野口英世アフリカ賞ニュースレター 第13号

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野口英世アフリカ賞シンポジウムを開催(於:ケニア)

    2016年8月27日、28日にケニアの首都ナイロビにて開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)に先駆け、2016年8月26日(金)に同じくナイロビにて野口英世アフリカ賞シンポジウムを開催しました。このシンポジウムは効果的な医学研究と医療活動のためには何が必要なのかを理解し、アフリカの人材育成分野における優先分野に対する共通認識を得ること、さらには将来に向けた効果的な取り組みを探求することを目指して開催されました。


(シンポジウム終了後に記念撮影に応じる登壇者)

    シンポジウムは世界保健機関(WHO)アフリカ地域事務局の協力のもと、日本政府の主催で開催され、日本、ガーナ及びケニアの保健担当大臣等、野口英世アフリカ賞の過去の受賞者である、ミリアム・ウェレ博士、ブライアン・グリーンウッド博士及びアレックス・コウティーノ博士、学識界、国際機関及び二国間・多国間援助機関に加え、アフリカの若手研究者ら総勢120名が参加して活発な議論が繰り広げられました。
 シンポジウムに先立ち、アレックス・コウティーノ博士及びブライアン・グリーンウッド博士が司会を務め、アフリカの若手研究者たちによるディスカッションが行われました。そこでの結果はシンポジウムの中で発表され、より豊かな議論へと貢献しました。

野口英世アフリカ賞シンポジウム


シンポジウムに先立ち行われたアフリカの若手研究者
と野口英世アフリカ賞受賞者等による
パラレルセッションの模様

シンポジウムの様子

オープニングセッション

黒川清野口英世アフリカ賞委員会委員長の写真

■開会の辞

黒川 清
野口英世アフリカ賞委員会委員長

シンポジウム開催に当たり尽力いただいたケニア共和国政府や世界保健機関(WHO)アフリカ地域事務局をはじめ、多くの研究機関への謝辞が述べられました

クレオパマイルケニア保健大臣代読:ニコラスムラグラ保健省次官の写真

■挨拶

クレオパ マイル
ケニア保健大臣
(代読:ニコラス ムラグラ保健省次官)

アフリカにおいてはじめて開催されたTICAD VIのサイドイベントである本シンポジウムの開催に対するお祝いと期待の言葉が述べられました

塩崎恭久厚生労働大臣の写真

■挨拶

塩崎 恭久
厚生労働大臣

本シンポジウムにおいてアフリカ大陸の保健向上に向けた明晰なるヴィジョンが形成されることへの期待が述べられました

マツヒディソモエティ世界保健機関アフリカ地域事務局長代読デランヨドブロWHO保健システム・サービス部長の写真

■挨拶

マツヒディソ モエティ
世界保健機関アフリカ地域事務局長
(代読:デランヨ ドブロWHO保健システム・サービス部長)

アフリカの将来に関する活発な議論を期待している旨の挨拶がなされました

ミリアム・ウェレ博士
(第1回野口英世アフリカ賞受賞者(医療活動分野))基調講演

ミリアム・ウェレ博士の基調講演中の写真

    持続可能な開発目標(SDG)の重要な要件の一つであるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を、アフリカにおいて達成するために、医学研究を通じて取組むべきことについて参加者に呼びかけました。ウェレ博士は、WHOの保健システムフレームワークが医療活動の改善のために必要であること、また全ての医療研究者に対し、アフリカにおけるUHC達成を目指すためには保健システムフレームワークの6つの基礎的要素を念頭に、常に自問自答すること-例えば、どんな研究を行ってきたか、研究による発見がどの程度活用されてきたか、さらに良くするためにはどのような研究が必要か、というようなこと-を忘れてはならないと言及しました。さらに、ウェレ博士はアフリカ発生の病原体や、医学研究に対する資金不足についても触れました。最後に、医学研究は何かすごく特別なことなのではなく、人々の日々の生活において必要不可欠な取組であり、医学研究を促進するための国際協調が世界中の人々の幸福のために重要であることを強調されました。

パネルディスカッション1:~アフリカの将来に向けた
医療サービスの質と被覆率の向上のために~

     最初のセッションは、アレックス・コウティーノ博士がモデレーターを務め、(1)UHC達成に着目しギャップや優先課題を特定すること、(2)UHC達成のためにカバーすべきターゲットに効果的にアプローチする方法を探究すること、(3)関係者間の協調の可能性について議論すること、そして(4)質の高い医療サービスを提供するための行動を喚起すること、を目指し、政府関係者、国際機関、民間機関及び学識界からの4名のパネリストが医療活動について議論しました。質疑応答のセッションでは、会場の参加者とパネリストが、エボラ出血熱が流行した際のシエラレオネにおける対応、黄熱病との闘い及びケニア政府によるUHC達成に向けた取り組みなど、これまでの経験や教訓を、アフリカにおける他の事象や他国の取り組みにどのように活用することができるのか、活発に意見交換がなされました。さらに、感染症の流行などの際の緊急支援だけでなく、ワクチン接種などの通常の医療サービスにおいても、医療に関わるテクノロジーや政府の関与に加え、ロジスティックスが大変重要であることが共有されました。

アレックス・コウティーノ博士の写真とパネルディスカッション1の様子

パネルディスカッション2:
~アフリカの医学研究の地位向上に根ざしたアフリカの将来~

    第2セッションは、ブライアン・グリーンウッド博士がモデレーターを務め、(1)アフリカにおける医学研究の打開に向けたギャップを特定すること、(2)アフリカの研究者に希望を与え、可能性を引き出す方策を模索すること、(3)若い世代の人材育成に向けた行動を呼びかけること、そして(4)地域間及び世界的パートナーシップとネットワーク作りを加速させること、を目的に議論が行われました。4名のアフリカの研究者がパネリストとして登壇し、資金調達が最も重要な課題の一つであることに加え、アフリカ内に教育システムやキャリア構築の機会を整備すること、十分な設備や医療資機材を備えることが、医療分野におけるアフリカの将来にとって重要であること等を中心に議論を行いました。

ブライアン・グリーンウッド博士の写真とパネルディスカッション2の様子

クロージングセッション

アレクサンダーセグベフィアガーナ保健大臣の写真

アレクサンダー セグベフィア
ガーナ保健大臣

野口英世博士を介したガーナと日本の友好関係について言及すると共に、シンポジウムにおける議論の総括及び感想を述べられました

逢沢一郎衆議院議員日本・アフリカ連合(AU)友好議員連盟会長の写真

逢沢 一郎 衆議院議員
日本・アフリカ連合(AU)友好議員連盟会長

アフリカの保健分野における将来に対する期待の声が寄せられました

 

野口英世アフリカ賞広報ビデオを政府インターネットテレビ 及び内閣府のウェブサイトに掲載しました

野口英世アフリカ賞広報ビデオのオープニング写真

野口英世博士の生涯を紹介するとともに、4人の受賞者の声をビデオにまとめ、政府インターネットテレビ及び内閣府野口英世アフリカ賞担当室のウェブサイトに掲載いたしました。これからも野口英世アフリカ賞をひとつのきっかけとして、広く国際社会による感染症等の疾病対策やアフリカに住む人々の保健と福祉向上への協力を求めてまいります。

  • 政府インターネットテレビ(動画)動画ページを別ウィンドウで開きます(※動画コンテンツは終了いたしました)
  • 野口英世アフリカ賞とは?(野口英世アフリカ賞担当室動画掲載ページ)(※動画コンテンツは終了いたしました)
 

野口英世アフリカ賞基金のための御寄付のお願い

本賞の賞金のために、本賞の趣旨にご賛同いただける方々から広く寄付を募っています。皆さまからいただいた善意が、アフリカにおける医学・医療の向上のため活躍されている方々の活動を支えるために使われます。(寄付は控除の対象になります。)

  • 野口英世アフリカ賞基金への寄附実績(2016年12月時点の累計)
    521,532,972円 [個人1,983件,法人332件(計2,315件)]
    うち、2016年実績 233,000円[個人13件、法人2件(計15件)]

これまで寄付をお寄せいただいた方々に厚く御礼申し上げます。

 

寄付方法のご案内

ご寄付は以下のウエブサイトからオンラインでお申込み頂け、クレジット・カード、コンビニ店舗端末、払込票(郵便局・銀行・コンビニ)、ペイジーでのお支払いが可能です。ご不明の点は下記フリーダイヤルまでお問合せください。

JICA(独立行政法人 国際協力機構)国内事業部 市民参加推進課 寄付金担当
フリーダイヤル:0800‐100‐5931
FAX番号:03‐5226‐6377
 

2017年4月に事務所を移転します

  • 移転先
    〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-39   電話番号 03-5501-1774
 

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