若宮内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年8月10日

(令和4年8月10日(水) 12:05~12:26  於:中央合同庁舎第8号館1階S101会議室)

1.発言要旨


 もう12時過ぎましたから、こんにちはですね。こんにちは。お疲れさまでございます。
 先ほどの閣議におきまして、辞表を取りまとめられました。ご報告をさせていただきたいと思います。
 私自身、昨年10月4日に国務大臣を拝命いたしまして、1年弱の間、担務各施策に全力で取り組んできたところでもございます。まずは、この間お世話になってきた全ての皆さま方に、厚く御礼を申し上げたいと思います。誠にありがとうございました。
 全てに触れるわけにはまいりませんが、退任に当たっての所感を幾つか申し述べさせていただければと思っております。
 まず、大阪・関西万博についてでございます。
 私自身、外務副大臣の経験もございましたので、各国の参加招請活動、これは本当に全力でコロナ禍厳しい中でございましたけれども、取り組ませていただきました。まさにあらゆる機会を捉えて、大使館であったり、あるいは行ける時は海外であったり、また後ほど述べますけれども、ドバイの方でも各国のパビリオン等、あるいは要人ともお目にかからせていただいたりもいたしました。
 結果といたしましては、大臣就任以来、73の国や地域、そして3国際機関の参加の公表数を積み増すことができました。現時点では130の国・地域、そして8国際機関からの参加公表を得ることができております。
 また、未公表の国も含めますと、参加の目途が立った国の数、これはこちらの方で当初から予定いたしておりました150の95%を超えます140カ国以上が、今参加の目途が立っている状況でございます。目標達成まで、本当は全部150いきたかったのですけれども、もう少し足りなかったかなというところでございます。
 また、この点に関しましては、内閣官房、そして外務省、そして経産省、そしてまた各国の在外公館、あるいは博覧会協会をはじめといたします、本当に皆さま方がチーム一丸となって、本当に一生懸命様々な形でのお取り組みをいただきました。ご尽力くださいました関係各位に対しましても、この場をおかりいたしまして、改めて感謝を申し上げたいと思っております。
 また、3月には国会の会期中ではございましたけれども、2度ドバイの万博の方に出張させていただきました。ドバイの万博では、日本館が展示部門で金賞を受賞することもできました。そしてその授賞式にも登壇をさせていただき、また閉幕式ではアラブ首長国連邦の担当の大臣、そしてまたBIEの事務局長から、次の開催国としてのBIEの旗を受け取ってまいりました。ドバイからまさに世界に対して、そしてこれが日本のプレゼンス、これは国内中を含めてアピールすることができたのではないかなとも思ってございます。
 また、この万博の準備についての具体化した取組でございますが、これもアクションプランの策定、それから改訂もさせていただいたところでございます。また、これは私自身のアイデアでもあったのですが、世界の有識者や国際的な企業、団体など、様々な方々にこれは複層的に御参画をいただき、いわゆる観光での訪問だけではない形で、世界共通の課題について、例えばパネルディスカッションとか、様々な形で議論していただき、また、その企業が集まることによって、大いにこのビジネスチャンスを広げていただくという、そういった形でのテーマウイークプロジェクトの企画立案などもさせていただきました。まさにこの万博を契機として、日本の成長、発展、この起爆剤にしていって欲しいなという形で、関係府省庁にもご協力をいただきました。
 また、いよいよこの開催までは残すところ977日でございます。機運の醸成、これも非常に大事であります。7月18日には1000日前イベント、これは大々的にさせていただき、岸田総理には東京で、私自身は大阪の方へ参りまして、更にこのイベントにも参加をさせていただき、テーマソングの発表であったり、あるいは公式キャラクターの名称の公表であったり、様々な形で、自治体の方々、企業の方々、そういうふうに、いろいろ含めた形で、広げていく形をさせていただいたところでございます。
 こういった形で、更にこれはまだまだ、機運醸成はまだまだできているとは、十分とはいえませんので、広げていただければなというふうに思っています。また、私自身もこの役から外れたといたしましても、いろいろな形で支援をしてまいりたいなと、このように考えております。
 続きまして、デジタル田園都市国家構想担当大臣としての仕事についてお話をさせていただければと思います。
 まず、岸田総理が掲げますこの「新しい資本主義」におけます成長戦略の重要な柱の一つでございました。この構想の実現に向けて、まずは私実はこの初代ということになりますので、最初にどういった形でこのデジタル田園都市国家、これをどういった形で進めるのか、あるいはこれがどういう形のものなのかということをご理解いただいたり、広げることというのは非常に大変なところもございました。
 まずは、やはり地域にできる限り足を運んで、車座対話も重ねさせていただき、また実現会議での議論の成果、これはだいたい8回ぐらい開催させていただきましたが、こういった形で取りまとめたもので、デジタル田園都市国家構想基本方針、これを今年の6月に策定をさせていただくところまでまいりました。
 何よりも、一番分かりやすく、私がいろいろな方々にご説明申し上げておりましたのは、地方におけます不便、そして不安、不利、この3つの「不」の解消こそが、まずこれをデジタルツールを使ってやることが、このデジタル田園都市国家構想なのですよと、こういったお話をさせていただきました。
 これは非常に皆さま方には分かりやすいと、なるほどそうなのかということで、具体的な、個別具体的な事情についても、何が不便なのか、あるいは何が不安なのか、この不安の中には教育の分野であったり、あるいは医療の分野であったりございましたけれども、こういった具体的な話をこの3つの項目に併せて、これをデジタル技術を使って解決していくのですよという形でお話を申し上げると、なるほどそうかということで、交付金はじめ皆さま方のご申請、非常に活発になったのも事実ではないかなというふうにも思っております。
 まずは、何よりも地方を元気にしていく、そして、この主役となる全国の皆さま方が、具体的にこのデジタル田園都市国家構想をご理解いただいて、自分のまちはどうしていこうかなと、こういった絵を描いていただければ一番ではないかなというふうに思っております。
 また、これは総理がご発案されましたこの「夏のDigi田甲子園」についてですが、今現在審査を進めているところでもございます。これは更なる施策の充実にも繋がってまいりますので、こうした素晴らしい案が、それぞれ各地域で「点」として今芽生えております。この「点」としての好事例、これを何とか日本全国に面展開をしていきたい。この面展開をすることによって、それぞれの地域が足らざるところが足り、そしてまたお互いが、あの地域、うちと似ているから、こういったところができるのだなと、こういった参考になるような政策づくり、これを国を中心として、自治体の皆さま方とともに発信して、地域にお住まいの方々にもご理解いただき、またそれを享受していただければなと、こう考えています。
 続きまして、知的財産戦略の推進、これにつきましては、今年6月に知的財産推進計画2022を決定させていただきました。まさに意欲ある個人、そしてプレイヤーが社会の知財、そして無形資産をフルに活用しながら、経済社会への変革を目指していくことができると、こうした戦略を打ち出させていただきました。
 更には、クールジャパン戦略についてですが、これはまさにこの日本の良さ、それぞれの地域が持っている魅力、あるいは多様性、あるいは文化など、こういったものを磨き上げながら、新しいツールもございます。
 例えば、NFTに挑戦して取り掛かっているところも、地域としてはございますので、こういった形での日本のソフトパワーを世界に向けて発信していくこと、これがまた更にはインバウンド効果やあるいは農水産物の輸出が今1兆円を超えてきておりますが、目標は5兆円でございます。この地域の魅力を発信することで、あそこの地域のあれが食べてみたいなと。あるいはこれはおいしそうだから、今度行ってみたいなと、こういったインバウンド効果もあろうかと思いますので、様々な効果が見込めるのではないかなというふうに推進してまいりました。
 実際、このことを振り返って考えてみますと、このクールジャパン戦略、そしてまた知的財産戦略、デジタル田園都市国家構想、そして、大阪・関西万博、この私が担当している4つの担務の項目というのは、一見、最初私は総理からご指示を受けた時には、別々のものかというふうにも見えたのですが、実は全てが繋がっているというふうに、仕事を進めていくうちに感じ取り、それを融合させてまいりました。
 日本の魅力や全国の地域の優れた取組を、また日本の優れた技術やサービスというものを、万博でショーケースで見せることができ、そしてまたそれは知財として保護しながら、価値の創造や成長へと繋げていくと。これはまさに日本がこれから成長していく起爆剤になっていくのではないかなと。こうしたこの各担当分野を融合させることで、政策の効果というのを、さらに経済効果の波及効果も含めて、最大限に発揮させることができるのではないかなと、こういった思いで仕事に取り組ませていただきました。
 これはいろいろな方々にやはりお力を借りなければいけません。一つの省庁だけで何かができるものではございませんでした。本当に多くの省庁にまたがる形で、またそれを調整する形で内閣官房や内閣府の皆さま方とも、その調整役としてもご尽力いただいたことに、重ねて感謝を申し上げたいと思います。
 また、こうした担務をこの1年弱させていただくことで、やはりその一つ一つの担務に集中して突っ込んで掘り下げていくことも大事なのですが、常にやはりその視点を、俯瞰する目、こういった形で全体を見ながら、一つずつの担務についての仕事を深めていくという、この行ったり来たりということの視点の変化というのも、非常に重要だなということも、仕事を通じまして実感したところでもございます。
 更に、公文書管理でございます。これはデジタル時代に対応いたしましたこの公文書管理の実現に向けまして、政令あるいはガイドラインの改正を行わせていただきました。これはもうデジタル庁の皆さま方とも連携したシステムの検討、あるいは公文書の適正な管理のための取組というのも推進をしてまいったところでもございます。
 それから、消費者庁の方の担当でもございますので、消費者政策についてもお話をさせていただければと思っております。
 もうご承知のとおり、今年4月には成年年齢の引き下げがされました。関係省庁とも連携しながら、特に若年者の被害防止に向けた消費者教育の推進、また情報発信等には全力で取り組んできたところでもございます。
 また、消費者が事業者と安心して安全に取引ができるような形での消費者契約法及び消費者裁判手続特例法の改正も委員会での採決を踏まえて、行うことができました。消費者被害の防止、そしてその体制整備にも全力で取り組んできたところでもございます。
 何よりもこの消費者と事業者の協働、これは非常に重要であります。やはり消費者志向経営の推進や、またエシカル消費の普及啓発というのも、これからも観点で、非常に重要視していかなければいけない課題だなというふうにも思っております。
 また、食品ロスの削減に向けましては、消費者の方々から募った川柳、これは企業の商品パッケージに掲載いただくような取組も行い、実際に今秋口からそういった形が登場するような形で準備が進められているところだと思っております。
 更には、食品表示でございますけれども、やはり皆さま方、これは報道でもたくさんなされましたアサリの問題、産地偽装の問題がございました。長いところルールの適用厳格化等の対応も行いました他、食品添加物の不使用表示に関する広報資料の作成など、こうした消費者の皆さま方に向けた分かりやすい情報提供にも努めてまいったところでもございます。
 更には、交通安全ですとか、あるいは公正取引委員会、様々担務がございましたけれども、いずれにいたしましても、本当に今日お集まりの皆さま方、また今日お忙しくてこられない方々の記者さんもいらっしゃるかと思いますが、記事であったり、あるいは様々なテレビ報道であったり、皆さま方にもいろいろご報道いただいたところもございます。
 それらを報道をいただくことで、更に多くの国民の皆さま方にご理解が深まったこともたくさんあろうかと思いますので、この場をおかりいたしまして、記者の皆さま方にも厚く御礼を申し上げたいと思いますし、これからこの10カ月間、私がいろいろ経験したことは、他の分野でも、それからまたどういう仕事にこれからなるか、まだ分かりませんけれども、更に活かして、何かしらこの日本のために、あるいはこの世の中のために尽くしていきたいなと、こう思っているところでございます。
 私からの、少し長くなりましたけれども、所感全体は以上でございます。

2.質疑応答

(問)まず、万博の担当大臣として伺いたいんですが、万博担当として、先ほどこれまで総括されたと思いますが、その中で最もお仕事として印象に残っている場面であったり、特に困難だったことがありましたらお聞かせ願いたいというのが1点と、あと、この場でどうだか分かりませんけれども、この少なくとも今日までの期間で、宿題といいますか、今後ここまでちょっとやり切れなかったなというか、今後こういうことが、本当ならもう少しやっていきたかったというものがあれば、教えていただけますでしょうか。
(答)万博については、やはり一番印象に残っておりますのは、もちろん全てそれぞれの場面、印象に残っているのですが、やはりドバイに出張した2回の出張でございます。これはまだ参加招請国が、今ほどは積み上がっていないタイミングでもございました。ドバイが終わるまではという国もたくさんございましたので、こういった中で、どういった展開をしようかということで、各パビリオンにも参りました。
 そしてまた、特に後段の最後の閉幕式のタイミングでは、やはり各国その担当の大臣の方も、結構やはりドバイの方にお集まりをなさっておられましたので、それぞれ閣僚の方々とも様々な懇談をさせていただき、まだ正式な参加の表明をされていない方々には、お話をさせていただいて、あるいはこの万博を通じまして、だいたい経済産業分野の方々、やはり閣僚で多かったのですが、万博のみならず、その先のそれぞれの国々の今抱えている事情ですとか、あるいは私ども日本としてはどう思うのかということで、万博のみのお話ではなくて、それ以外の分野の多岐にわたるようなお話向きを、やはり万博を契機に懇談をさせていただいたということは、今この各国がどういった形の悩みを持っているのか、あるいはどういった方向性で一つの課題についてお考えになっているのかということを、しっかりと把握するということでは、非常に勉強になったかなというふうに思っております。
 それから、何よりもやはり先ほども少し申し上げましたけれども、このBIEの旗を、やはりきちっとUAEのナヒヤーン大臣からケルケンツェス事務局長に旗が戻され、そしてまた次の開催国であるUAEから日本へということで、それを皆さんの本当に目の前で、たぶん映像をご覧になった方はご存じだと思いますけれども、旗を譲り受けた。その時には、私、その旗を受け取った時には、非常に重い責任を、ずっしりと来る重い責任を私自身が実感したところでございますし、これを絶対に成功して成し遂げようという、その固く思いを誓ったところでもございますので、一番印象に残っているのは、様々ありますけれども、そのやはりドバイの出張かなというふうに思っております。
 それから、今後の課題になりますけれども、今後はその万博に関しましては、やはりどうしても様々な課題を同時並行で解決をしなければいけない。しかも、2025年4月13日というオープンの日付はもう確実に決まっております。この決まっている中で、例えば関連のインフラ整備ですとか、あるいは、パビリオンのみならず、やはりどういった形で全ての運営をしていくかという、この運営に関しましては、やはりまだまだ確実に固め切れていないところもあります。
 こういった運営方法、細かいところを言いますと、例えば働いている方のスタッフをどういった形でピストン輸送しながら働いていただくかとか、あるいは外国からたくさんいらっしゃいますから、そういったお食事の面をどうしていくかとか、もちろんこのコロナというのがどういった形になっているか。完全に収まっていればいいですけれども、また変異をして形を変えていないとは全くいえないので、そういった状況の中で、ではどういった対策をきちっとしていくことで、確実な開催ができていくのかと。様々な課題があろうかと思いますので、これは随時また走りながら考え、そして考えながら走って、いろいろ解決策を最善のものを見いだしていかなければいけないなと思っております。
(問)消費者担当大臣として伺います。大臣、先ほどおっしゃいましたけれども、これまでも本当にいろいろありましたが、アサリもありましたし産地偽装もありました。
 そうした中で、消費者にも厳しい生活というのが求められている中で、次の担当者には、消費者行政、どのように向き合っていただきたいと考えておりますでしょうか。
(答)おっしゃるように、このコロナ禍でやはり消費者の購買の形というのが、だいぶ変わってきていると思います。それはもちろん飲食業はもちろんのことですけれども、様々いろいろな形態が変わってきている。特に通販ですとか、あるいはネット販売ですとか、そういったものにかなりウエートが置かれてきているような状況にあろうかと思います。
 また、このデジタル化の進展、これも非常に進んでいて、恐らく企業側の方でもやはり対面で販売をすることが、なかなかかなわないとか、あるいはわざわざどこかまでお客様に出てきていただいて、お買い求めいただくという形でない形を、やはり消費者の方々も望んでいるケースも多うございますので、そういったデジタル化の進展というのも、非常に見据えていかなければいけませんので、その時には、逆にその時で、これは今現状ではいろいろな形での、もちろんその問題点やあるいはその場合よってはトラブルになっている問題、これはあろうかと思います。
 こういった形が更にこれは進化していく可能性もありますし、今後はどういった展開になっていくかというのは、やはりこのコロナになったことで、この消費形態というのは相当変わってきておりますので、そういったものは、やはり随時アップデートしながら、機敏に対応できるような体制は、常に持ち続けなければいけないのではないかなというふうに思っております。
 ですから、今まであったことをそのまま踏襲するのではなくて、やはりこれもどんどん日々、人の生活やライフスタイルや働き方、それから生き方、生活の場面というのは変わってきていると思いますので、その生活の場面が変わっていく中で起こる消費者の問題というのは、やはりきちっと敏感にキャッチしながら対応していただきたいなと、次の方にはそうお伝えしたいなと思っています。

(以上)