城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年11月18日

(令和7年11月18日(火) 9:30~9:44  於:中央合同庁舎8号館1階108会見室)

1.発言要旨

 本日は私より冒頭3点、ご報告したいと思います。
 まず1点目ですが、人口戦略本部の設置についてであります。本日の閣議におきまして、人口戦略本部の設置を決定するとともに、閣議終了後、第1回本部を開催いたしました。
 人口戦略本部では、総理から各閣僚に対しまして、我が国最大の問題は人口減少であるとの認識に立って、若者や女性を含む誰もが自ら選んだ地域で住み続けられる社会を実現するため、少子化対策の推進、安心して働き暮らせる地方の生活環境の創生など、人口減少対策の総合的な推進に向けて取組を進めるようご指示がございました。
 全世代型社会保障改革担当大臣である私としては、本部の総括を行い、関係閣僚と連携して給付と負担の在り方の見直しを含めた社会保障改革を進めるとのご指示を受け、今後、必要な取組を進めてまいります。
 2点目ですが、新型インフルエンザ政府対策本部会合の訓練についてであります。
 本日は、感染症危機管理に関しまして、感染症危機管理対応訓練として一連の政府訓練を実施しています。今年の訓練は、新型インフルエンザが海外で発生したことを受け、政府対策本部を設置し、基本的対処方針を定め、その後、政府の対応方針等を都道府県に迅速に共有する場面を想定するものであります。
 先ほど新型インフルエンザ政府対策本部会合訓練を実施したところであります。本日の訓練は、高市政権の下では初めてとなるものであり、政府一丸となった感染症危機への初動対応について確認を行いました。
 総理からは、内閣感染症危機管理統括庁を中心として、平時からの備えに万全を期してほしいとのご指示をいただきました。
 また本日15時からは、47都道府県と私との間で、6名の知事にもご参加いただきながら情報共有を行う緊急連絡会議訓練、これを報道関係者の皆様にもオープンの形で実施いたします。
 引き続き訓練の更なる充実を図り、次の感染症危機への備えに万全を期してまいります。詳細については、この後、事務方からご説明をさせていただきます。
 3つ目は、7-9月期1次QEであります。また、それに関連してJapan Dashboardについてのご報告であります。
 昨日17日(月)ですが、2025年7-9月期のGDP1次速報値が公表されました。実質成長率は全期費マイナス0.4%と6四半期ぶりにマイナスとなりましたが、個人消費は6四半期連続のプラス、設備投資は4四半期連続のプラスとなっており、景気が穏やかに回復しているとの認識に変化はございません。これを受けての私の談話につきましては、昨日お配りしたお手元の資料のとおりであります。
 併せて、GDPの結果をより使いやすく図表形式で見える化したホームページをデジタル庁と共に作成し、冒頭申しましたJapan Dashboardという形で公開いたしました。皆様方におかれましても、このJapan Dashboardを是非ご活用いただければ幸いでございます。
 以上、私からの冒頭3点のご報告であります。

2.質疑応答

(問)最後に触れられましたけれども、7-9月期の1次QEが6四半期ぶりのマイナスになったということを受けて、これからおそらく与野党双方で経済対策の規模の積み増し、あるいは歳出拡大を求める声が強まるのではないかと思われます。
 先だって片山大臣は対策の規模として、税財源合わせて17兆円より大きくなると明言しましたが、大臣におかれましては今回の1次QEの結果、このところの外国為替市場の動向も踏まえて、対策の規模としてどのぐらい必要であるというふうにお考えでしょうか。
(答)先日の片山財務大臣のご発言等については承知しております。
 他方で、経済対策の規模でありますけれども、今後、必要な施策を一つ一つ精査して積み上げていくことによって、最終的に決まるものと考えております。したがいまして、その規模について予断を持って言及することは差し控えたいと考えております。
 いずれにしましても、経済対策の取りまとめを私が大臣として担当いたしますが、関係省庁、そして与党と十分に連携いたしまして、そしてまた、党派を超えた議論も踏まえて、高市総理からご指示のありました3つの柱にふさわしい効果的な施策を盛り込んだ経済対策について、速やかに取りまとめていく考えであります。
(問)関連ですけれども、先般の経済財政諮問会議で、若田部さん、永濱さんから規模についてのご発言があると同時に、その場合、多分マクロ的なという意味でだと思うのですけれども、若田部先生はインフレ率への影響の試算が必須であるとおっしゃっていたと思います。今積み上げとおっしゃいましたけれども、やはりマクロ的な経済効果を見るというのが、ここの官庁のお仕事であるようにも思うので、そういう意味でいうと、マクロ的な影響、インフレ率を含めて、規模感との兼ね合いでどのようにお考えでしょうか。それが足元のまだ緩やかに景気回復しているという認識の下で、どういうふうにお考えかというあたりをお聞かせください。
(答)11月12日に開催されました経済財政諮問会議におきまして、民間議員の若田部先生、永濱先生から、経済対策のインフレに及ぼす影響試算、これが重要であるというご指摘がございました。
 政府としても、各種政策が物価や経済動向に与える効果を当然分析していくこと、これは極めて重要だと思っておりまして、様々な機会を捉えましてそうした効果を説明できるよう、しっかりと検討してまいる考えであります。
(問)今回の経済対策の策定に当たっては必ずしもやらないということでしょうか。
(答)これからやりますので、今これを検討中であります。昨年もお示ししており、昨年同様の形になるか、何らかの形でお示しするというふうに理解しております。
(問)先ほどの質問でもございましたが、この経済対策の規模が報じられたことで、為替市場では円安、それから債券市場では長期金利の上昇ということが起きております。経済対策の規模が膨らむことで、財政収支悪化の不安がマーケットにもあるかと思いますが、これに対してどう対処されていくお考えかお聞かせください。
(答)長期金利、これは様々な要因によって、マーケット、市場において決まるものでありまして、私の立場でこの場でコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにしましても、長期金利の動向をはじめ、金融資本市場の動きについては、引き続き十分に注視してまいる考えであります。
(問)別件ですけれども、昨今の中国問題です。昨日とかインバウンドに影響するのではないかという中国側の動き、これの日本のマクロ経済への影響があるかないかを含め、今お話しできる範囲でお願いします。
 与党の先生の話を聞いていますと、香港の人とかは別に習近平の言うことを聞かないで日本に来てくれるから関係ないという方もいらっしゃいました。一方、中国本土の方は、日本の地方を、京都・奈良ではなくて全国を回る方が非常に増えているので、地方創生の観点で激甚なインパクトがあるかもという意見もあります。
(答)ご指摘の点につきましては、木原官房長官が昨日の記者会見で申し上げましたとおり、2国間の人的交流、これを萎縮させるかのような今回の発表につきましては、日中首脳間で確認いたしました戦略的互恵関係の推進、あるいは建設的かつ安定的な関係の構築といった大きな方向性に相いれないものと考えております。
 政府としては中国側に申入れを行い、適切な対応を強く求めているところでありますが、中国側の一連の措置によるマクロ経済に対する影響を含めて、現時点ではどういう影響が出るかということはまだ申し上げる段階にないと思いますが、引き続き状況を注視してまいる考えであります。
(問)大臣は前任が科学技術担当大臣で、初代のAI担当大臣だったわけですけれども、やはり民間投資でAIとかソフトウエアとか、これが結構好調でございます。それで、もともと官民で日本はAIへの投資が少ないですけれども、やはり次の経済対策は城内先生の色も出た、そういうような、特にAIを含めました、ソフトウエアを含めました、ただかさ上げだけではなくて、中身についてどういうふうにお考えになるのか、ここを伺いたいです。
(答)私は前職で9月にAI戦略担当大臣に就任しまして、また今年、AI法案が通りましたが、この中身についてはまさに日本が最もAIを利活用できる国にして、そういう下でしっかりと様々な活用を促すものです。例えば先ほど冒頭申しましたように、人口戦略、人口減少の中で、AIを一つのいわば答えとして使っていくのかということも重要であります。
 また、強調したいことがございまして、東大の松尾教授などが日本の経済協力の一環として、例えばアフリカなどの開発途上国に、このAIについて日本が支援をもっと進めるべきだというご指摘もあります。そうした観点から、現時点でどういう状況になっているか分かりませんが、外務省、外務大臣を通じて、全世界の我がほう、大使館、総領事館、領事館、あるいは代表部といった高官に対しましてAIの担当官をしっかり決めて、高官内のAIの推進だけではなくて、特に開発途上国についてはAIのセミナーを、例えば松尾先生がアフリカのA国、B国、C国を回って、AIの活用方法についてしっかりと経済協力の一環として支援するというようなことも指示したところであります。
 いずれにしましても、このAIの分野については非常に裾野も広いので、ただ単に額を積み上げていくというのではなくて、やはりしっかり戦略分野として効果のある形でこのAI、そして半導体もそうですけれども、取り組んでまいる考えであります。

(以上)