伊東内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和7年7月29日
(令和7年7月29日(火) 10:31~10:44 於:中央合同庁舎8号館1階S101会見室)
1.発言要旨
おはようございます。消費者及び食品安全担当大臣として、まず報告いたします。
今朝(7月29日)、物価問題に関する関係閣僚会議が開催され、JR東日本の旅客運賃の上限の変更に対する政府の方針について、了承されました。
消費者庁におきましては、本件につきまして、消費者委員会の意見を聴くなど、消費者利益を擁護する立場から必要な確認を行ってまいりました。
その結果、消費者庁としては、今回の上限変更案に異議はないものの、本運賃改定が鉄道ネットワークの維持や輸送サービスの改善等に必要なものであることについて、利用者に分かりやすく丁寧に情報提供・説明することなどを、国土交通省を通じて、JR東日本に対して求めるべきである、との旨を申し上げたところであります。
これに対しまして、国土交通大臣からは、適切に対応する旨の御回答をいただきました。
さらに、今回の鉄道運賃を含め、公共料金の改定につきましては、料金が適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えていないこと、賃上げが適正に見込まれていることなどを前提にしつつ、国民生活に及ぼす影響を十分考慮して対応いただくよう、関係大臣に求めたところであります。
消費者庁といたしましては、今後も、公共料金の改定につきまして協議が行われた際には、しっかりと確認をしてまいります。
次に、地方創生担当大臣として報告をいたします。
この度地方大学・地域産業創生交付金事業の令和7年度第1回公募につきまして、外部有識者で構成される評価委員会の審査結果を踏まえ、帯広(おびひろ)市が提案する事業を採択することを決定いたしました。
本提案は、帯広市が中心となり、北海道国立大学機構、地元企業等が連携し、持続可能な農畜産業への転換や、消費者ニーズに応える食品加工技術の開発等を進め、「十勝(とかち)型フードシステム」の形成を目指すものであります。
本交付金を有効に活用して、十勝地域の経済活性化や若者の地方定着が進むことを期待しており、内閣府としても、伴走支援をしてまいります。
なお、本交付金は10月にも公募を行う予定でありますので、多くの自治体に、活用を検討いただきたいと思います。
次に、北方対策担当大臣として申し上げます。
本年は、戦後80年の節目の年でありますが、元島民の高齢化が進み、また、日露関係の厳しい状況が続く中にありまして、北方領土問題に対する国民の関心が薄れることを懸念しております。
8月は「北方領土返還運動全国強調月間」であり、全国各地でパネル展、街頭キャンペーン、署名活動等の返還運動が積極的に展開されております。
内閣府におきましても、この期間中、本府庁舎におきましてパネルを展示するほか署名台を設置するなど、職員やあるいは来庁者の一層の理解促進に努めております。
北方領土問題は、元島民や隣接地域の方々だけではなく、国民全体の問題であり、国民が一丸となって取り組むことが不可欠であります。
先日の全国知事会議におきましても、北海道知事や全国知事会会長から都道府県に対し、北方領土の返還に向けた署名等の取組への協力について呼びかけがあったものと承知をいたしております。
国民の皆様におかれましては、強調月間(8月)のこの機会に、改めて、北方領土問題への関心を深めていただくとともに、返還運動へ一層の御理解・御協力を賜りたいと考えております。
次に、アイヌ施策担当大臣として、お知らせいたします。
8月2日(土)に、北海道白老町(しらおいちょう)にあります「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の開業5周年記念式典に、アイヌ施策担当大臣として私も出席をいたします。
「ウポポイ」は、アイヌ文化の復興・発展の拠点として、令和2年7月12日に開業し、当時は、コロナ禍ではありましたが、これまで国内外から150万人以上の多くの方々に御来場いただくなど、無事に開業5周年を迎えることができました。
日程や式典の詳細につきましては、事務局にお問い合わせいただきたいと思います。
2.質疑応答
- (問)事前に送らせていただいた質問を伺わせていただきます。消費者庁が2023年10月に「糖質カット」をうたう炊飯器の表示が景品表示法違反だとして、措置命令を出している件に関して、企業のうちの1社が処分の取消しを求めていた裁判の判決が、先日25日(金)に東京地裁でありました。それで命令を取り消す判決が出ました。
この件に関して、政府として控訴されるのかと、あと、過去に景品表示法の措置命令が裁判で取り消された事例があるのか、もう1点、この判決に対しての受け止め、この3点をお伺いさせていただきたいと思います。 - (答)今回の東京地方裁判所の判決におきまして、国の主張が認められなかったことは誠に残念であります。
今後の対応につきましては、判決内容、これは25日(金)に出たばかりでありますので、内容を精査の上、関係機関と協議して、検討をいたしているところであります。
なお、景品表示法に基づく措置命令を取り消す判決は、消費者庁が創設されて以降、今回が初めてであります。 - (問)ウポポイの関係でお伺いいたします。ウポポイは、先ほど大臣もおっしゃられたように、開業から5年を迎えるというところで、政府目標では2019年に年間来場者100万人と定めているところ、昨年度の状況を見ても、現状、年間30万人ほどに留まっているかと思います。
この現状をどのように評価されるかというところと、また、来場者が少ないことで、本来目的としていたアイヌ文化復興や振興に向けた発信に何か影響を及ぼすのかということ、あと、改めて関係省庁などと連携してどのように発信であったり改善に取り組んでいくのか、伺います。 - (答)先ほども言及させていただきましたが、ウポポイは、令和2年7月の開業以来、これまで国内外から150万人を超える多くの方々に来場いただいておりまして、アイヌ文化復興等の拠点として、開業5周年を迎えることができたこと、本当に改めて関係者の皆様の御協力・御支援に感謝をいたしますとともに、アイヌ施策担当大臣として大変嬉しく思っているところであります。
一方、ウポポイの来場者数につきましては、令和6年度は約31万6千人でありまして、政府目標である年間来場者数100万人に向け、引き続き、関係省庁・関係機関が一体となって取組を進めてまいりたいと思います。
具体的には、プログラムの改善等、あるいはまた、ウポポイの充実・強化を図るとともに、盛況でありました、先の大阪・関西万博におけるアイヌ舞踊の披露のように、アイヌ文化の多様な魅力を国内外に積極的に発信し、それを契機として、ウポポイに足を運んでいただく取組を継続していくことも重要と考えているところであります。 - (問)関連して、アイヌ政策の関係で、「アイヌ施策推進法」の見直しについてです。見直しに向けた聞き取りの中で、差別や中傷に向けた対策の強化という声も一部出ているかというふうに思うんですけれども、政府としてこの施策推進法の見直しをどのように進めていくのかというところと、アイヌの方への差別や中傷への対策をどのように強化していくのか伺います。
- (答)政府としては、去年の9月から今年の6月にかけまして、アイヌ施策推進法の施行状況についてアイヌの方々等に説明をした上で、その御意見等を広く伺う意見交換会を計20回開催いたしているところであります。
今後、意見交換会で寄せられた御意見を踏まえながら、教育、人権対策、文化伝承対策、差別への対策等を含め、総合的に今後講ずる措置について検討を行ってまいりたいと考えているところであります。 - (問)石破総理大臣は、昨日、両議員懇談会がありましたけれども、今日それについて閣議やその後の懇談とかで何か発言とかはなかったですか。
- (答)まず、昨日の自民党本部の議員懇談会については、私は、昨日は大阪でありましたので出席しておりませんし、党の話でありますので、それについてのコメントは控えたいと思います。今日の閣議、懇談会では、そのお話は全く出なかったところです。
- (問)石破総理大臣は重ねて続投を表明されましたけれども、それに対して、大臣、受け止めは、以前お伺いしたように変わらずということですか。
- (答)変わらずです。
- (問)先ほどのアイヌ新法の関係で1点だけ確認させてください。聞き取りの意見交換会などを20回行って、意見を踏まえて、今後、総合的な対策の検討を行いたいということだったんですけれども、いつまでに対策の検討を行いたいというめどはございますでしょうか。
- (答)去年聞き取りをした段階でありますので、その取りまとめ、あるいは検討については、これからということでありますので、日時、予定はまだ決まっておりません。
(以上)