野口英世アフリカ賞ニュースレター 第23号2025年9月発行
第5回野口英世アフリカ賞授賞式開催
8月22日(金)、石破茂内閣総理大臣の主催により、第5回野口英世アフリカ賞授賞式が明治記念館で開催されました。式典には、天皇皇后両陛下ご臨席の下、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に出席したアフリカ諸国首脳、TICAD共催者、保健医療関係国際機関の長、野口英世アフリカ賞の選考委員等の約140名が出席しました。
■ 【動画】第5回野口英世アフリカ賞授賞式の様子(YouTube)
石破茂内閣総理大臣より賞を授与された第5回野口英世アフリカ賞受賞者
医学研究分野受賞者 アブドゥライ・ジムデ博士(写真左)医療活動分野受賞者 DNDi代表 ルイス・ピサロ博士(写真右)
アブドゥライ・ジムデ博士、DNDiが受賞
授賞式では、野口英世アフリカ賞委員会の國井修委員長が受賞者の功績および選考理由を述べた後、石破茂総理大臣が式辞を述べ、両受賞者(アブドゥライ・ジムデ博士及びDNDi(顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ))への功績を讃えるとともに、贈賞を行いました。
また、アフリカ各国を代表して、アフリカ連合議長・アンゴラ共和国大統領 ジョアン・マヌエル・ゴンサルヴェス・ロウレンソ閣下から祝辞をいただき、両受賞者から受賞者スピーチをいただきました。
■授賞式次第
[選考結果報告]國井修 野口英世アフリカ賞委員会委員長
[式辞及び贈賞]石破茂 内閣総理大臣
[祝辞]アフリカ連合議長・アンゴラ共和国大統領
ジョアン・マヌエル・ゴンサルヴェス・ロウレンソ閣下
[受賞者スピーチ]
アブドゥライ・ジムデ博士(医学研究分野:マリ共和国)
ルイス・ピサロ代表 DNDi(顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ)(医療活動分野)
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授賞式の様子 -
天皇皇后両陛下
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アブドゥライ・ジムデ博士 -
DNDi ルイス・ピサロ博士
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石破茂 内閣総理大臣 -
國井修 委員長 -
ジョアン・マヌエル・ゴンサルヴェス・ロウレンソ閣下
受賞者スピーチ(抜粋)

■医学研究分野
アブドゥライ・ジムデ博士
日本政府と日本国民に心から感謝し、この賞をマリ共和国の人々に捧げます。 30年前に研究を始めた時、ピークシーズンの典型的なマリの村では、血液中にマラリア原虫を抱える子供は75~90%でしたが、今日では平均20%となっています。
これは、マラリアがアフリカの最も困難な地域でも克服できることを示していますが、こうした成果は、気候変動、薬剤耐性、武力紛争、資金縮小、パンデミック等によって脅かされています。持続的な政治的関与、継続的な資金増、マラリア研究への最高品質のアフリカ科学者の関与、新しいツールの発見と販売のための持続的な研究と革新が必要です。
この賞は、マラリアに対するエネルギーと専門知識を結集し、最先端の生物医学研究とイノベーションにおいてより多くの若い科学者を訓練し、日本の同僚を含む協力ネットワークを拡大するという決意の強化を呼びかけるものです。
いつの日かマラリアのないアフリカという私の夢が現実になるよう、皆さんに努力とコミットメントを強化いただきたいと思います。
日本国民と日本政府への感謝の気持ちを表現しきれませんが、最後に、マリのドゴン語で日本に「ヤアプー、ヤアプー、ヤガンナ」とお伝えしたいと思います。
皆様のご清聴に感謝いたします。

■医療活動分野
DNDi 代表 ルイス・ピサロ博士
DNDiは、顧みられない患者のための新薬を開発するために設立されました。この使命は、常に患者を第一に考えようとする野口博士の意欲と強く共鳴します。 コンゴ民主共和国の少年ベニは、ツェツェバエに噛まれ、睡眠病に感染しました。この病気は脳に影響を及ぼします。彼は学校で苦労し始め、中退せざるをえなかったのですが、新しい安全で効果的な経口薬の治療を受け、治癒しました。
この新薬は、マラリア、リーシュマニア症、C型肝炎などの病気に対してDNDiが開発した13の新しい治療法の1つです。
何百万人もの命が救われました。
流行国の政府、国際ドナー、製薬会社、大学の科学者など、熱心なパートナーが私たちの取り組みに参加しました。日本の大学や製薬会社とも連携しています。 私たちの成功は、通常、進歩の成果から排除されているコミュニティに真の解決策を提供する科学の力の実証であり、国際連帯の力の生きた例でもあります。 これらの価値観は、今日の対外援助の削減と科学的誠実さへの攻撃により、これまで以上に重要になっています。
顧みられない患者に声を与えてくれた野口賞委員会のメンバー、より良い医薬品を見つけるための日本のパートナーの皆様の素晴らしい努力に感謝します。
第5回野口英世アフリカ賞関連行事
受賞者の方々は授賞式後、横浜、野口博士の故郷である福島、大阪、長崎を訪れ、各地で歓迎を受けました。
横浜では、長浜ホールの記念碑へのプレート設置セレモニーに参加されました。 福島では、知事との懇談後、知事から受賞者に国際交流特別親善大使認証書が授与されました。猪苗代では、知事主催の昼食会に出席後、野口博士の生家が残る野口英世記念館を訪問。会津若松では、野口英世青春館を訪問し、高校生との意見交換会に参加されました。 大阪では、大阪大学感染症センターや企業等を訪れ、大阪大学での講演会に講師として参加されました。 長崎では、長崎大学での講演会に講師として参加されました。
横浜市 長浜ホール 横浜市 旧細菌検査室
福島県 野口英世記念館生家前 福島県知事から認証書授与
福島県 野口英世青春館 高校生との意見交換会
大阪大学講演会 長崎大学講演会
野口英世アフリカ賞基金のためのご寄付のお願い
本賞の賞金原資とするため、本賞の趣旨にご賛同いただける方々からのご寄付を募っています。皆さまからいただいた善意が、アフリカでの医学・医療の向上に尽力されている方々の活動のために使われます。(寄付は控除の対象になります。)これまで寄付をお寄せいただいた方々に厚く御礼申し上げます。
- 野口英世アフリカ賞基金への寄付実績(2007年~2025年8月時点までの累計)
655,984,604円 [個人2,157件、法人578件(計2,735件)]
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