西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年9月10日

(令和3年9月10日(金) 11:25~11:37  於:中央合同庁舎8号館1階S101・S103会見室)

1.発言要旨

 昨日、緊急事態宣言の延長、幾つかの地域の解除などをお話し申し上げましたが、幾つかの県と調整しておりまして、まん延防止等重点措置の下で、どういう形で引き続き継続するのか、あるいは、緊急事態宣言からまん延防止等重点措置になった地域で、どのように対応するのかというところで、昨日申し上げたとおり、石川県は基本的対処方針にあるとおり認証店、第三者認証を受けたお店については、お酒の提供を一定時間まで認める方向で調整しています。あとは、幾つかの県も、それも含めて、地域の見直しなども含めて調整がされています。
 いずれにしても13日以降、どのような形で対応するか判断されるものと思いますが、各県と、感染状況、医療の状況などをよく見ながら調整していきたいと思います。基本は、基本的対処方針に基づいて知事の判断で対応できますので、よく連携をとって対応していきたいと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)総裁選への表明をしておられます高市前総務相の政策の中で、「物価安定目標を達成するまでプライマリーバランスの黒字化目標を凍結する」ということをおっしゃっておられます。総裁選での政策ではありますが、これについて大臣はどのようにお考えになられるでしょうか。
(答)総裁選の公示は17日ですから、来週の金曜日からスタートするということで、立候補される方々がそれぞれの政策表明などをされつつあるということだと思います。
 現時点で、岸田さんと高市さんが政策について発言しておられますが、詳細を私自身は承知しているわけではありませんが、それぞれのお考えを述べられて、今日は河野さんが表明されると聞いております。これは是非、総裁選挙で経済政策、それから足下のコロナへの対応、こういったことを含めて論戦が展開されること、そして、その中で様々なお考え、いろんな新しい発想や新しい考え方もあるでしょうから、是非議論が活発に行われることを期待したいと思っております。
 その上で、今申し上げたとおり、高市さんが表明されたことをつぶさに承知しているわけではありませんが、報道などで見ている限りで申し上げれば、一つは、今のまさにこのコロナ禍で、私の担当しているGDPの数値で言えば、GDPギャップがまだ22兆円あるということでありますので、需要が非常に低い状況の中で厳しい状況に置かれている事業者の皆さん、あるいはそういう世帯もありますので、既に協力金、あるいは月次支援金、あるいはひとり親の方々へのお子さん1人当たり最大5万円、これを3度給付していますし、この夏にはふたり親の方にも、厳しい家庭には5万円の給付を行ってきています。さらに、緊急小口資金などを使えなくなっている方々への30万円の給付も各自治体で始まっています。政府は今、そういう厳しい状況にある方々にしっかりと支援することが、まさに財政の役割だと、政府の役割だという点。さらには、いつも申し上げているとおり、将来に向かって、もう既に新しい時代が始まっている。デジタルとかグリーンといった分野に民間の投資を引き出すための、政府のいわば呼び水となる支出、これも必要でありますので、そういった意味で、今このコロナ禍で厳しい状況にある方々、あるいは日本の未来に向かっての財政の役割、これが重要だという点。
 もう一つは、物価目標2%に言及されたと聞いておりますが、やはり日本にとって大事なことはデフレから脱却すること。今、需要が低い中で、デフレに戻りかねない状況にありますが、デフレ脱却、これこそが日本経済にとっては重要な一つのテーマであります。そのために賃上げもやっていかなければいけない。これまで、悪循環でデフレによって物価が下がる、賃金も下がるという悪循環を、デフレスパイラルという言い方をしてきたわけですが、世界中が物価上昇率2%、国によっては3%、4%というところもあると思いますが、このデフレ脱却というのは大きなテーマでありますので、このデフレ脱却に向けて強い決意を示されたものと理解しています。
 そういう意味で、今、このコロナ禍においての財政の役割、政府の役割、それからデフレ脱却の重要性といった点には私自身の考えと共有するところがあります。
 その上で、財政健全化との関係を申し上げれば、菅政権としての方針は、もう閣議決定しておりますが、今年度内に、感染症の財政への影響をしっかりと検証して、その結果を踏まえて目標年度を再確認するということにしておりますので、菅内閣としては、そういう方針で臨んでいるということであります。
(問)「ワクチン・検査パッケージ」についてお聞きします。昨日、政府対策本部の資料の中で、ワクチンの考え方とともに、検査の在り方について参考資料が配られましたが、その中で、PCR検査を推奨する、抗原定性検査も使えるというようなことが書かれていて、それぞれ72時間、24時間の期間の有効性というのも示されたのですが、検査費用について、「基本的に公費投入はしない」と明記されていて。これについて大臣は恐らく、なるべく自由に安価に検査ができるというのをこれまでもやりたいとおっしゃっていましたが、検査費用をどうお考えか。特にPCR検査の場合だと数万円かかるようなところもあったり、安いところだと3,000円と書いてありますが、抗原定性検査も薬局だと4,000円ぐらいで売っているという感じがするのですが、なかなか飲食店に入るのに1回4,000円の検査をやっていくというも現実的ではないという気もするので、その辺、公費の在り方、もしくは市販の価格の在り方について、どういうものが望ましいのか、お考えを教えていただければと思います。
(答)この検査費用については、昨日も国会でも議論がありましたが、行政検査は無料で受けられるという仕組みを構築しています。症状がある方、あるいは症状がなくとも濃厚接触者、関係者ということで。これは学校で、例えば誰かが陽性となった場合に、学校がその範囲を決められるということです。こういったことで、無料で行えるようにしております。抗原検査キットを活用して陽性になった場合でも、会社、大学などで範囲を決めて、保健所の負担を掛けることなく無料でできるようにしています。そういう意味で、行政検査の範囲もかなり広げて、無料の範囲も広げてきています。
 それから、抗原検査キットについて言えば、今、街中で売られているものは厚労省が承認しているものではなくて、一般に使われているものであります。厚労省が承認したキットは14だと思いますが、このキットについては大学に、あるいは医療機関や高齢者施設にも配布して、高校、そして今は中学校、小学校にも配布して、少し具合が悪い人には活用をということで進めています。これらの14の承認されたものについては、数百円程度で購入することができます。これは職場でも活用していただけいるようにということで、各企業が購入して進めていただいています。そして、経団連などからは、これを薬局などでも買えるようにという要望をいただいておりますので、このことについて厚労省で検討を進めているという状況です。
 それから、いわゆる民間のPCR検査も数万円から3,000円。今、どんどん安くなっています。やはりこれは、広がってくると規模の経済が働いていますから2,000円程度で行えるようなところも出てきています。
 というようなことも踏まえながら、諸外国の例も我々は検討していますが、72時間でPCR検査、あるいは抗原検査キットは24時間というような取組みをしているところが多いようです。そして、ドイツなどでも、これまで無料でやっていたものを有料化するというような取組みも進んでいます。
 ワクチンをできるだけ打っていただくということもあります。他方で、ワクチンが打てない方もおられます。こういったところをどのよう考えていくかということも含めて、これから事業者の皆さんや、あるいは国民の皆さんの、様々な議論をしながら具体化については検討していきたいと考えています。
 ありがとうございました。

(以上)