野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年6月10日

(令和4年6月10日(金) 9:42~9:50  於:中央合同庁舎8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)こども政策の関連でお伺いします。医療的ケア児を支援する法律が成立して、明日で1年になります。改めてこの医療的ケア児支援への御所感や、今後、こども家庭庁で取組を進めるお考えがあるかを教えてください。
(答)もう1年経ったのだなと。ただ、1年前に法律が成立する前に様々な試行錯誤というか、取り組んできたことの結果、法律になったのだなと思います。その前身が児童福祉法の改正とか、障害者自立支援法かな。そういうところで改正を重ねてきたのですが、なかなかフィットせず、医療的ケア児という独自のブランディングをして、それでそこにフィットするような社会を作りたいということで法律を作ったことを今、思い出しました。
 遡れば、私が産んだ子が、当時は医療的ケア児という名前も無かったのですけれども、人工呼吸器とか、そういうものを使って生きることができるという、そういう世の中にあって、いったん病院から離れると支える手がないという経験をしたことから、そういう医療のイノベーションがたくさんの命を救う傍ら、社会がそういう新しい命とマッチングしていないなという中で、法律の必要性、新しい時代を新しいニーズに対応する法律を作ることで社会を変えていくのだという、学びをさせていただきました。
 今後は法律が施行されたことによって、様々、全国でもセンターの設置とか、また、多くの医療的ケア児に取り組んできた方も勇気を持って、これまではやればやるほど経済的にも厳しかったですけれども、医療的ケア児の数も増えています。これは医療がどんどん進んでいるおかげだし、そのいい成果をしっかり社会の中で子供の場合だと教育、学びの場とか、育ちの場で「見える化」していくようにしていただければと思っています。
 もちろん、こども家庭庁は、子供として障害児も引き受けるわけですから、それぞれ役所の在り方で医療的ケア児が受けられる子と受けられない子があったりするのが現実ですから、そういうところはしっかり修復して、どの子でも、どこにいても医療的ケア児がしっかりと生きられ、そして、学ぶ権利を行使できる。そういう国を一日も早くつくりたいという思いです。
(問)先日、熊本市長と面会した際の熊本視察についてお伺いします。
 子供の「出自を知る権利」を保障する上では、民間ではなくて国が母親の情報をデータベースで管理するなどが必要だとおっしゃっていましたけれども、それに関して、こども家庭庁ができたときに、こういったデータベースの構築とか、あるいはおっしゃっていた妊娠活動に関する窓口を整備するとか、そういったところは今後、国が主体的にやっていくというようなお考えでいらっしゃるのでしょうか。
(答)「出自を知る権利」というのは実は内密出産によって起きた課題ではなくて、遡ること、精子提供を受けた、また、卵子提供を受けた方たちが、例えば親の離婚の際に、あなたは自分の実の子ではないとか、または病気になったときに血液検査をしたら親と違っていたとか、そういうつらい歴史が子供たちの中にあって、現在、不妊治療が法制化され、また、不妊治療の保険適用の中で不妊治療というのがスタンダードになっていくと、当然、精子提供、卵子提供というのはセットというか、法律の中でもそういう形で生まれた子供に対して明確に身分を定めてきているわけですから、ただ、そこまではいいけれども、生物学的にといったときには今はまだそちらの方でも議論が紛糾していて、持ち越しになっているものです。
 ですから、内密出産とか不妊治療とか生まれ方とか、大人の都合ではなく、生まれてきた人間が、自分がどういう人間であるかを知る権利というのをしっかりこの国も速やかに整えていく必要があると。ただ、法律だけ出来ても、そのデータがきちっと整理されていなければ、当然、期待に応えるわけにいかないわけですから、そういう極めて個人情報でもあり、ここしっかり今までは公はあまり関わっていないので、いろいろな方たちが任意で善意で預かっていただいているということになりますから、今後は数が膨大になるし、「出自を知る権利」という流れの中で、しっかり備えをするためには民間ではなくて国が「こどもまんなか」ということであれば、子供の将来のために届けていかなければならない。こども家庭庁が総合調整をしながら、いろいろなところが関わってきているので、厚生労働省もそうでしょうし、法務省もそうでしょうし、しっかり取り組んでいければいいと思います。
 内密出産の方では今、ガイドラインとか、また、市の取組がありますので、そういうものも参考にして、次の世代の人たちに応えられるようなものをこども家庭庁として創設させていただいた暁には取り組むということで、私としてはそういう決意でいます。
(問)こども家庭庁の法案が不信任案の絡みで15日に延びてしまったということに関しては、やはり残念だというような思いはございますか。
(答)国会の日程を考えると、私も自民党の国会対策委員会に居ましたが、これはやはり各党が定例日はあるものの、それぞれが政治判断の下で委員会、優先順位とか、どの法案を進めていくかとかをお決めになるので、それを私からは今どうのということで、基本的には皆さんにお任せして、衆議院の方ではしっかり議論いただいたし、今も参議院でだいぶ議論をいただいて、参考人までいろいろなお話をしていただいた中で、なるべく早く子供たちのために成立ができるよう、皆さんに御理解いただければいいなと思っています。

(以上)