城内内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年10月22日
(令和7年10月22日(水) 11:00~11:41 於:中央合同庁舎8号館1階108会見室)
1.発言要旨
このたび日本成長戦略担当、賃上げ環境整備担当、スタートアップ担当、全世代型社会保障改革担当、感染症危機管理担当を拝命いたしまして、併せて内閣府特命担当大臣といたしまして、経済財政政策、規制改革を担当することになりました城内実でございます。前職が経済安全保障、科学技術政策、宇宙政策を担当する内閣府特命担当大臣でありましたので、よもや10階から11階に横滑りするとは思いませんで、それだったら少し荷物を残しておけばよかったなと思いましたが、また再度運ばなければならないということであります。
まず、経済財政政策につきましては、我が国経済は緩やかに回復しておりまして、一方で、米国の通商政策や物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響など、我が国の景気を下押しするリスクに注意が必要であります。
そうした中にありまして、未来の不安を希望に変えるため、国民の暮らしを守り、強い日本経済を取り戻すことが私の責務であると考えており、強い経済成長をまず実現し、成長の果実を国民の皆様にしっかりと届けることが重要であり、それに向けて取り組んでまいります。
また、やはり統計上の数字、指標、これももちろん大事ではありますけれども、何といっても国民各層の皆様がしっかりと景気回復を実感し、体感温度というのがあると思いますので、まだ冷えているではないかというようなことではよろしくないと思いますので、その点しっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
そして、日本成長戦略、賃上げ環境整備、スタートアップにつきましては、高市早苗総理から、我が国が直面する社会課題を解決するとともに、先端産業を開花させるための経済成長戦略、これを通じて日本経済の力強い成長を実現するようご指示をいただいたところであります。強い日本経済をつくり上げることをまずは目指し、関係大臣とも協力し、経済安全保障、食料安全保障、エネルギー安全保障等の危機管理投資など、力強い成長を実現するための日本成長戦略を立案・実行してまいります。
そのため、付加価値を高める労働への転換、リスキリングやデジタル技術の活用を後押しし、より少ない労働時間でより多くの賃金を得ることができる「稼げる日本」、これへの変革に努めてまいります。
また、賃上げを持続可能な流れとするためには、やはり中小企業の価格転嫁支援、あるいは人材投資を後押しするとともに、スタートアップや成長産業への大胆な投資で新たな成長の芽を育てていくことが必要だと考えております。景気が十分に強い状況が中小企業の賃上げには当然必要でありますので、官民がしっかりと連携いたしまして、強い経済成長を実現してまいる考えであります。
次に、規制改革でございますが、当然、規制改革というのは単なる効率至上主義、あるいは市場原理をして何でも自由にすればいいということではないというふうに考えております。もちろん人口減少、そして少子高齢化等の社会経済の重要な課題をしっかり克服し、国民生活の利便性を高め、地域の活力と民間の投資を引き出すための、そうした取組でなければならないと考えております。
規制改革推進会議がございますけれども、大変立派な方々にしっかりした議論をしていただいておりますので、そうした議論を通じまして、利用者、生活者の目線を大切にした上で、これまでの改革事項の具体化、そして前倒し、深掘りを含め、国民生活に密着し、社会経済的に重要性が高い分野につきましては、民間の投資もやはりしっかり引き出して、デジタル・AIなどのテクノロジーの社会実装や、繰り返しになりますけれども、利用者目線の改革を徹底してまいる考えであります。
そして、全世代型社会保障の構築ですが、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心となっている構造をしっかりと見直し、全ての世代で能力に応じて負担し支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適時・適切に提供される全世代型社会保障を構築し、次世代に引き継いでいくための取組を、政府として着実に進めてまいります。
いずれにしましても、強い経済成長によって社会保障制度を持続的、持続可能なものにしていきたいと考えております。
次に、感染症危機管理についてですが、感染症の発生及びまん延の初期段階から、迅速かつ的確な措置を講ずるための司令塔として、関係大臣ともしっかりと連携し、協力し、平時・有事一貫してしっかりと対応してまいります。
そして、具体的には昨年7月に全面改定されました新型インフルエンザ等対策政府行動計画、これを踏まえた取組状況の確実なフォローアップ、これを行いまして、より実効性のある訓練の実施、国民に向けた情報発信の強化など、平時からの備えの充実に努め、次なる感染症危機への対応に万全を期してまいります。
最後に関税ですが、米国の関税措置に関する対応につきましては、私自身は関係大臣としっかり協力して、日米間の合意の進捗管理、そして関税措置による国内産業への影響、これを踏まえた必要な支援に関する総合調整を担当することとなっております。
日米間の合意により関税は引き下げられ、経済主体の予見可能性は高まったものの、引き続き関税は残っていくことから、我が国経済に対する影響をよく把握・分析し、中小企業者等の資金繰り支援等に万全を期してまいります。
CPTPP協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)でありますが、モノ・サービス、投資の自由化に関する規律や知財、電子商取引、金融等、幅広い分野をカバーする高い水準のルールを世界に広めていく意義を有しております経済連携協定でありまして、昨今、更に重要性を増しているのではないかというふうに認識しております。
現在、コスタリカと加入交渉を進めておりますが、引き続き他の締約国とも連携しつつ、高い水準を維持した締約国の拡大、これに取り組んでまいります。
また、本協定の枠組みの発展に向けまして、協定の一般見直しの議論をリードしてまいります。これらの取組と併せ、引き続きTPP等大綱の実施を通じまして、協定の利用促進に取り組むことにより、我が国経済成長への一層の貢献を目指します。
その他にも様々な重要な担務を担うこととなります。高市内閣の一員として、丁寧に、そして一生懸命取り組んでまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。まだまだ不勉強なところが多々ありますので、逆に記者の皆様からいろいろご指摘いただいたりして、私なりに研さんしていきたいと思いますし、また、前職は相当担務があって、今度は3分の1ぐらいかなと思ったら、ほぼ同じ量だったということで、うれしいような悲しいような、しっかり自分にむちを打って、繰り返しなりますけれども、皆様にも教えていただきながら頑張ってまいりますので、どうかよろしくお願いします。
以上、ちょっと長くなりましたけれども、私からの冒頭発言とさせていただきます。ありがとうございました。
2.質疑応答
- (問)今のお話の中にもありましたが、今回もすごく担当が多く、カバー範囲も広いと思います。改めての意気込みと、今後一番注力したいことが何かを教えてください。
また、特に物価高対策は先に取り組む必要があると思うんですが、今後の見通しはいかがでしょうか。 - (答)私の興味については今、冒頭でお話しさせていただきましたので、それをぜひ受け止めていただきたいと思いますが、私が担当することになりました担務は、前職以上に高市新総理、そして新内閣にとって非常に重要な政策課題でありますので、本当に微力で能力不足のところも多々あるかと思いますけれども、私なりにしっかり勉強し、全身全霊で取り組んでいきたいというふうに思っております。
その上で申し上げますと、昨日、初閣議がございましたが、その初閣議におきまして3つの柱、1つは生活の安全保障、物価高への対応。物価高対応をしっかりやると。2つ目は危機管理投資、成長投資による強い経済の実現。3つ目は、防衛力・外交力の強化。この3つを柱とした総合経済対策の策定指示があったところでございます。当面はこの取りまとめ、これに注力していく考えであります。 - (問)まず1点目、成長戦略担当大臣との担務がついているかと思いますが、冒頭発言と重なる部分があるかと思いますが、具体的にどう取り組んでいきたいか、また、政策を進めるに当たって、石破政権では新資本などを活用していたかと思いますが、新たな会議体の設置などを考えていらっしゃるかを伺えればと思います。
また2点目、日銀の関連で、高市首相は昨日の会見で、財政金融政策の方向性を決めるのは政府、金融政策の手段は日銀が決めるべきと発言されていました。石破政権では、金融政策を日銀の専権事項として日銀に委ねる姿勢を取っていましたが、日銀の金融政策へのスタンスについて、大臣のお考えをお聞かせください。 - (答)まず、成長戦略についてでありますけれども、冒頭申しましたように、我が国経済は緩やかに回復しておりますけれども、しっかりとより強い経済成長を実現し、成長の果実を国民の皆様にしっかり実感を持って届けることが必要だと思っていますので、そうした観点から、成長戦略、これをしっかり高市新総理のご指示の下で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
そして、新しい資本主義という看板がございましたが、もちろんその趣旨をしっかり受け継ぎながら、成長戦略を実現するというもう一つの大きな看板を掲げておりますので、その下にしっかりと、どういったような何か会議体、諮問会議をつくるかどうかについては今後、最終的には新総理と相談、あるいはそのご指示に基づいてやっていくことになるのではないかと思います。いずれにしても、成長戦略という大きな新たな目標、これに向けて有識者の方々の貴重なご意見なども賜りながら取り組んでまいる考えであります。
そして、もう一つの日銀の問題でありますけれども、やはり金融政策、たしか日本銀行法第3条には、自主性の尊重とか透明性の確保といったことがうたわれていますが、他方で、日銀法第4条につきましては、日銀と政府が緊密に意思疎通をするということも書かれております。また、これは2013年1月に策定した、いわゆるアコード(共同声明)がございますので、政府と日本銀行が政策目標や方向性をしっかり共有し、それぞれの役割の下で必要な政策を遂行し、成果を上げてきたというふうに認識しておりますので、やはり何といっても引き続き政府と日本銀行が足並みをそろえまして、緊密な協調を図って責任あるマクロ経済運営を行いながら、また、強い経済成長と、何といってもやはり物価の安定、これもまた重要でありますので、この両立の実現に向けて、適切な金融政策運営が行われることが非常に重要だというふうに思っております。
いずれにしても、日本銀行には引き続き政府と緊密に連携し、十分な意思疎通を図りながら、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて、適切な金融政策運営を行うことを期待しております。 - (問)先ほどの幹事社さんとのやり取りの更問いで恐縮ですけれども、総合経済対策で昨日の初閣議での3つの柱をご紹介いただきましたけれども、第1の柱はこれまでもいろいろいわれてきたこととか、野党との協議で出ていたことで分かりやすいのですが、第2の柱、第3の柱について、特に予算措置を伴うようなものとしてどういう想定があるのか。もちろんこれから策定ということだと思うんですけれども、現時点でのもう少しかみ砕いた、昨日出された紙は承知しておりますが、予算措置との関わり、補正予算等との関わりで、どういうイメージをすればいいのかということについて教えてください。
- (答)まさにこれからどういった協議体、有識者の皆様のご意見なども賜りながら、総合経済対策ですね、これはまさに危機管理投資、成長投資ですよね。だから、全ての分野にということではなくて、やはり選択と集中が大事だと思いますので、その分野、そして、予算措置を伴うというお話がございましたけれども、これについてもどういう形にしていくかということはもちろん新財務大臣もいらっしゃいますし、高市新総理のご意向もあるでしょうから、そこはこれからしっかりと調整して、また繰り返しなりますけれども、有識者の方々のご意見も賜りながら、どの分野にどの程度ということを決めていくのではないかと思います。
ただ、今この時点で、私が何か独断で予断をもって「この分野とこの分野だ」ということを申し上げる段階にはまだないと考えております。 - (問)先ほど物価安定が大事だとおっしゃられましたけれども、デフレ脱却についてのご認識について伺いたいのですが、現時点で日本経済はデフレを脱却したという認識はおありかどうか。今まではデフレに戻る可能性、見込みがないとはいえないという認識だったという前提で、デフレ脱却には至っていないという判断だったと思いますが、これについてどう思われるか。
と申しますのは従来、これは大臣の担務ではございませんが、財務大臣に就いていたデフレ脱却担当という担当担務が今回の内閣からはなくなっておりまして、デフレ脱却についての何か政府の判断がおありだとすれば、その判断の担務はここの大臣だということだと思うので、お伺いする次第です。 - (答)我が国経済、これはまさに名目GDPが昨年度初めて600兆円を超えまして、賃上げ率は2年連続で5%、これを上回ると、成長と分配の好循環、これが回り始めているというふうに認識しております。
企業収益と投資、そして賃上げと可処分所得の押し上げが相互に支え合う良い環境、これを更に太くしていく必要があるというふうに考えています。
また、官民連携の成長投資と需要の拡大、これを通じて経済規模を拡大させつつ、そういった意味での好循環、良い循環をつくって、経済再生をしていくことが重要だと思います。
その一方で、継続する物価高の中、個人消費の回復には依然として力強さを欠いているという面も否めないのではないかと思いますので、実質賃金が十分に強く上昇するまで、政府はしっかりと景気を支えていく必要があるのではないかというふうに思います。
いずれにしましても、昨日、高市総理からご指示があったように、今の暮らしや未来の不安を希望に変え、強い経済をつくる、そのために私が担当する「日本成長戦略」の立案、そしてもちろん財政規律についてもしっかりこれを踏まえなければいけませんけれども、機動的大胆な実行を始め、成長分野の好循環を家計の実感へとつなげ、責任ある積極財政を通じて、強い経済を実現することが必要でありまして、そういう状況でありますので、デフレ脱却、すなわち再びデフレに戻る見込みがないと言えるかについては、個々の指標が一定の基準を満たせばデフレを脱却しましたと、そういうものではないというふうに理解しておりますので、物価の基調や背景、一時的に上昇して、あとは上昇しませんでしたというわけにいかないと思いますので、特に賃金上昇がどの程度持続的に定着していくかといったことなどを総合的に考慮し、慎重に判断していくことが必要ではないかというふうに思っております。 - (問)今、財政規律にも触れられましたが、この6月に策定された、いわゆる骨太の方針で、「2025年度から2026年度を通じて、可能な限り早期の国・地方を合わせた基礎的財政収支(PB)の黒字化を目指す」という一文が入っておりまして、もちろんいろいろ留保がついたほかの表現も伺っておりますが、この基本的な考え方、26年度までの黒字化を目指すという方針については、大臣はどのようにお考えですか。
- (答)この点についても、それを全く白紙に戻してということではなく、しっかりと高市新総理の、やはり経済あっての、経済成長あっての財政ということでありますので、先ほど申しましたように、財政規律ということを捨てるとかいうわけではなくて、それもしっかり念頭に置いた上で、機動的大胆な実行をはじめ、成長と分配の好循環、これを家計の実感へとつなげ、責任ある積極財政で強い経済を実現していくということが大事であります。いずれにしましても、これから、今スタートしたわけですから、その点については関係大臣、そして何といっても高市新総理とも相談しながら、その中身をしっかりつくっていく考えであります。
- (問)私からは2点お尋ねしたいと思います。
まず、1点目は物価についてです。3%近い消費者物価指数の上昇率、物価上昇が長らく続いていますけれども、この要因をどのように大臣は分析されていますでしょうか。
また、足元では為替円安が進んでおります。水準についてお答えいただけないのは承知しているのですけれども、この円安の進行というものが物価に与える影響を大臣はどのように評価されているかお願いいたします。 - (答)例えば、直近8月の消費者物価の上昇率、これが前年同月比で2.7%でありますが、そのうち2%程度が食料価格の上昇によるものであります。
他方、円安につきましては、輸出企業の収益の拡大と国内の投資活動を促進する一方で、当然、逆の輸入物価の上昇等を通じて消費者物価を押し上げるという可能性、逆の面もありますので、今後の動向をしっかりと注視してまいる考えであります。
いずれにしましても、物価高対策は、国民生活の安定、そして力強い経済成長の実現に向けた喫緊の課題でありますので、コストプッシュ型の物価高をしっかり克服した上で、強い日本経済を取り戻すべく、経済財政政策担当大臣として取り組んでまいる考えであります。 - (問)もう一点、賃金についてです。ちょっとまだ気が早いかもしれないですけれども、来年の春闘に向けて賃上げの機運醸成などをどのように行っていくのか。ここ2年は5%を超える高水準の賃上げが春闘で実現していますけれども、来年の春闘もその水準を目安というか目標というか、目指されるのかという点についてお尋ねしたいです。
- (答)本年の春季労使交渉、これは連合の集計でありますが、全体で5.25%の賃上げ、昨年比でプラス0.15。300人未満の中小組合でも4.65%の賃上げ、昨年比でプラス0.20%。33年ぶりの高水準となった昨年を上回る結果となったというふうに承知しております。こうした経済の前向きな動きを定着させ、成長型経済への移行を確実なものとすることが必要であります。
本年6月に閣議決定いたしました「経済財政運営と改革の基本方針2025」及び「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」におきましては、2029年度までの5年間で、実質賃金で年1%程度の上昇を賃上げのノルム(社会通念)として我が国に定着させるという目標を掲げているところであります。
来年の春季労使交渉についても引き続き、賃上げに向けた労使の真摯な議論を期待したいというふうに考えております。
いずれにしましても、政府といたしましては引き続き、価格転嫁の徹底、生産性向上の支援など関連する施策を総動員して、賃上げや設備投資に対応する中小企業・小規模事業者を強力に後押ししていく考えであります。
また、賃上げ税制を活用できない事業者を支援するメニューを用意するため、自治体向け重点支援交付金、これを拡充することも検討してまいります。 - (問)大臣、おめでとうございます。閣僚名簿を見て、安倍先生を師匠と仰ぎ、安倍先生の衣鉢を継いでいるのは高市さんと城内先生だと思います。そういう意味で、いろいろな担務はありますけれども、成長戦略イコール、サナエノミクス担当相ということなのではないかと。そうすると、それは新しい資本主義とはやはり違う、バージョンアップして、アベノミクスとは違いますけれども、経済財政諮問会議ですとか、どういう形でサナエノミクスというのを考えておられるかとか、それについて今どんなふうにお考えになるか。今まで前任は関税担当相だとか最賃担当相だとか防災担当相なんかに見えたのですけれども、今回はやはり旧経済企画庁ではないですけれども、サナエノミクスをつくる担当大臣に任命されたと。安倍さんの衣鉢を継ぐお立場。そういうふうに見えるのですが、マーケットもそこを見ていると思うのですけれども、どうご覧になるのか伺いたいです。
- (答)前任の赤澤亮正大臣はまさに私の盟友でありまして、親しい友人で、赤澤大臣が取り組まれたことをしっかり踏まえながら、新たに高市早苗自民党新総裁、そして昨日、新総理が誕生しましたので、しっかりと高市早苗新総理のリーダーシップの下に、サナエノミクスというのか分かりませんが、よりバージョンアップした形での取組をすることが大事ではないかなというふうに思っております。
その中で1つご紹介させていただきたいのは、昨日の内閣総理大臣談話の中で、「日本と日本人の底力を信じてやまない者として、日本の未来を切り拓く責任を果たすべく、全身全霊を捧げてまいります」と。この高市新総理の談話は、私は個人的に非常に深く突き刺さりました。
個々のこれからの成長戦略、経済対策の中身、これについてはさっきも言いましたけれども、記者の皆さんからもいろいろなお知恵も拝借しながら、政府独断で決めるのではなく、有識者のいろいろな方の意見、そして私としては前任の赤澤大臣からもいろいろなご提案、サジェスチョンといいますか、そういうものもいただきながら、そしてあるいは野党の皆さんの貴重なご意見なども賜りながら、しっかりとどういう方向で日本をもっと元気にするのか、力強く成長させるのか、そして、よってもって税収を上げてくのかということをやることが大事だというふうに思っております。
自己実現の予見性(self-fulfilling prophecy)という言葉があります。「もう日本は成長しないよね」とか「少子化は当たり前だ」「お先真っ暗だ」みたいなことを言うと、本当にそうなってしまう。逆に、「これから日本はもっと元気になるよ」と。私の担当した宇宙分野、あるいはフュージョンエネルギー、量子、こういうところで世界に負けないぐらい科学技術イノベーションに投資して、どかんとやってもアメリカ、中国に負けるかもしれませんが、そうしたら世界に伍していけるような新たなイノベーションが生まれて、それが日本の成長につながるということだって起き得るわけでありますし、前職として2人のノーベル賞受賞者の方と意見交換をさせていただきましたけれども、30年かかってやっと芽が開くということもありますので、やはりしっかりといろいろな成長分野にも網をかけながら、選択と集中で投資していくということが私は大事だというふうに思っております。
いずれにしましても、中身はこれからしっかりと関係大臣、そして高市早苗新総理と相談しながら、サナエノミクスという言葉がいいのかどうか分かりませんが、より良い経済財政政策をつくっていく。そのお手伝いを私もできればなと思います。
繰り返しますが、私は独断専行で、「私はこう考えるからこうする」というタイプではなくて、むしろかつて選挙で戦った片山さつき先生が財務大臣としていらっしゃいますので、財務大臣の片山さつきさん、そして高市早苗新総理、この2人からいろいろご指示いただきまして、いいメニューをつくっていければというふうに思っております。 - (問)サナエノミクス担当相と書いても間違いではない。
- (答)その点についてはこの場でお答えできませせんが、そういった名称というのはよくメディアの方がおつけになることでありますので、それは別につけてくださいとか、そういう名前はつけないでくださいという立場にはございませんのでお任せします。いずれにしても、繰り返しになりますけれども、新しい新総裁の下で、前任の石破総理、赤澤大臣の築き上げたものを更にブラッシュアップするようなことにできたらいいなというふうに思っております。
- (問)今回、赤澤大臣に続いて、賃上げの環境整備も担務に入っていらっしゃいますけれども、赤澤前大臣の場合は、経済団体の反対もある中で賃上げに向けた発破をかけるというようなことがありました。城内大臣はこの姿勢を引き継がれるのかどうか、まず1点お伺いします。
もう一点目は、大臣は「責任ある積極財政」の名づけ親かと思われますけれども、今回の経済対策の財源をどのように考えるのか。税収の上振れで賄うのか、あるいは国債の発行もやむなしと考えられるのか。また、規模についても昨年度の補正と比較してどの程度が望ましい、どう考えていらっしゃるのか、大臣のお考えをお聞かせください。 - (答)2番目のほうからお答えしますが、確かに事実として、3年前の2月ですか、責任ある積極財政議員連盟、これは当時衆議院4期生以下、参議院1期生以下を中心にする、私みたいな会長をやったりした、あるいはシニアの人がいて指図するとかというのではなくて、私は黒子として、彼らを主役として多少のアドバイスと企画立案とお金がかかる部分についてはバックアップしたわけでありますけれども、「責任ある」という名前は、ばらまきではないよと。放漫財政ではなくて、ちゃんとエビデンスとか経済指標、こういうものをしっかりしながら、あるいは経済理論、様々な考え方がありますけれども、そういうのをしっかり踏まえながら、いわゆる高圧経済、こういうものをやっていこうということでバックアップした次第であります。
この財源論ですけれども、私が担当の財務大臣ではございませんので、この点についてこの場で何か個人的な見解とかを申し上げることは適切でないと思いますが、この財源論にしましてもいろいろな考え方があるのではないかと私は思います。そして、では諸外国ではどうなっているのか。諸外国ではそれは過去のことで、何で日本だけまだやっているのと。具体的なことは言っていませんけれども、そういうようなことも踏まえて、薬に例えて言えば、「今までこういう処方箋でやってきたけど、もっといい治療薬があるんじゃないの」とか、あるいは「これまでの処方箋って結構副作用があってやめたほうがいいんじゃないの」みたいな、そういうこともないわけではないわけですから、いずれにしましても、いろいろな形で、財源論も含めてエビデンスと科学的・経済学的根拠、推測や憶測や思考停止型ではなくて、諸外国のいろいろな事例も踏まえながら、しっかりとした考え方を、高市総理、そして片山さつき財務大臣をはじめ、関係者の皆さんとよく、そして、繰り返しなりますけれども、政府独断専行ではなくて、様々な有識者の方のお知恵も拝借しながら取り組んでいくことが重要だというふうに思っております。
そして、最初は賃金の話ですね。これは本年6月に閣議決定いたしました「経済財政運営と改革の基本方針2025」及び「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」においては、最低賃金について2020年代に全国平均1,500円という高い目標の達成に向けて、たゆまぬ努力を継続するという方針を掲げました。政府としてその実現に向けてしっかり取り組んでまいります。
その上で、賃上げ環境整備担当大臣ということで私が担当することになりましたが、最低賃金の引上げに関する今後の具体的な対応につきましては、やはり直接の所管であります厚生労働大臣をはじめとする関係大臣と連携しながら、経済の動向等を踏まえ、適切に判断していく考えであります。 - (問)高市総理も経済対策最優先とおっしゃっていましたが、経済対策はいつ頃までにまとめて補正予算を提出されたいお考えかお聞きします。
また、ご担当される成長戦略の立案は、骨太に合わせた来年6月などを見据えておられるのか、スケジュール感についてお伺いします。 - (答)成長戦略のタイムスケジュールについては、まさに今も調整中でありますので、この時点でいつまでに何をとか、経済財政諮問会議にもお諮りする必要ございますので、それについてのタイムスケジュールはこれからつくっていくことになるのではないかなというふうに思っております。また補正予算等にも合わせる必要があるのではないかと思いますが、いずれにしてもこれからですので、まだ全くの白紙ではないかと思います。
あと、骨太ですね。これはさっき3つの柱と言いましたけれども、骨太の方針は私から見ると来年、まだ先の話ですが、当然これからのいろいろな議論を踏まえて、この3つの柱がまた骨太の方針に組み込まれていくのではないかと思いますが、まだまだそういった議論も始まっていませんし、有識者の方々、経済財政諮問会議の民間議員の方々ともいろいろ調整しなければいけない話ですので、今後またいろいろな進捗があるかと思いますので、その都度、できるだけ冒頭のほうでご報告させていただきますので、またそのときにご質問いただければというふうに思います。
(以上)