野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年5月10日

(令和4年5月10日(火) 9:16~9:28  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 私の方から1件御報告をいたします。
 内閣府男女共同参画局では、「ジェンダー統計の観点からの性別欄検討ワーキング・グループ」を新たに設置し、昨日(5月9日)、第1回を開催いたしました。
 現在、各種統計調査等における性別欄については、「男性」又は「女性」のどちらかを選択するものが多く見られますが、トランスジェンダー等の方々への配慮を理由として、近年、性別欄を廃止するという動きが見られるところであり、男女別データが取得できなくなることへの懸念が生じています。
 男女共同参画の推進に当たっては、男女別データを用いて、ジェンダーに関する視点を盛り込んだ政策の企画・立案・実施につなげていくことが重要です。例えば、2020年9月から男女共同参画局で開催した「コロナ禍の女性への影響に関する研究会」では、労働力調査をはじめ様々な統計の男女別の集計を用いて、今回のコロナが女性の就業や生活面に強く影響が現われたことを明らかにし、この分析をベースにした施策を経済対策や補正予算につなげることができました。
 昨日の会議では、政府の会議で「ジェンダー統計の観点からの性別欄」を取り上げることが大変重要であるという御意見を多々いただきました。今後、ワーキング・グループにおいて各種統計調査等における多様な性への配慮についての現状を把握し、性別欄に関する課題について検討を進めてまいります。

2.質疑応答

(問)今の関連ですけれども、この検討会の結論の時期の目途や、大臣自身、こういったトランスジェンダーの方への配慮としてはどういったことが必要だとお考えか、改めて教えてください。
(答)「ジェンダー統計の観点からの性別欄」の取扱いについて議論を進めていただいて、今年の夏ごろを目途に取りまとめを予定しています。ワーキング・グループで取りまとめられたものをベースとして、今後のガイドラインをお示ししようということを考えています。
 私自身は、もちろん個々への配慮というのが大前提になりますけれども、統計というのはとても正直で、私たち政策を作る側からすると、やはり欠けていたところがマイナスの数字としてしっかり出てまいります。特に、皆さんと出会ってから半年取り組んできた政策の土台になったのは、やはり平時のときの準備を怠っていた結果、女性の例えば7割が働いているけれども、その半分以上は非正規であるという、そういう統計があったから、より女性政策に関して新たな政策に取り組むことができたという足跡があるので、それぞれの人権に配慮しながらも、やはり社会の枠組みで足らざるところをしっかりと精緻に導き出していくことも、誰一人取り残さないとお約束した政治実行の前提になると思っているので、そこはきちんと、感情的にならずに、合理的にそれぞれの方たちがウィンウィンという形に持っていけるように議論を取りまとめていただきたいと願っています。
(問)総務省が先日、14歳以下の子供の数が41年連続で減少したと発表しています。少子化の危機的な状況を表していると思いますが、大臣の受け止めと、少子化対策はこども家庭庁でも重要なテーマになると思いますけれども、こども家庭庁でどのように取り組んでいくのか、改めてお考えを伺います。
(答)私個人としては、ずっと議員活動でそのことを、毎年毎年数字が出るたびに国会の仲間たちと共有したかったし、多くの国民の方たちに理解をしていただきたいと願っていたのですけれども、やっぱりプレゼンテーションの仕方が悪いのか、「減りました、減りました」と言うだけで、何が問題で子供の数がどんどん減っているかということについての深掘りを、やはりこちら側、例えば行政であったり政治が取り組んで、丁寧な説明責任を国民の皆さんに果たしてこなかったのだと思います。
 子供を産む主体というのは、妊娠・出産が、今女性のみにいただいているキャラクターなのですが、女性が例えば産みたいと願っていても、実数が伴わないというそのギャップが何なのかというのを、きちんと社会に擦り合わせて、結果として少子化になったという導きが足りなかったと思います。
 今、こども家庭庁の議論の中でもやはり党派を超えて子供の数が少なくなることは、この国のいわゆる魅力を失っていくことだということに共通認識が生まれています。そこまでたどり着いているので、今後、日本の国の魅力というより力ということにも匹敵するわけですけれども、そこを取り戻していくためには何をしていくかという、具体的に目こぼししてしまっていた分を今ラインアップして、そこに法律が必要であれば法律、予算が必要であれば予算、人が必要であれば人、というのが喫緊の私たちの仕事になっているということをお伝えできればと思います。
(問)6日に、大臣は駐日ウクライナ大使と面会されたと思うのですが、具体的にどのようなやりとりがあったのか、御紹介いただけますでしょうか。
(答)ロシアの侵略が始まって、多くの方たちがウクライナの状況を心配されていましたし、私も、大臣としても個人としても、とりわけ子供たち、女性たちが、男性たちが国に残り、母子で脱出をするというような報道を相当拝見する中で、こども政策を担当していますし女性政策を担当しているので、十分な報道、情報が得られないまま、不安を感じたことを率直にウクライナ大使にお手紙を差し上げて、日本の私たちが、私の立場でできることがあれば是非おっしゃっていただきたいとお伝えいたしました。
 私が心の中で考えていたことは、ウクライナで親とはぐれてしまった子供たちがいて、行き先もなければ、日本に一時的にせよ里親のような形で私たちがお預かりして、そして不安のない日々を送らせることができないかみたいなことも、実は古川大臣とも、私的な会話の中ですけれども、相談などしており、そのようなことが可能かどうかということと、併せて、私は大臣とは別にユニセフの議員連盟の会長をしていて、直近のウクライナの状況を、ユニセフが一番ボーダーにおられるので、様子を聞いたりする中で、何が必要かみたいなことも伺っていたので、そういう自分が聞き得たことをしっかりウクライナの大使と擦り合わせをすることで、とにかく日本は岸田総理を先頭に、自分たちのできる限りのウクライナに対する支援を続けていきたいということ、そしてまた、ウクライナの皆さんにも、是非要望があればできる限り取り組みたいということを伝えてほしいとお願いしました。やはりウクライナの大使が窓口ですから、しっかり御健康を整えていただいて、心身ともに厳しい中であるけれども、日本人の私たちを友達だと思って、頑張っていただきたいという励ましの言葉を送りました。
(問)追加ですけれども、ウクライナのお子さんの受け入れというのは、ウクライナ国内に取り残されているお子さん、親御さんを失ってしまったお子さんということですか。
(答)もう国外に脱出していたり、また、様々、報道の中では良からぬ人たちが子供たちを人身売買のような形で持っていくというような話も少しずつ聞いていたので、これに関してはユニセフに確認していただき、ユニセフがその近辺でしっかり監視をしているということも聞いていたので、とにかく居場所を必要としているウクライナの子供たちがあれば、全力で私たち、少なくとも私は担当なので、日本の子供だけではなくて世界の子供たちのことを考える担当だと思っているので、何か解決策があればという話を申し上げたけれども、大使の方でも今すぐにではないと。ただもちろん亡くなっている子供もいますし、ロシアの方に連れていかれた子供もいるという報告もありました。
 まだまだ複雑な状況なのですが、可能な限り、女性なり子供、ウクライナにいて困っている人たちに手が差し伸べられるような方策を考え続けていきたいということで、大使とお話しいたしました。
(問)さらにすみません。受け入れる場合は、児童養護施設のようなところということですか。
(答)様々だと思います。個人のお宅で、今、日本の里親制度は自宅ですから。そういう形で一時的にせよ、一番厳しいときですから、そういうことができればいいのですが、まだそこまで具体的に詰めてはいません。ただその選択肢というのは様々あると思います。

(以上)