城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年11月11日
(令和7年11月11日(火) 9:39~9:49 於:中央合同庁舎8号館1階108会見室)
1.発言要旨
冒頭1点ご報告ですが、本日、第2回給与関係閣僚会議に出席いたしました。この会議では、過去30年間で最大のベースアップ率となった令和7年人事院勧告を踏まえ、公務員の給与改定に関する取扱いについて議論がございました。私から、本年の人事院勧告は、民間企業における賃上げの動きと整合的なものであり、実質賃金の継続的上昇の定着に寄与することを通じ、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」の実現に資するものと申し上げた上で、人事院勧告の趣旨を尊重するとの基本的立場も踏まえると、勧告どおり給与改定を実施する方針を決定することが適切である旨、申し上げました。
また、物価上昇を上回る賃上げのために、賃上げできる環境を整えることが政府の役割であります。そのため、関連する施策を総動員し、賃上げに取り組む中小企業・小規模事業者の皆様を強力に後押ししてまいる考えであります。
2.質疑応答
- (問)大臣は近々、経済財政諮問会議を開催したい考えを発言されていますが、次回の会議で想定される議題や、昨日の成長戦略会議を受けて新たに議論に加わるような事柄がありましたら、教えていただけたらと思います。
- (答)ご指摘のとおり、経済財政諮問会議を近く開催する予定であるというふうに申し上げたことはそのとおりであります。
お尋ねのございました経済財政諮問会議の議題について言いますと、現在調整中であります。後ほど事務方による事前ブリーフィングを予定しておりますので、詳細についてはそちらでお聞きいただければ幸いでございます。 - (問)財政規律についてお伺いします。昨日、高市首相がプライマリーバランスの見直しについて来年1月にも指示すると発言されました。大臣としてどのように見直しを進めていかれて、新たに財政健全化目標を示す必要があるとお考えか、また、その場合はいつ頃どのような指標を示されるのが適切と考えられるか教えてください。
- (答)現在のプライマリーバランス黒字化目標につきましては、高市総理から国会の場におきまして、中期的に債務残高対GDP比の引下げを安定的に実現する中で、必要に応じてプライマリーバランス(PB)の目標年度についても再確認を行うと。そして、その中で、単年度ごとのプライマリーバランス黒字化目標の達成状況を見ていく方針を、数年単位でバランスを確認する方向に見直すというような方針を示されたと認識しております。
他方で、今後のスケジュールにつきましては、昨日の国会におきまして、高市総理が今後の予算編成ですとか中長期試算の状況を見極めながら、来年の骨太方針に向けてより明確化していきたいとご発言しているとおりであります。
いずれにしましても今後の対応につきましては、高市総理とよく相談しながら進めてまいる考えであります。 - (問)今の質問に関連してプライマリーバランスの件ですが、今年度、高市首相は、現時点では6月策定の骨太の方針を変えているわけではないというような趣旨の発言をされているかと思いますし、今の再確認を行うというのは、今の骨太にも書かれていることだと思います。
これから策定される経済対策に伴う補正予算、あるいは令和8年度予算に関連して、この予算編成に当たっては、現状の骨太の方針に沿って編成するということなのか、それとも補正や来年度の予算についても複数年度で確認するという、次の方針で考えるのか、その辺はいかがお考えでしょうか。 - (答)今年の骨太方針、これは閣議決定で出された中身でありますので、それをしっかり念頭に置きながら、国会での高市総理の発言がございますけれども、しっかり補正、そして来年度の当初予算を編成していくということだというふうに私は理解しております。
ここで何か目標を捨てたとかほごにしたということではなく、繰り返しになりますけれども、閣議決定を経た骨太の方針をしっかり踏まえた上で、予算編成がなされるものというふうに認識しております。 - (問)今の質問の延長線上ですけれども、高市総理のPB目標の見直しにしろ、あと、城内先生の発信されている日銀との付き合い方という、会田さんから見るとデュアルマンデートに見えるという解説があって、両方、金融市場では単純に見て円安要因とされているのですけれども、円安は結構物価高を助長する面もあると思います。高市政権は、円安はあまり気になさらないのか、それとも日本経済が非常に強くなってまた円高になるので、それを待てばいいということなのか、マクロ政策による円安効果をどうご覧になっていますか。
- (答)ご案内のとおり、今の消費者物価は食料品価格を主因として3%近い上昇率が続いておりまして、こうした物価高の継続が消費などの下押し要因になっているというふうに認識しております。具体的には、しっかり分析しなければいけないですけれども、お米の価格とか、あるいは海外からの輸入に相当程度依存しているコーヒーとかカカオ豆、そういった物が高くなっているというふうに伺っております。繰り返しになりますけれども、こうした物価高の継続が消費などの下押し要因になっているというふうに認識しております。
円安につきましては、これも輸入物価の上昇等を通じて、確かに消費者物価を押し上げる可能性があることから、今後の動向を注視していく必要はあると思いますが、他方で、足元の輸入物価を円ベースで見ますと、8か月連続でマイナスで推移しているという事実もございます。いずれにしても、今後の動向をしっかり注視してまいりたいと思います。
それらを踏まえまして、足元の物価高に対しては、私が中心となって取りまとめる総合経済対策におきまして、いわゆるガソリン税、軽油引取税の暫定税率の廃止、寒さの厳しい厳冬間の電気・ガス料金の支援、そして地域のニーズにきめ細かく対応し、子育て世帯や食料品価格高騰への支援などに用いることも可能である物価対応型の重点支援地方創生臨時交付金、いわゆる重点支援地方交付金の拡充、こういったことなどを施策にしっかり盛り込むこととなっております。
こうしたことを通じまして、国民各層の皆様に、体感温度として経済の回復、成長の果実をしっかり実感していただけるよう取り組んでまいる考えでございます。
いずれにしましても、物価上昇率を上回る賃金上昇、これも持続的となるまで取り組んでいくことも重要だと考えております。
(以上)