野口英世アフリカ賞ニュースレター 第12号

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第2回野口英世アフリカ賞受賞者 アレックス・G・コウティーノ博士来日


右からマクグリン国際エイズワクチン推進構想代表、松山内閣府事務次官、コウティーノ博士、国際エイズワクチン推進構想プログラム調整員渡辺さん

     
コウティーノ博士、松山内閣府事務次官対談の様子

   2015年4月15日午前、世界健康サミット京都会議に出席のため来日した第2回野口英世アフリカ賞受賞者のアレックス・G・コウティーノ博士が、松山内閣府事務次官を表敬訪問しました。
コウティーノ博士は、国際エイズワクチン推進構想(IAVI)理事長としてエイズワクチンの研究開発に積極的に関与するなどエイズの予防、対策に携わるとともに、昨年来の西アフリカ地域のエボラ対策ではナイジェリアにおいてエボラ対策従事者の育成に携わっている旨述べました。これに対し、松山次官より、野口英世アフリカ賞受賞後も、エイズワクチン開発を始め、エボラ対策、妊産婦の健康等多面的に活躍されていることに敬意を表する旨発言しました。

 

第9回母子手帳国際会議が開催されました

   2015年9月15日~17日、カメルーンにおいて開催された第9回母子手帳国際会議の一セッションとして、9月15日午後6時から約1時間程度、「野口英世アフリカ賞」シンポジウムが開催されました。同シンポジウムには、約20カ国の海外からの参加者およびカメルーン保健省関係者など約200名以上の参加がありました。

1.  冒頭、原田内閣府野口英世アフリカ賞担当室長から、スライドを活用して、同賞の創設の経緯や目的、これまでの受賞者の紹介及び野口博士についての説明を行いました。


講演中の原田内閣府野口英世アフリカ賞担当室長

その後、近藤国際協力機構(JICA)人間開発部主任調査役及び小松国際母子手帳委員会事務局職員の協力を得て、野口博士の生涯を説明した紙芝居を実施しました。


「野口博士の生涯について」紙芝居を行う近藤JICA人間開発部主任調査役(写真右)
小松国際母子手帳委員会事務局職員(写真左)

 

2.  続いて、第1回同賞医療活動部門受賞者のミリアム・ウェレ博士が「野口英世アフリカ賞がアフリカにとって如何に重要か」とのテーマで、基調講演を行いました。

(1)アフリカにとって如何に野口英世アフリカ賞が重要であるかについては、大きく次の3点が挙げられます。
(ア)同賞は健康、医療の向上を通じてアフリカの抱える課題に取り組み、そして解決に向けた行動の必要性を指摘していること。
(イ)同賞の目的に謳われているように、状況の改善がアフリカのみならず全人類にとっても重要なことを訴えていること。
(ウ)同賞は、医学研究分野と医療活動分野をともに授賞対象分野としており、この2つの分野が手を携えて行動することによって、はじめて医療事情の改善が達成できるとの重要な点を強調していること、です。


ウェレ博士の講演

(2)また、同賞を一層定着させ、認知度を高めるとの観点から、日本政府が各国JICAを通じて、例えば「野口英世プロジェクト」と銘打って、
(ア)大学等の基礎医療研究の人材育成を図ること。
(イ)草の根レベルの地域医療サービス向上のためのプロジェクトを実施することを提言したい。
 

3.  最後に、杉下JICA国際協力専門員より「野口博士の精神:母子手帳と地球の将来」と題してスピーチを行いました。


杉下JICA国際協力専門員によるスピーチ

  野口博士の母は、45歳にして地域助産師として国家資格を得て、生涯に2000例以上の出産を介助した人と言われています。彼女が、野口博士に宛てた手紙は、子に対する愛情に満ちており、母に会うために15年ぶり帰国を決心させたと言われています。母子手帳の優れたところは、母と子の愛情に満ちた記録であり、人々と母子保健サービスを信頼の絆を紡いで、安心して出産、子育てができる環境を創造できることです。この精神は、野口博士と母の手紙に込められた人類愛に満ちたコミュニケーションと同じものです。昨今のエボラ災禍によって明らかになったことは、アフリカの多くの国々で、人々の保健サービスに対する信頼が損なわれているという厳しい現実でした。今こそ、野口英世博士の母の手紙の精神を思い起こし、母子手帳の普及による保健システムの信頼の絆を取り戻すことで、豊かな未来を創造していくことが求められていると思われます。

 

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  • 野口英世アフリカ賞基金への寄附実績(2015年11月時点の累計)
    521,299,972 円[個人1,970件、法人330件(計2,300件)]

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