第16回 消費者安全専門調査会 議事録

日時

2012年8月8日(水)16:00~18:03

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
松岡座長、中川座長代理、内堀委員、片山委員、齋藤委員、佐竹委員、佐野委員、
田澤委員、鶴岡委員、中嶋委員、中村(晶)委員、中村(均)委員、横矢委員
【消費者委員会担当委員】
山口委員長代理、小幡委員
【説明者】
厚木市  倉持危機管理部長
藤川危機管理部セーフコミュニティ推進課長
【事務局】
消費者委員会 原事務局長、小田大臣官房審議官

議事次第

1.開会
2.前回までの議論の整理
3.消費者への注意喚起情報伝達に係る現状と課題について(第15回に引き続き)
4.その他
5.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:65KB)
【資料1-1】 前回:第15回の議論の整理 (PDF形式:179KB)
【資料1-2】 第14回までの議論の整理 (PDF形式:197KB)
【資料1-3】 対策案検討表(前回:第15回の意見のまとめ) (PDF形式:109KB)
【資料1-4】 対策案検討表(第14回までの意見のまとめ) (PDF形式:89KB)
【資料2】 厚木市のセーフコミュニティの取組について(厚木市提出資料) (PDF形式:757KB)
【参考資料1】 内閣府 旧国民生活局公表資料 平成20年6月 【参考資料2】 製品の回収措置に関する情報の利用状況についての調査研究報告書の概要(内閣府 旧国民生活局公表資料 平成18年7月) (PDF形式:338KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、皆さんおそろいになられておりますので、始めさせていただきたいと思います。
 本日、皆様、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会消費者安全専門調査会(第16回)」会合を開催いたします。
 最初に、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。配付資料につきましては、第16回議事次第の後ろに配付資料の一覧をおつけしております。座席表の次に、資料1-1と1-2がございますけれども、資料1-1については、前回、第15回の議論の整理をしたもの、資料1-2は、第14回までの議論の整理をしたものですけれども、資料1-1につきましては、千葉工業大学の越山先生の御提案で、警告認知性の問題が1ページからです。それから、3ページにリスク認知の問題について、4ページにリスク回避の問題についての御意見というので分類いたしましたけれども、5ページからにつきましては、前回、フリーディスカッションをいたしましたので、大変たくさんの御意見が出まして、その3分類の中にうまく収まり切らないものをおつけしております。これも順次、今後の課題の中で整理をしていきたいと思っておりますけれども、今、そういう整理の仕方にしております。
 御発言内容について、不足のところとか修正等がございましたら、また事務局までお申し出いただければと思います。
 次の資料1-3と1-4は、前回からお示しをしております対策案を少し図の中に整理していくとどういうふうになるのかということで、資料1-3は、前回、第15回の意見のまとめ、資料1-4が、第11回から第14回までの意見のまとめということで、まだ分けておりますけれども、順次この中に意見を反映していくようにしていきたいと思っております。
 資料2が、今日、御報告をいただきます厚木市のセーフコミュニティの取組みについて、厚木市から御提出をいただいた資料になっております。
 参考資料1は、概要になっておりますけれども、参考資料1-1と参考資料1-2は、内閣府の旧国民生活局で検討いたしました、前回、佐野委員から御発言のあった部分の資料ですけれども、今回、資料提供ということで、この内容については触れませんけれども、御参考にしていただければということでおつけしております。
 参考資料2は、これも前回のお話の中に出てきていたと思いますけれども、参考資料1のもうちょっとさかのぼりました平成18年の時点ですけれども、「製品の回収措置に関する情報の利用状況についての調査研究」の概要をおつけしております。
 不足がございましたら、また審議の途中でお申し出をいただければと思います。
 それでは、松岡座長、議事進行をどうぞよろしくお願いいたします。

○松岡座長 それでは、議事を始めたいと思います。
 本日は、消費者委員会事務局から、原事務局長に御出席いただいております。厚木市から、倉持危機管理部長、藤川セーフコミュニティ推進課長に御出席いただいております。
 本日の会議につきましては、公開で行います。議事録につきましても、後日公開することといたします。

≪2.前回までの議論の整理≫

○松岡座長 それでは、議事に入ります。今、説明がありましたように、議事次第2の「前回までの議論の整理」ですが、特に前回いろいろ議論が出ましたので、多くの御意見が出ております。前回同様、資料1として、消費者の警告、リスク認知、リスク対応という越山先生の3段階の考えに従いまして分けております。内容につきまして、修正の御要望等がありましたら、事務局の方へ御連絡をお願いいたします。
 特に資料1-1、1-3というのが前回の御意見、非常にいろいろ出ましたので、それのみをまとめてあります。それから、1-3の対応策のマトリックス表もかなり埋まってきたと思っております。多くの御意見をいただきましたので、これからこれを活用しまして、いろいろと整理していきたいと考えております。
 特にこの表を見ますと、いろいろな意見の中で主な御意見といたしましては、流通事業者にリコール等の注意喚起をどこまでの責任を持って行っていただくか、また、その枠組みをどうするか。それから、消費者の方に注意喚起等の情報を流していくことについて、行政が積極的にその役割を担い、事業者への支援を充実させることでリコールを行うためのハードルが下がるのではないか。それから、いつまで、どこまでリコール品の回収活動を続けていくのかについて、何かガイドラインができないかという御意見。リコール品による事故被害の容態によって、ランク分け等の重みづけがあれば、リスクの重要度の違いがわかりやすくなるのではないか。更には、リコール品を持っているのかどうかを簡単に判断したり、お知らせできるように、いろいろな形でIT技術の活用もできるのではないかという意見が出ているかと思います。これらがメインの御意見ではないかと私は思っております。
 更に、特に流通事業者の責任の話につきましては、流通事業者の話も聞いてみた方がよいのではないかと思いまして、事務局の方から当たっていただいているところでございます。
 また、事例研究のお話もありましたので、同様に検討を進めていきたいと思っております。単に消費者庁や経産省への質問事項も何回かおいでいただいて聞いておりますが、多くございますので、そこも事務局の方で現在確認しているところと聞いております。回答を確認の上、次回、御報告いただくとか、あるいは、この調査会での御説明を求めていきたいと考えております。
 以上のようなことになっているかと思いますが、ここまでで何か御意見ございますでしょうか。
 齋藤委員。

○齋藤委員 今日は厚木市の方が来られているので、時間がなければ、最後に時間が余ればということで結構なのですが、申し上げたいのは、資料1-3の企業のところの「100%回収」とか「永続的な」というのが挙がっている点です。これがこのまま残るのであれば、この間の議論とちょっと違ったトーンが入っていると感じますので、お伺いしたかったのです。

○松岡座長 その辺は、最後に時間がありましたら議論して確認を詰めたいと思います。
 ほかにございますか。
 佐野委員。

○佐野委員 行政のところなのですが、ここに「ガイドラインの作成」というのがありますけれども、リコール推進法とか基本法というのもあってもいいのではないかという意見もありました。それもつけ加えておいていただきたいと思います。

○松岡座長 出ておりましたね。済みません。
 どうもありがとうございます。その辺のことも追加して、よろしくお願いします。
 ほかには何か御指摘事項はございますか。

≪3.消費者への注意喚起情報伝達に係る現状と課題について(第15 回に引き続き)≫

○松岡座長  それでは、次の議題に行きたいと思います。今回、地方自治体の活動事例をお聞きしまして、地方自治体における課題の確認や、どのような対策案が考えられるのか御意見をいただきたいと思います。
 本日も御協議いただく時間を多目にとっておりますが、御質問は前半30分ぐらいにしていただきまして、後半に対策案の御意見をいただくように分けたいと思いますので、御協力をお願いします。
 それでは、神奈川県厚木市での町ぐるみの安全の取組み例といたしまして、セーフコミュニティ活動の御説明をいただきます。厚木市の倉持危機管理部長、藤川セーフコミュニティ推進課長、どうぞよろしくお願いいたします。時間は、30分ぐらいの御説明で、その後、質疑応答という形にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○倉持危機管理部長 皆さん、こんにちは。厚木市の倉持と申します。よろしくお願いします。
 今日は、セーフコミュニティの担当課長から詳しい内容を説明いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 厚木市の藤川でございます。今日は、よろしくお願いいたします。
 お手元の資料2をごらんいただけますでしょうか。まず最初に、厚木市とセーフコミュニティの取組みを始めた経過等を含めまして御紹介をさせていただきたいと思います。
 厚木市は、神奈川県の中央部に位置した都市でございまして、相模川を初めとした一級河川が6河川もある川のまちであり、豊かな自然に恵まれているとともに、東名高速厚木インターを中心として、日本の東西方向における交通の要衝に位置する、そんなまちでございます。首都圏におきましては、流通業務を担う拠点都市ということで成長させていただいている都市でございます。
 しかしながら、近年の急激な少子高齢化の進展、都市環境の変化、市民の価値観や住民の自治意識の高まり、そして、市民の関心度が高い、健康で安心・安全な市民生活の確保ということが市民の方から課題や要請という形で挙がっておりまして、市民の参加と協働による市民本位のまちづくりに向けた施策の展開が喫緊の課題ととらえて、セーフコミュニティを進めていくことになりました。
 WHO(世界保健機関)のセーフコミュニティ推進協働センターが提唱するセーフコミュニティの理念というものは、まさに市民参加と協働という面で、厚木市全体で取り組むべき課題の解決方針に合致していると認識しているところでございます。
 2008年の1月には、厚木市として、WHOのセーフコミュニティに取組むことを宣言させていただきまして、4月には、市役所内に担当部署を設置いたしました。その後、WHOアジア認証センターに、認証を受けるための準備段階都市として正式登録をさせていただいたところでございます。
 2009年4月には、厚木市の第9次総合計画に、こちらが総合計画書ですけれども、セーフコミュニティの推進を盛り込み、主としてその取組み姿勢を明らかにさせていただいたということでございます。
 セーフコミュニティの推進に当たりましては、各種調査や統計、資料の分析を行った結果、本市の課題といたしまして、自殺予防、交通安全を始めとしまして、ハイリスクグループというような言い方をさせていただいておりますけれども、子どもさんや高齢者の方々を中心として、また、厚木市は6河川ということで非常に橋が多いまちでございますので、どうしても交通上は自転車が便利ということで、自転車の安全、または体感治安不安感の改善、企業を含む労働安全などが課題として挙げられましたので、これらの対策をセーフコミュニティの取組みとして、市民の参加と協働でやっていこうということでございます。
 これらの取組みを実施するに当たり、市民と協働して活動していくことによりまして、地域の信頼と絆の強化や、地域の安全活動の活性化、市民の生活の質の向上=クオリティ・オブ・ライフにつながっていくものと確信しているところでございます。
 これからも国際セーフコミュニティネットワークの基準に沿った形で、事故やけがの予防と減少に継続的に努力することを続けまして、22万厚木市民のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上を目指していくとともに、日本の中でもセーフコミュニティを認証取得されているところが、厚木市を除いて、現在、ほかに3市町あり、また、準備段階の都市を合わせますと11団体ありますので、それら市町村とますますネットワークを強化していきたいと考えてございます。
 次は、セーフコミュニティという概念の誕生はいつかということでございますけれども、こちらにつきましては、1989年9月にスウェーデンのストックホルムで開催されました第1回事故・傷害予防に関する世界会議の中で、セーフコミュニティの概念について、すべての人間は平等に健康と安全の権利を有するという形で宣言が出されたものでございます。
 セーフコミュニティは何かということでございますけれども、セーフコミュニティとは、既に完全に安全な状態にあるコミュニティを認証するということではなくて、体系だった方法によって安全の向上に取り組んでいるコミュニティのことでございます。セーフコミュニティは、地理的範囲、共通の関心、専門的な組合や連合などから構成されるグループ、あるいは特定の立場においてサービスを提供する人々や地域のことでございます。
 一方では、この体系だった方法による取組みに気がつかないままに、ただ漠然と安全なまちというものを目指しまして、取り組んでいらっしゃるようなこともあるのではないかということでございます。
 セーフコミュニティ活動が、他の傷害予防の取組みと異なる点でございますけれども、セーフコミュニティの取組み自体は、体系だった手法によって、その地域等が主体となって活動を推進しているというところが、通常の傷害予防のための取組みとは異なっているところでございます。
 事故や傷害を予防するためには、まず何が問題であるのかを明らかにして、その対策を講じて、その対策によって得られた成果を評価することが必要である、それがセーフコミュニティだということでございます。概して、日本人は、いろいろな地域の方々がいらっしゃると思いますけれども、成果を明らかにすることを求められた場合、「大した成果が上がらないと恥ずかしい」、「予算立てしたのに、その程度の成果では意味がないのではないか」など、そういった考え方があるのではないかと思うのですけれども、根拠を持った計画を立案いたしまして、「そのような取組みをしたので、このような結果が出ました」という前向きな姿勢を持って取り組むのがセーフコミュニティでございます。
 セーフコミュニティの推進拠点でございますけれども、こちらに関しましては、スウェーデンのカロリンスカ大学とWHO(世界保健機関)の地域の安全向上のための協働センターが主体となりまして、また、アジアでは地域単位の支援組織としてセーフコミュニティ支援センター、認証機関としましてセーフコミュニティ認証センターが一体となりましてセーフコミュニティを推進しております。世界では、公的機関と大学との協働という形の中で拠点があるといったところでございます。
 お手元の資料の2ページをごらんいただけますでしょうか。こちらにつきましては、厚木市のセーフコミュニティの概要が網羅されているわけでございまして、マル1「SCとは」ということで、事故やけがは偶然起こるのではなくて、予防することができる。そのためにはどういう活動をしていくかということで、取組みをさせていただいております。
 「厚木市の課題」で、最初は、既存の統計資料や社会調査ということでアンケート調査等から問題点、課題点を抽出いたしまして、最優先はマル1 自殺からマル4 高齢者の事故、優先はマル5 子どもの事故からマル8 職場での事故を課題としてとらえております。
 それに伴いまして、「SCプログラム」ということで、対策としてマル1からマル8まで、こちらにはそれぞれ対策委員会を設けさせていただいて、個別に対応をしているということでございます。
 ここで特に、マル5「市民全体の取組」というのがあるのですけれども、こちらはセーフコミュニティをする前から、いわゆる地域での防犯活動を始め、様々な活動をしていただいているわけですけれども、これが市民全体の取組みということで、市民や自治会、企業、各種団体などが防犯、防災、交通安全、環境浄化などの各種のパトロールや、厚木ではセーフティベストを着ているとパトロールをしていることが一目瞭然になるようなところもあるのですけれども、あとは愛の目運動ということで、地域の高齢の方々などが登下校時の子どもさんたちの通学路におきまして、交差点の立哨等をしていただいておりましたので、それを一つのセーフコミュニティの活動として取り込んだといった形でございます。
 3ページは、厚木市では市議会の9月定例会におきまして、(仮称)厚木市セーフコミュニティ推進条例を上程させていただくべく準備を進めているところでございます。このセーフコミュニティ推進条例が一番大きな輪でございまして、その中に、2ページのマル5「市民全体の取組」が、一番上に書いてありますけれども、「市民・自治会・企業・各種団体など」という、こちらの活動とセーフコミュニティの本体であります、厚木市セーフコミュニティ推進協議会が、プログラムの決定や進行管理、情報の提供等をしているということでございます。
 そして、2ページのマル3と対応するのが、「SC対策委員会」と書いてありますけれども、2ページのマル3のプログラムを実施するところが、セーフコミュニティ対策委員会のマル1からマル8まで。それと、セーフコミュニティ推進地区を23か所ほど市で指定させていただいておりまして、地域の実情に合わせて取り組んでいただくということでございます。内容としましては、犯罪防止や危険箇所チェックなどでございますけれども、そのほかにセーフコミュニティでは、必ず設けなければならないのですけれども、外傷サーベイランス委員会というのがございまして、こちらはセーフコミュニティの頭脳としまして、外傷及び地域診断によるデータ分析、評価、検討等をいただきまして、評価・改善指摘いただいた事項をフィードバックしていく形になっております。
 また、庁内組織としまして、セーフコミュニティ推進条例の運営について点検する委員会があるといったところでございます。
 また、厚木の場合は、県の組織なのですけれども、警察署の内部組織としまして、厚木警察署内にセーフコミュニティ作業部会がありまして、連携いただいているということと、また、そのほかには日本セーフコミュニティ推進機構というところがありまして、そちらからも支援をいただいている。これが厚木のセーフコミュニティ推進体制でございます。
 4ページへ参ります。こちらは、先ほど申し上げましたセーフコミュニティの母体でございますけれども、組織横断的な安全推進組織ということで、厚木市セーフコミュニティ推進協議会、構成員は76名ほどでございます。役割としまして、プログラムの方向性や重点施策などを決定する機関として設置させていただいております。構成団体としては、市民の団体系としまして、自治体連絡協議会や民生委員児童委員さん、老人クラブの方々、または警察等の方々が市民等の団体ということです。外傷ということがございますので、市内の医療系として、医師会や病院協会、歯科医師会等に入っていただいております。
 また、商工会議所や農協、または児童生徒の団体ということで、子ども会や青少年健全育成の方、または学校の関係、大学の方等々でございます。
 また、国の機関といたしましては、厚生労働省の厚木労働基準監督署にも御参加いただいております。県の機関としましては、先ほど申し上げた厚木警察署を初め、いろいろなところがございます。市の機関は、全庁を挙げてといったところでございます。
 5ページへ参ります。外傷サーベイランス委員会というのは、セーフコミュニティで特に特徴だった一つの組織でございまして、ここに検討案が書いてございますけれども、要は、外傷に関するデータをいろいろなところから集めてきまして、どのような状況や課題があるのかというのを分析、抽出いただきまして、それを活動に反映させようということでございます。このような行政統計データや疫学データ、定点観測を用い、今回、検討案というのはピンクの部分でございまして、PDCAサイクルの中で、モニタリングを事業の大小や期間の長短によって分けていこうということを御検討いただいているところでございます。
 この特出しとしましては、事業評価の中にプロセスというのを入れてある。これは、次の6ページ、真ん中のやや下に、事業評価の評価軸で、ストラクチャー、プロセス、アウトプット、アウトカムがございますけれども、プロセス(過程)を大事にしていこうといった点が、今、検討いただいているところで、機能の再定義について、サーベイランス委員会の委員さんにいろいろと御協議いただいているところでございます。
 次の「セーフコミュニティの活動サイクル」ということで、資料7ページでございます。SPDCAという形になってございます。通常はPDCAだと思いますけれども、現状を先ず見ようということで、Sが1つ余計についております。
 この活動の特徴といたしましては、PDCAサイクルということでございますけれども、とにかく「地域の声を聞こう」、「地域に耳を傾けよう」ということを意識しております。何といってもセーフコミュニティは、地域の住民の方々が自分たちの課題に対して自分たちで取り組んでいただくということが大事でございますので、市役所側としましては、地域に耳を傾けることが大事ではないかということでございます。
 こちらの方に、「活動の特徴」と「7つの指針」がございます。一番下の「7つの指針」というのは、セーフコミュニティの認証に当たっての基準でございまして、このハードルを超えないとセーフコミュニティとして認証されないということでございます。セーフコミュニティの活動サイクルの中で、PLANとDOというのは比較的順調に進んでいくのです。その後の、この外傷サーベイランス委員会等を通じたCHECKと、外傷サーベイランス委員会等からのフィードバックによるACTIONが非常に肝ではないかと考えてございます。
 8ページ以降につきましては、セーフコミュニティとして、これまで取り組んできた内容ですけれども、実際には厚木の場合は古いデータも包含してございますので、2010年以前といいますか、それはセーフコミュニティとして認証される前までに取り組んできた内容で、とにかく手を挙げた2008年以降、準備段階都市として取組みを始めてからは、数字も随分変わっているのではないか、というのを後で見ていただければと思いますけれども、大分成果が上がっているようには内々感じております。
 これまでの説明を振り返りまして、セーフコミュニティを推進する上でどんな課題があったかなどを少々御披露させていただきたいと思います。事業を推進する上でネックになったこと、困難性が高かったことということで、大きく3点ほどを御紹介させていただきたいと思います。
 最初は、一番のネックは、庁内の合意、組織立てでありました。役所につきましては、従前から縦割りの組織ということが叫ばれておりますけれども、意思を決定する上では、当然の組織立てということではありますが、それに既存の組織の業務以外のことをお願いするわけでありまして、仕事を更に増やして、または押しつけるのかという誤解を生まぬようにして理解をいただくことが非常に大変でございました。いわゆる縦方向の組織の流れに横方向の串を刺していくというのが、1つ。セーフコミュニティは、組織横断的という方針でございますので、横串を刺した連携に理解をいただく、または行動していただくということが非常に時間がかかりました。
 2つ目といたしましては、横串を入れることによりまして、市民の方々の既存の活動にも影響が出るというところでございます。縦方向の流れの中で市民の方々には、様々な活動をお願いしたり、また、自主的に活動をしていただいてきたわけなのですけれども、セーフコミュニティで横方向の串を入れるものですので、どうしても活動が重複するようなことが発生してきて、活動の整理をすることが今でも必要なのではないかと思っております。
 3点目としましては、セーフコミュニティの活動を推進するに当たりましては、こちらは成果がすぐには表れないものと認識しております。せっかくやっているのに、すぐに効果が表れないということではないかと思っております。現在でも市民の方々の中には、セーフコミュニティという言葉さえ御存知ない方もいらっしゃるのではないかと思いますし、セーフコミュニティの重点施策につきましては、やはり生活弱者、ハイリスクグループ、子どもさんや高齢者の方々が中心となっているものですから、どうしても一般の方々には関わりが少ないということもございますけれども、そのような中で、厚木市としましては、子どものときからセーフコミュニティの輪で育って、社会に出てからも、厚木在住だったから、セーフコミュニティは昔から、自分が子どものころからやっていたな、自分も参加したなというような思いが表れるぐらいの時間的なスパンで継続的に取り組んでいくことによって、セーフコミュニティの活動の成果が表れてくるのではないかと考えてございます。
 また、皆様、本調査会におかれましては、セーフコミュニティのエッセンスで何か部分的に導入できるものがあるのではないかと思っていらっしゃるのではないかと思うのですけれども、ヒントになればということで少々述べさせていただきたいと思います。
 セーフコミュニティでは、まず最初に何が問題であるのか、課題であるのかを明らかにして、その対策を講じる(DOの部分)、その対策によって得られた成果を評価することによって継続した取組を行う、それがセーフコミュニティのPDCAだと思うのです。従前ならば、事業を展開されたら、大体それで終わり。効果の測定とか評価につきましては、どちらかというとアウトプットだったのではないかと。いわゆる事業量、または予算の量などで計測されていて、アウトカム、成果につきましては、厚木市もそうなのですけれども、アウトプット後を物差しにするというのは、なかなか手が出しにくいという面があると思うのです。
 先ほども申し上げましたとおり、大した成果が上がらなければ恥ずかしいとか、予算を組んだ意味がないのではないかというような批判的というのでしょうか、そういう言い回しではなくて、セーフコミュニティの物差しという点では、こういう取組みをしたから少しはよくなった、もしかしたら変わらなかったかもしれないけれども、変わらない場合は、更にもう一回PDCAサイクルを回して変わるようにやっていこうではないかという、前向きの考え方が、私ども、韓国の方々や中国や台湾などの諸先生方、セーフコミュニティのリーダーの方々などとお話しさせていただく中では、セーフコミュニティというのはそういうものだとアドバイスをいただいております。今すぐ効果が表れなくても、しっかりとデータを分析したり、それを評価して活動にもう一回リターンしていこうではないかという点がセーフコミュニティということでございますので、例えば私どもの方で、国民生活センターさんのヒアリングで本調査会の方々も課題なのではないかというのが、議事録を拝見させていただいたのですけれども、食品や製品に対する注意情報の周知度につきまして、20代が相対的に低いという形で伺っておりましたので、セーフコミュニティ的な手法で申し上げましたら、20代をターゲットにすべきだということが、まず想定できると思うのです。そうすると、私どもの職員で20代の女性の方々に、どういうところから情報のソースを得ているのかということを伺ったところ、テレビを見る、またはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で友達の友達から情報を得ているということでした。本人はSNSはやらないけれども、友達がよくやっているので、その友達から情報が流れてきて聞いているということを伺いました。そんな友人から友人への情報伝達の輪というのが一つの情報提供システム、伝播システムになるのではないか、こういうことを期待していったらどうかというのが、私どもセーフコミュニティの手法から考えさせていただいたことです。
 厚かましい内容で大変恐縮ではございますけれども、ヒントになればということで、少々御披露させていただきました。説明につきましては、以上でございます。ありがとうございました。

○松岡座長 藤川課長、どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、まず質問を中心に御意見を出していただきたいと思います。
 この活動を通じまして、どういう手法でやっているかということがいろいろと参考になるのかと思いますので、その辺をメインにお願いしたいと思います。御意見ございますでしょうか。

○齋藤委員 3ページと5ページに「外傷」という言葉があるのですけれども、外傷サーベイランス委員会ですね。この「外傷」というのは、けがと考えていいのですか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 そうです。すり傷だったり、骨折などもそうなのですが、外からの圧力でけがをするという意味です。

○齋藤委員 そうすると、ほかにもこういう委員会はあるのでしょうか。それとも、けがだけが、今は設立されているということでしょうか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 この外傷サーベイランス委員会に関しましては、主にけがなのですけれども、やはり健康という面では、いろいろ内科的な話もデータとしては入ってくることもありますので、それは適宜、情報提供ですけれども、収集、分析はされております。
 ただ、メインといたしましては、けがを少なくしていこうという取組です。例えば、子どもさんの家庭でのけがというのは、どこが一番多いかというと、皆さん、どこだと思われますか。包丁などがあるから台所ではないか。あそこならコンロもあるし、やけどもするのではないかとお考えになられる、または、お風呂で滑って転倒してお風呂場も危なそうだと思われると思うのですけれども、何と、調査をしてみましたところ、居間での事故が一番多いのです。そういうことも、けがという中で外傷サーベイランス委員会では、けがの発生場所や原因などをいろいろと分析や追跡をして、いただいております。

○齋藤委員 地域でこういう取組みをするのは大いに結構だと思います。このような活動は、日本で全部集中的にやるのではなく、地域ごとにかなり色合いを変えながら重点に的を当てて取り組んでいくのが良く、その大きなパワーとして、警察と保健所と消防があるのだと思います。これは、みんな地方に所属しています。本来そうあるべきです。それに消費者の取組みも同じようなことになるのではないかと思います。この4つがリンクするような場面について、この例の中で特筆すべきことがあるでしょうか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 例えば2ページで申し上げると、マル3にプログラムということで、交通安全や高齢者、子ども、家庭と余暇などがありますけれども、こういった対策委員会の中に警察の方々に委員さんとして入っていただきまして、本来業務の方の担当部署が動いていただけるということがございます。
 例えば、先ほどの労働安全基準監督署ですと、マル8の職場での事故という中で中心的な役割を担っていただいているという形でございます。

○倉持危機管理部長 先ほどのセーフコミュニティの外傷という概念ですけれども、もともとはWHOですので、ヘルスプロモーションという疾病予防から始まったものです。病気予防は、あくまでも病院の先生の腕や機会が大切だということです。しかし、1979年ごろ、病院の先生だけでは、けがは予防できないのではないか。やはり警察や行政が入らないと、交通事故もなくならない。幾ら先生の腕がよくても、交通事故で死亡する人は全然減らないではないか。このような考え方に立って、ヘルスプロモーションからセーフコミュニティという考え方が1989年に分裂して、簡単に言えば外傷予防をしていこうというのがセーフコミュニティの始まりです。今までは、WHOや病院などの保健機関が病気を治したり、けがを治したりしていたのだけれども、外傷予防(不慮の事故の予防)については、病院関係者、WHO関係者だけではできないということで、警察や各種団体を巻き込んでいこうというのが根本的な考えであります。

○松岡座長 よろしいでしょうか。
 それでは、中嶋委員。

○中嶋委員 いわゆる消費者の安全を考えていく中で、地方公共団体をどういうふうに巻き込んでいくかというのが、国の方の課題だと思っているのです。そういう意味では、今日お話しいただいたのは、一つのいい取組の事案かと思います。そこで、基本的なことを教えていただきたいのですが、厚木市の人口と、危機管理部の中の課は幾つあって、このセーフコミュニティ推進課には何人おられるのか。非常に多岐にわたったテーマを一体何人で扱っておられて、それを統括されている危機管理部というのは、具体的にどんなお仕事をされているのかをお教え下さい。
 もう一つは、厚木市セーフコミュニティ推進協議会が76名となっていますけれども、この76名と、例えばSC対策委員会のメンバーはかぶっているのか、いないのか。地区の人たちの合意をとるのが大変だったというのですけれども、この地区の人たちは、こういう協議会とか市の中で言うと、どういう位置づけ、組織上になっているのかとか、もう一つは、外傷サーベイランス委員会というものが立っているのですけれども、これは推進協議会の中にあるのか。点検委員会とか、こういうのがありますというふうに言われるのですが、これはどういう位置づけになっているのかについてもお教え下さい
 今、齋藤先生が言われたように、警察署と保健所というふうな、労働基準監督署もそうなのですけれども、労働省は労働省で労働安全に取り組んできておりまして、私自身も安全規格に関与しております。ですから、そういう中で、地方の労働基準監督署は、厚木市に対してどこまで協力をしているのかとか、その辺のことを教えていただければと思います。

○松岡座長 よろしくお願いいたします。

○倉持危機管理部長 まず、人口は、約22万5,000人。危機管理部は、今年の4月1日にできまして、防災、防犯、交通、消費生活、セーフコミュニティの各担当があり、その中に一般的な危機管理も含むということです。

○中嶋委員 どこにですか。

○倉持危機管理部長 それは防災の中です。防災が危機管理課という形で、危機管理と防災を担っている。セーフコミュニティ課の担当は3人しかいません。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 課長以下3名です。

○倉持危機管理部長 セーフコミュニティの推進は全庁内組織が分担します。例えば高齢者だったら高齢者の担当をしている課が進める、交通安全なら交通安全の担当課が進めるという形で、あくまでも担当課がセーフコミュニティの安全対策を中心になって進めています。それを推進するための総合的調整をセーフコミュニティの担当課が行っています。

○中嶋委員 企業でいいますとプロジェクト制ですね。いわゆる横串を刺していて、横串の管理をやるのがセーフコミュニティ課になるという感じですね。

○倉持危機管理部長 はい。

○中嶋委員 実行部隊は、縦串のところに、別におられますと言うことですね。そうすると、この協議会は76名ですけれども、この人たちは、今言いました委員会でかぶっているのでしょうか。別ですか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 なかなか中嶋委員がおっしゃられるように、各種組織が多過ぎてしまってわかりにくいと思うのですけれども、とりあえず3ページをもう一度見ていただいてよろしいですか。セーフコミュニティの活動を一番メインでやっているのは、セーフコミュニティ対策委員会になります。実行部隊です。

○中嶋委員 何名おられるのですか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 平成24年度は、組織の委員さんの構成や出身母体等の見直しを、8つの各委員会に依頼してございまして、おおむねどこも一般市民の方を入れて12、3人から15人ぐらいの委員構成だと思いますけれども、それ掛ける8ということになりますので、全部で90名を超える人数になります。

○中嶋委員 その人たちは推進協議会のメンバーですか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 そうとは限りません。大学教授や消防の幹部、警察署の方々などで構成されるSC対策委員会が一番のセーフコミュニティの実働部隊です。厚木市のセーフコミュニティで課題抽出されたものに対して、専門的な見地も含めて取り組んでいただくというのが、このセーフコミュニティ対策委員会です。これは、当然、市の関係部署の者も入ってまいります。

○中嶋委員 それ以外にサーベイランス委員会もあると。これは何名ぐらいおられるのですか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 8名です。

○中嶋委員 その上に推進協議会が別に76名。この事務局は、全部セーフコミュニティ推進課でやられるということですか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 推進協議会は、セーフコミュニティ推進課が事務局です。

○中嶋委員 では、SC対策委員会とか外傷サーベイランス委員会の事務局は、どこがやるのですか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 外傷サーベイランス委員会は、健康づくり課というところがやっていまして、いわゆる健康づくり課が一番基礎的なデータを持っているので、そこが事務局ということなのですけれども、活動につきましては、各種委員さんや座長さんなどが、皆さんの方向性や御意見を賜りながら進めています。
 それと、セーフコミュニティ推進地区というのがあるのですけれども、厚木には220の自治会がございます。220の自治会のうち、例えば3自治会が手を組んで一つの推進地区としてやっていらっしゃるところもありますし、一つの地域、例えば15自治会というような、大きな自治会が一つの推進地区をなさっているところもありますし、1自治会が代表してその地域から、セーフコミュニティ推進地区として選出されていらっしゃるところもありまして、220のうち、この推進地区に該当しないのが160ぐらいでしょうか。あとの60は推進地区に該当していますが、このセーフコミュニティの推進地区として指定されているところは23地区ということになります。
 この外傷サーベイランス委員会の隣に「庁内組織」と書いてあると思うのですが、これは市の内部の者が横串を刺したような形で、関係次長会議や、検討委員会、作業部会という名称で、これらがセーフコミュニティ対策委員会の方にアプローチするわけです。セーフコミュニティ対策委員会がメインの活動部隊ですので、こちらに関係次長会議や検討委員会、作業部会が関係していくということになります。
 その下に「(仮)SC点検委員会」というのがありますけれども、こちらにつきましては、(仮称)厚木市セーフコミュニティ推進条例を9月に上程させていただきますが、この条例を点検するための委員会です。条例上の進行管理をしていきます。

○中嶋委員 条例を制定するための進行管理ですか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 いえ。条例を制定した後、条例の内容が円滑に推進できているかどうかを点検するための委員会です。一番下に書いてあるのは、そういう内容です。

○中嶋委員 条例をベースにして、条例にかなっているかどうかを点検する委員会ということですね。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 そうです。

○倉持危機管理部長 今のお話の中で、セーフコミュニティ推進協議会は76の団体の長と考えていただければよろしいかと思います。それぞれの長が集まって、対策委員会から上がってきた内容や、様々なセーフコミュニティに関する事業などの最終的な決定機関というのがセーフコミュニティ推進協議会で、これは年に2回から3回開催しています。それぞれの対策委員会はその下の課長さんとかが入っていると考えてください。

○中嶋委員 そうしましたら、最後にお伺いしたいことがあります。仮に僕が厚木市の市民だとしまして、御提案をしたいというふうに考えまして、9ページを見ていただきたいのですけれども、高齢者の安全対策と子どもの安全対策というのがございます。優先順位からいくと、高齢者の安全対策は最優先課題で、子どもの安全対策は優先課題になっている。優先順位の重みづけとしては、高齢者の安全対策の方が多いのですけれども、ここに挙がっている、文章の量からいくと、高齢者の安全対策というのは少ないですねと仮に市民が言ってきて、バリアフリーはやらないとだめですねと。また、健全な高齢者と介護が必要な高齢者を分けて考えていただくことが大事なのではないでしょうかと提案をしてきたとします。さらに、歩道橋は高齢者には利用しづらいですから、ぼちぼち厚木市もやめたらどうでしょうかと、仮に僕が提案したとしたら、この組織の中でどこの誰がどういうふうに受けとめてくれるのかというのを教えていただきたいのです。取組みとしてはすごくすばらしいと思うので、これがうまく機能できたらいいなと思います。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 厚木市の通常の行政のいろいろなモニタリングといいますか、意見を伺ったり、またはそれを施策に反映させていくという中で、例えば市長が市民と対話するフリートークというのがあるのですけれども、そういった中で、中嶋委員が厚木市民だとして、高齢者等の関係で、先ほども発言があったような歩道橋についての御意見があれば、道路の関係の維持管理をしている部署に話をつなげて、歩道橋の落橋、または、その交差点部の改良など、そういうものが一つ、市行政として発生してきます。
 そうすると、それは実は、後からデータとしてセーフコミュニティの方でいただくような形になりまして、いわゆる通常のセーフコミュニティではなくて、市行政と市民とのやりとりという形に、どうしてもそこのところはいまだ整理し切れておりません。セーフコミュニティとして、段差解消という意味で歩道橋を落橋させていくというよりは、一つのまちづくりの中で、今後高齢者を見据えて、高齢者というと、どちらかというと福祉行政みたいな感じに見えてしまうかもしれません。または、老人介護とかいろいろな面からという行政から、歩道橋を落橋させていこうと。そうすると、それは道路行政だよということになって、まだセーフコミュニティ行政までは行かないのです。

○中嶋委員 それはセーフコミュニティ行政ではないのですか。というのは、高齢者に対しての施策も、子どもに対する施策も同じように扱ってくださいというふうに言ってくるわけですから、セーフコミュニティマターだと思うのですけれども、いかがですか。

○倉持危機管理部長 まず、この対策委員会は、基本は市民が主体なのです。市民の方が自分たちの危険を自分たちで守るというのが基本であって、そこに行政が事務局で入っているということなので、行政の業務とはまた違う。要するに、市民の方が、ここが危険だからといっても、行政は、予算がなければ直せない。そこでここの危険に近づかないためにはどうしたらいいかということを市民の方が検討している。要するに、道路が狭いから広くするというのは行政の仕事だが、ここでは、狭い道路をどうやって安全に通っていくかということを検討している。どうしてもその中で改良が必要なものは行政にお願いして、行政が直すという、あくまでセーフコミュニティというコミュニティが中心であって、行政が中心ではない。
 だから、今のような提案があった場合は、あくまでも道路行政は道路行政の中で直していきますという。ただ、こういう交差点の改良の例もありますけれども、この交差点で20件の事故があったと。だから、それは何で20件あったかわかったのは、この対策委員会がやったからわかった。でも、それは直すお金はこの対策委員会にないので、道路行政に直してくださいということをやっているという、どちらかといえば、お金を使うものは市の行政。
 もう一つ、この対策委員会というのは10人から15人のもので、すべてをやれないので、その中で自分たちの道路の中で、交通安全の中で、子どもの安全の中で何が重要だということを自分たちで検討して、その中から3つぐらいのものを選んでやっていくということで、すべてここでやるということは、市民が中心ですのでできないので、あくまでも、自分たちが課題となっているものを実施していく。
 もう一つ、市の職員が2年から3年で異動してしまうということなので、この対策委員会でやっていた方が異動してしまうと停滞してしまう。ですから、この高齢者の安全が少ないというのは、この部分が停滞している。認証してとった3年前は動いていたのですけれども、その間に人事異動があったりして、ただ、このセーフコミュニティの仕組みのおもしろいことが、5年に1回再認証があります。ですから、今のままでは再認証は受けられません。
 ですから、今の高齢者の対策が、3年前の認証のときには、大腿骨骨折転倒防止予防を一生懸命やっていたのですけれども、それが認証を受けた後、停滞してしまったので、ここでまたどういう形で動いていくかということを事務局の方と市の担当課と調整しているというのが現実です。

○中嶋委員 そうすると、SC対策委員会というと、名前からいくと、すごい対策をするように外目には見えますね。でも、それは、先ほど実行部隊だと言われたのですけれども、実行部隊ではないということなのでしょうか。

○倉持危機管理部長 要するに、コミュニティでできることを実行していく。金をかけて行政が直すということではなく、自分たちで何ができるかということを実行していく。ですから、簡単なことでは、看板を立てるとか、近寄らないようにしようとか、こういう情報があるから地域の方にお知らせしていこうとか、自分たちで草刈りをしようとか、掃除をしようとか、そういうことで何がこの対策に対して効果があるかということを研究して実行していくということで、お金をかけて対策をとるのは行政がやる。ただ、お金をかけてもできないことが出てきた場合には、この対策委員会が行政にお願いするということで、あくまでもコミュニティ活動という考え方が基本です。

○中嶋委員 そうしますと、先ほどお聞きしていないことが1つあって、セーフコミュニティ推進課というところについている予算というのは幾らでしょうか。

○倉持危機管理部長 600万円ぐらいです。ほとんどが出張旅費です。全国のコミュニティの友好都市に行くための旅費がほとんどです。あとは、半分の300万がアンケート調査です。あと半分が旅費というだけで、お金はあとは一切持っていないです。

○松岡座長 今の質問の中で確認したいのですが、220自治会がありまして、そのうち160自治会がセーフコミュニティ推進地区ではないということだったのですが、そうしますと、その自治会に属している方たちは、セーフコミュニティ活動には参加していないということになるのでしょうか。

○倉持危機管理部長 全部の自治会が参加しています。ただ、この推進地区に対しては10万円の補助金を出していますので、これは自分たちの地区の中で、大きな地区が15あるのですけれども、その中に220が振り分けてありまして、220のうち23しか補助金を出せないという現状ですので、その15地区の中で23を選んでくださいということで、それぞれの地区に割り当てて、1地区のところもあれば、人数が多い地区には3地区だとかいうことで、そこから推薦していただいて23を選んでいます。ですから、毎年変わっているということで、大体順番制でやっている地区がほとんどです。交付金を10万円出して、その中でパトロールに必要な腕章を買ったりという形です。
 ですから、1年に1回変わっているところ、全部の15地区が一つにまとまって推進地区になっているというところもあります。

○松岡座長 そうしますと、具体的な施策を住民に知らせるということで、一番いい例が、11ページの一番下に書いてあります「高齢者の安全対策」で、「転倒防止の啓発活動や運動機能の低下防止を図るための運動指導」というものを全市民の高齢者に伝達するのは、今、どういう方式でやっていらっしゃるのですか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 1つには、高齢者の担当課による直接の行政としてやっているような、既存からやっている健康体操だとか、ここに書いてあるような形の「啓発活動や運動機能の低下防止を図るため」の施策が1つあります。または、食生活改善みたいなことも基本的なベースとなる活動は、既存からある市行政のメニューの中にあるものを利用しております。

○松岡座長 そうすると、それは担当課が全高齢者にその情報を伝達しているということですか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 そのとおりです。

○倉持危機管理部長 もう一つ、市民協働という基本的な考え方がありますので、市民と行政が一体となって一つのことをなし遂げるということで、先ほど言ったように、市民の役割、行政の役割という中で、協働でどうできるかという基本的な考え方がありますので、行政だけがやるのではなく、あくまでも市民と一緒になってやっていくという考え方です。
 アンケート調査を3年に1回やっているのですけれども、市民の8割近くはセーフコミュニティに対してその重要性を認めていただいて、重要性があるから今後も続けていく必要があるという回答をいただいています。ただ、先ほどから言っていますけれども、縦割り行政が市民まで縦割りにしてしまっていますので、これをどういうふうに横串を刺していくかということが一番大きな問題になっていると思います。

○松岡座長 ありがとうございます。
 ほかに何か御質問は。
 鶴岡委員。

○鶴岡委員 非常に意欲的なプロジェクトとなっている感じを持ちましたけれども、効果を上げていく上で関連の情報を市民にいかに浸透させていくかというあたりの工夫については、何か心がけていることはございますか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 市民への情報伝達というのは、これからも非常に課題になるのではないかと思うのですけれども、1つには、セーフコミュニティ手法によるデータの収集の中で、例えば学生の自転車事故で見ますと、15、16、17、18歳のうち、一番事故が多いのは16歳なのです。何で16歳になると急に自転車事故が増えるのかというと、高校に通うようになった1年目で、または、自分で通学していくときの通学経路に不慣れとか、そういった中で16、17、18だと16歳が一番多いのです。例えばそういう情報を高校1年目になるとき、または中学3年の卒業のころに、「今度君たちは高校に行くことになるだろう。そのときに、こういうデータがあるからみんなで気をつけよう」というのが、一つのセーフコミュニティのデータ情報の伝達するための一つの時期であったり、対象であったりしますので、そういうことを広く、例えば厚木でいうとインターネットという方法もありますけれども、インターネットは本人がアクセスしてこなければ見られませんので、皆さんの地区にも市とか区からの広報紙などが行くのではないかと思うのですけれども、厚木市も同様に広報誌「広報あつぎ」を月2回配布しており、そういった中でお知らせしていったり、または学校を通じて情報提供をする時期と対象がわかりますので、それを出していくといった方法があります。
 または、子どもさんなら子どもさんに向けた、ピークを迎えるようなもの、明らかにピークがあるようなものについては積極的に提供していくということで、今でもどういうふうなソースを集めて、または分析していったらいいかというのは試行錯誤中といったところでございます。

○鶴岡委員 学校とか職場みたいなかっちりした組織だと、比較的情報を浸透させやすいのかと思うのですけれども、例えば高齢者のような、なかなか情報にアクセスしにくいといいますか、そういう層に対する情報の浸透対策ということでは、どんな工夫をされていらっしゃいますか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 まず、先ほどの資料にもありますけれども、例えば4ページの上の方で、組織だったところでは、厚木市老人クラブ連合会というのがありまして、これは厚木市全地域を網羅してまして、その中でも老人クラブに入るのは嫌だとかいう人には、ここのラインからはアクセスできませんので、その方には「広報あつぎ」という形になろうかと思いますけれども、組織だっておりますので、そこから流させていただくということが、今、すぐ脳裏に浮かんだところです。組織立っては、そのように集中して対象の方々がいらっしゃるところから流していくことが考えられます。

○松岡座長 中村委員、どうぞ。

○中村(均)委員 2つお聞きしたいのですけれども、市民の参加と協働で市民本位の町づくりというのは非常によくわかったし、そういうふうに理解したのですけれども、そうなってきますと、この活動をやることになったきっかけは、市民の声から挙がってきて、こういう活動をやっていこうとなさったのか、それとも、厚木市のお考えでこういうことを提案なさったのか、また、違うのか、これが1点。
 もう一つは、市からいろいろな情報がそれぞれのコミュニティに来ると思うのですけれども、そのとき、その自治体で取り組むというテーマを決めるのは、市からこのテーマに取り組めと来るのか、それとも、市からは情報提供だけで、それぞれの自治体が自分のところの今の問題点はここなので、これに取り組むというふうに自主的にテーマを選んでいるのか、どちらなのか。この2つを教えていただきたいと思います。

○倉持危機管理部長 市民協働提案制度というのがありまして、私たちはこういう事業を市と一緒にやりたいという提案を市民からあげていただく制度です。例えば、この町にはバスがないから、それを自分たちがコミュニティバスという形でやりたいということを市に提案してきまして、担当課と協議して、市民協働でそういう事業を実施していくという例もあります。このように市民からの提案による場合と、市の政策としてやる場合が考えられます。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 まず最初の参加と協働ですけれども、先ほど申し上げましたとおり、地方分権の進展という中で、今までのように国がすべてを抱えている時代ではなくて、地方がそれぞれ自らの力で経営していくことを求められている中で、市民への情報の開示という面とイコールではないですけれども、ほぼ等しいような形で参加と情報提供というのは表裏一体といいましょうか、そういう面があると思うのです。
 そういった中で地方分権が進展し、国が全国をまとめていた時代から地方へというようになると、多岐多様な面で課題が発生していますので市も市自らだけでは、いろいろな諸課題に対して解決することが困難、になってしまうわけです。そうすると、協働ということで、参加と協働は似ていますけれども、実は、ある一つの線があって、協働は、市だけでは解決できない内容は地元の市民の方々と協働することによって解決していこう、参加することで解決するのではなくて、協働することで解決していこうというふうに厚木市としてはとらえさせていただいております。
 参加につきましては、従来型の「何かイベントやります、参加してください」というのに近いですけれども、そこまでドライではないかもしれませんけれども、参加と協働にはある一定の差があるというように考えております。
 先ほどの自治会の取組みの関係につきましては、まさにセーフコミュニティは、地元の方々がその地域のオリジナリティーの中で発生している課題、A自治会とB自治会の課題がまったく同じということはないのではないかと思っています。それを各自治会が、自分たちで自らこれが課題であるというのを認識いただいて、自らが取り組んでいただくということで、市からAというメニューとBというメニューがあるから、好きなものをとってくださいというやり方ではないです。まさに情報提供をするだけです。

○松岡座長 ほかに御意見は。
 中嶋委員。

○中嶋委員 今、市民参加型と市民協働型のお話があったのですけれども、長野県だったと思うのですが、ある村が村道の建設のための予算が十分にとれないで村道の補修が不可能になったときに、村民が、「では、自分たちが労力を提供しますから、資材だけは村で出してください」といって建設コストを大幅に下げて村道をつくり直したという例がありました。もし、これを市民協働型というふうにとらえるのであれば、厚木市は税金を下げることが出来る気がするのですが、如何でしょうか? 現在、国民と国は、税負担の問題と税の使い方の問題でかなりもめています。一つの問題は、予算をどう使うかなのです。行政が、もう手が回りません、とてもそこまでお金を持っていけませんので、このコミュニティ推進課は600万円でもって、厚木市のコミュニティ推進をやりたいのです。ですから、市民の皆さん、参加してくださいと、市側に言われたら、このことに関して市民は持ち出しでやらなければいけないわけです。もし、道路をつくりたいといったときに、いや、厚木市にはもう予算がないので、市民の方に労力を出してくださいというふうに申し入れをしたら、市民はそれを負担しないといけない訳です。このようなストーリーには、「もう税金は上げませんから」という前提があると思うのです。この点に関して、どんなふうにお考えになられているのでしょうか。参加と協働と言われたのですけれども、このような視点から考えますと、非常に大きな意味があると思うのです。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 1つには、今の道路をつくるから市民の方々、労力を出してくださいというのは、うちの方でいう協働とはかけ離れてしまっている気がするのです。要は、例えば厚木市で一つの大きな課題ということで、体感治安不安感というのがありました。要は、街を歩いているときに何か怖い感じがするよということです。そういった中で、市の職員がぐるぐる回ったとしても、地域の方々は他人事のように見ていたとします。ところが、地域の方々と市の職員が一緒になって回ることによって、地域の役員の方々も見ているよと。そうすると、社会の目というのは、おのずと開いてくる。そうすれば、歩いている方々、女性や子どもたちも、この道を歩いていても、今は何となく見ていないかもしれないけれども、実際には社会の安心・安全に向けた目が効いているのだという面で、一緒にやることを協働というふうにとらえていまして、道路をつくるのに力を貸せとか、そういうふうなジョイントベンチャーみたいな意味ではないというふうに考えております。

○中嶋委員 今のお話ですと、それはもともとあったものではないでしょうか。町内会で、例えば商工会とかが街の見回りをしますといって、火の用心でかちかちとやっていく、これは伝統的にあったことです。それを私たちは、市民参加型と言ってきたと思うのです。もしそれであれば、何も協働というふうに言いかえる必要はなくて、市民参加型で別段おかしくないのではないでしょうか。

○倉持危機管理部長 先ほど私が言ったコミュニティバスを例とさせていただくと、お金は市が全部出しますけれども、運転するのは皆さん方である。その運転する方の費用も市の方が出しますということで、市民がこういう事業をやりたいと提案して、では、それに対してどこまで市が協力するかということ、要するに、今、地域が地域の課題を解決していこうとしている。そのためには予算がかかりますから、その地域の課題を解決するための予算は市が出します。ただ、出せない部分もありますから、それはボランティア精神でやってくださいと。ただ、一番いいのは、阪神・淡路大震災の後、地域力という言葉が出たと思うのですけれども、この地域力をいかに利用していくか。本当に何かあったとき、例えば地震があったときに、電気がついて、食事がある、避難所がある、片方の避難所は何もない、そういう差が出てしまう。だから、地域の力で行政と協働して、何かそういう不測の事態が発生した場合には対応できるような力をつけていこうというのが市民協働の始まりだと考えています。

○中嶋委員 大体わかりました。

○倉持危機管理部長 1点、先ほど、職場の安全で、労基署との関係ですけれども、市役所というのは、労基署と全然関係がないのです。ですから、これは大変苦労して、職場の安全体制は、事務局を推進課が持ってやるようになって、企業とのつながりが非常に出てきたということはすごくいい傾向になったと感じております。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 今、中嶋委員の夜回りの話をちょっと引用させていただいて、セーフコミュニティのイメージにつながるといいかなと思って、1つ発言をさせていただきたいと思います。
 いわゆる夜回りといいますか、夜の「火の用心かちかち」という取組は、各地域で地元の消防団の方々がやっていらっしゃるのだと思うのです。消防団ということは、イコール、その後ろに消防本部がいるかもしれませんけれども、いわゆる地元の消防団が回っていたというようにとらえていただいて、セーフコミュニティの場合は、それに警察署の警察官が同行するとか、または市職員も同行するとか、または学校の近所を回るから学校関係者が参加するとか、いわゆる消防団だけで回るのではなくて、学校も行く、市も行く、警察も行くというように分野を横断した人たちが一緒に夜パトロールするようなイメージでとっていただくと、セーフコミュニティに少し近づくかと思っております。
 ありがとうございます。

○松岡座長 いろいろどうもありがとうございました。厚木市のセーフコミュニティの活動につきまして、いろいろ詳しく説明していただきまして、私たちも大分イメージがつかめたと思います。
 時間も大分迫ってきましたので、残りの時間を少し、この御説明いただきました厚木市では、市民参加の有機的なネットワークができているということで理解したいと思いますが、そのような地方自治体での活動が、私たちが検討していますリコールの対策、あるいは周知等がどのように有機的に市民の皆さんに伝わるかということを考えた上で、今日の御説明を聞いた上で、またいろいろ御意見が出てきていると思いますので、その辺につきまして、残りの時間で御議論いただいて、最初に齋藤委員の方から出ました御指摘のこともありますので、その辺のことも少し検討していきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 今、取り組まれていなくてもいいのですが、こういう場合にどういう考え方で展開するだろうかというイメージだけお聞かせいただきたいのですけれども、消費者庁ができるころ、消費者問題としてリフォームで高額の請求をされるという案件がたくさんありました。私は、あれは消費者庁が幾ら頑張ってもなくならないと思いました。事後的には知ることになりますけれども、まず、近所の人が何か工事しているのを知ることができるのです。お隣さんが、「おじいちゃん、おばあちゃん、いいことやっているね。お金幾らかかったの」と聞いて、高過ぎるではないかと注意することをやらないと、途中で止めることはできないと思います。今日のようなコミュニティが本当に有効に機能し出すと、多分そういうことができるのではないかと思いました。
 今のは取引の問題ですけれども、商品の安全のような問題が出ても、同じようなことができるのではないかという感じがしたのです。具体例はなくても結構ですが、どのように展開されることになるでしょうか。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 今の関係で、なかなかリフォームの高額請求事件がやまないということでありますので、まず最初に、例えば直近10年間ぐらいでも、そんなにデータがないかもしれませんけれども、平成15年ぐらいから24年ぐらいまでの高額請求件数でわかっているものが、どういう推移をしているか、または、どの地区で多く、例えば東京都が多い、または、東京都でも23区が多いとか、新宿区は少ないけれどもほかの渋谷区は多いとか、そのようなデータをまず振り分けて、仕分けをしてみて、例えば、豊島区がすごく多いということになったら、まず豊島区をターゲットに集中的に情報公開して、「こんなふうに高レベルでリフォームの高額請求案件が発生していますよ、皆さん注意してください」という形で、施策的に選択と集中ではないですけれども、セーフコミュニティ的には浮かびます。そのような検討が必要なのではないかと思います。

○倉持危機管理部長 具体的な例として、厚木市では、災害時の弱者支援の関係で、民生委員と自主防災隊が地域を回っています。最近、悪徳の販売訪問が多いという情報を、民生委員と自治会で個別に回っていますので、そのような機会に1軒1軒提供をしているという事例があります。

○松岡座長 ほかにございますか。
 片山委員。

○片山委員 この調査会では事故情報とかリコール情報を、どうやって地域の隅々まで浸透させられるかという議論をしているのですけれども、例えば、今、何か製品で新しいリコールの問題が起こってきたときに、消費者庁なりから情報伝達があれば、厚木市としては、このセーフコミュニティの仕組みに乗せて、それを伝達させるということにつながっていくのでしょうか。
 ご説明のあった8つのプログラムは、かなり具体的なテーマを決めてやっておられますが、基本的には地域への情報伝達なり、地域住民と一緒に行動する仕組みがあるので、リコールのような突発的な問題も柔軟にこの仕組みに乗せていくことが可能というイメージなのかどうかということをお教えいただきたいのですが。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 良好な地域環境、地域の信頼の絆の強化、そういう内容で取組みをさせていただいている中では、隣近所の顔が見える社会を目指しています。例えば振り込め詐欺ではないですけれども、「おばさん、気をつけなよ」という話がすぐ円滑に伝達できる、そういう社会を目指しているわけでございます。まず最初に消費者庁なりから関連市町村へ情報の伝達があった場合には、速やかに広く一気に伝えるという面では、自治会連絡協議会がございますので、220の自治会が加盟しているオール厚木の市民組織でございますが、そちらの方へ回覧をしてほしいということで1軒1軒この情報を回して欲しいと依頼すれば、おおむね10日間以内には全戸に情報が伝わると承知しているところです。

○松岡座長 どうぞ、佐竹委員。

○佐竹委員 追加で教えていただきたいのですけれども、今のお話だと、行政の方に消費者庁の方からリコール情報等が届くと思うのですが、行政の方というのは、私がイメージするのは厚木市の消費生活センター等に消費者庁の方からリコール情報が届く。では、その消費生活センターに届いたリコール情報は、セーフコミュニティの中でどのように伝達していくというようにシステムができているのか、今後、それが課題になっているのかというところを教えていただきたいと思います。

○倉持危機管理部長 セーフコミュニティということでなく、国、県から流れている情報は、それぞれの担当課、特に厚木は、国からの情報がもしあった場合は、厚木市の消費生活センターがその情報を受けます。その情報を担当の職員が月に1回必ず、先ほど15地区と言いましたけれども、大きく分けた15地区の自治会の会長会議がありますので、そこで、注意を呼びかけてくださいと御説明をすると、今度は15地区が220に分散した地区の単位自治会がありますから、それも月1回必ず会議がありますので、単位自治会、個々の15の地区の中の単位自治会会議で市からこういう情報があったので十分注意するようにという情報が流れ、それぞれが今度は単位自治会なり、連合会がビラをつくって周知をするということになります。厚木市は自治会加入者が約71%なので、未加入の29%には届かない場合もあり得るということですけれども、ただ、4分の3の市民には届いていくのではないかという考えでございます。

○松岡座長 その件に関して質問なのですが、システム的にはできているということですが、自治会を通して末端の住民の方にお知らせする場合には、回覧板という形がかなり主体になると思うのです。私もその末端の住民に属していまして、回覧板が回ってきたときに、それをどの程度見るかというと、正直言って、余り見ないことが多い。そうすると、重要な情報とか、例えば高齢者が本当に必要な情報が、果たして十分回るシステムに現状がなっているかどうかというところに非常に疑問を感じているのですが、その辺はどうなのでしょうか。

○倉持危機管理部長 自治会だけでなく、重要な情報については、民生委員などが、特に高齢者を訪問する際に情報を伝えていただいています。ただ、情報の伝達は、口コミによるものが一番効果が大きいのではないかと思います。

○消費者委員会山口委員長代理 民生委員が何人ぐらいいるのかということと、福祉関係の包括地域支援センターがありますが、そことの連携がどうなっているのか。それから、ヘルパーさんが、特に要介護のお年寄りのところを回って、ケアマネジャーさんとの連携をしながらケア計画を作成・実践していると思うのですが、そことの意識的な連携はどうか。例えばリコールになっているナショナルファンヒーターが高齢者のお宅にないかとか、そこら辺をチェックするような体制が可能なのかどうか、その点はどうでしょうか。

○倉持危機管理部長 まず、私も専門ではないのですけれども、民生委員は200人おります。これは、自治会の地区とは重なっていません。一方、自治会は220あります。大きく言いますと、自治会は自治会連絡会その下に15の地区の連合会がありまして、その下に単位自治会がある。その15の地区に地区センターを設置し、職員を3名から4名配置しています。市の職員が15地区の地区センターにいますので、地区センターで地域の課題や、今のような福祉の関係などを含めて地区センターが中心的役割を果たしているということになっております。
 ただ、細かい情報まで全部網羅されているかというと、確立されていない部分もあると思います。ただ、重要なことに対しては、市の方から促し、地域にお伝えしている。自治会や民生委員を通じて流すというのが一般的な考え方です。

○松岡座長 片山委員。

○片山委員 先ほどの続きの質問になりますが、SC対策委員会というのがあって、8つのグループについては10名ずつぐらいで、より細かいネットワークといいますか、テーマごとに活動できる仕組みがあるわけですね。先ほど言ったような重大リコールの通知があったときに、一般的に自治会に流すというだけではなくて、例えば高齢者の安全対策委員会に流して、特別なルートでより深堀りの伝達と行動を喚起するということは考えられないのでしょうか。このSC対策委員会というのは、年間スケジュールみたいなものがあるのかどうかもお教え下さい。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 そういうホットなニュースといいますか、緊急性を要するような重大なリコール案件が発生したとしましたら、それはそれなりの臨機な対応というのは考えられますけれども、多分、そういうホットなニュースというのはすぐ伝えなければならないと思いますので、セーフコミュニティの対策委員会を通すよりは、既存の市行政の連絡網なり、または、今、部長が申し上げましたとおり、高齢者などであれば、民生委員さんに速やかに伝達して、民生委員さんから速やかに回していただく、すぐ伝えるというような、緊急時の対応をとっていくと思います。
 セーフコミュニティと既存の行政というのは、重複しているといいますか、併存しているという中で、それをよりセーフコミュニティへというような形で、今、現在進行形でやっているところでございます。

○片山委員 わかりました。

○松岡座長 中川委員、どうぞ。

○中川座長代理 片山委員と同じ質問になるかもしれませんが、確認なのですが、セーフコミュニティ対策委員会のもとでつくったプログラムを実施しているのが、セーフコミュニティ推進地区なのですか。例えば、高齢者安全というプログラムは、市の中全部でやっているのか、それとも、それを言い出した特定の地域の人たちが、アイデアがあって、それに対して10万円補助をするということであるので、セーフコミュニティのプログラムにリコールの情報を流したとしても、それは、そのプログラムに入っている人だけに流れるのでしょうか。高齢者安全プログラムとは必ずしも厚木市全部でやっているわけではないというふうに理解してよろしいのでしょうか。
 そうであれば、リコールのような情報というのは、今、お答えのあったように、セーフコミュニティでやるのではなくて、やはり伝統的な、ある意味、縦割りの行政から住民の自治会とか民生委員で流すのが一番効率がいいということになるのですけれども。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 まず1つに、セーフコミュニティ推進地区ですけれども、簡単に考えていただいて、モデル地区だととらえてください。セーフコミュニティを推進する上での象徴的な一つのエリアという意味でとらえていただいて、その中でセーフコミュニティ的手法を使った市民活動をしていただくのが、セーフコミュニティ推進地区であります。
 一方では、旧来的な従来の、先ほどの夜回りの話ではないですけれども、既存の従来型の活動というのは、3ページで掲げるところの一番上に、「市民・自治会・企業・各種団体など」という一つのくくりがありますけれども、従来型の、ただやってやりっ放しのような、年末であれば、もう江戸時代からずっと大火が出たのだから、年末ぐらいは火の用心ということで回ろうではないかというような内容は、一番上のくくりだととらえていただいていいと思うのです。ただ、セーフコミュニティの手法を使って、その中のモデル的なことを象徴するようなものがセーフコミュニティ推進地区ととらえていただいて、セーフコミュニティのプログラムということになりますと、その左隣にあるセーフコミュニティの対策委員会が実行するということで分けて、旧来型と象徴するモデル地区と実行部隊というふうにとらえていただきたいと思います。

○松岡座長 田澤委員、どうぞ。

○田澤委員 自治会の役員をしたり、民生委員をやったり、普通の市民として暮らしている者で、今のお話を伺っていると、事故情報の関連のことで、速やかに伝えるという意味では、セーフコミュニティというのとは少し違って、もし従来型の上から下に流すというものが、もっと活用されて生き生きとしたならば、おっしゃるように、その方が早いのだというのがわかりました。
 それと同時に、市民の方が、「ここら辺おかしいよね」という発想は、とてもすばらしくて、それがうまく協働されるといいと思うのですけれども、例えば先ほど出た、わーっと流したとしても誰も回覧板を見なかった、とにかく来たら、すぐはんこを押して回すというようなことで自分たちの安全・安心は守れないから、例えば、回覧板を回す工夫をするとか、自分たちが得られる情報をいろいろな地域の人たちにもっと親身に伝わるような工夫をしようかといったような、セーフコミュニティの議論の中で、そういうアイデアというものは出ていないでしょうか。

○倉持危機管理部長 セーフコミュニティは、あくまでもけが予防という原則があるので、これに今のお話を一緒にしていくというのは非常に難しいと思うのです。私も全国いろいろ歩いていますけれども、やはり、これからは地域自治推進組織という地域の自治、金は市から出すかもしれませんけれども、小さな村、小さな地区という、私が一番参考にしている、神戸にある北須磨団地自治会というところは、自分たちの課題は自分たちで解決する、金は市からもらうんだというはっきりした考え方を持っています。自分たちで社会福祉法人や学校法人まで経営しているということで、そこは自治会活動に参加しなければ損だという雰囲気です。そういうところがあります。
 多分、全国的にも地域の課題は地域で解決するという傾向に動いていますので、私は厚木にも厚木元気村構想という形でそういうふうにしたいと考えているのですけれども、なかなか理解はしていただけません。実際に神戸の北須磨団地はそういう形でやっていますので、ここはそういう話をぽっと持っていけば、全部やるという自治体もあるので、そういう形で、セーフコミュニティは一つの問題に対して地域で解決していこうという一つの問題ですから、逆に上から持ってきた問題に対して飛びつくかどうかというのはわからないので、もしそういう場合だったら、こういう対策委員会をつくって対策をしていくという方法を考えなければ、この8つの中に当てはめるのは非常に難しい。だったら、そういう形で対策委員会は別途つくっていかなければいけないのではないかと考えます。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 今、本当に現実的な田澤委員からのお話をちょうだいいたしまして、回覧板でも活字で書いてあるものというのは、皆さん、何が書いてあるのか見るのも面倒くさいということで、確かにハンコだけ押して、はい、次の家へと届けてしまえば、自分の責務は果たせたという感覚はあると思うのです。ただ、それは同じ一つの自治組織の中で、例えば自分が自治会長だとしまして、みんなハンコを押してくれているからそれでいいやではなくて、あそこの家は全然見ていないというのがわかれば、そこにセーフコミュニティの手法でいえば、「PDCAサイクルを効かせ、見てもらうようにしようではないか。そのためには、来た印刷物はそのまま渡すのではなくて、何らか手書きで頭出しをしてみるとか工夫をしてみようではないか」、それがセーフコミュニティ的手法により、ただ、事業量だけをはかって評価しているだけではなくて、それを出すためには、「それでは何か工夫してみよう」という意味で大変効果的ではないかと思います。
 参考までに、私、公民館という地元のところにいたときには、市からの「広報あつぎ」というのは、すごい膨大な量のデータが入っている活字で、字も小さいのです。一方、公民館から発せられる公民館だよりには地元の情報しか出ていないにもかかわらず、それは見ているよという御家庭が結構いらっしゃる。自分に身近な話題については興味があるので見るというのも実際にはありますので、確かに回覧だけにおいても、いろいろ住民自治として、もしそのようなことが発生していたら、自治会として工夫してみようではないかという目はあるのではないかとも思います。

○松岡座長 中村委員。

○中村(晶)委員 御説明どうもありがとうございました。
 ちょっと伺いたいのですが、厚木市さんの場合は、人口22万で220ぐらいの自治体とおっしゃいましたでしょうか。その規模での取組みとして今伺ったのですけれども、こういうコミュニティが主体となってボトムアップ型でやるという仕組みが、もっと大きな規模になった場合に、うまく働くというふうにお考えでしょうか。
 もう一つは、WHOのアジア認証の準備段階都市として登録なさっているということですが、ほかの厚木市さん以外の自治体でそれをしているところとの連携がもしおありだったら、もっと大きな規模のところでやっていて、大きいがゆえの難しさとかよさみたいなものをもし聞いていらっしゃることがあったら教えていただけますか。

○倉持危機管理部長 この取組みで認証を受けている市町村というのは、まだ4つしかないのです。この前の交通事故で有名になった亀岡市、十和田市、3番目が厚木市、4番目が長野県の箕輪町の4つしかない。今、宣言をして、まだ認証は受けないのだけれども、本部に登録をしているというところがあと6つありまして、東京都の豊島区、横浜市栄区、九州は久留米、大阪の松原、埼玉の北本、長野の小諸市、それ以外で取組を表明している自治体で一番多いところでは80万の静岡市。
 それ以外に、滋賀の甲賀市や、埼玉の秩父市など、全部で14の自治体が取組みをやっていこうということで、私どもが2010年にとったときは3つしかなかったのです。この活動が上陸したのは2002年です。ですから、まだすごく新しい取組です。2006年から亀岡市が初めて取り組んだということで、何で日本にこれがなかなか普及しなかったかというと、それまでは日本は安心・安全だという神話があって、そんなのやらなくても大丈夫だという考えが強かった。世界は1989年から始まっていたのですけれども、日本で始まったのは2002年。要するに、一番犯罪が多くなってどうしようという時代に、こういう手法を日本に持ち込んだというのが初めてで、一番初めに亀岡と十和田が始めたということです。

○松岡座長 どうもありがとうございました。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 今、中村委員にお答えし切れていなかったかと思うのですけれども、大規模な都市の方ができるかどうか、大規模でもできるか、そういう面では、実は小さい町ほど事故の発生件数も少ないので、データ処理する件数が少ない。従って、その方がやりやすいです。小さいコミュニティ、小さい町、小さい市、人口の少ないところ、そういうところの方が圧倒的にやりやすいです。
 例えば、年末までに長野県小諸市がセーフコミュニティの認証を受けられますけれども、病院は1個しかありませんから、そこに全員来てしまいます。そうすると、そこの病院だけ追いかけていればいいのです。厚木は何か所もあります。または、市域外に出て治療をされる方もいらっしゃいます。非常にデータが集めにくいです。
 そういうこともありますので、大規模なところよりも小さいところの方がやりやすいのですけれども、では、それでいいのかということがありますので、かなり幅広い関係の方々の深い御理解と不断の前進する意思がないと、なかなか同じレベルまでは行きにくいかと思っております。

○中村(晶)委員 わかりました。ありがとうございました。

○消費者委員会山口委員長代理 今、問題が深刻だと思うのは、孤独死とか言われている現象で、あるいは振り込め詐欺で被害に遭うお年寄り、あるいは未公開株などで被害に遭うお年寄りは、一人で住んでいらっしゃる。あるいはお金のことなどは子どもさんにも言わないという中で、被害に遭ったけれども人には言えずというような状況がある。民生委員も、家の中に入り込まれるのを嫌がるお年寄りの意向を無視して家庭内に入り込んで、生活状況をチェックするのは難しいという中で、安全・安心な生活をお年寄りが家庭の中で送っているのかどうかのチェックというのはなかなか難しい。私が先ほど聞いたように、ヘルパーさんだったら、家の中に嫌でも入り込んで、料理、洗濯、掃除までやりますからと思っているのですが、厚木市の方で、お一人でお住まいのお年寄り、あるいは団地などで家庭内で孤立しているようなお年寄り、昼間、お年寄りが一人でいますけれども、そういう方についての危険防止というか、それで何か御工夫されていることがあったら教えていただければと思います。

○倉持危機管理部長 最近なのですが、郵便局や新聞配達の方と協定を結びまして、新聞等がポストにたまっていることがあった場合には、警察と高齢者の担当課に連絡するというシステムを、今、ここで始めました。
 あとは、消費生活センターに、悪徳商法や振り込め詐欺などの被害にあわないような指導を地域で行う担当者として、市のOBを1人置いて回っていただくということを実施しております。
 先ほど説明するのを忘れてしまったのですけれども、9ページの「子どもの安全対策」でISSと書いてありますが、これはインターナショナル・セーフ・スクールという、セーフコミュニティの学校版の取組みです。日本国内では、2010年に大阪の池田小学校が日本で一番初めに認証を受けまして、次に、同じ2010年に厚木市立清水小学校が認証を受けて、今、認証を受けているのは日本では2校しかありません。

○松岡座長 それでは、最後に横矢委員。

○横矢委員 御説明いただいて、ありがとうございます。
 セーフコミュニティは、全国的にというか、世界的に、今注目されていることなので、私たちがやっていることに何かうまく関連づけていければいいなと思ったのですけれども、小さいところのお話の方がやりやすいのかと思いました。今回、優先課題の中に入っている自転車の事故と子どもの事故というところで特にかかわってくるのが、リコール製品の中でも自転車の補助椅子、前々回、御説明いただいたのですけれども、ブリヂストンのリコール製品が2年たっても50%台ぐらいしか回収されないという実際の案件で困っていることがあります。これですと緊急の課題といってすぐ流さないといけない情報ではないのですが、子ども関係で子どもが事故を起こしてしまう。そのまま乗っていると、足を巻き込んで大変なけがをする。わかっているのだけれども、なかなか回収が進まない。もう少しどう広げていけばいいだろうというのが課題になっているのです。ここの部分で、先ほどのインターナショナル・セーフ・スクールも絡めて、何か御一緒できるのではないかと思うのです。今回せっかくいらしていただいて、何か一つ成果が出せるのではないかと私は希望を持ったのですけれども。

○倉持危機管理部長 産業技術総合研究所に、今、清水小学校に入っていただいて、自転車の後輪に足を挟んでけがをするという事故を実際に見せてもらっています。インターナショナル・セーフ・スクールというのは、学校だけでなく、地域全体で学校の安全を守るという仕組みですので、その中では産総研に入っていただいて、画像まで見せていただいて、実際にどのように事故やけがを防いでいくのだということで、製品そのもののリコールという話ではなくて、こういう形で事故が起きるのだ、ということを周知しているところです。

○松岡座長 横矢委員、どうぞ。

○横矢委員 そうしていただくことがすごく望ましいことなのですけれども、その結果として、清水小学校で聞いた子どもや保護者の人たち、地域の方たちの中で、実際に古い商品を使っていたので変えましょうという行動に移られた方が、データとして何人ぐらい出ていらっしゃるのか。それから、産総研さんの情報を見た結果、関心を持った方とか、周りの補助椅子に目が行くようになった方はどのぐらいあったのかという成果を出していただけると、ほかのところでまた生かしていくことができるので、是非そういう形で関係を続けていく何かをしていくことができればと思いました。

○松岡座長 どうぞ。

○藤川セーフコミュニティ推進課長 今、部長からもあったとおり、子どもさんの手足のサイズと力の強さの計測を清水小学校の子どもたちが実地で協力して、子どもの力はこういう形だとか、サイズはこのサイズなのだと、そういうふうなものを見られましたので、是非そういうリコール関係の情報があった場合は、学校を通じた保護者への通知や幼稚園、保育園まで情報伝達を速やかにさせていただいて、隣の奥様にもそのお話が伝わるかのような、そのような情報伝達に努めさせていただくことも、このセーフコミュニティの中でもできればと思っております。

○横矢委員 ありがとうございます。

○松岡座長 本日は、厚木市の方から大変御丁寧な説明をいただきまして、私どもも自治体の活動の具体的な面が、かなり理解が深まったと感じております。
 本日は、どうもありがとうございました。

≪4.その他≫

○松岡座長 冒頭、齋藤委員の方から御指摘のありました、まとめの段階の内容をちょっと御指摘いただけますか。

○齋藤委員 詳しくは後日、事務局からネットを通じて流していただければ結構だと思いますが、ポイントは、100%回収まで最低限情報を発信し続けるというときに、100%の分母と分子が何かということをはっきりしておかないと、エンドレス、永久にということになりますということ。それから、もう一つは、リコール対応窓口の永続的な設置です。これはリコールの定義そのものが受け取る者によってあいまいです。例えば、先ほど分厚い調査報告書がありましたが、その9ページを見ると、最も狭い意味で修理することを含んでいるということを書いています。修理することを含んで、窓口を永続的に設置するということになると、補修パーツを永続的に持てということに読めたりします。この辺について、きちんとしたメッセージを発しないと、かえって誤解を招くことになるのではないかと感じたのです。後にメールで事務局にお渡しします。それを皆さんに配って頂ければ結構です。

○松岡座長 御指摘ありがとうございました。注意してまとめていただきます。
 それでは、大分時間が過ぎてしまいましたので、本日の議題は以上で終わりにしたいと思います。熱心な御討議、どうもありがとうございました。
 それでは、次回は、主に報道関係のヒアリングの検討を少し考えておりますので、事務局におきましては、次回に向けての準備を進めていただければと思います。
 事務局の方から、何か連絡事項はございますか。

○原事務局長 どうもありがとうございました。
 次回、少し時間があきますけれども、9月18日火曜日の13時からを予定しております。今、座長からお話があったようなことで、少しとりまとめも意識しながら準備を進めていきたいと思っております。
 事務局からは以上です。

≪5.閉会≫

○松岡座長 どうもありがとうございました。
 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

(以上)