野口英世アフリカ賞ニュースレター 第7号平成24年 4月

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第2回野口英世アフリカ賞授賞式開催決定
2013年6月 TICADVの開催に合わせ、横浜市にて開催


2008年に行われた、第1回授賞式の様子(中)
受賞者:ブライアン・グリーンウッド博士(左)・ミリアム・ウェレ博士(右)

2012年1月20日、藤村官房長官の記者会見において、TICAD Ⅴ(第5回アフリカ開発会議)(※注)及び、第2回野口英世アフリカ賞について発表が行われました。同会議を2013年6月1日から3日の3日間、横浜で開催することが決定しました。
内閣総理大臣決定(2007年1月30日)に基づき、「野口英世アフリカ賞」の受賞者の発表及び授賞は、TICAD(アフリカ開発会議)の開催にあわせて行うこととされています。そのため第2回授賞式も、TICAD Vの際に開催される事が決定しました。

TICADロゴ ※注 TICAD(アフリカ開発会議)
TICADとはTokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略であり、アフリカの開発をテーマとする国際会議です。1993年以降、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)及び世界銀行等と共同で開催しています。
5年に1回の首脳級会合に加えて、閣僚級会合等を開催しており、2008年5月には、横浜において4回目となるTICAD IV(第4回アフリカ開発会議)を開催しました。
 

第2回「野口英世アフリカ賞委員会」が開催されました

2012年2月20日総理大臣官邸において、第2回「野口英世アフリカ賞委員会」が開催されました。
野口英世アフリカ賞委員会は内閣府に設置され、医学研究分野・医療活動分野、各分野の推薦委員会から推薦を受けた候補者(最大3名)の中から最終候補者を選考します。最終的には、内閣総理大臣が、野口英世アフリカ賞委員会からの推挙に基づき、授賞者を決定します。
2月20日の会合では、委員の互選により、黒川 清 政策研究大学院大学教授が委員長に再選され、内閣府野口英世アフリカ賞担当室からは、2013年に授賞式が行われる、次回の賞についての詳細や、第1回(2008年)受賞者のその後の活躍などについて報告がなされました。
第2回授賞式は、TICAD V(第5回 アフリカ開発会議)の開催(2013年6月1日~3日)に合わせて、横浜で行われます。
授賞式へ向けて野口英世アフリカ賞の精神を体現する立派な方を選考するよう、改めて意思を確認し合いました。


委員会で発言をする野田佳彦総理大臣
(写真提供:内閣広報室)

 

野口英世アフリカ賞委員会 委員一覧 (50音順・敬称略)
安西祐一郎(日本学術振興会理事長)、尾身 茂(名誉WHO西太平洋地域事務局長)、黒川 清(政策研究大学院大学教授)、杉村 隆(日本学士院幹事)、髙添一郎 (野口英世記念会会長)、原中勝征(日本医師会会長)、米倉弘昌(日本経済団体連合会会長)、渡邉治雄(国立感染症研究所所長)、Awa M. Coll-Seck(前ロール・バック・マラリア・パートナーシップ事務局長、ダカール大学教授・セネガル)、Laurie Garrett(外交問題評議会シニア・フェロー・アメリカ)、Tore Godal(ノルウェー首相特別補佐官・ノルウェー)Marc Tessier-Lavigne(ロックフェラー大学(旧医学研究所)学長・カナダ)Mark Walport(ウェルカム・トラスト理事長・イギリス)

第2回野口英世アフリカ賞授賞式までの今後の予定

 

―第2回野口英世アフリカ賞へ向けて― 
第1回受賞者からのメッセージ

ブライアン・グリーンウッド博士写真

第1回 野口英世アフリカ賞受賞者 医学研究部門
ブライアン・グリーンウッド博士

1938年イギリス生まれ ロンドン大学衛生熱帯医学校教授。アフリカで30年以上にわたりマラリアをはじめとする感染症の免疫病理学、疫学、人類学、行動学等に及ぶ多角的研究と実践対策に功績が認められ受賞。受賞後は賞金の1億円を活用し、長崎大学と協力してアフリカ-ロンドン-ナガサキ奨学金を実施。真のアフリカ人リーダーを生み出す事を目標に、優秀な若きアフリカ人研究者のための教育を支援。すでに多くの学生がイギリスや日本で学んでいます。

第2回野口英世アフリカ賞開催のお知らせを聞き、大変嬉しく思っております。
長崎大学熱帯医学研究所の有吉教授が野口英世アフリカ賞のインタビューでお答えした通り、アフリカ-ロンドン-長崎奨学金(野口英世アフリカ賞の賞金を使用して設立)はとても順調です。第1回目の奨学金には800名を超える応募者が集まり、その後2年間も博士課程を履修する事により更なる飛躍が望まれる、400名を超える、多くの若きアフリカ人研究者達からの応募がありました。
今週は、今年の奨学金生を決定すべく、有吉教授とロンドンでお会いします。あと3年分の資金は十分にありますが、この奨学金プログラムが引き続き成功し、グローバル経済の問題がわずかでも解決すれば、この奨学金プログラムがもっと長期間出来るよう、資金を集める事が可能になるかもしれません。
価値ある素晴らしい賞を設立した日本国政府が、国際保健の場において賞賛されている事について、大変光栄に思います。第2回も素晴らしい受賞者が誕生することでしょう。

 
ミリアム・ウェレ博士写真

第1回 野口英世アフリカ賞受賞者 医療活動部門
ミリアム・ウェレ博士

1940年ケニア生まれ ケニア国家エイズ対策委員会(NACC)委員長。過去40年間、生涯をアフリカに住む人々特に女性と子どもの保健と福祉の向上と、コミュニティにおける基礎医療サービスの提供に尽力した功績により受賞。最近では妊産婦の健康改善と乳幼児の死亡率低下のため、日本発祥の母子手帳をアフリカに広める活動に尽力。今年10月にはケニアのナイロビにおいて、アフリカ初の母子手帳国際会議を開催を予定しています。

-ようこそ、第2回野口英世アフリカ賞!-
2008年に授賞式が行われた第1回野口英世アフリカ賞は、アフリカにおいて医療活動で素晴らしい役割を果たした、アフリカの名誉ある息子、野口英世博士にちなんで名付けられています。この賞により、日本がアフリカを讃えるという、素晴らしい機会となりました。
この賞は世界的に見ても、現場で行われている医学研究と医療活動の拡大のための努力を表彰しているという点で非常にユニークです。私にとって、この賞を受賞した事は非常に栄誉ある事で、今も強くそれを感じています。
ニュースレター第6号では、私が行っているアフリカにおける母子健康手帳普及活動についての情報が掲載されています。今年の10月にはアフリカにおいて初となる、第8回 母子手帳国際会議が開催される予定で、この会議は野口英世アフリカ賞の4周年のお祝いも兼ねています。
新たに2名が加わり、私たち第1回受賞者を含めて受賞者が4名になる、2013年6月の第2回野口英世アフリカ賞を私は歓迎しています!

 

野口英世博士ストーリーズ 少年時代  野口清作(野口博士の幼名)少年と親友・八子弥寿平少年のおはなし

1884年16歳の清作少年は、1歳半の時にいろりに落ちた事故による火傷で動かなくなった左手の手術を受けました。親友の弥寿平少年は、退院の日に迎えにいきました。八子家から野口家までは6キロぐらい離れています。さらに野口家のある三城潟から会津若松の会陽医院までは片道26キロぐらいあります。当時はまだ鉄道がなかったので32キロを歩いて迎えに行きました。写真はその帰りに会津若松の写真館で退院記念に撮影されたもので、清作少年にとって生まれて初めての写真撮影となりました。写真撮影の際、清作少年は長い道のりを迎えに来てくれた友を思いやり、椅子に座らせてあげました。
学業優秀であり、将来を期待されていた清作少年は、学校の仲間や恩師の援助により手術を受け、その素晴らしさに感動し、医師を目指すことになりました。
野口家のある三城潟から高等小学校のある猪苗代町まで片道6kmほどですが、冬の猛吹雪の時など、清作少年は八子家に泊まりました。その際、八子家の女中さんが、なんとか博士の左手を一度見てみたいと思い、食事の配膳の時を狙って見ようとしたのですが、いつも弥寿平少年が「そこに置いとけ」と言い、部屋の戸を開けなかったので、火傷した手を見ることは出来ませんでした。
弥寿平少年は本当に清作少年のことが大好きで、優秀な親友に未来を託していました。自分ができないことをやってくれることが、楽しみで仕方がなかったそうです。文明開化と共に色々な西洋の文明が流入し、日本全体が大きく変わり始める予感がした明治時代、猪苗代には未来を夢見る二人の少年がいました。


1884年 親友の弥寿平少年(左)と
人生初の写真撮影をした清作少年(右)
(写真提供:財団法人 野口英世記念会)

この記事は2012年1月に行われた、野口英世記念館・八子弥寿男館長へのインタビュー記事を基に作成しています。お話に出てくる八子弥寿平少年は、八子館長のおじいさんにあたる方で、伝記には載っていない野口博士に関する興味深いエピソードがインタビュー記事には掲載されておりますので、こちらもご覧ください。

野口英世アフリカ賞ホームページには他にもインタビューが掲載されています。是非こちらもご覧下さい。   

野口英世アフリカ賞基金のための御寄付のお願い

本賞の賞金のために、本賞の趣旨にご賛同いただける方々から広く寄付を募っています。皆さまからいただいた善意が、アフリカにおける医学・医療の向上のため活躍されている方々の活動を支えるために使われます。

  • インターネットからのお申込みの場合
    野口英世アフリカ賞ホームページより、基金の管理を担当しているJICA(国際協力機構)の寄付サイト別ウィンドウで開きますへお進み下さい。クレジットカード、銀行・郵便振込、コンビニ振込、いずれかの方法でお支払いただけます。
  • 寄付申込書によるお申込みの場合
    野口英世アフリカ賞担当室より、寄付申込書を送付いたしますのでお電話下さい(電話 03-5501-1745)。用紙に必要事項をご記入の上、お手数ですがJICA国内事業部 市民参加推進課 寄付金事務局(FAX番号 03-5226-6377)までFAXをお送り下さい。追って振込用紙を送付致します。
  • 野口英世アフリカ賞基金への寄附実績(2012年1月時点の累計)
    491,659,972円 [個人1893件,法人320件(計2213件)]
 

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