野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年12月21日

(令和3年12月21日(火) 9:41~9:48  於:衆議院本館2階 議員食堂)

1.発言要旨


 私の方からは今日は3点報告があります。初めに、本日、「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」を閣議決定いたしました。この基本方針は子供に関する取組・政策を我が国の社会の真ん中に据えた「こどもまんなか社会」を目指す、「こども家庭庁」の創設の考え方を示すものです。
 「こども家庭庁」は子供が健やかに成長することができる社会の実現に向けて、子育てにおける家庭の役割の重要性を踏まえつつ、子供の視点に立って子供の健やかな成長のための支援、子育て家庭の支援、子供の権利利益の擁護を担う組織です。
 令和5年度のできるだけ早期に設置することとし、次期通常国会に所要の法律案を提出してまいります。そのための体制として、本日、内閣官房に「こども家庭庁設置法案等準備室」を立ち上げました。また、本日の閣議において、私から本基本方針の策定に当たり、総理に提言された有識者会議報告書も踏まえた施策の推進をしていただくよう、閣僚各位の御尽力・御協力をお願いしたところです。「こどもまんなか」という社会変革をしていくために、政府を挙げてしっかり取り組んでまいります。
 2点目は、子供の貧困対策を担当する大臣として報告します。内閣府では全ての子供たちが夢や希望を持つことのできる社会の構築を目指し、子供の未来応援国民運動を推進しています。その一環として、古本を集め、買取業者による査定額が寄付される「こどものみらい古本募金」を実施しています。
 この「古本募金」には全国の企業や地域の団体などに取り組んでいただいており、内閣府としても毎年職員の皆様に御協力いただき、「ブックドライブin内閣府」と称し、実施しております。平成28年度から始めて本年度で6回目の実施となります。今月17日から27日まで古本回収ボックスを設置しているところで、本日の本会議後に私もボックスに立ち寄って古本の寄付をいたしますが、身近なところから支援の輪が広がることを期待しています。是非よろしくお願いします。
 年末は大掃除の時期でもあります。古本を提供いただくことで、その査定額が「子供の未来応援基金」に寄付されて、学習支援や居場所づくりなど、貧困を抱える子供たちを支える草の根の活動を支援するために活用されます。皆様も是非子供たちに心を寄せていただき、身近なところから支援の輪に加わっていただければうれしく思います。
 最後、3つ目。本日、地方分権改革推進本部及び閣議において、「令和3年の地方からの提案等に関する対応方針」を決定いたしました。地方から頂いた提案をしっかり受け止め、「国民や地方公共団体等の事務負担の軽減に資するもの」、「デジタル化等による効率化・利便性向上に資するもの」など、きめ細かくその実現を図ることができたと考えています。
 本部では本部長である総理から、一つ一つの施策をスピード感をもって着実に実現するよう各大臣に御指示があり、私からは各大臣に対し、決定した内容に沿って丁寧に御対応いただくようお願いいたしました。今後、対応方針に盛り込まれた事項の実現にしっかり取り組むとともに、引き続き地方分権改革の一層の前進に努めてまいります。

2.質疑応答

(問)基本方針のことで伺います。基本方針の閣議決定は、こども家庭庁の創設に向けた一歩になるかと思いますが、大臣として改めて受け止めをお伺いできますでしょうか。
(答)私個人としても、このこども家庭庁、新しい子供のための、そして、子供が真ん中に来る行政組織をこの国につくって社会変革を起こし、子供のみならず、その周辺の私たち大人たちもやっぱり希望を持って生きていけるような新しい日本づくりをしていきたいと思い続けてはや20年ぐらいたちまして、ようやく見える化ができ、そして、現実のものとして、この国民の皆さんと議論をし、そして、通常国会では様々な御意見を踏まえつつ、前へ前へと進める状況ができたということに対して、率直にうれしく思います。しっかりと多くの様々な意見を受け止めて、結果として子供たちがしっかりとこの国の中で生きていけるような、そういう日本をみんなでつくりあげていければと願っています。
(問)幼保の一元化につきまして、修正を加えて相当改良されたと思うのですけれども、大臣としても相当実質的に幼保の一元化ということは進んだと受け止めてらっしゃいますか。
(答)その言葉にはこだわることなく、私がこだわってきたのは、やはり小学校1年生になる前の未就学というのは義務ではありませんから、様々な子供たちがその生まれ育った、または親の環境によって受ける教育が違ってくる。その結果として、1年生になったときに様々な格差が生まれてくることは望ましくない。そういう意味で、中身の充実、どの園も積極的に取り組んでいただいていて、その長所というのはたくさんあるのですけれども、それをやはり分かち合うことで、それぞれがつながりあって、より最善の未就学児の子供たちを守り抜くことに腐心いたしました。
(問)2点目の古本募金に関連してなのですけれども、子供の貧困対策の重要性について改めてお聞かせいただけますか。
(答)御承知のように、日本は今、相対的貧困率ということで、なかなか目に見えづらい形で、ただ、この新型コロナウイルス等々で親が仕事を失ったり、または収入を減らしたりということで数字が上がってきていることは事実です。
 今、全国で国、地方はもとより、草の根のNPOの人たちがしっかり取り組んでいただいているところですけれども、なかなか私たちは日々直接その方たちと関わり合いができない中、こういう古本の寄付等を通じて、皆さんにもつながってほしい。ささやかなものが積み重なれば、大きなものになっていくと思います。そして、結果として子供たちに幸せが届けられることが私の願いです。

(以上)