西村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月25日

(令和3年6月25日(金) 9:56~10:29  於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

 コロナの関係で、まず何点か申し上げますが。その前に、今日、質問主意書に沿ってコロナ室の残業時間などについて閣議決定しております。詳細は申し上げませんけれども、1月時点よりかなり改善はしていますが、業務の効率化を含めて超過勤務時間が削減できるように引き続き対応していきたいと思います。
 テレワークについても、1日全て行うのはなかなか難しいですが、半日単位であったり、時間単位で行ったり、様々工夫をしておりますし、テレワークができない分は休暇も増やしておりますので、そういった点、ご理解いただければと思いますが、引き続き超過勤務の削減、休暇の取得など必要な業務改善を図っていきたいと思っております。
 それから幾つか、水曜日だったと思いますが、理化学研究所で変異株の強さなどについて公表されていますが、まず、市販のマスクの性能をいろいろ調べてもらいました。吸い込みが緑、吐き出しが赤で、何%ぐらいカバーできるかということで、ウレタンマスクからN95マスク。N95マスクは、もうほぼ100%吸い込みもないし吐き出しもないということでいいわけですが。あと、ナノフィルターマスクや不織布のマスクも何種類かありますが、フィルターのあるものについては高い水準になっています。ウレタンマスクとかスポーツマスクは非常に低い。スポーツは走りながらとかですから低くなってしまいますが、布マスクもこんな感じです。ダブルで使うと、多少吐き出しの方は減るということでありますが、吸い込んでしまう方は、緑はこういうレベルです。
 先日、JIS規格が定められております。様々な材料について規格がなされていまして、これだと95%程度、測定の方法によるので違いますが、95%程度捕獲ができるということですので、少し測定方法がスパコンでやったのと違いますが、大体、不織布のマスク以上であればJIS規格を満たすということになってきます。
 変異株が広がってくる中で、できる限り不織布のマスク、性能のいいものにしていただいて、どうしても肌荒れとかファッションとかを考えられる方はウレタンマスク、布マスクとダブルでしていただけるとそれなりに上がってくるということですので、是非お願いしたいと思います。できる限り不織布マスクをお願いしたいと思います。
 カラオケに関して。これは私ども調べたものですが、やはり4月、5月、もちろん緊急事態宣言の下でカラオケは停止してもらっていますので、それ以外の地域での発生が多いわけですが、全国的に非常にまだカラオケが多いということで、カラオケについて調べてもらっています。
 これは、研究してもらっていますが、呼吸、会話、咳、歌唱、それから飲食中の歌唱ということで、どのぐらい飛沫が飛ぶかという実測、計測をしてもらっていますが、やはり普通の呼吸から会話、咳、歌唱、飲食中と、どんどん増えていくわけです。平均を取ると、会話時を1としたときに15.2ぐらいまで。やはり飲食をしながらの歌唱は声が大きくなる、動きも活発になるということだと思いますが、非常にリスクが高いということであります。
 それから飲食店のクラスターも調べていました。青はお酒がないクラスター、オレンジはお酒がある方ですが、やはり圧倒的にお酒がある時が多いわけであり、当然、時間が長くなるということもあります。
 それで、これはスパコンで調べてもらいまして、こういう飲食店で、ここが換気の外気を入れるところ、そして出すところ。ここも出すところです。こう入っていくわけです。それから、エアコンがここにあるという前提で、このカウンターとそれぞれの席でどのぐらいリスクがあるかということで、座席を1番から16番まで決めてやると。想像するに、誰かが感染者の時に、こういう空気の流れがあるので、当然、この辺りが溜まってくるわけですけれども、流れている中でリスクが高くなるわけですが。
 これを、特段の対策なく換気のみの場合と、エアコンと厨房ダクト、それからパーティションも設置した場合で、それぞれの座席位置について、こちら側の人が感染した場合、1番から16番のどの椅子が感染しているか。どの人にうつす、どの人に感染リスクが高いか、うつすリスクが高いということで。まず、全般を見ていただくと、やはりちゃんとパーティションをやって、ダクトを動かしてエアコンも動かすと、かなりリスクが下がることが分かります。何も対策をしないと、6番、7番、8番の人が感染していると、5番、6番、7番の人にうつすと。真っ赤になるほどリスクが高いわけです。そうすると、ここは、少し見にくいと思いますが、8番の人が感染している場合にどの人にうつすか。ここが8番です。空気の流れがこうあるわけでして、この8番の人がうつすリスクが一番高いのは7番。真っ赤になっています。つまり、空気の流れの中で、パーティションは向かい合わせのところにあるだけなので、この7番の人に、横の人に非常に高いリスクがあるということです。
 これは、6番から5番です。同じです。6番の人が5番の人に、こういう空気の流れの中で横にうつしてしまうリスクがあると。ここは、15番の人が例えば14番、ここです。この流れの中で隣の人にうつしてしまう。13番の人はほとんどない。これは、この人が壁になっているということだと思います。
 ということで、空気の流れでどこのリスクが高いかということが分かります。ですので、今後、もう少しいろいろ、店によって配置が違いますので、参考にしていただきながら。例えば1番は座らないとか、7番は座らないとか、ここは、こういう空気の流れの中で13番、14番は座らないとか、そういった工夫をすることでリスクが高いところを下げることができます。この真っ赤のところがリスクが高いわけですので。
 大事なことは、ダクトをちゃんと動かして空気の流れを作って、パーティションもやっていれば、かなり全体としてリスクを下げられるということで、平均リスクで見ると0.48から0.53まで、5分の1ぐらいまでリスクは落ちますので、こういったことの分析を行ってもらっています。
 これは以前に私どものアンケート調査で出した、アルコールが入ると2倍ぐらいの時間になると、平均2時間になってしまうということです。アルコールがないと1時間未満が半分ぐらいあるわけです。1時間も合わせれば、3分の2、70%、7割は1時間半以内ですが、アルコールがあると、どうしても2時間以上が6割ぐらいあるわけで、六十何%、3分の2ぐらいになってしまうということで、アルコールが入ると時間が長くなってしまうということです。
 ワクチンですが、23日時点で3,579万回ということでありますから、もう昨日、1日経っていますからプラス100万近くなっていると思いますが、少なくとも1回打った人が高齢者の50.4%になっています。総人口で言うと、20%ぐらいが少なくとも1回の接種。今、100人当たり28だと思いますが。
 ここのところあまりここでお示ししていなかったですが、東京都の60歳以上の感染者です。1月は感染された方が2,000人ぐらい毎週いたわけですけれども、これが5月もかなり高かったのですが、このところ250人前後にかなり減ってきています。パーセントも8%、9%と。これがワクチンの効果が出てきているのかどうかまだ分かりませんが、東京都で言うと65歳以上で半分の人が接種ですから。
 70歳以上も120人前後で、数%で推移しています。このところ急激に落ちてきていますので、ワクチンの効果が出てきているのかどうか、この辺りの分析を進めています。
 しかしながら、これは銀座で、人出が増えている中で、やはり70代以上の人出がかなり増えています。60代の人出も緑、かなり増えています。銀座ですから10代の人はそんなに多くはないですが、60代、70代の方が、ワクチンを接種して少し安心して出られているのではないかという感じがします。
 以前にも申し上げましたが、ワクチン接種は、2回接種して、そして2週間経てばかなりの効果が出るということで。今、ほとんどもうアルファ株に入れ替わっている、デルタ株が数%ぐらいの状況だと思いますが、全国で。東京で8%ぐらいということであります。これはファイザーのワクチンですが、ファイザーとモデルナはほぼ同等の効果があると思って、双子のワクチンと言われていますので。2回接種すれば88%ですが、1回接種だと34%。英国株に対しても1回接種で51%。しかも、1回接種して2週間経てばこういう効果を持ってくるということですから、1回接種して直ちにほとんど効果はありませんので、是非、誤解のないようにしていただいて。
 ワクチンを1回接種して、1週間以内でこうしたクラスターが高齢者施設とか高齢者で出ていますので、是非、1回打ったからということで安心されることなく、2回打っていただく。そして、それから2週間経ってから効果を持つということであります。そうすると、アルファ株に対しても93%、デルタ株に対しても88%の効果を持ちますので、是非、このことを頭に置いて行動していただきたいと思います。先ほどの不織布のマスクなどをきちんとしていただくことが大事です。
 一方、若い世代が、例えば渋谷で言いますと、10代がこの勢いで増えていまして。直近22日までで取ったデータで、全体に増えていますが、合計が赤で増え続けているのですが、これは5月16日を100としておりますので、赤はもう120ちょっと、125ぐらいになっていますので25%ぐらい増えていますが、若者がもう5割増しぐらいに増えています。こうした中で20代、30代もじわじわ増えておりまして、今、東京の6割は30代以下の感染であります。ワクチン接種がありませんし、これだけ活動が活発になると、どうしても感染が広がるということです。
 英国とイスラエルの例を挙げていますが、少なくとも1回接種完了が英国は63%、イスラエルも63%。2回接種は46%、イスラエルはもう6割が2回接種です。ただ、感染者の数は、イギリスは1週間で1万人台だったのが6万人台まで増えています。イスラエルも、人口は少ないですが146人まで。ただ、死者の数は、イスラエルはもうほとんど出ていませんし、イギリスも比較的低く抑えています。
 イギリスの感染の状況。去年からですが、年末から1月にかけて急激に増えて、いわゆるアルファ株で増えて、その後ワクチン接種が進んで減ってきました。死者の数、赤も相当減っています。ここに来て増えてきているということです。
 これをもう少し見てみますと、これは感染者の数。今年の5月から、少なかったのがこう増えてきている。まだ接種が終わっていない若者を中心にこんな形で増えていますが、死亡者の数は比較的低く、かなり低く抑えてきています。ちょっと凸凹ありますが。
 これが大事です。ただ、入院者の数は100人程度から200人ということで、じわじわ増えていまして。これはADB、厚労省のアドバイザリーボードでも話題になりましたが、死者の数、重症者の数はかなり抑えられますが、中等症、若い人たちを中心とした中等症、軽症の方々、本当に軽症の方はホテルに入っていただいて宿泊療養でもいいですが、軽症から中等症になる方々の、特に若い人たちがこれだけ活発に活動して感染が出ると、そこは医療機関の負荷がかかるということで。特に重症者ではなくて中等症を扱っていただいている、入院を受け持っていただいている中小の病院、ここへの負荷がかなりかかってくることが想定されますので、こういったことを分析しながら対応を進めたいと考えています。
 それから、テレワークの関係を申し上げます。
 ここに来て、緊急事態宣言が解除されたということもあって首都圏で24%、関西圏で19%と、駅の利用、乗客数がまた少し戻ってきていますので、改めて、「新たな日常」の象徴としてのテレワークをお願いしたいと思います。
 毎週水曜日に発表しておりますが、テレワークの実施状況の開示、全国で952の回答がありますが、上場企業が3,800ありますので11%程度ということで、まだ上場企業は1割強しか公表していただいていませんので、是非、上場されているパブリックな企業ということで、こうした情報開示をお願いしたいと思います。
 首都圏では12%ということで、多くの企業がテレワークを実施していただいておりますが、例えば首都圏を除く関東圏では上場企業4社とか、中国・四国地方では7社とか、九州でも9社とか非常に低い数字になっております。もちろん製造業の現場とか物流の現場とか、いわゆるエッセンシャルワーカーの方々には配慮は必要ですが、事務職を中心にテレワークができる業種はできるだけ、テレワークを新たなデジタル化の一環の中でお願いしたいと思いますし、出勤者数を削減することが全体として感染拡大を抑えていくことにつながりますので、是非とも引き続きの協力をお願いしたいと思います。
 併せて、先般、改めて経済界にもお願いしましたが、コロナ前からオリンピックの時期には首都圏の中心部の人口、人流を減らそうということであります。以前も申し上げましたが、首都高速の料金もプラス1,000円になります。都心に入ってくる車の量を減らそう、人流を減らそうということであります。オリンピック期間中のさらなるテレワーク、それから休暇の分散。どうしてもお盆の時期に集中しますが、これを分散してほしいということも含めてお願いしております。
 経団連による会員企業を対象とした調査も行われておりますので、どのように実施していくか、このことについて結果がまとまり次第、経団連とも連携して公表していきたいと考えております。いずれにしても、できる限り首都圏の人流を減らすと、特に東京の人流を減らすということが大事な点でありますので、引き続きお願いしたいと思っております。
 私から以上です。

2.質疑応答

(問)昨日の東京都のモニタリング会議で、都の感染状況について急激な感染拡大の可能性があるという指摘がありましたが、分科会の先生方はかねて、増加局面において早めの対策が必要ではないかという指摘をされておりますが、大臣は対策強化の宣言の必要性も含めてどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
 それともう一つ、感染状況の判断に当たっては、先ほど、重症者数、中等症の話もありましたが、新規感染者数を重視するという従来の方針でいかれるのか、その辺をお考えはどのようになっているのでしょうか。
(答)まず、これは以前から申し上げていますとおり、緊急事態宣言を解除すれば、まん延防止等重点措置に移行していますが、当然、最も強いカードである緊急事態宣言を終えるわけですので人流は増えてきますし、感染は増えてくるものと、新規陽性者の数は増えてくるものということで私どもも想定をしておりました。今、500人、600人の感染者数になってきておりますので、まさに人流が増えてきていることについて、そして感染者が増えてきていることについて、これはもう想定していたとはいえ、高い警戒感を持って今、分析を進めているところであります。
 特に先ほど申し上げた、当然新規陽性者の数が病床にも影響を与えますので、全体としての陽性者の数も見ていかなければいけませんし、その中で高齢者がどのぐらいいるのか、あるいは若者がどのぐらいいるのか、こういったことの分析も進めています。その中で重症者がどのように推移していくか、あるいは中等症などの人たちがどのぐらい出てくる可能性があるのか、こういったことの分析を専門家とも今、進めておりますし、東京都とも細かいデータを共有しながら分析しているところであります。
 当然、一定の感染拡大が進む、あるいは病床が厳しくなってくるということになってくれば、直ちに対策を強化するということでありますので、例えば酒類の提供を再び停止するというようなことも含めて考えていかなければいけないと思っております。この点、東京都ももう既に事業者にもそういった旨の通知がなされていると聞いておりますし、専門家、東京都とも連携していきながら対応していきたいと思います。
 以前にも申し上げていますが、ワクチン接種を特に重症化のリスクのある高齢者に着実に2回接種を進めていくことと同時に、現役世代も職域がかなり進んできていますので、これを円滑に進めていくこと。
 それから、次のステップで、市町村でも現役世代、64歳以下の接種が始まります。例えば新宿区などでは、むしろ若い世代を先にやろうということで20代、30代。これは、新宿区は歌舞伎町という繁華街を抱えて、やはり感染リスクのあるエリアということ、過去も感染が広がった経験もありますので、広く呼び掛けて若い層、リスクのあるそういう職業の方々、人とどうしても接客しなければいけない、接触しなければいけない方々にできるだけ早く打ってもらおうという取組みも進めていますので、こういったことを着実に進めていくことが大事だと思いますし、ワクチン接種が若い世代までを含めて進むまでの間、検査をどう組み合わせるかということも大事だと思っています。
 抗原検査キットを大学に配布するということで今、文科省のほうで調査をやって、もう今にも配布を迅速に始めようという状況になっていますが、大学でもワクチン接種も進みますが、それまでの間、少し具合が悪い人に抗原キットで探知していくという取組み、これを進めていきたいと思っています。
 さらに次のステップでは、職場でこの抗原検査キット、要は安価ですし、短時間で検知できますので。人にうつすほどのウイルスを持っていれば分かりますので。これは大事な点です。PCRのほうがより正確で精度もいいわけですが、人にうつす量があればもう出ますので、そういった方を特定していくということで。これもできるだけ早く職場でも使えるようにできないかということで、厚労省のほうで今、調整を進めてくれていますので、検査を組み合わせながら対応していければと考えています。
 今、直ちに緊急事態宣言を出すとかそういう状況ではないと思いますが、先ほど申し上げたように、新規陽性者数ももちろん大事ですが、その分析をしながら、高齢者が多いのか、若者が多いのか、今は6割が若い世代ですので、その世代にどういうメッセージを出して、どういう対策をしていくのか。一つが検査ということだと思いますが、そういう対応をしながら、必要に応じて酒類の停止なども含めた強い対策を取るということを頭に置きながら進めていきたいと思いますが、やはり大事なのは医療の提供体制、病床の状況をより重視して判断していきたいと考えています。
 いずれにしても、こうした分析を今、専門家と東京都と連携して進めておりますので、予兆が出てくれば先手の対応をするということが大事だと考えています。
(問)現在、まん延防止等重点措置が適用されている福岡県が7月11日の期限を待たずに、前倒ししての解除を要請する方向で検討しています。要請があった場合の政府の対応と現時点での県との調整状況について教えてください。併せて、そもそも指標に、改善が見られる自治体の前倒し解除は選択肢としてあり得るのか、大臣のお考えをお願いします。
(答)福岡がそういうことであることは、私はまだ聞いておりません。知事とも話しておりませんし、事務方からも今の時点でまだ報告は受けておりません。
 全体として確かに、沖縄はまだ赤が幾つもともっていますので、これでも改善傾向はかなり顕著に出てきていますので、前週比で0.68ですから6割、7割のペースで落ちてきていますので、もう少しのところまで来ていますが、病床もかなり改善傾向が見られますが、やはりまだ沖縄は厳しいと。それ以外の地域は、黄色もだいぶ減ってきましたので、ご指摘のように兵庫とか福岡とかはかなり改善が見られてきています。黄色もほとんどないということ。ただ、これは今、分析を進めていますが、やはり経路不明が非常に多いということ。ほとんど5割です。北海道は41%とか、愛知は43%とか、福岡も49%とありますが、やはり半分は経路が分からないということでありますので、この状況を各県と分析を進めています。
 念頭にあるのは、やはりデルタ株。デルタ株は全国的には今3%程度ということで、先日のアドバイザリーボードで評価されています。アメリカやイギリスの例を見ると、2週間程度で2倍ぐらいになっていくペースでありますので、このデルタ株が広がってくることを念頭に置いて、やはり強めの措置を継続していくこと、基本はそれが大事だと思っています。
 ただ、当然、強い措置、私権の制約を伴うものでありますから、もちろん改善傾向が顕著になって、もうステージ2以下が確実になったということであれば、当然、いろんな対応は考えられますが。この経路不明が5割あるということころは今、分析を進めておりますが、こういうアクリル板とか、換気をちゃんとして、マスクをちゃんとしていても職場で感染が広がったとか、やはり変異株の感染力の強さによる様々な感染が出ていますので、そういったことを頭に置きながら判断していかなければいけないと考えています。
 いずれにしても、それぞれの県と、特にこの経路不明のところがどういう状況なのかということの確認なり情報の共有を急いでいますので、これは必要に応じて専門家の皆さんにも入っていただいて、それぞれの県の状況を細かく共有しながら対応してもらいたいと思っていまして、分析を急いでいるところです。
(問)東京オリンピック・パラリンピックのことについて。昨日、宮内庁の長官が、「天皇陛下が開催が拡大につながるのではないかと懸念されていると拝察している」と発言されたと思います。ご存じかと思いますが、その発言についてご見解をお願いします。
(答)まず、宮内庁の長官の発言は報道では承知しておりますが、具体的な詳細について私は今の段階では見ておりませんので控えたいと思います。
 大事なことは、私の立場で言えば、やはり感染拡大のリスクをできるだけ下げると、これを抑えていくということが大事でありますので、国民の多くの皆さんも、オリンピックに対して期待感を持っている方もたくさんおられると思いますが、まだ不安を持っている方もたくさんおられますので、その不安を少しでも減らしていく。特に感染拡大のリスクを減らす。そのために今、日々いろんな分析を進めておりますし、場合によってはこの対策の強化も含めてやらなければいけないという状況でありますので、私の立場では、とにかく感染拡大のリスクを抑える。丸川大臣をはじめ、河野大臣や田村大臣とも連携して進めていきたいと考えています。
(問)先ほどの質問に重ねてですが、仮に前倒しになるとしても日程的に1週間程度かと思いますが。大臣、改めて、仮に1週間程度だとしても自治体からそういった要請があった場合は検討されるのか。そもそも検討に値しない状況なのか、教えてください。
(答)繰り返しになりますが、今の時点でまだ要請も何もありませんので、知事からも何も伺っていませんし、また、事務方からも報告を受けておりませんので何とも言えないですが。
 やはり変異株というものを念頭に置いて、できる限り病床、感染状況を安定的なものにしたいという気持ちを強く持っておりますので。基本的には今申し上げた経路不明のところの分析などを進めながら、しっかりとこの期間、対策を進めてもらって、安心できる状況にしてもらうことが大事だというのが基本です。
 ありがとうございました。

(以上)