第1回 景品表示法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会 議事録

日時

2014年2月6日(木)13:00~13:52

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
小早川座長、川出委員、白石委員、長田委員、増田委員、宮城委員
【消費者委員会委員】
河上委員長、岩田委員、夏目委員、山本委員、唯根委員
【説明者】
消費者庁 川口審議官、菅久審議官、黒田参事官・課徴金制度検討室長、加納消費者制度課長
【事務局】
小田事務局長、金児企画官、稲生参事官補佐

議事次第

  1. 開会
  2. 消費者庁でのこれまでの検討状況について
  3. 今後の調査審議の進め方について
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

※資料4~8、参考資料1~6は、消費者庁提出資料

≪1.開会≫

○金児企画官 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
ただいまから消費者委員会「景品表示法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会」の第1回を始めさせていただきます。
まず、配付資料の確認をさせていただきます。
お手元の資料の1枚目の議事次第の裏側に配付資料の一覧がございます。
資料1が設置・運営規程。
資料2が委員名簿。
資料3が諮問書。
資料4から資料8までが、消費者庁からの提出資料。
資料9が今後の調査審議のスケジュール(案)。
また、参考資料1から参考資料6までが、消費者庁からの提出資料でございます。
不足がございましたら、事務局へお申し出ください。
本専門調査会は、本日が初めての開催となります。本来であれば、専門調査会委員の皆様に自己紹介をお願いしたいところですが、本日は時間が限られておりますので、事務局より御紹介させていただきます。
資料2に委員名簿をお付けしてございます。
まず、本専門調査会の座長を務めていただきます、成蹊大学法科大学院教授の小早川光郎座長です。座長につきましては、去る2月4日に、消費者委員会の河上委員長から指名を受け、お引き受けいただきましたことを御報告させていただきます。
次に、東京大学大学院法学政治学研究科教授で、刑事政策を御専門とされております川出敏裕委員です。
次に、東京大学大学院法学政治学研究科教授で、独占禁止法等の経済法を御専門とされております白石忠志委員です。
全国地域婦人団体連絡協議会事務局次長の長田三紀委員です。
公益社団法人全国消費生活相談員協会専務理事の増田悦子委員です。
弁護士の宮城朗委員です。
それから、慶應義塾大学大学院法務研究科教授で民事法・消費者法が御専門の鹿野菜穂子委員ですが、本日は所用により御欠席との連絡をいただいております。
また、本日は、消費者委員会から、河上委員長、岩田委員、夏目委員、山本委員、唯根委員が出席しております。
ここからは、小早川座長に議事進行をお願いいたします。

○小早川座長 それでは、一言申し上げます。河上委員長から御指名を受けまして、この専門調査会の座長を務めることになりました小早川でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
私、消費者法が特に専門というわけではございません。
ただ、先般、消費者庁における「消費者の財産被害に係る行政手法研究会」に関与することになりまして、その座長を務めさせていただきました。
それとのつながりがあるかということでございますが、勉強しながら、皆様の議論についていこうと努めてまいったところでございますし、これからもそうかと思います。
今回の専門調査会、消費者委員会への諮問がなされまして、それに基づいて立ち上がったということと理解しております。
今、申しました行政手法研究会でいろいろ議論がありましたが、その成果をも踏まえつつ、一つ、次のステップということで、何か具体的な方向性へとつなげていくということがこのミッションかと思っておりますが、どうか皆様にはいろいろ積極的に議論を進めていただけるようによろしくお願いいたします。
どうぞよろしくお願いします。
では、続きまして、座長代理の件です。
当専門調査会の設置・運営規程によりまして、座長が指名するということになっております。
私としましては、白石忠志委員に座長代理をお願いしたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
それでは、ここで河上消費者委員会委員長より御挨拶を頂戴したいと存じます。
河上委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○河上委員長 河上でございます。よろしくお願いいたします。
皆さん、お忙しい中、本当にありがとうございます。
この専門調査会につきましては、資料3にございますように、内閣総理大臣から諮問を受けまして、昨年12月17日の消費者委員会本会議におきまして設置が決定されたものであります。
これから、本専門調査会を進めていただくに当たりまして、諮問に対する委員会の答申に関して、委員長として、現在、考えていることを3点ほど簡単に申し上げたいと思います。
まず、第1点目でございますが、これは今般の検討の対象についてであります。課徴金制度の導入の措置のあり方について諮問をされたわけでありますけれども、今年の一番最初の本会議であったかと思いすが、大臣がお越しになって、この制度の導入に向けた並々ならぬ意欲をお示しになりました。
委員会としては、大臣の意を汲み、導入をするとした場合の制度の問題点について、しっかりと議論をして、速やかに具体的な方向性を示す答申をしたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
第2点目でございます。
今のことと関係しているのですけれども、スケジュールについてでありますが、委員会としましては、できるだけ速やかな答申を求められていると認識しておりまして、答申の時期は本年の夏を目途としたいと考えておりまして、それまでに取りまとめていただくということをぜひお願いできればと思っております。
そのためにも、できましたら、3月の末ごろには一旦中間整理をいただいて、その基本的な方向性等について明らかにしていただくことが望ましいのではないかということを考えておるところでございます。
第3点目ですけれども、これは会議の運営の仕方であります。諮問に対する答申は、通常は専門調査会を開いていただいて、その専門調査会の中での議論ででき上がった報告書を受けた上で、消費者委員会本会議が答申の内容について考えるという仕掛けになっておりますけれども、この課徴金制度の導入につきましては、消費者委員会本会議の委員の中でも強い関心を持たれておりまして、しかも、問題が非常に難しいということもございますので、当専門調査会に関しては、原則として本会議と合同で開催するということにさせていただいて、消費者委員会委員も積極的に議論に参画して、自らの意見形成を速やかにやっていきたいということを考えております。その点、合同会議のような形をとるということについても、御了承いただきたいと思います。
以上を踏まえまして、皆様のお力添えを賜りまして、調査審議をぜひ充実した形でお願いしたいと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。

○小早川座長 どうもありがとうございました。
なお、当専門調査会の設置・運営規程第八条に「専門調査会は、調査審議に当たって、消費者庁の協力を得る」と定められております。消費者庁からは毎回御出席をいただいて、議論にも参加していただくということにいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
また、もう一点、この専門調査会の会議につきましては、録画をして、翌日から議事録ができるまでの間、消費者委員会本会議のホームページで動画を配信するということにさせていただきます。
消費者委員会で普段こうしておられると伺っておりますが、この専門調査会についても、そのやり方をとるということにいたします。
それでは、議事に入らせていただきます。

≪2.消費者庁でのこれまでの検討状況について≫

○小早川座長 まず、消費者庁でのこれまでの検討状況につきまして、消費者庁から御説明をいただきたいと存じます。
昨年6月に、消費者庁で「消費者の財産被害に係る行政手法研究会」としての取りまとめを行いましたが、その研究会での検討状況を含めて、景表法への課徴金制度の導入の検討に関するこれまでの経緯もございますし、また、今回の消費者委員会への諮問に至る経緯もあります。そういった点について御説明をいただければと存じます。
本日は、お忙しい中を、消費者庁より、川口審議官、菅久審議官、課徴金制度検討室長の黒田参事官、加納消費者制度課長にそれぞれお越しいただいておりますので、よろしくお願いします。
では、説明のほうをお願いいたします。

○消費者庁黒田課徴金制度検討室長 それでは、私、黒田のほうから簡単にこれまでの経緯について、御説明させていただきたいと思います。
お手元に資料がいろいろございますが、まず、今回、直接的には先ほど御説明がありましたとおり、資料3にあります諮問があったということで、この会議が開かれているということですが、この諮問に至る経緯については、大きく言えば2つ動きがございまして、直接的な部分とか大きな流れがあるのですけれども、まずは直接的な契機ということで申しますと、順番がちょっといろいろ前後しますので、資料4から参考資料まですぐ出せるようにしておいていただきたいと思います。参考資料で言いますと、直接的な契機で言えば、参考資料2あたりから実はスタートいたしまして、全部見なくても、聞いていればわかるような話をするつもりではおりますが、直接的なきっかけは、やはり、昨年10月末以降の食品の一連の不正事案、これに対応といたしまして、措置命令等を打ってきたところでございますが、このいろいろな事案が出て行く中で、各政党、つまり自民党、民主党、公明党といったところから、しっかり景品表示法における監視指導体制の強化を含めて検討するようにという緊急提言も幾つかなされました。ちょっとそれは今日はお配りしていないのですけれども、その中には、はっきりと景品表示法において、課徴金制度の導入を検討せよという提言もございました。
そういった一連の動きを踏まえて、参考資料3でございますが、昨年12月9日に政府として関係府省庁が「食品表示等の適正化について」という紙をまとめました。
この資料の3ページの「3.景品表示法の改正等」の(3)にありますけれども、この一連の表示適正化対策を取りまとめる中で「違反事案に対する課徴金等の新たな措置の検討」という項目を入れまして、これに基づいて、即日に総理大臣名で諮問させていただいたということでございます。
以上が直接的な契機ではございますが、また、それとは別の大きな流れについては、資料5をあけていただければと思います。
資料5については、消費者庁ができる前からの話も載っておりますが、まず、そもそも景品表示法については、平成20年3月に課徴金制度の導入を含む独禁法及び景表法改正案が出ていまして、これは廃案になっております。
その後、消費者庁ができるときに、一連の消費者に身近な法律については、消費者庁に一元化する。特商法等とそれぞれ持ってくるときに、景品表示法も公正取引委員会から消費者庁に所管が移ってきたわけなのですけれども、その際にも、国会の議論の中で課徴金については、どうするのかという質問に対して、これは官房長官から21年4月ぐらいのタイミングだと思われますが、被害者救済制度の総合的な検討を実施する際にあわせて検討するというような答弁をしておりまして、それで、消費者庁に移管するときには、その課徴金の制度は、一度議論はあったものの、盛り込まれずに来ているということでございます。
実際に、消費者庁が設立するときに、附則で21年6月に、ここに書いておりますように、宿題というような形で必要な措置を講ずるということでありまして、そういったことを受けて、被害者救済、違法収益の剥奪等について、いろいろ検討してきておりまして、ここにはないのですけれども、22年には、事務方をトップとする庁内の検討チームなどもつくりまして、ずっと議論を続けまして、その成果などが、例えば消費者安全法の改正で、すき間事案に勧告できるようになるとか、あと消費者裁判手続特例制度について議論して、昨年の臨時国会での成立といった流れになってきております。
他方、違法収益等の部分については、23年10月、ここにありますように、先ほど座長のほうからもお話がありました「消費者の財産被害に係る行政手法研究会」が設置されまして、昨年の6月に報告書を出したということでございます。
ここで、課徴金制度についても議論がされまして、3ページの特にごらんになっていただきたい部分はこの矢印の部分なのですけれども、民事訴訟手続によっては、不当な利益を剥奪できない場合がある。要は、事業者にいわゆる「やり得」が残るということがありますので、賦課金制度の導入の意義・必要性は、なお認められるという指摘がなされております。
最後にあるのは、先ほど申し上げた一連の不正事案からの流れとくっついてきているということで、今回の諮問に至っているということでございます。
課徴金の制度の必要性について、今までの検討状況については、資料6で簡単に取りまとめさせていただいております。
主には行政手法研究会の成果などを生かしつつまとめた資料ではございますが、特に、なぜ必要なのかということについて、1ページめくっていただきまして「行政手法研究会」とか、いろいろ引用しておりますし、3ページでは、全体的に相談件数が頭打ちの中で「表示・広告」に関しては、比率的に上がってきているといった指摘があるのですけれども、やはり、今、申し上げたように、4ページになりますけれども、どうしても「やり得」の部分が残るのではないか。不当表示事案では、個々の消費者が実際にどの程度、損害を被ったのかを算出することが困難な場合が多いということも考えられるほか、算出したとしてもその金額が僅少であるということもありまして、先般、消費者裁判手続特例法をつくったのですけれども、そういう民事訴訟手続の対応だけではやはり不十分な部分が残るのではないかということでございます。
また、景表法の措置命令という命令については、基本的には、その表示を直させるというのが基本的な命令になっておりまして、この一回得たやり得の利益を吐き出させるというようなものではないということから、自分たちで持っている権限について、こう言うのも何なのですけれども、抑止力という点では、まだまだ課題があるのではないか。そういう2点から景品表示法で課徴金を入れなければならないのではないかと考えております。
その他、いろいろ議論される点で、ぜひこの場でも議論していただきたい部分については、例えば、今回、一連の諮問をしていく政府として対応策を取りまとめていく中でもいろいろ議論があったのですけれども、この資料で言えば、7ページ以降、この「直罰規定」を入れるべきではないかとか「業務停止命令」を入れるべきではないかといった議論もございます。
そういったものと比較しながら、我々としては、課徴金ということで、今回、議論していただきたいわけですけれども、それとの比較でどういうことが言えるのかということについても、ぜひ御議論いただきたいと思います。
さらに、では経緯はこうなのですけれども、今後、この調査会でぜひ御議論いただきたいことにつきましては、資料7をごらんいただければと思います。
資料7については、先ほど申し上げた「消費者の財産被害に係る行政手法研究会」の取りまとめの中で、景品表示法への課徴金制度の導入に関して論点とされた事項を抜粋したものでございます。
全体の報告書もしくは関係する文書自体は、ここの参考資料でお配りしておりますので、後でごらんになっていただければと思いますけれども、端的に申し上げまして、1枚めくって表紙の裏の2ページでございますが、検討会でも、結構いろいろ深く議論をしていただいておりますので、私どもとしては、議論の出発点として0から議論するというよりも、ここにある既にまとめていただいた議論の論点に従って議論をしていただくのが効率的かなと思っておりますし、ぜひこういった論点について、一つ一つ答えをいただきたいと思っております。
上から順番に簡単に申しますと、例えば「1.趣旨・目的」でございます。
趣旨・目的をどう考えるか。
先ほど、簡単に私どもの考えを申しましたが、それでいいのかどうかということであります。
2として「要件」。
「○ 対象事案」ですが、不当表示の範囲をどう考えるかということでございます。
例えば、これは最初に景品表示法の課徴金制度を公正取引委員会で提出したときについても、全ての景表法違反が全部課徴金の対象となったというわけではありません。
景表法も、例えば、優良誤認、有利誤認とかありますし、こうやって書いてあることについて、業者のほうで証明できない場合はだめですよといったようなやり方とか、告示で指定しているものについてのところがありますけれども、それ全てについてやるのかどうかということがございますし、あとは前回の場合は、故意もしくは重過失の場合、対象になるというようなことになっておりましたけれども、引き続きどうなのか。
今回も、不正事案、一連の事案については、あれは偽装だったのか、故意だったのかといろいろな議論がございました。確かに、景表法については、その動機を問わずに、結局、消費者が実際に手にとって商品を選ぶときに誤認を生じさせればアウトという法律でございますけれども、それについて、実際に、ではどこまで課徴金をかけるときに、その辺のあたりを議論する必要があるのかといったことを議論いただきたいと思いますし、あとは規模基準の要否及び水準、つまり課徴金の徴収する全体の金額といいますか、そういったもの。先ほどなかなか算出しづらいと申しましたが、逆に余り徴収する上限を下限を大きくし過ぎると、ほとん課徴金が取れないということもあるのかもしれませんし、そうすると抑止力にならないのではないかという議論もあるかもしれません。
現行の課徴金制度でも、そういう下限を制度によっては規定しているものがあれば、規定していないものもありますので、そのあたりとの比較で、ではこの景品表示法の場合はどうすればいいかといったことなども議論していただきたいと思っております。
あと「算定方法」ですが、これについてはいろいろな考え方があると思います。
あと、期間も、実際にその瞬間でということはなく、表示ですから、一定の期間さらされているということについて、どこまで考えるかと。過去をどこまでさかのぼるとか、そういったことがございます。
あと、金額のほかの何回も繰り返す人はどうするのかとか、自分から言った人はどうするかとか、いろいろな論点があるかと思います。
あと「4 裁量性」ということでありますけれども、そもそもよくある議論としては、余りにも裁量がある場合、ない場合、つまり課徴金を免除するような形で最初から調査するのか。
最初の段階で、今回の違反については課徴金の対象とはせず、措置命令だけで済ますのかというようなことが、最初の段階で行政として判断していいのか。やはり常に同じやり方で調査しなければいけないのか。これは実務面でどういう問題があるかというと、例えば、先ほどの部分の議論とも関係するのですけれども、故意の場合特に課徴金を課すというような議論をした場合に、故意というものを立証しなくてはいけないということになります。
そうすると、その分、やはり証拠を集めなければいけないということになって、調査期間がかかる、そうすると、機動性に欠ける。執行までに時間がかかる。措置命令で表示だけ直せというのであれば、大分証拠を集める時間も違いますね。機動性が確保されるという議論もございます。
そういったような議論も関係するので、法の適用の裁量性とか、例えば金額の算定の仕方まで、どこまで行政に裁量性を与えていただけるのかといったことについても、議論のポイントとなろうかと思います。
あと、その「執行手続」ということについては、調査権限の手続、いろいろ反論がある場合、どうするかとか、ほかのいろいろな制度がありますけれども、全体の仕組みの中でどこまで調査していいのか、手続、反論の機会とかをどうするのかといったこと。あとは徴収について、例えば、先ほど申しました被害者救済ということを考えたりすると、先に課徴金という形で企業からお金を取ってしまうと、実は裁判を起こしたときには、その企業にお金が残っていなくて、結局取り戻せない。被害者救済という観点からすると、結局、課徴金のほうが優先されてしまうというようなことが起こってしまうときに、そういうものをどう考えるかといったこととかがあると思います。
最後「6 被害回復の観点」ということなのですけれども、課徴金、今、申し上げたような被害回復の観点で、課徴金の原資がなくなるといったようなこととか、あとは実際、課徴金の制度として、徴収した後、どうそのお金を扱っていくのかというようなこともあろうかと思います。
そういったことで、非常に駆け足で説明させていただきましたが、既にいろいろ研究会等で議論されている論点をもとに、速やかに議論していただきたいと思いますし、私ども消費者庁としても、いろいろな資料等、これまでの議論の過程の話とか、できる限り協力させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
簡単ではございますが、説明を終わります。

○小早川座長 ありがとうございました。
それでは、今の御説明に関する質問、御意見もおありかと思いますし、その上で、私どもの調査会が何を求められているのかということについてのいろいろな御意見、御質問もあるでしょうし、それから、中身の話にはなりますけれども、今後の検討の方向性について、この段階で御意見をお述べになりたいという向きもあるかもしれませんが、時間が限られておりますので、恐縮ですが、時間の観点を踏まえた上で、ぜひ積極的に自由に御議論をいただきたいと存じます。
では、岩田委員。

○岩田委員 恐縮です。
途中で退座しますので、申し訳ございません。
この段階で、2つお話ししたいと思うのですが、1つは、今、事務局から御説明いただいた論点となる事項という6つの項目というのは、今の御説明だけでも結構相互に関連してくるので、最終的にはトータルで総合的に判断しないといけないと思うのですが、議論の出発点としては、やはり1の課徴金の性格とか、目的をどうするのかという、ここをしっかりこの委員会で合意をつくらなければ、その後の各論の議論に行ったときに、迷走する、難しいことが起こってくるのではないかなと思います。
今日御説明していただいた資料の中でも、後ろのほうにありました参考資料5というところを見ますと、課徴金は「被害発生を防止するための方法」ということで、被害の抑止のための手法ということで位置づけられておりますが、別の資料6の読み上げていただいた4ページを見ますと、いわゆる「やり得」のことが書いておられて、これは消費者に返還されるべきものということで、若干そのあたりで、いただいた資料の中でも、課徴金の目的、性格というものが、必ずしもはっきり1本、いろいろな考え方があるのだなというのがわかりましたので、そこをまずしっかり議論をさせていただきたいなと思いました。
2点目は、ここで議論をする過程で、もちろん消費者の保護のための対策の議論なのですが、最も関係の深い産業界の意見をよく聞いて欲しいなと。そういうプロセスをしっかりとっていただきたいなと思います。
もちろん、悪質な業者が市場から退場させられる、駆逐されるというのは当然のことだと思うのですけれども、誠実に普通にビジネスをやっている事業者の事業活動が不自由になるということは、これは国民全体の利益にもならないことだと思いますので、そして、今回、問題の発生は食品業界だったかもしれませんけれども、景品表示法の改正ということでしたら、産業界全般にわたるということになると思いますので、やはり産業界がよく納得をしてくれる、できれば賛同してくれる、こういうことが大事かなと思いますので、様々な御意見が産業界にあろうかと思いますので、その意見を聞いていただくようなプロセスをしっかりとっていただきたいなと思います。
以上です。

○小早川座長 ありがとうございました。
いかがでしょうか。
宮城委員。

○宮城委員 着席のままで発言よろしいでしょうか。

○小早川座長 はい。どうぞ。

○宮城委員 失礼します。たった今、御説明いただきました資料7の論点、手短にこれに対して、若干、現時点の意見を申し述べさせていただきたいのですが、まず「1 総論(趣旨・目的)」という点でございますが、ここで挙がっているのは、不当表示を事前に抑止する、早期に市場から撤退させる。それによって、消費者被害を事前に抑止するということで、これが中心的な目的だということについては、もちろんそうなのですが、できれば、この検討会では、もう一つ消費者全体の被害回復、維持回復、そういった全体的な目的のために、課徴金をどういう形があるのかわかりませんが、特別会計なり、基金というような形で、適格消費者団体であるとか、それからこれから訴訟制度が始まる特定適格消費者団体であるとか、あるいはそれ以外の消費者利益確保の活動であるとか、そういった消費者全体の利益のために、その財源を使える枠組みというようなことをできるかどうかということも、ぜひ議論の中に入れていただきたいということが1つです。
それから、対象事案、これについて、優良誤認について、不実証広告を対象としない。それから指定告示事項を対象としないということが20年改正法ではそうなっておりますが、このうち3号指定告示については、これについては法律で定めることではないということで、ペナルティーを科する以上は法律で定めるべきだということで、3号を除くということは、よく理解できるのですが、不実証広告規制については、資料を出さないことによって、優良誤認表示とみなすという規定でありますので、これは課徴金から除くということになりますと、もう不当表示はないと頑張って消費者庁が調査に入っても、資料を頑として出さないということを徹底すれば、それは課徴金から免れられるということになってしまいますので、これは絶対にやめるという方向で御検討いただきたいということが1つでありあす。
それから、主観的要件でございますが、これは旧公取案では、重過失ということになっておりますが、これでは実際に制度がワークするのかということが非常に疑問でありまして、行政手続で、例えばここに書かれているところでは、公認会計士法で重過失で認定するということになっているのですけれども、表示の問題でそれが間違っている、それはうっかり間違えましたということで、それで軽過失と言い逃れをして、故意、重過失ではないから責任はないということで争われるということになると、全くなかなか課徴金の認定評価は大変になって、重過失ということだけはぜひ避けていただきたいと考えております。
それから、論点4の裁量的賦課については、非常に慎重に考えなければいけないと思います。
課徴金を課するということについては、やはり予測可能性、制度の透明性、公平性、それから迅速性の観点からも、画一的基準で早い速度でまた予見可能性も確保して、迅速に課徴金を課するということがなければいけないので、基本的に課徴金を賦課するかどうかについて、裁量性ということは、非常に慎重に考えたほうがよろしいかと思います。
それから、使途については、先ほど申し上げたとおり、今のところそのようなところがぜひ検討していただきたいという意見であります。

○小早川座長 それぞれこれから検討してまいりましょう。
それでは、ほかにいかがでしょうか。
増田委員、どうぞ。

○増田委員 私も消費生活センターに勤務していた者としてお話しさせていただきたいと思います。いろいろな不当な表示を見て、品物を買って、それによって財産的な被害を受けたといったときに、消費生活センターであっせん交渉をしたときに、もし違反だという指摘があったとしても、違反は認めて直します、でもお金は返しませんという形で、なかなか被害回復ができないでいます。
合理的根拠の資料を提出するというところが入ってから以降も、現実にはそういうことが継続しているという状況から、一般消費者の方に対する被害回復というのはほど遠い状況があります。
今、宮城先生おっしゃられたように、課徴金をどう消費者利益にするのかというところは、ぜひ検討していただきたいということと、それからあと、やはり事業者が時間をかけることによって、小さい事業者ですと、いなくなってしまうことが非常に大きいので、速やかにやっていただきたいということ。
それから、大手事業者で、善良に事業を行っていたとしても、やはり非常に重大な問題を起こすということは現実にあります。善良な事業者だからいいのかという話ではないかと思いますので、きちんと整理してほしいと思います。
以上です。

○小早川座長 ありがとうございます。
それでは、ほかにいかがでしょうか。

○河上委員長 よろしいでしょうか。

○小早川座長 河上委員長、どうぞ。

○河上委員長 1点確認ですけれども、前に法案が準備されたことがあって、それが一旦は廃案になったということだったわけですけれども、消費者庁にこの法律が移管されたことによって、今度は出す趣旨とか目的に何か差が出てくると考えたほうがよいという考えですか、それとも、その前の法案の考え方が基本的には妥当するのではないかということなのでしょうか。

○小早川座長 どうぞ。

○消費者庁川口審議官 私、内閣官房で消費者行政一元化準備室というところにおりまして、前の法案を廃案にするという検討をしたときに、担当の一角にいたということがございますが、もともと景表法を公正取引委員会自体は独占禁止法の特別法という競争法の性格があるということで運用されていたものを、消費者庁に持ってくるときに、消費者法と性格を変えるということで、目的規定から少し変えたところがあります。
実際規制されているものが変わっているということではありませんが、法の性格を変えるということをしておりまして、景表法は、現在、消費者法体系の中に位置づけるということになりました。
ですからそういう変更をした上で、移管をしておりますので、その法律の性格を少し変えて移管する前提であれば、もともと景表法、課徴金を入れるという法案、これも消費者庁においては、消費者法の一環として検討してから出すべきだろうという検討を内閣官房のほうでいたしまして、一旦廃案にするということをした経緯がございます。
ですから、現在の法律の趣旨・目的、これは消費者法である。消費者法体系の中での初めての課徴金の検討をお願いするということですので、やはり連続する部分も十分参考にはなると思いますが、不連続の部分もかなりあるという前提で御検討いただければと思います。

○消費者庁黒田課徴金制度検討室長 済みません。簡単に補足しますと、同じであれば、参考資料4をそのまま今回の我々の検討会に出せばいいというだけの話になるのですけれども、むしろここから変えるたびに、ぜひ御議論いただきたいということでございます。

○小早川座長 どうぞ。
夏目委員。

○夏目委員 スケジュール感も含めて、少し確認をさせていただきたいのは、最初、河上委員長から、夏を目途に報告をまとめる。それは最終的な取りまとめを指してだと思いますけれども、3月末までに中間報告を出すという話がございました。
先ほど、岩田委員もおっしゃられましたけれども、課徴金を取り入れるということになりますと、事業者全てに分野を問わずにかかわっていくということになりますときに、やはり事業者の意見というのは、とても必要なことだろうと思うのですけれども、そうしますと、今のスケジュール感ですと、3月末までの中間取りまとめはこの調査会の委員がやる。そこでは事業者ヒアリングは入ってこないということですね。
済みません。確認です。

○小早川座長 どうぞ。

○小田事務局長 お手元に配っております資料9、これは後で御説明する予定でしたが、資料9をちょっとごらんいただければと思いますが、参考資料が分厚いので、比較的前のほうに資料9があると思います。
先ほど、河上委員長から中間整理が3月末ごろとの説明がありましたが、それまでに今日も含めて5回できれば開催していただきたい。そこに至る過程で、このスケジュール(案)では、3回目にまず事業者のヒアリングを、中間整理までに一度ヒアリングをさせていただきます。
中間取りまとめの整理が終わった4月以降もまたさらに事業者からのヒアリングを重ねていきたいと考えております。

○夏目委員 いいですか。

○小早川座長 はい。

○夏目委員 ありがとうございました。
そうしますと、委員には事業者サイドの委員は入っていないけれども、ヒアリングはしっかりして内容を決めていくということでございましょうか。
当初は、広く事業者委員も含めてというような案もおありだったかと思いますけれども、こうしていざスタートしましたときには、事業者サイドの調査会の委員はいないわけですよね。
そうしますと、法律の専門家の方々と消費者団体と私ども委員会という、やはり一つ抜けているのではないかという感をどうしても私だけではなくて、外部からも持たれると思いましたので、そこをどう補っていくのかということを確認させていただきました、
既に、研究会のときに長い時間をかけて取りまとめていらっしゃいまして、その中でも、多分、事業者さんが入られ、それからヒアリングをされての研究会報告なので、それを土台にしながら議論を進めていくということが前提になっているかと思いましたので、少し確認をさせていただきました。
ありがとうございます。

○小早川座長 ほかにいかがでしょうか。
あとお一方ぐらい、どなたか御発言があれば。
長田委員、どうぞ。

○長田委員 ありがとうございます。
この行政手法研究会の取りまとめで、論点とされた事項についてを土台としていくというところはそうなのだろうとは思いますけれども、次回、検討すべき論点の整理が行われることになっておりまして、それまでの間に、これにまた加えた形で検討するべきだと思うものがありましたら、出させていただくというのは、よろしいでしょうか。

○小田事務局長 ではお答えします。
先ほど消費者庁から説明のあった論点以外の論点ということです。
ぜひ出していただいて、事務局のほうに寄せていただければ、整理して、間に合えば次回で御紹介したいと思います。

○宮城委員 済みません。

○小早川座長 では、手短にお願いいたします。

○宮城委員 資料9の進行の内容についてなのですけれども、今回の制度で、課徴金の賦課について、その現場の問題というものが非常に大きいと思うのです。
どのように課徴金を算定するのに、どういう資料を集めて、あるいは主観的要件の認定をどのように行うのか、そういったことについては、ぜひ現場で課徴金制度を運営したことのある行政機関の御担当のお話を聞く機会を設けていただきたいなと思っておりまして、そのヒアリングが、例えば公正取引委員会であるとか、あるいは金融庁のほうの課徴金であるとか、そちらのほうで、現場でどう課徴金の基礎となるデータを収集し、どう調査をやって、どういう問題が出ているのか、そのようなところの現場のお話をできれば伺いたいなと思っております。

○小早川座長 その点、留意していきたいと思います。
それでは、まだ御発言希望がおありかとも思いますが、時間の関係で、皆様からの御意見については、今回はここまでにさせていただきたいと思います。
いろいろ冒頭から貴重な御意見をいろいろ頂戴しまして、次回以降の議論に役立ててまいりたいと思います。

≪3.今後の調査審議の進め方について≫

○小早川座長 それでは、引き続きまして、今後の当面のスケジュールについて、事務局から御説明をいただきます。

○稲生参事官補佐 それでは、当専門調査会の当面のスケジュール(案)につきまして、先ほどから話題になっておりますけれども、簡単に御説明差し上げたいと思います。
まず、冒頭、河上委員長から3月末ごろに中間整理というお話がありましたので、まずはそれまでの予定についてなのですけれども、本日、第1回は2月6日ですが、次回が2月13日に予定されております。ここまでの間、とても短いですけれども、きょう消費者庁のほうから御説明があったことをもう少し深めて、導入すべき制度の趣旨、目的であるとか、被害回復の視点を入れるのかどうかといったところについて御議論をいただいて、今後の検討の方向性について皆様の認識を共有していただきたいと思っております。
それから、また、今後の会議で、論点全てを網羅的にというのはなかなか時間の関係で難しいかと思いますので、この会議でどのような論点を重点的に議論していくべきかというところについても、先ほど長田委員から御意見もありましたけれども、論点の御提示も新たにいただいた上で、そのあたりも整理していけたらと思っております。
第3回ですが、ちょっとまだ日程は未定ですけれども、2月の下旬から3月の上旬ごろ、事業者等からのヒアリングを実施したいと思っております。
第4回、3月中旬ごろに具体的論点の検討に入れればと思っております。
検討に当たりましては、今回と第2回でいただいた皆様の御意見を踏まえて、優先順位やどのような順番で御議論いただくかということについて、若干これから修正が必要かと思っておりますけれども、今の時点では、必須となる課徴金徴収の要件、そのあたりから入っていくのだろうと考えているところです。
第5回、3月下旬になりますけれども、ここで中間整理をしていただきたいと考えております。
その後、4月以降ですけれども、まずは先ほど来、皆様から御提案のありましたとおり、事業者等からのヒアリングを丁寧にやっていくということと、それから消費者法ということを反映するという観点から、先ほどからお話がありましたように、徴収した課徴金の取り扱いについてどのようにしていくのかといったあたりも御議論をいただくことになるのであろうと考えております。
最終的には、夏をめどに最終取りまとめという形にしていただければと考えております。
以上です。

○小早川座長 ありがとうございました。
それでは、これからの当面の進め方なのですが、既に御意見をいただいていますけれども、大事な点ですので、さらに御意見があれば、お出しいただきたいと思います。
よろしゅうございましょうか。
今後のスケジュール、なかなか短期間で、ハードでタイトになるかと思いますけれども、どうか皆様、よろしく御協力のほどお願いいたします。
それでは、最後、事務局から事務連絡ありましたら、どうぞ、お願いします。

○金児企画官 次回のこの会議ですけれども、2月13日木曜日の午後3時から午後5時までを予定しております。
どうぞよろしくお願いいたします。 

≪4.閉会≫

○小早川座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。
お忙しいところ、御参集いただきまして、どうもありがとうございました。

(以上)