野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年6月14日

(令和4年6月14日(火) 9:38~9:48  於:衆議院本館2階 議員食堂)

1.発言要旨


 私の方から、今日は割とたくさん御報告がございます。初めに、青少年施策、男女共同参画、少子化対策を担当する大臣として申し上げます。本日の閣議において、「子供・若者白書」、「男女共同参画白書」、「少子化社会対策白書」の3つの白書を閣議決定しました。
 まず、「子供・若者白書」について、本年の白書では、こども家庭庁の創設に向けた動きを特集するとともに、昨年に引き続き、子供・若者に関するデータを分かりやすく示した「子供・若者インデックスボード」を掲載しています。また、各府省が講じた施策に加え、地方公共団体や民間における先進事例も紹介しています。
 次に、「男女共同参画白書」では、特集の中で、人生100年時代を迎え、女性の半数以上が90歳まで生き、離婚件数は結婚件数の3分の1に上り、50歳時点で配偶者のいない人の割合が男女共に約3割に達するなど、家族の姿や人々の人生が大きく変化・多様化した実態を、エビデンスに基づき明らかにしました。その上で、昭和の時代に作られた制度・慣行等が実態から乖離することによる諸課題と、幅広い分野で制度・政策を見直していくことの必要性を指摘しています。
 「もはや昭和ではない」。雰囲気や印象論ではなく、実態として国の骨格が変わったということです。このメッセージを多くの方にしっかりと届け、女性が経済的に自立して、尊厳と誇りを持って人生を送ることができる国にするため、取組を進めてまいります。
 そして、「少子化社会対策白書」については、特集として新型コロナウイルス感染症影響下における結婚・出産の推移や意識の変化について概観するとともに、不安に寄り添いながら、安心して結婚、妊娠・出産、子育てができる環境整備に向けた取組などについて、事例を取り上げて紹介しております。
 これらの白書が国民の皆様に広く活用され、各施策について御理解や御関心を深めていただく一助となれば幸いです。
 次は、今週木曜日6月16日に孤独・孤立に関する駐日大使会合の開催を予定しておりますので、お知らせいたします。
 この会合は、孤独・孤立をテーマとする我が国として初めての国際的な会合です。外務省との共催により、G7参加国をはじめとする各国・地域の駐日大使などをお招きして、孤独・孤立の問題について意見交換を行う予定です。
 現時点では、世界で唯一、孤独・孤立対策担当大臣を有する我が国からこれまでの取組の経験を諸外国に紹介するとともに、それぞれの国の状況や対応について情報共有することにより、グローバルな共通課題として孤独・孤立の問題に関する国際的な理解の増進につなげてまいりたいと考えております。詳細については事務方にお尋ねください。
 続きまして、孤独・孤立対策キャンペーンの一環として、YouTubeで配信を行っている「ひとりじゃないカフェ」について、第3回の配信を6月28日(火)午後7時から行いますので、お知らせします。
 今回は、NPO法人Light Ring.代表理事の石井綾華さんと、株式会社オリィ研究所代表の吉藤健太朗さんの御二人をゲストとしてお迎えします。テーマは「孤独と支え」とし、御二人の孤独の体験や、それをどのように乗り越え、孤独に悩む人々を支える現在の活動につなげているかなどについてお話を伺います。お手元の配付資料に番組のURLやQRコードを掲載しておりますので、1人でも多くの方に見ていただけるよう、報道各社の皆さんの御協力をよろしくお願いいたします。
 また、今回も一般の方から孤独にまつわる体験談やゲストへの質問等を募集し、番組で紹介する予定です。募集は既に内閣官房のウェブサイトで行っているところですので、引き続き皆様からたくさんの投稿をお待ちしています。詳細については事務方にお尋ねください。

2.質疑応答

(問)こども家庭庁の設置関連法案が成立する見込みとなっておりますけれども、それを踏まえて、大臣の意気込みと御所感をお伺いできたらと思います。
(答)これから総理が入られての質疑がございますので、最後まで気を緩めずに、しっかりと多くの委員の皆様方の意見を拝聴して、創設される予定のこども家庭庁の中身としてしっかり積み重ねてまいりたいと思っています。
 多くの方たちが少子化対策、また子育て支援の不安等々、長らく不安に感じ、心配していたのですが、なかなか当事者の声が届きづらい国会の中にあって、ようやくこういう形で見える化し、多くの人たちと寄り添う新たな行政組織をつくることができて、まずはずっと願っていた私からすると、感謝の気持ちでいっぱいです。
 ただ、これから、つくるだけではなく、数多くの課題をいただきましたので、それをしっかりと実現していくこと、そして本当に子供たちに喜んでもらえるように、いつも自分自身が子供の視点に立って、さまざまな施策に果敢にチャレンジできるよう、初心に帰って頑張ってまいりたいと思っています。
(問)男女共同参画白書の中で、大臣からも言及があったと思うのですが、20代の女性の約5割、あと男性に至っては約7割が配偶者等がいないと回答していて、デートをしたことがない20代の男性が約4割という衝撃的な数字だったのですが、結婚イコール出産ではない時代、多様化している時代とはいえ、そもそもこれだけ少子化が言われている中で、これだけそもそも交際経験がないとか、デートがないとか、どんどん拍車がかかっているだけなのではないかというのはブリーフの中でもあったのですが、大臣としてどうお考えですか。
(答)様々なデータが出てくる中で、私がよりどころにしているのは、それでもまだ、未婚の男女のアンケートの中で結婚したいと望んでいる人たちが大多数いらっしゃるということです。その人たちが抱えている、目の前のいろいろな事情があると思います。それを丁寧に一つ一つ解決していくことが大切かなと思います。
 例えば、むしろ男性が結婚しづらくなっているのは、夫として活躍できるかどうかの不安であったり、企業にいて、上司がいて、父になったときに、父親としての役目を果たせることをその上司が喜ぶか、そういう職場環境ができているかどうかとか、女性の方も様々な問題を抱えていますけれども、パートナーになる男性の方にも様々な乗り越えなければならない慣習とかいろいろなものがある。そういうのを併せ持って、今回は男女共同参画会議の中で両輪として解決していこうと。そういうことで収入面もあります。また、出会いがないというのもあります。であれば、今のオンラインの時代の中でそれに代替できるものを提供していこうとか、それが使いやすくしようとか。例えば一昔前だと、対面で出会っていないと何となく後ろめたいみたいな、私たちの時代はありましたが、今やむしろ対面で会わずにオンラインでつながっていくことが主流になってきています。そういうことをどんどん様々な角度で応援できたらいいなと。
 地方創生の一つも、今まではどこかで出会いをつくるということが主眼であったけれども、地方創生の観点から、いや、オンラインで全国の若い人たちが出会って、拠点として自分たちの最初のスタートが地元であってくれるといいなみたいな考え方をどんどん変えていくことで、応援をできる体制をつくっていければと思います。
(問)大臣の率直な、20代女性の5割と男性7割の人が交際もしたことがない、デートもしたことがない人が4割。その数値の率直な感想としてはいかがでしょうか。予想どおりであったのか、そうでないのか。
(答)いや、私も自分の人生の範囲でしか答えられないけれども、それだけ多様に自分だけで過ごせるツール、例えばネットとかが増えてきたのもあると思います。必ずしもそんなに悲観的ではなく、独りで過ごすことが多い人、独りで過ごす時間が多い人がどう出会っていくかということを考えることがイノベーションなのかなと受け止めています。過去に戻っても仕方がないことなので。

(以上)