若宮内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年4月5日

(令和4年4月5日(火) 9:05~9:27  於:中央合同庁舎第4号館2階220会議室)

1.発言要旨


 本日、私の方から3点ほどご報告をさせていただきたいと思います。
 まず第1点、国際博覧会担当大臣としてご報告申し上げます。3月29日火曜日から4月1日金曜日まで、アラブ首長国連邦のドバイ首長国に出張し、次期万博開催国の担当大臣として、閉幕式を含みますドバイ万博の一連の公式行事に出席させていただきました。
ドバイ万博は3月31日に会期末を迎えましたが、30日には、博覧会国際事務局、いわゆるBIEですが、「BIEデー」が開催され、BIEやアラブ首長国連邦の要人と共に式典に列席させていただきました。その際行われましたパビリオンの表彰式では、日本館が展示部門で金賞を受賞し、高い評価を得たところでございます。31日には閉幕式が開催をされまして、次期開催国としてアラブ首長国連邦及びBIEから、BIEの旗を引き継ぎました。また、ドバイ万博会場では、大阪・関西万博への招請活動として、未だ大阪・関西万博に参加を正式に表明されていないコートジボワール、それからスロバキア、チェコ、チリのパビリオンを訪問させていただき、政府関係者等との会談を行わせていただきました。早期の参加表明に向けて働きかけを行ってきたところでございます。ドバイ万博が終わりまして、いよいよ次は大阪・関西万博の番になりました。開催まで残すところ、ちょうど3年となりまして、今回の出張で得られました知見を今後の施策の推進に活かしていきたいと、このように考えているところでございます。
 それから、続きまして、デジタル田園都市国家構想担当大臣としてご報告させていただきます。昨日になりますが、第6回デジタル田園都市国家構想実現会議におきまして、岸田総理から「Digi田(デジデン)甲子園」を開催すると発言がございました。全国津々浦々でデジタル田園都市国家構想を力強く進めていくためには、地方の創意工夫がなされた独自の取組を積極的に横展開をしていくことが大事だと思っております。加えまして、地方公共団体や民間企業の意欲や、広く国民全体の関心を高めて、様々な主体が積極的にご参画いただけるような環境を整える、これも重要なポイントだというふうに思っております。このため、本構想の実現に向けました地域の取組を広く募集して、特に優れたものを表彰する「Digi田甲子園」を開催をさせていただくことになります。「Digi田甲子園」の開催を通じまして、全国の地域や民間企業など、様々な主体を巻き込んだ国民的なムーブメントとして盛り上げて、個性を活かした地域の活性化に繋げてまいりたいと考えております。詳細は、また事務方の方にお問合せをいただければと思っております。
 それから、交通安全対策担当大臣としてご報告させていただきます。本日の閣議におきまして、春の全国交通安全運動及び「交通事故死ゼロを目指す日」の実施につきまして、閣僚の皆さまに対しご協力をお願い申し上げました。4月6日の水曜日から15日金曜日までの10日間、春の全国交通安全運動を実施いたします。また、この期間中、ゼロの付く日、10日になりますが、日曜日を「交通事故死ゼロを目指す日」として、国民の更なる意識の向上や交通事故の発生の抑止が図られるよう、一層の周知を行ってまいりたいと考えています。今回は、昨年8月に決定いたしました緊急対策を踏まえまして、以下3点を重点として掲げ、運動を推進してまいります。1つ目が、子供を始めとする歩行者の安全確保、2つ目が、歩行者保護や飲酒運転根絶等の安全運転意識の向上、3つ目が自転車の交通ルール遵守の徹底と安全確保でございます。これらについて、地方自治体や関係団体、多くのボランティアの皆さま方と力を合わせて、地域の実情に応じました効果的な運動を展開してまいりたいと考えております。

2.質疑応答

(問)ドバイ万博に関して2点お伺いしたいんですけれども、ドバイ万博は、開催の期間中の来場者数が2,300万人と、目標だった2,500万人に迫る集客に成功したかと思います。大阪・関西万博でも、こうした盛り上がりを期待されるところだと思うんですけれども、今回、ドバイで得られた知見をどのように活かしていきたいとお考えか、お聞かせいただきたいです。
 もう1点、ドバイ万博の日本館は、先ほど人気だったということですけれども、展示に関して大臣のご感想をお伺いしたいなと思っております。
(答)今お話しになられたように、ドバイの万博、これは192カ国が参加された過去最大級の規模を誇る万博だったと思います。敷地面積も相当な広さだったと思います。まさに私自身もそうですけれども、見る者を圧倒するような大変魅力的な万博であったというふうな印象を持っております。
 会場内、私自身、2度参りましたけれども、非常に盛り上がっておりまして、特に最後の方の閉幕式が近づくにつれて、会場内の人がどんどんどんどん増えているなという印象を持ったところでもございます。何よりも、やはり去年の10月から始まりましたけれども、世界的に広がったコロナ禍の中での感染対策をしっかりと講じながら、目標の2,500万人に近い、あちらの発表ではたしか2,300万人ぐらいというふうに伺っておりますけれども、人数を集客できたということは、素晴らしい、大成功だったのではないかなというふうに思っております。改めて、その運営状態、あるいはコロナ禍の中でのこれだけ人の集まるイベントを成功させたということにおいては敬意を表したいなというふうに思っているところでもございます。
 特に、それから31日の閉幕式で、次期開催地としてUAEのドバイから日本の大阪・関西へと旗が引き継がれましたけれども、まさにこのドバイの熱気、本当に31日、この中にいらした方もいらっしゃるかもしれませんけれども、会場での熱気というのは本当に素晴らしいものがあって、ナヒヤーン大臣、そしてまたハーシミー大臣からBIEの旗が渡りまして、そのBIEから私が旗を受け継ぎましたけれども、UAE全体で盛り上げているなという感じがひしひしと伝わってきたような状況でございます。
 また、2番目の質問で、日本館、非常に高い評価をいただいておりまして。私自身もその授賞式に参加して、飛び入りで、日本館の館長さんから私も誘われたので壇上に上がらせていただいたんですけれども、一応コロナ禍でございましたので予約制で受けておりまして、朝、本当にインターネットでの予約が、もう1分、2分で、全部その日の1日の予約が埋まってしまうというような大好評ぶりで、何とか入りたい、何とか入りたいという方々、いろいろな国の方々がおっしゃっておられたのが本当に一番印象的に残ってございます。
 まさに金賞をいただくだけの中身であったなという、素晴らしい日本の伝統文化と、そして現代の新しい技術を融合させた演出がされていたので。私自身も中を拝見させていただきましたけれども、それからまた、スタッフの皆さんのホスピタリティーが、本当にいろいろな国々の方々に対しての懇切丁寧なご案内ですとか、そういったものも含めたトータルでの評価をいただいたのが、この金賞に繋がったのではないかなと。企画、運営、そしてまた最終的なスタッフお一人お一人のおもてなしの心というのが、恐らく多くの方々の心を打ったんではないかなというふうに感じているところでもございます。
 受賞後に、翌日すぐにBIEのケルケンツェス事務局長とも会談をさせていただいたのですが、私どもからも改めて御礼申し上げたのですが、逆に先方の方からは、むしろ、本当に日本の国というのは、いつもいつも素晴らしい展示をしてくれるので、より次の回に乗り越えていくのは逆になかなか大変だなというようなお話もいただきながら、特にドバイ万博の中では、日本館はまさにランドマーク的な存在だったというようなご評価もいただきました。そういった意味では、いろいろな国々、これは世界中に対して日本館の存在自体が次への大阪・関西万博への大いなる期待感に繋がったのではないかなというふうに思っております。
 また、もう1点、コロナ禍の中での運営もそうなのですが、各国のパビリオン、招請された国々の展示もさることながら、1週間、2週間のタームを区切りまして、新しいテーマを、国際的なテーマであります気候変動ですとか、あるいは健康ですとか、あるいは宇宙、また水という、こういった全世界的なテーマにつきまして横串を刺すような形で、それを関係者をまた集めて、これは企業であったり団体であったり、様々な有識者であったり、そういった形でのセッションを行ったりしておられました。こういったことをやることで、単なるイベントではなくて、これから先、国際社会に向けてどういったことに取り組んでいけるのだろうかという新たな提言の形でも広げられたのではないかなというふうに思っております。また、企業からしてみれば、大きなビジネスチャンスをそこで見いだすこともできたのではないかなと、そういった意味でのマッチングにもなったのではないかなというふうに思います。
 この万博自体が大いに多面的な複層的な経済波及効果、あるいは産業振興効果にも繋がったものというふうに私も受け止めましたので、こういったところは大阪・関西万博についても参考にさせていただきたいなというふうに思っております。
 何より、やはりUAEの閣僚の皆さま方とお話をさせていただき、また王族の方ともお話をさせていただきましたけれども、このドバイの万博を契機に、UAE全体が、こういう形で、どうやって自分の国が伸びていこうか、発展していこうかという、そういった意識を本当に皆さん方が高く強く持っておられるのを本当に私自身が肌身で感じました。
 そういった形からすると、私どもの大阪・関西万博もやはり同様に、大阪地域だけ、あるいは関西地域だけということではなくて、やはり日本全体が、この大阪・関西万博を契機に、さらなる発展、高みを目指していくにはどうしていくのか、あるいは世界の中で日本という国が貢献するためには、どういった側面で貢献できるのかということについて、大いなる発信をする半年間でもあろうかなというふうに思っておりますので、様々な仕込みの段階でございます。今年も非常に大事な1年になってくるかと思いますので、気を引き締めて次の準備に取り組んでまいりたいなと、こう思っているところでございます。
(問)先ほど、今のドバイ万博、実際に訪問されての大臣としての成果はいろいろ挙げられていますけれども、その中で招請活動も実際に行われたということで、これまでも何度も質問されていることで非常に恐縮なんですけれども、この大阪・関西万博、残り3年というところで参加決定しているのが目標の6割程度ということについて、残りちょうど3年という今のこの現状について受け止めと、これまで1年半ほど招請活動を行ってきたと思うんですが、今、こういうふうになっている現状、どうして起きたのかということについてお伺いをしたいです。
 あともう1点、すみません。今、ドバイ万博が実際に閉幕して、そこで日本館のアピールが非常にうまくいったというふうに、大臣、ご所感がありましたけれども、このドバイ万博が閉幕したことで、今後のこの招請活動というのがより進んでいくと考えられるかという点です。これまでは、ドバイ万博が終わっていない、次の大阪のことをなかなか考えられないといった、そういった国もあったというふうに聞いていますが、今後より一層の招請活動が進んでいくと考えられるか。この点、2点お願いします。
(答)少し重なっているところがあって、全体的にまとめてお答えさせていただければと思います。まず、そもそもドバイのこの万博、これは「2020ドバイ」ということで、実は実質的には1年半ぐらい遅れての開催でございました。これはコロナの世界的な広がりということで、いろいろなことで後ろ倒しになってしまったというのが現状あるかと思います。
 私が、ちょうど昨年の10月に今のこの担当大臣を仰せつかりましてから、当時57だったと思うのですが、現在87の6国際機関ということになってございます。一概に比較はできないのですが、実は愛知の、前回の万博というのは、3年前のちょうどこの同じような時期のときに、実は30だったのですね。それからすると、まず87の6機関というのはまずまずの数字ではないかなというところが1点。
 実際に先般も現地でも話しましたし、この場でもお話しさせていただいたのですが、50のセルフビルドの、いわゆるタイプAのパビリオンなのですが、これはもうほぼ埋まってきております。今、公表をきちんとさせていただいているのは13の国ではあるのですが、実際には残りの37~38ぐらいがもうほぼ埋まっちゃっている状態なので、まだ公表していないから、この87にプラスができていない状況ですけれども、かなりの数字がもう積み上がっているというふうにご理解をいただいても良いと思います。
 私が実際に様々な国々の方々、中にはご担当の経済産業関係の大臣ですとか、あるいは国際交流の大臣とかが中にいらっしゃいましたから、お目にかからせていただいてお話しさせていただくと、「まだ正式な発表はできていないけれども」と言いながら、ご自分の国のご担当者を横に置いておられて、この者たちが直に事務局長、あるいはしかるべき立場としてなる予定なのだけれども、そういった方々をどのカウンターパートナーとしてお話を進めたら良いかをご紹介いただけないかと、そういった具体的なお話もいただいてございます。
 ただ、それでも、その国はまだ正式な参加表明はなさっておられませんので、特定の国名はまだ申し上げるわけにはいきませんけれども、これはやはり国と国とのやはり外交の関係でのお話になってまいりますから、まず先方から、やはりしかるべく国内手続きが、いろいろな予算の面ですとか、あるいは、どの省がご担当になるかとか、様々な決めなければいけないことがあろうかと思います。そういった事柄が決まってくれば、正式にこのドバイも終わったということで、今ちょうどお話しになっていましたように、ドバイが終わるまではなかなか前に進められないというところがあったと思うのですけれども、終わったところで具体的な担当省庁が決まり、責任者が決まりということになってくれば、正式な参加表明ということに繋がってくるのかな。
 それがきちんとした形で私どもの方にお伝えいただくのは、やはり外交ルートになりますので、先方の外務省から私どもの外務省であったり、あるいは私、担当大臣ですから、私のところに直にだったり、あるいは、このコロナですからなかなかもう難しいということであれば、駐日の大使から私のところにお越しになられて正式なレターをお持ちになったり、あるいは大使からお言葉で正式な参加表明をしたいということでお伝えをいただく形になってまいります。
 そのあたりはしっかりと、もちろん国際情勢が非常にまだ流動的ですし、激動の今さなかでもございますから、気を引き締めて、どういった形になっているかということは様々な点で注視をしていかなければいけないものの、そのあたりはしっかりと積み増し、確実なところを重ねていきたいなと、こう思っているところでございます。
(問)関連してなんですが、大臣からも激動のさなかという言葉がありましたが、ロシアの万博の参加について、戦争犯罪を行った疑いが取り沙汰されていますが、外国人の記者会見でも質問が出たと思うんですけれども、何かご進展はありましたでしょうか。
(答)特にロシアにつきましては、やはりウクライナへのまさに侵略、これは力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為であるというふうに私自身認識いたしまして、日本政府としてもその立場を取っています。まさに明白な国際法の違反であるというふうに思っております。この国際秩序の根幹を守り抜くためには、やはり国際社会と連携をしながら、日本としても毅然と行動していく予定でございます。
 こうした状況を踏まえますと、やはり今お話しになったように、ロシア、実際にはもう昨年参加のご表明をいただいてはおりますものの、どういった形になるか、これはやはり情勢を注視しながら、関係機関とも協議して、最終的には日本政府として適切に判断をしていくということになってこようかと思います。これはどういう状況になるか、まさに予断を許しませんので、状況の変化が刻々と変わってきておりますので、そのあたりはしっかりと見守りながら、どういった形になっていくのかというのは判断がなされていくかと思います。
(問)お伺いしたいんですが、大臣のツイッターを見ると、非常に仕事、何をなさったのかよく分かったんですが、対照的に吉村さんの方が、大変府知事の方が評判が悪くて、はしゃいでいらっしゃり、ご覧になっていない。
(答)はい。私は全部は見ていないです。
(問)そうですか。観光気分のような動画ばっかり上げちゃって非難を大変されていますが、例えば先ほど挙げた幾つかの国の要人とかと会うとき、吉村さん、松井さんとか、あと大阪全部、副知事も合わせて15名行かれて、万博担当大臣と職員5名と随分差があると思うんですけれども、どの程度同席されたのかということと、あと役割分担をどうされたのか、お伺いできますか。
(答)やはり招請活動というのは、先ほど少しお話し申し上げましたけれども、国対国のことになってまいりますので、特に私と吉村府知事とか、あるいは松井市長と事前に何か示し合わせて役割の分担をするということは一切いたしておりません。私自身は、やはりまだ正式なご表明をいただいていない国、あるいは、もう少し更に詰めれば良い状況までいくのではないかなと思われるところを、やはり事務局とも、皆さんと相談した上で、そういった国々の方々のところ、あるいは、ちょうどこの万博を機に、先ほど少し触れましたけれども、やはりご担当の大臣ですとか関連する閣僚の方がこのドバイの方にもいらしておられるという場合がございます。先方からも、やはり是非お会いしたいというお話向きになれば、これは政府の代表としての先方政府の大臣になりますので、恐らくやはり私に会いたいということになってこようかと思います。府知事とか市長というのはカウンターパートナーにはなってこないかと思いますので、そういった点で、やはり閣僚対閣僚というお話になれば、私の方が会わせていただくとか、そういうふうな形になっていくかなと思いますね。
(問)あと、確認なんですけれども、先ほど愛知30、あと87というのは、何の数字でいらっしゃいましょうか。
(答)3年前時点における参加招請国が確定的になっている数字。
(問)ああ、3年前に。
(答)はい、その時点です。だから、時間軸とともにどんどん変化してくるかと思います。

(以上)