野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年3月4日

(令和4年3月4日(金) 8:33~8:51  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 本日の閣議におきまして、第12次地方分権一括法案を閣議決定いたしました。
 本法案は昨年12月に閣議決定した「令和3年の地方からの提案等に関する対応方針」を踏まえ、法改正が必要なものを取りまとめ、12本の法律について所要の改正を行うものです。地域に密着した課題に対し、地方公共団体が自らの判断と責任において、効率的・効果的に実施できる仕組に改めるという趣旨・目的を有するものです。
 詳細については事務方にお尋ねください。併せて、参考資料に内容は出ているので、御理解いただけるかなと思います。

2.質疑応答

(問)地方分権について、2つお伺いします。
 1つ目は、今日閣議決定された一括法案のポイントと、2つ目は、先日、地方分権改革有識者会議が計画策定に関する報告書をまとめて、策定義務を必要最小限にするとの基本原則を政府の方針とするよう求めましたが、それにどのように対応していくかを教えてください。
(答)では、初めに計画策定の方を。これはかねてから策定に関する法律の条項数がこの10年間で約1.5倍に増加していることなどを踏まえて、昨年12月21日に閣議決定されている「令和3年の地方からの提案等に関する対応方針」で地方の自主性及び自立性を高めるための検討を引き続き行うとされてきました。
 2月28日に開催された有識者会議において、令和4年の提案募集において計画策定等を重点募集テーマとすることが決定し、そして、3月1日から提案の募集を開始いたしました。
 併せて、有識者会議では内閣府から各府省に対して計画策定等に関する見直しを要請すべきとされたことから、3月1日付で各府省に対し、見直しの検討を要請いたしました。
 今後とも、内閣府としても計画策定等に関し、地方の自主性及び自立性を高める検討をさらに進めてまいりたいと考えています。
 私自身も立法府の一員として、これがビルトインされていて、その重要性とかそういうことでなく、ただ法律として必要である的な伝わり方をしてしまったのが問題かなと、自分でもそういう意識はありました。
 2月28日の有識者会議においては、計画策定における基本原則について政府の方針として定めた上で、各府省自ら遵守に努めるとともに、法令上の措置については内閣府においてチェックを行うべきとされたものと聞いています。
 今後、この取り扱いについては令和4年の提案募集における地方からの提案や、地方6団体の意見を踏まえて、具体的な検討を進めてまいりたいと考えています。
 あとは、今回の一括法案のポイントは、具体的に目玉みたいなものを申し上げると、まず、難病患者さん等に交付する医療受給者証、こういうものがあるのですけれども、それについて指定医療機関の包括的な記載を可能にすること。また、オンラインによる医師、歯科医師、薬剤師の届出に係る都道府県経由の事務を廃止することなどが盛り込まれています。このように、実際に地方の現場で困っている具体的な支障に対するきめ細やかな対応が盛り込まれていることが、大きな成果であると考えています。
(問)昨日の経済財政諮問会議で、岸田総理から、きめ細かな人への投資に取り組むようにということで、女性活躍や子育て支援などの分野で包括的な施策を取りまとめるようにという要請があったと伺っておりますけれども、それについては今後どのように取り組んでいかれることになっているのでしょうか。
(答)昨日、私が会議でプレゼンしたことは、こども政策の担当大臣として出席をいたしまして、やはりこども家庭庁をつくるに当たっても、それを待つことなく、やはり今やらなければならないこども政策、実効性をしっかりつくらなければいけないということで。ざっくばらんに言えば、子供に対する投資をやはり潤沢なものにしていきたいと、いかねばならないということで、総理も自ら所信で人への投資を倍増させるということをおっしゃっていたけれども、私からすると、人も様々いますが、やはりより多く、よりストレスを置くところは子供たちという人ではないかというような話をさせていただきました。
 そのお答えとして、子供だけというイメージがあるのですけれども、子供は社会の中にいるので、やはりこれからは親の子供ではなく、社会が責任を持って子供たちを育てていくという姿勢を見せるためには、相応の組織と相応の投資が必要だということを御理解いただいて、ああいう言い方をされたのだと思います。
(問)こども関連で、出自を知る権利についてお伺いしたいのですけれども、2月17日に日産婦(日本産科婦人科学会)が大臣の所に生殖補助医療に関する公的管理運営機関の設置を求める要望書を出しにこられていたと思うのですけれども、それで、学会が会見で前向きに検討していただいていると返答いただいたと話しているのですけれども、学会が要望している、この配偶子ドナー情報などを管理する機関の必要性について、大臣の御認識をお伺いしたいです。
 併せてなのですけれども、そもそも2020年12月に成立した生殖補助医療法では、この出自を知る権利の検討について、2年を目途に検討するとなっていて、今後どのような議論が望まれるか、期待することがあればお願いします。
(答)お目にかかったときは、大臣というよりも、もともと議員連盟の会長としてこの法案作成に携わっていたので、私たちがやはりペンディング事項にした部分が出自を知る権利であったり、他もろもろあるわけですけれども、これについては法律の中にしっかりと国会内で検討委員会をつくって答えを出していくとしているので、これはこれで今月もですけれども、超党派の議連が開かれますので、その中でいろいろ議論されて、私たちとしてはこれをやらなければいけないという立場の議連なので、どういう方法がいいかというのを検討しています。
 その中で、内密出産も深く関わっていて、慈恵の先生もゲストスピーカーでしたし、一つはそういう望まぬ妊娠を継続させて、子供を世に出してあげようという流れの中の出自を知る権利を、どう育った先で担保するかというものと、あとは生殖補助医療の中で精子提供、卵子提供を受けた人たちがやはりバイオロジカルな親を知りたいというときに、どこまで国は公表というか、応じることができるか。これも今、研究中なのですけれども、諸外国は様々で、当然深くやっているところもあれば、ほとんどやらない国もある。
 日本の場合は、どういう形を取り得るのが子供にとって最善なのだろうということも含めて、今ずっと議論しています。約束の年月も迫ってきているので、与野党である一定の結論を得たいなということで取り組んでいる最中です。
(問)確認なのですけれども、公的管理運営機関はあった方がいいということでもなく、どういう形がいいかということで。
(答)いや、要はデータベース、これは必要だと思います。なぜならば、例えば不妊治療も今は夫婦というかカップル、法律婚または事実婚の中でということだけれども、技術はできるわけだから、第三者のも、当然その視野に入ってきてしまうと思うのです。そうした中で、今は子供が生まれてくることが子供の幸せだけれども、やっぱり年数がたてば、今度は子供の幸せは変わってきますから、自分のそのルーツについて知りたいというのも、子供にとっては必要なことなのかもしれません。気が付いた人には。そこで、ちゃんと前にさかのぼって分かるようにしておいてあげることが、子供たちのアイデンティティーの不安定さをつくらない一つの柱になってくると思うので。
 議論している当時は、まだこども家庭庁の議論もデジタル庁の話もなかったので、さてどこにと、これだけの大切なデータをと。一部クリニックとかが持っているところもありますが、それは限界でしょうということで、少子化対策で総合的にこの不妊治療、または特別養子縁組、さらには内密出産と、これまで関わってこなかったことを国が受容していくのであれば、そのデータベースの構築が必要になってくるので、そこはまたいろいろ議論が、問題提起したときとは、今、行政組織の在り方が変わりつつあるので、うまく擦り合わせていければいいなと思っています。
(問)最後、その辺はデジ庁とこども庁でもやっていくという感じなのでしょうか。
(答)いや、まだそこまでは。たぶん次回の議員連盟の会議の中で様々各界、各層の方が提案してくださるのかなと。ただ、やっぱりもう恐らく不妊治療も保険適用が始まりますから、相当多くの数を受け入れることになると、小さなクリニックだけではとてもそういう守秘義務等々は厳しいと思うので、そこはサポートしなければいけないかなと思います。
(問)先日、計画実行・監視専門調査会が開かれまして、改めて配偶者控除と第3号被保険者制度について取り上げられていたのですが、ずっと長年にわたって議論されてきたことですけれども、今このタイミングで有識者会議で議論していただいたその狙いと、あとは今後、大臣も制度の見直しが必要というお考えだと思うのですけれども、どのようにしてよりスピーディーに制度改革を進めていくか。例えば、全世代型社会保障構築会議で取り上げる御予定があるのかとか、党の議論を踏まえて政府で検討しているとか、どういう段取りを考えてらっしゃるのでしょうか。
(答)これは座長の方に運営の在り方を一任しているので、座長や委員の方たちの意見の醸成を見ながら、ただもう配偶者控除というのは昭和40年代ぐらいの話で、やはり令和の今、特に女性周りでは全く対応できない制度の一つかなと。当時はやはり男性が主たる労働者で、多く働くために女性は家にいるという役割分担があり、家にいてくれるという役割分担に対するリスペクトみたいなものもあったのだと思うのです。
 ただ、もう働き方というか、仕事自体の内容が変わってきたので、女性であれ男性であれ、それぞれの個人の能力で仕事をする時代になってきた中、あんまり効果がないのではないかというのは、もう20年ぐらい前から言われ始めて。ただ、やはり伝統的に女性が家にいるべきで、働き手は男性で、女性は家にいて子供の世話をする方が子供の数が増えるというやっぱりお考えの方もまだまだいらっしゃる。そういうところで国会議員は様々な意見を聞いていて、ずっと議論を戦わせてきたのだと思います。
 ただ、今後はやはり少子化対策で、今やはり女性もしっかり働けることがとても大事だと言われる中で、配偶者控除があると、働いていても途中でぷちっと切らなければいけないという、そういう中途半端な働き方を強要されるところもあり、それが個人のお金の出入りだけならいいのですけれども、例えば看護師さんのような方は、これはもうずっと言われているのですけれども、12月の風邪やインフルエンザが流行る頃に調整しなければいけないので、患者さんがたくさん来る頃に看護師さんがその壁を超えないように休みを取らなければいけないという、そういうやっぱり本来あるべきではないことが現場で起きてしまっていると。そんなことをずっと議論してきたのですけれども、いよいよもう例えば同一労働同一賃金であったり、もう共働きの世帯が7割、8割ということで、専業主婦といってもずっといる人は非常に少なくなって、いろいろなアクティビティーに参加されているし、そこはもうそろそろ卒業して、そこに出てきたお金をもう少し、例えば子供への投資とかに振り向けていくのも賢いやり方かなとは私自身はずっと思ってはきました。
(問)今後の議論の進め方なのですが、まずはこの男女共同参画会議の計画実行・監視専門調査会の方で…。
(答)そうですね。たぶん、今度の「女性版骨太の方針」の柱の一つは女性の経済的自立で、この制度が女性の経済的自立にどれだけお邪魔をしているかどうかというのをきちっと数字的にも科学的にも精査して、そうだということであれば、やっぱり大きく取り上げていかなければいけないと。
(問)女性版骨太の方針への書き込みを目指して。
(答)そうですね。大きな意味ではそういうことになってくると思います。

(以上)