野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年12月28日

(令和3年12月28日(火) 11:00~11:15  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 私の方から今日は1件報告をさせてください。本日、総理と官房長官の御出席の下、「孤独・孤立対策推進会議」を開催しました。「孤独・孤立対策の重点計画」を決定するとともに、孤独・孤立対策の令和4年度予算案及び令和3年度補正予算について報告をしました。また、閣僚懇談会で私から重点計画の決定及び関係予算について報告をいたしました。
 まず、重点計画については、政府として初めて孤独・孤立対策の基本理念や基本方針を示し、関係府省の孤独・孤立対策関連施策を幅広く取りまとめた計画を今般決定いたしました。また、孤独・孤立対策に取り組むNPO等支援の関係予算については、支援対象やスキームの拡充強化を図りながら、令和4年度予算案と令和3年度補正予算を合わせて63億円となり、安定的・継続的に支援する内容となっています。
 総理からは、孤独・孤立対策は国全体として取り組むべき重要な課題であり、官・民・NPOが緊密に連携をして重点計画の各施策について着実に取組を進めていくこと、孤独・孤立対策に取り組むNPO等支援の関係予算について迅速かつきめ細かな執行に努めるとともに、NPO等への十分な周知などにも留意すること、そして、現場の声に耳を傾け、その声を反映しながら孤独・孤立対策の取組を強化することといった御指示がありました。
 孤独・孤立が依然として深刻な社会問題となっているとの認識の下で、今後、各府省と連携しながら、重点計画に基づく施策の着実な実施とNPO等支援の関係予算の迅速な執行に取り組んでまいります。後ほど事務方によるブリーフィングをいたしますので、詳しくは事務方にお尋ねいただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)2点ほど、この重点計画の中でお伺いしたいのですけれども、ここにも書いてあるのですが、新型コロナの影響、この重点計画にも特筆されていますけれども、大臣としてはこの新型コロナが孤独・孤立の問題にどういう影響を与えているのかというふうにお考えになっているのか、これを1点お伺いしたいのと、いずれも重要な政策だと思うのですが、特に大臣として強調したい政策があればお伺いします。
(答)まず、新型コロナによって影響があったか。それは当然あったと思います。この感染症と向き合っていく中でのソーシャルディスタンスというのは、極力、人と、一番究極な形ではもう誰とも会わないことが一番安全ということが一時期あったと思います。そういうときに強制的に、やはり例えば私たちであれば職場に来ないとか、子供たちであれば学校に行かないという状況の中で、当然物理的な孤独、独りきりというのが生まれてきて、そこで初めてそういう不安と向き合わざるを得なくなった人たちというのは、当然私たちを含めたくさんいたと思います。それは当然ありました。
 さらに、そもそも孤独・孤立というのは、しかしながら、新型コロナによって出現したものではなく、もうずっとずっと前から私たちもそれぞれ生まれて何年か分かりませんけれども、私自身も過去に、「あ、孤独だったのだな」と、改めてそのときはつらかったなということは何度か経験していたなと振り返り思いました。
 ですから、今回の重点計画というのは、孤独・孤立を感じたら、手を挙げて支えを求めてくださいと。そして、孤独・孤立というのは特別な人の特別なことではなく、今質問してくれた方に明日来てしまうことなのかもしれないと。そういう、あまり壁をつくらずに、当たり前のことで、それに対して望まなかった場合はすぐ声を上げてほしいという、そういう新しい空気を、温かい空気をみんながつくり上げることが、この重点計画で一番私が望んでいることであります。
(問)今回のこの孤独・孤立対策の重点計画を年内に取りまとめられた意義について、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)菅政権のときに、当時世界でイギリスだけだったと思うのですけれども、孤独・孤立担当大臣がいらしていて、非常に大切なことだと。特に日本もこれまで孤独・孤立という名前ではなかったけれども、やはり自死であったり、引きこもりであったり、不登校であったり、様々そういうことがきっかけとなって起こり得たことに対して、先ほどの総理の言葉を借りれば、国で取り組むべきことであったけれども、なかなかそこまでアウトリーチできていないと。そういうこれまでのことも踏まえて、やはりしっかりとした孤独・孤立という土台の下で発生し得ることをしっかり国が責任を持って取り組んでいこうということで、ましてや新型コロナウイルスでは、かつてなかったやはり女性の方たちの自殺者数が増えているとか、子供たちの不登校も非常に増えているということで、極めて目に見える形で事態が深刻になっているので、一番に取り組まなければならない。総理がいつもおっしゃっている、人への投資というのは必ずしもポジティブに応援することだけではなくて、今、目の前に何かふさがっている人たちのものを取り除くことも人への投資、その中で、岸田総理らしい政治的優先順位であったと思います。
(問)孤独・孤立関連でお伺いします。昨日、「もやい」での車座の中で、岸田首相は「就職にはスマホが必要ではないか」というふうに問題意識を示されていましたけれども、今後何かこういったことについて対策として検討していかれることがありましたら教えてください。
(答)この重点計画というのは、初めて国で皆さんに発出できたということを本当にうれしく思うとともに、課題は山積だと思います。昨日も総理の御指摘のスマートフォン、これはやっぱり交流ですよね。人とのやりとりの一つのツールですから、それも含めて衣食住、例えば昨日の車座でも住む所の確保が非常に難しいと。住む所が見つからないと仕事を見つけることがなかなかかなわない。だから、ありとあらゆる孤独・孤立によって引き起こされている社会との断絶の一つとして通信という、古い世代の方はスマートフォンを使ってこなかったので、そういうことが今のとりわけ若い人たちにとっては生きる術の一つになっているという再認識をしていただけたと思います。そこも漏らさず取り組んでいきたいとお誓いしたいと思います。
(問)政策ではないのですが、今年、野田先生はいろいろと総裁選があり、いろいろあったので、今年1年がどんな1年だったかというのをお聞かせいただきたい。あと、来年に向けてはどのような決意があるかということを聞かせてください。
(答)9月以降は大変激しい毎日で、気がつけば12月28日というのが今の私の実感というか、長年やはり総裁選の場で子供の大切さとか、子供を中心とした新たな国づくりをしたいと四半世紀思っていたことを発信することができて、多くの方たちにも御理解をいただけたことが私にとっては今年本当に幸せ、政治家として取り組んできたことを御理解いただけたということで幸せでありました。
 その後、総裁選には惨敗したものの、岸田新総理がしっかりとその思いを受け止めてくれて、菅前総理から「こども庁」ということをおっしゃっていたけれども、その新しい行政組織の設置のみならず、前倒しで補正とか当初の中で、子供にはなかなか届かなかった国民のその思いを予算という形で、形はまだできないけれども、バーチャルに予算を通じて子供の様々な問題を解決できるような手続が取れたことは大変うれしく思います。
 あと、やはり「人」ということ。今まではなかなか政治の中で「人」ということを、「人」が大切なのは誰もが分かっているのだけれども、「人」へのダイレクトな政策とか予算とかがかなわなかった中、岸田総理に代わってからは、非常に柔軟に人への投資ということで、経費ではなく投資なのだと。だから、削ってはいけないことなのだという思いの中で取り組めた新しい毎日だったと思います。
 今日、御報告申し上げた孤独・孤立にしても、やはり極めて画期的なことで、一人一人の心をしっかりと支えていける、そのような新たな価値をこの国がつくっていけたらいいなと願っています。
(問)関連で、今、野田大臣は総裁選は残念ながら惨敗されたとおっしゃいましたけれども、その惨敗の敗因といいますか、総裁選というのは放っておいても3年に1回は必ずやってくるものですから、今後また引き続き、総理・総裁を目指してやっていきたいかどうかが1つと。その際に、やはり菅さんも最後に辞めるときにおっしゃっていたのは、「私は派閥がないので」とおっしゃっていました。自民党は昔ほどではないとはいえ、やっぱり派閥単位でいろいろと権力構造ができている中で、無派閥でどのように今回の惨敗の教訓を生かしていきたいかお願いします。
(答)結果的には惨敗であったけれども政治活動的には大成功であったので、今回の総裁選挙に出たことによる効果は非常に大きかったなと。いろいろと社会変容を進めることができたなということで、やっぱり総裁選の大切さ、そこで語られること、そこで討論されることが、やはりその次の日本を変えられる、やはり大きな源泉だなということは自ら候補者として実感しました。私はもう今、あっさりした人間なので、岸田総理という素晴らしい総理を抱えて、やはり総理の下で私の思いが形になっていき、1人でも多くの人が笑顔で生きていけるようなことを目指していくのですけれども、3年に1回のやっぱり総裁選のルールは守らなければいけないと思うのです。私自身が過去3回は、やっぱりなし崩し的に国会議員の都合で自民党の民主主義なるものである総裁選、党員に1票を入れてもらうということをやめてきたことに対して、私は非常に憤りを感じていたので、引き続き、やっぱり安定政権のためには今回のような、「フルスペック」と言っていましたね。そういう多くの人たちを巻き込んで、そして、賛否はあるけれどもきちっとやることが、結果的には自民党という政権の安定につながっていく。政治が安定すれば、様々な懸案事項もきちっと解決し得るということを考えれば、私のモットーとしては次もしっかり総裁選に向けて切磋琢磨をしていこうということになります。
(問)意欲はあると。
(答)いつもあります。皆さん、よいお年を。ありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。

(以上)