第8回 消費者安全専門調査会 議事録

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日時

2011年5月17日(火)10:00~12:10

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
宇賀座長、中川座長代理、阿南委員、片山委員、齋藤委員、佐竹委員、
杉山委員、田澤委員、鶴岡委員、中尾委員、中嶋委員、中村(晶)委員、
中村(均)委員、橋本委員、松岡委員、横矢委員、吉岡委員
【消費者委員会委員】
中村(雅)委員長代理、佐野委員
【説明者】
消費者庁 消費者情報課 金児首席情報分析官
【事務局】
消費者委員会 齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.前回までの議論の整理
3.事故情報の公表について(第7回からの引き続き)
4.その他
5.閉 会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:43KB)
【資料1】 事故情報の公表・活用に関する前回までの議論の整理 (PDF形式:121KB)
【資料2-1】 生命・身体被害に係る消費者情報の公表等について (PDF形式:98KB)
【資料2-2】 生命・身体被害に係る消費者情報の収集、分析及び公表、並びに再発防止について (PDF形式:133KB)
【資料3】 事故情報データバンクに登録された事故情報 (PDF形式:91KB)
【資料4】 生命・身体事案に関する消費者庁からの注意喚起・依頼 (PDF形式:137KB)
【参考資料1】 欧州における民生品の安全確保(中尾委員提供資料) (PDF形式:207KB)
【参考資料2】 EUのニューアプローチ指令 製品安全への採用の動向(中嶋委員提供資料) (PDF形式:335KB)
【参考資料3-1】 生命・身体被害に係る消費者事故情報等の公表に関する基本要領 (PDF形式:198KB)
【参考資料3-2】 消費者事故情報公表の法的論点の整理 (PDF形式:429KB)
【参考資料3-3】 消費者事故等情報通知様式 (PDF形式:236KB)
【参考資料3-4】 重大製品事故の報告様式 (PDF形式:323KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 時間になりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 本日は皆様、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会消費者安全専門調査会」の第8回会合を開催いたします。
 なお、本日は専門委員の大前委員が御欠席と伺っております。
 それでは、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。配付資料はお配りしております議事次第の裏面に配付資料一覧を掲載しております。
 資料1「事故情報の公表・活用に関する前回までの議論の整理」。
 資料2といたしまして「生命・身体被害に係る消費者事故情報の公開等について」。これは消費者庁から御準備をいただいている資料になります。
 資料3「事故情報データバンクに登録された事故情報」。
 資料4「生命・身体事案に関する消費者庁からの注意喚起・依頼」。
 それ以降は参考資料1としてお付けしておりますけれども、「欧州における民生品の安全確保」ということで、中尾委員から御提供いただいている資料。
 参考資料2として「EUのニューアプローチ指令」ということで、中嶋委員から御提供いただいている資料。
 参考資料3の関連は枝番号が付いておりますけれども「生命・身体被害に係る消費者事故情報等の公表に関する基本要領」ということで、これに関連する資料として消費者庁から御準備いただいた資料をお付けしております。
 以上ですけれども、審議の途中で不足の資料等ございましたら、事務局までお申し出いただけたらと思います。
 それでは、宇賀座長、議事進行をどうぞよろしくお願いいたします。

○宇賀座長 皆さんおはようございます。本日は消費者委員会の事務局から原事務局長のほか齋藤審議官、消費者庁からも金児首席情報分析官に御出席いただいております。
 なお、本日の会議につきましては公開で行います。議事録につきましても後日、公開することといたします。
 それでは、議事に入らせていただきます。議事次第の「2.前回までの議論の整理」につきまして、資料1「事故情報の公表・活用に関する前回までの議論の整理」に基づきまして、事務局から御説明いただきたいと思います。

≪2.前回までの議論の整理≫

○齋藤審議官 事務局の齋藤です。資料1でございます。「事故情報の公表・活用に関する前回までの議論の整理」ということで、前回4月の専門調査会におきまして、第1回から第6回までの3ページまでにつきましては御説明をしたところでございます。4~6ページの部分が前回4月の専門調査会で御議論いただいた部分を整理しております。その内容を簡単に振り返りたいと思います。
 4ページ「第7回(事故情報の公表について)」でございますけれども、その際の御議論が非常に多岐に渡ったこともございますので、5つほどカテゴリに分けて整理しております。
 最初に情報をどのように届けるかという観点からの御意見がございました。
 最初に3つほどかたまりがございまして、子ども安心メールというものを今、消費者庁の方で届けている。これはまさに届けているものでございますけれども、こういう形の情報発信について1つ目のポツでは大変結構なことですという御意見がございましたが、高齢者についてもこのような考え方でやったらどうかという御意見がございました。
 2つ目のポツでございますけれども、発信のやり方としてアクティブな発信とパッシブな発信と考えたときに、子ども安心メールというのはアクティブな発信という意味で、良い試みではないかという御発言がございました。
 3つ目のポツでございますが、この子ども安心メールは子どももいずれ育っていくということでありますので、こまめにフォローすることが必要ではないか。母子手帳のように必ずほぼ全員がこの入口を通っていくという形で、準備していくという考え方が必要ではないかという御発言がございました。
 次の2つはまた別の角度ですけれども、ホームページを活用するということで、事故があったときには事故があった会社のホームページを見るということですので、ホームページの内容をわかりやすくしていくことが重要ではないか。また、一定期間そういう注意喚起のページをつくらなければいけないという、何らかの規制を考えたらどうかという御提案がございました。
 ホームページとか記者公表では情報の伝わらない人たちに対して、消費生活センターが注意喚起をしていくというやり方があるわけですけれども、その数がまだ少ないということであります。他方でそういう期待を寄せられている消費生活センターの方からすると、まだ十分な情報が消費生活センターにタイムリーに寄せられていない。その辺を何とかしてもらえないかという御発言がございました。
 情報が届くということと、届いた情報がちゃんと解釈されているかを分けて考える必要があるのではないか。この解釈するという点については生の情報だけではなくて、消費者が理解できるようなサポートを考える必要があるのではないかという御指摘がございました。
 サポートという意味では、国民生活センターの発信している注意喚起がわかりやすいという御発言がございました。具体的に「くらしの危険」というリーフレットがわかりやすいという御指摘もございましたが、そういった注意情報がもっと末端、隅々まで届けられるようになることが必要ではないかという御発言がございました。
 最後に、だれに、どういうふうに情報を届けるかということについて、整理をする必要があるのではないか。役所の場合には業界団体を使うとか、学校であれば学校の教育現場を使うとか、いろいろなルートがあるのではないか。そういうルートをもっと活用することを考えたらどうかという御指摘がございました。
 5ページ、2つ目のカテゴリですけれども、情報を役に立つものにする工夫ということでございますが、最初のポツにありますのは、もっとメリハリをつけて注目してもらう必要があるのではないか。同じようなタイプのケースがあることを示すとか、何らかの工夫ができないか。
 画像であるとかイラスト、絵柄で見せるのが非常に有効ではないかという御指摘がございました。
 単に公表することが目的ではなくて、発生・拡大防止につなげていくという観点から、事故の内容だけではなくて消費者、使用者が気をつけるようなことまで踏み込んで公表すべきではないかという御指摘がございました。
 消費者庁ができてから、誤使用というものでも拾い上げて注意喚起につなげていくということがなされているということは、良くなったということではないかという評価がございましたけれども、消費生活センターに寄せられてくるさまざまな重大事故につながるかもしれないという情報が、まだ十分活用されていない。そういうものをもっと活用していく体制をつくっていく必要があるのではないかという御指摘がございました。
 注意喚起を行うに当たって、どこに重点を置いていくのか。これを絞り込む能力が問われているという御指摘がございました。
 3つ目のカテゴリですが、情報の共有と情報の活用を分けて考える必要があるということに関連した御発言がございまして、最初のポツですけれども、1つは客観的にどういう事故があったかという事実の問題と、評価あるいは指導、アドバイスの部分という2つの部分に分けられるのではないか。この2つ目の注意喚起についても受け手の立場でどう気をつければいいのかという観点から見直してほしい。事故原因が究明できない場合でも、まず気をつけてください。追加の情報がわかったら更に公表しますというようなやり方がよいのではないかという御発言がございました。
 その次のポツは事故情報の公表ということで、事故情報を共有していくという段階と、事故情報を活用していくという段階があって、それぞれ情報の出し方は異なるのではないか。情報共有の段階では関心のある人がそれぞれの役割を果たしてもらう。それでも動かないときは2つ目の段階で、消費者庁が補っていくという形で考えていく必要があるのではないかという御指摘がございました。
 最後のポツですけれども、情報共有と情報への対応は分けて考える必要があるが、両者は密接に関係しており、物によっては対応の仕方が違うものも出てくると思う。だれを対象にやっているのか整理して、活用できるようにしてほしいという御意見もございました。
 6ページ、4つ目のカテゴリですが、製品起因に関連いたしまして、最初のポツですけれども、公表に際しまして製品に起因するものかどうかという観点がキーワードになるわけですが、そういう基準を消費者目線で見直していく必要があるのではないかという問題提起がございました。消費者を保護するという視点から真の原因究明までいかなくても、危ないという情報は早く出すという目線で整理することを考える必要がないかという御指摘がございました。
 他方で、どういうものを公表するかについては、明らかに製品起因ではないと言えるものもあるので、そういうものは公表対象から除外してもいいのではないかという御発言もございました。
 最後のカテゴリですが、その他ということでまとめておりますけれども、最初のポツでは本来リコールすべき事故の事案で、事業者が倒産している場合はだれも消費者に呼びかける人がいなくなるので、そういうものについては消費者庁としても、何らか強調して公表すべきではないかという御指摘がございました。
 2つ目は消費者庁の方からいろいろ公表の実態、現状についての御説明がございましたが、そういった公表だけで本当にいいのかどうか。全国ベースの情報が漏れなく入っているのか、あるいはダブりがないのか。そういった観点から全国的にもう少しわかりやすい説明をしてほしいという御要望がございました。
 その次のポツですが、公表という問題を少し超えておりますけれども、安全規制ということに絡みまして、欧州で行われているニューアプローチ方式の御紹介がございまして、法律は包括的に安全であることを要求するだけで、安全対策をどうとっていくかという具体的な規定については、JIS規格に任せるというやり方がありますという御紹介がありました。
 この規格づくりに関連して、ヨーロッパの場合はスタンダードをつくって、ヨーロッパ圏外からの安全性の劣るものを防ぐという意思をはっきり持ってやっている。こういうやり方を参考にしながらスタンダードをつくるということを、次の日本の行き方にすべきではないかという御指摘がございました。
 以上、前回の御議論を整理したものでございます。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 この資料1につきまして、委員の皆さんの御発言の趣旨が十分に反映されていない点等がありましたら御発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。もし後でお気づきの点がございましたら事務局の方におっしゃっていただければ、次回までに加筆修正をしたいと思います。
 それでは、議事次第「3.事故情報の公表について」に入らせていただきたいと思います。まず消費者庁の金児首席情報分析官より、前回第7回の議論の中で御質問、御要望が出ておりました点について御説明をお願いします。

≪3.事故情報の公表について(第7回からの引き続き)≫

○金児首席情報分析官 資料2は前回配付し、説明した資料ですので、今回は資料3から説明させていただきます。
 資料3は「事故情報データバンクに登録された事故情報」ということで、これは前回説明したときは、期間が平成22年9月までの半年間となっており、最新のものを出してほしいという御要望をいただきましたので、今回は平成22年10月~23年3月までのデータという、より新しいものを出しております。前回は財産事案の件数も含めたデータになっておりますけれども、今回は事故情報データバンクに入力されているものという、生命・身体に係る事故についてのデータになっております。
 左側の黄色いところが事業者から重大製品事故の報告がある、消費生活用製品安全法に基づく報告の流れのルートです。
 右側の重大事故等は消費者安全法に基づく通知です。
 その右の消費者事故等というのは重大事故を除く、いわゆる非重大の消費者事故等の通知となっております。非重大の消費者事故等については、その下の括弧書きにございますように、本年1月から事故情報データバンクに登録されるようになったものでございます。
 その右のPIO-NETの情報ですけれども、前回少し説明いたしましたが、括弧書きにあるとおり、平成23年1月までは主たるセンターからの情報のみの登録でしたが、2月より主たるセンター以外の情報も順次登録しているところでございます。
 その右が事故情報データバンク参画機関ということで、その他の各機関からの情報が入力されているといった流れになってございます。
 次に、資料4について説明させていただきます。こちらは前回の御議論の中で、だれに、どのように情報を届けるかというようなこと、また、とられた措置について御質問をいただきましたので、平成22年度に消費者庁から注意喚起や依頼を行ったものについて、どういったルートで送っているかを一覧表でまとめたものでございます。
 一番左側の欄が「注意喚起・依頼年月日」でございまして、その右の欄が「注意喚起・依頼のきっかけ」という欄でございますけれども、報道で事故を知って注意喚起や依頼をしているものもありますし、「重大事故等」というのは消費者安全法に基づく通知によって重大事故等を知って、注意喚起等を行った。重大製品事故と書いてありますが、これは消費生活用製品安全法に基づく報告で知ったものです。
 そのページの一番下の方に「NITEが収集した製品事故」とあり、これは製品の非重大の事故になりますけれども、NITEから事故情報の提供をいただいたものもございます。
 2ページ目ですと、例えば平成22年7月8日実施の事案ですと、米国CPSCのニュースリリースをきっかけに情報を知ったとか、8月18日実施の事案ですと、国センの商品テストをきっかけに実施したものでございます。
 その右の欄になりますけれども、「注意喚起・依頼内容の件名」、その右の欄が消費者庁から消費者へ注意喚起をしたものについては○印を付けてございます。
 「直接依頼先」と書いてありますが、消費者庁から依頼先に、各種団体、各省庁、あるいは地方公共団体に注意喚起を依頼するとか、こういったことをお願いしますと要請するという、その直接依頼先のことです。
 直接依頼先から更に依頼する先が「間接依頼先」です。典型的な例としては、団体からその会員の事業者に依頼したものが記載してございます。
 一番右の欄が、依頼先から消費者へ注意喚起した場合については、○印を付けてございます。
 消費者庁から消費者への注意喚起と、依頼先から消費者への注意喚起のほか、すなわち○印がついていないもの、例えば一番上のものですと、事業者に依頼したのみの事案でございまして、具体的には、事業者に衛生管理を徹底してくださいと依頼しているものでございます。
 この1年間で行った総件数としては、個々の内容を見ると同じ事案のものもありますけれども、大体50件ぐらいになろうかと思います。御参考として個々の事例までご覧いただければと思います。
 以上でございます。

○宇賀座長 ありがとうございました。ただいま資料3と資料4について御説明いただきましたが、何か御質問はございますでしょうか。

○阿南委員 今の資料4の表ですけれども、これは国民生活センターが消費者へ注意喚起したものは含まれていないのですか。

○金児首席情報分析官 含まれておりません。消費者庁が実施した注意喚起についてのみです。

○阿南委員 消費者庁がやったということですね。国民生活センターがやっているものは、ここにはデータとして全然ないわけですね。

○金児首席情報分析官 例えば、先ほど紹介いたしました「電子たばこ」の事案など、国民生活センターでもやっているものが勿論あると思いますけれども、資料としては載せておりません。

○阿南委員 もう一点いいですか。PIO-NETの情報を分析して注意喚起に結び付けたという例が余りないようですが、それはそうだととらえていいのですか。

○金児首席情報分析官 そうですね。実際に作業をやる上では、こういった通知のあった事故の情報をきっかけに作業を始めることが多いんですが、その際、類似事例がどのぐらいあるかとかを調べるときにはPIO-NETを勿論活用しております。ただ、公表資料の中でPIO-NETで類似事例が何件ありましたとかを載せているというのは、ここに書いたようなところぐらいになっております。

○阿南委員 消費者庁は、ほとんどが消費者安全法に基づいて報告されたものについて対応しているということですね。

○金児首席情報分析官 多くはそうなっております。資料4をご覧いただければわかるかと思います。ただ、いろんなものがありまして、例えば、国センの商品テスト結果に基づく事案とかもあります。

○阿南委員 ありがとうございます。

○宇賀座長 片山委員、どうぞ。

○片山委員 資料4の表を見ていますと、消費者庁から直接消費者への注意喚起がなされているものと、依頼先に注意喚起をお願いして、そこから注意喚起がされているものと、いろんなパターンがありますが、このケースはどのパターンでいくというのは何か基準のようなものはあるのでしょうか。
 結果的にいろんな注意喚起ルートがあるようなんですけれども、おおむねどの点を配慮してそういう違った注意喚起の流れが出てきているのかをお教えいただけますか。

○金児首席情報分析官 特に基準というのは明確にはつくっていないですけれども、注意喚起をする際にどういったルートで注意喚起をするのが一番適切だろうかということを内部で検討し、結果としてこういう形になっているということでございます。

○片山委員 もう一点ですけれども、依頼先に注意喚起をお願いして、そこから消費者に注意喚起してもらっている場合は、そのフォローといいますか、どんな形で注意喚起がなされたかということは消費者庁で確認しておられますか。

○金児首席情報分析官 それぞれの担当のところで見ているところもあるかと思いますけれども、まとめてフォローするという作業は今のところやっていないのではないかと思います。

○宇賀座長 佐竹委員、どうぞ。

○佐竹委員 資料3のPIO-NET情報なのですが、平成23年1月までは主たるセンターのみ。2月より主たるセンター以外の情報も順次登録となっているのですが、センターに寄せられる情報というのは、主たるセンターでなくても重大な情報が寄せられている場合があると思うのですが、すべてのセンター情報が登録されるようにはならないのでしょうか。

○金児首席情報分析官 これは消費生活センターさんの御了解をいただいて、確か4月からはすべての危害・危険に関わる情報を事故情報データバンクに載せるようになっていると思います。

○佐竹委員 それと、先ほど御指摘がございましたけれども、資料4の依頼先から消費者への注意喚起というところでフォローがされているのかとおっしゃったのは、私も同じような疑問を持ったんですが、○印が入っているというのはどういうことで注意喚起されたという理解で、ここに○印が入っているのでしょうか。

○金児首席情報分析官 例えば、最初のページにある、6月11日に実施した自転車の使用等に関する注意喚起のお願いというのは、直接依頼先に対して消費者庁から消費者への注意喚起をお願いしますという文書を出したということでございます。

○佐竹委員 依頼先から消費者に注意喚起されましたよというのは、どういう情報に基づいてされたと認識されているんでしょうか。ここに○印が入っているものと入っていないものがあるんですが。

○金児首席情報分析官 要するに、消費者庁からの依頼文書の中で消費者への注意喚起をお願いしたものについて、ここで○印を付けているということでございます。

○宇賀座長 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 今のやりとりを伺っていますと、要するに消費者庁から一方通行で出したものについて記録はとっているということですが、具体的に情報をいただいてありがとう等、受信側からフィードバックのようなことはあったのでしょうか。大きなテーマではあり得ると思うのですが。

○金児首席情報分析官 それは個々の事例にはあるかと思いますけれども、ちょっと私も個々の状況について詳しく知らないです。把握しておらず、すみません。

○宇賀座長 中村(均)委員、どうぞ。

○中村(均)委員 注意喚起をなさって、我々の目指すところは消費者の方に本当にその注意が行ったかどうかが一番知りたいというか、そこの確度を高めていく方法を今、議論しているような気がするんですけれども、それぞれの方法をとったときに消費者の方々にどれぐらい注意喚起できたのか。要は結果です。
 私どもはメーカーとして恥ずかしながらリコールしたことがあるんですが、あのリコールですら100%お使いの方々に知らしめるというのは至難の業なんです。物すごいお金と労力をかけてもなかなかできない。こういうふうなときにどれぐらいの成果があるかを見ていかないと、今後どの方法をとると消費者の方々に確実に伝わるのかというケーススタディみたいにして取っていって、ではこういうときはこの方法をとれば消費者の方々に伝わる確度は高いぞというのを見つけていかないと、なかなか実効性は出てこないような気がするんです。先ほどから片山委員などがおっしゃっているように、この先がどうなったかというのを見ていかないといけないような気がします。

○宇賀座長 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 私も依頼先から消費者への注意喚起のところの横棒が随分多いなということを感じまして、注意喚起を消費者庁から依頼する場合は、どういう形で注意喚起をされたのかということを報告してもらうような形にした方がいいのではないかと思うんですが。

○宇賀座長 中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 今の中村(均)委員からの御指摘と同じなんですけれども、もしこれが企業の会議だと、この資料は50点もらえない資料です。理由は「やりました。でも結果はわかりません」という資料なんです。どういうことかというと、注意喚起をするに至った原因は何か。インディケーションでもいいから、インディケーションになるようなものを探して、評価できるようにしておかないといけない。例えば事故が何件起こっています。この注意喚起をした結果、事故は何件起こりましたけれども、暫時減っておりますというふうなインディケーションのあるものが多分必要であると思います。
 理想は先ほど言われましたように、リコールのときにパナソニックさんほか皆さんが困られているのは、自分たちが出した製品がどこに行ったか追いかけられないということです。追いかけることが出来るのは自動車だけです。車体番号がありますし、エンジン番号がありますから、追いかけられますけれども、それ以外の商品は追いかけられない。そうすると、自分たちの製品が100%捕捉できないのであれば、せめて事故がどの程度起こっているのか、それがどう変化したのかということぐらいはデータをとって頂きたいと思うんです。
 このような資料がなかったら、幾ら議論しても「やりました」で終わるんです。報告したこと、注意喚起したことが評価されるのではなくて、事故が起こらなかった、もしくは減ったということが評価されるべきだと思うので、ちょっとこの資料は企業だったら受け入れられない資料だと思います。
 もう一つ、資料3について私はプリミティブな質問があります。ここに挙がっております件数を足し算しますと一番下の件数になりませんけれども、これはどういうふうに考えたらいいのでしょうか。

○金児首席情報分析官 説明不足で、すみません、一番下にある事故情報データバンクの件数は、そこに書いてありますようにこれまでの累積の登録件数でございます。その上の例えば、重大製品事故632件などの件数は半年間分の登録件数でございます。

○中嶋委員 そうすると4つ、5つ挙がっている数字を足したものが、この半年間の事故情報データバンクの件数であると考えたらいいですか。

○金児首席情報分析官 若干、事故が重複と言いますか。

○中嶋委員 多分そうなっていると思ったから御質問したんです。

○金児首席情報分析官 非常に細かいことですけれども、非重大の事故情報が1回報告いただいた後に重大事故になるという事例もありますので、そういったものはそれぞれ報告された2件を1件にすることをやっております。ですから、合計した件数が半年間の間に登録された件数とは少しずれがあります。

○中嶋委員 ずれがあるんでしょう。だから多分こういう書き方にしているんだろうなと思っていました。しかし、きちんとただし書きで書くべきではないですか。このような資料は委員に対して失礼だと思います。全部足したらこうはなりませんというデータを、いかにもこうなっていると見せかけるデータ資料を作るというのは信義則に反すると思うんですが、いかがですか。

○金児首席情報分析官 おっしゃることはわかりますけれども、個々の事例について、非常に細かい説明が出てきますので、説明を端折ってしまいました。

○宇賀座長 橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 確認なんですが、消費者庁から消費者への注意喚起というところは具体的にどういう形を置いているのかと、依頼先に周知を依頼した場合、消費者庁は消費者へ直接の注意喚起はしていないんですけれども、それはどういう理由からなんでしょうか。どうせなら両方でやっていただけるとありがたいなと思ったんです。

○金児首席情報分析官 消費者庁から消費者への注意喚起というのは、適宜、プレスリリース、ホームページ掲載、報道機関への説明を行っております。その資料の中で消費者へ注意喚起しますと書いてあるものです。
 依頼先から消費者への注意喚起をする場合にも、基本的には報道機関向け資料やホームページに出しております。ここでは○印は付いていないですけれども、消費者の方はそれを見たり報道で知ったりすることはできるようにはなっています。

○橋本委員 わざわざ○印をつけなかったというのは、どういうことですか。

○金児首席情報分析官 公表資料の中で、こういった機関に依頼しましたという発表の仕方をしているものですから、資料4ではそれに即した整理をしただけでございます。

○宇賀座長 中尾委員、どうぞ。

○中尾委員 これを伝えるのに個々に伝えられないからマスコミを通じてとか、インターネットを通じてと言うんだけれども、1回こんにゃくゼリーのものを引いたときに、消費者庁のニュースリリースはgoogleで最初の方に全然載っていない。だから多分消費者庁のサイトの奥深いところ、3段目か2段目かどこかに入っているからgoogleが見えないところにあるのではないかと思うんです。これを聞いて新聞社がそれを記事にして出したものがgoogleの上の方に出ている。だからニュースリリースのものを消費者庁の大きなサイトの中に入れるのではなくて、外の方に出しておかないとgoogleの機械自体がチェックしてくれない。ということは、だれも見ないということなんです。
 だから、この製品の名前だけを何でもいいから一番上のところに名詞で並べておくとか、それで検索できるようにしておくとか、そういうせこい手まで使ってやっていかないと、googleに全然引っかからないからだれも見ないということになるのではないですか。

○宇賀座長 中川委員、どうぞ。

○中川座長代理 資料4の注意喚起と依頼なんですけれども、これは消費者安全法との関係ではどのように整理されているのでしょうか。消費者安全法だと15条で注意喚起というのがあるんですが、都道府県、市町村及び一般に対する公表と規定されています。また、16条が他の省庁に対する措置要求なんですが、この依頼の中には他の省庁に対して依頼したというのもあります。17条が事業者に対する勧告とか命令なんですけれども、今回の依頼でも事業者団体に頼んだものがあると思います。そうすると、消費者安全法15条、16条、17条を発動したという趣旨なのか、実はそこまでいかない、その前段階のジャブみたいなものという御整理なのか、そこを伺いたいと思います。

○金児首席情報分析官 資料4の中では、消費者安全法第15条、第16条、第17条を使っているものはありません。

○中川座長代理 どれも使ってないんですね。

○金児首席情報分析官 どれもないです。

○中川座長代理 その理由は。

○金児首席情報分析官 使わなくても効果があるのではないかと考えているからだと思います。消費者安全法第14条第1項に基づき関係機関等に資料を出してくださいという事例はいくつかございます。

○中川座長代理 どれを使わなくても効果があるというのですが,先ほどから御指摘があったように、効果があるかどうかが実際にはわかっていないではないか。そこは調べなくても何とかなるという自信があったので法律に基づいて勧告しますとか、そういう大げさなことをしなくてもいいという読みがあったということでしょうか。

○金児首席情報分析官 そうですね。法律を発動しないと要請を聞いてもらえないとかであれば法律を発動するという方法はあるのかもしれませんけれども、今のところはそこまでは至っていないのではないかと思っております。

○宇賀座長 ほかよろしいでしょうか。阿南委員、どうぞ。

○阿南委員 今の資料4のところですが、先日もらった国会報告の事故報告書を見ていますと、公共交通機関のバスの中での転倒事故というのがものすごく多い件数になっていました。また食中毒も多いのですが、それらに対しては注意喚起するとかしないとか、あるいは直接依頼もしないということをどこかで決めているということでしょうか。

○金児首席情報分析官 確かに、路線バス車内での乗客の転倒事故は非常に多いんですけれども、それについて、資料4の中ですと消費者庁から注意喚起は行っておりません。国土交通省から事業者への注意喚起なり、情報提供を行っていると承知しています。

○阿南委員 だからやらないということですか。

○金児首席情報分析官 今までは行っていないということです。

○宇賀座長 ほかよろしいでしょうか。
 それでは次に、前回、第7回の議論の中で御発言がありましたEUの安全規制の考え方の関連で、中尾委員と中嶋委員からそれぞれ御説明をいただきたいと思います。
 まず中尾委員から、「欧州における民生品の安全確保について」の御説明をお願いします。

○中尾委員 では、10分間でお話させていただきます。
 3月11日の震災が終わった後、15日からあなただけ一人欧州に逃げるのねと嫁さんに怒られたんですけれども、5日間ぐらい行ってきて、その中で1日ベルギーに行っていろいろ回ってきました。
 次のページを見ていただきたいんですが、漫画があります。日米欧の民生品の安全対策というのは、いろいろ見ているとこういう感じではないかというフィーリングをやったものです。消費者を守らなければいけないんだけれども、欧州の場合は消費者団体の力もありますが、主にメーカーですけれども、欧州委員会のところにこういう事故がありましたということを上げていきます。欧州委員会は物すごい力を持っていて、メーカーだとか規格作成団体を巻き込んで規格をつくって、それで各国政府にそれを命令として出して、各国政府はそれを法律にするわけです。そのほかにも事故を起こして死者が出るようなものだと法律で直せとなるけれども、普通は大きな事故になる前に規格というスタンダードをつくったことによって、消費者を守るという方法をとっています。
 一番右側がアメリカ的な方法なんですが、アメリカはどちらかというと民生品の場合なんかでも、何か事故を起こすたびにたくさん弁護士の先生がいますので、裁判所で裁判を起こして、それがメーカーを訴えたり政府を訴えたりするんだけれども、やったことによって改善していこうというフィードバックになっていきます。飛行機だとか医療だとか原子力は学会とか政府だとか、多くお金を出すのは保険会社なんですけれども、保険会社という1つの駒が非常に強い力を持っていて、それで規格をつくらせていきます。コードとか言われているものはもっと強い規格になるんですが、そういうもので消費者を守っていくという方法であります。
 では日本はどうなっているんだろうとなってくると、日本は消費者庁でこうやって集めてきたものが監督官庁に行くんですけれども、規格をつくるというシステムがなかなか働かないで、どちらかというとメーカーの人に直せという命令が来るんです。メーカーの人も長いビジネス、商売をやっていきたいということだから、それはお客様に対して迷惑だったということで直してしまうんです。マスコミの力も強いわけでメーカーを攻撃しますので、これはやらないと商売にならないわけです。それで改善していく。だから日本の場合はメーカーが自主改善でどんどん良くなっていくということです。規則なんかは古いままということになるわけです。
 欧州は役所からトップダウンして、それで大分よくなってきた。欧州委員会が出てきたのが、このあと中嶋先生もご説明されますが、1985年ぐらいからどんどん変わってきたという方法なんです。だけれども、アメリカの場合は裁判所がどちらかと言うとフィードバックする1つの強い力になってくるわけです。日米欧でそれぞれ安全にする方法が違うということ説明しています。
 次に1985年からのNew Approachというものが、これはEC Directiveという命令です。だけれども、大体Essential requirementだけをやっていて、細かいことはやっていません。この材料を使えとか、この寸法がどうなるとか、そういう細かいところはやらない。こういう事故を防げと、それだけ言うわけです。
 Standardを作成します。要するに割と一般的なものなんです。Harmonizedはどういう意味かと言ったらみんなで話し合う。とにかく話し合う。ヨーロッパ的に会議を長くやって3年間の間にStandardをつくってしまいました。技術仕様を詰めていきますが、主に詰めるのは評価テストの条件なんです。評価テストの条件を詰めて、このテストに合うようなもので、実際の答えはそれぞれのメーカーにお任せという感じになります。
 適合評価を認定していく時も、これは第三者ではなくて、御自分でどうぞというものなんです。ですので、それをやったらCEというシールを貼って出していいんですが、第三者認定は必要ありません。だから中国製のものはそれはいいというので出てしまっています。悪い見本と言っているのが、子どもでもつけられないような100円ライターみたいなものです。火をつけるための力を強く設定しておいて子どもでは火がつけられないはずなんだけれども、中国製のものはCE規格が付いているんですが、85%の子どもは火をつけられたという報告があって、一体何なんだということを言っていました。
 ヨーロッパ規格。政府や産業、学会の規格ですが、これは命令ではありません。命令ではないからメーカーの人がこれを守って、先ほども言ったように認証を第三者でやるものなんです。政府とか産業とか学会の関係組織に公開し、透明性を維持する。みんなでちゃんと話し合う。コンセンサスをとります。7割OKにしないとそうですねにならないという、それでコンセンサスを取るんだということをすごく言っていました。ヨーロッパ規格を31の各国の規格に代わって確立していきましょう。27プラスαでヨーロッパ規格をやっているわけです。5億人の市場を反映していきます。国際規格と協力する。だけれども、4分の1がISOとかでやるとそれで決まってしまいますので、ほとんどISOとIECという国際規格と同時進行という感じになっています。
 ごめんなさい、4ページにあるのを忘れました。欧州委員会の安全関係の組織図というのがあったので、いきなり規格へ行ってしまいましたが、こんな絵があります。これはそこのところで言っているSANCOというのがHealth and Consumerで、これはフランス語で書くとSANCOになるようです。その中の私が行ったのがConsumerのものがB3のProduct and Service safetyに行って話を聞いてきたわけです。27か国から3人ずつ代表者が出てきて、その中の81人が主にマネージャーを構成されていて働いているという感じです。
 6ページ、規格の対象製品と書いてあります。いろいろ書いてありますが、生活の回りのすべてが対象と書いてある。いっぱいあって、航空、化学、建築、民生品、エネルギーとか分かれている。先ほどのSANCOのシステムを見るとあれだけいっぱい課があるのは、これを全部やっているからなんです。
 7ページ、規格をつくる団体というのを見ていきます。規格をつくる団体はCEN、CENELEC、ETSIという3つが大きいものだそうです。行ったのはCENというヨーロッパのStandardをつくる一般機械向け。だけれども、これは電化製品向けとやっている人は同じことが多いんです。だから電気自動車は自動車なのか電気製品なのかわからないから一緒にやっているんだと言っていました。ものすごく人は出たり入ったりフレキシブルなので、一緒にやっているような感じになっています。
 CENの規模が、ヨーロッパ規格の認定は1,303件で、1992年以来18年間で1万3,745件と言うから、1年間に数百件ずつやっているんですね。活動中の技術委員会というのは292組織ある。バランスシートの資産でやると13,686keuro、支出するのも15,574keuro、人件費がその半分ぐらいで結構たくさん雇える。消費者庁の予算からいくと5~6倍持っているわけです。スタッフはたったの80人だけれども、その下に6万人のエキスパートがいる。だから各国のエンジニアに命令して、ちょっと考えろということができるんです。収入は各国や団体というのは先ほどのCENみたいなものなんですけれども、そこからの会費54%と、EU支援が44%来ます。
 9ページ、規格ができるまでの過程でプロジェクトを提案します。これは要するに欧州委員会が提案してくるわけです。各国の産業政府が発議をして、消費者やマスコミからの流れではないんです。その中に消費者団体も入る場合もあるわけです。このDirectiveと言っているものがmandatory、命令になるんです。だけれども、StandardはVoluntaryと言っているからこんがらがってくるんですが、Directiveを満たせば別解でも別に構わない。Standardに書いていないような別の解を持ってきてもいいけれども、少なくともStandardどおり作ればDirectiveに合うでしょうという感じになっていると思われます。
 技術またはプロジェクト委員会で規格案を作成して5か月程度つくった後、各国の規格作成団体や政府や製造者の業界団体と交渉に入って、これが延々と続く。ここに消費者団体も入っていろいろやるけれども、何と3年以内に投票しなければいけない。この投票も人口に比例した重み付きで、71%以上で承認されるという感じなんです。ヨーロッパ規格として各国の規格と入れ替えていきますので、これは命令で各国の規格がどんどん変わってくることになります。
 次に、消費者団体も幾つかあるんですけれども、結果的には力はすごく弱かった。ANECはEuropean Association for the Co-ordination of Consumer Representation in Standardization、要するに規格をつくるときに消費者の代表として意見を言いますというところです。
 次のBEUCも同じぐらいの大きさのものです。では大きいのかというと、各国からお金をもらっているけれども、1,300keuroということはすごく小さい。CENの規格をつくる団体よりも1桁少ないんです。かつ、消費者団体というのはドイツとかフランスとかイギリスぐらいしか存在しない。だから、それより南の国は消費者を守るための云々かんぬんなんていうのは存在しないということなんです。80人のボランティアのエキスパートはそれぞれのエンジニアなんだけれども、給料は払っていない。実験調査してプロジェクトをやっています。ちょうど国民生活センターやNITEが事故が起きたときに実験をするような感じです。
 今は何をやっているのかと言ったら、Market surveillance。これは何かというと先ほどの第三者認証でやったときに変なものが入ってきます。それをやっていったのに対してやはりおかしい。調査するものをこれからやっていくんだと言っていました。RAPEXと書いてあるものが今、この委員会で一番気合いを入れている情報を公開するものなんですけれども、事故情報が入ってきますからそれを分析するのをやっていますと言っていました。
 事故情報システムがRAPEXというものです。Rapid Information System。主に病院から事故情報を入手することが多いと欧州委員会では言っていました。2001年のDirectiveでやって、それまではドイツ、フランス、イギリスには国内システムがあったんだけれども、それをヨーロッパ規格にしました。
 どのような情報があるのかホームページを調べました。これは子ども用のベビージャンパーというところに、首のところが少しきつくて首が締まるというものです。何という設計をしているんだというのが書いてあります。2週間に1回こういうものを割と分析して、同じものが並ぶのではなくて、いろんな種類のものを大体20件ずつぐらい出しています。だから2週間に1件だから1年間に500件ぐらいの情報量のものが出てきます。写真があって、こういう製品というのがここに書いてあって、どういう事故が起きますというのが大体書いてあります。消費者庁が出しているものは写真はないけれども、大体同じような情報が出ています。
 まとめですが、日本の消費者庁の活動を欧州と比べてみると、消費者庁は消費者、メーカー、マスコミ、監督官庁と情報を共有し、メーカーの自主改善によって安全な製品を欧州並みにつくっています。私の見た感じでは同じような情報を出しているので、よく頑張っていると思っています。
 でも消費者庁が公開したとしても、情報を共有することは共有したけれども、直らなければしようがないです。欧州のように規格を作成する命令権限を持たないと、事故に先立って安全を確保するシステムは用意できず、粗悪な輸入品の洪水を防ぎ切れなくなると思います。ですので、今までの情報公開では一生懸命やったからできているけれども、それを今日の議論のようにどうやって消費者の人にフィードバックするか、メーカーの人に直してもらって大きな事故が起きる前にいい製品をつくるか、こういう仕組みが必要だと思います。
 以上です。

○宇賀座長 ありがとうございました。御質問についてはこの後の中嶋委員からの御説明の後、まとめて伺いたいと思います。
 それでは、引き続き中嶋委員から「EUのニューアプローチ指令の製品安全への採用の動向について」の御説明をお願いします。

○中嶋委員 では、御説明いたします。
 まず御説明に入る前に、EUについて御理解をいただきたいと思います。EUというのは幾つかの国が集まって1つの大きな統合体組織をつくっています。したがいまして、各国は2つの法律を持っています。1つはEU法です。もう一つは各国の法律です。例えばイギリスでは英国法を持っていると同時にEU法を持っています。そのEU法とは何かというと、EU各国が統合体EUの法律、法体系として決めたもので、EU法を条約で取り入れています。条約については日本も同じです。日本も条約を結べば、その条約は日本国の法律として扱われます。
 今からお話をするEUのニューアプローチ指令、DirectiveもEUの法律です。したがって、EU各国はDirective、指令を取り入れることを前提に、今から説明をする製品安全の法体系を作っております。
 では、日本はどうなのか。1ページ目ですけれども、日本では安全をいかにして実現するかの大前提に、法律で安全を実現をするという考え方があります。したがいまして、例えば製品安全で言えば経済産業省の製品安全4法、ここに挙げておりますいわゆる一般法(消費者安全法)と特別法3つ、これを合わせて製品安全4法と呼びますが、これらの法律で製品の安全を確保しようとしています。
 では規格はどうなっているのでしょう。JIS規格の中に安全規格はあるかといえば、ほとんどございません。JIS規格のほとんどは品質の規格でありまして、安全の規格はありません。例えば今から数年前に六本木アークヒルズの自動回転ドアで6歳の子どもが亡くなった事故がありました。その事故を契機に、自動回転ドアの安全規格をつくりました。しかしながら、この安全規格には強制力がありません。JIS規格は法律ではありませんから、企業は守らなくても良いわけです。
 では、この製品安全4法はすべての製品に適用されているかというと、そうではありません。特定の製品にだけ適用されるようになっている。例えば自転車は適用外です。そういう意味ではネガティブにではなく、ポジティブに製品を選んで法律が適用される製品を決めている。このような特徴があります。
 今日の資料は、上の段がいわゆるパワーポイントで説明をするもの、下の段は私のあんちょこ、手元資料です。下の段にPSEマークの丸形とひし形がありますけれども、これは法律に基づいて決められた電気用品の安全マークです。では、日本にはこの種の認証、安全マークはほかにあるのかというと、約20種類ぐらいあります。ほとんどの認証マークは法律に基づかないもので、財団・社団が安全基準を決めて、それに基づいて与えられる認証マークです。しかし、20種類も安全認証マークがあれば消費者はある意味混乱をしております。
 一方、ヨーロッパは法律だけで安全を確保しようとしていないんです。法律以外に、規格に強制力を持たせて安全を確保しようとしているのです。
 ということで1ページ目ですけれども、電気用品に関しては日本国内でもニューアプローチが動き出しました。製品安全の中の電気用品だけですが、昨年7月23日に基本計画の中に織り込まれました。これは経済産業省製品安全課の仕事です。それから、昨年末から調査研究が始まっております。また、昨年11月26日には製品安全課が産業界を集めて講演をした資料の中にも、ニューアプローチ方式への移行がうたわれておりますから、徐々に動き始めておりますが、導入には3~4年かかると言われております。
 「欧州はニューアプローチ方式に移行した」の資料をご覧下さい。上の段の資料は経済産業省の平成22年11月26日の資料です。「ニューアプローチ方式の導入に伴って認証マークはCEマーキングに一本化した」とあります。日本はPSEマークを含めて20種類ぐらいあるんですけれども、ニューアプローチ方式を導入すると。これが一本化できます。これが1つのメリットです。
 欧州でニューアプローチ指令が何をきっかけにして生まれたかと言いますと、それはその下にあります1972年のローベンス報告にあります。1985年以前はヨーロッパ各国とも安全を法律で、詳細まで法律で決めて守るという考え方でありました。今の日本と丸っきり同じです。英国もそうです。英国の安全法の一番古いのは1650年ぐらいに炭鉱法ができています。このとき、労働者の安全について取決めを法律で定めておりますから、安全法にはおよそ350年の歴史があります。
 ところが、法律で安全を確保しようとすると改正に時間がかかり過ぎ、次々に出てくる新製品にスピーディに対応できないという問題が起きます。この問題を何とか解決しようとすると、産業界の自主規制システム、いわゆる規格を取り入れるのがいいのではないかと考えるようになったんです。法律では包括的に安全を確保しよう。そして、詳細については規格に任せることでスピーディに対応ができるようになるのではないかと。これが1972年のローベンス報告の趣旨であります。この年に日本は労働安全衛生法ができています。どちらもエポック的な出来事でした。
 その次のページを見てください。ではニューアプローチって一体何なのか。ちょっと端折り過ぎている、単純化し過ぎている部分がありますけれども、こんなふうにまとめられます。
 オールドアプローチというのは現行の日本の安全の確保の仕方です。製品の安全については法律でいわゆる規格が詳細に決めるのと同じように、細かい規格の部分まで法律で制定して安全を確保しようとしております。
 同時に特定の製品のみについて法律の適用を受けるようにしています。したがいまして、この法律の網から漏れている製品が沢山あります。こういうふうなやり方をオールドアプローチと呼んでいます。
 では、ニューアプローチになったらどうなるのかといいますと、右側を見てください。これはEUの例ですけれども、製品安全について指令で包括的に安全にすることと定めています。では、指令で包括的に定めた後の詳細な部分はどうするのかといいますと、規格、安全規格で対応するということなんです。先ほどの中尾先生のお話でいけば、EU指令に基づいて規格、EN規格をつくって定めるということです。
 ただ、この場合、EUの特徴は、この安全規格を強制化していることにあります。EUは安全に関わるEN規格をEU Directive(指令は法律です)で強制化しています。そして、EU各国はEN規格をそれぞれ各国の規格に取り入れることを義務づけられています。そっくりそのまま入れるのではなくて、アジャストしながら取り入れますから、例えばENBS規格、もしくはENDIN規格というふうに、EN規格と対応していることを表現しています。また、同時にEU各国は自国の法律でもってENBS規格やENDIN規格を強制化します。したがいまして、EU各国ではすべての製品の安全規格が強制化されています。また、ネガティブリスト方式というのは対象除外のものだけを設け、残りのすべてに法と規格に適用させるやり方です。
 ですから、例えば下のページを見ていただきますと、前回のこの委員会で中尾先生が「テレビのガラス台が壊れる。もってのほかだ。壊れないようにしろ。そういうふうにするだけでいいんだ。」というお話があったんですけれども、法律ではそれだけのことを決めるんです。テレビのガラス台の仕様や材料その他の詳細は規格で決めるというやり方と同じです。
 私は今、ISOのTC199という委員会に所属しておりますけれども、ISOとEN規格の団体であるCENはウイーン協定でEN規格とISO規格を同時並行的に作成することを取り決めているため、ISOのTCである我々もEUの指令に基づいて安全規格を作成しているのと同じことになります。この方法で規格を整備していく際のやり方はニューアプローチ方式です。
 もう一度言いますと、ニューアプローチというのは、「法律では包括的に決める。原則的に安全でなければいけないと決めてしまう。詳細な部分は規格で決める。そして、この規格に強制力を持たせる」と言うものです。
 次のページをご覧いただきますと、ここからは経済産業省の資料をそのまま付けておりますけれども、日本で製品安全にニューアプローチが採用される。これは私が書いたものではなくて製品安全課が書いたものです。上の段がオールドアプローチというのはこんなものですよ。今、御説明したことです。ニューアプローチというのはこんなものですよと書いておりまして、経済産業省のニューアプローチ方式と言うのは、若干EUのニューアプローチ方式と若干ずれているかもしれません。それを書いたのが下の段です。この絵を見ますと、階層構造になっていまして、上は法律で決める、下は民間が規格で決めるとなっておりますが、規格に強制化というのが書かれていないんです。しかし、安全規格をちゃんと整備して、強制化しないと、EUのような状態にはならないだろうと危惧しております。
 その次のページ、これは最後のページですけれども、欧州の規制と日本における安全規制の違いを一覧表にまとめておりますので、見ていただくといいと思います。一番下に例えばニューアプローチを我が国が入れた場合には、メリットとデメリットがあります。それをちょっと整理してみました。
 メリットは官民連携が可能になることです。どういうことかというと、官は法律をつくります。民は規格をつくります。これでもって連携をして製品安全の実現に努力をしましょうということです。規格は未然防止を目的にしております。
 例えばISO 12100という規格は、1992年にTRとして欧州からの発議を受けて検討を開始しましたが、何と10年をかけて2003年にISOの規格になりました。その安全規格の大前提は未然防止です。事故を起こさないように、非常事態を起こさないようにという考え方です。
 粗悪な外国製品を排除できるというメリットもあります。製品の安全規格を強制化しますと、安全規格に沿っていないものは国内では売れないというふうに規制を掛けることができます。
 また、欧州を参考に課題を摘出することで、欧州の先進事例がそのまま使えるというメリットもあります。
 さらに、安全基本法とか安全の原則が必要になります。皆さんに包括的な安全の法律として提示できるメリットもあります。
 デメリットは一番下にあります3番目の罰則の適用が難しくなる点です。
 現在の日本は、規格の詳細、細目まで法律で決めて、認証までしていますから、認証を取り上げるなんていうような罰則もあるんですけれども、そういうことができなくなります。
 基準に適合しているかどうかの判断をだれがするのかという問題があります。欧州では、CEマーキングは自己適合宣言をするようになっております。万が一、自己適合宣言をした商品が事故を起こした場合には、これは会社が存続できないというふうな社会的な制裁を受けるということになります。消費者、市場が制裁を加えますから、罰則はほとんどないのです。
 以上がいわゆる欧州のニューアプローチ指令と呼ばれる仕組です。これを今から、日本が導入しようと、ようやく検討を始めたとういう状況にあります。
 大事なことはどういう仕組みで安全を実現していくか。法律はどこまで関与したら良いのか。安全規格にどこまで任せれば良いのかという問題があります。官僚の方々は民間人に任せると、いい加減なことをするのではないかという危惧を持たれる部分があります。
 しかし、社会心理学では「一般の人、たくさんの人が言うことは、意外と正しい」という言葉があります。たくさんの方々が言われることは意外に正しいんだというふうに考えていただけると、民をもう少し利用して規格づくりに参画させるようにできるのではないかと、こんなふうに考えます。
 以上でございます。

○宇賀座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの中尾委員と中嶋委員からの御報告につきまして、何か御質問はございますでしょうか。阿南委員、どうぞ。

○阿南委員 中尾先生に、10ページのANECの2行目に、消費者団体は3か国ぐらいしか存在しないとありますが、これはANECに関わっている消費者団体ということでしょうか。

○中尾委員 そういうわけではなくて、そもそも余りそういう強い消費者団体がなかったんだそうです。イタリアだとかスペインだとか。

○阿南委員 私がつかんでいる情報は、ヨーロッパには本当に強い消費者団体がどの国にもあるというものですが。

○中尾委員 どちらかというとエキスパートがいるのかいないのかとか、情報をきちんと出して、発言力があって力強いフィードバックをかけようという団体はあるけれども、本当にそれは科学的にこういう原因で壊れるというところを、ちゃんと調査できるような団体はない。例えば材質がおかしいからといって、それを調査分析できるような装置を持ってはいないから、結局ANECだとかBEUCは、ドイツとフランスとイギリスにこれを分析してほしいと頼んだということを、ここの事務局長が言っていました。私が言ったわけではありません。

○阿南委員 そうですか、わかりました。

○宇賀座長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 消費者団体は、阿南委員がおっしゃったようにたくさんあります。強い団体もたくさんあります。ただ、ANECというのはいわゆるStandard、規格に関する団体なので、ちょっと普通の消費者団体とは違うと私たちは認識しております。

○宇賀座長 ほかいかがでしょうか。中村(均)委員、どうぞ。

○中村(均)委員 中尾先生、ありがとうございます。
 質問なんですけれども、製品のものづくりについてのお話は非常によくわかったんですが、今、何か問題が起こったときにEU各国に対して、不具合情報をどういうふうに知らしめるかというところの情報をお掴みだったら、ちょっと教えていただきたいんです。

○中尾委員 入手するかということですか。

○中村(均)委員 消費者の方々にすぐ知らせる方法はどんな形をとられているか。

○中尾委員 CENみたいな規格団体に行ったときも同じ質問をしました。消費者団体にも、欧州委員会に行ったときも、みんなこのPAPEXは気合を入れてやっているんだ、これを見れば今どんな事故情報が起きているのかというのが、ヨーロッパ中の人が見られるんだと言っていました。だからこれ以上のことはないと思います。

○宇賀座長 松岡委員、どうぞ。

○松岡委員 それに関係して、11ページのRAPEXで主に病院から事故情報を入手と書いてあるんですが、事故情報の意味合いというのは、製品関係の事故情報を入手ということですか。

○中尾委員 事故を起こしたときに、20か国ぐらいに国民生活センターがやったのと同じように提携病院みたいなものがあって、そこのところで子どもがこういう事故が起きましたと言ったら、それを拾い上げていくんだそうです。それで発表はたかだか2週間に20個ぐらいだから、これは大事だと思うものを誰かが分析して、情報を少しきれいにしているんだと思います。だからどこの製品がどうなっていると結構細かいことが書いてありました。写真を持ってきたりして、これはみんなに知らせなければいけないといって、ここに載せているんだと言っていました。

○宇賀座長 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 中尾委員に、3ページの一番下に第三者認定は必要ないということで、粗悪輸入品の流入も避けられないという問題点について、EUの方で何か改善策について検討する動きは出ていますか。

○中尾委員 どこへ行ってもサーベイランスが必要だという言葉がたくさん出ました。私はサーベイランスという単語がよくわからなくて、何ですかといろいろ聞いたんですけれども、監視して取り締まる警察がないんです。アムステルダムから入ってくるものは、ひどいものがいっぱい入ってくると言って、みんな同じように文句を言っていました。ドイツなんかはしっかり港のところでひどいものはチェックして入れないようにしているが、オランダの人たちはぷんぷんとみんな言っていました。警察がないと言うか、先ほどの話のようなボランティアでやっているから、そういうふうになってしまうんだと思います。

○鶴岡委員 中嶋委員になんですけれども、個人的な御意見で結構なんですが、日本でこのニューアプローチに移行した場合に罰則の適用が難しくなるという点なんですけれども、要するに規格違反みたいなケースが出てくるのをいかに防ぐか。これについてはどんな御意見をお持ちでしょうか。

○中嶋委員 先ほどご質問された中尾先生の3ページの一番下のものと同じなんです。CEの認証シール(CEマーキング)を貼るとなっているんですけれども、このCEマークは殆どが自己適合宣言なんです。一方、今の日本では、PSEマークのうち、ひし形のPSEマークは第三者機関に検査させて合格したら与えることになっていますが、このような国や第三者機関の検査がなくなるということです。また、罰則としては、問題を起こした企業名が公表され、市場からボイコットを受けるみたいなことしか期待できないだろうと考えます。

○宇賀座長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 質問したいんですけれど、RAPEXというのは、私が思っていたのはいわゆる市場調査をするところ。自己適合認証であるわけですから、それが本当に規格に適合しているかいないかというのを、いわゆる市場調査をたくさんして、そこで判断もしている。RAPEXってそういうことをやっていると思っていました。いわゆる市場調査というのは行なっていないのですか。

○中尾委員 それは私も見つかりませんでした。資料の12ページに1つの商品のものを貼り付けていますが、ここにどのスタンダードになっているか書いていないですね。だから先ほどのサーベイランス、本当に認証があったにもかかわらず、うそをついていたんだということは書いていないんです。

○宇賀座長 ほかはいかがでしょうか。齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 これは中嶋委員、中尾委員、事例を御存じだったら御紹介いただきたい。私が知る限り、日本で物をつくって輸出する、あるいは現地生産するという企業の中で、ヨーロッパあるいはアメリカに展開したときに日本よりも厳しい監視下に置かれたと感じたところがあるかというと、余りないように感じています。マーケットが政治的な要因などを含めてヒステリックに反応するのは別としまして、この安全ということについて、何かより厳しくなったように感じたという事例をご存知でしょうか。

○中尾委員 日本のメーカーの社内規格は、多分ヨーロッパのスタンダード規格よりも大変かもしれません。だからメーカーが自分の規格でどんどんいい製品を作っていっているんです。だから日本の製品はすごく信頼性が高くて、例えばパナソニックさんの社内規格なんかはヨーロッパの規格と比べても何ら遜色はないぐらいの高いレベルになっていると思います。日本の製品からそんな悪い製品が出ることはないと思います。

○中嶋委員 CEマーキングに適合しているか、していないか。適合させようと思うと資料をきちんと整えないといけない。この作業は結構大変だと思います。
 今から5年ぐらい前はほとんどの日本の製品、国内に販売している製品にもCEマーキングの認証マークが貼られていたんですけれども、今はそれが徐々に減ってきています。理由はそれだけ日本の企業の実力が上がって、ほぼ一緒になってきたなと実感しているんですが、CEマーキングに適合していくことは大変だと思います。また、アメリカの場合ですとANSIです。やはり大変なんです。ですから、この2つの分野に関してはエキスパートというか、コンサルタントがまだ結構います。そういう意味では、これはパナソニックさんも先進的にいろいろやられているので、結構大変な作業だったと思います。

○宇賀座長 中村(雅)委員、どうぞ。

○中村(雅)委員 中尾先生の最後のまとめ、特に(2)に非常に興味があるんですが、消費者庁がヨーロッパのように、規格の作成を命令する権限を持たないといけないという指摘は非常に重要だと思うんですけれども、その場合に消費者庁がどういう機能まで備えていなければいけないか。例えばある事故原因を分析してみて、ここの規格をつくったら防げるのではないかと発見しなければいけないわけです。そういう意味で事故をちゃんと情報収集することも必要だけれども、事故をきちんと分析して原因究明するとか、いろんな機能がないと命令する権限だけ与えても動けないと思うんです。だから消費者庁がこういう機能をきちんと果たせるようにするためには、どんな機能を備えることが必要か。その辺をちょっと教えていただければと思います。

○中尾委員 まず分析官がたくさん必要です。けれども、原因究明は極めなくてもいいと思います。大体これが原因で壊れたねというのをメーカーのデータなどを見せてもらって、それを防がなければいけないという命令だけを出すような、以前、いすの事例がありましたね。おじいちゃん、おばあちゃんが座ったときにひっくり返らないようないすをつくらなければいけないだろう。そのとおりだと思ったら高齢者用のいすで、それはひっくり返らないものをつくれ、その命令だけを出すような感じで、それはどのぐらい重心を下げなければいけないかとか、張り出しがどのくらいなければいけないとか、そういう細かいことはそれぞれ規格をつくるような経済産業省の人がやればいい話だったと思うんです。けれども、少なくとも分析するときに製品の分析はしなくていいけれども、全体で大体何台ぐらいのいすがあって、その中の何台ぐらいのいすはおじいちゃんが座るとひっくり返るものだから、どのぐらいの事故が起きる。そこは分析しておいて、分析結果からこれは国民の生命財産を守ることには合わないから直すべきだという命令を出す、そういう分析をする人が必要なのではないかと私は思うんです。

○中嶋委員 中村(雅)先生、今、事故をどうやって防ぐのか、もしくは事故をどうやって摘発するかというお話をされているんですけれども、まず一番初めに消費者庁もしくは各省庁がやるべきことは、安全基準をきちんとすべての製品について示すことではないでしょうか。そして、それを遵守してくれと言うべきであります。それが未然防止なんです。
 中尾先生の資料の6ページをちょっと見てください。規格の対象製品とあります。中尾先生のレポートは欧州規格、ENです。これはウィーン協定でENとISOの規格は一体化することとなっていますから、私はTC199にいるんですけれども、ISOには250ぐらいこの規格委員会があるのですが、ここに挙がっているものは全部規格として決められています。この中には安全規格もきちんと入っているんです。
 日本のJIS規格はすべての分野、すべての商品、サービスを網羅して整備されているかというと、そうではありません。例えばエレベータには規格がございません。これは建築基準法です。例えばクレーンも規格がございません。これは労働安全衛生法の構造規格です。したがいましてすべての製品の安全規格をまず整備しないといけない。自転車に規格がありますか。ございません。
 このように考えると、まず事業者、企業が何によって物をつくればいいのかという基準をつくって下さい。こういうふうにすれば安全になりますという法律をつくってください。その上で基準をつくってください。それは規格ですね。その規格を強制化してください。そうすると我々民間企業は守ります。事故を起こしたから捕まえるのではなくて、事故を起こさないような体制をつくってください。これが消費者庁に求められている仕事だと思います。
 以上です。

○宇賀座長 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 消費者庁が設置した事故調査の在り方に関する検討会で、大体結論が今月中にまとまるということなんですけれども、それとの関連で私の印象といいますか、意見を申し上げたいと思うんですが、中尾委員から提出のあった資料の中で出てくる安全基本法については、明治大学の向殿政男先生から提言がありまして、本当にこれはいずれ据えていく必要があると私は思います。
 この事故調査体制の在り方との関連でも、まさにこれが必要になってくるだろう。というのは新しい事故調査体制の第一段階では既存の調査体制、いろんな官庁が持っている体制と並行する形で、新しい事故調査機関をつくろうという方向になったわけですけれども、その第二段階では事故調査体制を一元化した方がいいのではないか。まさに私自身もその点については全く賛成でありまして、1つには消費者庁がつくられるときの産業振興に偏した事故調査の在り方を正していく。これを全部の事故調査に徹底するのには事故調査体制の一元化が必要であろう。
 同時に調査活動を効率化する、あるいは調査機関の人事管理を効率化する。そういう意味から言っても事故調査体制の一元化というのは、非常に役に立つに違いないと思うんです。
 このニューアプローチへ移行の動きが出ているということについて、いずれにしてもグローバル化に対するハーモナイゼーションというのは、長期的に見れば絶対必要になってくるだろうという点から、当然な動きと思うわけですけれども、消費者庁にも是非この法律の制定に参加していただきたいと思うんです。
 というのは、事故調査体制の在り方の検討のときにも再三申し上げたんですが、産業振興の観点に偏した安全対策対応、この象徴的な事例として経済産業省が関わったガス機器の事故、非常にたくさんの死者が出たわけですけれども、それが縦割行政の問題とか、そういったこともあって事故情報そのものは入っていたにもかかわらず、きちんとした再発防止対策がとられなかった。これが象徴的な事例ですけれども、同じような事例は結構ほかにもあります。やはりこの安全基本法というのは、そういった産業振興に偏した安全対策から消費者目線に立った安全対策を確立していく。そういう上で安全基本法の所管には是非とも消費者庁に参加していただきたい。そういう意味でこのニューアプローチの法制化については、消費者庁も是非関わっていただきたいと思います。
 以上です。

○宇賀座長 中村(晶)委員、どうぞ。

○中村(晶)委員 今の御発言にも関連して、今、お二方の先生の御説明を伺わせていただいて、事務局に伺いたいと思うんですが、中嶋先生の資料に日本で製品安全にニューアプローチが採用されるという経済産業省の資料が付いておりまして、これが平成22年11月26日付になっているんですけれども、今この進行状況がどれぐらいかと把握していらっしゃるかということと、消費者庁とか消費者委員会として何らかのコミットをしていらっしゃるのかという現状を教えていただきたいというのが1つ。
 また、こういう方向に現実的に今どれぐらい進んでいるのかと関連して、ここで今、検討している安全情報の公表との関係で、こういうアプローチがもし採用される方向になったときに、どんな影響がありそうだと思っていらっしゃるのか教えていただきたいと思います。

○齋藤審議官 なかなかすぐにお答えできるような問題ではないんですけれども、まさにニューアプローチで経済産業省が取組み始めているという段階ではないかと思いますので、その帰趨をよく見定めながら考えていく必要があるのではないかと思います。
 この調査会との関係では、この専門調査会を始める段階で、そもそも先ほど鶴岡委員のお話もありましたけれども、事故情報を消費者庁に集約していくということで、まず縦割りを打破して一元化する。その中で集約し、分析し、それを注意喚起なり公表という形でつなげていく。その流れをまず消費者安全法という制度ができましたので、消費生活用製品安全法の方も消費者庁に移管されるということで、そういう体制ができましたので、その体制を所期の目的に沿って動いているかどうかというところを評価点検していこうということで、この専門調査会を始めていただいておりまして、情報の収集、分析、公表という3つの観点に分けて、これまで御議論してきていただいたと思っております。
 その観点からしますと、今回御提起のありましたニューアプローチ、これは安全の確保策といいますか、情報を更に生かして更に安全を確保するためにどうするかという、そちらの方の問題に入ってくることでありますので、それは勿論重要な課題であり、いずれ取り上げなければいけない課題であると考えておりますけれども、今回この専門調査会の中では事故情報の収集、分析、提供、活用という範囲の中で時間的制約もありますので、その範囲の中でお考えいただければいいのかなと思っておりまして、これはまたニューアプローチがどうなるか、今すぐ物事が決まるという段階ではないと思っておりますので、これはまた注意深く見ていく必要があるだろうと思っておりますし、このニューアプローチの問題がいずれまたこちらの情報の収集、分析、提供の方にも跳ね返ってくることはあろうかと思いますけれども、今その点についてどう跳ね返るかということを申し上げるほどの定見はないんですが、その辺はやはり視野には入れていく必要はあるだろうと思っております。
 ただ、繰り返しになりますけれども、この専門調査会では当初から情報の収集、分析、提供という、ある意味情報ということに絞った形で御議論をいただいてきておりますので、できればその範囲の中で御議論いただき、勿論いずれニューアプローチ方式ということで言われております安全確保策にも、いずれ発展していく必要はあるだろうと思いますけれども、それはまた次の段階で考えていただければいいのではないかと思います。
 申し訳ありませんが、この専門調査会も今年の夏までにはある程度とりまとめといいますか、専門調査会としての考えをある程度まとめたところで一旦閉める必要がございまして、これは消費者委員会の委員の任期との関係がございまして、夏で消費者委員会としての1つの任期が切れますので、その次の段階で恐らく考えていくべき課題ではないかと考えています。

○宇賀座長 中尾委員、どうぞ。

○中尾委員 このニューアプローチについて、経済産業省の規格をつくろうという委員会の委員にもなっているんですが、それはいろんな方法があるんですが、何の製品のどの事故に対して規格をつくるんだという動機のところを、経済産業省で調べると書いてあったんです。
 経済産業省はNITEを持っているから、NITEの情報を使って調べると書いていたんですが、消費者庁がもっといいデータを持っているから、そのデータを使えばいいと言うと、省庁が違う。だからそれはおかしいのではないのか。消費者庁のデータはNITEのデータよりも包括した大きいデータを持っているから、そこでこれがおかしいと消費者庁が言ってきたものをスタートにして、こういう新しい方法で規格をつくったらどうですかということを言ったんです。
 たまたま私がここでいろいろ教えてもらって、向こうの委員会でも同じことでおかしいねと言えたけれども、それが共通集合になっている人はいないから、だからこれをやったときの動機づけも、彼らは彼らでやり始めるということを今、言っています。

○中村(晶)委員 消費者庁のできた時のいきさつなどからすると、やはりこういう議論のところに是非積極的にコミットしていただいて、こうやって委員の交流というだけではなくて、是非とも消費者庁が担うんだというような感じで行っていただければと思う次第でございます。

○宇賀座長 中川委員、どうぞ。

○中川座長代理 齋藤審議官がおっしゃった、今回の会議のテーマではないのではないかということについてちょっと違和感があるんです。会議のテーマのうち,情報の活用に位置づけられるのではないかと思うのです。今ご紹介のあったニューアプローチから出てきた1つの問題点は次のようなものだと思います。現在は消費者安全法の規定では情報を得た消費者庁が16条、17条で公表以外にも、16条で他省庁にもっと権限を使え、17条で事業者に対して勧告、命令ができると定められています。こういう規定しかないわけですけれども、そういう権限だけでいいのかという問題です。今の話ですとこの製品には規格がないから規格をつくってくださいということを、消費者庁が他省庁に対して言えるというふうな権限はどこにも書いていないんです。
 他省庁に、今ある権限を使ってくださいとは現行法でも言える。国土交通省にこの命令権限を使ってくださいと言えるんです。しかし、例えばこういう性能を満たすような基準がまだないが、本当はなければいけないでしょうという新たな視点を他省庁に対して消費者庁として持っていく、伝えるという権限がなければいけないのではないか。これはとても重要な問題だと思うんですけれども、それは今ないということは1つ検討課題だと思うんです。
 その際、性能規定がいいのか、それとも従来型の仕様規定がいいのか、それまたいろいろあると思うんです。私は性能規定というアプローチが必ずしもいいと思っていませんが、その点はともかくとして、性能規定の方がいいんだという形でもし消費者庁が言えるのであれば、それを他省庁に言うという、情報活用の仕方が必要ではないか。そういった意味では、規格そのものをつくる権限が消費者庁になければいけないということに対して、私は必ずしも賛成しないんです。そうではなくて、そもそも規格がなければいけないのではないかということを提案する権限が消費者庁になければいけないのではないかという意味では情報の活用の仕方、先ほどまさに中尾委員がおっしゃったような、これだけデータを持っているんだから、今の規制にかけてもおかしいでしょう。それについて何とかしてくださいという権限がないと宝の持ち腐れだし、経済産業省は経済産業省で勝手にやって、消費者庁は消費者庁で情報だけあって活用をあまりしていないというのでは、非常に無駄なんです。という意味でこの点は、この検討会の議論の対象になるのかなと思います。
 ただ、とりまとめまでに時間がないですから、両論併記でやるとか、こういう意見があったという程度で済まざるを得ないことはあると思いますけれども、まずその1点を言っておきたいと思います。
 もう一点ですけれども、中嶋委員の御報告によるとニューアプローチというのは2個ポイントがあって、1つは性能規定。もう一つは包括的なんだということなんです。包括的にかぶせる、つまりポジティブリストではなくて、すべての製品は安全でなければいけないというのは、わが国ではすでに消費者安全法で実現しています。消費安全性というのがなかったらそれなりの対応をしますという態度表明を消費者安全法がしていますので、ニューアプローチのうちの規制対象品目の包括化というのは、我が国では対応しているのではないかと思っております。残るは先ほど申しましたように抜けているところについて消費者庁が、では何をするのかといった場合に今の16条、17条では足りないのではないか、他省庁の目が十分に向けられていないところに消費者庁としてアイデアを提供するのであれば、むしろ言いやすいのかもしれないという意味では、別の条文があった方がいいかもしれないと思いますので、そこは抜けているところかなと思います。

○中嶋委員 中川先生が言われましたことはごもっともで、いわゆる消費者安全法というのは一般法ですから包括的に決めてあります。それに対して残りの3法は特別法ですから、ある意味この法律は法律でなくて規格であってもいいと考えられるわけです。規格を漏れなくつくって、それでもって包括法、鶴岡委員が基本法と言われたんですけれども、包括的な法律で、この規格は強制ですよというふうにしていただければ、それででき上がりだと思うんです。
 それが例えば今回の審議の対象になる、ならないという問題は、専門調査会発足のときに消費者庁消費者安全課の野村課長さんともお話をしたんですけれども、恐らく今回は対象にならないでしょうというお話はされていましたので、それは存じているのですが、こういう問題もありますということで問題提起をさせていただいたということです。
 法改正が必要だろうという話もされていましたけれども、できたときから法改正を考えるのかと冗談めいて話をしていたんですが、それも要るのかなと。ただ、食品も含めて考えていただきたい。医薬品も含めて考えていただきたい。今、日本の国は安全をすべて法律でまかなおうとしている。そうではないですね。規格でまかなえる部分がないと、今どんどん開発されていく商品に追随できないこともあるので、単に経済産業省だけの問題ではない。国土交通省が管轄している商品、農林水産省、厚生労働省が管轄している商品についても、消費者庁の視点からこういうことを次のテーマとしてお考えいただく、もしくは今回の本委員会の中で付記として扱っていただくことを考えていただくのは、あって良いのではないかと思います。
 以上です。

○宇賀座長 ありがとうございました。ほかよろしいでしょうか。
 それでは、中尾委員、中嶋委員、どうもありがとうございました。もう余り時間もなくなってしまったのですが、残された時間、前回の第7回から引き続きまして、公表について御意見を伺いたいと思います。
 次回以降、これまで議論してまいりました製品事故の収集と分析、公表について消費者委員会に報告するためのとりまとめを行っていきたいと考えております。その今後のとりまとめも念頭に入れて御議論をお願いしたいと思います。
 それでは、事故情報の公表について御意見のある方、御発言をお願いします。松岡委員、どうぞ。

○松岡委員 事故情報の公表ということで、今までいろいろと御議論を伺っていますと組織等をつくったり、方策をつくって、あるいはインターネットを使ってやるというようなことも議論しておりますが、やはり消費者の中で高齢者とか子どもだとか子育て中の主婦とか、こういう方々が情報を入手するので一番手近なのは、やはりテレビではないか。ちょっとプリミティブなところに戻って考えているんですが、そうしますとテレビを有効に使った公表の方法というのが非常に重要ではないかと考えております。
 いろいろ見ておりますと、具体的なお話であれなんですが、NHKでまちかど情報室というのを毎朝やっておりますね。あれは非常に興味を持って見ておりまして、新しい製品で新しい機能を持ったものを非常にわかりやすく説明してくださる。1つの方法としては是非あそこの中に事故情報を定期的に入れていただくという格好でもってやっていただけると、私ども庶民と言ったらおかしいですが、インターネット等を使わなくても情報が入りやすいということを考えました。
 それをもう少し発展させますと、例えばニュース番組の中で定期的に事故情報を、全部は無理なんですが、スポットで入れていただく。ニュース番組を見ておりますと大きなニュースがありまして、しばらく細かいニュースがあって、その後、途中で必ず天気予報が入ります。天気予報が入った後、今度はスポーツ番組になって、皆さんスポーツ番組を見たいから、あるいは天気予報が必要だからということでずっと流れで見ているということで、1つのアイデアとしては天気予報の後に事故情報を必ずスポットで入れていただいて、その後、スポーツ番組に移っていただくことを各放送局さんにお願いして、そういうパターンでもって日本の社会でそういう文化をつくっていただければ、かなり注意喚起の情報が伝わってくるのではないかと考えた次第でございます。非常にプリミティブな、素朴な考えですが、是非この辺を御検討いただければと思っています。

○宇賀座長 ありがとうございました。ほかいかがでしょうか。齋藤委員、どうぞ。

○齋藤委員 資料3のカラーのページですけれども、最近の事故で生肉を食べて中毒になったケースがありました。あの事故は資料3のルートの中できちんと上がってきているのか。それに対してどのような反応が消費者庁からなされたのかということを、御紹介いただければありがたいです。

○金児首席情報分析官 資料3の中ですと、関係省庁である、厚生労働省から重大事故として情報は来ております。それに対しまして、5月2日だったと思いますけれども、蓮舫大臣から消費者に向けてのメッセージを出し、また、厚生労働省に対して文書で、どのような対応をとるのかということを照会しているところでございます。このことは消費者庁ホームページに公表しております。

○中村(雅)委員 関連するんですけれども、私はこのユッケ食中毒事故があったときに消費者庁の事故情報データバンクで、「生肉」というキーワードと「ユッケ」というキーワードで検索してみたんです。生肉4件、ユッケ19件出てくる。もう2年前からあるんです。
 御存じだと思うんですが、全国の食品衛生の所管課長の連絡協議会の中で、9年前から生肉についての規制強化、罰則付きの基準づくりとか、そういうことを毎年のように提案し続けているんですけれども、何も動いていなかったんです。
 今、非常に気になるのは事故情報について一元化して消費者庁に集まってきているんですが、毎週ただホームページにベタ貼りされているだけで、19件もユッケがあるなら、そろそろ危ない、何とかしなければいけない、課長会議からも言われている。だったら何か消費者庁から指令を飛ばして法制化しろ、みたいなこととか、自分のところで検討できなければ食品衛生所管の厚生労働省辺りにきちんと言っておけば、あの事故はもう少し早めに対応できたのではないかという気がします。
 もう一つ問題なのは、事故情報19件を見ていますと業者名が出てこないとか、事故の発生年月日が出てこないとか、非常に不十分な情報のまま入ってきているものが結構あって、あれでは集計しにくいのではないかという気もしますけれども、その辺は集め方の視点ですね。今回のユッケの事故を教訓に、今までの集め方でよかったのか、公表もベタ貼り、毎週やっているだけでよかったのか、そこら辺をきちんと事故の未然防止とか予防につなげるような視点での整理を是非してもらいたい。そこは公表の在り方も含めて検討してもらいたいと、今回このケースを見て本当に思いました。

○齋藤委員 私も同じ思いを持って質問したわけです。同じようなことが、例えばパロマの事故で20人ぐらい亡くなりましたけれども、長期間にわたって亡くなっている。現在の仕組みでこれが発見できただろうかということに直結すると思うのです。せっかく法改正まで行っていろんな仕組みをつくっているのに機能しないということでは困るので、今回のケースを大きな教訓として、さらに一歩進めてもらえればありがたいと思います。

○宇賀座長 鶴岡委員、どうぞ。

○鶴岡委員 私も全く同じことを感じました。前回、固有名詞をできるだけ公表するようにという工夫をお願いしたわけですけれども、前回、中村(雅)さんが誤使用か製品起因かという分類だけでこだわっているのは問題があるのではないかという御指摘があったかと思うんですが、全く私も同感で、少なくとも誤使用であっても続発するようであれば、やはりこれは対策が必要なんだということで、対策が必要か否かというところを、どこまで公表するかについての重要な基準の1つとして考えていただく必要があるのではないか。今のユッケの話もそうですけれども、続発しているということであれば、固有名詞を出しておけばこれは消費者が見る場合でも、あるいは関係官庁が見る場合でも非常に参考になって、再発防止対策をスピーディに立てる上で役立つだろうと思うんです。そういう意味から固有名詞の公表の範囲をもう一度見直していただきたいと思います。

○宇賀座長 ありがとうございました。ほかいかがでしょう。中村(均)委員、どうぞ。

○中村(均)委員 公表の仕方はそれでいいと思うんですけれども、反対側の受取側の教育とか啓発とかをしていかないと、先ほど松岡委員がおっしゃったことは私も考えたんですが、テレビでどれだけ報道してもなかなか受け取れないのか受け取らないのかわかりませんけれども、そういう消費者の方もいっぱいいるわけです。そこをどうやって押さえていくか並行して考えていかないと、物すごくパワーをかけている割には実効性に乏しいといいますか、我々がリコールをやるときには最初にテレビとか新聞とかやります。大体1週間はすごいフィードバックが来ます。その後はすぱんと止まるんです。それで我々のつてでずっと探すんです。今もやっています。やはり受取側が学校教育のところからもしっかりやっていくとか、いろいろな方法をとらなければいけない。先ほど中尾先生の御報告の中で欧州はRAPEX、あれは公表側ですね。では受取側はヨーロッパの方々は言語も違う、風土、習慣も違う、その中でどうやってRAPEXで公表したものを皆ちゃんととっていくんだろうか。そして自分の事故の安全をどうやって守っていくのか。その辺も是非お知りだったらお教えいただきたいと思っているんですけれども、是非受取側といいますか、消費者の啓発をもう少し並行して考えていかないと、労多くして益少なしという形になるような気がいたします。

○宇賀座長 ありがとうございました。中尾委員、どうぞ。

○中尾委員 公表の方法なんですけれども、こういう事故データをやったときにRAPEXは偉いなと思ったのは、一つひとつのデータはRAPEXのホームページのすぐ下に入っているんです。どちらかと言うと消費者庁は平成22年度は下のところに入っていって、表があってなんていったらgoogleが検索できないんです。だから表計算を使うようなものは使わないで、ベタ一面に書いてあって、写真も画像でgoogleで引っかかるようになっているんです。
 だから、なるべくgoogleで引っかかるようなベタ一面で下の層に入れない。これはその後のところにだらだらと続くようで、二十何件だらだら続いているんだけれども、それは何のためかというとgoogleのためだと思います。googleで一層目に来ているから、それで見られるようになるんだけれども、消費者庁は多分2層目、3層目にまともなデータが入っているから、だれもgoogleでは見られない。だから来たときに多分googleで今まで私が検索したときに、消費者庁のデータが出てくることはなかった。だからそこのところをもう少し見えるようにしてもらいたい。
 NITEはテレビ局の人とやたらに仲良くするんです。それで何か実験で燃えるデータとか見せて、それでこれを記事にしませんかと記者会見をやっているんです。新聞社の人はそういう画像が欲しいとは思わないけれども、国民生活センターも同じようなことをやっています。画像を見て面白いと思いませんかと記者会見をやっていくようにして、もっとデータとか、やったものをフィードバックするような試みをしたらどうでしょうか。
 以上です。

○宇賀座長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 情報をいかに届くようにするかというのは、今まで事故情報だけでなく、すべての啓発情報も届かないということで長年努力してきているんですが、私は1つ消費者庁にお願いしたいというのはネットワークづくりです。中尾委員がおっしゃったようにホームページで常に見ている方ばかりではなくて、お母さんは忙しくて見られないとか、高齢者は見られない中でいかに伝えるかというのは、小さな子どもの親にはきちんとしたネットワークがあります。消費者団体、高齢者の団体にもあるし、横のつながりをそれぞれが持っています。それらをいかに横につなげるかというところが大きな盲点ではないかと常に思っていて、それは非常に大変なことだと思います。
 私たち民間がやれと言ってもなかなかできない。それは是非消費者庁が中心となって、例えば高齢者の事故だったらいち早く高齢者に伝わるような線をまず作り、それから横に広げるような、何かそういう工夫ができるのではないか。それに関してはみんな協力するのではないかと思っています。
 ここではほとんど出てこなかったんですけれども、障害者の団体にも同じように伝えなければいけない。私たちがリコール社告が必要だと言っていたときに、障害者団体はリコール社告とは何か、そういうものが新聞に載っていることさえ知らなかったそうです。やはり情報がきちんと行き届いていないということを考えていかなければならないかなと思っています。それは是非消費者庁にお願いしたいし、ここでもどのようにやったらいいのかというのは次の委員会かもしれませんけれども、考えていただきたいと思います。
 情報に関してですが、資料3で出てきている事故情報データバンクは確かにすごい情報がたくさん集まっていて、類推すると約3万件になりますけれども、事業者が持っている情報はこんなものではないはずです。それをいかに使えるかというのも大きなところだと思います。重大事故に関しては消費生活用製品安全法できちんと法律で報告しなければならないことになっていますが、食品その他は義務化にはなっていない。その辺りもきちんと義務化して、たくさんの情報を集めた上で分析して伝えるという方法が1つ必要ではないかと思います。それによって事故の未然防止ができるのではないかと思っていますので、事業者の情報をいかに集めるかというところも考えていかなければいけないかなと思います。
 あとは子どもの情報です。私が常に思っているのは、日本は子どもに関して非常に冷たい。子どもに関する情報提供をどうするか、いかに集めて知らせていくかということも非常に重要なところかなと思いまして、特に子どもの事故に関しては力を入れて情報を集めることをやっていただきたいと思います。

○宇賀座長 ありがとうございました。橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 今、佐野委員もおっしゃったとおり、情報の公表については、先ほどプレスリリースをかけてホームページでということなんですけれども、なかなか皆さんのところに届かないということがあります。そういう中で私は北海道なんですが、北海道では事故情報だけではなく、消費者被害ネットワークというものをつくって、その中に福祉団体であるとか学校の公聴会であるとか、そういったネットワークをつくっています。
 そのモデルを中心に地域で、現在北海道は179の市町村があるんですが、そのうち42の地域でそのネットワークづくりをして、何かあったときには情報を提供しています。特にコミュニティの高いところであれば、町内会などに防災組織と同じで、FAXで一緒に町内会に流せるという、そういう色々なコミュニティを使って流すことをやっているんですけれども、是非そういったシステムづくりにおいて地域におけるコミュニティをもっと利用すると、消費者庁の消費者への注意喚起が本当に必要な人に届くのではないかと感じております。これも防災組織とかいろんな省庁にまたがると思うんですが、せっかくできているコミュニティを是非利用していくべきではないかと感じております。

○宇賀座長 ありがとうございました。中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 ちょっと暴論を今から吐きます。
 消費者にどうやって事故情報を伝えるかということなんですけれども、恐らく民間のネットワークを幾らつなぎ合わせても全員には届かないだろうと思います。インターネットにしてもテレビにしても、スイッチを入れない限り消費者に届かないです。インターネットですと立ち上げて、そこのホームページを開かない限り、消費者庁のホームページを開かない限り届かない。
 では民間企業はどうしているかというと、ポストへの投げ込みをしているんです。これは言ってみますと広告と同じやり方なんです。新聞の折込み広告と同じように、嫌でも届くようにしている。これが今の広告のスタイルです。別の言い方をしますと、情報はエネルギーを持って伝えない限りどんな情報も届きません。このエネルギーには必ずお金がくっついています。では、そんな大したお金は要るのか。
 もう一つ、今度は企業の立場から考えると消費者庁に助けてほしいことがあります。何かというとリコール情報です。新聞にリコール情報を出しますと一体幾らかかるか御存じだと思うんです。6紙に出してしまったらおよそ5,000万から1億円かかります。こんな事に耐えられる中小企業はあるでしょうか。輸入業者がいるでしょうか。現実に消費者を助けないといけないのは大手企業ではなくて、中小及び輸入業者の事故です。彼らにはやりたくてもできません。そうすると、そういう機会をどうやって与えればいいでしょうか。極端に言えば1月に1回、6紙の一面を消費者庁が値引きして買い取って、そこに情報を貼りつけて送り出すとか、そういうことをしていくというのも1つの方法ではないか。
 今、嫌でも消費者が受け取ってくれるのはそれしかないんです。学生はどんどん新聞を読まなくなっていますけれども、恐らくその方法が一番いいでしょう。だからこれは暴論です。お金のことを無視しています。
 もう一つは学校教育の現場で、特に小学校、中学校ですけれども、製品事故、食品事故について教えてもらえないか。こういう製品安全に関わってヨーロッパのことを調べるチャンスがなかったんですが、産業廃棄物、民廃の処理についてはヨーロッパの情報、特にドイツについては調べる機会がありまして、学校教育でやっております。これはアメリカでもやっております。学校教育の中で取り上げていただくべきテーマではないかと思うんです。経済産業省では試みに1つ、2つトライアル事業でやり始めていますけれども、全国の小学校でいわゆる消費者の安全に関する製品事故に関するような授業を、1コマでも2コマでも持てるようにしていただければ、これは大きなきっかけになるだろう。興味を持ってもらえればほかのものも見るようになる。そういうふうに思います。
 以上です。

○宇賀座長 ありがとうございました。ほかよろしいでしょうか。阿南委員、どうぞ。

○阿南委員 ちょっとだけです。今地方の消費者センターをきめ細やかにつくっていこうと、体制整備が進んでいるわけですけれども、そこがその地域の情報ネットワークの要として働いていくことを、ちゃんとフォローしていく体制が必要だと思うんです。今PIO-NETで情報を本部といいますか、消費者庁に集めるだけなんですけれども、そのフィードバック、つまり地方で使えるような情報としてすぐに返されていく体制です。地方は相談員さんもいらっしゃいますし、センターを核に消費者団体もいっぱい連なっています。消費者教育の核にもなっていますので、そこをどうやって体制を強化していくかが重要だと思います。

○宇賀座長 ありがとうございました。中尾委員、どうぞ。

○中尾委員 インターネットをやるにしても画像なんです。YouTubeに持っていってやらなければいけないんです。小学校の先生はみんなインターネットを使って情報を集めてきて見せているんです。そのときにやはり活字ではだめなんです。NITEに学ばなければいけないのは、彼らは画像をYouTubeに出しているから、例えばトラッキングで燃えましたというデータをみんな使うんです。だからそういうふうに情報を出していくことをしたらいかがでしょうか。

○宇賀座長 ありがとうございました。ほかよろしいでしょうか。
 本日の議題は以上です。最後に次回以降のとりまとめについてですが、今後議論できる機会が6月と7月の2回となるため、各委員からメールで御意見をお聞きしながら素案となるものをまとめて、それを基に第9回の議論を実施したいと思います。
 事務局から連絡事項はございますでしょうか。

≪4.その他≫

○原事務局長 本日はご議論をありがとうございました。今、座長からお話がありましたように、事務局といたしましては本日までの事故情報の収集、分析、公表についての皆様方の御議論を踏まえて、とりまとめのための素案をつくりたいと考えております。作業をいたしますが、6月初旬になるかと思いますけれども、素案を各委員あてにメールでお送りをさせていただいて、精度を高めたものにいたしまして次回の専門調査会に提示をしたいと考えております。
 なお、次回の日程については6月28日火曜日の10時から行う予定にしております。6月と7月と議論を重ねていただいて、とりまとめに向けての御努力をお願いしたいと思っております。
 事務局からは以上です。

≪5.閉会≫

○宇賀座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。御多忙のところお集まりいただきまして誠にありがとうございました。

(以上)

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