野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年5月17日

(令和4年5月17日(火) 8:56~9:05  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)こども家庭庁の関係でお伺いします。本日の衆議院本会議で創設の法案が採決されます。これまでの国会審議では、文部科学省の教育分野が移管されないことで、縦割り行政の解消になるのかどうかや、子供にかける予算などが議論になりました。改めてこれらの課題についてのお考えを教えてください。
(答)こども家庭庁設置法案については、先週、御存じのとおりですが、衆議院の内閣委員会で政府案のとおり可決をいただいたところです。審議の中で、司令塔機能の在り方とかこども政策の充実に必要な財源確保を含め、与野党問わず多様な様々な御意見をいただきましたし、議論をすることができたと思っています。
 こども家庭庁の司令塔機能については、こども政策は多くの省庁が関わっています。全ての省庁のこども政策を一元化することは、現実的ではありません。例えば文部科学省との関係については、子供の権利利益の擁護等を任務とするこども家庭庁と、教育の振興を任務とする文部科学省とが、それぞれの目的を追及する中で、専門性を高めつつ密接に連携する方が、政府全体としての施策の充実、質の向上に資するものと考えています。
 ですから政府提出法案では、こども家庭庁が子供の権利利益の擁護等に関する事務を一元的に所管するとともに、関係省庁に対して、子供の視点に立ち、各省庁より一段高い立場から、総理のイニシアチブの下、政府内の総合調整を行うことにしています。
 また、こども政策の充実に必要な財源の確保については、昨年閣議決定した基本方針でも、「政府を挙げて、国民各層の理解を得ながら社会全体で、費用負担の在り方を含め、幅広く検討を進め、確保に努めていく」ということとしており、政府全体でしっかり議論していく必要があると考えます。
 本日の衆議院本会議で法案を可決いただければ、今後参議院で御議論いただくことになります。引き続き、こども家庭庁創設のため、法案成立に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 少し細かくなりますが、幼保一元化についても少し触れさせていただくならば、小学校就学前の子供たちにとって一番大切なのは、園の形がどうであれ、しっかりとした教育や保育がなされることだと思うのであります。幼稚園、保育所、認定こども園に通う子供はもとより、いずれの施設にも通っていない「未就園児」がいます。その未就園児も含めて、小学校就学前の全ての子供の成長を支えることが必要です。
 また、教育など文部科学省が担う「学び」に係る行政と、児童福祉など「育ち」に係る行政とは、相互に近接する側面があるものの、それぞれの目的を追求する中で専門性を高めつつ、それぞれがしっかり調整し、密接に連携する方が、政府全体としての施策の充実、質の向上となると考えています。
 今回は、さらに、幼稚園は引き続き文部科学省の所管としていますが、政府案では、新たに学校教育法及び児童福祉法に両省庁が相互に協議を行い、「幼稚園における教育内容」、「保育所における保育内容」を定める規定を設けました。これによって、幼稚園、保育所等を問わず、共通の教育・保育を制度上担保して、教育・保育の質の一元化が図られると考えています。まさに子供目線、子供にとって不利益が出ないような中身の充実であると思っています。
 また、こども家庭庁では、子供の育ちを支える際に留意すべき事項等を、「就学前のこどもの育ちに係る基本的な指針」、これは仮置きですけれども、閣議決定していきまして、政府内の取組を主導し、全ての施設や保護者に周知・普及を図るとともに、「未就園児」の実態把握がとても大事だと思います。これを進め、市町村と連携して、子育て支援サービスや、幼稚園、保育所などへの就園につながるプッシュ型の支援等を進めてまいります。こうした取組により、就学前の全ての子供の健やかな成長が保障されるよう、文部科学省とも密接に連携して取り組んでまいります。
(問)先ほど言及されました財源問題なのですが、総理が国会答弁の中で、こども関連予算を将来的に倍増させていく、欧州の水準にしていくというお話だと思うのですけれども、倍増とはかなり大変な検討作業になると思うのですけれども、どのような場で、いつごろまでに結論を出したいとお考えでしょうか。
(答)現在、こども家庭庁の創設を待たずに、こども関連の政策予算というのは補正や当初でしっかりと増やしてきています。今後はこのこども家庭庁の法案審議を参議院でしっかりしていただいて、整理させていただいた暁に、こども家庭庁の下で体系的に。衆議院の審議の中でも様々な提案がありました。これが必要だ、これが必要だといういろいろなメニューを各党、各委員が提出していただいたものを精査して、優先順位もあろうかと思います。緊急性のものもあるし、中長期的なものもあるし、そういうものをしっかりと体系的に整理いたしまして、予算を出していきたいと思います。
 私も長いこと国会にいますけれども、過去の総理大臣の中で、党を問わず、これだけこども政策に関して「倍増」と明確に、大きく予算面でもしっかりやっていくのだという決意をしてくれたのは岸田総理が初めてでありますので、私としては、無駄のないように、しっかりと国民各界各層が「これに必要だね」と言えるような、納得できるようなものをじっくり作っていきたいなと。結果として、子供は多種多様ですから、全ての子供たちに私たちの思いが届くように、形になるようなものを作り上げていきたいと考えています。
(問)組織論の話ですけれども、現在提出の法案では、来年4月の発足の段階でのこども家庭庁の姿というのを示されていますけれども、こども家庭庁発足後に、幼児教育の一元化も含めて、組織の在り方についてまた改めて検討されるお考えはありますでしょうか。
(答)そこは「何を」ということではなくて、「こどもまんなか社会」として、子供をしっかり守るために、私としても全力を尽くして個人的にも20年近くやってきたものがあり、今法案として出てきた中でも、実際議論になると、様々なやはり必要なものが見えてくるわけで、「何を」ということよりも、これからずっと、こども家庭庁を創設していただくことになると、365日、政治も行政もこども政策を検討することになりますので、そこは縛らずに、有事・平時問わず、しっかりと取り組んでいければと思っています。

(以上)