国連平和維持活動即応能力登録制度(UN Peacekeeping Capability Readiness System(PCRS))について

令和2年6月

1. 概要

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  • (1)本制度は、従来の待機制度(UN Stand-by Arrangements System: UNSAS)に代わるものとして、質の高い平和維持活動に向けた即応性を確保するため、国連本部が各国のPKO派遣に係る準備状況を、登録の手続きを通じて、より具体的に把握することを目的とした制度であり、2015年(平成27年)9月に発足した。我が国は2016年(平成28年)3月に登録した。
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  • (2)登録に基づき国連から要請がある場合も、派遣するか否かは、各国が個別に判断するものであり、登録を行ったとしても派遣の義務は発生しない。
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  • (3)我が国が、個別の要請に対して実際に派遣するか否かについては、PKO参加五原則等を踏まえつつ、我が国が判断する。

2.我が国の登録内容

我が国は、平成28年3月に以下(1)の自衛隊の部隊並びに以下(2)及び(3)のポストに就く要員を提供する用意がある旨を登録した。また、令和2年5月に以下(4)の支援を提供する用意がある旨を登録した。

(1) 施設部隊

(2) 軍事監視要員

(3) 司令部要員

(4) 戦略航空輸送(国際拠点間輸送)

(参考)登録手続と関連する段階(レベル)は以下のとおり(なお、軍事監視要員、司令部要員及び戦略航空輸送(国際拠点間輸送)は、レベルに応じた登録を行う仕組みではない)。

レベル 登録国数 登録手続

1

非公表

登録可能な部隊等につき、編成表等を添えて口上書を国連に提出する。

2

国連による、部隊能力の評価及び助言のための訪問(Assessment and Advisory Visit:AAV)を経て昇格する。

3

国連側の要請する搭載品リスト等を含む口上書を提出した後、十分な調査・交渉を経て、相当の準備レベルに達した部隊のみがレベル3に昇格する。

早期展開
レベル

国連による、早期展開レベルの検証のための訪問(Rapid Deployment Level Verification Visit:RDLVV)等を経て昇格する。国連側が派遣を要請してから60日以内に派遣できる態勢を整えることを誓約することができる。