小野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年11月7日

(令和7年11月7日(金) 8:30~8:38  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 経済安全保障担当大臣として報告いたします。
 本日、第8回目となる「経済安全保障推進会議」が開催されました。
 会議では、私から、経済安全保障推進法成立後、国際情勢は大きく変化していることに加え、技術開発競争が一層激化するなど、経済安全保障をめぐる課題が複雑化していること、このような中、専門知識を集結し、政策決定に活用するとともに、官民連携を強化する必要性等が高まっていること、これらを踏まえ、経済安全保障推進法上の現行制度の見直しや拡充を検討するとともに、新たな課題に対応するためのスキームの創設や必要な枠組みの構築を検討することなどについて説明をいたしました。
 その上で、総理から私に対し、有識者の意見も踏まえながら、経済安全保障推進法の改正に向けて早急に検討を開始するよう御指示をいただくとともに、関係閣僚に対しては、法改正の検討の具体化や総合的なシンクタンクの創設などの体制整備について、積極的に協力を行うよう御指示がございました。
 今後、総理の御指示を踏まえつつ、経済安全保障を強力に推進するべく、私自身が先頭に立ち、政府一体としてスピード感を持って検討を進めてまいります。
 次に、宇宙政策担当大臣として報告いたします。
 11月5日、国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在から地球に帰還された大西卓哉宇宙飛行士が来訪され、鈴木副大臣、若山政務官とともに意見交換を行いました。
 大西飛行士は、滞在中、ISS船長も務められたほか、科学実験の実施や万博会場との交信など、幅広く御活躍されました。多大な貢献に対し、敬意を伝えるとともに、初めて搭乗したときと今回船長として搭乗したときの違いなど、様々なお話を伺わせていただくことができました。
 次に2件目ですが、本日午後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)より、「宇宙戦略基金」第2期テーマのうち、「高頻度物資回収システム技術」に関する採択結果が公表されます。
 宇宙戦略基金は、産学官における宇宙活動の加速を目指し、民間企業や大学等による技術開発や商業化等を支援するものであり、引き続き迅速かつ着実に審査を進めてまいります。
 次に、人工知能戦略担当の大臣として報告をいたします。
 今週4日に、AI戦略本部の下に置かれた「AI戦略専門調査会」の第2回会合が開催され、これに出席をいたしました。
 本会合においては、AI基本計画及び適正性確保のための指針について、委員の皆様から、様々な観点から大変示唆に富んだ貴重な御意見を頂戴いたしました。
 基本計画と適正性確保のための指針は、AI利用に関する国民の不安を払拭し、AI利用を促進していくための鍵となるものです。本専門調査会での議論を踏まえ、検討を加速してまいります。

2.質疑応答

(問)昨日の参院本会議で、女性特有の疾患についての質疑がありました。性差について考慮する事項は多岐にわたるわけですけれども、性差に基づく研究は医学的視点の研究がほとんどです。例えば顔認識や採用支援AIにおいて、性差による認識精度の違いや偏りが指摘されています。医学分野以外での性差研究についてどのように進めるのか、お考えをお教えください。
(答)塩村議員の質疑を私も拝聴しておりました。
 御質問の例にあった、採用支援AIにおける性差の認識精度の偏り等については、AIリスクの一つと考えられておりまして、既に企業等における採用・人事評価等に係る選考調査の結果を第1回AI戦略本部で報告したところでございます。
 これまでの調査では大きな問題は確認されていないのですけれども、今後も採用支援等へのAI活用の拡大が予想されることから、引き続き、事態把握に努めてまいるとともに、関係省庁と連携をして必要な対策を検討してまいりたいと思っています。
 性差をめぐる研究は多岐にわたりますけれども、AIの事例のように、科学技術の進展に伴う新たな課題にも目を配りつつ、研究者による研究活動を継続的に支援してまいりたいと思っています。
(問)先日の日本成長戦略本部で、17分野を重点的に投資する分野として挙げておりまして、ここに投資するのはそうだとして、それを支える土台となる基礎研究への支援強化について、どうお考えでしょうか。
(答)過日、ノーベル賞に関連して、基礎研究の重要さというのはここでもお話をさせていただきましたけれども、11月4日に開催された日本成長戦略本部において、17の戦略分野が示されたところでございます。
 これらの戦略分野の成長に向けては、新たな「知」を生み出すための基礎研究力を抜本的に強化して、国家として「科学の再興」を目指すことが重要であると考えています。
 このため、第7期科学技術・イノベーション基本計画に具体的な方策を盛り込むべく検討を進めるとともに、関係省庁と連携をして、研究費の増額、大学のマネジメント改革を含む研究環境の整備、そして、人材育成に必要な予算の確保に向けて、私としてもしっかり取り組んでまいりたいと考えています。
(問)経済安全保障推進法の改正について伺います。先ほどの経済安全保障推進会議で、総理から、改正に向けた検討を進めるよう指示があったという発表でした。所管大臣として、現状の問題認識を含めた受け止めと、政権が掲げる「危機管理投資」に法改正がどう資するとお考えか、伺います。
(答)先ほど開催された会議において、総理からも、経済安全保障推進法の成立から現在に至るまでの3年の間に、著しい国際情勢の変化や新たな課題が生じており、迅速かつ抜本的に対応していく必要があるとの御発言がございました。
 私も同様の認識でございまして、このような状況に対して、経済安全保障推進法上の現行制度の見直しや拡充を検討するとともに、新たな課題に的確に対応するためのスキームの創設などを検討する必要があると考えています。
 法改正に向けた今後の検討においては、大胆な「危機管理投資」により力強い経済成長を目指すとともに経済安全保障の確保を確実なものとする、といった高市内閣の考え方も踏まえながら、具体化に向けて検討を進めてまいりたいと思っています。
(問)外国人による不動産・土地取得の規制について伺いたいんですけれども、現状、最も強く課題として認識されていることは何か、また、現行制度の問題点をどのように改めていきたいとお考えでしょうか。
(答)何度もこの会見でもお話をさせていただいているのですけれども、外国人による我が国の土地等の取得に対して、国民の皆様が安全保障や不動産価格高騰など、様々な観点から不安を感じていらっしゃるということは承知しており、政府として取り組むべき重要な課題であると認識をしています。
 こうした不安は、我が国の土地所有者の実態がよく分からないということにも起因していると考えておりまして、政府としては、まずは実態把握を進めるとともに、土地取得等のルールの在り方も含めて、関係行政機関の緊密な連携の下で、政府一体となって総合的な検討を進め、来年の1月を目途に、基本的な考え方や取組の方向性をお示しできるように取り組んでまいりたいと思っております。まずは実態調査をしっかりするというところでございます。

(以上)