第13回 消費者安全専門調査会 議事録

日時

2012年6月1日(金)14:00~16:08

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
松岡座長、中川座長代理、内堀委員、片山委員、齋藤委員、佐野委員、佐竹委員、
田澤委員、鶴岡委員、中嶋委員、中村(晶)委員、中村(均)委員、横矢委員
【消費者委員会担当委員】
山口委員長代理
【説明者】
消費者庁 金児消費者安全課長代理
長谷川消費生活情報課長
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局母子保健課 杉田主査
【事務局】
消費者委員会 原事務局長、小田大臣官房審議官

議事次第

1.開会
2.前回の議論の整理
3.消費者への注意喚起事情伝達に係る現状と課題について(第12回に引き続き)
4.その他
5.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:61KB)
【資料1】  前回(第12回)までの議論の整理 (PDF形式:152KB)
【資料2】 消費者庁リコール情報サイトについて (消費者庁提出資料) (PDF形式:708KB)
【資料3】 「子どもを事故から守る!プロジェクト」について(消費者庁提出資料) 【資料4】 子どもの事故予防に関する取り組みについて(厚生労働省提出資料) 【参考資料1】 「子どもを事故から守る!プロジェクト」関連資料(消費者庁提出資料)

≪1.開会≫

○原事務局長 皆様そろわれましたので、始めさせていただきたいと思います。
 本日は、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
 ただいまから、第13回「消費者委員会消費者安全専門調査会」を開催いたします。
 それでは、今日は委員全員御出席ですので、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。今、お配りしております資料は、「議事次第」と書かれたものの後ろに配付資料の一覧を載せております。
 資料1といたしまして、「前回(第12回)までの議論の整理」。ちょっと整理の仕方を変更しておりますので、後ほど座長から御説明いただきたいと思います。
 資料2といたしまして、「消費者庁のリコール情報サイトについて(消費者庁提出資料)」です。
 資料3の関連ですけれども、「子どもを事故から守る!プロジェクト」の概要について、その関連の資料ということで、これも消費者庁から御提出いただいております。
 資料4ですけれども、「子どもの事故に関する母子健康手帳への記載について・子どもの事故予防に関する取り組みについて」を厚生労働省から御説明いただきたいと思っておりまして、その関連の資料を用意させていただいております。
 参考資料といたしまして、子どもを事故から守る!プロジェクトの関連資料もおつけしております。
 不足がございましたら、審議の途中でもお申し出いただければと思います。
 それでは、松岡座長、議事進行をどうぞよろしくお願いいたします。

○松岡座長 本日、消費者委員会から山口委員長代理に御参加いただいております。また、消費者委員会事務局から原事務局長、小田審議官、消費者庁から金児消費者安全課長代理、また、厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課の杉田主査に御出席いただいております。よろしくお願いします。
 また、会議の後半から、消費者庁の長谷川消費情報課長に御出席いただく予定になっております。
 それでは、まず冒頭、山口委員長代理から一言ごあいさつをお願いいたします。

○消費者委員会山口委員長代理 委員長代理をやっております、弁護士の山口と申します。
 1期目は佐野委員と一緒にいろいろやってまいりました。私自身、取引問題、悪徳商法の摘発などの分野には自信があるんですが、安全問題についてはなかなか手つかずの分野でした。けれども、安全専門調査会の審議に期待しておりますし、私としても、今後できるだけ参加させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○松岡座長 ありがとうございました。
 本日の会議につきましては、公開で行います。議事録につきましても、後日公開することといたします。

≪2.前回の議論の整理≫

○松岡座長 それでは、議事に入りたいと思います。議事次第の2では前回までの議論の整理ということで、委員の皆様方から出された御意見を、事務局の方で、今日配付しております資料1にまとめてあります。毎回、前回までいろいろと資料をまとめておりますが、この資料は前回の5月8日の専門調査会の終了後に各委員の皆様方から御意見をいただきまして、前回は千葉工業大学の越山教授から消費者の警告表示に対するリスク認知、リコール対応メカニズムの3段階という説明がありまして、是非それに沿って意見を整理したらどうかという御意見がございましたので、それに沿って事務局の方でまとめていただきました。
 資料1では、まず警告認知性の問題という大きな枠組みがあって、これは社告や注意喚起を見たかどうかということです。I を幾つかめくっていただきますと、II はリスク認知の問題という項目で分けております。これは警告の内容を理解したかどうかということです。III がリスク回避の問題ということで、消費者が行動をしたかどうか、それぞれの課題と対策(案)とその他ということで項目別に分けて書いてあるということで、時系列で各回にどのような意見が出されたかということで書かれております。
 これを、もうちょっと似たようなものを整理するとか、正確性の欠けているものはもうちょっと正確に書くとか、ある程度解決されているものは少し除外するということでポイントを明確にしていけば、かなりまとまったものになるのではないかと考えております。皆さん、このような形で整理を進めておりますが、どうでございましょうか。もし、御意見がありますれば。
 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 警告表示とかについては、こういう整理の仕方があるのかなと思います。第1回目のときにいろいろ御意見が交わされたと思うのですけれども、入り口はどうするのか、出口はどうするのか等が結構重要なテーマとして挙がっていたと思います。それを考えると、ここには出口のところをどうするのかということだけを書いています。残りの部分があるのだということを確認したいと思います。

○松岡座長 わかりました。ありがとうございます。
 では、常に入り口があるということを見据えつつ議論を進めていきたいということは前回も皆さんで確認をしましたので、そのようなことで進めていきたいと思います。このような方向でまとめていくことでよろしくお願いしたいと思います。

≪3.消費者への注意喚起事情伝達に係る現状と課題について(第12回に引き続き)≫

○松岡座長 それでは、今回も注意喚起情報をどのように届けるかということを中心に、議論を進めていきたいと思っております。
 早速、議事次第の3です。「消費者への注意喚起情報伝達に係る現状と課題について」に入りたいと思いますが、本日は消費者庁、厚生労働省から、リコールや注意喚起情報を消費者に届けるための取組みの例としまして、具体的な施策の御説明をいただきたいと思います。
 最初に、消費者庁の金児消費者安全課長代理から、今年度から稼動を開始しました消費者庁リコール情報サイトについて御説明をいただきたいと思います。10分程度で御説明をお願いします。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 消費者庁消費者安全課の金児と申します。よろしくお願いいたします。
 資料といたしましては、1枚紙でございますけれども、資料2というものを用意させていただきました。
 今、御紹介がありましたように、この4月からリコール情報サイトの運用を始めました。4月から試行的な運用ということでしたけれども、先日の5月29日から、本格的に正式な運用にさせていただいております。
 事前に御質問を幾つかいただいておりますので、まずそれについて御説明したいと思います。
 このリコール情報サイトの目的と概要ということでございますけれども、目的は言うまでもなくリコール情報を消費者に十分に届けたいということでございます。これまでリコール情報というのは、政府の中では各省庁それぞれがホームページなどで提供していたということでございますけれども、それをまさに一元化する。消費者庁のホームページを見ればすべてわかるというふうにするということでございます。
 実際、これまで消費者基本計画の中でもリコール情報を一元的に収集し、消費者へわかりやすく情報提供するということが決められておりますし、去年の2月に総務省の方から製品の安全対策に関する行政評価が行われまして、そこで勧告が出されたんですけれども、その中でも消費者庁はリコール情報を一元的に収集し、事故の重大性に応じてわかりやすく提供する仕組みを設け、これを消費者に対して周知することという勧告が出されたということで、こういったことを背景に、昨年度にシステムの構築作業を行って、今年度から運用を始めております。
 概要でございますけれども、資料2に沿って御説明いたしますが、ポイントとして3つ掲げてございます。
 ポイントの1つ目マル1としては、今、申し上げたとおり、各省庁がそれぞれ公表したリコール情報を一元化して、分野横断的に見ることができるということです。5月末現在、このサイトには1,400件程度の情報が登録されてございます。
 ポイントの2つ目といたしましては、火災・重症等の重大事故が発生したり、発生するおそれのあるリコール対象品は「重要なお知らせ」としてサイトのトップ画面に載せてございます。私どもの方に、法律などに基づいていろいろな事故情報が入ってきて、それを公表してございますけれども、その中で、重大事故でリコール製品に関するものの情報が新しく入ってくると、ここに順次載せていくということを行っております。ですから、同じ製品について何回もこういった事故が起こると、ここに何回も出てくることになります。
 3つ目ですけれども、高齢者・子ども向けのリコール対商品については、新規登録情報を目立つようにサイトのトップ画面でお知らせするということでございます。
 4つ目は裏に書いてございますけれども、カテゴリー別の分類をしておりまして、カテゴリーでの絞込みとか、商品名や事業社名を使って検索をすることができるという仕組みになってございます。
 5つ目のポイントといたしましては、メールサービスでございます。メールサービスについては、別途、席上配付参考資料というのが配られておりますけれども、幾つか種類がございまして、パソコン用と携帯用とございますが、普通のリコール情報、新たに登録されたリコール情報と重要なお知らせ、こういったものを送らせていただくというのが1つ。あとは、高齢者向けのリコール情報。主に高齢者が使うと思われる製品についてのリコール情報が登録されて送る。それから、子ども向けの製品についてのリコール情報を送るという3つのメールサービスを行っております。
 最後の6つ目のポイントでございますけれども、事業者の方から自社の製品についてのリコール情報をお寄せいただく仕組みを設けておりますので、そういった事業者からの申し出に基づいてリコール情報を掲載することができるようにしてございます。
 次に、アクセス数の状況について御質問がありました。アクセス数の数え方はいろいろあるみたいですけれども、ヒット数というもので数えますと、5月は75万ヒットということでございます。
 サイトに寄せられた意見の状況についてでございますけれども、これまで14名の方から意見をいただいておりまして、比較的多いものですと、リコール対象品についての写真を掲載してほしいというものが3件、検索機能を強化してほしいという意見を2名の方からいただいております。あとは、メールサービスの配信頻度を増やしてほしいとか、リコール対商品のカテゴリー分類を見直してほしい、あるいはシステムの技術的な点です。RSSでの情報配信やFacebookでの情報公開をしてほしいという意見が寄せられております。
 メールサービスの登録の状況ですけれども、先月末現在で普通のリコール情報については1,800名程度、高齢者向けについては230名程度、子ども向けについては510名程度で、合計で延べ2,570名ぐらいとなっております。
 今後改善を検討している内容でございますけれども、利便性の向上というのが1つありまして、先ほど申し上げた、意見としてリコール対象品の写真を掲載してほしいというのがございましたが、そういったことを改善することも、今、検討しているところでございます。
 あとはトップページで、今、重要なお知らせというのは5件載せることにしているんですけれども、結構入れ替わりが激しいものですから、もうちょっと多くの件数を載せることができないかということを検討してございます。
 あとは、メールサービスの配信頻度を増やしてほしいという意見がございました。当初、試行運用期間中は週に1回とか2回、メールを配信していたんですけれども、今は毎日でも新しい登録情報があったら配信するという運用にしているところでございます。
 とりあえず、私からの説明は以上でございます。

○松岡座長 ありがとうございました。
 それでは、御質問がありましたらよろしくお願いいたします。
 中村委員、どうぞ。

○中村(均)委員 2件ございます。
 1件は、この消費者庁のリコール情報サイトを見るような、いざないみたいなことをやっておられるのかどうか。要するに、一般の消費者に向けて、ここを見ればそういうものが載っているということをどういうふうにして認知させようとなさっているのかが1点。
 もう一点は、今、改善についていろいろ出ていますけれども、逆にモニター制度みたいなものをとられて、見やすいですか、わかりやすいですかというのを定期的にやっておられるのかどうか、そういうことをお考えか。
 この2点をお教えいただきたいと思います。

○松岡座長 金児課長代理、よろしくお願いします。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 このページを見ていただくための方策ですけれども、私どもはできる限りのことはやろうと思っておりまして、当然、消費者庁のホームページとか、あるいはマスコミからの取材、あるいは自治体ですね。私どもから自治体の方に連絡して、これを市民の方々とか、関係の施設に伝えてくださいとか、あるいは私どもは直接消費者と触れ合ういろいろな場がございます。例えば、今、食品と放射能の関係で、リスクコミュニケーションということで、あちこちへ関係省と一緒に説明にいったりしているんですけれども、そういった機会でもこのチラシを配布して宣伝している。あるいは企業の方々とも会うような機会がございますので、そういった場でも説明をすることはやっておりますけれども、今後とも引き続きいろいろな場を通じてやってまいりたいと思います。
 モニターということですけれども、私どもはこのメールサービスを送って、その中で、御意見とかがありましたらお寄せくださいということはやっております。先ほど十何名と言ったのは、そういった方々からお寄せいただいたものでございます。

○松岡座長 よろしいでしょうか。

○中村(均)委員 ありがとうございました。

○松岡座長 関連してございますか。
 ちょっと伺いたいんですが、例えば「リコール情報」とGoogle等で検索したときに、消費者庁のサイトはどの辺に出てくるんでしょうか。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 まだかなり下というか、私も見たら二十何番目ぐらいだったと思います。

○松岡座長 わかりました。
 では、横矢委員。

○横矢委員 横矢です。
 私たちからすれば子どもの事故を減らすことが目的になるので、リコール情報だけではなくて、子どもの事故防止のいろいろなよいサイトとどのように連動をされるのかなということが気になるんですが、後で御説明いただくと思いますけれども、例えば消費者庁さんの中でも「子どもを事故から守る!プロジェクト」というページはすごくよくできていますし、メール配信もうまくいっていると思います。これとの連動というのが何となく見えにくいというか、リコール情報から入った人がいても、そこからもうちょっと深く考えていくには、子どもの事故のページにつなげていくことが重要だと思います。
 あと、前回、経済産業省さんにいらしていただいたんですが、キッズデザイン製品の開発支援事業で子どもの事故防止のホームページをつくる委員などもさせていただいていまして、そこのホームページとうまくリンクをしていただくとか、いい形の連携をしていただけないのかなということでお聞きしたいと思います。
 キッズデザイン協議会さんとのつながりは多少あるのかなと思うんですけれども、経済産業省さんもその気になっていただいていますので、子どもの事故ということで大きくまとめて、できれば出入り口は消費者庁が中心になっていただきつつ、何かうまく連動するようにして事故を減らせるといいなと思います。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 子ども関係については、メール配信ですと御案内のとおり子ども安全メールがございます。逆に、この4月に子ども安全メールの中で、皆さんにこのサイトを登録してくださいという文章を入れて送って、実際にその後、このサイトへの登録がかなり増えたということはございます。
 今、おっしゃっていただいたのは、逆にこのメールの中で子ども安全プロジェクトの方についても言及するということですね。それはやり方がいろいろあるかと思いますので、ちょっと考えたいと思います。

○松岡座長 横矢委員、どうぞ。

○横矢委員 子どもの安全に関わることだと保護者だけの問題ではないんですね。保護者ではなくて子どもがいない方たちの関心が高まることによって、子どもの事故がもっと減っていくと思っています。なので、今までは特に子どもは眼中になかった方でも、なるほどということで子どもの方に流れていくような形もありなのかなという意見でした。お願いします。

○松岡座長 ありがとうございます。
 片山委員、どうぞ。

○片山委員 今の話と関連しますが、リコールメールサービスへの登録をいろいろな所にどんな形で案内して呼びかけられたのかというところを御説明いただけますか。この資料だと、「幼稚園、学校関係、介護福祉施設等の関係者の方の登録もお待ちしております」となっていますが、具体的にこうした機関への呼びかけはどんなふうにされているんでしょうか。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 済みません。そこはこれからやるということを考えております。

○松岡座長 片山委員、よろしいでしょうか。
 それでは、佐野委員。

○佐野委員 地方自治体の情報はどうなのかということをお聞きしたいんですけれども、例えば東京都は、食品に関することでリコール対応した事業者はきちんと東京都に知らせてくださいという条例があるんですが、各自治体でそういういろいろな工夫をしていると思います。ここには地方自治体というのがないんですけれども、それらの情報はどうなっているのか。
 あとは国際的に、日本にも関連したリコールをやっている国との関係。例えばアメリカ、韓国、中国とは事故情報に関する協定を結んでいると思うんですけれども、それに関する情報はどうなっているのかということをお聞きしたい。
 それから、この掲載期間について。事業者の方は、一度載せたものはできるだけ早く削除してほしいという御意見があるというのを、前に国民生活センターの方にお話を伺ったことがありますが、掲載期間はいつまでなのか。ある意味で情報履歴として、いつまでも残しておくか、ものによっては期間を区切るのかということをお聞きしたいと思います。
 もう一つ、例えば国民生活センターの場合には、いろいろな新聞情報とかを収集しているわけですけれども、消費者庁が国民生活センターに情報を探しにいくのか、国民生活センターが自分たちで集めたリコール情報をすべて消費者庁に知らせる形にしているのかということをお聞きしたい。もし、そうであるのだったら、フォーマットが全く違うのでもう少し工夫して、せめて消費者庁、国民生活センターは同じフォーマットでやったら労力が相当省けるのではないかという気がするんですけれども、その辺りはどうお考えなんでしょうか。

○松岡座長 金児課長代理。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 地方自治体との関係ですけれども、今のところは、地方自治体で回収した情報をうちにいただくとか、そこまでは至っておりません。
 あと、国際的なことですけれども、いろいろな情報が公表されているのは私どもも知っておりまして、そういったもので消費者への情報提供が必要なものについては、消費者庁からも情報提供をしていきたいと考えております。
 掲載期間ですけれども、回収が済んだものについては登録から落とすというふうにしておりますけれども、回収が済んでないものについてはずっと載せるという方針でございます。
 国センとの関係ですけれども、ここもまだちゃんと整理がされていないところでして、今後検討していきたいとは思っております。

○松岡座長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 回収が済んだものというのはどういう意味なのか、ちょっと教えてください。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 例えば医薬品の関係とかで、厚労省のホームページでもそうなんですけれども、医薬品について回収が済んだものは情報から落とすという運用をしておりまして、それに倣って、回収が済んだとされたものについては、こちらのサイトでも掲載から外すというふうにしてございます。

○松岡座長 佐野委員。

○佐野委員 一般的に回収が済むというのは非常に難しいと思うんですけれども、それ以外のものは残しておくということでしょうか。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 そうです。

○松岡座長 佐竹委員。

○佐竹委員 私もこのリコール情報を改めて見させていただいているのですが、重大な事故ということで、今、5つの項目が掲載されていますが、この中のリコールの理由というのが余りにも簡単過ぎるのではないかという思いがございます。この前のときも指摘がありましたが、リコール情報を見た消費者が、これは危険だからリコールに応じなければいけないという危機感を持ってもらわないとなかなかリコールに応じられないと思うので、この2~3行ぐらいの、火災になる危険性がありますというような記載を、こういう事故がありましたというところまで掲載されると、危険だということが届くのではないかと思いました。

○松岡座長 いかがでしょう。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 御趣旨はよくわかります。ただ、スペースとの関係と我々の作業負担との関係で、現在はこうさせていただいているところでございます。

○松岡座長 では、齋藤委員。

○齋藤委員 先般、消費者庁のホームページをいろいろ探った中で、このページには当たらなかった。だから、ちょっと見つかりにくいところにあるなと思っています。この資料を見た上で、どういう考えでこういう画面にしたのかというのをちょっとお伺いしたいのです。
 一般消費者、一般の国民は国土交通省が何を管轄しているとか、厚生労働省、経済産業省など、まず商品に結びつかないと思うのです。ましてや、製品評価技術基盤機構(NITE)が何をしているかというのは知らないと思います。むしろ結びつきやすいのは、右上の方にある「カテゴリで絞りこむ」という項目の方がアプローチしやすいのではないかと思うのです。それをこういう設計にしたのはどういう考え方に基づいているんでしょうか。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 右上に検索のところがございますね。例えば商品名とか事業者名を入れれば、どの省庁所管のものにかかわらず検索できるようにということでこういうシステムにしました。左側に省庁名が書いてありますけれども、画面にこういうのが出てくるわけではございませんで、最初の画面では省庁名は一切出てきません。
 あと、消費者庁のホームページから探せなかったということですけれども、私どもとしては、消費者庁のホームページのトップページに目立つように案内しているつもりでございます。

○松岡座長 それでは、齋藤委員。

○齋藤委員 これはアピール用につくっているのですね。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 そうです。

○齋藤委員 官庁名をこれだけでかでかと並べるのが、何の目的かというのがよくわからない。ほとんど意味がない。自分たちの組織をアピールするだけのことであって、プロダクトアウトでマーケットインではないと思います。このセンスで進めると、多分、行き届かないものがたくさんできるのではないかと感じましたので申し上げました。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 一応このサイトは、各省庁に載っているリコール情報を一元化するというのが売りなものですから、説明用としてこれを使っていろいろなところで説明をするときに、こういった各省庁のリコール情報が消費者庁のサイトに集まってくるんですよという説明のために、こういうチラシにさせていただきました。

○松岡座長 よろしいですか。
 では、中村委員。

○中村(均)委員 また2つほど質問させてください。
 先ほどアクセス数が75万件というお話がございましたけれども、これをどう評価なさっているのか。
 一番知りたいのは、75万件のうち、本当に我々が届けたいと思っている消費者の方が一体何%を占めるのか。この75万件に対して、メールサービスを希望なさっている数が異様に少ない気がするんです。ということは、75万件のうち我々がねらっている一般の消費者の方々がごらんになっているのは、かなり低いパーセンテージでとらえておかないと誤るのではないかというのが私の勝手な解釈なんですが、その辺のお考えをお聞かせいただければと思います。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 75万件というのは75万人が見ているということではないと思いますし、同じ人がいろいろなページを見たりしていることもあろうかと思いますけれども、それが多いかどうかというのは判断しかねているところです。
 消費者が見ているかどうかということなんですけれども、今、メールサービスを登録している方のアドレスを見る限りだと、企業のアドレスというよりも個人のアドレスが圧倒的だというのはわかっておりまして、勿論企業の方も見てはいらっしゃると思いますけれども、消費者の方が登録をしているのかなというふうには思います。

○松岡座長 中嶋委員。

○中嶋委員 中嶋です。
 御質問は3つ、4つあるんですが、まずメールサービスをやっておりますと言われて、今、中村委員から言われたように登録数が異常に少ないと言われるんですが、子ども安全メールを別途やっておられる。これの登録数はどれぐらいですか。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 また後で担当から説明があると思いますけれども、たしか2万人ぐらいだったと思います。

○中嶋委員 ありがとうございます。
 恐らく子ども安全メールを登録している方は消費者が多いと思うんですけれども、その方々にリコール情報のこういうことを始めましたという案内は出されましたか。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 4月に1回出しました。

○中嶋委員 4月に出された。登録は、5月になってもそれほどは進んでいないということですね。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 2万人みんながということではないんですけれども、少しずつは増えております。1日に20人ずつぐらい増えている状況です。

○中嶋委員 ちょっと失礼な質問なんですけれども、登録を始めてキャンセルされた消費者の方はおられますか。多分サイトの中には、最後の方に配信中止はできますというふうになっていますでしょう。キャンセルはありましたか。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 それはあります。

○中嶋委員 どれぐらいありましたか。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 4月のデータですと、50人ぐらい。

○中嶋委員 4月の段階だと、仮に2,000人ぐらいだとしたらキャンセルされる方は結構なパーセンテージですね。
 私が質問したいのは、子ども安全メールというのは評価が高いと思うんです。いい情報がもらえている。だから、2万人でも維持ができている。スタートしたばかりというのはあるんですけれども、増えていかないで逆にキャンセルをされた方がおられるというのは、そこの情報が持っている内容だとか、情報の有用性とか、検索が容易であるとか、いろいろな利便性とかを考えて若干問題があるのではないかなとちょっと懸念をするんです。これはお答えいただかなくて結構ですが、私は今、そんなふうに思いましたという御意見だけをさせていただきます。
 次に別の質問をさせてほしいんです。2つあります。このリコール情報を消費者庁さんが載せられるときは、他省庁さんからリコールですというふうに連絡があって、それに基づいて載せられておりますか。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 各省庁のホームページに掲載されているものを、システムで自動的にとりにいっているのが基本でございます。

○中嶋委員 ということは、消費者庁さんが御自分の力で、これはリコールではないかと考えてシステムをつくり上げているのではないということですね。
 言い方を変えますと、事故が起きました。その事故情報の収集制度は完全ではなくても、一応つくられたはずなんです。これは去年ですね。その事故情報の中に挙がっている事故が1件出ましたという情報は、多分ほかの省庁からでも消費者庁さん独自でもつかまえられるようになっていると思う。例えば餃子事件で言いますと、加古川で2人の食中毒が出ました。この2人に食中毒が出たら、言ってみたら管理ポストに入らなければいけない情報なんですね。ひょっとしたらほかでも出てくるかもしれない。千葉と青森で出ましたといった瞬間に、これはリコールでないかというふうにだれが判断をしますか。これは厚生労働省だけですか。違いますでしょう。やはり消費者庁さんが独自に判断できる体制がないと、情報を一元化したとはなかなか言えないのではないでしょうか。
 ほかの省庁が全部リコールを管理しておりますから、ほかの省庁のリコールの情報だけを集めて、それを一覧で載せたら消費者庁の仕事、いわゆるこの間できた基本法の要求事項はできましたというふうに考えるのはちょっといかがなものかと思うんですけれども、いかがですか。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 勿論、このリコール情報だけが私どもの仕事ではなくて、そういった事件が起きたらリコールに持っていくといった仕事もありますけれども、情報提供のやり方というのはリコール情報サイトではなくて、もっと別のやり方でも国民向けの情報提供はあろうかと思います。
 ここでの整理としては、リコールになったものについての情報提供でありまして、例えばリコールに至らないまでも、こういった危ない製品があるとか、そういった注意喚起というのはまた別のやり方でもできると考えています。

○中嶋委員 私が言っているのは、事故情報が1~2件起きました。それを全部は出せなくても構わないんですけれども、せめて消費者庁さんのシステムの中で管理ポストに入れてほしいということなんです。連続して起きたら、これは問題だというふうにあなた方に判断ができるような体制ができないでしょうか。例えば去年問題になった生肉の死亡事件ですけれども、今のような考えでいくと、富山県で起きましたといったときに管理ポストに入れておいてもらったら、横浜でもほかの省庁さんから上がってきたら、これはおかしいではないのというふうに消費者庁さんが判断できるというのが私の言う管理ポストなんです。富山で起きましたというのは、新聞は書いたかもしれません。その段階で、これは危ないですと消費者庁さんが言われる必要があってもなくてもいいんですけれども、2つ目が出たり3つ目が出たりしたら、これは管理ポストに入っていたので危ないですよと、逆に農水省さんとか厚生労働省さんに問いかけをして、どうしましょうというお話があってもいいでしょうし、そういう意味の管理ポスト、管理の仕方はできないでしょうかというお話なんです。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 勿論そういうのはできると思います。

○中嶋委員 では、是非とも考えてください。やっていただければいいと思います。

○松岡座長 中嶋委員の御意見ですと、消費者庁独自にどんどん主導してやってもらいたいということですね。
 それでは、リコール情報サイトに関連しまして、皆さん御質問のほかにもいろいろ御意見があると思いますが、どういうふうにやっていったらいいかということで、もしありましたら。
 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 まず、メールサービスについては何人かの方から御質問がありましたけれども、登録者が個人もさることながら、保育園、幼稚園、学校あるいは介護福祉施設などの方でチェックしてもらえると波及効果がかなり拡大しやすいということで、特に自治体については町内会の会報あるいは広報機関紙、こういったところで取り上げられる可能性もありますし、そういった関係機関への登録働きかけというのも是非積極的にやっていただきたいということが1つ。
 ちょっと細かい話になりますが、重要なお知らせのところで、回収とか交換とかを示してあるところがあるんですけれども、そこにその他ということしか書いてないケースが見られたんです。その他ということでは、閲覧した消費者にとっては何の意味もない。その他は一体何を指すのかがよくわからないということで、もっと別の書き方があるのではないかということです。
 それから、「詳細はこちら」というところをクリックしてみますと備考欄というのがありますけれども、備考欄にトラブルの発生件数をわかる範囲というか、できれば情報収集の段階でリコールの発生件数を書いてもらう形式にした方がいいと思うんです。発生件数というのがトラブルの重大性とか広がりを判断する有力な情報の1つになると思いますので、そういう情報も掲載してはいかがか。
 それから、新聞づくりの観点から言いますと、空白はできるだけなくしてスペースを有効に使うという発想でやるんですけれども、重要なお知らせなんかの画面を見ても、空白のスペースがかなり大きいのではないか。トラブルの内容、「火災」が発生していますという辺りの文字が、ちょっと小さいなという感じがするんです。やはり文字が小さいところで言いますと、リコール情報検索の「カテゴリで絞りこむ」というところも、空白のスペースをもうちょっと工夫すれば文字を大きくできるのではないかと思います。
 以上です。

○松岡座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。片山委員。

○片山委員 今のリコール情報の各商品ごとのページに入っていったときに、一定のフォーマットがあるんですけれども、このフォーマットは消費者庁が作られたのでしょうか。それとも各省庁がみんな統一フォーマットで作成していて、単にそれを引っ張ってきているだけなんでしょうか。消費者庁においてどのような作業をしておられるのかというのを教えていただきたいのですが。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 そのフォーマットは私どものつくったフォーマットで、それに各省庁のホームページに載っている情報を入れた形になっております。

○片山委員 そうすると、今日皆さんからいろいろ御意見が出ていますけれども、このフォーマットへの記載事項をもう少し膨らますことは、消費者庁独自に可能ということですね。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 そのフォーマット自体を変えるということですね。不可能ということではありません。

○片山委員 写真をという要望があったということもそういうことですね。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 そうですね。

○片山委員 発生している事故の内容などを、もう少し具体的にわかりやすく書くということぐらいまでは可能でしょうか。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 どちらかというと作業量との関係ですね。

○片山委員 マンパワーということですね。

○松岡座長 ほかにございますか。中嶋委員。

○中嶋委員 これは消費者庁さんに限る問題ではなくて、パソコンで検索をしたときのいろいろな情報のサイトが、Yahooスタイルと言ってもいいんですけれども、どこの会社もできるだけトップ画面に数多くの情報を書き込まないとだめだと考えて、トップページでみんなに注意喚起したいと考えて画面を作るので、ごてごてしたものになっているわけです。
 YahooとGoogleのトップページを見比べると、Yahooはこういうふうにいっぱい書いてあるんですけれども、Googleはリバーシブルスタイルと言うんですが、実にシンプルで単に検索の欄が1行あるだけなんです。そこで、個人的な考えですが、Google スタイルをベースにして、1行の検索の欄とは別に、縦型のキーワードの欄を設けて頂いて、その欄に全部のキーワードを書いてもらって、例えば国交省であろうと食中毒で牛肉の生肉の事件があったとか、キーワード欄をスクロールしていくとどこかで見えるというふうにしてもらった方がいいのではないか。
 いわゆる行政庁というのは持っている仕事の幅とかが広いので、恐らくYahoo方式の画面では書き切れないだろうなと思います。私たちがこれも載せてください、あれも載せてくださいと言っても、優先順位をつけるのも大変だから、スクロールすればちゃんと見られるというキーワード欄をつくっておいてもらえれば、検索をして文字を入れていくとなかなかヒットしなくても、バーをスクロールすれば非常にヒットしやすくなるんです。
 これは消費者庁さんだけではなくて各省庁さんに、行政組織のやっている仕事の内容を私たちに知らせる方法として、どんな画面が一番いいのかというのを御検討いただけないか、この場をお借りしてお願いをしたいと思っております。

○松岡座長 ありがとうございました。難しい問題です。
 ほかに何かリコール情報として。横矢委員、どうぞ。

○横矢委員 先ほど片山委員が言われたことのつながりなんですけれども、事故があった後は、メーカーさんとか関連する協会、団体の方、国センとかで、図とか写真とかが入った事故に関する説明や注意喚起の情報が、ページとしてもきちんとアップされていくので、そういったものをジャンプできるような形で追加していくことが大事だと思うんです。それを誰がやるのかとかいう話はあるかもしれませんが、例えばアルバイトの大学生か誰かに情報をずっと見ていてもらって、大事なものを追加していって、スクロールしていけば何かからジャンプできるという形にしてもらえれば、余り手をかけないで、わかりやすい絵とかイラストとか、重要な注意ポイントがすぐにわかるようになっていくのではないかと思います。

○松岡座長 ありがとうございます。
 ちょっと私からも一言。実は私も両方のメール配信サービスを申し込んで、週に何回かは来ています。時々見るんですけれども、情報が文字だけなんです。何があったかというのが一応わかるんですが、よほど注意して見ないと興味がなかなか出てこない。
 下にサイトのアドレスがあるので押しますと、リコール情報サイトに移ってくれて、それで大体何がありそうだとわかるんですが、そこで重要なお知らせをクリックしますと、文字だけの表になってしまうんですね。先ほどから皆さんがおっしゃっているように、少なくともここに図とか写真があれば、イメージとして何がというのがわかるんです。
 今ですと、担当省庁の掲載情報に移るんですが、そこに移っても写真があるもののパーセンテージが余り高くない。そこから更にPDFで出してくださいとなって、PDFはしばらく待ってやっと出てくるということで、結構労力がかかるんですね。
 なおかつ、私のパソコンの設定が悪いのか、メールからサイトに入って省庁のところまで行ってしまうと戻れないんですね。戻る矢印がなくて、そこで×を押すと全部消えてしまってまた最初からやらなくてはいけなくなって、ホームページから直接情報サイトに入れば戻れるんですけれども、不思議なことにそういうことになっている。技術的な細かいことばかり言って申し訳ないんですが、こういう細かいことでユーザーが使いやすいとか、何回も行って見てみたい、気軽に見られるなという環境を少し努力していただくことも1つ重要かなと感じております。
 ほかに何か御意見はございますでしょうか。
 それでは、まだいろいろと課題はあると思いますけれども、せっかくいい枠組みができましたので、今回御指摘のようにいろいろな改善点を直していくことによりまして、より一層充実したサイトにしていただければ知名度が上がって、日本の消費者がリコール情報を見たいと思ったときは、まず真っ先にここへ来るという形のサイトにまで成長させていただきたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

○消費者庁消費者安全課金児課長代理 ありがとうございました。

○松岡座長 消費者庁におかれましては、本日お忙しい中をありがとうございました。
 次の議題で、子どもを事故から守るということに関連して、予定では長谷川消費生活情報課長の後、厚生労働省の杉田主査から御説明ということでしたが、説明が前後しますけれども、先に厚生労働省の母子保健課の杉田主査から、ご説明をお願いいたしたいと思います。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 厚生労働省の母子保健課の杉田でございます。よろしくお願いします。
 それでは、資料4-1をご覧ください。子どもの事故に関する母子健康手帳への記載を追加した経緯についてということと、子どもの事故予防に関する取組みについて御紹介いたします。
 まず、母子健康手帳についてですが、母子健康手帳は母子保健法におきまして、妊娠の届出をした者に対して、市町村が交付しなければならないとされています。母子健康手帳は、妊娠、出産及び育児に関する一貫した健康記録になっていまして、育児に関する内容も記載されています。
 母子健康手帳の構成ですが、前半部分は必須記載事項になっていまして、妊産婦・乳幼児の健康診査ですとか、保健指導に関する記録をするページになっています。ここは全国一律の内容として、厚生労働省令というもので様式を規定しています。
 後半の部分は任意記載事項になっていまして、妊産婦の健康管理、乳幼児の養育に当たり必要な情報というものが記載されています。通知で様式を示していますが、自治体独自の制度などに関する記載も可能となっています。
 母子健康手帳は昭和17年の妊産婦手帳から始まりまして、何度も改正がされてきています。最近は、任意記載事項の部分に関しては毎年必要な部分を改定していますが、省令様式と任意様式全体の改正については、10年に1回調査されます乳幼児身体発育調査に合わせまして、10年に一度検討会を開催して母子健康手帳の全体の見直しがなされてきています。
 次の3ページになります。昨年、平成23年に小児科医や保健師などの有識者の先生方に参加いただきまして母子健康手帳に関する検討会を開催して、省令事項と任意記載事項の様式改定を行っています。
 この検討会の開催に先立ちまして、実際に使っていただいています全国の自治体ですとか、母子健康手帳の記載内容を所管している厚生労働省内の各部署、文部科学省や警察庁、消費者庁などに改正すべき点とか、追加すべき点があるかどうかということの問い合わせを行っています。関係の皆様からの御意見ですとか研究成果などを踏まえまして、検討会で改正内容について御議論をいただきました。
 今回の改正では、妊娠経過の記載欄をもう少し充実させた方がいいという御意見などがありまして、妊娠中に気をつけたい症状ですとか妊婦さん自身の記録のページを追加したり、一番御要望が大きかったのは予防接種の記載欄ということがありまして、予防接種の記入欄の拡充などをいたしました。
 次の4ページになりますが、子どもの事故に関する記載の掲載理由についてということで、こちらは質問をいただいていたものなのですが、チャイルドシートに関しましては10年前の改正のときになりますけれども、乳幼児の自動車乗車中の死傷者の数の増加及び乳幼児を同乗させて自動車を運転するときのチャイルドシートの使用の義務化を踏まえて、記載が追加されています。
 消費者庁のウェブサイトとパワーウィンドウの注意については今年度の改正ですが、検討会前に消費者庁の方に御意見を伺いまして、掲載の追加希望をいただきました。
 消費者庁では、携帯電話やパソコンより月齢・年齢ごとに起こりやすい事故と、その予防策が閲覧できるインターネットサイトを運営している。いつも手元にある携帯電話より、子どもの事故とその予防策を確認できる利便性があるため周知するということ。パワーウィンドウについては、子どもが指を切断したり首を挟みこんで意識不明の重体になったりと重大事故が発生しているため、「子どもを車に乗せるとき」の注意事項に加えるということでした。
 このような御要望をいただきまして、事務局で変更案を作成して委員の先生方に見ていただいて、最終的に掲載することになりました。
 5ページが、実際の母子健康手帳の任意様式になります。左の表の下に消費者庁のホームページのURLを掲載しています。チャイルドシートは、右側のページの真ん中辺りになります。パワーウィンドウについては、車の中の危険というところに追加掲載をしています。
 以上が、母子健康手帳に掲載した経緯についてというところです。
 次に6ページに移りまして、母子保健における子どもの事故予防の現状について紹介をいたします。
 「健やか親子21」という国民運動計画を推進しています。この計画は、母子保健の取組みの方向性や目標を掲示しまして、国民、関係機関、団体が一体となって推進する国民運動計画です。平成13年から開始されまして、平成26年までの計画になっています。
 4つの課題に分かれているのですが、次の7ページにありますように、「課題3 小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備」というところに、子どもの事故関連に関する目標が含まれています。
 8ページが子どもの事故に関する指標のこれまでの評価になっています。指標名、策提時の現状値、第1回中間評価、第2回中間評価、目標というふうに並んでいます。平成26年までの運動ですので、今後、最終評価を行う予定になっています。
 これを見ていただくと、例えば「3-6 不慮の事故死亡率」というのは、策定時から第1回、第2回中間評価と減少しています。「3-12 事故防止対策を実施している家庭の割合」というのも同様でして、目標値には達していませんが、少しずつ事故防止対策を実施している家庭の割合は増加しているという現状となっております。
 次の9ページになりますが、「子どもの事故予防に関する取り組み」について。母子保健課では、「子どもの事故予防強化事業」というものを実施していました。この事業については、健診などの場を活用しまして保護者に対する意識啓発を行って、子どもの事故の予防強化を図ることを目的にしているのですが、例えば自治体では歯科相談会とかで事故予防の教室を実施していただいていたり、子どもの応急手当・事故予防ハンドブックを作成したり、赤ちゃん広場で心肺蘇生の実習をしたりというふうに取り組まれています。
 また、昨年は厚生労働科学研究の成果としまして、子どもの事故予防のDVDとかリーフレットが作成されましたので、啓発資料として市町村に対して情報提供を行っております。
 資料4-2についているものですが、こちらは研究班が作成した3歳児健診用のリーフレットになります。子どもの事故に関しては、このように健診ですとか訪問などの母子保健活動を通した活動について推進をしているところです。
 以上でございます。

○松岡座長 ありがとうございました。
 それでは、消費者庁の長谷川消費生活情報課長から、「子どもを事故から守る!プロジェクト」について御説明をお願いいたします。

○消費者庁消費生活情報課長谷川課長 消費者庁の消費生活情報課長の長谷川です。よろしくお願いします。座って説明させていただきます。
 恐れ入りますが、資料3-1と資料3-2、それから後ろの方に、参考1ということで「子ども安全メールfrom消費者庁」というものをつけさせていただいておりますので、それも適宜ごらんいただきたいと思います。
 「子どもを事故から守る!プロジェクト」の概要ということで資料3-1をごらんいただきますと、まず目的といたしまして、ここに書いてございますように、不慮の死亡事故を初めとする子どもの事故予防を図って、社会全体の事故予防に役立てることを目的とし、平成21年12月より開始しております。
 今、主に3つの取組みをやっております。1つ目は保護者に対する情報のつなぎ、2つ目といたしまして地方自治体、学校等の関係者に対する情報のつなぎ。いろいろな情報提供をしたり、紹介したりというものでございます。3つ目といたしまして、事故原因となる製品、施設の改良の促進ということで各機関に働きかけている。この3つの業務をやっております。
 まず、1つ目の保護者に対する情報のつなぎということでございますが、これにつきましては、親御さんに対して、子どもにとって何が危険で、どのように注意すべきかといったことを、子どもの年齢・月齢に応じて情報提供を行うということでございます。
 まず1つ目に、このプロジェクトについてサイトを充実させていることがございます。消費者庁のホームページを見ていただきますと、右側の方にこのプロジェクトに関するバナーがありまして、そこをクリックしていただくと、今、どういうプロジェクトが進行しているかというのが一覧してごらんいただけるようになっております。
 このサイトにつきましては2月に刷新したばかりでございます。「あなたのお子さんは安全?」という冊子についても、3月に全体版を掲載いたしまして、私どもは子ども安全に関する情報についてメールを発信していますが、それに対する親御さんたちの反応も踏まえて、また今年度に改訂発行を予定しております。
 「安全チェックリスト・ワンポイントアドバイス」とか「皆様にお寄せいただいた体験談や工夫の紹介」「困ったときの相談窓口」ということがあります。
 それから、携帯用のサイトということで、22年9月から開設しております。
 (3)といたしまして、今、かなり評価していただいているかなと思っているのですが、「子ども安全メールfrom消費者庁」ということで、平成22年9月から原則毎週木曜日に配信しております。現時点で2万1,000人を超える方々、今でも毎週80~100ぐらいの間で逓増しているということでございますので、御利用いただけているのかなと思っております。子どもの事故を防ぐための注意点や豆知識をコンパクトに配信しているということでございます。現時点では第87号まで配信済みということで、先ほど御紹介させていただきました参考1に、今までどういう情報を発信してまいったかということを一覧で全部取りそろえておるところでございます。
 (4)といたしまして、リーフレットの配付による情報提供ということで、「子どもの中毒事故の防止」とか「子どもの安全、携帯しよう」、そういったリーフレットによるものもやっております。
 (5)といたしまして、キッズデザイン賞ということで、NPOのキッズデザイン協議会というのがございまして、こちらの方で子どもの成長、発達につながる社会環境の創出のために、おもちゃは勿論のこと、いろいろなプロジェクトとか、そういうものについて表彰を行っているところでございますが、平成23年から担当大臣賞を表彰することになっております。それまでは経済産業大臣賞というのがありましたが、23年度からはこちらの方もお願いして、表彰が設置されているということでございます。
 (6)といたしまして、シンポジウムの開催ということで、この3月10日に福嶋長官も出席し、子どもの事故予防の重要性とか発達と事故との関連性についてシンポジウムを開催して、各地で行われています取組事例の紹介等も行ったということでございます。
 右の方のマル2をごらんいただきたいと思いますけれども、地方自治体、学校の方にも積極的に取り組んでいただきたいということで、(1)にございますように、各機関での先進的な取組みの情報について、左側にあります我々のサイトで紹介しているところでございます。
 (2)としまして、子どもの事故防止に役立つ実際の体験施設とか教材とか資料の紹介ということで、例えば子どもが納得しやすい絵本とか、そういうものについてもホームページに掲載しているということであります。
 マル3といたしまして、事故原因となる製品・施設の改良の促進ということであります。言葉が足りなくて申し訳ないのですが、最近では遊具の安全確保対策ということで、各自治体さんにお願いをいたしました。
 下でございますが、ライター規制も社会的にいろいろと問題になりました。消費生活とございますが、間違いでございまして、経済産業省の消費経済審議会の方に情報提供をさせていただいて、安全の確保、製品の改良の促進を要請しているところでございます。
 簡単でございますが、概略は以上でございます。

○松岡座長 ありがとうございました。
 それでは、何か御質問がありましたらよろしくお願いします。
 中村委員、どうぞ。

○中村(晶)委員 杉田さんにお尋ねしたいんですけれども、母子健康手帳というものの到達率といいますか、妊娠の届けがあったときに交付されるわけですね。大体どれぐらいの比率の方にこれが現実に渡るものなのかということが1点。
 定期健診のときに子どもの事故情報について知らせるということについて、どのような工夫がなされているのかを教えていただけますでしょうか。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 妊娠届出をいただいた方に、母子健康手帳を交付するのですが、今、年間約107万人ぐらいの出生ですが、116万件ぐらい妊娠の届出があります。その方々は皆さんお持ちということになります。

○中村(晶)委員 届出の率は、ほぼ100%に近いんでしょうか。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 市町村は発行しないといけないという義務になっていますので、ほぼ100%と考えています。

○中村(晶)委員 ありがとうございます。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 乳幼児健診のときに事故のことをPRしているかどうかということですね。資料の8ページ、3-19に「事故防止対策を実施している市町村の割合」というのが出ています。第2回中間評価が直近になりますが、3~4か月健診だと46.7%、1歳6か月健診だと41.7%という数字になっております。

○中村(晶)委員 この内容については把握していらっしゃいますか。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 先ほど御紹介したような形で、事業の報告の内容を見ていると、健診のときに事故のリーフレットを配付したり、心肺蘇生の訓練をしたり、そういうことをされていると聞いています。

○中村(晶)委員 ありがとうございます。

○松岡座長 中川委員。

○中川座長代理 これも厚労省に質問ですけれども、今、中村委員から御質問があった妊娠の届出100%というのは、そう言われれば確かに届け出ているような気もするんですが、どういう手続でしたか。つまり、なぜみんな妊娠を必ず届けるのか。届けると手当が出るとか、そういうことだったかなという気もするんですが、それが第1点目です。
 2点目は消費者庁への質問になりますけれども、ほぼ100%の方がこの母子健康手帳を持っているということであれば、目的外使用になるかもしれませんが、それは法的に手当てするとして、そこの情報を使って、消費者庁でやられているいろいろなプロジェクト関係の情報を厚労省の健康手帳で得た住所等の情報を使って、乳幼児に関する消費者庁手持ち情報を伝えれば、コストはわかりませんが、論理的には100%の伝達になると思うんですけれども、そういう情報の伝え方というのは現実的なものなんでしょうか。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 なぜ妊娠の届出をされるのかということですが、おそらく、多くの方が妊娠したかなと思われたら医療機関を受診されて、妊娠かどうかということを診察されると思うのですが、そうしたら妊娠届をしてくださいと言われます。また、14回分の妊婦健診を公費助成しています。その受診券も母子健康手帳と一緒に配付していますので、そういう意味で皆さん届け出ていただいていると思います。

○松岡座長 それでは、消費者庁の方から。

○消費者庁消費生活情報課長谷川課長 ツールといたしまして、基本的には子ども安全メールかなと思います。厚労省さんの情報を踏まえて、我々も子どもを事故から守るというテーマでプロジェクトをやっていますので、それにふさわしいもの、これは本当に伝えなければならないといったものがあれば、お伝えすべきだと思っています。
 ただ、当然のことながら子ども安全メールについては登録していただく必要がありますので、我々も努力をして周知していただいて、できるだけ多くの人に利用していただいて、理解していただいて事故予防を図っていますが、どういう仕組みができるのかは考えなければならない。こちらの方で必ず登録すれば我々の情報が自動で行くというのも、情報の管理がどうかというところもあります。ただ、我々としては一人でも多くの親御さんなり保護者の方に理解してもらいたいということですので、どういうふうに周知していくかということとセットで考えたいと思っています。

○松岡座長 中川委員、どうぞ。

○中川座長代理 今のお話を聞いていて、非常にうまく情報が回るような仕組みができていると思うんです。消費者といいますか、この場合は妊婦ですけれども、自分にメリットがあるから妊娠したという情報を出す。つまり、自分の住所等も出すという形で消費者が動くような制度になっていますので、例えばメールアドレスを登録してもらうことを、病院であるとか、あるいは妊婦健診のときに一言言ってくださいということをお願いするのは、そんなに経費のかかることではないと思います。そういう意味では病院ということになりますか、産婦人科の方々にこういう消費者庁での行動の認知度を高めることをすれば、結果的にかなりいくのではないかと思います。

○松岡座長 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 厚労省さんにですが、事故防止対策を実施している市町村の割合が40%台というのはちょっと低いような感じがするんですけれども、何がネックになっているのか。財政問題なのか、その辺をちょっと教えていただきたいということ。
 消費者庁さんにですけれども、地方自治体、学校等の関係者に対する情報のつなぎのカバー率は何%ぐらいになっているのかというのを教えてください。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 市町村の取組みの割合が低いという御指摘ですが、何がネックかというのは私どもも承知していないところです。
 ただ、母子保健の活動の中で中心になる部分は健康の部分がありまして、健診もかなり忙しい場になっています。そこでいろいろな情報をお伝えしないといけないのですが、その中で子どもの事故を取り組もうとされているところがあったり、食中毒のことを取り組もうとされているところがあったり、市町村によって優先順位が違うという印象です。

○消費者庁消費生活情報課長谷川課長 カバー率の話ですけれども、むしろ我々としては逆でございまして、そういう自治体の方々に我々のサイトを見ていただくことで、情報をこちらから各自治体さんに送っているわけではございませんので、各自治体でのいろいろな先進的な取組み、例えば子どもセーフティハウスとか、あるいは子ども事故予防センターによるいろいろな情報とか、各自治体で行っています。今は、それを我々が収集しているというのでとどまっています。
 ただ、窓口は違うかもしれませんけれども、消費生活センターとかが各自治体にあると思いますので、そこに対しては私ども消費者庁の取組みを定期的に送っています。まさに自治体の中での横の関係がうまくいったり、あるいは消費生活センターでこういうことを取り組んでいるということであれば、そこは必ず情報として行っていますが、カバー率という点では、今、正確な情報を持ち合わせてないところであります。

○松岡座長 横矢委員、お願いします。

○横矢委員 厚労省さんの資料の8ページのところです。健康についてのいろいろな情報を市町村がやらなければいけない問題があるというお話があったんですけれども、この表を見ていて気になったのが、3-11と3-14は先ほど御説明がなかった部分です。小児救急医療機関を知っているということと、心配蘇生法を知っているかということの2つの項目は、命に関わることで、事故であれ、病気であれ、保護者が知っておかねばならない、知っておいてほしい、とても重要なことなんですが、中間評価の第2回は22年だと思うんですけれども、数値が1回目の13年と2回目の22年で逆に下がっているぐらいなんです。市町村での取り組みが32%から46%まで上げてきているのに、内容を詳しくチェックしていなかったら、肝心なところが抜けているところが出てきているということがないのでしょうか。
 この内容でしたら、消防の方のお仕事に関わるところですごく積極的にPRもされているのに、なぜここまで反応がでていないのか、私はすごく不思議な感じがするんです。この辺りをもうちょっと突っ込んで調べていただいて、各市町村に任せるのではなくて、今後、中間評価をしたらこういう結果だったから、ここをもうちょっと改善してということを伝えていっていただけたらいいのではないかと思います。
 下がってしまっているのはとても気になるんです。保護者は次々入れ替わっていくのが特徴なので、こっちは慣れているような気がしていても、すぐに対象が替ってしまって、また認知度が低くなる可能性があるので、そこのところをよろしくお願いします。

○松岡座長 厚労省さん、何かコメントはありますか。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 確かに下がっているところは気になるところです。おっしゃるとおりだと思いますので、今後最終評価もしていって、その評価を踏まえてどうしていくかということを考えていかないといけないかなと思います。

○松岡座長 中村委員。

○中村(均)委員 子どもの事故に関して、母子健康手帳はうまく取り込んでおられるなと思って、資料を見たときにすごく感心したんですけれども、1つだけすごく疑問を抱いたのは、8ページに不慮の事故死亡率がございます。子どもさんの年齢別にちゃんと挙げてあるんですけれども、現状値からとらえたときに、何で一律に半減という目標を立てるのかと思うんです。ゼロ歳のときにどんな要件があったら、この何年間でどのぐらいに持っていくというのは、もう少し精緻な数字を挙げてもらいたかったなというのが感想なんです。

○松岡座長 いかがでしょうか。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 平成13年から開始されていまして、このときの話し合いで目標値が設定されていますが、確かに半減や100%というような、本当に実行可能性があるのかという目標になっております。今後次期プランということになりましたら目標値のところを検討することになると思います。

○松岡座長 中嶋委員。

○中嶋委員 中嶋です。
 母子健康手帳は10年に1回書き替わるというお話だったんですけれども、私自身は娘が3人いまして、私自身が母子健康手帳を余り見てないのでちゃんとしたことはわかりませんが、はしかの健診をいつ受けたとか、予防接種をいつ受けたとかいうのも、全部書き込めるようになっていたと思うんです。ですから、お母さん方は自分の子どもの成長の記録を母子健康手帳にずっと書き入れておられる。
 そうなったときに、5ページにこういう記載がありまして、別にどうのこうのと言うわけではないんですけれども、例えば中毒に関しては厚労省は電話番号になっているのに、なぜ消費者庁はホームページになったんだろうか。確かにホームページを引っ張るのは大事なんですけれども、情報の内容が多岐にわたるのでホームページとなっているんでしょうか。それとも、電話がいつ変わるかがわからないから電話番号になってないとか、ここは電話番号も併記した方が本当は使いやすいのではないかと思いますけれども、いかがですか。ごく瑣末な質問で申し訳ないです。

○松岡座長 よろしくお願いします。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 なぜ電話番号も併記してないかということですが、ここは特に追加掲載の希望をいただいていませんで、その発想がなかったということになるかと思います。基本的には、今ある最新の情報を載せています。

○中嶋委員 ありがとうございます。
 では、これは10年に1回ですけれども、こういう電話番号を載せるぐらいなら変更は可能。例えば来年度から出す母子手帳には、ここに電話番号を入れられますということでしょうか?

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 まず、10年に1回というのは全体の見直しが10年に1回ぐらいを目安にしていますが、事故の予防のページは任意記載部分で後半のページになるので必要時に変更しています。ですので、いつとは言えませんが、10年に1回を待たずにもっと頻回に変えています。
 見直しのときに皆さんの御意見を聞いて、妥当かどうかを判断して掲載することになるんですが、実は母子健康手帳の分量が100ページぐらいありまして、前の方の分量がどんどん増えていって、後ろの方を削らないといけないことになっています。なので、1つ入れたら1つ削る、2つ削るぐらいの形になるので、必ず載るかどうかというのはちょっと分かりません。

○中嶋委員 母子健康手帳のページ数は、せいぜい20ページとか30ページぐらいのものではないんですか。100ページもないですね。100ページあるんですか。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 今、97ページになっています。

○中嶋委員 そんなにあるんですか。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 どんどん情報が追加されていまして。

○中嶋委員 もううちの娘は30歳だから随分と変わりましたね。済みません。
 もう一つ、別の質問です。母子健康手帳を渡すときに、市町村に届出に行きますね。この段階で、単に事務的に渡しているんでしょうか。例えば子どもさんが生まれて病気になられたときはこうしましょうとか、事故があったとき、もしくは防止するためにはどこそこに行ってくださいという説明とか、もしくは自動車の運転免許をもらうみたいに、どこかの部屋に入って30分ぐらいのビデオを見るとか、そういうことはなされているんですか。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 自治体によってかなり違いはあるのですが、今回、母子健康手帳を改正して、そのときに「母子健康手帳の交付・活用の手引」というものを研究班につくっていただいています。これは市町村に配布をしていますが、母子健康手帳を渡すときにはどういうふうに使うんだよとか、こういうところにこういう情報が載っていますよというのを、専門職の保健師などが個別にお話をして渡してくださいというふうに書いてあります。
 ただ、都会ですとか、いろいろな支所があるところ、あとはどうしてもそこには専門職がいないけれども、近いのでそこで発行してほしいというような自治体の窓口の制約がありまして、そういうところでは専門職がいなくて後日お電話するとか、そういうパターンもあるかと思います。

○中嶋委員 そうしますと、渡すときに、例えば子どもの事故に関連するようなリーフレットを一緒に渡してもらうとか、今、消費者庁がやろうとしているプロジェクトの中の1つをそこに一緒に入れてくださいとお願いすることは、多分可能だろうと思うんです。実際にやっているのはみんな市町村ですから、中央で合意ができてもそのままできるわけではないですけれども、そういう方向が可能であれば、今後はそういうタイアップが必要になってくるのではないかと思います。
 いかに情報を届けるかというのは、いわゆるルートといいますか、ツールは最大限に開発しないとだめだと思っているんです。人を介在して情報を渡すのがベストであって、メールであったり手紙であったりというよりも、話して伝えるのが本当はベストなので、今、消費者庁さんが取り組んでおられるのは話し言葉で伝えることが非常に難しいですね。だから、これはいいチャンスではないかと思います。
 ありがとうございます。

○松岡座長 では、中村委員、どうぞ。

○中村(均)委員 長谷川さんに質問なんですけれども、子どもを事故から守る!プロジェクトでいろいろなさっていますけれども、子どもというと学校に行っていますね。そうすると、文科省とかと協力して、授業の中に啓発の時間は組み込まれているんですか。それとも、組み込もうとしているのか。その辺をちょっと教えていただきたいんです。

○消費者庁消費生活情報課長谷川課長 こちらのプロジェクトは、どちらかといえば小さいお子さんを対象にしていまして、0歳~就学前を対象にしている情報なんです。まさに些細なことが事故につながるのが多いものですから、そういうものを中心にやっているということであります。
 文科省との関係になりますと、今、消費者教育という観点でいろいろなことをお願いしています。新学習指導要領におきまして、消費者教育というのは小学校から入っています。ただ、学校で教える内容が多いものですから、どうしても消費者教育、こういう安全とかについてはそれほど多くの時間がとれないということの制約はあるだろうなと思っています。
 制度的には、以前と比べればそういうふうにかなりよくなっているのかなと思うんですけれども、実際にどこまで浸透しているかというのは、例えばほかの教科と連携して、危険の問題とか事故の問題とか、まさにそういうところを消費者庁なり文科省が、今後サポートしていかなければならないのかなというのが現状でございます。

○松岡座長 それでは、佐竹委員。

○佐竹委員 消費者庁の方にお伺いしたいんですが、保護者に対する情報のつなぎのところで、子ども安全メールfrom消費者庁というのがございました。これはよくわかるのですが、今、皆さんが一番使ってらっしゃるのが携帯、スマートフォンかなと思います。
 (2)に消費者庁携帯サイトというのがございますが、この携帯サイトというのは単に携帯サイトを見られるだけなのでしょうか。それとも、何か登録をして、メールで配信されて、携帯で何かの情報が見られるようになっているんでしょうか。「子ども安全メール」のバックナンバー等を新着情報として携帯画面で提供と書いてあるのですが、バックナンバーだけが携帯で知らされても、そこからきちんと安全情報をごらんになるところまでつながる方は、そんなにいらっしゃらないのではないかと思うのです。携帯のメールで情報を発信されると、皆さんタイムリーに安全情報が確認できるのではないかと思うのですが、その辺りはどのようになさっているんでしょうか。

○消費者庁消費生活情報課長谷川課長 まさに御指摘のところは、現時点で携帯サイトのところは配信という形ではなくて、サイトということで画面が見られるだけです。そこに載っています情報は、基本的には子どもを事故から守る!プロジェクトの全体は見られるようになっています。おっしゃるとおり配信した方がタイムリーに出るというのはそうなんですが、そちらの方は基本的に子ども安全メールの方で対応しているということです。ただ、御指摘のとおり、もう少し使い勝手といいますか、有用性が広まるような形で工夫はしてみたいと思っています。

○佐竹委員 お願いします。

○松岡座長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 厚労省の杉田さんにお聞きしたいんですけれども、5ページに事故防止に関する記載ということでいろいろ書かれていて、急性中毒についてたばこについては連絡先が書かれています。一般的な事故でしたらお医者さんに行くとか、救急車を呼ぶということになると思いますが、厚労省はその先の情報をどういう形でつかんでいるのか。つまり、5ページから7ページ、8ページにつなげていくために、かなりの事故情報を収集することをやっていらっしゃるのか、病院との連携をとっていらっしゃるのか、そこを教えていただきたい。消費者庁の場合は幾つかの病院と連携をとって、お医者さんとの情報交換をされていますが、厚労省の場合はどういう形で子どもたちの事故情報、妊婦さんの事故情報を収集されて、7、8ページにつなげているのかというのを教えてください。
 もう一つ、すごく個人的に知りたいのが1つありまして、7ページの3-9の妊娠中の飲酒率。私は胎児性アルコール症候群について、関心があるのでお聞きしたいんです。もし、ホームページに掲載されているのでしたらそこを探します。今日の議題とは関係がないのですけれども、教えていただきたい。
 それと、8ページは非常に簡単なことしか書かれてないんですけれども、もう少し詳しい情報もどこかで見ることができるのかを教えてください。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 最後のご質問からになりますが、詳しい情報は健やか親子21の公式ホームページがあります。公式ホームページの方にはこれまでの評価の内容とか、いろいろな情報が載っています。
 母子健康手帳に載っている内容の事故の情報のそれ以降の追跡ということに関しては、母子保健課で取り組んでいる事業などはありません。もともと子どもの事故に関しては、消費者庁と経済産業省と連携をしていまして、子どもの事故に関する事業の会議のオブザーバー参加などをさせていただいたりはしていますが、母子保健課内で何か子どもの事故のデータベースを持っているとか、医療機関と連携して何かをしているというものは、今のところはございません。

○松岡座長 佐野委員。

○佐野委員 病院というと厚生労働省が一番の中心かと思います。せっかく事故防止に関する記載があるのですから、事故情報も集めて記載して欲しい。5ページの表は一般的に起こりやすい事故と書かれていますけれども、もっといろいろな事故が起こり得るし、起こっているんだろうと思います。その辺り、病院との連携ができるのは厚生労働省だと思うので、是非どこかで検討していただければと思います。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 これまで研究事業などで事故のことを研究していただいたりもしていましたので、そういう形で進められたらいいのかなと思います。局が違って医政局というところが医療施設などを持っていますので、協力し合ってということになるかと思います。
 次に、妊娠中の飲酒率に関してですが、かなり下がってきております。どの年代も下がっているみたいです。妊娠中の飲酒率は、平成13年の策定当時は18.1%だったのが、第2回中間評価のときには7.6%まで下がっていると聞いています。

○佐野委員 ありがとうございました。

○松岡座長 それでは、齋藤委員。

○齋藤委員 今、厚生労働省の資料の5ページのところを見ています。事故予防に関する記載というところで実にわかりやすいと思います。自分でも、窒息するよとか、やけどをするよとか、溺れるよとか、こういうことを注意しなければならないなと読んで感じるのです。
 今、これと見比べているのが消費者庁の資料です。「委員用席上配布参考資料」の一番後ろのページを見ると、「リコール情報(高齢者向け)from消費者庁」というのがあります。改めてこれを見ると、高齢者向けというのは高齢者が読むのか、高齢者に伝えてあげてくれというのかというところがわからなくなりました。高齢者が読むなら、字をもうちょっと大きくしなければ読めない人も出るだろう。
 それから中身です。リコール情報は以下のとおりですとあって、重要なお知らせがあり、会社の名前が並んでいる。真ん中辺りに行くと、リコール対象商品が身の回りにある場合はという箇所を読みます。そこで、リコール対象品はどれかと思うと、リコール対象品がこれですとははっきり書いていない。重要なお知らせの中身がリコール対象品なのだろうと思いますが、そう読まない方が悪いという書き方になっている。母子健康手帳の書き方とは随分違うと思います。
 1つ、今、感じたことなのですけれども、こういう情報をわかりやすく伝えるにはどうしたらいいかについて、いろいろな官庁で取り組んでおられる中で、官庁間で情報交換会とか、この評判がよかったという勉強会のようなことはされているのでしょうか。消費者庁の方にお伺いします。

○松岡座長 長谷川課長、どうぞ。

○消費者庁消費生活情報課長谷川課長 担当が来ておりませんので、御指摘はお伝えさせていただきます。
 一般論として、せっかく伝えるわけですので伝わらないと意味がないというのは認識しているんですけれども、今、非常に評価されているものとかは参考にしながらやっています。行政ですと、どうしてもできるだけ正確なとか、解釈が揺れないような形とか、いろいろなことを考え過ぎるところもあると思いますが、できるだけすぐにわかるような形で、引き続き対応はしてみたいと思っています。
 見にくいというところは、御指摘のとおりかなと思っています。

○松岡座長 片山委員。

○片山委員 消費者庁への質問です。母子健康の関係では、厚労省と消費者庁でうまくリンクできている部分があると思いますが、高齢者の関係でも介護保険とか、同じような接点があると思います。そこを利用するという動きや検討はあるのでしょうか。
 もう一つは先ほどの、健診のときの自治体の事故防止の取組率が低いという話の関係ですけれども、そのときに各自治体の消費生活センターとの連携とか、自治体内での横の連携をもっと図ればいいのではないかという話がありましたが、そういう可能性といいますか、自治体の中でこんな取り組み方、横の連携の仕方があるのではないかということを消費者庁の方から自治体に指導といいますか、アドバイスをしていただくことは考えられるのではないかと思うんです。
 もう一つは消費者教育の関係で、小学校の方は安全教育に多くの時間をとるのが難しいという話ですが、今、子どもたちは学童保育に行っている人がたくさんいますね。学童というのは、多分地方の自治体が運営しているのだと思いますが、そういうところに取り入れてもらうとか、いろいろなアイデアを消費者庁の方から出していかれたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。

○消費者庁消費生活情報課長谷川課長 まず1つ目でございますが、高齢者の方への情報ということですけれども、消費者庁ではございませんが、国民生活センターの方から高齢者あるいは障害者の関係で見守りネットワークというのを構成していまして、それこそ地域の自治体さんとか、社会的包摂のセンターとか、福祉施設とか、そういうものと連携しまして、特に高齢者、障害者の方というのは、効果的なのは御自身というより周りの方が見守って、例えば消費者被害とか、今、どういう問題が起こっているかというのをタイムリーな形でお伝えして、民生委員の方、介護士の方も含めてやっていくのがいいのではないかということで、今、そういうネットワークというのをつくっています。そういうものに対して、自治体さんも入っていただいて連携しております。
 そういう意味では、例えばメールの数でどれまで進展しているかというのはなかなか評価が難しいんですけれども、着実には増えていると思いますが、そういう面でもメールとかで非常にタイムリーに配信することの整備は、引き続き連携をしてうまくやってみたいと思っております。

○松岡座長 中川委員。

○中川座長代理 情報を何とか出すというツールはありそうだという感じはしてきたんですが、今度は情報をわかってもらうということですね。厚労省の資料を見ていると、そこら辺はかなり工夫されているのかなと思うんです。例えば資料4-2を見ると、子どもの事故を防ぎましょうというのがあります。これは思わず、読もうかなという気になるような色使いとか構成になっているんですが、そういうことをやろうとしている科研のグループが指導をして、政策が放送映画製作所ですか、いろいろ工夫されているのではないかと思います。
 他方、先ほど母子健康手帳が100ページになっているということと同時に、手引をつくられているという話をされたような気がするんですが、それは母子健康手帳も情報が伝わりにくくなっているという危機感があって対応されているのかどうかということをお伺いしたい。情報をいかに妊婦、お母さんに伝えるかということについての工夫をお聞かせいただきたいと思います。それが消費者行政にとって何かヒントになるかもしれないということで、よろしくお願いします。

○厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課杉田主査 母子健康手帳の交付・活用の手引というのは専門職向けにつくられています。母子健康手帳に関する検討会のときに、一般のお母さん代表も参加していただいたんですけれども、これだけ大切な情報が載っていると知っていたらもっと活用できたかもしれない。もうちょっと母子健康手帳の意義とか使い方を説明してもらえたらいいのではないかという提案をいただきました。
 おそらく、妊娠の初期だと、自分の出産までのことが気になったりすると思うんです。今、母子健康手帳を交付するときに、実はいろいろなグッズですとか、いろいろな説明書だとか、パンフレットだとか、一緒にお渡ししている自治体が多いので、活用の手引では、なるべく情報を絞って、必要な時期に必要な情報を提供することが重要と記載されています。まず母子健康手帳を使っていただいて、そこにいろいろな情報が載っているので、読んでいただけるように工夫して交付いただければと思っています。

○松岡座長 長谷川課長。

○消費者庁消費生活情報課長谷川課長 すみません、先ほどの片山先生の方からの御質問でもう一つございまして、学童保育でのものはまだやってないと思いますので、ちょっと確認して、やってなければ協力できるように声をかけてお願いしたいと思います。
 それから、佐竹先生の方から先ほどいただいた携帯サイトの件の発信なんですけれども、今、確認しましたら、子ども安全メールのいろいろな、こういうことに気をつけましょうとかの下に携帯サイトのところがありまして、間接的ではあるんですが、随時更新している情報については一応発信している。ただ、あくまでも間接的ですし、子ども安全メールをもらっている人だけということ、今、現実的には2万1,000件ちょっとですけれども、そういうレベルということですので、引き続きそこをどういうふうに広く周知するかということは検討してみたいと思っております。

○松岡座長 それでは、横矢委員。

○横矢委員 学童保育のことなんですけれども、学童が置かれていることが多い児童館の方は、安全教育について独自に非常に詳しく調査をされて、現状で研修もすごく活発にされています。学童保育以外に、今、文科省で放課後預かり事業でしたか、名前はちょっと忘れましたけれども、もう少し自由に預かってもらえるシステムがすごく広がっているので、そちらの方とも連携していただけるといいのかなと思います。安全教育一般になると、防犯もあって、防災もあって、交通安全もあって、その中の一部なので扱いが小さくなるというところが、難しいところかもしれません。

○消費者庁消費生活情報課長谷川課長 ありがとうございました。

○松岡座長 ありがとうございました。
 では、最後に。

○中嶋委員 消費者庁の長谷川課長さんに2つか3つ御質問があるんですけれども、1つは消費者教育です。先ほど中村委員から学校での教育の中に入れられないかとありました。私は2年前に、経産省の製品安全課からも、プログラムはどうしたらいいですかと聞かれたことがありまして、ISO12100とかガイド51の中の、いわゆる危険源を探すということをやれば、それが出発点になって安全教育ができますとお答えしましたが、実際には実行されていないと存じます。一方、私が主催している品質と安全文化フォーラムで「消費者教育」について議論をしたときに、企業が独自で小学校に自分のところの社員を派遣して教育していますという会社が何社かありました。一方、社員を派遣したいんだけれども学校側が受けてくれないんですという話もありました。では、派遣される消費者教育を担当する人の要件はどうなっていますかと質問すると、わからないと言われる。消費者教育のために派遣される人は、皆さん製品についてのプロです。それはそれでいいのですけが、企業の社員という側面があります。例えば海外の取り組みみでいけば、企業からの消費者教育に関する情報を受け取るのは学校の教員であって、児童ではありませんという事例もあります。学校の教員が消費者教育の情報を受けて、教えるのです。消費者教育に企業から派遣されて携わる人が居ても良いのですが、私はそこに仕組みが要るだろうと思うんです。恐らく今、いろいろな会社が自分たちの商品を正しく使ってほしいと思っています。乳幼児のものもそうです。そういうふうに考えると、消費者教育のための仕組みがつくれないだろうか。例えば教えにいってもらう方々の最低限の要求事項、たとえば消費者庁としての要求事項、経済産業としての要求事項、厚生労働省としての要求事項をまとめてもらって、そのガイドラインに沿って消費者教育ができればいいかなと思うんです。そういう方向で、消費者教育を検討する、実現する可能性があるかどうかというのを教えていただきたいです。
 もう一つは、よく消費者の4つの権利と言われるわけです。教えてもらう権利。事故が起きたら、こんな事故があったんだと教えてもらう権利は当然ですね。でも、消費者にはもう一つ、意見を聞いてもらう権利というのがあるんです。いわゆる消費者庁というのは、今の法律の枠組みで言うと、情報をどういうふうにして扱うかが一番のキーポイントになっていると思うんです。今の法律の環境下では、対策までは手を出すのが難しいと思うんですけれども、情報だけは自由にやれると思う。消費者の意見を聞く、消費者が言いたいことをちゃんと聞く仕組みというのは、立ち上がったばかりのときにそんなことはできないんですけれども、ぼちぼち考えていただくのも必要なのではないかと思うんです。そういうところはいかがでしょうか。
 さらに、もう一つご質問があります。例えばリコール情報を出すメールの仕組みをつくりました。登録をしてください。子どもの安全メールもつくりました。今、2万人が登録しています。このメールというのは双方向なんでしょうか。一方通行になっているとメルマガでしかなくて、メールではないですね。これも教えていただきたいです。

○消費者庁消費生活情報課長谷川課長 まず、小学校におきます消費者教育の問題なんですけれども、先ほど申し上げましたように昨年度の23年度から新学習指導要領で、小学校で消費者教育というものが教えられることになったわけです。ただ、先ほども申し上げましたように、授業時間の問題とかで制約があると思っています。
 まずは、今、我々が考えておりますのは、実はこの3月まで学識経験者とか政治家の方、あるいは法曹界の方とか、消費者団体の方とか、多様な分野の方に入っていただいた消費者教育推進会議というところでまさにこういう議論をしてまいりました。いろいろなボトルネックが多いなというのがあって、学校側の対応として、まず消費者教育を理解していただく先生を増やす。その中で、例えばこれから消費者教育コーディネーターみたいな、学校の中で1人の先生か、あるいは2人かはわかりませんけれども、消費者教育をわかっていただく教員の方、要は役割として校務の分掌上の役割を担っていただく人をまずやってもらって、その人に学校の中で活動してもらう。
 一方、企業からのいろいろな派遣ですとか消費者団体からの派遣についても、それぞれ皆さんは非常に知見があって、こういう情報を伝えたいとか、こういう能力を育ててもらいたいと思っているわけです。
 ただ、現状では、まず受け皿的なところの認識がそこまで届いてないというのもありますし、企業、事業者、消費者団体の方でも、学校となると普通の活動とは違いますので、スキルの問題とかがあると思います。ですので、我々としてはこの議論の文脈の中で、出前講座みたいなところの学校担当みたいなところを、先ほどの消費者教育コーディネーターと反対側の送り手の方で決めてもらって、そこでスキルとかを学校で教える。あるいは学校の先生に伝えるとか、両方だと思うんです。現状では、企業の方が直接行って、単独での消費者教育というのはなかなか難しいのがある。当然、横に先生がいて両方でやっていくのが望ましい姿かなと思っています。
 そういう取組みについては徐々に浸透しているわけでして、そこの先進事例、モデル事業について我々の方でも情報収集して、それこそ先ほどからサイトの話が出ていますけれども、まさに我々も消費者教育のサイトを持っています。それでどんどん使い勝手がいいような、検索しやすいような形で、学校でも、企業でも、消費者団体でも消費者教育ができるような教材とか事例とかをデータ提供したい。ただ、これにも御批判をいただいていまして、サイトが見にくいと言われているのは事実でございます。
 あと、ようやく消費者教育が認知されてきたのは、地域の教育委員会との連携も、これからは期待できるのかなと思っています。学校はどうしても地元の教育委員会との関係が非常に強いものですから、我々も文科省とは連携をやっていきながら、是非やっていきたいと思います。
 あとは意見を聞くというお話でした。これは本当に難しい問題でして、先ほどのメールの話ですけれども、我々は事故の情報が欲しいものですから、送り先が2万1,000件と言いましたが、2万1,000件の方々に対しては、最近お子さんに関してこういう問題があった、こういうことが起こりそうになったというのはフィードバックするような形でできています。
 一般論としての情報収集というのは難しいんですけれども、まだ完全ではないんですが、今、消費者団体さんとは、言わばメーリング方式の形でこちらの情報をお伝えして、これに対する意見があればという形のシステムを3月からスタートさせまして、まだ数は少ないですけれども、消費者団体あるいはNPOということで、全国で二百数十だと思いますが、スタートさせています。確かに聞くというところは非常に難しいんですが、双方向性についての対応は徐々にやらせていただこうかと思っています。

○松岡座長 ありがとうございました。
 本日は、消費者庁と厚生労働省の間で連携がうまくいった例ということの紹介と受けとめております。今日の議論にありましたように、この例に限らず各省庁と消費者庁、地方自治体との連携とか、そういうのを有効に進めることによって、こういう動きがスムーズにいくのではないかと感じておりますので、その辺に向かって幅広く御努力していただければと思っております。
 本日は消費者庁、厚生労働省におかれましては、お忙しい中をおいでいただきましてありがとうございました。

≪4.その他≫

○松岡座長 それでは、ほかに全体を通してということですが、内堀委員、何か御意見はございますか。

○内堀委員 特にありません。

○松岡座長 田澤委員はいかがでしょうか。

○田澤委員 この委員会の意見とか質問の聞き方とか、それを公表するとかしないとか、私はちょっとわかりかねるところがあるんですけれども、皆さん、そこら辺はいかがなんでしょうか。

○松岡座長 公表といいますと、この議論そのものは全部。

○田澤委員 それは承知なんですけれども、皆さんから意見や質問を聞くと、意見声明というのか、そういうのとは違うと思うので、意見を聞くのを公表するとか公表しないことにするとか、いろいろ変わったように思って、その流れがどうも私はよく理解ができてない。私一人だけだったらよろしいんですけれども、教えていただけたらと思います。

○松岡座長 では、事務局の方から。

○原事務局長 進め方についてですね。第1次消費者安全専門調査会の時よりも委員の人数を少なくさせていただいて、できるだけ委員間でも活発に議論をしていただこうというのと、丁寧にやっていきたいというのがあります。資料は揃ったものからできるだけ早くにお配りして、それについて御質問・御意見があれば事務局にお寄せくださいということにし、そうやって見させていただいたものを参考に、座長と御相談して進め方を決めているということです。事務方としても、こういう御意見があるからこういうところを力点に置いて進めてはどうかということの参考にさせていただいています。
 その扱いについては第1回のときには資料として扱わせていただきましたけれども、その後は公表の資料にはしていないということになります。その手間が入った分が、なかなかわかりにくいかなと思います。
 それから、この委員会の進め方は、今、ヒアリングをしておりますけれども、ヒアリングも前半に質問みたいなものを聞いていただいて、後半はできれば委員同士でそのテーマについて意見交換をしてみましょうという形で、ヒアリングの場面はそういう感じで進めたいと思っております。
 また丁寧に御説明しますけれども、大体そういう状況です。

○松岡座長 よろしいでしょうか。

○田澤委員 ありがとうございます。私はもう少しざっくばらんに委員同士の意見交換をしてというようにイメージしていたものですから、ちょっと混乱をしたところがありましたので、御説明いただいてありがとうございました。

○松岡座長 まだ数回ということで、まずは具体的な事例の勉強ということが入って意見交換が少なくなってしまったかと思いますが、だんだんと意見交換が増えていくと私は認識しております。そういう意味では、次回ケーススタディーとして、ブリヂストンサイクルさんから幼児用座席のリコールの取組みを紹介いただく予定にしております。
 他に、何か御意見という方がいらっしゃいましたら。
 よろしいでしょうか。それでは、本日の議題は以上となります。この議論をもとに次回に向けて、また事務局でいろいろと準備を進めていただきたいと思います。
 事務局の方から何か連絡事項はございますか。

○原事務局長 本日はありがとうございました。
 次回は、6月22日金曜日の10時からを予定しております。6月は2回ということで実施したいと思っております。よろしくお願いいたします。議題については先ほど座長からお話がありましたように、事例のヒアリングをしたいと思っております。
 以上です。よろしくお願いいたします。

≪5.閉会≫

○松岡座長 ありがとうございます。
 それでは、これで閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

(以上)