野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年3月1日

(令和4年3月1日(火) 9:05~9:18  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)孤独・孤立についてお伺いしたいのですけれども、担当大臣や担当室ができて1年余りが経つのですけれども、いろいろと取り組まれてはきたのですけれども、特に大きいと感じている成果と、あと、これはできていないなと、課題だと思っていることがあればお願いします。
(答)1年前に菅政権のときに孤独・孤立対策の担当大臣をつくるといったときには、自民党の一国会議員であった私は割とそれに驚きました。孤独・孤立という言葉は当たり前に使っているけれども、それが例えば農業政策だったり教育政策だったりと同じように政策として政府が取り扱うという発想が非常にユニークで、驚きを持って歓迎したことを今でも覚えています。
 私が申し上げるまでもなく、コロナ禍によって世界中が強制的にそれぞれ家で孤立とか組織から離れて孤立ということを余儀なくされる中で、普段意識をしていなかった孤独であることとか孤立であるということを日本人のみならず諸外国の人たちが意識をし始めて、先駆けはイギリスであったわけですけれども、日本も平時のときからやはり子供たちの引きこもりとか不登校とかそういうことも深刻化していたので、ある意味、そういう問題解決の土台をつくるということは、これからの日本の明るさにとってはいいことだなと思っていました。
 就任してから、坂本(前)大臣がいろいろな取組をしてくださっていたので、私は引き続き、孤独・孤立という言葉を単なる言葉でなく、やはり個人の問題ではなく、社会構造が引き起こす、社会がつくり出す望まないこととして、しっかり多くの国民に浸透するような手立てというのを講じていかなければならないということで、例えば、まずは足元で言うならば、各省の副大臣で会議を整えて、そこで対策推進会議ということで、これまでは連絡調整会議で「孤独・孤立というのはどういうものでこういうもので」という、そういう場だったと思うのですけれども、それを改め、各省庁が知恵を集めて、どうしたらそれぞれがその担当しているところの人たちや場所が孤独・孤立しないかということを持ち出して、プレゼンテーションをして、そしてそれをそれぞれの1省だけでなくみんなで総合的に対策をしていこうというような会議体ができたことは大変ありがたいことだし、副大臣の皆さんのおかげで8回会議ができていて、具体的な取組、重点計画などが進んできたことは一つの成果だと思います。
 あとはやはり予算の関係では、昨年の補正と今年の予算案で合わせてですけれども、63億円というかなり大きなお金を用意することができたと思っています。これによって、政府が直接関われなかった孤独・孤立対策の取組をしてくださっている全国のNPOの皆さんに、それ相応の活動の資金が届けられるのではないかと。また、継続的な支援が実現しているということが目に見える形で進んだのではないかと。
 そのベースになったのが、私は途中から参加でしたけれども、坂本(前)大臣のときから始められた10回のフォーラムです。孤独・孤立対策に直接関わっているボランティア団体とかNPOの団体とか様々な方たちとのフォーラムを通じて、一般的な孤独・孤立、そして、孤独・孤立の違いとか望まない孤独や孤立、そして、それはどうして生まれるのか、どうしたら生まずに済むのか、そのような非常に現場ならではの理解しやすい取組について知識をいただいてきたところなので、それをしっかりと政策に活かすとともに、これはやはり1億2,000万人の国民全てに関わる、国全体に関わる対策になろうかと思うので、民だけ、官だけ、政だけでなくみんなでプラットフォームをつくって、それぞれで力を出し合うということで、連携プラットフォームを設立することができました。
 あと、私たちからすると、「何か困ったな」、「何かつらいな」というときの手を伸ばす先というのが今までなかったと思うので、速やかに、ウェブサイト、これは支援制度を一元化したものなのですけれども、それを立ち上げて、今のところ閲覧は100万人を超えているということです。ささやかですけれども、そういうどこかにつながる場所があるということをお示しできたのではないかと。
 他にも、孤独・孤立という、その言葉をしっかり受け止めてもらうためのキャンペーンをささやかながら始めて、情報発信をスタートさせているところです。幸い御社の関係とか他のメディアの方たちにも孤独・孤立対策に関心を持っていただいているおかげで、メディアの取材とかそういうものを受けさせていただくことで、広く一般の方々にお伝えできればと思っています。
 あとは、初めて全国的な実態調査をしました。その結果は今月のどこかまでかかると思うのですけれども、それによって、言葉が先行していて、それぞれの私の思う「孤独」とあなたの「孤独」はいろいろ違うと思うのですけれども、それをある程度まとめ上げて、「こういうことは望まれない、望んではいない孤独だから、みんなで取り除いていこう」みたいな、そういう指針づくりに役立てるようにしていけたらいいなと思っています。
 これからは、やはり引き続き、孤独・孤立という言葉に対して我慢をしないということ、そして、個人の問題でもないということ、そして、助けを求めることはいいこと、そのような、今までになかった声を、そして風をつくり出していくことで、今まさに苦しんでいる人たちの役に立ちたいなと思っています。
 プラットフォームもできましたので、さらに携わった専門の方たちの知見を活かして、より良い多くの手をつくり出していければと思っています。
(問)重ねてなのですけれども、今、浸透するような手立てみたいなお話もあったのですけれども、2つお伺いしたいのは、孤独・孤立という言葉が社会に浸透してきたかどうかという御認識と、あともう一つ、重点計画など枠組みとかいろんな支援体制ができたと思うのですけれども、実際に現場で孤独・孤立を感じている人や、実際に現場の人たちの状況改善が進んだのかどうかという点についてはどうなのでしょうか。
(答)まず、やはりこれまでの政権と違って、岸田総理が真っ先に車座なり話をしようとした方たちは、やはり孤独・孤立と向き合う人に手を差し伸べる方たちだったというのが、やっぱり大きい変化だと思っています。それによって、政権内でも孤独・孤立対策というのはこの岸田政権にとって大変重要な施策であるという、少なくとも閣僚をはじめ主要な方たちは理解をしているので、そこから一気呵成にこちらの動きは進めていくけれども、やはり何をするかというのは我々にはないものなので、そこはNPOの人たちとのプラットフォームを通じて、どんどんこれはするべきだというものをいただきながら、私たちが理想の形に変えて国民に届けていくということの繰り返しをすることで、結果として、振り返って、随分この国の土台は強くなったなと言われるように取り組んでいくべきだと思います。
(問)少子化関連でお伺いします。2021年に生まれた赤ちゃんの数が厚労省の人口動態統計の速報値で84万2,897人となり、これは過去最少となりました。少子化が加速しておりますけれども、大臣の受け止めと今後の対応について教えてください。
(答)やはり一人でも多くの子供がこの国で生まれ育つことというのは、掛け値なしに幸せなことだと思います。その子供たちを通じて、私たちは日本の将来や未来を夢見ることができるわけで、そういった意味では一人でも多くの子供が安全に安心に生まれてくることを望む一人としては、子供が生まれにくくなるということは非常に寂しいことであります。
 ですから、少子化対策の担当大臣としては、これを自然のものと思わず、社会構造上、産みたいと願っている若い人たちが産めなくなっているその問題解決を合理的にしていくことに、やっぱり私は取り組んでいきたいなと思っています。
 今回はコロナ禍ということで有事であるからという、ある意味、エクスキューズはあるけれども、実際はもう平時のその前から少子化というのは始まっているわけですから、むしろコロナ禍によって多くの人たちがこの少子化、子供の数が少ないというのに気づいてくれたこと、これを生かして、それでは駄目なのだという流れをつくっていきたいと思います。
 何をすればいいかというと、もうありとあらゆること。例えば、他の国々と違うのは、議論の中でも出たのですけれども、他の国々は結婚と出産がマッチングしていないのです。日本だけが独特なのです。結婚すること、子供を産むことというのがセットになっている。だから、私たちの場合は他国の取組とはまた別な独自の取組、つまり、子供を産み育てるための前提が結婚だとするならば、結婚を望んでいる人たちにどんどんそういうチャンスが訪れるような応援団をつくっていかなければいけないし、そこから始めるということが他国との大きな違いかなというのを改めて痛感しています。
 こども家庭庁ができることで、何かあれば。子供を育てるというのは大変不安なことなのです。私自身もその一人として思うことは、生まれたときは小さいから心配、10歳になったから安心ではないのです。10歳になろうと20歳になろうと、子供がいる限り親は心配をして、その年齢に応じて(心配)し続けていかなければならないということを考えたときに、その親がちょっと息を抜ける、ちょっと甘えられるような、そういう仲間としてのこども家庭庁であって、余裕を持って子供の周りの大人たちが子供を育てられるような環境を日本はつくらなければならないということを、出生数が減ることを思うたびに考えています。
 幸いなことに、アンケートを取ると、まだ未婚の男女(の多く)は結婚したい、そして、子供を2人、3人欲しいと望んでいてくれていますから、その望みをしっかりかなえられる政治を今、速やかにつくっていければと奮闘中でございます。

(以上)