城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年12月19日

(令和7年12月19日(金) 17:17~17:41  於:中央合同庁舎8号館1階108会見室)

1.発言要旨

 本日、冒頭私からは2点ご報告申し上げます。
 まず1点目、「月例経済報告等に関する関係閣僚会議」の概要を報告いたします。
 経済の基調判断につきましては、「景気は米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの、緩やかに回復している」と先月から判断を維持しております。先行きにつきましても、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されます。ただし、米国の通商政策の影響や物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響等のリスクについても、引き続き注意深く見てまいりたいと考えております。
 続きまして、本日の会議で私から説明した「今月のポイント」についてご紹介いたします。企業の設備投資は金額ベース、すなわち名目値では着実に増加しておりますが、物価上昇を調整した実質値で見ますと、その伸びは緩やかになっております。特に直近の7-9月期には年前半の高い伸びの反動もあり、機械設備を中心に実質前期比マイナスとなりました。今後の、特に実質値で見た設備投資の動向に注視が必要と考えております。
 しかしながら、企業の設備投資意欲について複数の調査で確認いたしますと、2025年度の設備投資計画は11月又は12月になっても弱まることなく堅調を保っております。7-9月期に一旦鈍化した設備投資ではありますが、基調として持ち直しの動きは崩れていないと考えております。その上で、我が国の課題は、長期にわたって官民合わせた一国全体の投資の伸びが他の先進国よりも低いことであります。これが我が国経済の潜在成長率の低さの一因となっておりますので、日本全体として危機管理投資及び成長投資など、官民を挙げた投資促進策が重要になると考えております。
 このほか、会議の詳細につきましては、後ほどこの記者会見の後に事務方からより詳しく説明させていただきます。
 2点目、本日午前に開かれました日本銀行の金融政策決定会合に、前回に続き出席いたしました。既に日本銀行からも公表されていると承知しておりますが、金融市場調節方針として、政策金利(無担保コールレートオーバーナイト物)を0.75%程度に引き上げることが決定されました。今回の政策金利の引上げは、日本銀行において2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断されたものと承知しております。
 私としても、こうした判断を尊重しておりますが、同時に経済財政運営において米国の通商政策の影響、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響、金融資本市場の変動等の影響など、景気の先行きには十分な注視が必要な点があると考えております。今後の「強い経済成長」と「安定的な物価上昇」の両立の実現に向けて、引き続き適切な金融政策運営が行われることが非常に重要だと考えております。その点を踏まえまして、日本銀行には今回の政策変更の趣旨を対外的に丁寧に説明いただきたいと考えております。
 いずれにしましても、日本銀行には、引き続き日本銀行法第4条及び政府・日本銀行の共同声明の趣旨に沿って政府と緊密に連携し、十分な意思疎通を図りながら、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて柔軟かつ適切な金融政策運営を行うことを期待しております。

2.質疑応答

(問)冒頭でもご説明がありました金融政策について2点伺います。
 1点目は、今受止めもありましたけれども、改めてこれまで大臣は「強い経済成長と物価の安定の両立に向けた適切な金融政策が非常に重要」と述べられておりますけれども、今回の決定はそれにも資すると考えているのかを伺いたいです。
 2点目は、今回植田総裁の会見でマーケット関係者が注目した一つが中立金利でした。ここについては「必要に応じて、あるいは機会があれば再推計を試みたい」という発言がありました。今の推計値は下限が1%ですので、再推計となりますと今後の追加利上げを検討するということの判断にも重要になってくると思いますけれども、大臣としてこの再推計の進め方をどのように考えているのか、この2点を伺えたらと思います。
(答)まず、前半の1点目について、今回の政策金利の引上げは、日本銀行におきまして2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断されたものと承知しております。
 私としても、こうした判断を尊重しておりますが、同時に、これも繰り返しになりますが、経済財政運営において米国の通商政策の影響、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響、金融資本市場の変動等の影響など、景気の先行きには十分な注視が必要な点があると考えており、また、今後の「強い経済成長」と「安定的な物価上昇」の両立の実現に向けて、引き続き適切な金融政策が行われることが非常に重要だと考えております。
 その点を踏まえまして、日本銀行には、やはり今回の政策変更の趣旨を対外的に丁寧に説明していただきたいと考えております。
 いずれにしましても、日本銀行には、引き続き日本銀行法第4条及び政府・日本銀行の共同声明の趣旨にのっとって、政府と緊密に連携して、十分な意思疎通を図りながら、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて適切な金融政策運営を行うことを期待するものであります。
 中立金利についてお尋ねがございましたが、植田総裁の記者会見の発言についてこの場で逐一コメントすることは差し控えたいと思います。その上で申し上げると、中立金利の水準については推計方法や前提となるデータによって推計結果が大きく異なるため、相当な幅をもって見る必要があるものと承知しております。政府といたしましては、金利の動向をはじめ幅広いデータを参照しながら金融資本市場の動きについては引き続き十分に注視してまいりたいと考えております。
(問)3点お願いします。1点目が、今日の会合で城内大臣はどのような発言をされたのか、可能な限り内容を教えてください。
 2点目が、政策金利0.75%は、まだ緩和的という日銀の説明がありましたけれども、そのように大臣もお考えなのか、0.75%への利上げが家計や企業に与える影響をお伺いします。
 3点目に、先ほどおっしゃっていた金融資本市場の変動等の影響なども今後注視してほしいというような発言が先ほどありましたが、具体的にどういった金融資本市場の変動のことを指しているのか、もう少し教えていただきたいと思います。
(答)まず、1点目です。今回会合になぜ出席したかという主旨と承知しますが、日程の都合がつきましたので、私自身今回も出席いたしました。なお、金融政策決定会合の模様についてのお尋ねではありますが、これは私の発言を含めて一定のルールがあって、日本銀行におけるルールに沿って公表されるものと承知しており、私からこの記者会見の場でどのような発言をしたかについてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 そして、2点目の、緩和的と考えるのかどうかについて、今回の政策金利の引上げにつきましては、日本銀行において2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断されたものと承知しておりまして、私としてもこうした判断を尊重しておりますが、日本銀行には今回の政策変更の趣旨をやはり対外的に丁寧に説明していただきたいと考えております。
 3点目の、金融資本市場の変動等の影響ということでありますが、政府としましては、金利の動向をはじめ幅広いデータを参照しながら金融資本市場の動向について、これも繰り返しになりますが、引き続き十分に注視していく、そういう趣旨で発言いたしました。
(問)市場の動きが景気に与える影響について特に懸念している点などがあるということでしょうか。
(答)先ほど申し上げたとおりでございます。一般論で申し上げますと、当然金利が上昇すれば負債の利払いが増えると同時に資産の利子受け取りが増えます。我が国の家計は全体として預貯金を保有している方も多くいらっしゃいますし、持っていらっしゃらない方もいますけれども、そういう預貯金を保有している方からすると、利子受け取りが増えると見られますが、また反対側から見ると、住宅ローンを抱えていらっしゃる家計につきましては、これは当然時間を経て負担が増えるものというふうに見ております。
 また、企業においてはどういう影響があるかというと、これも一般論として申し上げますと、こうした財産所得の増減に加えまして、投資にかかる資本コスト、これが当然上昇してかかってくるということだと思います。
 あくまでも一般論ですが、金利上昇がこうした様々な経路から景気にいろいろな影響を与えるものと考えておりまして、内閣府としては金利の動向が実体経済に与える様々な影響についても引き続き丁寧に確認していくということに尽きるかと思います。
(問)私も3点お願いします。1点目、先ほどから日銀の今回の決定を尊重しますがと、「が」というところにアクセントをつけられているように聞こえるのですけれども、尊重する反面で、やはり何がしか強調されておられる、意思疎通であるとか政策の連携という面で、現状まだ満足できない面があるとお考えなのか、その点についてお伺いします。
(答)先ほど、確かに私は「判断を尊重しているが」と申しましたが、その反面、やはりこれも重要なのは、経済財政運営において様々な状況をしっかり注視することでありまして、我々も当然経済財政運営において米国の通商政策の影響、あるいは物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響、金融資本市場の変動等の影響、これらはやはり景気の先行きに十分な注視が必要な点があると考えておりますので、その点については、やはりしっかり引き続き日本銀行にも注視してほしいという趣旨で申し上げたのでありまして、それ以上でもそれ以下でもないとご理解いただければと思います。
 いずれにしましても、私どもとしては、やはり今後の「強い経済成長」、そして「安定的な物価上昇」、この両立の実現に向けて引き続き柔軟かつ適切な金融政策の運営が行われることを強く期待しておりますので、今回の政策変更の趣旨、これはやはり対外的に丁寧に説明していただきたいと考えており、先ほど申し上げたとおりでございます。
(問)景気の先行きについて日銀の見方がやや楽観に過ぎるという趣旨なのでしょうか。
(答)そういう趣旨で申し上げているわけではなく、やはり今後も、景気というのは日々いろいろなアメリカを含む海外の要因を含め、いろいろ経済の動向で日々変わってまいりますので、そういったことは我々も注視しますし、当然していると思いますけれども、日本銀行も引き続き注視していただきたいと、そういう趣旨であります。
(問)2点目、中立金利についてですけれども、政府、内閣府として推計するというようなお考えはおありでしょうか。あるいは、現状既に何がしか推計されているものがあるのでしょうか。
(答)そういう話を聞いたことはございませんし、今事務方に確認しましたら、現時点でそのような中立金利を内閣府のほうで推計するということは予定していないということであります。
(問)3点目、景気判断のほうに戻りますけれども、今回の月例では特に言及されていないと思いますが、インバウンド需要に関して、中国の渡航自粛の呼びかけ等があって、懸念する人、しない人いろいろあると思うのですが、その辺が今後の景気、日本経済に与える影響についてはどのようにご覧になっているでしょうか。
(答)ご指摘の点ですが、政府としては、やはり中国との間で双方の努力によって課題と懸案を減らし、理解と協力を増やしていく方針、これに変わりはございません。いずれにしましても、中国側の一連の措置による影響を含めて、今後引き続き状況を注視していくということでございます。
(問)今後、日本銀行に求める政策、政府としてどういった意見交換の方法を求めたいのかというところをまずお伺いできればと思います。
(答)日銀にどのような政策、意見交換を求めるかですが、金融政策の具体的な手法については、日本銀行に委ねられるべきと考えており、この点について政府としてこの場でコメントすることは差し控えたいと思いますが、今後の「強い経済成長」と「安定的な物価上昇」の両立の実現に向けて、適切かつ柔軟な金融政策運営が行われることが非常に重要だと認識しております。そのためにも、引き続き経済物価動向について日本銀行との間で様々なレベルでもしっかりと意思疎通を図っていきたいと考えております。また、日本銀行には、引き続き日本銀行法第4条及び政府・日本銀行のアコード(共同声明)、その趣旨にのっとった形で政府と緊密に連携し、十分な意思疎通を図りながら2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて、適切かつ柔軟な金融政策運営を行うことを日本銀行に期待しております。
(問)日銀の利上げによって、民間の設備投資などへの影響を懸念する声もあるのですが、官民の投資を加速させる成長戦略など、政府の政策に与える影響についてお伺いできればと思います。
(答)利上げが民間の設備投資に与える影響については今後十分に注視していく必要があると考えています。なお、先月21日に閣議決定いたしました総合経済対策ですが、危機管理投資・成長投資による強い経済の実現のため、複数年度の予算措置を講ずることとしておりますので、足元で必要な政策を果断に実施するための各戦略分野についての投資促進策を盛り込んだところであります。
 いずれにしましても、「責任ある積極財政」の下での投資支援策、これは民間企業への投資を強力に引き出す形で戦略を進めていきますので、その上で来年夏の成長戦略の取りまとめに向けて、各戦略分野の投資促進策について具体的な検討を日本成長戦略担当大臣としてこれから進めていく考えであります。
(問)今月にはFRB(連邦準備制度理事会)が利下げをし、そして本日日銀が利上げを決定しました。日米の金利差は縮小しているにもかかわらず、いまだ円安の水準というのは変わらない状況にあります。この状況について大臣はどのようにお考えか、また取り組まれている物価対策にもどう影響するかについてお伺いします。
(答)いろいろな要因があるかと思いますので、この場で個人的な見解などを申し上げるのは差し控えたいと思いますが、一般論で言いますと、為替は当然内外の金利差、経常収支の動向など、また長期金利は期待成長率や期待インフレ率、リスクプレミアムなど様々な要因により市場において決まるものであり、その日々の動きや動向について、私の立場から個人的なコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにしましても、為替相場はファンダメンタルズを反映して、安定的に推移することが重要であると考えておりますので、政府といたしましては、為替市場を含め市場の動き、これを高い緊張感を持って引き続きしっかりと注視していく考えであります。また、長期金利など金融資本市場の動きについては、やはり同じく経済への影響を含めて十分に注視していく必要がありますので、それをしっかり行ってまいります。
(問)今の為替市場の関連で、先ほどの植田総裁の会見の中で、今回複数の政策委員が円安が進むことによる物価の上振れについて言及したという話があって、今回大臣がどのようなコメントをしたかというのを差し控えるのは承知しているのですけれども、改めて円安が進むことでの国内の物価が上がるということについて、どういうふうな見識を持っているのかという見方を伺えればと思います。
(答)今お答えしたとおり、為替については内外の金利差、経常収支の動向、あるいは長期金利の期待成長率や期待インフレ率、リスクプレミアム、様々な要因によって決まるものだというふうに理解しておりますので、私がこの場でご質問の点についてお答えすることは差し控えたいと思います。

(以上)