伊東内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年12月24日

(令和6年12月24日(火) 12:30~12:45  於:参議院本館3階内閣記者会3)

1.発言要旨

 
 私から3点、御報告をさせていただきます。
 1点目は、地方分権改革についてであります。本日(12月24日(火))、地方分権改革推進本部及び閣議におきまして、「令和6年の地方からの提案等に関する対応方針」を決定いたしました。
 対応方針では、特にデジタル化の恩恵を自治体や住民が広く享受できるよう、関連する制度の横断的な見直しに重点的に取り組み、257件の提案のうち約9割を実現し、300万件を超える手続負担の軽減を図りました。
 具体的には、住民基本台帳ネットワークシステムの利用事務の大幅な拡大、オンライン化に伴う都道府県の経由をいたします事務の廃止、自治体への申請手続のオンライン化等が盛り込まれております。
 なお、地方三団体からは「地方分権の歩みを着実に進めるものとして評価する」、「今後も、個々の提案への対応にとどまらず、同様の課題を持つ類似業務の見直しにもつなげるよう期待する」との声明が発表されたところでもあります。
 今後、このような地方の声も踏まえ、「対応方針」に盛り込まれた事項の実現に向け、法律の改正により措置すべき事項については、次期通常国会に所要の一括法案等を提出することを基本として取り組むとともに、引き続き横断的な見直しも含め、地方分権改革の一層の前進に努めてまいりたいと思います。
 2点目につきましては、新しい地方経済・生活環境創生本部についてであります。
 本日、開催をいたしました第2回目の「新地方創生本部」におきまして、石破内閣が掲げる地方創生2.0の「基本的な考え方」を取りまとめました。
 地方創生2.0におきましては、当面は人口・生産年齢人口が減少するという事態を正面から受け止めた上で、人口規模が縮小しても経済成長し、社会を機能させる適応策を講じることを、従来の地方創生との違いの一つとしているところであります。
 また、地方創生2.0は、「若者・女性にも選ばれる地方、すなわち楽しい地方」をつくる社会政策であり、地域資源を最大限活用した高付加価値型の産業・事業を創出する経済政策との位置付けを示しております。この「基本的な考え方」に位置付けをした5本の柱に沿って政策を具体化し、今後10年間集中的に取り組む地方創生2.0の「基本構想」を来年(2025年)夏までに策定することといたしております。
 私も担当大臣として、現場の様々なお話を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えているところであります。
 続きまして、3点目といたしましては、特区制度についてであります。本日、第65回国家戦略特別区域諮問会議を開催いたします。
 会議では、今後取り組む規制・制度改革事項や、あるいは特区制度の振り返りと今後の展開について議論をします。
 特区制度は、地方創生2.0の一翼を担う重要な制度です。特区諮問会議での議論を踏まえ、地方の課題を起点とした制度・規制改革を大胆に進めていきます。
 詳細につきましては、後程事務方から説明を行う予定であります。

2.質疑応答

(問)冒頭発言に関連して、「新しい地方経済・生活環境創生本部」の関係でお伺いします。
 会合では、「基本的な考え方」が策定され、また地方創生2.0の「基本構想」の5本柱が盛り込まれました。
 「基本構想」は来年夏に取りまとめるとのことですが、策定に向けて、大臣としてどのような点に取り組んでいくのでしょうか。また、「基本構想」に反映させたい点などが現時点であれば、あわせて教えてください。
(答)御指摘の「基本構想」の5本柱は、第1回本部で、私から示しましたとおり、生活環境や地域経済の創生をはじめとする5本柱に考えられる施策の例を追加したものであり、来年夏の「基本構想」の策定に向けまして、各府省庁の協力を賜りながら具体化を進めてまいりたいと考えております。
 参考までに、その5本柱、今まで何回もお話をさせていただきましたけれども、「安心して働き、暮らせる地方の生活環境の創生」、「東京一極集中のリスクに対応した人や企業の地方分散」、また「付加価値創出型の新しい地方経済の創生」、4点目として「デジタル・新技術の徹底活用」、5番目として「『産官学金労言』のステークホルダーの連携など、国民的機運の向上」であります。
 反映させたい点につきまして、私自身「基本的な考え方」の取りまとめまで、北海道の恵庭市(えにわし)あるいは、「ラピダス」のある北海道千歳市(ちとせし)、神奈川県秦野市(はだのし)や、茨城県境町(さかいまち)など、複数の先進的な取組をなさっている所を視察し、お話を聞かせていただきました。
 こうした意見交換の中で、熱意ある方々がリーダーシップを取って地方創生に取り組んでおられる姿に勇気付けられ、地域の核・リーダーとなる人づくりの重要性をあらためて感じたところであります。
 「基本的な考え方」の中におきましても、複数の箇所で人づくりについて記載をしておりまして、私としては大事なポイントの一つであると考えているところであります。
 今後、現場に入って地方創生に取り組んでいる方々との意見交換を行っていくべく、現在、次回有識者会議を地方開催する方向で調整を行っており、引き続き現場の様々なお話を伺いながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
(問)万博関係でお伺いさせていただきます。チケットの販売の状況なのですけれども、700万枚強ということで前売券の販売目標の半分程度にとどまっております。
 来年からいよいよ開幕まで4か月を切ってくるというところで、今の売れ行きの受け止めと、今後、あと3、4か月で、残りの700万枚弱が売れるのかという今の見通しをお願いいたします。
(答)大阪・関西万博のチケットにつきましては、12月18日(水)時点での最新売上枚数、約744万枚となって、少しずつ増えているところであります。
 開幕まで、本日で残り110日でありまして、チケットの更なる販売促進に向け、万博の魅力や意義などに加えて、具体化が進んでいるパビリオンやイベントなど、万博で何が見られるのかといった情報をしっかり発信していくとともに、旅行会社をはじめとする販売チャネルの拡大、コンビニでのチケット販売の拡大、チケット販売予約サポートの充実などの取組が重要と考えているところであります。
 引き続き、博覧会協会やあるいは大阪府、大阪市とも連携しながら、必要な取組を実施してまいりたいと考えております。
 私自身もそうですけども、中身を詳しく教えてもらったり、あるいは資料を頂いて見ていると、非常に興味深いものもたくさんあって、1回だけではなくて、3、4回行きたいな、などと思うようにもなりました。私の知り合いの企業や、あるいは団体の皆さんたちも、是非、ゴールデンウィーク明けぐらいには、みんなで行きたいねという、そのような話も随分各地で盛り上がってきておりますので、更に発破をかけて、一生懸命、販売の拡大に努めたいというふうに思っております。
(問)すいません。今の売れ行き740万枚ということでしたけれども、それはどのように受け止めているのかというところと、あと企業・団体が、御指摘いただいたように、かなり今回の売れ行きの大半を占めるということで、これから個人が買っていくという中で、1400万枚達成できそうなのかというところを含めてお願いいたします。
(答)当初の予定からいくと、半分だという言い方をされますけども、これから(2025年)10月の終わりですから、(万博の)終わりが。それまでの間に、皆さんスケジュール立てられて万博に行く、その人たちのこれから購入が増えてくるといわれておりますので、一生懸命PRをして、頑張りたいと思っているところであります。
(問)関連で、皆さん、一生懸命(チケットを)売っていかれるということでしたけれども、とはいえ、なかなか厳しい数字だなとは思っておりますして、このまま売れ行きが思うように伸びず、運営費が赤字になってしまった場合の補填の在り方について、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)万博の運営費について、御心配いただいておりまして、ありがとうございます。
 収支につきましては、これまで万博協会が作成いたしました資金計画に基づきまして、今後の入場券の売上、あるいは企業からの協賛金、ライセンス収入等々の動向を見ながら、赤字にならないように博覧会協会が取り組むものと承知をしているところであります。
 まずは赤字にならないように、関係者と連携しながら、入場券の販売促進に向けまして、万博のパビリオンや催事等のPR、販売チャネルの拡大、チケット販売予約のサポートの充実など、周辺から全体で盛り上げていきたいと考えております。
 また一方で、支出につきましても、運営費を含む万博の主要な費用の執行状況の適正性をモニタリングするため、経済産業省に執行監視委員会を設置しておりまして、博覧会協会を指導監督し、無駄を省く、経費を抑えるということを努力をしてまいりたいと考えているところであります。
 また赤字になった時というお話もありましたけども、今、申し上げました様々な取組を通じて、運営費が赤字にならないよう適正な範囲内で収支を調整していくものと認識をしているところでありまして、そこは、もうやっぱり一番大事なところでありますので、知恵を絞り、汗を流し、頑張りたいと思っております。
(問)赤字にならないように、努力をしていくということですけれども、赤字になった場合の想定というのは、されていないということなのでしょうか。
(答)今のところは。
(問)していないと。
(答)予算で、赤字にならないように努力をしているというところであります。
(問)地方創生の話で1点、お聞きしたいのですけども、先程の第2回会合の総理の最後の発言で、「今度、失敗すると大変なことになる」といったような総理の発言があったかと思います。
 捉え方によっては、この10年の取組が失敗だったのかな、というような捉え方もされかねないような表現だったかな、というふうに感じたのですけども、われわれは、最後の発言しか聞いていないので、実際、議事にいらっしゃった伊東大臣として、あの発言はどういうものだったのかという認識を伺えればと思います。
(答)10年前に初代の地方創生大臣になられて、2年間務められて、10年後、総理大臣になられた。御自身の中に、張り切って初代大臣として頑張った時の思いが強くあったのだというふうに思います。
 ですから、それが成功した、うまくいった事例もたくさんあるけども、そうではなかった事例もたくさんあるというのは、これは総理、常々おっしゃられている話であります。
 だから今度、全く成功ができなくて、もう失敗続きでいくとなれば日本の、いわゆる総理が目指した、地方創生、日本創生というのが遠のく話でありますので、やっぱり失敗できないという、そういう思いが非常に強いのではないかなという、そのような決意を感じたところであります。

(以上)