そういったものはやはり選択しないというのが正直なところだと思います。日健栄協が9ページで、新たな機能性表示を付したらよろしいのではないかということは、グレードをつけた健康表示に対してはどういうお考えをお持ちなのか。はっきりした根拠があるものしか機能性表示は無理なのではないかと考えるのですが、判然としないものでも機能性表示を取り入れていきたいとお考えなのかどうか。その点をお聞きしたいと思います。
 まず清水先生に、トクホの範囲の拡大について、実際の見通しはどういうふうにとらえたらいいのかということをお聞きしたいと思います。

○名古屋文理大学清水俊雄健康生活学部教授 なぜトクホになりにくいのかというのは、行政面と科学の面と2つあるのではないかと思います。行政の面で言いますと、日本の場合、医薬品、医薬部外品という健康に関する表示をする製品があって、その製品との重複があり、または区別が難しい。神経、免疫、疲労、こういうものは特に区別がなかなか難しいところがあるというのが行政面ではある。
 もう一点は、サイエンスのほうからいきますと、神経、免疫、疲労というのは、単一なマーカーで改善するとか、または、健康が維持されるということを言うのが難しい。血糖値とか血圧のように、単一のマーカーで機能を明確に評価することが難しいということであります。
 ヨーロッパの場合、表示を許可する科学的根拠として、4ページの7分野について、科学的根拠とはどういう試験方法で、マーカーがどういうふうに動けば健康表示の科学的根拠としていいかということが、一つひとつについて20ページ前後のガイドラインが出されています。このガイドラインに沿って試験をしていくことで、健康表示の科学的根拠になっていく。日本でも、一つのマーカーでは十分に評価できないものについて、科学的根拠のガイドラインをつくっていく必要があるのではないかと考えます。

○日本健康・栄養食品協会加藤常務理事 今、いわゆる健康食品というのはトクホの2倍以上の市場があると思いますが、その市場の中で、トクホのレベルというのは科学的にもレベルが高いものだと、承知しております。ただ、その中に、いわゆる健康食品はいろいろなグレードの科学的なエビデンスがあると思います。それが消費者に知らされずに市場にある。ここをやはり仕分けする必要があるのではないか。トクホにかなり近いところにある商品なのか。あるいは、もっとかなりレベルの低いものであるのか。それを仕分けする方法が段階的な評価法だと思っておりますので、消費者が最終的に判断して、科学的根拠レベルが低いものについては選択しないということで、市場から排除されていくのではないかというふうに考えております。

○田島委員 市場から排除されても致し方ないというご判断ですか。

○日本健康・栄養食品協会加藤常務理事 それは消費者が判断するということだと思っております。

○田島委員 消費者の選択に任せると。

○日本健康・栄養食品協会加藤常務理事 はい。

○河上委員長 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 御説明、ありがとうございました。清水先生から届出制のお話がありましたけれども、私自身も、特に錠剤・カプセル型の健康食品につきましては、幾つかの理由で、やはり消費者が後で検証できるシステムが必要ではないかと思います。端的に言えば、これは前回も指摘されているわけですが、錠剤・カプセル型だと健康成分などが濃縮されているので過量摂取になりやすい。しかも、一定の金額、割と高い商品ですから、客観的にどんなものなのかということを消費者は知る権利があるのではないか。
 さらには、厚生労働省も平成15年ぐらいから、健康食品に関する制度の在り方に関する検討会をやったり、20年には、健康食品の安全性確保に関する検討会ということで、再三やっておられますが、自主基準をつくっても、なかなか実効性ある対処ができていないのではないか。
 そういうことを考えますと、健康食品と化粧品は性質は違うと思いますが、化粧品についてはごく簡単な届出制が実施されています。これからいろいろな健康食品が、特に諸外国から輸入されて消費者の口に入ることもあり得ると思うので、少なくとも錠剤・カプセル型につきましては、販売するについてはしかるべき届出を、化粧品程度の簡単なものでもいいので、実行できないだろうかと思います。
 それについて最大の問題は、行政の肥大化といいますか、ただでさえ行政の簡素化が言われている現在、新たな行政手続を増やすことは、なかなか実現可能性は難しいというところがあるわけです。しかし、単に化粧品のような形で、ペラ1枚か2枚のものを届出して、問題が起こったらチェックするというようなシステムだったら、実現できないことはないのではないかと思います。アメリカのほうでも届出制が一部実施されているようですが、その辺との関係で、実現可能性とか、必要性という点について、行政の肥大化に対する抵抗が大きい昨今、あえて立法事実といいますか、先生もおっしゃっている届出制の必要性についてどういうふうにお考えなのか。あるいは、実現可能性についてどうお考えなのか、御説明をいただければと思います。

○名古屋文理大学清水俊雄健康生活学部教授 まず、アメリカの場合は、先ほどお話ししたダイエタリーサプリメントの法律の中で、ダイエタリーサプリメントの成分として使用するためには、New Dietary Ingredientという安全のデータをFDAに提出する必要があります。これは1994年に法律ができたときは、制度としては届出制で、FDAは受け取るだけで終わっていたのが、2000年ぐらいから、ダイエタリーサプリメントの安全上の問題が起きたということで、NDIの届け出た資料を受け取るときに、FDAが内容をチェックする。ダイエタリーサプリメントの成分についての安全性のチェックということでやっております。
 もう一つ、GRASという制度で、これはダイエタリーサプリメントではなくて、普通の食品成分、Generally Recognized As Safe(一般に安全であることが認められた食品)としてFDAが認証する制度があったのですが、これがFDAにとっては、行政の肥大化ということもあって大変であるとされ、一定のガイドラインをつくって、それは従来のFDAが認証するガイドラインと基本的には同じものです。企業は、自主的に専門家を外部から招いて、そのガイドラインに従って評価をして、それをFDAに提出する。FDAはチェックはしますけれども、それを認証するということではなくて、問題はないと。リジェクトしないということを宣言するという制度ができました。
 もう一つ、このGRASについて制度ができました。自己認証GRASというもので、FDAには届け出ないというものですけれども、FDAのガイドラインに従って自分たちで安全性の評価を行い、その席には外部の専門家も入れて、「FDAのガイドラインに入っているとおり、やりました」と自己評価するのです。従来、この自己認証GRASの内容がオープンになっていなかった、または、網羅的に見ることができなかったのですが、ちょうど先週、新たに第三者機関がそれを集めて公表すると発表されました。安全性に関する情報を、FDAがつくったガイドラインに従って企業が第三者の専門家も集めて評価をし、それを一つの書式にまとめたものを第三者機関に提出し、それが公表される制度が第三者機関によってできたというのがニュースです。日本でも、こういう方法も考えられるのではないでしょうか。
 いずれにしても言えるのは、行政がどこかでチェックをすることがないと、だんだん有名無実になり実効性が失われていく。どこまで行政がチェックを働かせるか、定期的に、または一定のレベルでチェックしていくかということが重要ではないかなというふうに思います。

○山口委員長代理 FDAは、相当スタッフを抱えて今の届出制の実施をしているのでしょうか。

○名古屋文理大学清水俊雄健康生活学部教授 今の第三者機関の自己認証GRAS届出制については、これは全く民間です。その前の自己評価GRASをリジェクトするかどうかというのは、FDAとしてはかなりウエートを置いてやっています。しかし、FDAの担当スタッフが少ないせいか、なかなか評価が最終的に決まらない。1年も2年もたっても、ノンリジェクトなのか、リジェクトなのかわからないという状況が、FDAでも続いているという問題が起きています。

○山口委員長代理 化粧品のように単に届出をして、何か問題が起こったら、あるいは消費者が知りたいと思ったら、健康成分がどの程度入っているかということをチェックできる、そういうシステムでは形骸化して実効性はありませんかね。

○名古屋文理大学清水俊雄健康生活学部教授 いえ、届出をしなければ販売できないという規制がかかれば、それは実効性が出てくるのではないかなと思います。ただ、出せる企業は届け出てください、届けない企業は結局そのまま残ってしまえば、そこが一番レベルの低いものとして残って、消費者への販売がそのままになってしまえば、制度は形骸化してしまう。せっかく届け出て一生懸命やっている企業にとっては、それだけ労力をかける割には、出していない企業と同じように扱われてしまうのでは、なかなかインセンティブも働かないということになると思います。

○山口委員長代理 もう一つ、日健栄協さんにお聞きしたいのですが、化粧品のような届出をやることは、企業秘密との関係とか、検査方法との関係とか、その辺で実現可能性はどうなのか。それから、前回のお話でも公正競争規約については研究中だとおっしゃったけれども、もっと早くどんどんやっていただくということはできないのか。その2点、お願いします。

○日本健康・栄養食品協会加藤常務理事 最初のほうでございますが、届出制は私どもも必要だと思っております。ただ、今の健康食品というのは玉石混淆でございまして、有効量が入っている、入っていないという確認もできずに届出を受ければ、それを認めたようなイメージを与えてしまうのではないかと思います。ですから、リジェクトできるのか、できないのかというのは、一定のルールなしで届出だけでは無理があるではと思います。化粧品の場合は、ルールがあっての届出制でございますので、健康食品の場合はそれが全くない中で届出だけやるということは、一定の品質・安全性の確保ができないということになるのではないかと思っております。
 公正競争規約につきましては、自主基準を鋭意作成中ですが、これが難しいのは、健康食品の定義がないのです。どこまで健康食品と呼ぶかというのがないのです。そういう中でルールをつくるというのは大変難しいわけです。

○山口委員長代理 錠剤・カプセルだけで。

○日本健康・栄養食品協会加藤常務理事 錠剤・カプセルと指定してしまえば、ある程度進むと思います。まずそれだけでやるという方法もあるかとは思います。でも、最終的には錠剤カプセル以外にはみ出す部分が出てまいりますので、そこをどう扱うのかというのは、どこかで決めておく必要があるのではないかと思っております。ご指摘のとおり、錠剤・カプセルという限定をすれば、かなり進みやすいのではないかと思います。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。
 細川委員、どうぞ。

○細川委員 今までお話を伺って、届出制辺りが、製品の品質を担保する、かつ、利便性とか簡便性というところで、制度として妥当なラインかなというふうに思います。
 ただ、山口委員が言われたように、行政の肥大とか、そういう懸念もあるわけですけれども、その辺は私は一つアイデアがあります。これだけハイテクの時代なのだから、行政に窓口があって受け付けて、書類をつくってとかいうのではなくて、インターネットとか、あるいはデータベースというものがあるわけだから、そういうものを活用して、余り人手をかけないシステムだってできると思うんですね。
 一つ、例ですけれども、今、国連にはグローバルコンパクトといって、国連の事務総長に対して「自分の会社は人権を守ります」ということを宣言する、GC10(10原則)があります。この前、どういう企業がグローバルコンパクトに加盟しているかなと思って国連のサイトを開いてみたら、自分で企業名を入れると検索できるのです。企業名が出てきて、そこをクリックすると、その会社が国連に提出した資料そのものがPDFファイルで出てくるわけです。それで見られるという形になっています。
 当然、届出制をとれば閲覧性というものも必要でしょうから、それを登記所みたいに受け付けてコピーして渡すということは、それはまた大変な話なわけだから、簡便に検索すれば、届出した成分表そのものをPDFで取り出せるとか、いくらでも方法はあると思いますので、やはり前向きに。日本人というのは、困難な問題があるとそれで改善策をつぶしてしまうという国民性があるように思いますけれども、何か工夫して一歩進めるという、そういうマインドで検討してみてはどうかなというふうに個人的には思います。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

○健康食品産業協議会河原副会長 公正競争規約につきまして、現在、健康食品の分類の中でロイヤルゼリーが一点、既にございます。そういう中で品質の担保を図っているわけですけれども、単一の成分である場合は比較的やりやすいかと思います。一方で、JHFAマークを日健栄協の中で設定してございまして、これは400品目ほどございます。それらの中から自主基準または公正競争規約を進めるというのも、一つの検討テーマだと思います。

○河上委員長 小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 諸外国のお話も聞かせていただいて、アメリカはかなり進んでいると思ったのですが、今の日本の状況は、錠剤・サプリメント状の健康食品は、どんなものがあるかということ自体がわからない状態で市場に出回っている。その中で何ができるかというと、届出制をとるにしても、今の状態をリセットするような、そういうところまでは無理かなと思います。協議会の方のおっしゃるのはわかりますけれども、本来の届出というのは、形式的要件だけ満たしていれば、細川委員がおっしゃったように、そのままPDFファイルで見られるように、ただ置くだけということでもよいのです。
 それでも、やらないよりはよいのではないかというお話もあったと思いますし、もちろん、サプリメントだけでよいのかとか、いろいろな問題はあると思いますが、濃縮しているので成分が高濃度になりやすいというところで、錠剤・サプリメント状のものを取り上げていくということですが、とてもアメリカのようにはまだまだ行かない。最初の段階では何かしら網をかけるということで、行政の肥大化と言われるように、行政が何か審査をするということではなく、おそらく、成分を自分で分析して届け出てもらう程度でしょうか。ただ、分析の仕方のやり方を、外部の方が入るとか、その辺のガイドラインで自己規制してもらって届け出てもらうというようなことは可能ですか。

○名古屋文理大学清水俊雄健康生活学部教授 可能だと思います。アメリカの安全性の評価をするガイドラインには、その評価をする先生は専門家で、全部、第三者の人でなければいけないとされています。社内の人が最終判断をする人ではいけないということで、毒性学、栄養学、安全学、そういう分野の専門家が、4人か5人以上、サインをする。今回の安全性のデータ、成分の分析のデータ、こういうものを踏まえて、「このサプリメントは安全上、問題ない」、または、「この成分は安全上、問題ない」というのを、サインをして、それをFDAに届け出るという形になっています。
 ですから、そういうことをガイドラインに決めていけば、届出制でも、その分野の専門家が署名して責任を持ってもらうという意味で、一定の実効性は出てくると思います。

○河上委員長 今、話題になっている届出という話は、届出を義務づけるということですか。

○小幡委員 販売するためには届出が必要ということで。多分、サプリメント、錠剤の形状ということですね。

○河上委員長 もし義務違反があったら、サンクションがつくのですか。

○小幡委員 過料か、あるいは少々の罰則。普通、届出制は届出義務違反として科すということです。良し悪しではなくて、届け出ないで販売したことについての手続義務違反です。

○河上委員長 それは、何かサンクションをつけないと意味がないですね。

○小幡委員 はい。届出制をとるという意味がないので。

○河上委員長 届け出たことによって届出済みの印をつけていいとか、何か差別化をしないと意味がないですね。
 細川委員、どうぞ。

○細川委員 そういうのは簡単な話で、例えばネットでも申請できるようにして、届出したらそれに対する受付番号みたいなのが送られてくる。例えば、商品には表示義務をつければ、消費者がそれを調べたいときにその番号を入れれば、すぐそれがヒットするということになるわけだから、かえって簡単です。名称を入れたり、住所を入れたりして検索するよりも、はるかにそっちは簡単。文明の進歩している時代に、そういうものは案外簡単にできるのではないかと思います。

○河上委員長 ほかに、この問題についてはどうですか。
 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 清水先生、もし御意見があれば伺いたいのですが、この業界の最大の問題は、悪貨が良貨を駆逐するといいますか、きょうお見えになっている協会の方は、まじめに地道に、弊害のない健康食品を売ろうということでやっていらっしゃると思いますが、この協会に入らない、アウトサイダーと言っていいのかどうか、それが9割を占めていると。あえていい加減とは言いませんが、成分表示どおりのものがちゃんと入っているのかどうか。時期によって違うという健康食品もあると言います。
 あえて言えば、悪貨が派手な宣伝で大きな売上を占める、こういう現実があるわけです。これが消費者にとっては、いろいろな弊害をもたらすのではないかというふうに危惧しているわけですが、どうしたらこれが改められるのか。一発というのはないのかもしれませんし、届出制が一つのあれかと思いますが、長年研究されていると思うので、こうやれば効果があるというのがあれば、教えていただければと思います。

○名古屋文理大学清水俊雄健康生活学部教授 日本がパイオニアとして、この分野のレギュレーションもサイエンスもやってきたわけです。レギュレーションがないヨーロッパ。アメリカもなかった。それから、スタート時に、アメリカは完全な届出制で、それも、自己責任で何でも表示できるという問題があったわけで、海外の制度がだんだんよくなってきた段階で、日本と同じような問題が世界中に出てきているのが、現状です。
 こうしたらいいというゴールドスタンダードというものはないと思いますが、まずは先ほどからお話があります、一定のガイドラインに従ったものでないと、錠剤・カプセル等のサプリメントについては販売できないというような規制をかける。現在、90%が協会に入っていらっしゃらないということだったのですけれども、少なくとも協会に入るなり、一定のガイドラインに従った製品しか世の中では売られないということになれば、国民のこの分野の安全性も担保できるし、より有効性の高い製品も出てくる。
 もう一つは、トクホ、栄養機能食品を拡充する。やはり健康表示ができなければ、消費者は買おうというインセンティブは働かないわけです。一つ、表示については、いわゆる健康食品を規制するのと、一方、今あるトクホ、栄養機能食品をより拡充していく。これがなくて規制ばかりだと、今の健康食品の全体がシュリンクしてしまいます。現在、世界は大きくなろうとしている段階で、日本がパイオニアのこの分野で、シュリンクするということになってはいけない。ですから、もう一つは、健康食品の届出の義務化による悪貨を駆逐するということに加えて、良貨をプロモートするという意味での、トクホと栄養機能食品の拡充という2つが並行して行われる必要があるのではないかと思います。

○河上委員長 予定していた時間は過ぎてしまいましたけれども、よろしいですか。
 食品の機能性表示の問題を中心にということで、きょうはいろいろ伺ったわけですけれども、いろいろな表示とかは、それによって消費者が自らの健康の保持増進につながる行動をとるように導けるものでないといけない。そうなると、機能性表示などを考えるにあたっても、どういうふうな表示に対して消費者がどういうふうに理解して行動をするかという、一つは消費者行動についての研究も必要になってくるのだろうということでございます。こうしたことも研究しつつ、先ほど出ましたガイドラインの整備も含めて、機能を評価する評価手法に関する問題を解決することも、新たな制度を考える上では必要になるのではないかと思われます。
 他方で、目新しいものをどんどん入れていくというよりも、現在ある特保、あるいは栄養機能食品といった既存制度のよさを生かす形で、その枠組みの中でそれを充実させる手も考えられるのではないかというお話もございまして、大変興味深くうけたまわりました。
 さらに、表示のルールづくりにとどまらないで、食品についての消費者啓発も必要だということも、これまで何度か言われてきたところであります。
 きょう、一番問題になった届出制ですけれども、錠剤・カプセル型のものについて届出制をとる可能性はどのくらいあるか。その必要性の根拠、届出の内容、先ほど細川委員から出ましたコストを含めた具体的な手法。さまざまな問題があるということでございますけれども、一つのあり得べき方向として、今、議論されたと認識しております。まだまだ慎重な検討を要するものではあろうかと思いますけれども、引き続き、これまでの議論を踏まえ、委員間で議論を重ねまして、できましたら、年内を目途に一定の結論を得たいと考えているところでございます。
 本日はお忙しい中、皆さん、審議に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。

≪5.公共料金について≫

○河上委員長 それでは、「公共料金について」、議論を進めたいと思います。
 公共料金につきましては、消費者委員会で2月に建議を発出しました。また、5月から7月にかけて、東京電力の家庭用電気料金値上げ申請に関する審議を行いました。現在、一部の電力会社におきまして、家庭用電気料金値上げ申請の検討がなされていると伺っておりますが、電気料金を含めた公共料金について、国民生活に与える影響の大きさを考えますと、専門的知見から、消費者委員会における調査審議体制を強化することが必要であると考えています。このため、消費者委員会に「公共料金等専門調査会」を設置したいと考えます。
 お手元に、「公共料金等専門調査会設置・運営規程(案)」を配付しておりますので、事務局から説明をお願いいたします。

○原事務局長 資料11になります。専門調査会は今までも幾つか設置してきております。それにならった形で、設置・運営規程の案をお示ししております。
 内容的にはほとんど同じですけれども、第3条に専門調査会の所掌ということで、「専門調査会は、委員会の求めに応じて、公共料金等に関する重要事項について調査審議する」ということで、この重要事項については、横断的な課題、審議の透明性ですとか、消費者の参画といったこと。それから、個別の料金改定についてということも重要事項に含まれています。
 それから、第8条に消費者庁の協力という規程を置いております。「専門調査会は、調査審議に当たって、消費者庁の協力を得る」ということで、消費者庁の協力を得ながら専門調査会の運営を図っていきたいと考えております。案ということで提示させていただきます。

○河上委員長 ありがとうございました。
 それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いします。
 細川委員、どうぞ。

○細川委員 東京電力の値上げがこの前ありましたけれども、今、ほかの電力会社は具体的に値上げということが言われています。そういうものがあったときのかかわり方というのは、どんなイメージですか。

○原事務局長 電力に限って、いろいろと報道でも出てきておりますので、これはまず、経済産業省、資源エネルギー庁の専門の委員会のほうで審議をされ、その結果で消費者庁に付議がある。その段階でこの専門調査会にも意見を求められて、専門調査会としても意見を出し、経済産業省と消費者庁の担当している大臣で閣議に上げていくということになるかと思います。消費者庁がチェックリストを作成いたしまして、それに基づいて専門調査会で審議をするということになると思います。

○河上委員長 専門調査会の下に、さらに調査会をつくるということも可能ですね。

○小田審議官 規程上は可能です。事務局長から申し上げましたが、一点補足しますと、消費者委員会は経済産業省から協議が来たり、消費者庁から意見を求められる、あるいは求められないにかかわらず、例えば東電のときも、経済産業省に来ていただいてヒアリングをされています。そういう意味では、意見を求められる前からいろいろな調査審議は進められる。そういう意味で、まさに消費者委員会に専門調査会を置いておくほうがいいのではないかという判断です。

○河上委員長 それはそうだと思いますが、細川委員がおっしゃったのは、具体的に新しく問題が立ち上がったときの対応のイメージですね、組織としての。今の専門調査会がそのままの形で対応することになるのか、それとも、さらに別の組織がその下にでき上がるのかとか、いろいろな形態が考えられます。

○原事務局長 今のところのイメージとしては、専門調査会で。

○河上委員長 そのままやろうかということですかね。

○原事務局長 そうです。

○河上委員長 そうすると、電気料金値上げ対応型の公共料金調査会ですか。

○村井委員 日経新聞に掲載されていましたが、経済産業省の新次官が、「他電力の値上げは東電とはレベルの違う対応をします。」とおっしゃっています。前回は国の税金が1兆円投入されましたが、このことにより審査基準が違うのでしょうか。専門調査会を素通りということはないと思いますが、いかがでしょうか。

○河上委員長 審査の大方針については、ある程度議論をしておかないといけないし、今回、東電の値上げ申請に対する審査がある程度までモデルになるとは思いますが、それを前提にどれくらいやっていただくかについても、調査会の中で一遍もんでいただく必要があると思います。

○小田審議官 いわゆる9電力、一般電気事業者の電気料金の改定というのは、関係閣僚会議に付議しないといけません。東電がああだったから付議したわけではなくて、一般電気事業者の約款というのは必ず付議するということがお約束事になっていますから、東電以外でも来たら、経済産業省から消費者庁にちゃんと協議をかける。消費者庁は消費者委員会と協力を得て審議をするとしていますから、当然、消費者委員会にも意見を求めるだろう、こういうふうに思います。

○村井委員 前回のときは公的支援が入ったということで、社会保険料の会社負担が妥当かどうかという議論があり、相当圧縮されました。こういったことは今回のほかの電力会社には適用しないということなのでしょうか。

○河上委員長 そこはまだですね。具体的な審議の内容ということになりますから。

○山口委員長代理 当然、それも審議の対象になると思います。特に関西電力は、東京電力以上に地元にとっては殿様企業です。ものすごい系列企業を持っています。役員報酬も東電よりも本当に高いというような話も聞いていますので、やはりそれなりの情報開示はちゃんとしていただいて、その上で言うべき意見はきちんと言った上で、最終的には担当大臣に判断していただく必要があると思います。
 それから、東京電力については、認可されてそれで終わりではないわけで、いわゆる自由料金と規制料金のバランスがおかしいではないかと。これは実施した上で、その後の状況は報告してくださいという話になっているわけですから、値上げで終わりではなくて、半年後、1年後に、結果はどうなりましたかという検証は必要だと思うので、それは専門調査会のほうできちんと審理していただければありがたいと思うし、その必要もあるだろうと思います。

○河上委員長 夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 少なくとも東電のときのように、消費者庁がチェックポイントの検討チームをつくって、それとは別に消費者委員会が検討したというふうに、一般的な国民からはとらえられたこともあるので、そういうことがないように今回はきちんと消費者委員会に調査会を設ける。それから、ほかの電力会社が来たときにも、横断的な事項というのは共通なわけですから、情報公開しなさいとか、きちんと中のものを精査してというようなところは変わらないので、そういう意味では、消費者委員会に専門調査会を設けていただくのはとてもいいことだというふうに私自身は考えます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。もう内容についての議論が始まってしまいましたけれども、いずれにしても公共料金の専門調査会、このような運営規程案のもとで設置していくということで、「案」をとってよろしゅうございましょうか。

(「はい」と声あり)

○河上委員長 どうもありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
 本日、こちらで用意した議題は以上でございます。お忙しいところを審議に御協力いただきまして、ありがとうございます。

≪6.閉会≫

○河上委員長 最後に、事務局から、今後の予定等について説明をお願いいたします。

○原事務局長 次回の委員会につきましては、11月27日(火曜日)16時からを予定しております。
 議題につきましては、公共料金問題についての建議のフォローアップ、消費者庁の部分が残っておりましたので、消費者庁の部分です。それから、きょうに引き続きまして、消費者教育についてのヒアリング、電気通信事業者の販売方法と予定しております。
 それから、12月の委員会ですけれども、消費者基本計画の検証・評価の作業がございまして、各省庁からのヒアリングを予定しておりますので、毎週開催させていただきたいと思っております。12月は毎週火曜日16時からということで、予定をしていただけたらと思います。
 内容については、決定次第、ホームページ等で御案内をさせていただきます。
 それから、資料12で配付しておりますけれども、12月1日(土曜日)に第6回の地方消費者行政を大分で開催いたします。テーマは「高齢者の消費者被害の防止」ということで、皆様、是非ふるって御案内をいただけたらと思います。
 事務局からは以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。12月は、委員間打合せは全部格上げで委員会でやらざるを得ないぐらいフォローアップの作業が詰まっていますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)

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