小野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年11月28日

(令和7年11月28日(金) 16:10~16:23  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 
 科学技術政策担当の大臣として報告します。
 昨日、東京・三田共用会議所で開催された、アジア原子力協力フォーラム(FNCA)の第26回大臣級会合に出席いたしました。FNCAは、アジア諸国との連携を通じ、原子力技術の平和的で安全な利用を促進する日本主導の枠組みであり、本年で26年目を迎えます。
 冒頭、私からは、歓迎挨拶として、本枠組みの活動を通じ、アジア地域の原子力科学・技術が更に発展し、そして幅広く共有され、アジア地域、ひいては世界の発展に貢献していくことを期待する旨をお話ししました。
 この大臣級会合では、原子力エネルギー利用について活発な議論が行われ、最後に取りまとめた共同文書においては、来年以降も幅広い分野の研究活動や情報交換等を促進していくことを確認いたしました。
 引き続き、科学技術政策担当大臣として報告します。
 11月25日、Tokyo Innovation Baseにおいて、「マッチングピッチ2025」を開催いたしました。本イベントは、スタートアップと行政機関が交流する場を作り、スタートアップの新技術による社会・行政課題の解決と、公共調達を活用したスタートアップの育成を目指すものです。今回は、スタートアップ企業33社、10の行政機関、会場・オンライン合わせて約350名に御参加をいただきました。
 私からは、主催者を代表して挨拶を行うとともに、スタートアップ企業の展示ブースにもお伺いをさせていただき、各社の製品・サービスの強みなどを伺い、更なる活用が期待できる新技術・サービスがあることを実感いたしました。
 内閣府としては、行政機関とスタートアップ企業との協業が更に拡大するように、引き続き取組を進めてまいります。
 次に、昨日11月27日に、東京ビッグサイトで開催中のアグリビジネス創出フェアを視察しました。会場では、農作業や作業判断など様々な場面で実用化が進められるAIや、農作業ロボットなどの技術を実際に体験させていただきまして、技術者の方、開発者の方などからお話を伺いました。
 我が国の農業が、労働力の減少に直面する中で、食料安全保障を強化し、また、農林水産物の輸出などにつなげていくためにも、AI等の先端技術の開発・活用の重要性が一層増していることを認識いたしました。
 視察を通じて得た知見を活かしながら、研究開発成果の社会実装、そして、スタートアップ創出などの取組を引き続き推進してまいりたいと思います。
 次に、外国人との秩序ある共生社会推進担当の大臣として報告いたします。
 昨日、第1回「外国人との秩序ある共生社会の実現のための有識者会議」が開催されました。今月4日に開催されました「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」において、高市総理から、有識者会議における御議論も踏まえた上で、来年1月を目途に、基本的な考え方や取組の方向性をお示しするように指示があったところです。
 昨日の有識者会議では、この基本的な考え方や取組の方向性を検討するに際し、留意すべき視点などについて、委員の皆様から、各々の専門的知見を踏まえた幅広い御意見を頂戴したと報告を受けています。
 引き続き、充実した御議論が行われることを期待しております。

2.質疑応答

(問)「みちびき」の打上げが7日に予定されていますけれども、大臣として、「みちびき」の果たす役割についてどう考えるか、また、7機体制達成後にどういった期待をされているのか、さらに、現場主義の大臣として、視察に行かれるのかなど、そこら辺について教えてください。
(答)日本独自の準天頂衛星システム「みちびき」は、現在、5機で運用をしておりまして、米国のGPSと一体的に運用されることで、デジタル社会に不可欠となる位置・時刻情報を提供しています。
 12月7日に打上げ予定の「みちびき5号機」が打ち上がれば、日本の天頂付近に存在する衛星数が増加し、高層ビルが立ち並ぶ都市や高い木々が生い茂る地域であっても、測位信号をより受信しやすくなり、測位サービスの安定的な提供に寄与するものと、大いに期待をしています。
 また、今年度中に「みちびき7号機」を打ち上げることで、令和8年度からは、日本上空で、常に4機の「みちびき」を見ることができる「7機体制」での運用となります。これによって、他国の測位衛星がなくても、「みちびき」のみで測位可能な社会インフラを実現し、測位サービスの更なる高精度化と安定化が図られることに特に期待をしているところです。
 そして、打上げの視察については、現時点での予定は未定でございますけれども、今後とも、準天頂衛星システム「みちびき」の整備と利活用は進むよう、私としても積極的に応援してまいりたいと思っております。
(問)先日開催された科技・イノベの基本計画専門調査会において、第7期科学技術・イノベーション基本計画の骨子案が示されたと思います。その上で、骨子案には、「科学の再興」という名前の下、基礎研究分野への支援拡充案も示されました。小野田大臣、以前、就任時の会見の際に、トップ10の論文の順位が、最高で4位だったのが、今、10位台に落ちているということを挙げられて、これまでの支援のやり方を抜本的に変える必要があるとお話しされていると思います。今までの基礎研究分野への支援策と、今回示された骨子案での支援策、最も変わった部分はどこだとお考えか、教えてください。
(答)「科学の再興」に関する提言の中では、基礎研究力の強化のために、新たな研究領域への挑戦の抜本的拡充や、研究大学群の実現などの内容が盛り込まれております。
 また、文部科学省のみならず、関係府省、そして民間からも、この基礎研究への投資を呼び込み、今までにない規模に拡充していくとしている点が特徴的であると考えております。
 こうした提言も踏まえて、第7期の基本計画について、引き続き関係省庁と連携をして、検討を深めてまいりたいと思っています。
(問)先ほど閣議決定された今年度の補正予算案が示されましたけれども、大臣は常々、科学技術がイノベーションの源泉となるとおっしゃっておりますが、今回の補正で特に力を入れた点や特徴的なところがありましたらお聞かせください。
(答)今回の補正予算では、科学技術・イノベーション関係の施策として、内閣府において、年内目途に策定予定のAI基本計画に盛り込まれる施策の推進、水深約6,000メートルの海底からのレアアース生産プロセス実証の加速、そして、重要技術戦略研究所の設立準備や資金配分機関の研究セキュリティ強化に向けた取組の支援などの政策を計上しております。加えて、関係省庁においても、AI、量子技術、フュージョンエネルギーなどの戦略分野の推進、研究力の強化、すなわち「科学の再興」に向けた研究費の拡充、そしてその研究基盤の整備、イノベーション・エコシステムを牽引するスタートアップの育成と支援といった、喫緊に講ずるべき政策を検討中と承知しております。
 科学技術・イノベーションにおける重要政策を可能な限り早期に実行していけるように、全力を尽くしてまいりたいと思っています。
(問)出版社や通信事業者でつくる一般社団法人ABJが、マンガなどの日本の出版物を無断掲載している全世界の海賊版サイトでの、いわゆる「ただ読み」の被害総額が、推計になるのですが、正規で販売された額の約12倍に当たる年間8兆5,000億円に上ると発表しております。これは単純計算で、5年で42兆5,000億円の損失になると思います。これは見方を変えると、この対策をするだけでも、確実に成長戦略の柱になる可能性があると思いますが、御所見をお願いします。
(答)聞いているだけでも本当にピキピキと来るところですが、海賊版による被害については、複数の団体等において、それぞれの考え方に基づいて推計を公表しているものと承知しております。CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)さんも出していらっしゃったりするので。いずれにしても、コンテンツ産業の成長や、クリエイターが適正な利益を確保していくためには、海賊版対策は極めて重要な課題です。
 先般、閣議決定された総合経済対策においても、海賊版対策の国際執行、そして正規版流通促進、読みたいけれども正規版がないから海賊版に流れるということがないように、正規版流通促進に投資する旨が明記されたところであり、各省連携により、外国ファンの認知拡大や海外向けコンテンツの供給量の拡大を支援して、日本発コンテンツの海外流通機能を強化する等の施策を進めるべく、これから司令塔として引き続き取り組んでいきたいと思っています。
(問)ネット上の誹謗中傷についてお伺いしたいと思います。大臣もSNSでネットでの誹謗中傷について発信されたり、AIを使ったフェイク画像等について問題意識を述べられていると思います。長年の問題として残りながら、なかなか解決できていない問題だと思うのですけれども、何か大臣としての問題意識であったり、担当が違う部分もあるかもしれないのですけれども、対策について、若しくはお考えがあればお伺いしたいと思います。
(答)そうなのですよ、インターネット上の誹謗中傷対策は所管外なので、私個人としての対応は、日頃、X等で行っているとおり、毅然とした対応なのですけれども、対策を政府としてというところは、所管のところにお問合せをいただけたらと思います。
(問)前回もお聞きした、外国の宗教法人、韓国が本部の統一教会の高額献金について、これは日本人信者の財産の海外流出、国富の流出に当たると思うので、外国人問題の担当大臣として取り組むお考えはないのでしょうか。
(答)所管外だと思っております。
(問)理由を聞かせていただきたいのですが。外国人の勢力による日本の政治への介入、実際に日本人の信者の方が山上被告と同じように被害を受けて、実際に財産が韓国に流出しているわけですから、何で取り組まないのですか。
(答)すみませんが、外国人による日本の国民への犯罪というのは多数ございますし、搾取もいろいろなパターンがあると思います。それぞれ所管のところでしっかり取り組んでいただくべきことだと思っています。
(問)外国人問題担当大臣として取り組むお考えはないのでしょうか。岡山で・・。
(答)所管外だと思っています。以上です。
(問)あと、中国に関する存立危機事態発言で、小野田大臣は、すぐに経済的威圧をしてくる国に依存するリスクについて触れられましたが、これは火に油を注ぐ問題発言とは思われないのでしょうか。日中関係を更に悪化させるというおそれがあるとは考えなかったのでしょうか。
(答)サプライチェーンリスクに対してしっかり対応するということは、政府として今までもやってきたことですし、当然のことです。
 以上です。
(問)いや、このタイミングで、高市総理の存立危機事態あり得る発言で日中関係が悪化しているときに、その発言は不適切だとお考えにならないのでしょうか。
(答)思っていません。
(問)高市さんの発言は、非はないというお考えで。
(答)特にコメントはございません。

(以上)